JP2001281228A - 電磁超音波計測方法 - Google Patents
電磁超音波計測方法Info
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Abstract
磁超音波計測を実施できる。 【解決手段】 熱間鋼材である被測定材11の表層部1
5を冷却してγ相からα相へ変態させ、被測定材11の
表面11aに対して磁場10を印加し、超音波送受信用
コイル13で、被測定材11内を伝搬する横波の超音波
17を生起させるとともに伝搬された超音波17を受信
することによって被測定材11に対する計測を行う。ま
た、被測定材11の材料特性と冷却条件とで定まる被測
定材の表層部16での冷却速度VCを求め、この冷却速
度と該当被測定材の変態温度特性A1、A2とから、γ相
からα相へ変態させるための冷却時間M2を求める。
Description
ける熱間鋼材の各種特性を非接触で計測する電磁超音波
計測方法に関する。
て、非接触で超音波を印加して被測定材内を伝搬した超
音波を受信して寸法や欠陥等の被測定材の各種特性を計
測する計測方法の一つとして電磁超音波法が知られてい
る。
理を説明する。鉄等の導電性を有する被測定材1の表面
に対して磁化器2を対向配置し、被測定材1内に磁場3
を発生させる。被測定材1に近接させた検出コイル4に
高周波電流を流すことによって被測定材1内に渦電流を
生起させる。その渦電流と磁場3とで発生するローレン
ツ力を用いて被測定材1内に超音波5が発生して、この
被測定材1内を伝搬する。この被測定材1内を伝搬した
超音波5にて渦電流が発生し、検出コイル4でその伝搬
された超音波5に対応した電流が検出される。したがっ
て、圧電振動子が組込まれた一般の超音波探触子を用い
た超音波計測と同様の手法で、被測定材1の寸法や欠陥
を測定できる。
ために、製鉄所における中間製品である高温の熱間鋼材
の寸法測定や欠陥検出へも適用できる長所を有する。し
かしながら、電磁超音波法は、現在、一般的に用いられ
ている圧電振動子による超音波計測方法に比較して電気
機械変換率効率が非常に低いため、寸法や欠陥の検出感
度やSN比が非常に悪いという問題がある。
を改善する工夫が種々試みられてきた。
おいては、常温状態における被測定材の表面に塗装やメ
ッキによりニッケル・コバルト・フェライトなどの磁歪
材の薄層を形成することで、磁歪効果によって著しく超
音波の発生効率が向上すると提示されている。
形成する必要があるので、製鉄所における高温の熱間鋼
材の特性をオンライン状態で計測できない。したがっ
て、この手法を採用できない。
の検出感度やSN比の温度依存性が大きい。図13は、
電磁超音波法における寸法や欠陥の検出感度の温度特性
を示す図である。計測対象の被測定材として、炭素鋼と
ステンレス鋼とを用い、発生させる超音波として縦波と
横波とを用いている。なお、各条件における温度依存性
を明確にするために常温における各条件の検出感度を0
dBに設定している(非破壊検査第34巻第11号p8
0)。
材の温度帯を含む800℃以上の高温では検出感度の低
下が著しい。なお、縦波の炭素鋼において、変態温度近
傍で急峻なピークが生じているのは、この温度領域で透
磁率が急激に上昇するからである。したがって、このま
までは、上述した電磁超音波法を熱間鋼材の特性計測に
適用できない。
商53−106085号公報においては、図14に示す
ように、搬送状態の熱間鋼材からなる被測定材1の表面
に冷却流体6を吹付け、被測定材1の表面から1mm以
内の表層部7を強磁性体の自然磁化が生じるキューリー
温度(鉄で約760℃)以下に冷却させている。
の磁性が回復して強磁場となり、また電気伝導度も向上
するので超音波の伝搬効率が高くなると見られている。
に示す被測定材1の表面に冷却流体6を吹付る手法にお
いてもまだ解消すべき次のような課題があった。
表面を冷却流体6を吹付けて冷却していく際に、冷却速
度が速くかつ冷却時間が短い場合には、被測定材1内部
の温度をキュリー点以下に低下させたとしても、過冷却
のため結晶はしばらくはγ相を維持するオーステナイト
状態のままでり、すぐには磁性は回復しない。そのた
め、オーステナイト状態が解消されるのを待たないと検
