JP2001284177A - 電気二重層コンデンサ - Google Patents
電気二重層コンデンサInfo
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Abstract
少ない電気二重層コンデンサを提供する。 【解決手段】活性炭を含有する2枚の分極性電極2、2
と、分極性電極2、2間に介装されるセパレータ3と、
分極性電極2の他方の表面それぞれに積層される集電体
4、4とを備え、セパレータ3が剛性の異なる複数の多
孔質層3a、3bの積層体からなり、かつ高剛性の多孔
質層3aの平均細孔径が前記弾性の多孔質層の平均細孔
径3bより小さい電気二重層コンデンサ1を作製する。
Description
く、かつ自己放電電圧による電圧降下の少ない電気二重
層コンデンサに関する。
コンデンサが注目されている。電気二重層コンデンサ
は、電極と電解液との界面においてイオンの分極により
できる電気二重層を利用したキャパシタであり、従来の
キャパシタに比較して大容量の静電容量を充電できると
ともに、急速充放電が可能であり、その応用が期待され
ている。
例えば、絶縁性のセパレータを介して活性炭を含み電解
液を含浸させた正極および負極をなす複数の分極性電極
を積層し、さらにその両表面に積層した正極および負極
の集電体を通して充放電することにより、前記分極性電
極内部に静電容量を発生できるものである。
高容量化と高い放電密度が要求されるが、コンデンサの
内部抵抗が高いと電流密度が高くなるにつれて放電初期
に電圧の急激な低下、いわゆるIRドロップが見られる
ことから、コンデンサの内部抵抗を低減することが求め
られている。この内部抵抗は、分極性電極内の活性炭表
面の細孔分布状態や体積固有抵抗値、セパレータの細孔
率および細孔経、電極と集電体間の接触抵抗等に起因す
るものであるが、特にセパレータの微細な細孔経が小さ
く該細孔を通過する電解液のイオンの量が少ない場合、
または分極性電極と集電体間の接触抵抗が大きい場合に
は電気二重層コンデンサの内部抵抗が大きくなることが
知られている。
低減する方法として、セパレータの細孔径を制御した
り、セパレータを電解液に対して濡れ性のよい材質にて
構成する方法、またはかしめ板やバネ等を用いて集電体
−分極性電極−セパレータ間をかしめることによって各
層間の接触抵抗を低めて電気二重層コンデンサの接触抵
抗を小さくする方法等が検討されている。
2号公報では、多孔質セラミックスからなるセパレータ
を用い、前記分極性電極と前記多孔質セラミックセパレ
ータとをつづら折りにすることによって、セパレータの
電解液に対する濡れ性を高め、かつ電気二重層コンデン
サの内部抵抗を低減できることが記載されている。
弾性体からなるセパレータを用い、該セパレータの厚み
を圧縮せしめることにより、電気二重層コンデンサ内に
適当なかしめ圧を付与し内部抵抗を低減できるととも
に、セパレータの細孔径を大きくできることが記載され
ている。
9−82572号公報のセラミックセパレータを用いた
電気二重層コンデンサでは、セラミックセパレータの剛
性が高いためにセパレータと分極性電極とをかしめた際
に、分極性電極が破損する恐れがあった。また、電気二
重層コンデンサの長期間使用により分極性電極の表面で
一部分解が生じてガスが発生し体積膨張してセパレータ
内にクラックが発生し、分極性電極間でショートする恐
れがあった。
体からなるセパレータを用いた電気二重層コンデンサで
は、セパレータ内の細孔径がかしめ圧によって変化する
ことから、セパレータを透過する電解質の量が変動して
電気二重層コンデンサの内部抵抗がばらついたり、ま
た、セパレータ内の細孔径が大きくなると電解液中に存
在する分極性電極から脱離した浮遊炭素粒子が前記セパ
レータの細孔内を透過して漏れ電流が発生し、自己放電
による電圧降下が大きくなるという問題があった。
れたもので、かしめたり分極性電極が体積膨張するよう
な場合でも分極性電極やセパレータに破損等が発生する
ことなく、かつ浮遊炭素粒子による自己放電による電圧
