JP4587522B2 - 電気二重層コンデンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部抵抗が小さく、かつ自己放電電圧による電圧降下の少ない電気二重層コンデンサに関する。
【0002】
【従来技術】
最近、大電流の充放電が可能な電気二重層コンデンサが注目されている。電気二重層コンデンサは、電極と電解液との界面においてイオンの分極によりできる電気二重層を利用したキャパシタであり、従来のキャパシタに比較して大容量の静電容量を充電できるとともに、急速充放電が可能であり、その応用が期待されている。
【0003】
一般に、電気二重層コンデンサの構成は、例えば、絶縁性のセパレータを介して活性炭を含み電解液を含浸させた正極および負極をなす複数の分極性電極を積層し、さらにその両表面に積層した正極および負極の集電体を通して充放電することにより、前記分極性電極内部に静電容量を発生できるものである。
【0004】
かかる電気二重層コンデンサにおいては、高容量化と高い放電密度が要求されるが、コンデンサの内部抵抗が高いと電流密度が高くなるにつれて放電初期に電圧の急激な低下、いわゆるIRドロップが見られることから、コンデンサの内部抵抗を低減することが求められている。この内部抵抗は、分極性電極内の活性炭表面の細孔分布状態や体積固有抵抗値、セパレータの細孔率および細孔経、電極と集電体間の接触抵抗等に起因するものであるが、特にセパレータの微細な細孔経が小さく該細孔を通過する電解液のイオンの量が少ない場合、または分極性電極と集電体間の接触抵抗が大きい場合には電気二重層コンデンサの内部抵抗が大きくなることが知られている。
【0005】
従来、電気二重層コンデンサの内部抵抗を低減する方法として、セパレータの細孔径を制御したり、セパレータを電解液に対して濡れ性のよい材質にて構成する方法、またはかしめ板やバネ等を用いて集電体−分極性電極−セパレータ間をかしめることによって各層間の接触抵抗を低めて電気二重層コンデンサの接触抵抗を小さくする方法等が検討されている。
【0006】
具体的には、例えば、特開平9−82572号公報では、多孔質セラミックスからなるセパレータを用い、前記分極性電極と前記多孔質セラミックセパレータとをつづら折りにすることによって、セパレータの電解液に対する濡れ性を高め、かつ電気二重層コンデンサの内部抵抗を低減できることが記載されている。
【0007】
また、特公平8−12835号公報では、弾性体からなるセパレータを用い、該セパレータの厚みを圧縮せしめることにより、電気二重層コンデンサ内に適当なかしめ圧を付与し内部抵抗を低減できるとともに、セパレータの細孔径を大きくできることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−82572号公報のセラミックセパレータを用いた電気二重層コンデンサでは、セラミックセパレータの剛性が高いためにセパレータと分極性電極とをかしめた際に、分極性電極が破損する恐れがあった。また、電気二重層コンデンサの長期間使用により分極性電極の表面で一部分解が生じてガスが発生し体積膨張してセパレータ内にクラックが発生し、分極性電極間でショートする恐れがあった。
【0009】
また、特公平8−12835号公報の弾性体からなるセパレータを用いた電気二重層コンデンサでは、セパレータ内の細孔径がかしめ圧によって変化することから、セパレータを透過する電解質の量が変動して電気二重層コンデンサの内部抵抗がばらついたり、また、セパレータ内の細孔径が大きくなると電解液中に存在する分極性電極から脱離した浮遊炭素粒子が前記セパレータの細孔内を透過して漏れ電流が発生し、自己放電による電圧降下が大きくなるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、かしめたり分極性電極が体積膨張するような場合でも分極性電極やセパレータに破損等が発生することなく、かつ浮遊炭素粒子による自己放電による電圧降下の小さい電気二重層コンデンサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記課題に対して検討した結果、セパレータとして剛性の異なる2種を積層したものを用いることにより、かしめ圧を大きくして分極性電極と集電体の接触抵抗を小さくしても、セパレータの孔が大きくならないため、電気二重層コンデンサの内部抵抗を小さく、自己放電による電圧降下を小さくできることを見出した。
【0012】
