JP2001286740A - エチレン−ビニルアルコール系重合体中空糸膜 - Google Patents

エチレン−ビニルアルコール系重合体中空糸膜

Info

Publication number
JP2001286740A
JP2001286740A JP2001004083A JP2001004083A JP2001286740A JP 2001286740 A JP2001286740 A JP 2001286740A JP 2001004083 A JP2001004083 A JP 2001004083A JP 2001004083 A JP2001004083 A JP 2001004083A JP 2001286740 A JP2001286740 A JP 2001286740A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
fiber membrane
eva
ethylene
vinyl alcohol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001004083A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4722297B2 (ja
Inventor
Tomoki Kakiuchi
智樹 垣内
Koji Sekiguchi
浩二 関口
Takeshi Suehiro
健 末弘
Shuhei Nakaji
修平 中路
Yoichi Matsumoto
洋一 松本
Masato Takai
正人 高井
Nozomi Sugo
望 須郷
Hitoshi Tsuruta
仁志 鶴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2001004083A priority Critical patent/JP4722297B2/ja
Publication of JP2001286740A publication Critical patent/JP2001286740A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4722297B2 publication Critical patent/JP4722297B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】中高分子量物質の除去性能に優れ、しかもアル
ブミンの損失の少ないEVA中空糸膜を提供すること。 【解決手段】エチレン−ビニルアルコール系重合体から
構成され、内表面に緻密層を有し、該緻密層以外の部分
に多孔層を有し、空隙率が60〜90%であり、水系に
おけるミオグロビンの総括物質移動係数が0.003c
m/min以上であり、牛血系におけるアルブミンの阻
止率が97%以上であることを特徴とするエチレン−ビ
ニルアルコール系重合体中空糸膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレン−ビニルア
ルコール(以下、エチレン−ビニルアルコールを「EV
A」と略称する。)系重合体からなる中空糸膜(以下、
EVA系重合体からなる中空糸膜を「EVA中空糸膜」
と略称する。)に関し、特に、血液透析膜、血液透析濾
過膜、血液濾過膜、持続緩徐式血液濾過膜などの血液浄
化膜に用いられるEVA中空糸膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】EVA系重合体からなる中空糸膜は、親
水性に優れているので、工業用、医療用等の種々の分離
膜の用途に広く利用されている(特開平5−42208
号公報などを参照)。特に、この中空糸膜は、生体適合
性および化学的安定性に優れ、溶出物が非常に少ないこ
とから、広く医療用途に実用化されている。その代表的
な用途としては、例えば血液透析膜を挙げることができ
る。
【0003】かかるEVA中空糸膜において、高い透過
性と高い分画性とを両立させるものとして、分画性およ
び透過性を主に支配する内表面の緻密層と、これを支持
する多孔層とを備えた非対称構造を有する膜構造が、特
公昭58−36602号公報、特開昭58−45239
号公報、特開平5−42208号公報等に開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、透析により、尿
素、クレアチニン等の低分子量物質(分子量:1000
未満)を除去するのみでなく、例えばβ2 −ミクログロ
ブリン(以下、β2 −ミクログロブリンを「β2 −M