出感度及びSN比は向上できない。
上における高速で搬送されている熱間鋼材の寸法や欠陥
の特性をオンライン状態で精度よく安定して測定できな
かった。
いては、被測定材1内で生起される超音波5は縦波であ
るので、高い測定精度が得られなかった。
ものであり、変態するまで被測定材を冷却することによ
って、確実に磁性状態で超音波を生起でき、高温の被測
定材に対して非接触状態で、高い精度で超音波を用いた
各種の計測を実施できる電磁超音波計測方法を提供する
ことを目的とする。
に、本発明の電磁超音波計測方法においては、熱間鋼材
である被測定材の表層部を冷却してγ相(面心立方結
晶)からα相(体心立方結晶)へ変態させ、被測定材の
表面に対して磁場を印加し、超音波送受信用コイルで、
被測定材内を伝搬する横波の超音波を生起させるととも
に伝搬された超音波を受信することによって被測定材に
対する計測を行うようにしている。
の動作原理を説明する。熱間鋼材の冷却時における磁性
変化について種々の実験と考察を重ねた結果、冷却して
いく過程で良好な磁性を得る条件として被測定材の温度
がキュリー温度以下であることに加えて、フェライトが
発生するように、γ相からα相へ相変態が必要であるこ
とを発見した。
変態させている。さらに、表層部の磁歪領域を利用して
高感度な超音波の送受信を行う方法として、被測定材の
表面に磁場を印加して、バイアス磁歪を生じせしめ、超
音波送受信用コイルを用いて水平方向の振動磁歪を加え
ている。この結果、両者の合成によって強力なせん断波
すなわち横波の超音波が発生する。この被測定材の表層
部内に生起した横波の超音波は被測定材内を伝搬する。
ても、この被測定材内を伝搬した超音波にて磁歪による
振動磁場が発生し、超音波送受信コイルでその振動磁場
すなわち超音波に対応した電流が検出される。
波計測方法において、被測定材の材料特性と冷却条件と
で定まる被測定材の表層部での冷却速度を求め、この冷
却速度と該当被測定材の変態温度特性とから、γ相から
α相へ変態させるための冷却時間を求める。
らα相への変態温度TSは、単純に被測定材内の温度T
で一義的に定まるのではなく、図5の特性A1、A2に示
すように、冷却時間Mと温度Tとに関係している。図5
において、特性A1は変態開始温度を示し、特性A2は変
態終了温度を示している。
開始温度、変態終了温度ともに低くなる。逆に、冷却速
度VCが低くなると変態開始温度、変態終了温度ともに
高くなる。なお、冷却速度VCは、冷却手段(冷却機
構)の冷却媒体噴出量や被測定材の伝熱特性、厚みなど
で求まる。
に、被測定材の材料特性と冷却条件とで定まる被測定材
の表層部での冷却速度VCを求め、この冷却速度VCと該
当被測定材の変態温度特性A2から、γ相からα相へ変
態させるための冷却時間M2を求めている。
とによって、被測定材の表層部を確実に相変態させるこ
とが可能となり、常に安定に強力な電磁超音波の送受信
が可能となる。
いては、熱間鋼材である被測定材の表層部がγ相からα
相へ相変態する冷却条件によって被測定材を冷却する冷
却ステップと、被測定材のα相に変態した表層部に対し
て磁場を印加して被測定材を伝播する横波の超音波を発
生させる超音波発生ステップと、被測定材を伝播した超
音波を受信することにより被測定材に対する計測を行う
計測ステップとを備えている。
測方法における磁場を、静磁場と振動磁場との複合磁場
で構成している。
音波計測方法において、被測定材の材質で決まる変態温
度特性と被測定材の冷却速度との関係に基いて、変態終
了までの冷却時間または変態終了温度を決定する冷却条
件決定ステップを有し、冷却ステップは、冷却条件決定
ステップにて調整された冷却速度でもって、γ相からα
相へ変態する冷却条件での冷却を実現するようにしてい
る。
音波計測方法において、冷却ステップは、冷却条件決定
ステップにて、冷却手段の冷却媒体噴出量、冷却ゾーン
長、被測定材の搬送速度の何れかひとつ又はそれらの組
合せにて調節された冷却速度でもって、冷却条件での冷
却を実現するようにしている。
音波計測方法において、被測定材の材質で決まる変態温
度特性と前記被測定材の冷却速度との関係に基いて、変
態終了までの冷却時間または変態終了温度を決定する冷
