JP2001288030A - 保湿剤吸着粉末及びそれを配合した粉末化粧料 - Google Patents
保湿剤吸着粉末及びそれを配合した粉末化粧料Info
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Abstract
と共に、製品の保存安定化が図られる保湿剤吸着粉末を
提供することにある。 【解決手段】 メソポーラス粉末に保湿剤を吸着させた
ことを特徴とする保湿剤吸着粉末。
Description
それを配合した粉末化粧料、特に保湿剤を実効濃度で配
合した際の製品の保存安定化に関する。
ー、ボディーパウダーのようなルース状のものと、それ
に少量の賦形剤を添加して固めた固形状のものがある。
これらの粉末化粧料は配合される粉末によって、化粧直
し的な用途は勿論、汗、皮脂の吸収作用により、皮膚を
さっぱりさせ、健やかに保たせるなどの用途で広く用い
られている。
を含有しないものであったが、近年、皮膚の保湿の重要
性が広く認知されるようになると、粉末化粧料において
も、保湿剤を配合して保湿性を高めようとする試みが行
われるようになった。
のように吸湿性の高いものを多量に粉末化粧料に配合す
ると、それ自体の吸湿性が増大し、製品に膨れや、汗か
きの現象が現れてしまう場合がある。この結果、粉末化
粧料に保湿剤をある程度配合することは可能であって
も、満足のゆく保湿効果が得られるような実効濃度で多
量に配合することは、実質的に不可能であった。
た場合の製品安定性については、未だ改善の余地が残さ
れていたものの、従来はこれを解決することのできる適
切な技術が存在しなかった。本発明は前記従来技術の課
題に鑑みなされたものであり、その目的は優れた保湿効
果が得られると共に、製品の保存安定化が図られる保湿
剤吸着粉末、及びそれを配合した粉末化粧料を提供する
ことにある。
に本発明者が鋭意検討を行った結果、先に保湿剤を均一
な細孔を有するメソポーラス粉末に吸着させ、保湿剤吸
着粉末を調製することにより、該保湿剤吸着粉末を粉末
化粧料中に実効濃度で配合しても、膨れや汗かきの現象
が現れず、製品の保存安定化が図られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
は、メソポーラス粉末に保湿剤を吸着させたことを特徴
とする。また、本発明にかかる保湿剤吸着粉末におい
て、前記メソポーラス粉末は、酸化ケイ素を主成分と
し、開口径、容積等の略均一な細孔を有することが好適
である。
粉末は、塊状ないし棒状のものを用いることができる
が、製品の保存安定化、使用時の水分保持効果、皮膚の
保湿効果と汗や皮脂の吸収作用の適正なバランスがとれ
る点では、前記メソポーラス粉末が外径20〜200n
mの棒状であり、且つその長手方向に細孔が伸長してい
ることが特に好適である。
いて、前記保湿剤の吸着率が、保湿剤吸着粉末に対して
1〜90重量%であることが好適である。すなわち、1
重量%を下回ると保湿効果の実効が伴わず、90重量%
を越えると、粉末の汗や皮脂の吸収作用の限界を超えて
しまうので、粉末の存在意義がなくなるからである。
保湿剤吸着粉末を含むことを特徴とする。また、本発明
にかかる粉末化粧料において、前記保湿剤吸着粉末の配
合量が、粉末化粧料全量に対して0.1〜90重量%で
あることが好適である。すなわち、0.1重量%を下回
ると、前記保湿剤吸着粉末の持つ効果が十分に得られ
ず、90重量%を越えると、製品として成り立たないか
らである。
説明する。メソポーラス粉末 本発明において用いられるメソポーラス粉末は、開口
径、容積等の均一な細孔を有し、通常化粧料に用いられ
るものであれば、任意のものを用いることができるが、
それらのうちでも、例えば特開平10−152317号
公報等に記載の、酸化ケイ素などのケイ素種を主成分と
し、開口径、容積がより均一な細孔を有するものが、製
品の保存安定化、使用時の水分保持効果、皮膚の保湿効
果と汗や皮脂の吸収作用の適正なバランスがとれる点で