G」と略称する。)(分子量11800)に代表される
中高分子量物質(分子量:1000〜40000程度)
をも除去することが要望されている。しかしながら、上
記の非対称構造を有するEVA中空糸膜は、血液中の尿
素、クレアチニン等の低分子量物質を除去することを主
眼に開発されており、中高分子量物質の除去性能は必ず
しも満足しうるものではない。
【0005】本発明は、この様な従来技術の問題点の解
決を目的としたものであって、特に、中高分子量物質の
除去性能に優れ、しかもアルブミンの損失の少ないEV
A中空糸膜を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成するために鋭意努力した結果、内表面に緻密層
を有し、該緻密層以外の部分に多孔層を有し、空隙率等
が特定範囲にあるEVA中空糸膜が中高分子物質の除去
性能と分画性能との双方に優れることを見出し、本発明
に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、EVA系重合体から
構成され、内表面に緻密層を有し、該緻密層以外の部分
に多孔層を有し、空隙率が60〜90%であり、水系に
おけるミオグロビンの総括物質移動係数が0.003c
m/min以上であり、牛血系におけるアルブミンの阻
止率が97%以上であることを特徴とするEVA中空糸
膜である。
【0008】また、本発明のEVA中空糸膜は、膜面積
1.6m2 において、血液流量200mL/min、透
析液流量500mL/minにおける牛血系での尿素の
クリアランスが175mL/min以上であり、かつβ
2 −MGのクリアランスが35mL/min以上である
上記のEVA中空糸膜を好ましい態様として包含する。
【0009】さらに、本発明のEVA中空糸膜は、内表
面から厚さ方向に1μmの位置における開孔率が30%
以上であり、内表面の緻密層を形成しているノジュール
の径が5〜50nmである上記のEVA中空糸膜を好ま
しい態様として包含する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のEVA中空糸膜におい
て、緻密層以外の部分にある多孔層は、比較的大きな空
孔を有している。透過性に及ぼす影響が小さい限り、孔
形状は、網目、マクロボイドなどのいずれであってもよ
く、任意である。
【0011】本発明のEVA中空糸膜の空隙率は、60
%以上であるので、中高分子量物質の透過性が高く、ま
た90%以下であるので、機械的強度が高い。空隙率
は、65〜85%であることが好ましい。
【0012】空隙率は、式: 〔空隙率〕(%)={(WW −WD )/ρW }/{WD
/ρE −(WW −WD )/ρW }×100 (式中、WW は含水膜の重量、WD は乾燥膜の重量、ρ
W は水の比重、ρE はEVAの比重を示す)によって求
められるものである。
【0013】本発明のEVA中空糸膜の水系におけるミ
オグロビンの総括物質移動係数は、中高分子量物質の除
去性能を高める観点から、0.003cm/min以上
であるが、0.005cm/min以上であることが好
ましい。
【0014】本発明のEVA中空糸膜の牛血系における
アルブミンの阻止率は、人体に有用なタンパクの漏出を
最低限に抑える観点から、97%以上であるが、98%
以上であることが好ましい。
【0015】また、膜面積1.6m2 において、血液流
量200mL/minおよび透析液流量500mL/m
inにおける牛血系での尿素のクリアランスは、低分子
量物質の除去性能を高める観点から、175mL/mi
n以上であることが好ましく、180mL/min以上
であることがより好ましく、185mL/min以上で
あることがさらに好ましい。
【0016】β2 −MGのクリアランスは、中高分子量
物質の除去性能を高める観点から、35mL/min以
上であることが好ましく、40mL/min以上である
ことがより好ましく、45mL/min以上であること
がさらに好ましい。
【0017】なお、ミオグロビンの総括物質移動係数、
アルブミンの阻止率、尿素のクリアランスおよびβ2
MGのクリアランスは、いずれも、ダイアライザー性能
評価基準〔佐藤威他:各種の血液浄化法の機能と適応−
血液浄化器の性能評価法と機能分類.「透析会誌」、社
団法人日本透析医学会発行、29(8)、1231〜1
245、1996年〕に従って求められる。
【0018】ミオグロビンの総括物質移動係数は、水系
(濾過流量QF ’=0mL/min/m2 )で測定した
クリアランスから式: K(総括物質移動係数)(cm/min)=QB /A×