降下の小さい電気二重層コンデンサを提供することにあ
る。
対して検討した結果、セパレータとして剛性の異なる2
種を積層したものを用いることにより、かしめ圧を大き
くして分極性電極と集電体の接触抵抗を小さくしても、
セパレータの孔が大きくならないため、電気二重層コン
デンサの内部抵抗を小さく、自己放電による電圧降下を
小さくできることを見出した。
は、活性炭を含有する2枚の分極性電極と、該分極性電
極間に介装されるセパレータと、前記分極性電極のセパ
レータ側の面とは反対の表面それぞれに積層される集電
体とを備えたものであって、前記セパレータが剛性の異
なる複数の多孔質層の積層体からなり、かつ該積層体の
うち高剛性の多孔質層の平均細孔径が低剛性の多孔質層
の平均細孔径より小さいことを特徴とするものである。
クスからなること、前記低剛性の多孔質層がテフロン不
織布、ポリプロピレン不織布、ポリエチレン不織布、ポ
リエステル不織布の群から選ばれる少なくとも1種から
なることが望ましい。
一実施例について、図1の概略断面図を基に説明する。
図1によれば、電気二重層コンデンサ1は、正極および
負極をなす矩形状の分極性電極2、2間に矩形状のセパ
レータ3が積層、介装されており、また、分極性電極
2、2のセパレータ接着面の反対面には、正極および負
極をなす矩形状の集電体4、4がそれぞれ積層、接着さ
れている。
なる複数の多孔質層の積層体により形成していることが
大きな特徴であり、図1によれば、セパレータ3が高剛
性の多孔質層(以下、高剛性層と略す)3aと、低剛性
の多孔質層(以下、低剛性層と略す)3bとからなり、
かつ、高剛性層3aの平均細孔径が低剛性層3bの平均
細孔径より小さいことが大きな特徴であり、これによっ
てかしめ圧を大きくして分極性電極と集電体の接触抵抗
を小さくしても分極性電極2や集電体4に破損等が生じ
ず、また、セパレータ3の細孔については低剛性層3b
の細孔径は変化するものの高剛性層3aの細孔径は変化
しないために、セパレータ3全体として電解質の透過量
を決定する細孔径は変化することがない結果、電気二重
層コンデンサ1の内部抵抗を小さくできるとともに、セ
パレータ3の細孔内を透過する浮遊炭素の量が増加する
ことなく自己放電による電圧降下を小さくできる。
セパレータ3にかかる圧力を小さくし、放電時にセパレ
ータ3にかかる圧力を大きくすれば、高剛性層3aと低
剛性層3bとの密着性が変化することによってセパレー
タ3としての細孔径を充電時にはセパレータ3の細孔径
が大きく、放電時にはセパレータ3の細孔径が小さくな
るために電気二重層コンデンサ1の静電容量を高めるこ
とができるとともに、内部抵抗を低減することができ
る。
は、厚み5〜40μm、空隙率40〜60%、平均細孔
径0.01〜10μm、特に0.1〜5μmであること
が望ましく、特にヤング率の高いセラミックスからなる
ことが望ましい。
均細孔径が高剛性層3aの平均細孔径よりも大きいこと
が重要であり、具体的には0.05〜20μm、特に
0.2〜10μmであることが望ましい。また、低剛性
層3bとしては、かしめ圧が無いときの厚みが20〜1
00μm、空隙率50〜60%で、特にテフロン不織
布、ポリプロピレン不織布、ポリエチレン不織布、ポリ
エステル不織布が、中でもテフロン不織布からなること
が望ましい。また、低剛性層3bは積層体中でかしめら
れ、その厚みが60〜90%に圧縮されていることが望
ましい。
分極性電極2、セパレータ3、集電体4を良好にかし
め、かつ電気二重層コンデンサ1を小型化する点で、高
剛性層3aの厚みt1に対する低剛性層3bの厚みt
2(t2/t1)が0.1〜10、特に0.5〜5である
ことが望ましい。なお、上記多孔質体の厚みはかしめ圧
なしでの厚みを指す。
有する活性炭粒子と該活性炭粒子間を結合するために配
合された炭素成分とからなるものであり、また構造体と
しての強度を高め、浮遊炭素量を低減する上では、前記
活性炭質構造体中に有機バインダ成分が焼成後も残存し
たものであってもよい。また、高静電容量を維持しつ
