JP2001287302A - 積層シート、積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents

積層シート、積層体及び積層体の製造方法

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JP2001287302A
JP2001287302A JP2000103345A JP2000103345A JP2001287302A JP 2001287302 A JP2001287302 A JP 2001287302A JP 2000103345 A JP2000103345 A JP 2000103345A JP 2000103345 A JP2000103345 A JP 2000103345A JP 2001287302 A JP2001287302 A JP 2001287302A
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layer
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molding
adhesive layer
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Takashi Oguri
隆 小栗
Takeshi Kayaki
毅 榧木
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OGURI MOKKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】積層シート1としては、天然木を主体とす
る表側の木質層2と、熱可塑性樹脂組成物に対し接着性
を持つ接着剤を有する裏側の接着層3とを互いに直接的
に接触させた一体化二層構造にする場合と、柔軟性を有
する補強層4を表側の木質層2と裏側の接着層3との間
に介在させて木質層2と補強層4とを互いに直接的に接
触させるとともに補強層4と接着層3とを互いに直接的
に接触させた一体化三層構造にする場合とがある。補強
層4は例えば不織布からなる。接着層3は、例えば、不
織布とこの不織布内に含浸させた接着剤とからなる。積
層体は、前記積層シート1と、この積層シート1の裏面
側にある接着層3に対し直接的に接触させて一体化した
熱可塑性樹脂組成物製成形体とからなる。 【効果】広い成形条件幅と良好な製品外観と良好な予備
賦形性とを持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面に天然木を
主体とする木質層を備えた積層シート、この積層シート
の裏面側に熱可塑性樹脂組成物製成形体を積層一体化し
た積層体、この積層体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特に自動車分野において自動車内
装部品であるセンタークラスターやコンソールアッパー
やオーナメントドアトリム等では、優れた意匠性を有す
る天然木からなる積層シートを意匠面に施した部品(積
層体)が多くなっている。
【0003】例えば、下記のようにして積層体を製造し
ている(例えば特公平5ー58890号公報や特開平1
ー64817号公報などを参照)。ウォールナットやメ
ープル等の意匠性に優れた天然木を0.1〜0.2mm
にスライスしたものに対し、補強を目的とした不織布シ
ートやアルミ薄板等を貼り合わせて、単板とする。さら
に、熱可塑性樹脂組成物との積層一体化工程における密
着力確保を目的として、この単板に対し天然木のマンガ
シロノ材等を裏打ちして積層シートを準備する。この積
層シートを所望の形状にカットし、金型キャビティ内面
にこの積層シートを沿わせてセットする。そして、金型
キャビティ内に溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を射出注
入し、この積層シートを有する積層体を得る。
【0004】上記積層体のままでも意匠性に優れている
が、自動車内装部品の場合には、さらなる意匠性の向上
と、耐候性や耐湿性や耐傷付き性の向上のために、着色
塗装やポリエステル樹脂等のクリア塗装を行っている。
【0005】そのほか、特公平7ー55515号公報で
は、下記のようにして積層体を製造している。ウォール
ナットやメープル等の意匠性に優れた天然木を0.1〜
0.2mmにスライスしたものに対し、熱可塑性樹脂組
成物を含浸するか、アルカリ処理を施し、これに裏打ち
材を補強目的で貼り合わせて、積層シートを準備する。
さらに、この積層シートを金型キャビティ内面に沿わせ
てセットし、この金型キャビティ内に溶融状態の熱可塑
性樹脂組成物を射出注入して、この積層シートを有する
積層体を得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、センタークラ
スターやコンソールアッパーやオーナメントドアトリム
等の自動車内装部品の意匠面形状はますます三次元化し
てきているので、マンガシロノ材等の天然木を裏打ちし
たために剛性のある積層シートを金型キャビティ内面に
沿わせてセットすることが困難になる場合がある。ま
た、積層体の製造工程において積層シートに対し熱可塑
性樹脂組成物を積層して一体化する場合に木質層に割れ
が発生することもある。
【0007】その割れを防止する方法として、積層シー
トを予め熱プレス等により予備賦形する方法が知られて
いる。しかし、この方法では予備賦形段階で割れが発生
するために効果のある対策ではない。あるいは、特公平
7ー55515号公報のように木質シートに熱可塑性樹
脂組成物を含浸させたりアルカリ処理を施す方法が知ら
れている。しかし、この方法では熱可塑性樹脂組成物の