(1−Z)×ln(1−E×Z)/(1−E) 〔式中、E=CL/QB 、Z=QB /QD であり、CL
はクリアランス(mL/min)、QB は血液側入口流
量(mL/min)、QD は透析液側入口流量(mL/
min)を示す〕にしたがって算出される。
【0019】アルブミンの阻止率、尿素のクリアランス
およびβ2 −MGのクリアランスは、牛血系(QF ’=
10mL/min/m2 )で測定したものである。
【0020】本発明のEVA中空糸膜において、内表面
から厚さ方向に1μmの位置における開孔率が30%以
上であり、内表面の緻密層を形成しているノジュールの
径が5〜50nmであることが、中高分子量物質の透過
性が高い点で好ましい。開孔率は、35%以上であるこ
とがより好ましく、ノジュールの径は、5〜45nmの
範囲内にあることがより好ましい。
【0021】開孔率は、電子顕微鏡写真(倍率:600
00倍)を画像解析することによって求めることができ
る。具体的には、開孔率は、中空糸膜の破断面の電子顕
微鏡写真の内表面から厚さ方向に1μmの位置における
孔の部分を黒く塗りつぶし、画像処理装置を用いて孔の
面積S1 と全体の面積S2 を求め、式: 〔開孔率〕(%)=(S1 /S2 )×100 に基づいて計算することにより、求められる。
【0022】また、ノジュールとは、高分子化合物の粒
子が密にパッキングされているもののことであり、内表
面を原子間力顕微鏡で観察した場合に、中空糸膜の長さ
方向に並んだフィブリル状の繊維または粒子として観察
されるものである。
【0023】本発明のEVA中空糸膜において、緻密層
とは、5〜50nmの孔径を有する領域のことである。
この緻密層の孔径は、緻密層表面、すなわちEVA中空
糸膜の内表面を電子顕微鏡(倍率:60000倍)で観
察することにより求めたものである。
【0024】緻密層の厚さは、0.1〜2μmの範囲内
にあることが、緻密層に欠点が生じにくく、アルブミン
の阻止率が高く、また中高分子量物質の透過性が高い点
で好ましい。緻密層の厚さは、中高分子量物質のより高
い透過性の確保の観点から、0.1〜1μmであること
が好ましい。
【0025】EVA中空糸膜の形状は、中空糸状であ
る。また、EVA中空糸膜の膜厚は、曳糸性および機械
的強度の確保ならびに中高分子量物質の除去性能の確保
の観点から、3〜2000μmの範囲内にあることが好
ましく、10〜1000μmの範囲内にあることがより
好ましく、10〜400μmの範囲内にあることがさら
に好ましい。EVA中空糸膜の外径は、通常、40〜5
000μm、好ましくは40〜3000μm、より好ま
しくは100〜1000μmの範囲内にあることが望ま
しい。
【0026】次に、本発明のEVA中空糸膜の製造方法
について説明する。まず、EVA系重合体を溶媒に溶解
して製膜原液を作製する。
【0027】EVA系重合体は、エチレンとビニルアル
コールとのランダム共重合体、ブロック共重合体および
グラフト共重合体のいずれであってもよい。EVA系重
合体におけるエチレン含有率が10〜60モル%であ
り、ケン化度が95モル%以上であることが、湿潤時の
機械的強度の確保および生体親和性の確保の観点から好
ましい。EVA系重合体には、メタクリル酸、ビニルク
ロライド、メチルメタクリレート、アクリロニトリルな
どの共重合可能な重合性単量体が15モル%以下の範囲
で共重合されていてもよい。
【0028】EVA系重合体を溶解する溶媒としては、
ジメチルスルホキシド(以下、DMSOという)、N,
N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという)、
N−メチルピロリドン(以下、NMPという)、これら
の成分を含有する混合溶媒などを挙げることができる。
それらの中では、本発明で目的とする膜構造および性能
のEVA中空糸膜を容易に得ることができ、また比較的
毒性が低い点から、DMSOが好ましい。
【0029】製膜原液中のEVA系重合体の濃度は、5
〜50重量%の範囲内にあることが好ましく、10〜3
0重量%の範囲内にあることがより好ましい。この範囲
を外れて濃度が高くなりすぎると中高分子量物質の透過
性が下がり、また濃度が低くなりすぎると製膜原液の粘
度が低くなって曳糸性に乏しくなり、また中空糸膜の機
械的強度が低下することがある。
【0030】製膜原液には、相分離温度および粘度を調
整するために添加剤を添加してもよい。添加剤として
は、水;メタノール、エタノール、グリセリン、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ポリ
