JP2001279573A - 医療用繊維製品の洗浄方法及び該洗浄方法に用いる洗濯機 - Google Patents

医療用繊維製品の洗浄方法及び該洗浄方法に用いる洗濯機

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JP2001279573A JP2000086103A JP2000086103A JP2001279573A JP 2001279573 A JP2001279573 A JP 2001279573A JP 2000086103 A JP2000086103 A JP 2000086103A JP 2000086103 A JP2000086103 A JP 2000086103A JP 2001279573 A JP2001279573 A JP 2001279573A
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佳嗣 北村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療施設等から出される血液汚れのある繊維
製品の汚れを確実に落とすとともに殺菌も行い、更に洗
濯作業者の作業環境を改善する。 【解決手段】 60℃以上の水で溶解する水溶性高分子
膜体から成る洗濯袋に被洗浄物を収納し、この袋のまま
洗濯機のドラム内に投入する(S1)。洗濯開始後、ま
ず、アルカリ性の洗剤をドラム内に投入するとともに水
を70℃まで加熱し、ドラムを回転駆動して洗浄を行う
(S3)。その加熱の途中で洗濯袋は溶解し、中の被洗
浄物はいきなり60℃以上の高温のアルカリ洗浄液に接
触するため、熱により血液中のタンパク質が変性するよ
りも速く溶けて除去される。次いで、漂白剤が追加投入
され、更に95℃まで加熱されて洗浄が行われる(S
4)。この漂白作用により被洗浄物に残る黄褐色のシミ
が除去され、熱により殺菌もなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば医療施設、
福祉施設等から出される血液の付着したリネン類、包
袋、白衣等の各種繊維製品を洗濯するために好適な洗浄
方法及び該洗浄方法に用いる洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】医療施設、福祉施設等から回収される繊
維製品を洗濯する際には、一般の多くの洗濯物を洗濯す
る場合と異なる配慮をする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】即ち、まず第1の問題
点は、汚れのひとつとして、非常に落ちにくい血液汚れ
を含むことである。このような血液汚れのある繊維製品
の洗浄方法としては、従来、例えば特開昭58−818
0号公報に記載の方法が知られている。この方法は、ま
ず酸溶液で予備洗浄し、そのあと次亜塩素酸ナトリウム
(ソーダ)溶液で本洗浄を行うものである。しかしなが
ら、本発明者らの実験によれば、このような方法では、
甚だしい血液汚れや殆ど乾燥した血液汚れに対しては、
必ずしも充分な洗浄効果が得られない。
【0004】また、同様の目的に対して、特開昭63−
190075号公報に記載の方法が知られている。この
方法は、まず水溶性高分子化合物を含有するアルカリ溶
液で予備洗浄を行うことによって血液汚れを含む殆どの
汚れを除去し、次いで漂白剤を含む洗浄液で本洗浄を行
うことによって残った血液のシミ汚れを除去しようとす
るものである。しかしながら、本発明者らの実験によれ
ば、このような方法によると、付着してから比較的時間
が経過していない血痕の除去には効果はあるものの、数
日間放置された血液汚れに対しては必ずしも充分な洗浄
効果が得られない。即ち、従来知られている洗浄方法で
は、血液汚れ、特に付着から時間が経過してシミになっ
た汚れを完全に除去するには不充分である。
【0005】また、第2の問題点は、病気の原因である
細菌、ウイルス等(本明細書では、これら病気の原因と
なる細菌、ウイルス、アメーバなどを総称して「細菌
類」と呼ぶこととする)が被洗浄物に付着している可能
性があることである。近年、特に、医療施設や福祉施設
でのいわゆる院内感染が問題になっており、必ずしも繊
維製品がその原因であるとは限らないものの、高い安全
性(つまり衛生性)を確保するには、他の医療器具等と
同様の殺菌又は滅菌処理が望ましい。ちなみに、このよ
うな医療施設での器具等の消毒に関する基準(いわゆる
ガイドライン)は国毎に相違するが、世界で最も厳しい
と言われるドイツの基準では、93℃の高温で10分間
の加熱消毒が勧奨されている。上述したように院内感染
の増加等の現状からみると、今後、日本においても、こ
のような規制は厳しくなるものと予想される。
【0006】また、洗濯物に各種細菌類が付着している
可能性を考えると、洗濯作業者が接触感染等により病気
になる可能性も否定できず、洗濯作業者を保護する対策
も望まれる。更にまた、病院等の担当者は血液を見るこ
とに比較的慣れているものの、洗濯作業者は必ずしもそ
うであるとは限らず、血液で汚れた洗濯物を取扱うこと
自体に心理的抵抗が大きい場合もある。
【0007】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、洗濯作業者の衛生