含浸やアルカリ処理に時間を要するとともに、それらが
煩雑な工程であるにもかかわらず得られる効果は少な
い。
【0008】ところで、積層体を得るための積層一体化
工程においては、マンガシロノ材等の天然木からなる裏
打ち材を有する積層シートと、熱可塑性樹脂組成物との
接着は、アンカー効果(凹凸による密着効果)によるも
のである。この場合、裏打ち材と熱可塑性樹脂組成物と
の間で一定の密着強度を得るためには、溶融させた熱可
塑性樹脂組成物を高圧で裏打ち材に押し付けなければな
らない。そのため、必然的に積層一体化時の成形条件幅
が狭くなる問題があった。
【0009】一方、特公平7ー55515号公報に示す
プライマー処理を施して密着性を向上させる方法の場
合、このプライマー処理工程が付加されて工程が増える
にもかかわらず、劇的な効果は得られなかった。
【0010】さらに、天然木からなる裏打ち材を有する
積層シートの場合、熱可塑性樹脂組成物と積層一体化し
て得られた積層体において積層シートの木口近傍で熱可
塑性樹脂組成物表面に裏打ち材の小片が散在する場合が
あった。この現象は、積層一体化時に熱可塑性樹脂組成
物の圧力に負けて剥離した裏打ち材の小片が熱可塑性樹
脂組成物の表面に現れたものである。この散在小片は、
外観上の不具合となるために除去しなければならず、そ
の除去工程が増えて製造コストが高くなる問題があっ
た。
【0011】本発明は、天然木積層シートの裏打ち材で
あるマンガシロノ材等の木質シートを利用しない積層構
造を採用して、前述した問題点を解消し、広い成形条件
幅と良好な製品外観と良好な予備賦形性とを持たせるこ
とを目的にしている。
【0012】
【課題を解決するための手段】後記実施形態の図面(図
1〜6)の符号を援用して本発明を説明する。 * 請求項1〜10の発明は、積層シート(1)に関す
るものである。
【0013】請求項1の発明にかかる積層シート(1)
においては、天然木を主体とする木質層(2)と、熱可
塑性樹脂組成物に対し接着性を持つ接着剤を有する接着
層(3)とを備え、この木質層(2)とこの接着層
(3)とを互いに積層して一体化し、この木質層(2)
を表面側に露出させるとともに、この接着層(3)を裏
面側に露出させている。
【0014】請求項2の発明においては、請求項1の発
明にかかる木質層(2)と接着層(3)とを互いに直接
的に接触させて二層構造とした。請求項3の発明におい
ては、請求項1の発明にかかる木質層(2)と接着層
(3)との間に、柔軟性を有する補強層(4)を介在さ
せてこの木質層(2)とこの補強層(4)とを互いに直
接的に接触させるとともにこの補強層(4)とこの接着
層(3)とを互いに直接的に接触させ、この木質層
(2)とこの補強層(4)とこの接着層(3)とを互い
に積層して一体化した三層構造とした。
【0015】請求項4の発明においては、請求項3の発
明にかかる補強層(4)の厚みを0.1〜0.4mmに
した。請求項5の発明においては、請求項3または請求
項4の発明にかかる補強層(4)を不織布により構成し
た。
【0016】請求項6の発明においては、請求項1から
請求項5のうちいずれかの請求項の発明にかかる木質層
(2)の厚みを0.1〜0.4mmとし、同じく接着層
(3)の厚みを0.05〜0.2mmとした。
【0017】請求項7の発明においては、請求項1から
請求項6のうちいずれかの請求項の発明にかかる接着層
(3)を、不織布と、この不織布内に含浸させた接着剤
とから構成した。
【0018】請求項8の発明においては、請求項1から
請求項7のうちいずれかの請求項の発明にかかる接着層
(3)の接着剤を、熱可塑性樹脂組成物であるABS樹
脂(アクリルニトリルブタジエンスチレン樹脂)に対し
接着性を持つものとした。
【0019】請求項9の発明においては、請求項1から
請求項8のうちいずれかの請求項の発明にかかる接着層
(3)の接着剤を、ホットメルト接着剤とした。請求項
10の発明においては、請求項9の発明にかかる接着剤
(3)であるホットメルト接着剤を、ポリエステル系の
ものとした。
【0020】* 請求項11〜12の発明は、積層体
(5)に関するものである。 請求項11の発明にかかる積層体(5)は、請求項1か
ら請求項10のうちいずれかの請求項の発明に記載の積
層シート(1)と、この積層シート(1)の裏面側にあ
る接着層(3)に対し直接的に接触させて一体化した熱
可塑性樹脂組成物製成形体(6)とからなる。
【0021】請求項12の発明において、請求項11の
発明にかかる成形体(6)を構成する熱可塑性樹脂組成
物はABS樹脂(アクリルニトリルブタジエンスチレン
樹脂)を含む。
【0022】* 請求項13〜16の発明は積層体
(5)の製造方法に関するものである。 請求項13の発明において積層体(5)は、下記・の工
程を経て製造される。 ・ 請求項1から請求項10のうちいずれかの請求項の
発明に記載の積層シート(1)からその一部を切り抜い
て成形用積層シート(1a)とする。
【0023】・ 図5(a)に示すように、前記成形用
積層シート(1a)の表面側にある木質層(2)を成形
型(8)のキャビティ(8a)の内面に沿うように当て
がってこの成形用積層シート(1a)をこの成形型
(8)に位置決めする。
【0024】・ 図5(b)(c)に示すように、前記
キャビティ(8a)で前記成形用積層シート(1a)の
裏面側にある接着層(3)に面する成形空間に対し溶融
状態の熱可塑性樹脂組成物を供給してこの接着層(3)
に対し直接的に接触させ、この熱可塑性樹脂組成物から
なる成形体(6)とこの成形用積層シート(1a)とを
一体化した積層体(5)を製造する。
【0025】請求項14の発明において積層体(5)
は、下記・の工程を経て製造される。 ・ 図3(a)(b)(c)に示すように、請求項1か