つ、構造体としての取扱いに支障ない強度を得るため
に、分極性電極2の比表面積が1000〜3000m2
/g程度であることが望ましい。
有量は主として活性炭表面にある−OH(フェノール
基)、−COOH(カルボキシル基)、−CHO(アル
デヒド基)等の官能基に起因するものであるが、これら
活性炭表面の官能基は、2.5V以上の電圧を印加する
と、負極側で電気二重層コンデンサ中に存在する水と酸
化または還元反応を生じる結果、活性炭質構造体中の前
記官能基が還元されて炭酸ガス、酸素ガス等のガスやそ
の他不純物が発生し、該不純物が活性炭表面に付着し、
イオン吸着の妨げとなるとともに、活性炭質構造体中の
粒子間の結合力を弱めて内部抵抗が増加し活性炭質構造
体の保形性が低下するため、負極側の分極性電極2の活
性炭表面の官能基量は少ない、すなわち、負極側の分極
性電極2中の活性炭の酸素量は少ないことが望ましい。
活性炭表面の官能基量が多い、すなわち活性炭の酸素量
は多いことが望ましいことから、正極側の分極性電極2
の活性炭の酸素含有量が負極側の分極性電極2中の活性
炭の酸素含有量よりも多いことが望ましい。
は、活性炭粒子間に存在し、活性炭粒子間の焼結性およ
び結合性を高める働きをなすが、分極性電極2の比表面
積を高めるためには該炭素成分量は少ないことが望まし
く、各活性炭質構造体中に占める割合が5〜50重量%
であることが望ましい。
板状であることが望ましく、また活性炭質構造体の強度
は3点曲げ強度が30kPa以上、特に60kPa以上
であることが望ましい。
は、硫酸や硝酸等の水溶液や、プロピレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、エチレンカーボネート、スルホラン、3−メチルス
ルホラン等の有機溶媒と4級アンモニウム塩、4級スル
ホニウム塩、4級ホスホニウム塩等の電解質を組み合わ
せた有機溶液が使用可能であるが、本発明によれば、特
に耐電圧を2.5V以上に高めることができる有機系の
電解液、特にプロピレンカーボネートを溶媒とするもの
において特に有効である。
活性炭質構造体と同時焼成可能な導体材料からなること
が望ましい。また、正極側で電気二重層コンデンサ中に
酸化反応を生じて、正極側の集電体4の一部がイオン化
して電解液中に溶出してしまい集電体4が劣化する恐れ
があることから、特に、正極側の集電体4としては、電
解液に対する電気化学的に安定な電位領域を有効に使用
できるもの、特に有機系電解液に対して電位窓の広いも
のであることが望ましく、具体的には、Al、Ti、T
a、Ag、Nb、Pt、Auの群から選ばれる少なくと
も1種の金属であることが望ましい。さらに、前記正極
側の金属としては安価、軽量、信頼性の点でAlが最適
である。同時焼結しない場合にも安価、軽量、信頼性の
点でAlが最適である。
電極2と同時焼成する場合には、前述したように分極性
電極2の酸素含有量を低減するために、融点の高いC
u、Ag、Ni、Pt、Auの群から選ばれる少なくと
も1種の金属からなることが望ましい。同時焼結しない
場合には安価、軽量、信頼性の点でAlが最適である。
含浸される電解液の外部への漏れを防止するとともに分
極性電極2、セパレータ3、集電体4を固定、保護する
ためのものであり、非導電性の材料、例えばポリプロピ
レン、アクリルなどのプラスチックやガラス、セラミッ
クスなどにより形成される。
る作用をなすが、加圧応力の均一化のためには剛性の高
い金属板からなることが望ましい。但し、図1において
は集電体4加圧板を集電体としての機能を兼ね備えた導
電性を有する金属板として形成したが、加圧板を集電体
4の上下面に別体を使用しても良い。
ト5を貫通する貫通孔が形成され、貫通孔内には加圧部
材が挿入されておりネジ部材等の加圧部材によって分極
性電極2、セパレータ3、集電体4が加圧保持してかし
められている。
を作製する方法の一例について説明する。まず、分極性
電極を形成する固形状活性炭質構造体(以下、活性炭質
構造体と略す。)を作製するには、活性炭を作製するた