環境を維持しつつ、血液汚れを完全に落とし、更に被洗
浄物の殺菌をも行って清潔且つ衛生的な仕上がりを保証
することができる医療用繊維製品の洗浄方法と、このよ
うな洗浄方法に用いる洗濯機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る医療用繊維製品の洗浄方法は、
血液の付着した医療用繊維製品を被洗浄物として、これ
を洗濯機を用いて洗浄する方法であって、 a)略所定温度以上の水に溶解する特性を有する水溶性
高分子膜体で前記被洗浄物を被覆し、被覆された状態の
まま洗濯機の洗濯槽内に収容する前行程と、b)前記洗
濯槽内において前記所定温度以上のアルカリ洗浄液を用
いて洗浄を行う予備洗浄行程と、 c)該予備洗浄行程に引き続き前記洗濯槽内に更に漂白
剤を投入し、少なくとも90℃以上の洗浄液で洗浄を行
う本洗浄行程と、を含むことを特徴としている。
【0009】また、上記課題を解決するために成された
本発明に係る洗濯機は、外槽内に回転自在に洗濯槽を備
え、該洗濯槽を回転させることにより該洗濯槽内に収容
されている被洗浄物を洗浄する洗濯機において、 a)前記洗濯槽内に洗剤を投入する洗剤投入手段と、 b)前記洗濯槽内に漂白剤を投入する漂白剤投入手段
と、 c)前記洗濯槽内に貯留されている水を加熱する加熱手
段と、 d)前記洗剤投入手段により洗濯槽内に洗剤を投入して
所定時間洗浄を行ったあとに前記漂白剤投入手段により
漂白剤を投入して洗浄を続けるとともに、洗浄途中の適
宜の時点で、洗濯槽内の水を細菌類を死滅させるに有効
である温度まで昇温するべく前記加熱手段を制御する運
転制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る洗浄方法では、水溶
性高分子膜体で被覆された被洗浄物が洗濯槽に収容され
たあと、予備洗浄行程においてその膜体は所定温度以上
のアルカリ洗浄液に接触する。これにより膜体は溶解
し、被洗浄物は始めてアルカリ洗浄液に接触する。アル
カリ洗浄液はタンパク質を溶解させる作用を有し、しか
もその作用は温度が高いほど強いので、熱により血液中
のタンパク質が変性するよりも速くタンパク質を溶解さ
せ、これにより被洗浄物に付着している血液が除去され
る。勿論、血液以外の一般の汚れも除去される。被洗浄
物に付着してから時間が経過している血液汚れは、予備
洗浄行程が終了した時点でもその多くが黄褐色のシミと
なって残るが、次の本洗浄行程において、漂白剤の酸化
作用によりこのシミも除去される。更にまた、被洗浄物
に付着している細菌類は、熱により死滅して殺菌も達成
される。
【0011】本発明に係る洗浄方法にあって、前記水溶
性高分子膜体としては、例えばポリ酢酸ビニル系重合体
を用いることができる。ポリ酢酸ビニル系重合体は水溶
性であるが、そのけん化度に応じて溶解温度を制御する
ことができる。具体的には、酢酸ビニルを重合して得ら
れるポリ酢酸ビニルを100%けん化(エステルを水酸
基に置換)した場合にはポリビニルアルコールになる
が、その場合の溶解温度は約80℃である。一方、けん
化価が0%である場合には常温の水に溶解する。したが
って、常温〜約80℃の範囲内の適宜の所定温度で溶解
するように制御することができる。
【0012】また、予備洗浄行程において、アルカリ洗
浄液によるタンパク質の洗浄効率と熱によるタンパク質
の変性とのトレードオフを考慮すると、前記水溶性高分
子膜体の溶解温度は約50〜70℃の範囲内にあること
が望ましい。
【0013】また、予備洗浄行程において、アルカリ洗
浄液によるタンパク質の洗浄効率はそのpH値が高いほ
うが良好であるから、pH値は11以上であることが望
ましい。
【0014】また、本洗浄行程は高温で行われることか
ら、漂白剤は高温の水においても分解が遅い、つまり漂
白作用が持続するものであることが望ましい。このよう
な要求に適合したものとして、漂白剤は過ホウ酸塩、過
酸化水素又は過炭酸塩のいずれかを含むものとするとよ
い。
【0015】また、より確実な殺菌を行うには本洗浄行
程の時間は長いことが望ましいが、全体の運転時間との
バランスを考慮する必要がある。また、本洗浄行程での
温度は高いほうが好ましいが、高いほど加熱方法に制限
が生じ、コストも高くなる。そこで、医療器具に対する
加熱消毒の基準等から鑑みると、本洗浄行程は少なくと
も93℃以上で且つ10分以上行うことが好ましい。
【0016】また、本発明に係る洗濯機では、作業者
は、上述したように水溶性高分子膜体に被覆された被洗
浄物を洗濯槽に収容し、所定の洗剤や漂白剤をセットし
さえすれば、そのあと上記本発明に係る洗浄方法が自動
的に実行される。即ち、運転制御手段の制御の下に、洗
剤投入手段により洗剤が洗濯槽内に投入されて、洗剤水
(つまりアルカリ洗浄液)による予備洗浄が行われ、そ
のあと漂白剤投入手段により漂白剤が洗濯槽内に投入さ
れて本洗浄が行われる。これにより、血液汚れが完全に
除去される。また、洗浄の途中で洗濯槽内の水は加熱手
段により細菌類を死滅させるに有効である温度まで昇温
され、これによって殺菌も達成される。
【0017】この発明に係る洗濯機では、予備洗浄行程
時に水溶性高分子膜体を完全に溶解させる必要があるか
ら、その膜体の溶解温度に応じて洗剤水の温度を定める