ら請求項10のうちいずれかの請求項の発明に記載の積
層シート(1)に対し予備賦形を施した後にこの積層シ
ート(1)からその一部を切り抜いて成形用積層シート
(1a)とするか、または、図4(a)(b)に示すよ
うに、請求項1から請求項10のうちいずれかの請求項
の発明に記載の積層シート(1)からその一部を切り抜
いて成形用積層シート(1a)とした後にこの成形用積
層シート(1a)に対し予備賦形を施す。
【0026】・ 図5(a)に示すように、前記成形用
積層シート(1a)の表面側にある木質層(2)を成形
型(8)のキャビティ(8a)の内面に沿うように当て
がってこの成形用積層シート(1a)をこの成形型
(8)に位置決めする。
【0027】・ 図5(b)(c)に示すように、前記
キャビティ(8a)で前記成形用積層シート(1a)の
裏面側にある接着層(3)に面する成形空間に対し溶融
状態の熱可塑性樹脂組成物を供給してこの接着層(3)
に対し直接的に接触させ、この熱可塑性樹脂組成物から
なる成形体(6)とこの成形用積層シート(1a)とを
一体化した積層体(5)を製造する。
【0028】請求項15の発明において積層体(5)
は、下記・の工程を経て製造される。 ・ 図6(a)に示すように、熱可塑性樹脂組成物によ
り成形体(6)を予め成形する。
【0029】・ 図6(b)(c)に示すように、請求
項1から請求項10のうちいずれかの請求項の発明に記
載の積層シート(1)の裏面側にある接着層(3)をこ
の成形体(6)に対し直接的に接触させてこの積層シー
ト(1)を熱成形し、この成形体(6)とこの積層シー
ト(1)とを一体化した積層体(5)を製造する。
【0030】請求項16の発明において、請求項13ま
たは請求項14または請求項15の発明にかかる熱可塑
性樹脂組成物はABS樹脂(アクリルニトリルブタジエ
ンスチレン樹脂)を含む。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。 <図1(a)に示す積層シート1>この積層シート1の
断面構造としては、図2(a)(b)(c)(d)にそ
れぞれ示す4種類のものがある。図2(a)に示す積層
シート1と、図2(b)に示す積層シート1において
は、いずれも、木質層2と接着層3とが互いに直接的に
接触した二層構造で積層されて一体化され、この木質層
2が表面側に露出しているとともに、この接着層3が裏
面側に露出している。また、図2(c)に示す積層シー
ト1と、図2(d)に示す積層シート1においては、い
ずれも、補強層4が前記木質層2と前記接着層3との間
に介在され、この木質層2とこの補強層4とが互いに直
接的に接触しているとともに、この補強層4とこの接着
層3とが互いに直接的に接触し、この木質層3とこの補
強層4とこの接着層3とが互いに積層されて一体化され
た三層構造になっている。
【0032】* 前記各木質層2について この各木質層2は天然木を主体とする。この天然木と
は、原生林あるいは植林から伐採した原木である。この
原木の種類としては如何なるものでも良いが、意匠性の
面から好ましくは銘木と呼ばれる種類の樹木が良い。例
えば、唐松、屋久杉、楢、楡、欅、桜、栃、楠、桂、黄
蘖、楓、槐、シカモア、ローズウッド、チーク、マホガ
ニー、アフリカンマホガニー、メランチ、コクタン、シ
タン、アメリカンブラックウォールナット、カリン、ゼ
ブラウッド、ブラジリアンローズ、バーシモン、シルバ
ーローズ、パルマ、シルキーオーク、シルバーハート、
タイワンクス、チェリー、ミルトル、黒レオ、白レオ、
サペリ、ブビンガ、マコレ、マドローナ、メープル、ク
ラロウォールナット、アッシュなどが好ましい。
【0033】このような天然木を主体とする木質層2と
は、天然木を所定の厚みにスライスしたもの、あるい
は、そのスライス天然木に熱可塑性樹脂組成物を含浸さ
せたものなどをいう。含浸させる熱可塑性樹脂組成物と
しては如何なるものでも良いが、好ましくは、アクリル
樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、エチレンー酢ビ共
重合体及びポリウレタンなどが良い。
【0034】前記木質層2の厚みとしては、0.1〜
0.4mmが良く、好ましくは0.1〜0.3mm、さ
らに好ましくは0.1〜0.2mmが良い。0.1mm
未満では、木質層2が脆くなって積層シート1の取扱性
が悪くなり、また、天然木に対するスライス加工の難易
度が高くなる。一方、0.4mmを越える場合には、積
層シート1の剛性が高くなり過ぎてその柔軟性に欠ける
ため、後述する積層体5の製造工程において積層シート
1に対し熱可塑性樹脂組成物を積層して一体化する場合
に木質層2に割れが発生する。
【0035】* 前記接着層3について 図2(a)(c)に示す積層シート1の接着層3は、後
記接着剤のみからなる層3aである。また、図2(b)
(d)に示す積層シート1の接着層3は、この接着剤を
不織布内に含浸させた層3bである。
【0036】前記接着剤としては、後述する積層体5の
製造工程において積層シート1に対し熱可塑性樹脂組成
物を積層して一体化する場合に、その熱可塑性樹脂組成
物に対し接着性を持つものであれば如何なるものでも良
く、適宜選択して使用する。好ましくは、ホットメルト
接着剤、特にABS樹脂(アクリルニトリルブタジエン
スチレン樹脂)に対し接着性を持つホットメルト接着
剤、例えばポリエステル系のホットメルト接着剤が好ま
しい。また、感圧型接着剤でも良い。
【0037】前記ホットメルト接着剤としては、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共
重合体、エチレンアクリル酸、ポリエステル、アタクチ
ックポリプロピレン、プロピレンエチレン共重合体、プ