特に好ましい。
ラス粉末のうちでも、例えば特開平11−100208
号公報等に記載の、棒状メソポーラス粉末が、製品の保
存安定化、使用時の水分保持効果、皮膚の保湿効果と汗
や皮脂の吸収作用の適正なバランスがとれる点で特に好
ましい。
に用いられるものであれば、任意のものを用いることが
できるが、そのうちでも、例えば外径20〜200nm
の棒状であり、且つその長手方向に細孔が伸長している
ものが、製品の保存安定化、使用時の水分保持効果、皮
膚の保湿効果と汗や皮脂の吸収作用の適正なバランスが
とれる点で特に好ましい。
されるものであれば特に限定されず、例えば、1.3-ブチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリ
ン、エリスリトール、キシリトール、1.2-ペンタジオー
ル、ジグリセリン、ポリオキシエチレンメチルグルコキ
シド、ソルビトール、ポリエチレングリコール(平均分
子量400〜20000)等が挙げられる。
は、種々のものが挙げられるが、下記グリセリンを吸着
したメソポーラス粉末の製造方法が例示される。
製造方法1 0.5Mメタケイ酸ナトリウム水溶液100mLにベヘニルトリ
メチルアンモニウムクロライド0.01molを溶解した。塩
酸によりpHを8前後に調整した後、この分散液をろ過水
洗し、ろ過残を乾燥、焼成(700℃)して棒状メソポー
ラス粉末を得た。この粉末を濃グリセリン(保湿剤)の
EtOH溶解液に所定量添加し、完全に混合分散した後に減
圧乾燥にてEtOHを除去して、所望の濃度のグリセリンを
吸着した棒状メソポーラス粉末を得た。
ように液体の保湿剤をEtOH等の溶媒に溶した例について
説明したが、保湿剤が固体の場合も、該保湿剤の種類に
応じて適切な溶媒を選択し、該溶媒に溶して用いること
が好ましい。一方、保湿剤が液体の場合、メソポーラス
粉末を粉砕し、そのまま保湿剤に添加して吸着させる下
記の方法2も例示される。これにより、溶媒の乾燥工程
等が省略されるので、製法の簡略化が図られる。
製造方法2 0.5Mメタケイ酸ナトリウム水溶液100mLにベヘニルトリ
メチルアンモニウムクロライド0.01molを溶解した。塩
酸によりpHを8前後に調整した後、この分散液をろ過水
洗し、ろ過残を乾燥、焼成(700℃)して棒状のメソポ
ーラス粉末を得た。この粉末を粉砕機で粉砕し、濃グリ
セリンに所定量添加して完全に混合分散し、所望の濃度
のグリセリンを吸着した棒状のメソポーラス粉末を得
た。
ソポーラス粉末について、グリセリン吸着メソポーラス
粉末に対するグリセリンの吸着率(重量%)を変えて、
これらの量的関係の検討を行った。 <評価方法> ◎:非常に良い ○:良い △:やや良い ×:悪い
メソポーラス粉末に対するグリセリンの吸着率は、1重
量%を下回ると、保湿効果の実効が伴わなず、90重量
%を越えると、粉末の汗や皮脂の吸収作用の限界を超え
てしまい、化粧くずれ防止効果、汗のたれ落ち防止効果
等が著しく低下してしまうので、粉末の存在意義がなく
なる。
用の適正なバランスをとるため、本発明において好適に
用いられる保湿剤の吸着率は、製品形態及びその目的に
より、グリセリン吸着メソポーラス粉末に対して1〜9
0重量%の範囲内であり、特に10〜70重量%が好ま
しい。
果の検証 図1には、前記製造方法1で製造されたグリセリン吸着
メソポーラス粉末を用いた場合(本発明)と、グリセリ
ンをそのまま用いた場合(比較例1)との比較結果が示
されている。本試験例では、グリセリン吸着メソポーラ
ス粉末そのものの水分保持効果を検証する目的で、グリ
セリン10%(比較例1)、前記製造方法1で製造され
た50%グリセリン吸着メソポーラス粉末20%(本発
明)を、それぞれ3本ローラーによりワセリンに混練り
し、試料とした。
5cmの大きさに2mg/cm2の量を塗りつけ、塗布前後
のコンダクタンスを測定した。なお、測定にはSKICON−
200(アイ・ビイ・エス社製)を用い、塗布部の任意
の10点の平均で評価した。