必要があるが、それとともに上述の如く洗剤水による洗
浄効率も考える必要がある。これらのことから、例えば
水溶性高分子膜体の溶解温度を60℃近傍とした場合
に、前記運転制御手段は、洗剤投入後に約60〜70℃
の範囲に加熱した洗剤水で所定時間洗浄を行う構成とす
ることが好ましい。
【0018】また、殺菌の効果を考えると、前記運転制
御手段は、漂白剤投入後に洗濯槽内の洗剤水を93℃以
上に加熱することが好ましく、更に、93℃以上で且つ
10分以上の洗浄を行うことがより望ましい。
【0019】また、漂白剤投入後の洗浄時には通常の洗
浄時よりも水位を高く設定することが好ましい。ここで
「通常の洗浄」とは、漂白剤投入前の洗浄又は、ここで
行われるような血液汚れを対象とした洗浄ではない一般
的な被洗浄物を対象とした洗浄のことを言う。洗濯槽内
の水位を上げると水の熱容量が大きくなるとともに、洗
濯槽内の上部空間の容積が減少するので、水温が下がり
にくくなり、例えば上記の如く93℃以上の温度を維持
するのが容易になる。そのため、特に殺菌効果の確実性
が高まる。
【0020】なお、洗剤及び漂白剤を用いた洗浄を終了
したあとには洗濯槽内の水は非常に高温になっているの
で、そのまま排水を行うと外部の排水配管等を損傷する
恐れがある。そこで、本発明に係る洗濯機では、洗剤及
び漂白剤を用いた洗浄を終了したあとに、排水を行うこ
となく洗濯槽内に水を追加給水する構成とすることが好
ましい。この構成によれば、追加給水された常温の水と
の混合によって洗濯槽内の水の温度を迅速に下げること
ができる。したがって、水の温度が下がるのを待つ場合
に比べて、運転時間を短縮することができる。
【0021】また、例えば塩化ビニル製の排水パイプの
損傷を確実に回避するには、洗濯槽内の水の温度が所定
温度以下に下がったあとに排水を開始する構成とするこ
とが好ましい。
【0022】また、上述のようにアルカリ洗浄液を利用
して洗浄を行った場合、たとえ濯ぎを入念に行ったとし
ても被洗浄物に僅かながらアルカリ性成分が残留する。
そこで、本発明に係る洗濯機では、洗浄が終了したあと
の濯ぎ時に洗濯槽内に中和剤を投入する中和剤投入手段
を更に備えた構成とするとよい。なお、中和剤を投入す
るのは、複数回の濯ぎのうちのいずれでもよいが、好ま
しくは最終濯ぎ時とすると最も効果的である。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る医療用繊維製品の洗浄方法
によれば、次のような効果を奏する。 (1)始めに被洗浄物を水溶性高分子膜体で覆うことに
より、洗濯作業者が被洗浄物に直接的に接触する機会が
なくなる又は少なくなるので、被洗浄物に付着していた
細菌類による接触感染を減らすことができる。この水溶
性高分子膜体は所定温度以上の水でないと溶解しないの
で、被洗浄物が被覆された状態であれば、その搬送途中
や取扱い途中で常温の水に濡れたとしても、或いは被洗
浄物自体が濡れていてこれに接触しても、被洗浄物は外
側に露出しない。そのため、被洗浄物は確実に水溶性高
分子膜体に被覆される。 (2)洗濯作業者の接触感染の防止に効果的であるのみ
ならず、被洗浄物に付着した血液やその他の汚物等が洗
濯作業者の目に触れることがなくなるので、作業環境も
改善される。 (3)アルカリ洗浄液を用いた予備洗浄及び漂白剤を用
いた本洗浄の2段階の洗浄により、しかも被洗浄物が高
温のアルカリ洗浄液に急に接触することにより、被洗浄
物に付着していた血液汚れ、特に付着してから時間が経
過した非常に落ちにくい汚れまでもきれいに除去するこ
とができる。 (4)高温で細菌類を死滅させるので殺菌にも効果があ
り、目に見える清潔性のみならず衛生性も高めることが
できる。
【0024】また、本発明に係る洗濯機によれば、作業
者は、水溶性高分子膜体に被覆された被洗浄物を洗濯槽
に収容し、所定の洗剤や漂白剤をセットしさえすれば、
そのあと自動的に、上述したような清潔で且つ衛生性も
高い洗浄を達成することができる。
【0025】
【実施例】まず、本発明に係る医療用繊維製品の洗浄方
法の手順を図5を用いて説明する。図5は、後記洗濯機
を用いて本洗浄方法を具現化する際の洗濯行程を示すフ
ローチャートであるが、本洗浄方法の特徴は図5中のス
テップS1、S3及びS4の各行程である。
【0026】ここで、洗浄の対象である被洗浄物は、例
えば病院などの医療施設、老人看護施設等の各種福祉施
設などから出される使用済みの衣類、包袋、リネン類な
どの繊維製品である。これら被洗浄物は、例えば、契約
した特定の洗濯業者により回収されて、その業者の洗濯
作業場に搬送されてそこで洗濯される。勿論、被洗浄物
を出す施設に洗濯作業場が並設されていてもよい。洗濯
前の準備段階として、これら被洗浄物は水溶性高分子膜
体から成る専用の洗濯袋に収容される。この収容作業は
洗濯開始前に洗濯作業者が行ってもよいが、取扱いや搬
送の容易さ等を考えると、被洗浄物が出される施設内に
おいて、その施設の従事者の手で行われることが好まし
い。
【0027】この洗濯袋を構成する水溶性高分子膜体
は、約60℃以上の水に溶解する特性を有する。具体的
には、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られる重合体を用
いることができる。ポリ酢酸ビニルを100%けん化す