ロピレンエチレンブテンー1共重合体、ポリカーボネー
ト、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、スチレンイソ
プレンスチレン共重合体、スチレンブタジエンスチレン
共重合体、スチレンエチレンブチレンスチレン共重合
体、スチレンエチレンプロピレンスチレン共重合体、ブ
チルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリアミドのう
ち、少なくともいずれか一つのものが含まれているもの
が良い。
【0038】前記感圧型接着剤としては、天然ゴム、ス
チレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、ポリイソブチ
レン、ポリビニルエーテル、アクリル酸エステル共重合
体のうち、少なくともいずれか一つのものが含まれてい
るものが良い。
【0039】前記不織布としては、レーヨン、ナイロ
ン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ビニロ
ン、ポリプロピレン、キュプラなどの各種繊維を原料と
するものが良い。この不織布により、積層シート1とし
ての強度と柔軟性とを向上させることができる。
【0040】前記接着層3の厚みとしては、0.05〜
0.2mmが良く、好ましくは0.05〜0.1mmが
良い。0.05mm未満では、所望の密着強度が得られ
ない場合がある。一方、0.2mmを越える場合には、
接着層3での凝集破壊が発生して所望の密着強度が得ら
れない場合がある。
【0041】* 前記補強層4について この補強層4としては柔軟性を有する不織布または紙が
良い。不織布としては、レーヨン、ナイロン、ポリエス
テル、アクリル、ポリエチレン、ビニロン、ポリプロピ
レン、キュプラなどの各種繊維を原料とするものが良
い。紙としては、和紙、洋紙クラフト紙、樹脂含浸紙な
どが良い。
【0042】前記補強層4の厚みとしては、0.1〜
0.4mmが良く、好ましくは0.1〜0.2mmが良
い。0.1mm未満では、所望の強度が得られない。一
方、0.4mmを越える場合には、積層シート1の剛性
が高くなり過ぎてその柔軟性に欠けるため、後述する積
層体5の製造工程において積層シート1に対し熱可塑性
樹脂組成物を積層して一体化する場合に木質層2に割れ
が発生する。
【0043】<前記積層シート1の積層方法> * 図2(a)(c)に示す積層シート1においてその
接着層3の積層方法 木質層2または補強層4に対し液状の接着剤を霧状に塗
布してその接着剤を接着層3にするか、木質層2または
補強層4に対し接着剤をローラにより塗布してその接着
剤を接着層3にする。また、ポリエステル系ホットメル
ト接着剤の場合には、木質層2または補強層4に対しこ
のポリエステル系ホットメルト接着剤を押出ラミネーシ
ョンして接着層3にするか、このポリエステル系ホット
メルト接着剤を予めフィルム状に加工した後にこのフィ
ルム状ポリエステル系ホットメルト接着剤を木質層2ま
たは補強層4に対し熱ラミネーションして接着層3にす
る。
【0044】* 図2(b)(d)に示す積層シート1
においてその接着層3の積層方法 不織布に対し液状の接着剤を霧状に塗布するか又は接着
剤をローラにより塗布し、この不織布を木質層2または
補強層4に対し熱プレス等により貼着して接着層3にす
る。また、ポリエステル系ホットメルト接着剤の場合に
は、不織布に対しこのポリエステル系ホットメルト接着
剤を押出ラミネーションした後、この不織布を木質層2
または補強層4に対し熱プレス等により貼着して接着層
3にする。あるいは、このポリエステル系ホットメルト
接着剤を予めフィルム状に加工した後、木質層2または
補強層4に対しフィルム状ポリエステル系ホットメルト
接着剤と不織布とを順次重ねてそれらを熱ラミネーショ
ンし、このフィルム状ポリエステル系ホットメルト接着
剤と不織布とで接着層3にする。
【0045】* 図2(c)(d)に示す積層シート1
においてその補強層4の積層方法 離型紙やポリエチレンフィルム等の離型基材上に水溶性
接着剤を塗布して補強層4を貼着し、この補強層4上に
水溶性接着剤を介して木質層2を重ね、それらを熱プレ
ス等により貼着する。その後、前記離型基材を剥がす。
【0046】<図1(b)に示す積層体5>この積層体
5は、後記各種方法により製造され、前述した各種積層
シート1と、その裏面側にある接着層3に対し直接的に
接触して一体化された熱可塑性樹脂組成物製の成形体6
とからなる。
【0047】この成形体6を構成する熱可塑性樹脂組成
物としては、前述した各種積層シート1の接着層3に対
し接着可能なものであれば如何なるものでも良く、適宜
選択して使用する。
【0048】この熱可塑性樹脂組成物としては、アクリ
ルニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリルニトリル
スチレンアクリル酸エステル、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチルテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、
ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデンのうち、少なくともいずれか一つの
ものが含まれているものが良い。好ましくは、アクリル
ニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリルニトリルス
チレンアクリル酸エステル、ポリアミド、ポリカーボネ