本発明は、活性炭を含有する2枚の分極性電極と、該分極性電極間に介装されるセパレータと、前記分極性電極のセパレータ側の面とは反対の表面それぞれに積層される集電体とを備えた電気二重層コンデンサにおいて、前記セパレータが剛性の異なる複数の多孔質層が積層されて構成されており、前記高剛性の多孔質層が、前記分極電極の表面に成膜されたセラミック膜からなり、前記低剛性の多孔質層が、前記セラミック膜よりも剛性の低い有機材料層からなり、前記高剛性の多孔質層は、ゾル・ゲル法または気相法によって前記分極電極の表面に成膜されたセラミック膜からなるものである。
【0013】
ここで、前記高剛性の多孔質層がセラミックスからなること、前記低剛性の多孔質層がテフロン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエチレン不織布、ポリエステル不織布の群から選ばれる少なくとも1種からなることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の電気二重層コンデンサの一実施例について、図1の概略断面図を基に説明する。
図1によれば、電気二重層コンデンサ1は、正極および負極をなす矩形状の分極性電極2、2間に矩形状のセパレータ3が積層、介装されており、また、分極性電極2、2のセパレータ接着面の反対面には、正極および負極をなす矩形状の集電体4、4がそれぞれ積層、接着されている。
【0015】
本発明によれば、セパレータ3を剛性の異なる複数の多孔質層の積層体により形成していることが大きな特徴であり、図1によれば、セパレータ3が高剛性の多孔質層(以下、高剛性層と略す)3aと、低剛性の多孔質層(以下、低剛性層と略す)3bとからなり、かつ、高剛性層3aの平均細孔径が低剛性層3bの平均細孔径より小さいことが大きな特徴であり、これによってかしめ圧を大きくして分極性電極と集電体の接触抵抗を小さくしても分極性電極2や集電体4に破損等が生じず、また、セパレータ3の細孔については低剛性層3bの細孔径は変化するものの高剛性層3aの細孔径は変化しないために、セパレータ3全体として電解質の透過量を決定する細孔径は変化することがない結果、電気二重層コンデンサ1の内部抵抗を小さくできるとともに、セパレータ3の細孔内を透過する浮遊炭素の量が増加することなく自己放電による電圧降下を小さくできる。
【0016】
また、電気二重層コンデンサ1の充電時にセパレータ3にかかる圧力を小さくし、放電時にセパレータ3にかかる圧力を大きくすれば、高剛性層3aと低剛性層3bとの密着性が変化することによってセパレータ3としての細孔径を充電時にはセパレータ3の細孔径が大きく、放電時にはセパレータ3の細孔径が小さくなるために電気二重層コンデンサ1の静電容量を高めることができるとともに、内部抵抗を低減することができる。
【0017】
また、セパレータ3の高剛性層3aとしては、厚み5〜40μm、空隙率40〜60%、平均細孔径0.01〜10μm、特に0.1〜5μmであることが望ましく、特にヤング率の高いセラミックスからなることが望ましい。
【0018】
他方、セパレータ3の低剛性層3bは、平均細孔径が高剛性層3aの平均細孔径よりも大きいことが重要であり、具体的には0.05〜20μm、特に0.2〜10μmであることが望ましい。また、低剛性層3bとしては、かしめ圧が無いときの厚みが20〜100μm、空隙率50〜60%で、特にテフロン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエチレン不織布、ポリエステル不織布が、中でもテフロン不織布からなることが望ましい。また、低剛性層3bは積層体中でかしめられ、その厚みが60〜90%に圧縮されていることが望ましい。
【0019】
さらに、セパレータ3の保形性を維持し、分極性電極2、セパレータ3、集電体4を良好にかしめ、かつ電気二重層コンデンサ1を小型化する点で、高剛性層3aの厚みt1に対する低剛性層3bの厚みt2(t2/t1)が0.1〜10、特に0.5〜5であることが望ましい。なお、上記多孔質体の厚みはかしめ圧なしでの厚みを指す。
【0020】
ここで、分極性電極2は、高い比表面積を有する活性炭粒子と該活性炭粒子間を結合するために配合された炭素成分とからなるものであり、また構造体としての強度を高め、浮遊炭素量を低減する上では、前記活性炭質構造体中に有機バインダ成分が焼成後も残存したものであってもよい。また、高静電容量を維持しつつ、構造体としての取扱いに支障ない強度を得るために、分極性電極2の比表面積が1000〜3000m2/g程度であることが望ましい。
【0021】