ると(いわゆるけん化価100%)、約80℃以上の水
に溶解するポリビニルアルコールが生成される。また、
全くけん化しない(つまりけん化価0%)場合には、常
温の水に溶解する。したがって、おおよそ80%程度の
けん化価とすれば、約60℃の水に溶解する特性とする
ことができる。なお、入手可能な膜体材料の一例として
は、日本合成化学工業株式会社製の商品名ゴーセノール
がある。
【0028】この水溶性高分子膜体から成る洗濯袋は、
水溶性ではあるものの水温が約60℃以上でないと溶解
しないので、例えば被洗浄物が水分を含んでいても、ま
た、搬送や取扱いの途中で60℃程度以下の水を被って
も、これにより溶解することはない。したがって、一
旦、被洗浄物が洗濯袋に収容されたあとは、被洗浄物が
外側に露出して洗濯作業者等の目に触れることはない。
洗濯作業場にあっては、被洗浄物は洗濯袋に収容された
まま洗濯機のドラム(つまり洗濯槽)内に投入されるこ
とになる(ステップS1)。
【0029】洗濯が開始されると、まず第1洗浄行程が
実行される(ステップS3)。この行程の特徴は、少な
くとも洗濯袋が溶解する温度、つまり60℃以上の水
で、且つ、洗剤としては水に溶解してアルカリ洗浄液と
なるものを用いて洗浄を行うことにある。例えば、ドラ
ム内に常温の水を導入して加熱する場合、加熱初期には
洗濯袋は溶解しないので被洗浄物はアルカリ洗浄液(つ
まり洗剤が溶けた水)に接触せず、水温が約60℃以上
まで上昇すると洗濯袋が溶解し、被洗浄物は始めてアル
カリ洗浄液に接触する。周知の如く、血液に含まれるタ
ンパク質は熱により変性するが、水温が高いと洗浄性能
も高いので、変性するよりも速く血液を落とすことがで
きる。但し、第1洗浄行程では、血液汚れが黄褐色のシ
ミとして残ることがある。
【0030】そこで、次に第2洗浄行程が実行される
(ステップS4)。この行程の特徴は、アルカリ洗浄液
に漂白剤を追加して投入するとともに、殆どの細菌類を
死滅させるに有効である93℃以上まで水温を上昇させ
た上で洗浄を行うことである。漂白剤としては酸化漂白
を行うものを用いる。これにより、先に残っていたシミ
汚れが除去されるとともに、熱により細菌類がほぼ完全
に死滅する。而して、このような2段階の洗浄により、
被洗浄物に染み込んでいる血液汚れはシミも残さずにほ
ぼ完全に除去され、しかも殺菌も達成される。
【0031】次いで、上記洗浄方法を具現化する装置で
ある洗濯機の一実施例を説明する。図1は、本実施例の
ドラム式洗濯機の水及び蒸気の配管系統図である。図1
において、外槽1の内部には被洗浄物が収容されるドラ
ム2が回転自在に設けられ、ドラム2は図示しないドラ
ムモータ35により回転駆動される。また、外槽1の底
部及び側部には、それぞれ外槽1内に貯留された水の温
度を測定するための第1温度センサ3及び第2温度セン
サ4が設けられている。外槽1の上部には、ストレーナ
(濾過器)7及び給水バルブ8が設けられた主給水管6
が接続されている。この給水バルブ8が開放されると、
外部の水道栓等から給水口5に供給された水が主給水管
6を通って外槽1内に注水される。
【0032】また、主給水管6にはその途中で分岐して
副給水管9が設けられている。副給水管9には流量調整
バルブ10が設けられ、更に3系統に分岐されて第1、
第2、第3助剤バルブ11、12、13を介し助剤投入
器14に接続されている。助剤投入器14には、第1、
第2、第3助剤収容部141、142、143が独立し
て設けられており、第1、第2、第3助剤バルブ11、
12、13のいずれかが開放されると、そのバルブを介
して助剤投入器14に流入した水が、対応する助剤収容
部141、142、143に収容されている助剤を伴っ
て外槽1に注水される。なお、流量調整バルブ10は手
動バルブであって、予め適宜の開度となるように調整さ
れる。
【0033】外槽1の底部には排水管15が接続されて
おり、排水管15には排水バルブ17が設けられてい
る。また、外槽1の側部に接続されたオーバフロー管1
8は、排水管15にあって排水バルブ17と排水口16
との間に接続されている。また、排水管15にあって外
槽1と排水バルブ17との間には圧力管19が接続さ
れ、その末端には、圧力管19内部の空気圧を検出する
ことにより外槽1内に貯留された水の水位を検知する水
位センサ20が設けられている。なお、このようなドラ
ム洗濯機では、水位は、ドラム2の最底部を「0」、ド
ラム2の中心を「10」として、その間を10等分した
水深度で表すものとする。
【0034】更にまた、外槽1の底部には給蒸管21も
接続されており、給蒸口22に供給された高温蒸気はス
トレーナ23及び給蒸バルブ24を介して外槽1に供給
される。外槽内1に水が貯留された状態で高温蒸気が外
槽1内に供給されると、蒸気は水の中を通過し、その際
に熱交換によって水を加熱する。また、外槽1の上部に
は、主給水管6及び副給水管9以外に排気管25が接続
されており、外槽1内の蒸気を排気口26を通して外部
へと逃がす働きをする。
【0035】図2は、このドラム式洗濯機の電気系の要
部のブロック構成図である。制御部30は主としてマイ
クロコンピュータから構成されており、運転プログラム
を格納したメモリを有している。制御部30には入力信
号として、操作部33からキー入力信号が、第1及び第