ート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチルテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リアセタール、ポリプロピレン、ポリスチレンのうち、
少なくともいずれか一つのものが含まれているものが良
い。
【0049】<前記積層体5の製造方法> * 図3及び図5に示す積層体5の製造方法 まず、図3(a)(b)に示すように前記各種積層シー
ト1に対し熱成形型7により予備賦形を施した後に、図
3(c)に示すようにこの積層シート1からその一部を
切り抜いて成形用積層シート1aとする。次に、図5
(a)(b)に示すようにこの成形用積層シート1aの
表面側にある木質層2を成形型8のキャビティ8aの内
面に沿うように当てがってこの成形用積層シート1aを
この成形型8に位置決めする。その後、図5(c)に示
すように前記キャビティ8aで前記成形用積層シート1
aの裏面側にある接着層3に面する成形空間に対し溶融
状態の熱可塑性樹脂組成物を供給してこの接着層3に対
し直接的に接触させる。なお、成形手段としては射出成
形等の従来周知のものを採用する。そして、図5(d)
に示すように成形型8から取り出した成形物の一部を切
断して積層体5とする。
【0050】* 図4及び図5に示す積層体5の製造方
法 まず、図4(a)に示すように前記各種積層シート1か
らその一部を切り抜いて成形用積層シート1aの素材と
する。次に、図4(b)に示すようにこの素材に対し熱
成形型7により予備賦形を施して成形用積層シート1a
とする。その後は、図5(a)(b)(c)(d)に示
すように同様に型成形する。
【0051】* 図6に示す積層体5の製造方法 まず、射出成形等の成形手段により、積層体5の一部で
ある成形体6を予め成形する。そして、図6(a)に示
すようにこの成形体6を熱成形型7にセットする。次
に、図6(b)に示すように、加熱軟化させた各種積層
シート1を熱成形してその裏面側にある接着層3をこの
成形体6に対し直接的に接触させて貼着する。その後、
図6(c)に示すように、積層シート1からその一部を
切り抜いて積層体5とする。
【0052】〔実施例及び比較例〕次に、本発明の効果
を評価するため、後記実施例1〜4と後記比較例1とを
比較した結果を下記の表1で、後記実施例5と後記比較
例2とを比較した結果を下記の表2でそれぞれ示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】 ちなみに、上記表1及び表2において、2は木質層、3
aは接着剤のみからなる接着層3、3bは接着剤を不織
布内に含浸させた接着層3、4は補強層、Mはマンガシ
ロノ材からなる裏打ち層をそれぞれ指す。
【0055】* 実施例1 原木からスライスして得たクラロウォールナットの木質
シート(北三株式会社製、厚み0.1mm)と、ポリエ
ステル系ホットメルト接着剤フィルム(クランベターG
ー5PPセパレータ付き、倉敷紡績株式会社製、厚み
0.05mm、融点107℃、MFR40g/min)
とを準備する。この接着剤フィルムでPPセパレータの
ない側とこの木質シートとを互いに対向するように重ね
合わせ、さらにこの木質シートとこの接着剤フィルムと
を厚み0.5mmのステンレス平板二枚で挟む。その
後、140℃に加熱した平状熱板間にこの挟持物を挿入
して1×9.8/104 Pa(1Kgf/cm2 )の圧
力で90秒間加圧する。次いで、この挟持物を熱板から
取り出して常温中で冷却後PPセパレータを剥がし、積
層シート1を得た。
【0056】この積層シート1を70×100mmのサ
イズにカットし、フランジ付き70×100×3.2m
m平板金型のキャビティ内面にクラロウォールナットの
木質層2が沿うように、この積層シート1をセットす
る。この金型を閉じた後、260℃に加熱溶融したポリ
カーボネートABSアロイ樹脂(日本エイアンドエル株
式会社製、テクニエースPAXー1420)を金型キャ
ビティ内に射出注入し、この積層シート1とポリカーボ
ネートABSアロイ樹脂とを積層一体化して積層体5を
得た。
【0057】* 実施例2 原木からスライスして得たクラロウォールナットの木質
シート(北三株式会社製、厚み0.1mm)と、ナイロ
ン不織布(厚み0.1mm)と、ポリエステル系ホット
メルト接着剤フィルム(クランベターGー5PPセパレ
ータ付き、倉敷紡績株式会社製、厚み0.05mm、融
点107℃、MFR40g/min)とを準備する。ま
ず、この木質シートとこのナイロン不織布とを重ね合わ
せ、さらにこの接着剤フィルムでPPセパレータのない
側とこのナイロン不織布とを互いに対向するように重ね
合わせ、この木質シートとこのナイロン不織布とこの接
着剤フィルムとを厚み0.5mmのステンレス平板二枚
で挟む。その後、140℃に加熱した平状熱板間にこの
挟持物を挿入して1×9.8/104 Pa(1Kgf/
cm2 )の圧力で90秒間加圧する。次いで、この挟持
物を熱板から取り出して常温中で冷却後PPセパレータ
を剥がし、積層シート1を得た。
【0058】この積層シート1を70×100mmのサ
イズにカットし、フランジ付き70×100×3.2m
m平板金型のキャビティ内面にクラロウォールナットの
木質層2が沿うように、この積層シート1をセットす
る。この金型を閉じた後、260℃に加熱溶融したポリ
カーボネートABSアロイ樹脂(日本エイアンドエル株
式会社製、テクニエースPAXー1420)を金型キャ
ビティ内に射出注入し、この積層シート1とポリカーボ
ネートABSアロイ樹脂とを積層一体化して積層体5を
得た。
【0059】* 実施例3 原木からスライスして得たクラロウォールナットの木質
シート(厚み0.1mm)と、水溶性接着剤を塗布した
ナイロン不織布(補強層4に該当する部分)とを熱プレ
スにより互いに貼リ合わせて、単板(特公昭61ー53
204号公報記載の北三株式会社製化粧単板シート、厚
み0.25mm)を準備するとともに、ポリエステル系
ホットメルト接着剤フィルム(クランベターGー5PP
セパレータ付き、倉敷紡績株式会社製、厚み0.05m
m、融点107℃、MFR40g/min)を準備す
る。この接着剤フィルムでPPセパレータのない側とこ
の単板のナイロン不織布(補強層4に該当する部分)と
を互いに対向するように重ね合わせ、さらにこの単板と
この接着剤フィルムとを厚み0.5mmのステンレス平
板二枚で挟んで重ね合わせる。その後、140℃に加熱
した平状熱板間にこの挟持物を挿入して1×9.8/1
4 Pa(1Kgf/cm2 )の圧力で90秒間加圧す
る。次いで、この挟持物を熱板から取り出して常温中で
冷却後PPセパレータを剥がし、積層シート1を得た。
【0060】この積層シート1を70×100mmのサ
イズにカットし、フランジ付き70×100×3.2m
m平板金型のキャビティ内面にクラロウォールナットの
木質層2が沿うように、この積層シート1をセットす
る。この金型を閉じた後、260℃に加熱溶融したポリ
カーボネートABSアロイ樹脂(日本エイアンドエル株
式会社製、テクニエースPAXー1420)を金型キャ
ビティ内に射出注入し、この積層シート1とポリカーボ
ネートABSアロイ樹脂とを積層一体化して積層体5を
得た。
【0061】* 実施例4 原木からスライスして得たクラロウォールナットの木質
シート(厚み0.1mm)と、水溶性接着剤を塗布した
ナイロン不織布(補強層4に該当する部分)とを熱プレ
スにより互いに貼リ合わせて、単板(特公昭61ー53
204号公報記載の北三株式会社製化粧単板シート、厚
み0.25mm)を準備するとともに、接着層3に該当
する部分であるナイロン不織布(厚み0.1mm)及び
ポリエステル系ホットメルト接着剤フィルム(クランベ
ターG−5PPセパレータ付き、倉敷紡績株式会社製、
厚み0.05mm、融点107℃、MFR40g/mi
n)を準備する。まず、この単板のナイロン不織布(補
強層4に該当する部分)とこのナイロン不織布(接着層
3に該当する部分)とを重ね合わせ、さらにこの接着剤
フィルムでPPセパレータのない側とこのナイロン不織
布(接着層3に該当する部分)とを互いに対向するよう
に重ね合わせ、これらを厚み0.5mmのステンレス平
板二枚で挟む。その後、140℃に加熱した平状熱板間
にこの挟持物を挿入して1×9.8/104 Pa(1K
gf/cm2 )の圧力で90秒間加圧する。次いで、こ
の挟持物を熱板から取り出して常温中で冷却後PPセパ
レータを剥がし、積層シート1を得た。
【0062】この積層シート1を70×100mmのサ
イズにカットし、フランジ付き70×100×3.2m
m平板金型のキャビティ内面にクラロウォールナットの
木質層2が沿うように、この積層シート1をセットす
る。この金型を閉じた後、260℃に加熱溶融したポリ
カーボネートABSアロイ樹脂(日本エイアンドエル株
式会社製、テクニエースPAXー1420)を金型キャ
ビティ内に射出注入し、この積層シート1とポリカーボ
ネートABSアロイ樹脂とを積層一体化して積層体5を
得た。
【0063】* 比較例1 原木からスライスして得たクラロウォールナットの木質
シート(厚み0.1mm)と、水溶性接着剤を塗布した
ナイロン不織布(補強層4に該当する部分)とを熱プレ
スにより互いに貼リ合わせて、単板(特公昭61ー53
204号公報記載の北三株式会社製化粧単板シート、厚
み0.25mm)を準備する。熱可塑性樹脂組成物との
積層一体化時のアンカー効果(凹凸による密着効果)を
得るためにマンガシロノ材からなる裏打ち層Mをこの単
板のナイロン不織布(補強層4に該当する部分)に積層
して積層シート1(北三株式会社製、厚み0.35m
m)とする。この積層シート1を70×100mmのサ
イズにカットし、フランジ付き70×100×3.2m
m平板金型のキャビティ内面にクラロウォールナットの
木質層2が沿うように、この積層シート1をセットす
る。この金型を閉じた後、260℃に加熱溶融したポリ
カーボネートABSアロイ樹脂(日本エイアンドエル株
式会社製、テクニエースPAXー1420)を金型キャ
ビティ内に射出注入し、この積層シート1とポリカーボ
ネートABSアロイ樹脂とを積層一体化して積層体5を
得た。
【0064】* 実施例5 原木からスライスして得たクラロウォールナットの木質
シート(厚み0.1mm)と、水溶性接着剤を塗布した
ナイロン不織布(補強層4に該当する部分)とを熱プレ
スにより互いに貼リ合わせて、単板(特公昭61ー53
204号公報記載の北三株式会社製化粧単板シート、厚
み0.25mm)を準備するとともに、ポリエステル系
ホットメルト接着剤フィルム(クランベターG−5PP
セパレータ付き、倉敷紡績株式会社製、厚み0.05m
m、融点107℃、MFR40g/min)を準備す
る。この接着剤フィルムでPPセパレータのない側とこ
の単板のナイロン不織布(補強層4に該当する部分)と
を互いに対向するように重ね合わせ、さらにこの単板と
この接着剤フィルムとを厚み0.5mmのステンレス平
板二枚で挟む。その後、140℃に加熱した平状熱板間
にこの挟持物を挿入して1×9.8/104 Pa(1K
gf/cm2 )の圧力で90秒間加圧する。次いで、こ
の挟持物を熱板から取り出して常温中で冷却後PPセパ
レータを剥がし、積層シート1を得た。
【0065】この積層シート1を自動車シフトノブ化粧
部材の意匠展開形状にカットし、この積層シート1の木
質層2に水分を含ませた後、100℃に加熱した熱プレ
ス金型によりこの積層シート1を0.1×9.8/10
4 Pa(0.1Kgf/cm 2 )の圧力で120秒間加