リン+グリセリンを用いた場合(比較例1)と、ワセリ
ン+グリセリン吸着メソポーラス粉末(本発明)を用い
た場合は、ワセリンのみを用いた場合に比較し、塗布後
のコンダクタンスが塗布前に比較し高い数値を示してい
る。このことから、本発明にかかる保湿剤吸着粉末は、
使用時に、それ自体が優れた水分保持効果を発揮してい
ることが理解される。
リセリン吸着メソポーラス粉末等の保湿剤吸着粉末を含
むものが挙げられ、例えば粉白粉、固形白粉、パウダリ
ーファンデーション、両用ファンデーション、ケーキタ
イプファンデーション、油性ファンデーション、アイシ
ャドー等が挙げられる。
して、前記製造方法1で製造された50%グリセリン吸
着メソポーラス粉末を配合した両用ファンデーションの
製造方法を示す。
混合する。これに残りの粉末を添加してよく混合してか
ら結合剤、防腐剤を加え、調色した後、香料を噴霧し均
一に混ぜる。これを粉砕機で粉砕した後、ふるいを通
し、中皿に圧縮成型し、本発明の両用ファンデーション
を得た。
リセリン吸着メソポーラス粉末を用いた両用ファンデー
ションは、製品の保存安定化が図られると共に、使用時
に油分に代わるしっとり感を付与することができた。さ
らにフィット感が生じ、汗等による化粧くずれ防止等の
機能性を持たせることができた。
ンデーション全量に対するグリセリン吸着メソポーラス
粉末の配合量を変えて、これらの量的関係の検討を行っ
た。 <評価方法> ◎:非常に良い ○:良い △:やや良い ×:悪い
ョン全量に対するグリセリン吸着メソポーラス粉末の配
合量は、0.1重量%を下回ると保湿効果が落ち、90
重量%を越えると、製品が成り立たない。このことか
ら、本発明において好適に用いられる粉末化粧料は、前
記保湿剤吸着粉末の配合量が、粉末化粧料の全量に対し
0.1〜90重量%であり、特に10〜70重量%が好
ましい。
する目的で、下記表3のような両用ファンデーションを
調製し、比較試験を行った。温度40℃、相対湿度93
%の条件下で各製品の経時安定性を比較した。この結
果、グリセリンをそのまま配合した場合(比較例2)
は、1日後に表面に水滴が生じ、経時で膨れた。
多孔性粉末の各成分を、他の成分と実質的に同時に配合
した場合(比較例3)は、約1日半後に表面に水滴が生
じ、経時で膨れた。また、グリセリン吸着シリカゲルを
配合した場合(比較例4)は、比較例2,3より若干遅
れたが、やはり表面に水滴が生じ、経時で膨れた。
グリセリン吸着メソポーラス粉末を配合した場合(本発
明)は、経時により重量の増加がみられたが、2週間で
ほぼ一定となり、表面には水滴は生じず、外形も膨れな
かった。このことから、本発明にかかるグリセリン吸着
メソポーラス粉末を用いた両用ファンデーションは、先
にグリセリンを棒状メソポーラス粉末に吸着させ、グリ
セリン吸着メソポーラス粉末を調製することにより、製
品の保存安定化が図られていることが理解される。
ため、下記表3のような両用ファンデーションを用い
て、比較試験を行った。すなわち、下記の比較例5で製
造された両用ファンデーション、前記製造方法1で製造
された本発明の両用ファンデーションを、それぞれ指に
より側腕部に4×5cmの大きさに2mg/cm2の量を塗
りつけ、塗布前後のコンダクタンスを測定した。測定に
はSKICON−200(アイ・ビイ・エス社製)を用い、塗
布部の任意の10点の平均で評価したものを図2に示
す。
合していない場合(比較例5)は、塗布後のコンダクタ
ンスは塗布前と比較しても殆ど変化せず、水分保持効果
が認められない。これに対し、本発明にかかるグリセリ
ン吸着メソポーラス粉末を用いた両用ファンデーション
は、塗布後のコンダクタンスが塗布前に比較して大きく
向上している。
コンダクタンスは塗布前と比較しても比較例2のような
顕著な変化は見られず、優れた水分保持効果が認められ
なかった。これらのことから、本発明にかかるグリセリ
ン吸着メソポーラス粉末を用いたファンデーションは、
先にグリセリンを棒状メソポーラス粉末に吸着させ、グ