2温度センサ3、4から温度検知信号が、更に水位セン
サ20から水位検知信号が入力される。操作部33は、
血液洗浄コースを指定するための血液洗浄キー33a及
び運転開始を指示するためのスタートキー33bを含ん
でいる。制御部30はこれらの入力信号を受け、所定の
運転プログラムを実行する過程で、バルブ駆動部31を
介して、給水バルブ8、第1、第2及び第3助剤バルブ
11、12、13、排水バルブ17、給蒸バルブ24の
開閉動作を制御するとともに、モータ駆動部32を介し
てドラムモータ35の回転を制御し、更に所定の表示を
表示部34に行わせる。なお、操作部33に血液洗浄キ
ー33aを設ける代わりに、1乃至複数のキーでもって
所定のキー操作を行うことにより血液洗浄コースが選択
されるようにしてもよい。
【0036】このドラム式洗濯機では、一般に知られて
いるような通常の洗濯動作と、本実施例の特徴的な動作
である血液洗浄コースによる洗濯動作とのいずれかを選
択的に実行できるようになっている。以下、この血液洗
浄コースの洗濯動作を、先に挙げた図5に加えて、図3
及び図4を参照して説明する。図3は血液洗浄コースに
よる洗濯動作の際の各行程の主要な設定パラメータを示
す図、図4は洗濯開始から途中までの外槽1内に貯留さ
れている水の温度変化の一例を示すグラフである。
【0037】洗濯前に、上述したように既に被洗浄物は
専用の洗濯袋に収容されているものとする。洗濯作業者
は、準備作業として、第1助剤収容部141に所定の洗
剤(つまり水への溶解によりアルカリ洗浄液となる洗
剤)、第2助剤収容部142に漂白剤、第3助剤収容部
143に中和剤を収容し、被洗浄物の入った洗濯袋をド
ラム2内に投入する(ステップS1)。洗剤としては、
例えば、非イオン活性剤を含み、トリポリリン酸ナトリ
ウムをビルダとした石鹸系洗剤(例えば、ゲンブ株式会
社製のスーパーコンテH(商品名)など)が有用であ
る。また、漂白剤としては、過酸化水素と同様の酸化力
とホウ酸による殺菌力とを併せ持つ過ホウ酸塩(ペルオ
キソホウ酸塩)が有用である。
【0038】上述したような準備を終了したならば、洗
濯作業者は、操作部33で血液洗浄キー33aを押して
血液洗浄コースを選択した上でスタートキー33bを押
して運転の開始を指示する(ステップS2)。制御部3
0は、図示しないドアスイッチによりドアが確実に閉鎖
されていることを検知すると、スタートキー33bの入
力を受け付け、洗濯運転を開始する。
【0039】(i) 第1洗浄行程(ステップS3) 運転開始後、制御部30は、バルブ駆動部31を介して
排水バルブ17を閉鎖するとともに給水バルブ8を開放
し、外槽1内への給水を開始する。また、モータ駆動部
32を介してドラムモータ35を駆動し、ドラム2を所
定の駆動パターンで回転させる。ここでは、この第1洗
浄行程を始め、第2洗浄行程、クールダウン行程及び濯
ぎ行程の全てにおいて、〔右回転5秒オン−1秒オフ−
左回転5秒オン−1秒オフ〕を1周期として、これを繰
り返すことで左右反転回転を行うものとしている。ま
た、この第1洗浄行程でのドラム2の回転速度は40r
pmとしている。
【0040】給水の初期又は途中で第1助剤バルブ11
を所定時間(例えば40秒)開放し、第1助剤収容部1
41に収容されている洗剤を外槽1に流し込む。更にま
た、給水の初期又は途中で給蒸バルブ24を開き、高温
蒸気を外槽1に供給して外槽1内に貯留された水の中を
通過させる。制御部30は、水位センサ20からの水位
検知信号により水位が3度まで上昇したことを検知する
と給水バルブ8を閉鎖して給水を停止する。そのあとも
高温蒸気は送給されるので、外槽1内に貯留されている
水の温度は図4に示すように上昇し続ける。
【0041】水温が約60℃に達すると洗濯袋が溶解し
始め、その内部の被洗浄物は始めて洗剤水(つまりアル
カリ洗浄液)に接触する。即ち、この洗濯機では、洗剤
が水に充分に溶解してその濃度が略均一になったあとに
被洗浄物が洗剤水に接触する。そのため、高濃度の洗剤
水がそのまま被洗浄物に接触することがない。また、被
洗浄物に血液が付着している場合、約60℃以上の高温
の洗剤水にいきなり接触するので、その高い洗浄能力に
よって、血液に含まれるタンパク質が変性するよりも速
く溶け出す。
【0042】制御部30は第1温度センサ3による検知
温度が70℃に到達したならば、タイマによる計時を開
始する。また、温度が70℃近傍に維持されるように、
給蒸バルブ24の開閉を制御する。タイマの計時開始か
ら2分が経過すると、つまり約70℃に維持した洗剤水
により2分間の洗浄を行ったあとに、次の第2洗浄行程
へと移行する。
【0043】(ii) 第2洗浄行程(ステップS4) 上記第1洗浄行程が終了すると、制御部30は給蒸バル
ブ24を開放して高温蒸気を連続的に供給し、外槽1内
の水を更に加熱する。また、第2助剤バルブ12を所定
時間(例えば約40秒)開放し、第2助剤収容部142
に収容されている漂白剤を外槽1内に流し込む。これに
より、外槽1内の水位も水深度4度まで上がる。また、
ドラム2の回転速度は20rpmに落とし、且つ上記と
同様の駆動パターンで回転するように駆動する。
【0044】外槽1内に貯留されている水の温度は図4
に示すように70℃から上昇してゆく。制御部30は、
第1温度センサ3による検知温度が95℃に到達したな