圧して予備賦形を行った。次いで、予備賦形した積層シ
ート1を射出成形金型のキャビティ内面にクラロウォー
ルナットの木質層2が沿うように、この積層シート1を
セットする。この金型を閉じた後、260℃に加熱溶融
したポリカーボネートABSアロイ樹脂(日本エイアン
ドエル株式会社製、テクニエースPAXー1420)を
金型キャビティ内に射出注入し、この積層シート1とポ
リカーボネートABSアロイ樹脂とを積層一体化して積
層体5を得た。
【0066】* 比較例2 原木からスライスして得たクラロウォールナットの木質
シート(厚み0.1mm)と、水溶性接着剤を塗布した
ナイロン不織布(補強層4に該当する部分)とを熱プレ
スにより互いに貼リ合わせて、単板(特公昭61ー53
204号公報記載の北三株式会社製化粧単板シート、厚
み0.25mm)を準備する。熱可塑性樹脂組成物との
積層一体化時のアンカー効果(凹凸による密着効果)を
得るためにマンガシロノ材からなる裏打ち層Mをこの単
板のナイロン不織布(補強層4に該当する部分)に積層
して積層シート1(北三株式会社製、厚み0.35m
m)とする。この積層シート1を自動車シフトノブ化粧
部材の意匠展開形状にカットし、この積層シート1の木
質層2に水分を含ませた後、100℃に加熱した熱プレ
ス金型によりこの積層シート1を5×9.8/104
a(5Kgf/cm2)の圧力で10分間加圧して予備
賦形を行った。次いで、予備賦形した積層シート1を射
出成形金型のキャビティ内面にクラロウォールナットの
木質層2が沿うように、この積層シート1をセットす
る。この金型を閉じた後、260℃に加熱溶融したポリ
カーボネートABSアロイ樹脂(日本エイアンドエル株
式会社製、テクニエースPAXー1420)を金型キャ
ビティ内に射出注入し、この積層シート1とポリカーボ
ネートABSアロイ樹脂とを積層一体化して積層体5を
得た。
【0067】* 本発明の効果の評価 上記表で示した成形条件幅、製品外観及び予備賦形性に
関する評価法は、それぞれ次の通りである。
【0068】成形条件幅については、積層シート1を金
型キャビティの内面に沿わせてセットし、この金型を閉
じた後、加熱溶融した熱可塑性樹脂組成物を金型キャビ
ティ内に射出注入する場合に生じる最大射出圧力から判
断し、この最大射出圧力が低いほど成形条件幅が広いこ
とを示す。
【0069】製品外観については、積層シート1と熱可
塑性樹脂組成物とを積層一体化して得られた積層体5に
おいて積層シート1の木口近傍の熱可塑性樹脂組成物表
面に現れた裏打ち材の小片の有無で判断する。
【0070】予備賦形性については、積層シート1を熱
プレスにより予備賦形する場合に必要な加圧力及び時間
とその場合に生じ得る割れとにより判断し、低圧力及び
短時間で所望の形状に賦形できるとともに割れもない場
合は良好であるとする。
【0071】上記評価法により判断すると、成形条件
幅、製品外観及び予備賦形性についていずれも前記実施
例1〜5が比較例1〜2よりも改善されていることが分
かる。
【0072】
【発明の効果】請求項1〜10の発明にかかる積層シー
ト(1)によれば、従来から積層シートの裏打ち材とし
て使用されているマンガシロノ材等の木質シートに代え
て、熱可塑性樹脂組成物(成形体6)に対し接着性を持
つ接着剤を有する接着層(3)を採用した。従って、積
層シート(1)に柔軟性を持たせて積層シート(1)を
所望の形状に予備賦形し易くなる。また、積層シート
(1)と熱可塑性樹脂組成物(成形体6)との間で一定
の密着強度を得るために接着層(3)に熱可塑性樹脂組
成物(成形体6)を高圧で押し付ける必要がなくなると
ともに、熱可塑性樹脂組成物(成形体6)に対する接着
層(3)自体の接着性により一定の密着強度を得ること
ができ、請求項11〜12の発明にかかる積層体(5)
を製造する場合、成形条件幅が広くなるとともに、従来
から問題になっていた木質シートからの剥離による散在
小片が積層体(5)の成形体(6)の表面に現れず、優
れた意匠性を持たせることができる。さらに、請求項1
3〜16の発明にかかる積層体(5)の製造方法は、上
記積層体(5)の製造に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本実施形態にかかる積層シートの全
体を示す斜視図であり、(b)は本実施形態にかかる積
層体の全体を示す斜視図である。
【図2】 各種積層シートの積層断面構造を拡大して示
す模式図である。
【図3】 上記積層シートの予備賦形方法を示す工程図
である。
【図4】 上記積層シートの予備賦形方法を示す工程図
である。
【図5】 上記積層体の製造方法を示す工程図である。
【図6】 上記積層体の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1…積層シート、1a…成形用積層シート、2…木質
層、3…接着層、4…補強層、5…積層体、6…熱可塑
性樹脂組成物製成形体、8…成形型、8a…キャビテ
ィ。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK41B AK74 AK74E AP01A AP01C BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10C BA10E CB00B CB03B DG15D EH36 EJ17 EJ42 GB33 JK13D JK17 JL01 YY00A YY00B YY00C 4F206 AD05 AD06 AD08 AD16 AD20 AD34 AG03 AH23 AH26 JA07 JB13 JF05 JF35 JM05 JN25

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然木を主体とする木質層と、熱可塑性