めの炭素原料を準備する。一次原料であるヤシ殻、木
材、樹脂等に対して水蒸気賦活、薬品賦活やガス賦活に
より作製される活性炭が高比表面積を有することから好
適であり、それ以外にもコークス、カーボンブラック、
炭素繊維、石炭等が使用できる。
て、例えば、コークス系等の表面官能基に起因する酸素
含有量の多い活性炭を用い、負極をなす活性炭原料とし
て、例えば、椰子殻系の活性炭、フェノール系等の正極
用活性炭より表面官能基に起因する含有酸素量の少ない
活性炭を用いてもよい。
空状、突起状あるいは不定形があり、特に限定するもの
ではなく、また、粉末、粒状、顆粒状のいずれであって
もよく、さらにその粒径は5〜50μmであることが望
ましい。上記の各活性炭原料に所定量の有機バインダを
焼成後の炭素質成分量が5〜50重量%となる量で添
加、混合する。有機バインダとしては、フェノール、P
TFE、コールタール、ポリビニルブチラール(PV
B)、ポリビニルホルマール(PVFM)等のポリビニ
ルアセタール、酢酸ビニル等の公知の有機バインダが挙
げられ、とりわけ成形性および得られる固形状活性炭質
構造体の強度の点から、ポリビニルブチラール(PV
B)が最も望ましい。
レード法、押し出し成形法、カレンダーロール法、ロー
ル成形法、等の公知の成形手段により所定形状に成形す
る。成形方法としては、生産性の高いシート状の成形が
容易であるとともに、成形体の密度が高くできるロール
成形が好適に使用できる。
枚を積層、接着してもよく、この場合には、60〜10
0℃、20〜50MPaにて熱圧着し一体化するか、前
記シート間に密着液や接着剤等を塗布し接着することに
より、後述の熱処理における層間剥離を防止することが
できる。
質構造体を酸化性雰囲気中、150〜300℃に加熱
し、保持するエージング処理を施した後、非酸化性雰囲
気中、炭化処理して有機バインダ成分を炭化させる。
備する。なお、例えば、セラミックセパレータを作製す
るには、所定の金属イオンを含むコロイド溶液もしくは
アルコキシド溶液等の加水分解溶液等を用いゾル・ゲル
法によって前記分極性電極表面に成膜し、乾燥した後、
200〜900℃、特に300〜600℃にて熱処理す
るか、または熱CVD法、プラズマCVD法、レーザー
アブレーション法等の気相法にて分極性電極表面に所定
の細孔を有するセラミック薄膜を形成することが望まし
い。
と低剛性の多孔質層とを介装、積層するとともに、分極
性電極の他方の表面それぞれに集電体を積層した積層体
を単セルとして、所望により、複数セルを積層してガス
ケット内に収納する。
加圧板の角部とガスケットとを貫通するように形成した
貫通孔内に、加圧部材を挿入して加圧板間をかしめるこ
とができる。具体的なかしめ方法は、ネジ締めや貫通孔
内に樹脂を注入後、該樹脂を硬化させて収縮させるなど
が適用できる。前記ネジ締めによりかしめ圧を調整する
ことも可能である。
燥雰囲気のグローボックス等にて行えば、余分な乾燥工
程等が必要なく効率よく作製できるとともに、電気二重
層コンデンサ内の水分量を低減することができる。
量部に対して、それぞれポリビニルブチラール(PV
B)を50重量部混合して高速混合撹拌機にて撹拌し、
得られた粉体を40メッシュでメッシュパスを行った
後、ロール成形して平板状の成形体を作製した。
グ処理を行った後、真空中、900℃の温度で炭化熱処
理を行い、縦100mm、横100mm、厚さ0.3m
mの活性炭質構造体を作製した。
トして、その一方の表面にテトラメトキシシラン(TM
OS)と酸素−アルゴン混合ガスを導入し、2450M
Hzのマイクロ波プラズマにて室温で有機シリコン薄膜
を作製し、酸素中、400℃に加熱した後、非酸化性雰
囲気中、600℃にて焼成して活性炭質構造体の表面に
シリカ薄膜からなる高剛性の多孔質層を被着形成した。
なお、水銀圧入法によりシリカ薄膜の空隙率は50%、
平均細孔径1.5μmであることを確認し、SEM観察
によるシリカ薄膜の厚みは表1のとおりとした。
に被着形成した活性炭質構造体の前記高剛性の多孔質層