さらに、分極性電極2中の活性炭の酸素含有量は主として活性炭表面にある−OH(フェノール基)、−COOH(カルボキシル基)、−CHO(アルデヒド基)等の官能基に起因するものであるが、これら活性炭表面の官能基は、2.5V以上の電圧を印加すると、負極側で電気二重層コンデンサ中に存在する水と酸化または還元反応を生じる結果、活性炭質構造体中の前記官能基が還元されて炭酸ガス、酸素ガス等のガスやその他不純物が発生し、該不純物が活性炭表面に付着し、イオン吸着の妨げとなるとともに、活性炭質構造体中の粒子間の結合力を弱めて内部抵抗が増加し活性炭質構造体の保形性が低下するため、負極側の分極性電極2の活性炭表面の官能基量は少ない、すなわち、負極側の分極性電極2中の活性炭の酸素量は少ないことが望ましい。
【0022】
また、正極側では静電容量を高めるために活性炭表面の官能基量が多い、すなわち活性炭の酸素量は多いことが望ましいことから、正極側の分極性電極2の活性炭の酸素含有量が負極側の分極性電極2中の活性炭の酸素含有量よりも多いことが望ましい。
【0023】
なお、バインダとして添加される炭素成分は、活性炭粒子間に存在し、活性炭粒子間の焼結性および結合性を高める働きをなすが、分極性電極2の比表面積を高めるためには該炭素成分量は少ないことが望ましく、各活性炭質構造体中に占める割合が5〜50重量%であることが望ましい。
【0024】
また、分極性電極2は表面が円、矩形等の板状であることが望ましく、また活性炭質構造体の強度は3点曲げ強度が30kPa以上、特に60kPa以上であることが望ましい。
【0025】
分極性電極2中に含浸される電解液としては、硫酸や硝酸等の水溶液や、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレンカーボネート、スルホラン、3−メチルスルホラン等の有機溶媒と4級アンモニウム塩、4級スルホニウム塩、4級ホスホニウム塩等の電解質を組み合わせた有機溶液が使用可能であるが、本発明によれば、特に耐電圧を2.5V以上に高めることができる有機系の電解液、特にプロピレンカーボネートを溶媒とするものにおいて特に有効である。
【0026】
さらに、集電体4は、分極性電極2をなす活性炭質構造体と同時焼成可能な導体材料からなることが望ましい。また、正極側で電気二重層コンデンサ中に酸化反応を生じて、正極側の集電体4の一部がイオン化して電解液中に溶出してしまい集電体4が劣化する恐れがあることから、特に、正極側の集電体4としては、電解液に対する電気化学的に安定な電位領域を有効に使用できるもの、特に有機系電解液に対して電位窓の広いものであることが望ましく、具体的には、Al、Ti、Ta、Ag、Nb、Pt、Auの群から選ばれる少なくとも1種の金属であることが望ましい。さらに、前記正極側の金属としては安価、軽量、信頼性の点でAlが最適である。同時焼結しない場合にも安価、軽量、信頼性の点でAlが最適である。
【0027】
また、負極側の集電体4としては、分極性電極2と同時焼成する場合には、前述したように分極性電極2の酸素含有量を低減するために、融点の高いCu、Ag、Ni、Pt、Auの群から選ばれる少なくとも1種の金属からなることが望ましい。同時焼結しない場合には安価、軽量、信頼性の点でAlが最適である。
【0028】
さらに、ガスケット5は、分極性電極2に含浸される電解液の外部への漏れを防止するとともに分極性電極2、セパレータ3、集電体4を固定、保護するためのものであり、非導電性の材料、例えばポリプロピレン、アクリルなどのプラスチックやガラス、セラミックスなどにより形成される。
【0029】
加圧板は積層したセル間を上下より加圧する作用をなすが、加圧応力の均一化のためには剛性の高い金属板からなることが望ましい。但し、図1においては集電体4加圧板を集電体としての機能を兼ね備えた導電性を有する金属板として形成したが、加圧板を集電体4の上下面に別体を使用しても良い。
【0030】
また、加圧板の角部には加圧板とガスケット5を貫通する貫通孔が形成され、貫通孔内には加圧部材が挿入されておりネジ部材等の加圧部材によって分極性電極2、セパレータ3、集電体4が加圧保持してかしめられている。
【0031】
次に、上記のような電気二重層コンデンサを作製する方法の一例について説明する。
まず、分極性電極を形成する固形状活性炭質構造体(以下、活性炭質構造体と略す。)を作製するには、活性炭を作製するための炭素原料を準備する。一次原料であるヤシ殻、木材、樹脂等に対して水蒸気賦活、薬品賦活やガス賦活により作製される活性炭が高比表面積を有することから好適であり、それ以外にもコークス、カーボンブラック、炭素繊維、石炭等が使用できる。
【0032】
なお、正極をなす電極用の活性炭原料として、例えば、コークス系等の表面官能基に起因する酸素含有量の多い活性炭を用い、負極をなす活性炭原料として、例えば、椰子殻系の活性炭、フェノール系等の正極用活性炭より表面官能基に起因する含有酸素量の少ない活性炭を用いてもよい。