エチレングリコール、キトサン、キチン、デキストラ
ン、ポリビニルピロリドン等の高分子化合物類;塩化リ
チウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、酢酸リチウ
ム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の塩類などを
挙げることができる。それらの中では、揮発性および毒
性の心配のない水が好適である。また、内表面に目的と
する緻密層を形成させるためには、塩化リチウム、酢酸
リチウムなどのリチウム塩などを用いることが好まし
い。
【0031】製膜原液は、高温では透明均一であるが、
温度を下げると相分離が起こる。相分離が起こるときの
温度(以下、この温度を「LST」と表記する。)は、
5≦LST≦40(℃)に調整することが好ましい。こ
のためには、製膜原液中の添加剤の濃度を20重量%以
下にすることが好ましい。この範囲を外れて濃度が高す
ぎると、適当なLSTを得ることができず、またEVA
系重合体を製膜原液に溶解することができなくなること
がある。LSTは、10〜40℃の範囲内であることが
より好ましく、15〜40℃の範囲内がさらに好まし
い。ここでいうLSTは、90℃から毎分1℃の割合で
温度を下げたときに製膜原液が白濁するときの温度のこ
とである。
【0032】本発明で目的とする膜構造および性能のE
VA中空糸膜を得るためには、製膜方式は、乾湿式であ
ることが好ましい。乾湿式による場合、二重環状ノズル
の内部に中空形成剤を注入しながら製膜原液を空気中に
押し出し、内表面から凝固させることにより、内表面に
緻密層を形成させ、その後水浴中に導入する。製膜溶液
を直接水浴中に押し出して凝固させる湿式製膜では、内
表面に加えて外表面からも凝固が起こるため、外表面に
も緻密層が形成されやすい。
【0033】また、製膜原液の温度(TD )、LSTお
よび通過する空気の温度(TA )は、TD ≦LST+2
0、およびLST≧TA という関係を満足することが好
ましい。TD >LST+20またはLST<TA である
と、アルブミンの阻止率が低下し、また、製膜が困難と
なることがある。上記の空気の温度(TA )は、LST
−5℃以下であることがより好ましい。
【0034】内表面に目的とする緻密層を形成させるた
めには、凝固を促進させることが必要であるので、EV
A系重合体を凝固させる作用を有する溶液を中空形成剤
として使用することが好ましい。中空形成剤としては、
EVA系重合体を凝固させる作用を有し、かつ上記溶媒
と混和性がある材料であれば特に制限なく用いることが
できる。中空形成剤には、通常、水性の媒体が使用され
る。中空形成剤としては、例えば、水;DMSO、DM
Ac、NMP、アルコール等の水に対して可溶性である
溶媒と水との混合物などを挙げることができる。また、
必要に応じて、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カ
ルシウム、酢酸リチウム、硫酸ナトリウム、水酸化ナト
リウム等の無機塩を含有する水溶液などを中空形成剤に
使用することもできる。
【0035】一般に、凝固完了後のEVA中空糸膜には
湿熱処理を施す。湿熱処理温度は、通常、40〜80℃
の範囲内、好ましくは55〜70℃の範囲内である。こ
れ未満の温度では、乾燥後の寸法および性能の保存安定
性が低下し、これを超える温度では、膜構造および性能
に変化が生じることがある。湿熱処理は、通常、水洗を
兼ねて温熱水にEVA中空糸膜を通過させる方法によっ
て行うことができるが、湿熱処理と水洗とを必ずしも同
時に行う必要がなく、飽和水蒸気雰囲気中にEVA中空
糸膜を通過させて湿熱処理を行った後、水洗を行うこと
も可能であり、逆に水洗後湿熱処理を行うことも可能で
ある。しかしながら、工程の簡略化の観点から、湿熱処
理と水洗とを同時に行うことが好ましい。
【0036】湿潤状態のEVA中空糸膜は、水混和性揮
発性有機溶媒に浸漬し、膜表面または内部に存在する水
を置換した後、常圧ないし減圧で乾燥させる。この場
合、有機溶媒としては炭素数1〜5の低級脂肪族アルコ
ールまたはケトンを用いることが好ましい。好適な有機
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、アミ
ルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトンなどが挙げられる。乾燥時の温度は、55℃以
下であることが好ましく、50℃以下であることがより
好ましい。また、水蒸気圧は、約0.0027MPa