リセリン吸着メソポーラス粉末を調製することにより、
ファンデーションそのものの水分保持効果にも優れてい
ることを示している。
め、下記表3のような両用ファンデーションを用いて、
比較試験を行った。この結果、グリセリンをそのまま配
合した場合(比較例2)、グリセリン、メソポーラス粉
末等の多孔性粉末の各成分を、他の成分と実質的に同時
に配合した場合(比較例3)、グリセリン吸着シリカゲ
ルを配合した場合(比較例4)、グリセリン及び多孔性
粉末を配合していない場合(比較例5)に比較し、前記
製造方法1で製造されたグリセリン吸着メソポーラス粉
末を配合した場合(本発明)は、化粧持ちにも優れてい
る。
リン吸着メソポーラス粉末を用いた両用ファンデーショ
ンは、先にグリセリンを棒状メソポーラス粉末に吸着さ
せ、グリセリン吸着メソポーラス粉末を調製することに
より、さらに化粧持ちにも優れていることが理解され
る。 <評価方法> ◎:非常に良い ○:良い △:やや良い ×:悪い
混合する。これに残りの粉末を添加してよく混合してか
ら結合剤、防腐剤を加え、調色した後、香料を噴霧し均
一に混ぜる。これを粉砕機で粉砕した後、ふるいを通
し、中皿に圧縮成型する。
水分保持効果を有していることが示されたが、皮膚の保
湿効果、肌荒れ改善効果についても検証するため、下記
表4のようなパウダリーファンデーションを用いて、比
較試験を行った。まず、穴の空いたカップを側腕部に押
し当て、該カップにエーテルの混合20mlを入れ、そ
の状態で10分放置して肌を荒らした。
ション、本発明のパウダリーファンデーションを、それ
ぞれパフにより側腕部に直径4cmの円の大きさで、5
0mgを塗布し、コンダクタンスの経時変化を測定した。
測定にはSKICON−200(アイ・ビイ・エス社製)を用
い、塗布部の任意の10点の平均で評価したものを図3
に示す。
末を一切配合せず、代わりにスクワランを多く配合した
場合(比較例6)を示す同図Iは、コンダクタンスが経
時により多少の変動はあるものの、実質的に改善されて
いないので、皮膚の保湿効果、肌荒れ改善が殆ど認めら
れない。これに対し、本発明にかかるグリセリン吸着メ
ソポーラス粉末を用いた場合を示す同図IIは、経時によ
りコンダクタンスが大きく向上しているので、皮膚の保
湿効果、肌荒れ改善が明らかに認められる。
デーションは、先にグリセリンを棒状メソポーラス粉末
に吸着させ、グリセリン吸着メソポーラス粉末を調製す
ることにより、ファンデーション自体が水分保持効果に
優れていると共に、優れた皮膚の保湿効果、肌荒れ改善
効果を有していると考えられる。
は、使用時に、スクワラン等のような油分に代わるさっ
ぱりとしたしっとり感を付与し、使用感を良好としてい
る。
混合する。これに残りの粉末を添加してよく混合してか
ら結合剤、防腐剤を加え、調色した後、香料を噴霧し均
一に混ぜる。これを粉砕機で粉砕した後、ふるいを通
し、中皿に圧縮成型する。
化粧くずれ防止効果を、より具体的に検証する目的で、
以下の比較試験を行った。すなわち、上記比較例5の両
用ファンデーションと、前記製造方法1で製造された本
発明の両用ファンデーションを、それぞれA〜Fの6名
の各パネラーの半顔に塗布し、真夏の炎天下に1時間テ
ニスを行った後の化粧くずれを比較した。比較例5に対
する本発明の評価を表5に示す。 <評価方法> 1:良い 2:やや良い 3:変わらない 4:やや悪い 5:悪い
いても、比較例5に比較し本発明のファンデーションを
用いた場合は多くの改善が見られる。このことから、本
発明にかかるグリセリン吸着メソポーラス粉末を用いた
両用ファンデーションは、先にグリセリンを棒状メソポ
ーラス粉末に吸着させ、グリセリン吸着メソポーラス粉
末を調製することにより、保湿効果が優れていると共
に、余分な汗や皮脂等の吸収作用にも優れているので、
化粧くずれ防止効果にも優れていることが理解される。
汗のたれ落ち防止効果を、より具体的に検証する目的
で、以下の比較試験を行った。すなわち、上記比較例5