【0033】
また、その形状は、球状、フレーク状、中空状、突起状あるいは不定形があり、特に限定するものではなく、また、粉末、粒状、顆粒状のいずれであってもよく、さらにその粒径は5〜50μmであることが望ましい。上記の各活性炭原料に所定量の有機バインダを焼成後の炭素質成分量が5〜50重量%となる量で添加、混合する。有機バインダとしては、フェノール、PTFE、コールタール、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルホルマール(PVFM)等のポリビニルアセタール、酢酸ビニル等の公知の有機バインダが挙げられ、とりわけ成形性および得られる固形状活性炭質構造体の強度の点から、ポリビニルブチラール(PVB)が最も望ましい。
【0034】
得られた粉末をプレス成形法、ドクターブレード法、押し出し成形法、カレンダーロール法、ロール成形法、等の公知の成形手段により所定形状に成形する。成形方法としては、生産性の高いシート状の成形が容易であるとともに、成形体の密度が高くできるロール成形が好適に使用できる。
【0035】
また、前記シート状の活性炭質構造体複数枚を積層、接着してもよく、この場合には、60〜100℃、20〜50MPaにて熱圧着し一体化するか、前記シート間に密着液や接着剤等を塗布し接着することにより、後述の熱処理における層間剥離を防止することができる。
【0036】
次に、所望により、前記シート状の活性炭質構造体を酸化性雰囲気中、150〜300℃に加熱し、保持するエージング処理を施した後、非酸化性雰囲気中、炭化処理して有機バインダ成分を炭化させる。
【0037】
一方、剛性の異なる複数のセパレータを準備する。なお、例えば、セラミックセパレータを作製するには、所定の金属イオンを含むコロイド溶液もしくはアルコキシド溶液等の加水分解溶液等を用いゾル・ゲル法によって前記分極性電極表面に成膜し、乾燥した後、200〜900℃、特に300〜600℃にて熱処理するか、または熱CVD法、プラズマCVD法、レーザーアブレーション法等の気相法にて分極性電極表面に所定の細孔を有するセラミック薄膜を形成することが望ましい。
【0038】
そして、分極性電極間に高剛性の多孔質層と低剛性の多孔質層とを介装、積層するとともに、分極性電極の他方の表面それぞれに集電体を積層した積層体を単セルとして、所望により、複数セルを積層してガスケット内に収納する。
【0039】
その後、その両表面に加圧板を配設し、両加圧板の角部とガスケットとを貫通するように形成した貫通孔内に、加圧部材を挿入して加圧板間をかしめることができる。具体的なかしめ方法は、ネジ締めや貫通孔内に樹脂を注入後、該樹脂を硬化させて収縮させるなどが適用できる。前記ネジ締めによりかしめ圧を調整することも可能である。
【0040】
なお、上記熱処理から組立に至る工程を乾燥雰囲気のグローボックス等にて行えば、余分な乾燥工程等が必要なく効率よく作製できるとともに、電気二重層コンデンサ内の水分量を低減することができる。
【0041】
【実施例】
ヤシ殻を炭化、賦活した活性炭粉末100重量部に対して、それぞれポリビニルブチラール(PVB)を50重量部混合して高速混合撹拌機にて撹拌し、得られた粉体を40メッシュでメッシュパスを行った後、ロール成形して平板状の成形体を作製した。
【0042】
前記成形体を大気中、200℃でエージング処理を行った後、真空中、900℃の温度で炭化熱処理を行い、縦100mm、横100mm、厚さ0.3mmの活性炭質構造体を作製した。
【0043】
上記活性炭質構造体をCVD装置内にセットして、その一方の表面にテトラメトキシシラン(TMOS)と酸素−アルゴン混合ガスを導入し、2450MHzのマイクロ波プラズマにて室温で有機シリコン薄膜を作製し、酸素中、400℃に加熱した後、非酸化性雰囲気中、600℃にて焼成して活性炭質構造体の表面にシリカ薄膜からなる高剛性の多孔質層を被着形成した。なお、水銀圧入法によりシリカ薄膜の空隙率は50%、平均細孔径1.5μmであることを確認し、SEM観察によるシリカ薄膜の厚みは表1のとおりとした。
【0044】
次に、上記高剛性の多孔質層を一方の表面に被着形成した活性炭質構造体の前記高剛性の多孔質層表面に他の活性炭質構造体を表1に示す厚みおよび平均細孔径(表1では細孔径と記載)の低剛性の多孔質層を介装して積層するとともに、活性炭質構造体の他方の表面それぞれに縦100mm、横100mm、厚さ0.02mmの集電体の一端に、縦20mm、横20mm、厚さ0.02mmのリード部が形成されたアルミニウム箔からなる集電体を積層した。