(20mmHg)以下であることが好ましく、約0.0
014MPa(10mmHg)以下であることがより好
ましい。かかる条件により、湿潤状態の性能を維持した
状態で、EVA中空糸膜を乾燥させることができる。
【0037】乾燥後のEVA中空糸膜には乾熱処理を行
う。乾熱処理温度は、30〜70℃の範囲内にあること
が好ましく、30〜65℃の範囲内にあることがより好
ましい。この範囲を超える温度では膜構造および性能に
変化が生じ、この範囲未満の温度では充分な熱固定がで
きず、寸法および性能の保存安定性が得られないことが
ある。乾熱処理雰囲気下の水蒸気圧は、約0.0080
MPa(60mmHg)以下にすることが好ましい。こ
れを超える水蒸気圧では、EVA系共重合体への水分子
の吸着が起こり、乾熱処理後、EVA系共重合体を室温
雰囲気に曝された際に、この水分子の脱離に伴って膜構
造や性能が変化することがある。
【0038】このようにして得られたEVA中空糸膜
は、乾燥状態における寸法安定性に優れ、乾燥させてい
るので、輸送等にも便利である。また、乾燥したEVA
中空糸膜は、使用前に水または生理食塩水で再湿潤させ
ることにより、乾燥前の構造および性能を再現させるこ
とができる。
【0039】
【実施例】以下に、本発明について、実施例を挙げてさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って何ら限定されるものではない。
【0040】実施例1 エチレン含量32モル%、ケン化度99%のEVA系重
合体(株式会社クラレ製、EVAL EC−F100
A)15重量部、DMSO73重量部、水10重量部お
よび塩化リチウム2重量部を90℃で加熱溶解して製膜
原液を得た。得られた製膜原液のLSTは28℃であっ
た。二重環状ノズルの内部に水を注入しながら40℃の
製膜原液を押し出し、15℃の空気中を通過させ水浴中
に導入した。以下、常法に従い、水洗、湿熱処理、乾
燥、乾熱処理を行い、乾燥中空糸膜を得た。
【0041】得られた中空糸膜の外径は265μm、内
径は175μm、膜厚は45μmであった。製膜条件を
表1に、得られた膜を電子顕微鏡(倍率:60000
倍)および原子間力顕微鏡で観察した構造および性能を
表2に示す。
【0042】実施例2 実施例1と同じ製膜原液を用いて、表1に示した製膜条
件で製膜を行い、乾燥中空糸膜を得た。なお、表1以外
の条件は実施例1と同様である。
【0043】得られた中空糸膜の外径は265μm、内
径は175μm、膜厚は45μmであった。得られた中
空糸膜の構造および性能を表2に示す。
【0044】実施例3 エチレン含量47モル%、ケン化度99%のEVA系重
合体(株式会社クラレ製、EVAL ES−G110
A)15重量部、DMSO78重量部、水5重量部およ
び酢酸リチウム2重量部からなる製膜原液を用いて、表
1に示した製膜条件で製膜を行い、乾燥中空糸膜を得
た。なお、表1以外の条件は実施例1と同様である。
【0045】得られた中空糸膜の外径は265μm、内
径は175μm、膜厚は45μmであった。得られた中
空糸膜の構造および性能を表2に示す。
【0046】実施例4 エチレン含量47モル%、ケン化度99%のEVA系重
合体16重量部、DMSO83重量部および水1重量部
からなる製膜原液を用いて、表1に示した製膜条件で製
膜を行い、乾燥中空糸膜を得た。なお、表1以外の条件
は実施例1と同様である。
【0047】得られた中空糸膜の外径は265μm、内
径は175μm、膜厚は45μmであった。得られた中
空糸膜の構造および性能を表2に示す。
【0048】比較例1 エチレン含量32モル%、ケン化度99%のEVA系重
合体15重量部、DMSO84重量部および水1重量部
の製膜原液を用いて、表1に示した製膜条件で製膜を行
い、乾燥中空糸膜を得た。なお、表1以外の条件は実施
例1と同様である。
【0049】得られた中空糸膜の外径は265μm、内
径は175μm、膜厚は45μmであった。得られた中
空糸膜の構造および性能を表2に示す。
【0050】比較例2〜3 比較例1と同じ製膜原液を用いて、表1に示した製膜条
件で製膜を行い、乾燥させて中空糸膜を得た。なお、表
1以外の条件は実施例1と同様である。
【0051】各比較例で得られた中空糸膜の外径は26
5μm、内径は175μm、膜厚は45μmであった。
得られた膜の構造および性能を表2に示す。
【0052】比較例4 エチレン含量32モル%、ケン化度99%のEVA系重
合体15重量部、DMSO63重量部、水20重量部お
よび酢酸リチウム2重量部からなる製膜原液を用いて、