却条件決定ステップを有し、冷却ステップは、冷却条件
決定ステップにて調整された、冷却手段の冷却媒体噴出
量、冷却ゾーン長、被測定材の搬送速度の何れかひとつ
又はそれらの組合せでもって、γ相からα相へ変態する
冷却条件での冷却を実現するようにしている。
音波計測方法において、変態させる表層部厚みを、生成
させる超音波の周波数と被測定材の電磁気特性とから定
まる浸透深さ以上としている。
用いて説明する。図1は本発明の一実施形態の電磁超音
波計測方法を示す模式図である。
を有する被測定材11は矢印方向へ一定速度VSで搬送
されている。この搬送状態の被測定材11の表面11a
に対向して、表面11に対して垂直成分を有する垂直磁
場10を印加する磁化器12が配設されている。この磁
化器12は2個の永久磁石12a、12bで構成されて
いる。なお、この磁化器12を電磁石で構成してもよ
い。
場10を垂直に横切る方向に超音波を送受信するための
送受信用コイル13が配設されている。この送受信用コ
イル13には、例えば、100kHzの高周波信号を例え
ば10μs等の所定のパルス幅及び1ms等の所定のパ
ルス周期を有したパルス信号でパルス変調した送信信号
が印加される。なお、この実施形態においては、1つの
送受信用コイル13で超音波の送信と受信とを行ってい
るが、送信と受信とを個別のコイルで実施することも可
能である。
1の表面11aを水等の冷却媒体15a、15bを吹付
ける冷却機14a、14bが配設されている。したがっ
て、被測定材11の表面11aは冷却水15で覆われる
ことになる。この冷却媒体15a、15bにより被測定
材11内の表面11a近傍の表層部16はγ相からα相
への変態温度TS以下に冷却される。したがって、この
状態においては、表層部16はα相へ変態後か、又はα
相への変態過程である。被測定材11内の表層部16以
外の部分はγ相のままである。
に低いので、表層部16は高い磁性が回復している状態
である。
横波の超音波17が生起される原理を示す図である。γ
相からα相へ変態した状態の表層部16においては、磁
性の回復により磁歪が発生するようになる。この状態に
おいて、垂直磁場10が印加されると、表層部16が縦
方向に磁歪で歪んだ状態となる。さらに、送受信用コイ
ル13に高周波の送信信号の電流を流すと、水平方向の
振動磁場によって表層部16には水平方向の振動的な磁
歪がかかる結果、強力なせん断波を得ることができる。
この場合は被測定材11を表面11aに直交する方向
(厚み方向)に伝播する横波の超音波17が生起され
る。
実験結果を従来技術との比較で説明する。
間鋼材である材料長Laを有する被測定材11は搬送機
構18で矢印方向に一定速度VSで搬送されている。こ
の被測定材11の表面11aに対して、冷却機14a、
14b、14c、及び磁化器12と送受信用コイル13
とからなる超音波送受信ユニット19が対向配置されて
いる。熱間鋼材である被測定材11は約900度で均熱
化されている。この温度においては、被測定材11は全
部に亘って変態前のγ相である。
と同様に、表層部16の温度Rをキユーリー温度T
C(≒760℃)以下にする条件を設定する。
度VC=−20℃/sで被測定材11の内部を冷却す
る。超音波送受信ユニット19においては、生成する超
音波17の周波数を100kHzに設定する。さらに、冷
却ゾーン長をL=30cmとし、搬送速度をVS=40
mm/sとする。
る搬送方向の任意位置における冷却時間はM=300/
40=7.5sであるので、冷却時間M終了後における
表層部16の温度Rは、 R=900−(冷却速度M×冷却時間VC) =900−20×7.5=750℃ となり、鉄鋼のキユーリー温度TC(≒760℃)を下
回る。
底面エコーを超音波送受信ユニット19で受信した。こ
の超音波送受信ユニット19で受信したエコー信号e1
の信号レベルを図4に示す。エコー信号e1の信号レベ
ルは、図示するように、被測定材料長Laの範囲外の雑
音レベルに対して、殆ど差異がなく、SN比が低く、実
用に耐えない。
γ相からα相へ変態させる条件を設定する。
図(CCT)に基づく。この連続冷却変態線図を参考にし
て、各条件を設定する。
却速度は前回と同じであるVC=−20℃/sとする