【0045】
そして、集電体−分極性電極−セパレータ(高剛性層−低剛性層)−分極性電極−集電体の積層体を1セルとして集電体4枚、分極性電極6枚、セパレータとして高剛性層3枚と低剛性層3枚からなる積層体を作製し、この積層体をあらかじめ電解液注入口を設けたガスケット内に挿入し、さらにガスケットおよび積層体の両面にアルミニウム板からなる加圧板を配置して、該ガスケットをかしめ、封止した。なお、かしめた後、セパレータの厚みは100μmであった。また、リード部を1層おきに接続した2組のリード端子を作製し、それぞれガスケット外に突出させた。
【0046】
その後、前記電解液注入口から1mol/lのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(Et4NBF4)の炭酸プロピレン(PC)溶液を電解液として真空注入し、前記注入口を樹脂にて封口して、定格3V、250Fの電気二重層コンデンサを作製した。なお、上述した焼成から封止までの工程をグローボックス中で行った。
【0047】
得られた電気二重層コンデンサについて、インピーダンス測定を1KHz、3Aにて行い、これを内部抵抗として表1に記載した。また、3A、3Vにて12時間充電し、20℃の雰囲気中で24時間放置した後の電圧を測定し、自己放電による電圧降下率を測定して表1に自己放電特性として記載した。さらに、3.0Vの直流電圧を70℃の温度下で、2000時間印加した耐久試験を行い、試験後の内部抵抗変化率も表1に示した。
【0048】
【表1】
Figure 0004587522
【0049】
表1から明らかなとおり、シリカを主体とする多孔質層のみからなるセパレータを用いた試料No.7ではかしめにより微細なクラックが発生して自己放電による電圧降下率が大きいものであり、また多孔質のテフロン、セルロースのみからなるセパレータを用いた試料No.8、9では、テフロンまたはセルロースが特に長時間の使用によりかしめられることによって細孔径が大きくなり、浮遊炭素がセパレータ間を容易に通過でき、自己放電による電圧降下率が大きいものであった。さらに、低剛性層の細孔径が高剛性層の細孔径よりも小さい試料No.6では内部抵抗が高いものであった。
【0050】
これに対して、本発明に従い、高剛性の多孔質層と低剛性の多孔質層とを積層してなる試料No.1〜5では、いずれも内部抵抗が80mΩ以下、自己放電特性が2.0%以下、耐久試験後の内部抵抗の変化が17%以下の優れた特性を有するものであった。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明の電気二重層コンデンサによれば、セパレータとして剛性の異なる複数の多孔質層の積層体を用いることにより、かしめ圧を大きくして分極性電極と集電体の接触抵抗を小さくしても、セパレータの孔が大きくならないため、電気二重層コンデンサの内部抵抗を小さく、自己放電による電圧降下を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気二重層コンデンサの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 電気二重層コンデンサ
2 分極性電極
3 セパレータ
4 集電体
5 ガスケット

Claims (2)

  1. 活性炭を含有する2枚の分極性電極と、該分極性電極間に介装されるセパレータと、前記分極性電極のセパレータ側の面とは反対の表面それぞれに積層される集電体とを備えた電気二重層コンデンサにおいて、
    前記セパレータが剛性の異なる複数の多孔質層が積層されて構成されており、
    前記高剛性の多孔質層が、前記分極電極の表面に成膜されたセラミック膜からなり、
    前記低剛性の多孔質層が、前記セラミック膜よりも剛性の低い有機材料層からなり、
    前記高剛性の多孔質層が、ゾル・ゲル法または気相法によって前記分極電極の表面に成膜されたセラミック膜からなることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
  2. 前記低剛性の多孔質層がテフロン(登録商標)不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエチレン不織布、およびポリエステル不織布の群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項記載の電気二重層コンデンサ。
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