表1に示した製膜条件で製膜を行い、乾燥させて中空糸
膜を得た。なお、表1以外の条件は実施例1と同様であ
る。
【0053】得られた中空糸膜の外径は265μm、内
径は175μm、膜厚は45μmであった。得られた膜
の構造および性能を表2に示す。
【0054】比較例5 実施例3と同じ製膜原液を用いて、表1に示した製膜条
件で製膜を行い、乾燥させて中空糸膜を得た。なお、表
1以外の条件は実施例1と同様である。
【0055】得られた中空糸膜の外径は265μm、内
径は175μm、膜厚は45μmであった。得られた膜
の構造および性能を表2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明のEVA中空糸膜は、内表面に緻
密層を有し、該緻密層以外の部分に多孔層を有するの
で、代表的な中高分子量物質であるミオグロビンの高い
透過性とアルブミンの高い阻止率を示すという効果を奏
する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月9日(2001.2.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】空隙率は、式: 〔空隙率〕(%)={(WW −WD )/ρW }/{WD
/ρ E (WW −WD )/ρW }×100 (式中、WW は含水膜の重量、WD は乾燥膜の重量、ρ
W は水の比重、ρE はEVAの比重を示す)によって求
められるものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 71/26 B01D 71/26 71/38 71/38 (72)発明者 末弘 健 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 中路 修平 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 松本 洋一 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 高井 正人 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 須郷 望 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内 (72)発明者 鶴田 仁志 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内 Fターム(参考) 4D006 GA07 GA13 MA01 MA07 MA24 MA33 MB06 MC27 MC34X MC36 MC37 MC39 MC81 MC82 NA04 NA10 NA12 NA14 NA17 NA18 NA54 NA55 NA63 NA64 PB09 PB52 PB59 PC41 PC47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−ビニルアルコール系重合体か
    ら構成され、内表面に緻密層を有し、該緻密層以外の部
    分に多孔層を有し、空隙率が60〜90%であり、水系
    におけるミオグロビンの総括物質移動係数が0.003
    cm/min以上であり、牛血系におけるアルブミンの
    阻止率が97%以上であることを特徴とするエチレン−
    ビニルアルコール系重合体中空糸膜。
  2. 【請求項2】 膜面積1.6m2 において、血液流量2
    00mL/minおよび透析液流量500mL/min
    における牛血系での尿素のクリアランスが175mL/
    min以上であり、かつβ2 −ミクログロブリンのクリ
    アランスが35mL/min以上である請求項1記載の
    エチレン−ビニルアルコール系重合体中空糸膜。
  3. 【請求項3】 内表面から厚さ方向に1μmの位置にお
    ける開孔率が30%以上であり、内表面の緻密層を形成
    しているノジュールの径が5〜50nmである請求項1
    または2記載のエチレン−ビニルアルコール系重合体中
    空糸膜。
JP2001004083A 2000-02-04 2001-01-11 エチレン−ビニルアルコール系重合体中空糸膜 Expired - Fee Related JP4722297B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001004083A JP4722297B2 (ja) 2000-02-04 2001-01-11 エチレン−ビニルアルコール系重合体中空糸膜