らば、タイマによる計時を開始するとともに、温度が9
5℃近傍に維持されるように給蒸バルブ24の開閉を制
御する。上述の如く、この第2洗浄行程では第1洗浄行
程時(及び、この血液洗浄コースでない通常の洗浄時)
よりも水位を高くしている。そのため、外槽1内に貯留
した水の熱容量が増加するとともに、ドラム2内の上部
空間に溜まる蒸気量は減少する。これにより、水温が下
がりにくくなっているため、水温を95℃近傍に安定し
て維持することができる。このようにしてタイマの計時
開始から10分が経過するまで、漂白剤を加えた洗剤水
を95℃近傍に維持し続ける。この間に、洗剤に加えて
漂白剤による酸化作用により、被洗浄物に残っている血
液のシミが漂白されて除去される。また、被洗浄物に付
着している細菌類が死滅する。なお、水温が急激に低下
した場合、その温度変化に温度センサの検出動作が追従
できなくなり、再加熱が遅れることによって水温変動が
更に激しくなるという問題も考えられるが、この問題も
上述したように水位を上げることによって回避できる。
【0045】上記のように約95℃で10分間の洗浄を
行って、第2洗浄行程を終了する。基本的に、以上で洗
浄行程は終了するから洗剤水は不要になるが、このとき
の洗剤水は100℃に近い高温であるので、そのまま排
水を行うと外部の排水配管を損傷する恐れが高い。従
来、一般に使用されている塩化ビニル樹脂製のパイプで
は耐熱温度が60℃程度であるので、排水の温度は60
℃以下にまで下げておく必要がある。そこで、第2洗浄
行程終了後にすぐには排水動作を行わず、水温を下げる
ために次のクールダウン行程を実行する。
【0046】(iii) クールダウン行程及び中間脱水行程
(ステップS5) 制御部30は、給蒸バルブ24を閉鎖して蒸気供給を停
止するとともに、給水バルブ8を開放して常温の水道水
を外槽1内に注水する。これにより、図4に示すように
外槽1内の水の温度は下降し始める。水位センサ20か
らの水位検知信号により水位が水深度9になった時点で
給水バルブ8を閉鎖し、更に1分間、ドラム2を20r
pmで左右反転させ続ける。1分経過後には水温は約7
0℃程度にまで下がる。次いで、更に水を追加給水する
ため、所定時間(例えば、約75秒間)だけ第1、第2
助剤バルブ11、12を開放する。このとき、第1、第
2助剤収容部141、142内は空になっているので、
副給水管9を通して常温の水道水が外槽1に供給され
る。ここで、副給水管9を介して給水を行うのは、給水
バルブ8の開閉動作は水位センサ20による水位検知結
果に応じてのみ制御可能な構成となっているからであっ
て、給水バルブ8を自由に開閉できる構成では主給水管
6を通して給水を行ってもよい。
【0047】ここで必要なことは、一般の洗濯動作には
不要であるような水深度10以上の水位にまで給水を行
うことにより、外槽1内に貯留されている水の温度を短
時間で下降させることである。即ち、上述したように給
水を行って、更に1.5分間ドラム2を回転させ続けた
時点では、外槽1内の水の温度は57℃程度にまで下が
る。勿論、このときの温度降下は周囲温度の影響を受け
るため、条件によっては必ずしも60℃以下になってい
るとは限らない。そこで、制御部30は、充分な給水に
よって水に浸った状態にある第2温度センサ4からの温
度検知信号により水温を判別し、60℃以下でない場合
にはクールダウン行程を延長する。一方、水温が充分に
下がっていれば、排水バルブ17を開放して排水を開始
する。つまり、漂白剤を含む洗剤水はここで始めて排水
管15を通して外部へと廃棄される。
【0048】排水を開始してから水位センサ20による
検知水位が所定位置まで低下したならば、中間脱水を実
行すべく、ドラム2を一方向に高速で回転させるように
ドラムモータ35を駆動する。このときのドラム2の回
転速度は例えば550rpmとする。これにより、遠心
力によって洗濯物に含まれている洗剤水は吐出して外槽
1へと飛散する。
【0049】(iv) 濯ぎ行程及び中間脱水行程(ステッ
プS6) 30秒間、中間脱水を遂行したならば、ドラム2の回転
速度を落とし、排水バルブ17を閉鎖するとともに給水
バルブ8を開放し、外槽1内にきれいな水道水を導入す
る。そして、水深度7まで給水を行ったあと3分間の濯
ぎ運転を実行し、それが終了すると外槽1内の貯留水を
排出する。そして、先と同様に中間脱水を行う。このよ
うな濯ぎを2回繰り返す。
【0050】(v) 最終濯ぎ行程及び最終脱水行程(ス
テップS7、S8) そのあとに最終濯ぎを行うが、このときには給水バルブ
8を開放するとともに第3助剤バルブ13も開放し、第
3助剤収容部143に収容されている中和剤を外槽1内
に導入する。この中和剤は、洗濯物にごく僅かに残留し
ている洗剤成分によるアルカリ度を中和するため、及
び、洗濯物を柔らかにするための柔軟仕上の効果を持
つ。このように中和剤を含む水で濯ぎを行ったあと、ド
ラム2の回転速度を最高の830rpmまで上昇させて
充分に脱水を行い、全ての洗濯行程を終了する。なお、
中和剤の投入は上記1回目、2回目の濯ぎ行程時でも構
わないが、最終濯ぎ行程時に最もアルカリ度は下がって
いるので、ここで中和剤を投入すれば少量で高い中和効
果が得られる。
【0051】以上のような各洗濯行程により、洗濯物に