と、この冷却速度VC=−20℃/sと変態開始温度特
性A1との交点で示される変態開始温度は約620℃で
ある。また、この冷却速度VC=−20℃/sと変態終
了温度特性A2との交点で示される変態終了温度は約5
00℃である。
20mm/sに低下させると、冷却ゾーン長(L=30
cm)は変化しないので、搬送方向の任意位置における
冷却時間MはM=300/20=15sであるので、冷
却時間M終了後における表層部16の温度Rは、 R=900−(冷却速度M×冷却時間VC) =900−20×15=600℃ となり、鉄鋼のキューリー温度TC(≒760℃)を下
回ることは勿論のこと、表層部15が十分変態を開始す
る温度である。
底面エコーを超音波送受信ユニット19で受信した。こ
の超音波送受信ユニット19で受信したエコー信号e2
の信号レベルを図4に示す。図示するように、エコー信
号e2における被測定材料長Laの範囲内の信号レベル
は、被測定材料長Laの範囲外の雑音レベルに比較して
大きく、計測に十分なSN比が得られた。
ることによって被測定材11の表層部16をγ相からα
相へ変態させることによって、高い精度で電磁超音波を
用いて、被測定材11に対する各種測定を実施できるこ
とが実証できた。
成図である。
を搬送させずに、被測定材11と超音波送受信ユニット
19との位置関係を固定し、冷却機14a、14bで被
測定材11の表面11aを連続的に冷却した。そして、
被測定材11の厚みtはt=100mm、冷却機14
a、14bの冷却水量は1リットル/min、超音波1
7の周波数は100kHzとした。
々に変態が進行していくこととなる。この時の超音波送
受信ユニット19で得られる底面エコーのエコー信号e
3の信号レベルは、図7に示すように経過時間と共に上
昇する。なお、図7においては、被測定材11の表面1
1aから3mm内側位置と、被測定材11の1/2厚み
位置(t/2)とにおける温度の経過時間特性を示す。
ら−3mmの表層部16の温度が620℃以下にした点
線で示す経過時刻以降からエコー信号e2の信号レベル
が大幅に上昇する結果が実証された。
表層部16の温度Rがキュリー温度TCではエコー信号
e2,e3の信号レベルがまだ低いが、さらに時間が経過
して表層部16がγ相からα相へ変態すると、被測定材
11の表面11aに垂直成分を持つ垂直磁場10によっ
て垂直方向にバイアス磁歪を生起させ、垂直磁場10を
横切るように配置させた送受信用コイル13によって水
平方向の振動磁歪を発生させることにより、高温の熱間
鋼材からなる被測定材11であっても横波電磁超音波で
非常に高い感度が得られた。
いるが、水平方向にバイアス磁場を印加しても、送受信
用コイルよる振動磁歪が水平方向であれば横波は送受信
される。
測定材11内に生起される横波の超音波17を、被測定
材11内において、表面11aに対して垂直方向(厚み
方向)に伝搬させた。しかしながら、図8のように磁化
器12の被測定材11側に配設した送受信用コイル13
を、巻回方向が交互にするコイル13a、13bで構成
し、そのコイル13a、13b相互の間隔を超音波の波
長の1/2に設定することにより、被測定材11の表面
11aだけを伝搬する表面波や、薄い板をうねらすよう
に伝搬する板波を生起させることが可能である。
式図である。この第3の実験は、モールドで溶融金属に
凝固シェルを作り、ロール22で引き抜いて、内部を凝
固させた後、カッター23で所定長に切断する鋳造機に
おいて、連続鋳造中における鋳片21の内部の凝固状態
を計測する場合に適用される。
上下面で挟むようにし、横波の透過信号を計測してい
る。冷却手段としての水冷ノズル25a、25bは、鋳
片21の長手方向に数本設置され、冷却ゾーン長および
冷却水の噴出量が調整できるようになっている。
ての水冷ノズル25aによって、鋳片21の表層部がα
相に変態するように、鋳造速度や鋼種に応じて適切に冷
却することができる。横波は液相を透過しない性質を有
するので、透過信号の有無を計測することで、鋳片21
の軸心が凝固しているのか未凝固なのかを検知すること
ができる。
る連続鋳造へ適用する場合の変形例で、ここでは鋳造機
自体が有する2次冷却ノズル26a、26bが本願にお