の両用ファンデーションと、前記製法で製造された本発
明の両用ファンデーションを、それぞれ前記A〜Fの6
名の各パネラーの半顔に塗布し、真夏に室内で日常生活
を行った後の汗のたれ落ち具合を比較した。比較例5に
対する本発明の評価を表6に示す。 <評価方法> 1:無し 2:やや無し 3:変わらない 4:やや有る 5:有る
ち具合の何れの項目についても、比較例5に比較し本発
明のファンデーションを用いた場合には多くの改善が見
られる。このことから、本発明にかかるグリセリン吸着
メソポーラス粉末を用いた両用ファンデーションは、先
にグリセリンを棒状メソポーラス粉末に吸着させ、グリ
セリン吸着メソポーラス粉末を調製することにより、余
分な汗や皮脂等の吸収作用に優れているだけでなく、よ
り多量の汗や皮脂等に対する吸収作用にも優れているの
で、汗のたれ落ち防止効果にも優れていることが理解さ
れる。
粉末を用いた粉末化粧料は、先にグリセリンを棒状メソ
ポーラス粉末に吸着させ、グリセリン吸着メソポーラス
粉末を調製することとしたので、製品の保存安定化、使
用時の水分保持効果、皮膚の保湿効果と汗や皮脂の吸収
作用の適正なバランスがとれている。
的な改善機構の詳細については、未だ不明な点もある
が、例えば、 粉末化粧料に、保湿剤をそのまま配合した場合(比較
例2)、 粉末化粧料に、保湿剤、メソポーラス粉末等の多孔性
粉末を、他の成分と実質的に同時に配合した場合(比較
例3)、 粉末化粧料に、保湿剤吸着シリカゲル等の他の保湿剤
吸着多孔性粉末を配合した場合(比較例4) 等であっても、容易に得られる作用効果ではない。
ポーラス粉末に吸着させ、保湿剤吸着粉末を調製した後
に、該調製した粉末を他の成分と配合することによりは
じめて、粉末化粧料の他の成分の影響を受けることな
く、保湿剤を均一に、所望の濃度で分散できるので、棒
状メソポーラス粉末と保湿剤の持つ働きを十分に発揮す
ることができるためと考えられる。
考えられる。保存中 本発明にかかる保湿剤吸着粉末を用いた粉末化粧料は、
該保湿剤吸着粉末が開口径の大きさ、容積が均一な細孔
を有している棒状メソポーラス粉末を原料にしているの
で、保湿剤が細孔の内部にしっかりと保持されている。
しかも、棒状メソポーラス粉末は外径が非常に均質なの
で、保存中は、両用ファンデーション等の粉末化粧料中
に保湿剤吸着粉末同士がぴったりとくっついた塊の状態
で多数存在している。
幅にふさがり、該細孔の内部の保湿剤が大気中の水分を
急激に吸湿し難いものとしている。そのうえに、細孔に
吸着されている保湿剤が長時間の内に除々に大気中の水
分を吸湿しても、該保湿剤は、細孔の内部にしっかりと
保持されているので、外部に押出されにくい。これによ
り製品の汗かき等を防げる。
保持されているため、たとえ細孔の内部の保湿剤が膨れ
ても、粉末自体の外形は変わらないので、製品の腫れ等
を防げる。このような開口径、容積の非常に均一な細孔
により保湿剤を保護する働きを十分に発揮することがで
きるので、製品の保存安定化が図られていると考えられ
る。ここで、本発明にかかる保湿剤吸着粉末の原料であ
るメソポーラス粉末の中でも、塊状のものに比較し、棒
状のものを用いた場合の方が、より製品の保存安定性に
優れていると考えられる。
ものに比較し、保存中は両用ファンデーション等の粉末
化粧料中に、保湿剤吸着粉末同士の隙間がより少ない状
態で存在しているので、細孔の内部の保湿剤が大気中の
水分にさらされるのを大幅に減らしているためと考えら
れる。
性粉末の各成分を、他の成分とほぼ同時に配合した場合
(比較例3)、多孔性粉末に他の成分が先に吸着されて
しまい、保湿剤を吸着可能な細孔の数が減少してしま
う。このため、保湿剤の中には、多孔性粉末に吸着され
ずにそのまま存在してしまうものが多く生じる場合があ
るので、汗かきや膨れ等の現象が生じてしまう。
は、先に保湿剤をメソポーラス粉末に所望量吸着させ、
保湿剤吸着粉末を調製しているので、保湿剤がメソポー
ラス粉末の細孔の内部に十分な量だけしっかりと吸着さ