付着していた血液汚れが除去されると同時に、殺菌も行
われるので、清潔で衛生的な仕上がりが達成できる。
【0052】次に、本発明に係る洗浄方法による洗浄性
能の試験例を説明する。 〔試験例1〕図6は、本発明に係る洗浄方法(A法)と
他の3つの洗浄方法(B法、C法、D法)との洗浄条件
及び洗浄性能の比較結果を示す図である。いずれの方法
も、第1洗浄行程(予備洗浄)と第2洗浄行程(本洗浄
行程)の2段階の洗浄を行うものとしている。A法とB
法との大きな相違は、水溶性高分子膜体による洗濯袋を
利用するか否かという点にある。つまり、B法では洗濯
袋を使用しない結果として、第1洗浄行程の条件の欄に
記載の通り、被洗浄物は始め冷たい水に接触し、徐々に
温度が高くなってゆく。一方、本発明によるA法では、
洗濯袋を使用しているため、被洗浄物は冷たい洗剤水に
接触することなく、いきなり60℃の高温の洗剤水に接
触することになる。また、C法及びD法は、いずれもア
ルカリ洗浄液で予備洗浄を行ったあとに漂白剤を含む洗
浄液で本洗浄するものであるが、予備洗浄は40℃、本
洗浄は60℃と、本発明のA法に比べて低い温度で洗浄
を行うものである。なお、D法は、上記特開昭63−1
90075号公報で提案されている洗浄方法に準じたも
のである。
【0053】被洗浄物は血液汚染布とし、その洗浄効率
は、洗浄前後の反射率を測定し、次式によって洗浄率を
算出し、本発明による方法を100として相対値に換算
したものである。 洗浄率(%)={(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)
/(白布の反射率−洗浄前の反射率)}×100 この結果、本発明によるA法では他の3つの方法よりも
高い洗浄能力が得られることが確認できた。
【0054】〔試験例2〕この試験は、血液汚れの除去
性能とともに繊維製品自体の色落ちの程度を調べたもの
であり、図7に、本発明によるA法と比較対象である他
の2つの洗浄方法(D法、E法)の洗浄条件を記してい
る。被洗浄物は、病院から入手した、血液汚れの付着し
た緑色の木綿製の衣類である。また、衣類の重量と水の
量との割合は、水量90Lに対し衣類重量20kg(浴
比1/4.5)とした。
【0055】洗濯終了後、乾燥衣類の汚れ落ちを目視で
観察したが、本発明によるA法では血痕のシミもなく、
しかも衣類の緑色は元のまま、つまり色落ちは認められ
なかった。これに対しD法及びE法では、血痕シミが僅
かに残る程度にまで血液汚れを落とすことはできたもの
の、衣類自体の緑色も殆ど脱色されてしまい、白色に近
い状態にまでなってしまった。この結果から、本発明に
よる洗浄方法は血液汚れの除去能力が高いというのみな
らず、繊維製品の元の色を落とさないという点でも優れ
ていると言える。
【0056】なお、上記各実施例は一例であって、本発
明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らか
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の洗濯機の一実施例によるドラム式洗
濯機の配管系統図。
【図2】 本実施例のドラム式洗濯機の要部の電気系構
成図。
【図3】 本実施例のドラム式洗濯機における血液洗浄
コースによる洗濯動作の際の各行程の主要な設定パラメ
ータを示す図。
【図4】 本実施例のドラム式洗濯機における洗濯開始
から途中までの外槽内に貯留されている水の温度変化の
一例を示すグラフ。
【図5】 本実施例のドラム式洗濯機における洗濯行程
を示すフローチャート。
【図6】 試験例1の洗浄条件及び洗浄結果の比較を示
す図。
【図7】 試験例2の洗浄条件の比較を示す図。
【符号の説明】
1…外槽 2…ドラム 3、4…温度センサ 5…給水口 6…主給水管 7、23…ストレーナ 8…給水バルブ 9…副給水管 11…第1助剤バルブ 12…第2助剤バルブ 13…第3助剤バルブ 14…助剤投入器 141…第1助剤収容部 142…第2助剤収容部 143…第3助剤収容部 15…排水管 16…排水口 17…排水バルブ 18…オーバフロー管 19…圧力管 20…水位センサ 21…給蒸管 22…給蒸口 24…給蒸バルブ 25…排気管 25…排気口 30…制御部 31…バルブ駆動部 32…モータ駆動部 33…操作部 33a…血液洗浄キー 33b…スタートキー 35…ドラムモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06F 23/02 D06F 23/02 33/02 33/02 S T 39/02 39/02 D 39/04 39/04 Z D06L 3/00 D06L 3/00 (72)発明者 三成 健二 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 北村 佳嗣 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 宮地 芳明 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 3B155 AA01 AA10 AB10 BA02 BA10 BB08 CA02 CB06 CB51 CB60 GA13 GA25 KA12 KA19 KB27 LA16 LB02 LB22 LB28 LB29 LB31 LC07 LC08 LC28 MA05 MA06 MA07 MA08 4C058 AA03 AA12 BB03 BB07 CC02 DD04 EE16 EE26 JJ07 4H003 AB03 AC08 BA26 DA01 DB01 DC02 EA09 EB33 EE04 EE05 FA28 FA34