    樹脂組成物に対し接着性を持つ接着剤を有する接着層と
    を備え、この木質層とこの接着層とを互いに積層して一
    体化し、この木質層を表面側に露出させるとともに、こ
    の接着層を裏面側に露出させたことを特徴とする積層シ
    ート。
  2. 【請求項2】 前記木質層と前記接着層とを互いに直接
    的に接触させて二層構造としたことを特徴とする請求項
    1に記載の積層シート。
  3. 【請求項3】 柔軟性を有する補強層を前記木質層と前
    記接着層との間に介在させてこの木質層とこの補強層と
    を互いに直接的に接触させるとともにこの補強層とこの
    接着層とを互いに直接的に接触させ、この木質層とこの
    補強層とこの接着層とを互いに積層して一体化した三層
    構造としたことを特徴とする請求項1に記載の積層シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記補強層の厚みは0.1〜0.4mm
    であることを特徴とする請求項3に記載の積層シート。
  5. 【請求項5】 前記補強層は不織布からなることを特徴
    とする請求項3または請求項4に記載の積層シート。
  6. 【請求項6】 前記木質層の厚みは0.1〜0.4mm
    であり、前記接着層の厚みは0.05〜0.2mmであ
    ることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれ
    かの請求項に記載の積層シート。
  7. 【請求項7】 前記接着層は、不織布と、この不織布内
    に含浸させた接着剤とからなることを特徴とする請求項
    1から請求項6のうちいずれかの請求項に記載の積層シ
    ート。
  8. 【請求項8】 前記接着層の接着剤は、ABS樹脂(ア
    クリルニトリルブタジエンスチレン樹脂)に対し接着性
    を持つことを特徴とする請求項1から請求項7のうちい
    ずれかの請求項に記載の積層シート。
  9. 【請求項9】 前記接着層の接着剤は、ホットメルト接
    着剤であることを特徴とする請求項1から請求項8のう
    ちいずれかの請求項に記載の積層シート。
  10. 【請求項10】 前記接着剤であるホットメルト接着剤
    は、ポリエステル系のものであることを特徴とする請求
    項9に記載の積層シート。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項10のうちいずれ
    かの請求項に記載の積層シートと、この積層シートの裏
    面側にある接着層に対し直接的に接触させて一体化した
    熱可塑性樹脂組成物製成形体とからなることを特徴とす
    る積層体。
  12. 【請求項12】 前記成形体を構成する熱可塑性樹脂組
    成物はABS樹脂(アクリルニトリルブタジエンスチレ
    ン樹脂)を含むことを特徴とする請求項11に記載の積
    層体。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項10のうちいずれ
    かの請求項に記載の積層シートからその一部を切り抜い
    て成形用積層シートとし、 前記成形用積層シートの表面側にある木質層を成形型の
    キャビティの内面に沿うように当てがってこの成形用積
    層シートをこの成形型に位置決めし、 前記キャビティで前記成形用積層シートの裏面側にある
    接着層に面する成形空間に対し溶融状態の熱可塑性樹脂
    組成物を供給してこの接着層に対し直接的に接触させ、
    この熱可塑性樹脂組成物からなる成形体とこの成形用積
    層シートとを一体化した積層体を製造することを特徴と
    する積層体の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項10のうちいずれ
    かの請求項に記載の積層シートに対し予備賦形を施した
    後にこの積層シートからその一部を切り抜いて成形用積
    層シートとするか、または、請求項1から請求項10の
    うちいずれかの請求項に記載の積層シートからその一部
    を切り抜いて成形用積層シートとした後にこの成形用積
    層シートに対し予備賦形を施し、 前記成形用積層シートの表面側にある木質層を成形型の
    キャビティの内面に沿うように当てがってこの成形用積
    層シートをこの成形型に位置決めし、 前記キャビティで前記成形用積層シートの裏面側にある
    接着層に面する成形空間に対し溶融状態の熱可塑性樹脂
    組成物を供給してこの接着層に対し直接的に接触させ、
    この熱可塑性樹脂組成物からなる成形体とこの成形用積
    層シートとを一体化した積層体を製造することを特徴と
    する積層体の製造方法。
  15. 【請求項15】 熱可塑性樹脂組成物により成形体を予
    め成形し、 請求項1から請求項10のうちいずれかの請求項に記載
    の積層シートの裏面側にある接着層をこの成形体に対し
    直接的に接触させてこの積層シートを熱成形し、この成
    形体とこの積層シートとを一体化した積層体を製造する
    ことを特徴とする積層体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記熱可塑性樹脂組成物はABS樹脂
    (アクリルニトリルブタジエンスチレン樹脂)を含むこ
    とを特徴とする請求項13または請求項14または請求
    項15に記載の積層体の製造方法。
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