れている。このため、保湿剤は細孔により十分に保護さ
れているので、製品の保存安定化が図られる。
場合(比較例4)は、その結晶性が低く、細孔の開口径
の大きさ、容積にばらつきがあるので、実際には保湿剤
が粉末の細孔の内部にしっかりと吸着されていなかった
り、細孔自体が良好に形成されていない場合もあるの
で、保湿剤は細孔の保護を十分に受けられず、製品の保
存安定性が低下してしまう。
末を用いた粉末化粧料は、保湿剤吸着粉末が開口径の大
きさ、容積が非常に均一な細孔を有しているので、グリ
セリンが細孔の内部にしっかりと吸着されている。しか
も、細孔も十分に形成されているので、グリセリンは細
孔の保護を十分に受けられるので、製品の保存安定化が
図られると考えられる。
保湿剤吸着粉末そのものの水分保持効果に優れていると
共に、皮膚の保湿効果にも優れている。しかも、皮膚の
保湿効果と汗や皮脂の吸収作用の適正なバランスをとる
ことができる。すなわち、平常時は、粉末化粧料中の保
湿剤吸着粉末の細孔にてしっかりと吸着されている保湿
剤が、細孔より除々に一定量で放出されるので、粉末化
粧料そのものの水分保持効果に優れていると共に、皮膚
を適宜保湿し、保湿効果を良好とすることができる。
これを保湿剤吸着粉末の細孔が適宜吸着するので、皮膚
上での保持力が向上される。これによりフィット感が生
じ、汗等による化粧くずれ防止の機能性を持たせること
ができるのである。
の原料であるメソポーラス粉末に、比表面積は塊状のも
のよりも小さいにも拘わらず、優れた吸水作用、吸油作
用を有し、かつ保湿効果とのバランスをとるのにも優れ
ている棒状のものを用いている。これにより、保湿効果
と汗や皮脂の吸収作用のバランスがより適正なものとな
るとともに、さらに皮膚上での保持力が向上されるの
で、汗のたれ落ちも、より効果的に防止している。
場合(比較例4)は、結晶性が低く、細孔の開口径の大
きさ、容積にばらつきがあり、しかも前述のように保湿
剤がしっかりと保持されていなかったり、十分な量保持
されていなかったり、均一に分散していないので、保湿
効果、汗や皮脂の吸収作用そのものが低下してしまうと
共に、これらのバランスもくずれてしまう。
末を用いた粉末化粧料は、その中に含まれる保湿剤吸着
粉末の材料である棒状メソポーラス粉末が開口径、容積
が均一な細孔を有しているので、保湿効果、汗や皮脂の
吸収作用そのものが向上されると共に、これらの適正な
バランスをとることができると考えられる。
よれば、先にグリセリン等の保湿剤を棒状メソポーラス
粉末に吸着させ保湿剤吸着粉末を調整した後、該調製し
た保湿剤吸着粉末を他の成分と配合し、ファンデーショ
ン等を得ることとした。
や、メソポーラス粉末等の多孔性粉末、保湿剤の各成分
を、他の成分と同時に配合した場合に比較し、製品の保
存安定化が図られ、使用時に油分に代わるしっとり感を
付与することができる。さらに、前述のような棒状メソ
ポーラス粉末の細孔の優れた働きにより、使用時は、
汗、皮脂を適宜吸着し皮膚上での保持力が向上されるの
で、フィット感が生じ、汗や皮脂等による化粧くずれの
防止、汗のたれ落ち防止等の機能性を持たせることが可
能となる。なお、本発明の粉末化粧料は、上記のほか
に、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的
範囲内で他の粉末等を配合してもよい。
かかる保湿剤吸着粉末は、上記のほか、下記のものが挙
げられる。なお、以下の保湿剤吸着粉末はいずれも、製
品の保存安定化が図られ、使用時に油分に代わるしっと
り感を付与することができた。さらにフィット感が生
じ、汗等による化粧くずれの防止等の機能性を持たせる
ことができた。
ーラス粉末の製造 0.5Mメタケイ酸ナトリウム水溶液100mLにステアリルト
リメチルアンモニウムブロマイド0.01molを溶解した。
塩酸によりpHを8前後に調整した後、この分散液をろ過
水洗し、ろ過残を乾燥、焼成(700℃)してメソポーラ
ス粉末を得た。この粉末をキシリトールのEtOH溶解液に