ける冷却手段を兼ねている。
実験は、本実施形態方法を厚板または熱延などの圧延工
程へ適用した例であり、図3の構成で実施できる。本実
施形態方法を圧延工程で適用することで、例えば超音波
の伝播時間から鋼材の内部温度の計測、厚みの計測、超
音波の減衰から結晶粒度の計測などを行うことができ
る。
は、被検査材の搬送中に冷却帯で表層部を冷却し超音波
検査を行う場合について、表層部がα相に変態するよう
に冷却条件、ここでは冷却帯の噴出量一定の基でゾーン
長を定めた例である。
水シャワーなのか、また冷却体の噴出量がどの位かによ
って熱伝達係数が決まるので、被検査材の比熱・熱伝導
率を考慮すると、その冷却方法での冷却速度△T(℃/
S)が定められる。次に、図5で示した被検査材のCC
T線図を基に、その冷却速度の時に変態が完了する温度
T1を求める。次に、被検査材が冷却帯に入る前の表層
部の温度T2を求める。
ればよく、測定場所によっては伝熱計算を用いてもよ
い。また、CCT線図は被測定材の熱履歴に応じて微調整
したものを用いることが望ましい。以上により、冷却時
間がt=(T1−T2)/ΔTとして求められるので、被
検査材の搬送速度Vから、冷却帯のゾーン長LはL=V×
tで求められる。
下げるかが問題であるが、これは用いる超音波の周波数
における浸透深さ程度とすればよい。例えば1MHzであ
ればそれは高々0.1〜0.2mm程度であるため、表
面温度とほぼ同じとして扱って構わない。
T2は表面温度として求めればよい。用いる周波数が低
い場合は浸透深さも深くなるので、伝熱計算と併用して
浸透深さでの温度を求めればよい。
においては、上述した第5の実験と同様で、表層部がα
相に変態する冷却条件、ここでは水冷帯のゾーン長一定
の基で冷却帯の噴出量を定めた例である。
水シャワーなのか、また冷却帯の噴出量がどの位かによ
って熱伝達係数が決まるので、被検査材の比熱・熱伝導
率を考慮すると、その冷却方法で様々な流量qの時の冷
却速度△Tq(℃/S)が流量に応じて定められる。
Lから冷却時間はt=L/Vで求められ、冷却帯による
温度低下は(t×△Tq)となる。次に被検査材が冷却
帯に入る前の表層部の温度T2を求めると、冷却帯を抜
けたときの表層部の温度はT1q=T2−(t×△Tq)と
なる。
材のCCT線図にプロットし、その中で変態終了の曲線
を下回っている部分を求めることにより、冷却帯の噴出
量が定められる。
においては、第5の実験と同様で、表層部がα相に変態
する冷却条件、ここでは冷却帯のゾーン長・冷却帯の噴
出量一定の基で搬送速度を定めた例である。
水シャワーなのか、また流量がどの位かによって熱伝達
係数が決まるので、被検査材の比熱・熱伝導率を考慮す
ると、その冷却方法での冷却速度ΔT(℃/S)が定め
られる。次に、図5で示す被検査材のCCT線図を基
に、その冷却速度の時に変態が完了する温度T1を求め
る。次に被検査材が冷却帯に入る前の表層部の温度T2
を求める。これにより、冷却時間がt=(T1−T2)Δ
Tとして求められるので、冷却帯のゾーン長Lか被検査
材の搬送速度VはV=L/tで求められる。
よってγ相からα相へ変態させる条件の設定手順を求め
る別の方法を図11に示す流れ図を用いて説明する。
相からα相への変態の進行が図5に示すように、冷却速
度VCと冷却時間Mに依存していることに基づいて表層
部16が確実に変態する条件を設定する。
順は種々の手順が考えられるが、被測定材11の材料特
性と冷却機14a、14bの冷却能力で定まる冷却速度
VCが一定の条件において、冷却時間Mを定める場合に
ついて説明する。
測定材11の材料特性(電磁気特性)とから、冷却の必
要浸透深さを求める(S1)。この浸透深から計算に用
いる計算深さを算出する(S2)。次に、計算深さと被
測定材11の表層部16の冷却条件から、所定の深さ位
置の冷却速度VCを求める(S4)。なお、この所定の
深さ位置の冷却速度VCは、実験で求めたり、冷却水
量、熱伝達係数、被測定材11の公称厚みtなどの値か
ら伝熱計算で求めてもよい。
速度VCが求まると、図5の該当被測定材11の連続冷
却変態線図を用いて必要な冷却時間M2を求める(S
5)。具体的には、求めた冷却速度VCと変態終了温度
特性A2との交点の時間に冷却時間M2を設定すればよ