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液の付着した医療用繊維製品を被洗浄
    物として、これを洗濯機を用いて洗浄する方法であっ
    て、 a)略所定温度以上の水に溶解する特性を有する水溶性
    高分子膜体で前記被洗浄物を被覆し、被覆された状態の
    まま洗濯機の洗濯槽内に収容する前行程と、 b)前記洗濯槽内において前記所定温度以上のアルカリ
    洗浄液を用いて洗浄を行う予備洗浄行程と、 c)該予備洗浄行程に引き続き前記洗濯槽内に更に漂白
    剤を投入し、少なくとも90℃以上の洗浄液で洗浄を行
    う本洗浄行程と、 を含むことを特徴とする医療用繊維製品の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の洗浄方法において、前
    記水溶性高分子膜体はポリ酢酸ビニル系重合体であるこ
    とを特徴とする医療用繊維製品の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の洗浄方法におい
    て、前記水溶性高分子膜体の溶解温度は約50〜70℃
    の範囲内にあることを特徴とする医療用繊維製品の洗浄
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の洗浄方法
    において、前記アルカリ洗浄液のpH値は11以上であ
    ることを特徴とする医療用繊維製品の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄方
    法において、前記漂白剤は、過ホウ酸塩、過酸化水素又
    は過炭酸塩のいずれかを含むものであることを特徴とす
    る医療用繊維製品の洗浄方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄方
    法において、前記本洗浄行程では、93℃以上で且つ1
    0分以上の洗浄を行うことを特徴とする医療用繊維製品
    の洗浄方法。
  7. 【請求項7】 外槽内に回転自在に洗濯槽を備え、該洗
    濯槽を回転させることにより該洗濯槽内に収容されてい
    る被洗浄物を洗浄する洗濯機において、 a)前記洗濯槽内に洗剤を投入する洗剤投入手段と、 b)前記洗濯槽内に漂白剤を投入する漂白剤投入手段
    と、 c)前記洗濯槽内に貯留されている水を加熱する加熱手
    段と、 d)前記洗剤投入手段により洗濯槽内に洗剤を投入して
    所定時間洗浄を行ったあとに前記漂白剤投入手段により
    漂白剤を投入して洗浄を続けるとともに、洗浄の途中の
    適宜の時点で、洗濯槽内の水を細菌類を死滅させるに有
    効である温度まで昇温するべく前記加熱手段を制御する
    運転制御手段と、 を備えることを特徴とする洗濯機。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の洗濯機において、前記
    運転制御手段は、洗剤投入後に約60〜70℃の範囲内
    に加熱した洗剤水で所定時間洗浄を行うことを特徴とす
    る洗濯機。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の洗濯機において、前記
    運転制御手段は、更に漂白剤投入後に93℃以上に加熱
    した洗剤水で所定時間洗浄を行うことを特徴とする洗濯
    機。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の洗濯機において、前
    記運転制御手段は、漂白剤投入後に93℃以上で且つ1
    0分以上洗浄を行うことを特徴とする洗濯機。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれかに記載の洗
    濯機において、漂白剤投入後の洗浄時には通常の洗浄時
    よりも水位を高く設定することを特徴とする洗濯機。
  12. 【請求項12】 請求項7〜11のいずれかに記載の洗
    濯機において、漂白剤を用いた洗浄を終了したあと、排
    水を行うことなく洗濯槽内に水を追加給水することを特
    徴とする洗濯機。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の洗濯機において、
    前記洗濯槽内の水の温度が所定温度以下に下がったあと
    に排水を開始することを特徴とする洗濯機。
  14. 【請求項14】 請求項7〜13のいずれかに記載の洗
    濯機において、洗浄が終了したあとの濯ぎ時に前記洗濯
    槽内に中和剤を投入する中和剤投入手段を更に備えたこ
    とを特徴とする洗濯機。
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