所定量添加し、完全に混合分散した後に減圧乾燥にてEt
OHを除去して、所望の濃度のキシリトールを吸着したメ
ソポーラス粉末を得た。
したメソポーラス粉末の製造 0.5Mメタケイ酸ナトリウム水溶液100mLにステアリルト
リメチルアンモニウムクロライド0.01mol及び塩化ブロ
マイド0.01molを溶解した。塩酸によりpHを8前後に調整
した後、この分散液をろ過水洗し、ろ過残を乾燥、焼成
(700℃)してメソポーラス粉末を得た。
OH溶解液に所定量添加し、完全に混合分散した後に減
圧乾燥にてEtOHを除去して、所望の濃度の1.3-ブチ
レングリコールを吸着したメソポーラス粉末を得た。つ
ぎに、本発明にかかる保湿剤吸着粉末を用いた粉末化粧
料は、上記両用ファンデーションのほか、下記のものが
挙げられ、その具体的配合例を以下に説明する。
の保存安定化が図られ、使用時に油分に代わるしっとり
感を付与することができた。さらにフィット感が生じ、
汗等による化粧くずれの防止等の機能性を持たせること
ができた。
混合する。これに残りの原料を添加してよく混合し調色
した後、香料を噴霧し均一に混ぜる。これを粉砕機で粉
砕した後、ふるいを通す。
混合する。これに残りの粉末を添加してよく混合してか
ら結合剤、防腐剤を加え、調色した後、香料を噴霧し均
一に混ぜる。これを粉砕機で粉砕した後、ふるいを通
し、中皿に圧縮成型する。
混合する。これに残りの粉末を添加してよく混合してか
ら結合剤、防腐剤を加え、調色した後、香料を噴霧し均
一に混ぜる。これを粉砕機で粉砕した後、ふるいを通
し、中皿に圧縮成型する。
混合する。これに残りの粉末を添加してよく混合してか
ら結合剤、防腐剤を加え、調色した後、香料を噴霧し均
一に混ぜる。これを粉砕機で粉砕した後、ふるいを通
し、中皿に圧縮成型する。
溶解し、これに十分に混合粉砕された粉末部を攪拌しな
がら添加する。次にコロイドミルで磨砕分散する。香料
を加え、脱気後70℃で容器に流し込み冷却する。
結合剤を均一に溶解後、粉末部に加え混合後、粉砕機で
処理し圧縮成型する。
剤吸着粉末、及びそれを配合した粉末化粧料によれば、
先に保湿剤をメソポーラス粉末に吸着させ、保湿剤吸着
粉末を調製することとしたので、優れた保湿効果が得ら
れると共に、製品の安定化が図られる。
ン吸着メソポーラス粉末の水分保持効果の説明図であ
る。
着メソポーラス粉末を配合した両用ファンデーションの
水分保持効果の説明図である。
着メソポーラス粉末を配合したパウダリーファンデーシ
ョンによる皮膚の保湿効果、及び肌荒れ改善効果の説明
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 メソポーラス粉末に保湿剤を吸着させた
ことを特徴とする保湿剤吸着粉末。 - 【請求項2】 請求項1記載の保湿剤吸着粉末におい
て、前記メソポーラス粉末は、酸化ケイ素を主成分と
し、略均一な細孔を有することを特徴とする保湿剤吸着
粉末。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の保湿剤吸着粉末に
おいて、前記メソポーラス粉末が外径20〜200nm
の棒状であり、且つその長手方向に細孔が伸長している
ことを特徴とする保湿剤吸着粉末。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の保湿剤
吸着粉末において、前記保湿剤の吸着率が、保湿剤吸着
粉末に対して1〜90重量%であることを特徴とする保
湿剤吸着粉末。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の保湿剤
吸着粉末を含むことを特徴とする粉末化粧料。 - 【請求項6】 請求項5記載の粉末化粧料において、前
記保湿剤吸着粉末の配合量が、粉末化粧料全量に対して
0.1〜90重量%であることを特徴とする粉末化粧
料。
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