表面に他の活性炭質構造体を表1に示す厚みおよび平均
細孔径(表1では細孔径と記載)の低剛性の多孔質層を
介装して積層するとともに、活性炭質構造体の他方の表
面それぞれに縦100mm、横100mm、厚さ0.0
2mmの集電体の一端に、縦20mm、横20mm、厚
さ0.02mmのリード部が形成されたアルミニウム箔
からなる集電体を積層した。
(高剛性層−低剛性層)−分極性電極−集電体の積層体
を1セルとして集電体4枚、分極性電極6枚、セパレー
タとして高剛性層3枚と低剛性層3枚からなる積層体を
作製し、この積層体をあらかじめ電解液注入口を設けた
ガスケット内に挿入し、さらにガスケットおよび積層体
の両面にアルミニウム板からなる加圧板を配置して、該
ガスケットをかしめ、封止した。なお、かしめた後、セ
パレータの厚みは100μmであった。また、リード部
を1層おきに接続した2組のリード端子を作製し、それ
ぞれガスケット外に突出させた。
lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート
(Et4NBF4)の炭酸プロピレン(PC)溶液を電解
液として真空注入し、前記注入口を樹脂にて封口して、
定格3V、250Fの電気二重層コンデンサを作製し
た。なお、上述した焼成から封止までの工程をグローボ
ックス中で行った。
インピーダンス測定を1KHz、3Aにて行い、これを
内部抵抗として表1に記載した。また、3A、3Vにて
12時間充電し、20℃の雰囲気中で24時間放置した
後の電圧を測定し、自己放電による電圧降下率を測定し
て表1に自己放電特性として記載した。さらに、3.0
Vの直流電圧を70℃の温度下で、2000時間印加し
た耐久試験を行い、試験後の内部抵抗変化率も表1に示
した。
する多孔質層のみからなるセパレータを用いた試料N
o.7ではかしめにより微細なクラックが発生して自己
放電による電圧降下率が大きいものであり、また多孔質
のテフロン、セルロースのみからなるセパレータを用い
た試料No.8、9では、テフロンまたはセルロースが
特に長時間の使用によりかしめられることによって細孔
径が大きくなり、浮遊炭素がセパレータ間を容易に通過
でき、自己放電による電圧降下率が大きいものであっ
た。さらに、低剛性層の細孔径が高剛性層の細孔径より
も小さい試料No.6では内部抵抗が高いものであっ
た。
孔質層と低剛性の多孔質層とを積層してなる試料No.
1〜5では、いずれも内部抵抗が80mΩ以下、自己放
電特性が2.0%以下、耐久試験後の内部抵抗の変化が
17%以下の優れた特性を有するものであった。
重層コンデンサによれば、セパレータとして剛性の異な
る複数の多孔質層の積層体を用いることにより、かしめ
圧を大きくして分極性電極と集電体の接触抵抗を小さく
しても、セパレータの孔が大きくならないため、電気二
重層コンデンサの内部抵抗を小さく、自己放電による電
圧降下を小さくできる。
略断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】活性炭を含有する2枚の分極性電極と、該
分極性電極間に介装されるセパレータと、前記分極性電
極のセパレータ側の面とは反対の表面それぞれに積層さ
れる集電体とを備えた電気二重層コンデンサにおいて、
前記セパレータが剛性の異なる複数の多孔質層の積層体
からなり、かつ該積層体のうち高剛性の多孔質層の平均
細孔径が低剛性の多孔質層の平均細孔径より小さいこと
を特徴とする電気二重層コンデンサ。 - 【請求項2】前記高剛性の多孔質層がセラミックスから
なることを特徴とする請求項1記載の電気二重層コンデ
ンサ。 - 【請求項3】前記低剛性の多孔質層がテフロン(登録商
標)不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエチレン不織
布、ポリエステル不織布の群から選ばれる少なくとも1
種からなることを特徴とする請求項1記載の電気二重層
コンデンサ。
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