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000027751 2000-02-04
JP2000027751 2000-02-04
JP2000-27751 2000-02-04
JP2001004083A JP4722297B2 (ja) 2000-02-04 2001-01-11 エチレン−ビニルアルコール系重合体中空糸膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001286740A true JP2001286740A (ja) 2001-10-16
JP4722297B2 JP4722297B2 (ja) 2011-07-13

Family

ID=26584881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001004083A Expired - Fee Related JP4722297B2 (ja) 2000-02-04 2001-01-11 エチレン−ビニルアルコール系重合体中空糸膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4722297B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016140616A (ja) * 2015-02-03 2016-08-08 旭化成メディカル株式会社 中空糸膜型血液浄化器およびその製造方法
CN112316746A (zh) * 2020-09-09 2021-02-05 万华化学集团股份有限公司 一种具有双峰孔径分布的超高分子量聚乙烯中空纤维膜及其制备方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5440287A (en) * 1977-09-06 1979-03-29 Kuraray Co Ltd Ethylene-vinyl alcohol copolymer membrane of improved performance and preparation thereof
JPS5535969A (en) * 1978-09-07 1980-03-13 Kuraray Co Ltd Ethylene-vinyl alcohol copolymer membrane and its manufacture

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5440287A (en) * 1977-09-06 1979-03-29 Kuraray Co Ltd Ethylene-vinyl alcohol copolymer membrane of improved performance and preparation thereof
JPS5535969A (en) * 1978-09-07 1980-03-13 Kuraray Co Ltd Ethylene-vinyl alcohol copolymer membrane and its manufacture

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016140616A (ja) * 2015-02-03 2016-08-08 旭化成メディカル株式会社 中空糸膜型血液浄化器およびその製造方法
CN112316746A (zh) * 2020-09-09 2021-02-05 万华化学集团股份有限公司 一种具有双峰孔径分布的超高分子量聚乙烯中空纤维膜及其制备方法
CN112316746B (zh) * 2020-09-09 2023-01-13 万华化学集团股份有限公司 一种具有双峰孔径分布的超高分子量聚乙烯中空纤维膜及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4722297B2 (ja) 2011-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1311884C (en) Polysulfone hollow fiber membrane and process for making the same
JPH10108907A (ja) 血液浄化膜、その製造方法及び血液浄化用モジュール
US6514409B2 (en) Hollow fiber membrane made of an ethylene-vinyl alcohol polymer
JP2000140589A (ja) ポリスルホン系多孔質膜
JP3714686B2 (ja) ポリスルホン系中空糸膜及びその製造方法
JP2003010654A (ja) 中空糸膜の製造方法
JP4722297B2 (ja) エチレン−ビニルアルコール系重合体中空糸膜
JP2703266B2 (ja) ポリスルホン中空繊維膜およびその製法
JP3253861B2 (ja) 選択透過性中空糸膜
JPH053335B2 (ja)
JPH10180058A (ja) 中空糸膜
JP4029312B2 (ja) 選択透過性中空糸膜
JP2003175320A (ja) 中空糸状膜の製造方法
JP4672128B2 (ja) 中空糸膜およびその製造方法
JPS5836602B2 (ja) エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体膜およびその製法
JP2003175321A (ja) 中空糸状膜の製造方法
JP2003275300A (ja) 血液浄化用再生セルロース中空糸膜、その製造方法および血液浄化器
JP5196509B2 (ja) 血液浄化用中空糸膜及びその製造方法
JP2001259387A (ja) 中空糸膜の製造方法
JPH09308684A (ja) 選択分離膜
JP2001038169A (ja) 血漿成分分離膜
JP3295314B2 (ja) 選択透過性中空糸膜
JP2001079371A (ja) エチレンビニルアルコール系重合体分離膜およびその製造方法
JP2001314736A (ja) 製膜原液および中空糸膜の製造方法
JP2001038154A (ja) 血漿成分の分離膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071005

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20091028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100118

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110405

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110406

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4722297

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees