JPH05215617A - 物体の断面平均温度測定方法 - Google Patents
物体の断面平均温度測定方法Info
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- JPH05215617A JPH05215617A JP5637692A JP5637692A JPH05215617A JP H05215617 A JPH05215617 A JP H05215617A JP 5637692 A JP5637692 A JP 5637692A JP 5637692 A JP5637692 A JP 5637692A JP H05215617 A JPH05215617 A JP H05215617A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 材料厚を測定する必要なしに材料の内部温度
の測定を超音波を利用して行い得る物体の断面平均温度
測定方法の提供を目的とする。 【構成】 超音波の縦波と横波との音速比が被測定物体
1の温度の関数になっている点、被測定物体1の同一の
測定対象位置ではその厚みは同一であるという点、の二
点に着目し、超音波の縦波, 横波それぞれの超音波探触
子2を同一点に配置するか、または縦波,横波の双方を
送受信する超音波探触子2を配置し、超音波の縦波, 横
波それぞれの伝播時間比から音速比を算出 (透過法また
は反射法) するか、または共振法により共振周波数を測
定し、これから音速比を求めるかにより縦波, 横波双方
の音速比を算出し、予め求められているそれらの関係か
ら被測定物体1の内部の平均温度を推定する。
の測定を超音波を利用して行い得る物体の断面平均温度
測定方法の提供を目的とする。 【構成】 超音波の縦波と横波との音速比が被測定物体
1の温度の関数になっている点、被測定物体1の同一の
測定対象位置ではその厚みは同一であるという点、の二
点に着目し、超音波の縦波, 横波それぞれの超音波探触
子2を同一点に配置するか、または縦波,横波の双方を
送受信する超音波探触子2を配置し、超音波の縦波, 横
波それぞれの伝播時間比から音速比を算出 (透過法また
は反射法) するか、または共振法により共振周波数を測
定し、これから音速比を求めるかにより縦波, 横波双方
の音速比を算出し、予め求められているそれらの関係か
ら被測定物体1の内部の平均温度を推定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は種々の物体、たとえば鋼
板等を伝播する超音波の特性、より具体的には超音波音
速の温度依存性を利用してその内部の断面における平均
温度を測定する方法に関する。
板等を伝播する超音波の特性、より具体的には超音波音
速の温度依存性を利用してその内部の断面における平均
温度を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】物体、特に鋼板等の工業材料の表面温度
の測定は従来は熱電対等を利用した接触式温度計あるい
は黒体放射等を利用した放射温度計により測定されてい
る。しかしこれらの温度計による測定精度は物体の表面
状態、たとえば凹凸,不純物の付着等により、また周囲
雰囲気により大きく左右される。更に、近年では材料あ
るいは設備の制御,管理の面からも材料の内部温度の測
定方法の確立が要望されている。
の測定は従来は熱電対等を利用した接触式温度計あるい
は黒体放射等を利用した放射温度計により測定されてい
る。しかしこれらの温度計による測定精度は物体の表面
状態、たとえば凹凸,不純物の付着等により、また周囲
雰囲気により大きく左右される。更に、近年では材料あ
るいは設備の制御,管理の面からも材料の内部温度の測
定方法の確立が要望されている。
【0003】このような事情から、たとえば特開昭53−
124486号公報, 特開昭57-24834号公報、更には特公平2
-16874号公報等に見られる発明が提案されている。特開
昭53−124486号公報及び特開昭57-24834号公報の発明
は、被測定物体に入射された超音波の伝播時間が被測定
物体の温度に依存する、換言すれば超音波音速が被測定
物体の温度に依存する性質を利用した発明である。ま
た、特公平2-16874号公報の発明は、超音波の縦波, 横
波音速の伝播時間と材料の厚さとの関係を利用してい
る。
124486号公報, 特開昭57-24834号公報、更には特公平2
-16874号公報等に見られる発明が提案されている。特開
昭53−124486号公報及び特開昭57-24834号公報の発明
は、被測定物体に入射された超音波の伝播時間が被測定
物体の温度に依存する、換言すれば超音波音速が被測定
物体の温度に依存する性質を利用した発明である。ま
た、特公平2-16874号公報の発明は、超音波の縦波, 横
波音速の伝播時間と材料の厚さとの関係を利用してい
る。
【0004】しかし、上述のいずれの発明においても超
音波絶対音速を測定する必要があるために超音波の伝播
距離、即ち材料の厚みを厳密に計測しておく必要があ
る。そのため、たとえば鋼板の熱間圧延の行程において
オンラインで温度測定を行うような場合、あるいは設備
保全等に適用する場合には、超音波が透過する部分の材
料の厚みを測定しなければならないが、現実にはこれは
非常に困難なことである。
音波絶対音速を測定する必要があるために超音波の伝播
距離、即ち材料の厚みを厳密に計測しておく必要があ
る。そのため、たとえば鋼板の熱間圧延の行程において
オンラインで温度測定を行うような場合、あるいは設備
保全等に適用する場合には、超音波が透過する部分の材
料の厚みを測定しなければならないが、現実にはこれは
非常に困難なことである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような問題を解
決するに際して、実ラインあるいは大規模な設備におい
て材料の厚みが一定且つ既知であることは極めて稀であ
る。またそのような状況において材料の厚みを高精度で
計測することにも限界がある。たとえば、材料厚が20mm
の炭素鋼板の温度測定を超音波の縦波を用いて行い、こ
の結果に10℃程度の精度を保証するためには、0.03mm以
上の精度で材料厚を測定する必要がある。このため、上
述の各発明の適用範囲は自ずと限定されると言わざるを
得ない。
決するに際して、実ラインあるいは大規模な設備におい
て材料の厚みが一定且つ既知であることは極めて稀であ
る。またそのような状況において材料の厚みを高精度で
計測することにも限界がある。たとえば、材料厚が20mm
の炭素鋼板の温度測定を超音波の縦波を用いて行い、こ
の結果に10℃程度の精度を保証するためには、0.03mm以
上の精度で材料厚を測定する必要がある。このため、上
述の各発明の適用範囲は自ずと限定されると言わざるを
得ない。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、材料厚を測定する必要なしに材料の内部温
度の測定を行いうる物体の断面平均温度測定方法の提供
を目的とする。
ものであり、材料厚を測定する必要なしに材料の内部温
度の測定を行いうる物体の断面平均温度測定方法の提供
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の物体の断面平均
温度測定方法では、超音波の縦波と横波との音速比が被
測定物体の温度の関数になっている点、被測定物体の同
一の測定対象位置ではその厚みは同一(不変)であると
いう点、の二点に着目している。そして、超音波の縦
波, 横波それぞれの超音波探触子を同一点に配置する
か、または縦波,横波の双方を送受信する超音波探触子
を配置し、超音波の縦波, 横波それぞれの伝播時間比か
ら音速比を算出 (透過法または反射法による) するか、
または共振法により共振周波数を測定してこれから音速
比を求めるかにより縦波と横波との音速比を算出し、予
め求められているそれらの関係から被測定物体の内部の
平均温度を推定することを特徴とする。
温度測定方法では、超音波の縦波と横波との音速比が被
測定物体の温度の関数になっている点、被測定物体の同
一の測定対象位置ではその厚みは同一(不変)であると
いう点、の二点に着目している。そして、超音波の縦
波, 横波それぞれの超音波探触子を同一点に配置する
か、または縦波,横波の双方を送受信する超音波探触子
を配置し、超音波の縦波, 横波それぞれの伝播時間比か
ら音速比を算出 (透過法または反射法による) するか、
または共振法により共振周波数を測定してこれから音速
比を求めるかにより縦波と横波との音速比を算出し、予
め求められているそれらの関係から被測定物体の内部の
平均温度を推定することを特徴とする。
【0008】超音波の縦波, 横波の音速比が被測定物体
の温度に依存することは本願発明者らが行った実験によ
り確認されている。図1及び図2はそれぞれ一例として
一般的な鋼及びアルミニウムの材料温度と超音波の縦
波, 横波音速比との関係を示すグラフである。図1及び
図2においてはいずれも横軸に材料温度(℃)を、縦軸
に超音波の縦波, 横波音速比(縦波/横波)をとってい
る。勿論これらの関係は材料の厚みとは無関係に成立す
る。
の温度に依存することは本願発明者らが行った実験によ
り確認されている。図1及び図2はそれぞれ一例として
一般的な鋼及びアルミニウムの材料温度と超音波の縦
波, 横波音速比との関係を示すグラフである。図1及び
図2においてはいずれも横軸に材料温度(℃)を、縦軸
に超音波の縦波, 横波音速比(縦波/横波)をとってい
る。勿論これらの関係は材料の厚みとは無関係に成立す
る。
【0009】
【作用】本発明の物体の断面平均温度測定方法では、上
述のような関係を予め種々の材料に関して実測しておけ
ば、材料の厚みを測定する必要なしに材料の任意の部分
の断面平均温度を測定することが可能になる。
述のような関係を予め種々の材料に関して実測しておけ
ば、材料の厚みを測定する必要なしに材料の任意の部分
の断面平均温度を測定することが可能になる。
【0010】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて詳述する。
いて詳述する。
【0011】図3は本発明に係る物体の断面平均温度測
定方法(以下、本発明方法という)を実施するための装
置の原理的な構成を示すブロック図である。図3におい
て、参照符号1はたとえば熱間圧延鋼板等の被測定物体
である。但し、本発明方法では、被測定物体1の超音波
の縦波, 横波の超音波音速比を測定する必要があるた
め、超音波減衰が非常に大きい物体、及び超音波の横波
が伝播しない気体,液体を被測定物体1とすることは出
来ない。
定方法(以下、本発明方法という)を実施するための装
置の原理的な構成を示すブロック図である。図3におい
て、参照符号1はたとえば熱間圧延鋼板等の被測定物体
である。但し、本発明方法では、被測定物体1の超音波
の縦波, 横波の超音波音速比を測定する必要があるた
め、超音波減衰が非常に大きい物体、及び超音波の横波
が伝播しない気体,液体を被測定物体1とすることは出
来ない。
【0012】参照符号2は超音波探触子である。この超
音波探触子2は反射法または共振法を用いる場合には被
測定物体1に対して超音波を入射すると共にその反射波
を受信するために使用されるが、透過法を用いる場合に
は被測定物体1を挟んで超音波探触子2と対向する位置
に受信用の超音波探触子20が必要である。また、これら
の超音波探触子2及び超音波探触子20は、前述のように
本発明方法では超音波の縦波と横波との双方を被測定物
体1の同一の測定対象位置に入射させる必要があるた
め、たとえば超音波探触子2であれば図4の模式図に示
されているように、縦波用の超音波探触子2Lと横波用の
超音波探触子2Sとを一組にして被測定物体1の同一点に
配置する。
音波探触子2は反射法または共振法を用いる場合には被
測定物体1に対して超音波を入射すると共にその反射波
を受信するために使用されるが、透過法を用いる場合に
は被測定物体1を挟んで超音波探触子2と対向する位置
に受信用の超音波探触子20が必要である。また、これら
の超音波探触子2及び超音波探触子20は、前述のように
本発明方法では超音波の縦波と横波との双方を被測定物
体1の同一の測定対象位置に入射させる必要があるた
め、たとえば超音波探触子2であれば図4の模式図に示
されているように、縦波用の超音波探触子2Lと横波用の
超音波探触子2Sとを一組にして被測定物体1の同一点に
配置する。
【0013】なおこの超音波探触子2及び20は種々の構
成が考えられるが、被測定物体1の温度あるいは被測定
物体1との直接接触が可能であるか否かにより適宜の探
触子を選択して使用すればよい。特に、被測定物体1が
導体である場合には、バイアス磁界と導体である被測定
物体1中に励起された渦電流との間に相互作用するロー
レンツ力により被測定物体1の表面に直接超音波振動を
発生させることが可能な電磁超音波探触子(EMAT)
を用いれば、非接触且つ1個の探触子で超音波の縦波,
横波双方を同時に発生させることも可能になる。
成が考えられるが、被測定物体1の温度あるいは被測定
物体1との直接接触が可能であるか否かにより適宜の探
触子を選択して使用すればよい。特に、被測定物体1が
導体である場合には、バイアス磁界と導体である被測定
物体1中に励起された渦電流との間に相互作用するロー
レンツ力により被測定物体1の表面に直接超音波振動を
発生させることが可能な電磁超音波探触子(EMAT)
を用いれば、非接触且つ1個の探触子で超音波の縦波,
横波双方を同時に発生させることも可能になる。
【0014】図5は上述の電磁超音波探触子の構成を示
す断面図であり、参照符号6はE字状断面に形成された
バイアス磁界発生用の電磁石であり、その中央の突出部
に励磁巻線7が巻かれており、その磁極からわずかに突
出するようにして電磁超音波送受信コイル8が配置され
て構成されている。このような構成により、電磁超音波
送受信コイル8直下の材料表面にはこれに垂直及び平行
な静磁界成分が加わるため、縦波, 横波の同時発生が可
能となる。更に、電磁超音波探触子を高温材料に対して
使用する場合には、図5に示されている探触子を函体で
囲んで冷却するような手法を採ればよい。
す断面図であり、参照符号6はE字状断面に形成された
バイアス磁界発生用の電磁石であり、その中央の突出部
に励磁巻線7が巻かれており、その磁極からわずかに突
出するようにして電磁超音波送受信コイル8が配置され
て構成されている。このような構成により、電磁超音波
送受信コイル8直下の材料表面にはこれに垂直及び平行
な静磁界成分が加わるため、縦波, 横波の同時発生が可
能となる。更に、電磁超音波探触子を高温材料に対して
使用する場合には、図5に示されている探触子を函体で
囲んで冷却するような手法を採ればよい。
【0015】参照符号3は送受信装置であり、超音波探
触子2のための超音波の発生,送信及び超音波探触子20
のための超音波の受信を行う。この送受信装置3による
超音波の送信,受信のタイミングは信号処理装置4に与
えられている。
触子2のための超音波の発生,送信及び超音波探触子20
のための超音波の受信を行う。この送受信装置3による
超音波の送信,受信のタイミングは信号処理装置4に与
えられている。
【0016】なおこの送受信装置3は、被測定物体1中
を透過するに充分な強度の超音波を発生するに足るパル
ス状または正弦連続波の電気信号を発生し、且つ受信す
る高効率の送受信装置を用いる。
を透過するに充分な強度の超音波を発生するに足るパル
ス状または正弦連続波の電気信号を発生し、且つ受信す
る高効率の送受信装置を用いる。
【0017】信号処理装置4は送受信装置3から与えら
れる超音波の送受信のタイミングに基づいて超音波伝播
時間、あるいは共振周波数を測定し、超音波の縦波/横
波の音速比を算出する。この信号処理装置4による音速
比の算出結果は演算装置5に与えられる。
れる超音波の送受信のタイミングに基づいて超音波伝播
時間、あるいは共振周波数を測定し、超音波の縦波/横
波の音速比を算出する。この信号処理装置4による音速
比の算出結果は演算装置5に与えられる。
【0018】なおこの信号処理装置4は、超音波伝播時
間比により音速比を求める場合と、共振法により音速比
を求める場合とで異なる構成を採る必要がある。即ち、
前者の場合には、超音波信号発生時点をゼロ点とし、そ
の受信時点までに要した時間をゼロクロス法等の手法を
用いて超音波伝播時間を測定する時間差測定部と、超音
波の縦波の伝播時間を横波の伝播時間で除して音速比を
求める演算部とで構成される。また後者の場合には、送
受信装置3が発信する周波数を変化させる司令部と、超
音波受信信号の共振周波数をホールドするホールド回路
と、超音波の縦波, 横波それぞれの共振周波数から音速
比を求める演算部とから構成される。
間比により音速比を求める場合と、共振法により音速比
を求める場合とで異なる構成を採る必要がある。即ち、
前者の場合には、超音波信号発生時点をゼロ点とし、そ
の受信時点までに要した時間をゼロクロス法等の手法を
用いて超音波伝播時間を測定する時間差測定部と、超音
波の縦波の伝播時間を横波の伝播時間で除して音速比を
求める演算部とで構成される。また後者の場合には、送
受信装置3が発信する周波数を変化させる司令部と、超
音波受信信号の共振周波数をホールドするホールド回路
と、超音波の縦波, 横波それぞれの共振周波数から音速
比を求める演算部とから構成される。
【0019】演算装置5は前述の図1及び図2に示され
ているような種々の被測定物体1の超音波の縦波/横波
音速比と温度との関係を示すデータを予めテーブルある
いは関数式の形で記憶している。そして、信号処理装置
4から音速比の算出結果が与えられると、その被測定物
体1の種類に応じて予め記憶しているデータを使用して
被測定物体1の温度を求め、適宜の表示装置等に出力し
て表示する。
ているような種々の被測定物体1の超音波の縦波/横波
音速比と温度との関係を示すデータを予めテーブルある
いは関数式の形で記憶している。そして、信号処理装置
4から音速比の算出結果が与えられると、その被測定物
体1の種類に応じて予め記憶しているデータを使用して
被測定物体1の温度を求め、適宜の表示装置等に出力し
て表示する。
【0020】なおこの演算装置5における演算は、被測
定物体1の温度と音速比との関係が線形である場合に
は、信号処理装置4から与えられる音速比に定数の加算
及び乗算を行うのみの簡単な処理で済む。
定物体1の温度と音速比との関係が線形である場合に
は、信号処理装置4から与えられる音速比に定数の加算
及び乗算を行うのみの簡単な処理で済む。
【0021】図6は本発明方法を鉄鋼材料でる熱間圧延
用スラブの熱間圧延行程に実際に適用する場合の構成を
示す模式図である。
用スラブの熱間圧延行程に実際に適用する場合の構成を
示す模式図である。
【0022】図6において、参照符号9は被測定物体1
であるスラブを示している。このようなスラブ9は通常
は連続鋳造設備で鋳造され、図6に示されているよう
に、再加熱炉10により再加熱された後に熱間圧延機11に
かけられて所要の寸法に形成された熱間圧延鋼板12にな
る。
であるスラブを示している。このようなスラブ9は通常
は連続鋳造設備で鋳造され、図6に示されているよう
に、再加熱炉10により再加熱された後に熱間圧延機11に
かけられて所要の寸法に形成された熱間圧延鋼板12にな
る。
【0023】上述のような一連の処理に際して、再加熱
炉10によりスラブ9を加熱するための最適制御を行うに
は、スラブ9の内部温度は非常に重要なパラメータとな
る。しかし、連続鋳造設備で鋳造されたスラブ9の表面
には、図7に示されているように、オシレーションマー
クと称される波状の凹凸が形成されており、更にスケー
ルと称される酸化物層が付着しているため、スラブ9の
実際の厚みは未知の値となる。また、ホットチャージ材
と称される 300℃乃至 500℃の内部温度を有する高温材
ではその厚みを実測することは事実上困難である。
炉10によりスラブ9を加熱するための最適制御を行うに
は、スラブ9の内部温度は非常に重要なパラメータとな
る。しかし、連続鋳造設備で鋳造されたスラブ9の表面
には、図7に示されているように、オシレーションマー
クと称される波状の凹凸が形成されており、更にスケー
ルと称される酸化物層が付着しているため、スラブ9の
実際の厚みは未知の値となる。また、ホットチャージ材
と称される 300℃乃至 500℃の内部温度を有する高温材
ではその厚みを実測することは事実上困難である。
【0024】このような事情からスラブ9の内部温度を
測定するための従来の手法は適用することが出来なかっ
たが、本発明方法を適用した場合には被測定物体の厚
み、即ちスラブ9の厚みを測定する必要がないため、上
述のようなオシレーションマークが形成され且つスケー
ルが付着しているようなスラブ9の断面平均温度を測定
することが可能である。なお、オシレーションマークの
影響を更に低減する目的で、スラブ9の長手方向の数mm
の距離に亙って複数点で測定を行い、それらの平均値を
採ることも望ましい。但しこの際、被測定物体であるス
ラブ9が高温であるため、超音波探触子2としては前述
の図5にその構成が示されている電磁超音波探触子の使
用が適当であり、また超音波の伝播時間測定の分解能及
び高温での超音波の減衰を最小限に抑制するために、20
0kHz乃至500kHzの超音波を発生し得る探触子を用いるこ
とが適当である。
測定するための従来の手法は適用することが出来なかっ
たが、本発明方法を適用した場合には被測定物体の厚
み、即ちスラブ9の厚みを測定する必要がないため、上
述のようなオシレーションマークが形成され且つスケー
ルが付着しているようなスラブ9の断面平均温度を測定
することが可能である。なお、オシレーションマークの
影響を更に低減する目的で、スラブ9の長手方向の数mm
の距離に亙って複数点で測定を行い、それらの平均値を
採ることも望ましい。但しこの際、被測定物体であるス
ラブ9が高温であるため、超音波探触子2としては前述
の図5にその構成が示されている電磁超音波探触子の使
用が適当であり、また超音波の伝播時間測定の分解能及
び高温での超音波の減衰を最小限に抑制するために、20
0kHz乃至500kHzの超音波を発生し得る探触子を用いるこ
とが適当である。
【0025】上述のようにして本発明方法を図6の模式
図に示されているように適用した場合に期待される温度
分解能は、被測定物体1であるスラブ9の温度が 500℃
近傍であれば、材料厚 250mm程度のスラブ9に透過法で
超音波を入射してその反射波を時間測定精度10nsecで受
信すれば5℃という極めて高精度が得られる。
図に示されているように適用した場合に期待される温度
分解能は、被測定物体1であるスラブ9の温度が 500℃
近傍であれば、材料厚 250mm程度のスラブ9に透過法で
超音波を入射してその反射波を時間測定精度10nsecで受
信すれば5℃という極めて高精度が得られる。
【0026】また本発明方法は上述のような熱間圧延鋼
板のみならず、厚鋼板の冷却帯途中及び出側での内部平
均温度,熱延鋼板の冷却帯途中及び出側での内部平均温
度等への適用が可能であることは言うまでもない。更
に、鋼板のみならず、アルミニウム圧延への適用が可能
であることも言うまでもない。
板のみならず、厚鋼板の冷却帯途中及び出側での内部平
均温度,熱延鋼板の冷却帯途中及び出側での内部平均温
度等への適用が可能であることは言うまでもない。更
に、鋼板のみならず、アルミニウム圧延への適用が可能
であることも言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】以上に詳述したように本発明に係る物体
の断面平均温度測定方法によれば、被測定物体内部の温
度を煩雑な計算及び材料厚の測定なしに極めて高精度で
測定することが可能になるので、材料の内部温度をパラ
メータとする種々の制御を従来に比してより正確に行う
ことが出来る。
の断面平均温度測定方法によれば、被測定物体内部の温
度を煩雑な計算及び材料厚の測定なしに極めて高精度で
測定することが可能になるので、材料の内部温度をパラ
メータとする種々の制御を従来に比してより正確に行う
ことが出来る。
【0028】なお、被測定物体としては金属のみなら
ず、超音波の縦波と横波との音速比が温度依存性を有す
る物体であれば非金属にも適用可能である。
ず、超音波の縦波と横波との音速比が温度依存性を有す
る物体であれば非金属にも適用可能である。
【図1】一般的な鋼の温度と超音波の縦波, 横波音速比
との間の関係を示すグラフである。
との間の関係を示すグラフである。
【図2】一般的なアルミニウムの温度と超音波の縦波,
横波音速比との間の関係を示すグラフである。
横波音速比との間の関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る物体の断面平均温度測定方法を実
施するための装置の原理的な構成を示すブロック図であ
る。
施するための装置の原理的な構成を示すブロック図であ
る。
【図4】超音波探触子の被測定物体への配置状況を示す
模式図である。
模式図である。
【図5】超音波探触子の一例としての電磁超音波探触子
の構成を示す模式図である。
の構成を示す模式図である。
【図6】本発明方法を鉄鋼材料でる熱間圧延用スラブの
熱間圧延行程に実際に適用する場合の構成を示す模式図
である。
熱間圧延行程に実際に適用する場合の構成を示す模式図
である。
【図7】被測定物体であるスラブの表面に形成されるオ
シレーションマークと称される波状の凹凸を示す模式図
である。
シレーションマークと称される波状の凹凸を示す模式図
である。
1 被測定物体 2(20) 超音波探触子 9 スラブ
Claims (1)
- 【請求項1】 被測定物体の測定対象位置に超音波の縦
波,横波を入射し、両者の透過波の音速比または反射波
の音速比を求め、求められた音速比に基づいて前記被測
定物体の測定対象位置の内部の断面平均温度を測定する
ことを特徴とする物体の断面平均温度測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5637692A JPH05215617A (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 物体の断面平均温度測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5637692A JPH05215617A (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 物体の断面平均温度測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05215617A true JPH05215617A (ja) | 1993-08-24 |
Family
ID=13025548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5637692A Pending JPH05215617A (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 物体の断面平均温度測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05215617A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012018118A (ja) * | 2010-07-09 | 2012-01-26 | Seiko Epson Corp | 測色装置、及び測色方法 |
RU2496894C1 (ru) * | 2012-06-14 | 2013-10-27 | Ирина Анатольевна Бобкова | Способ рафинирования меди |
-
1992
- 1992-02-05 JP JP5637692A patent/JPH05215617A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012018118A (ja) * | 2010-07-09 | 2012-01-26 | Seiko Epson Corp | 測色装置、及び測色方法 |
RU2496894C1 (ru) * | 2012-06-14 | 2013-10-27 | Ирина Анатольевна Бобкова | Способ рафинирования меди |
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