い。
と、被測定材11の表層部16の各位置において、必要
な冷却時間M2が確保できるように、図3における被測
定材11の搬送速度VSと冷却ゾーン長Lとを設定すれ
ばよい。
す連続冷却変態線図が予め準備されている。
めて、搬送速度VSと冷却ゾーン長Lとを設定すること
によって、たとえ被測定材11の種別が変更になったと
しても、電磁超音波計測に先だって、該当被測定材11
の表層部16をより確実に変態させることが可能であ
る。
波計測方法によれば、電磁超音波計測に先だって、被測
定材の表層部がγ相からα相へ変態するように被測定材
を冷却している。さらに、磁場を印加した状態で送受信
用コイルで横波の超音波を生起させている。
性状態にした上で超音波を生起でき、高温の熱間鋼材で
ある被測定材に対して非接触状態で、高い精度で超音波
を用いた各種の計測を実施できる。
す模式図
の発生原理を説明するための図
するための第1の実験を示す図
信号波形図
するための第2の実験を示す図
間とエコー信号レベルとの関係を示す図
す図
するための第3の実験を示す図
却時間の設定手順を示す流れ図
の検出感度の温度依存性を示す図
Claims (8)
- 【請求項1】 熱間鋼材である被測定材の表層部を冷却
してγ相からα相へ変態させ、前記被測定材の表面に対
して磁場を印加し、超音波送受信用コイルで、前記被測
定材内を伝搬する横波の超音波を生起させるとともに伝
搬された超音波を受信することによって前記被測定材に
対する計測を行うことを特徴とする電磁超音波計測方
法。 - 【請求項2】 前記被測定材の材料特性と冷却条件とで
定まる前記被測定材の表層部での冷却速度を求め、この
冷却速度と該当被測定材の変態温度特性とから、前記γ
相からα相へ変態させるための冷却時間を求め、前記被
測定材の表層部を前記求めた冷却時間だけ冷却すること
を特徴とする請求項1記載の電磁超音波計測方法。 - 【請求項3】 熱間鋼材である被測定材の表層部がγ相
からα相へ相変態する冷却条件によって前記被測定材を
冷却する冷却ステップと、 前記被測定材のα相に変態した表層部に対して磁場を印
加して前記被測定材を伝播する横波の超音波を発生させ
る超音波発生ステップと、 前記被測定材を伝播した超音波を受信することにより前
記被測定材に対する計測を行う計測ステップとを有する
ことを特徴とする電磁超音波計測方法。 - 【請求項4】 前記磁場は静磁場と振動磁場との複合磁
場であることを特徴とする請求項3記載の電磁超音波計
測方法。 - 【請求項5】 前記被測定材の材質で決まる変態温度特
性と前記被測定材の冷却速度との関係に基いて、変態終
了までの冷却時間または変態終了温度を決定する冷却条
件決定ステップを有し、 前記冷却ステップは、前記冷却条件決定ステップにて調
整された冷却速度でもって、前記γ相からα相へ変態す
る冷却条件での冷却を実現することを特徴とする請求項
3又は4記載の電磁超音波計測方法。 - 【請求項6】 前記冷却ステップは、前記冷却条件決定
ステップにて、冷却手段の冷却媒体噴出量、冷却ゾーン
長、被測定材の搬送速度の何れかひとつ又はそれらの組
合せにて調節された冷却速度でもって、前記冷却条件で
の冷却を実現することを特徴とする請求項5記載の電磁
超音波計測方法。 - 【請求項7】 前記被測定材の材質で決まる変態温度特
性と前記被測定材の冷却速度との関係に基いて、変態終
了までの冷却時間または変態終了温度を決定する冷却条
件決定ステップを有し、 前記冷却ステップは、前記冷却条件決定ステップにて調
整された、冷却手段の冷却媒体噴出量、冷却ゾーン長、
被測定材の搬送速度の何れかひとつ又はそれらの組合せ
でもって、前記γ相からα相へ変態する冷却条件での冷
却を実現することを特徴とする請求項3又は4記載の電磁
超音波計測方法。 - 【請求項8】 変態させる表層部厚みを、生成させる超
音波の周波数と被測定材の電磁気特性とから定まる浸透
深さ以上とすることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
か1記載の電磁超音波計測方法。
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