JP2001279083A - ポリカーボネート樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物およびその用途

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JP2001279083A
JP2001279083A JP2000096187A JP2000096187A JP2001279083A JP 2001279083 A JP2001279083 A JP 2001279083A JP 2000096187 A JP2000096187 A JP 2000096187A JP 2000096187 A JP2000096187 A JP 2000096187A JP 2001279083 A JP2001279083 A JP 2001279083A
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bis
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hydroxyphenyl
phosphate
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Application number
JP2000096187A
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English (en)
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Rihoko Suzuki
理穂子 鈴木
Atsuo Otsuji
淳夫 大辻
Hiromasa Marubayashi
博雅 丸林
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記一般式(1−a)および一般式(1
−b)で表される構造単位を含有してなるポリカーボネ
ート共重合体と、5価の有機リン化合物とを含む樹脂組
成物、該樹脂組成物を成形して得られる光学部品。 (式中、R1 はアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基ま
たはハロゲン原子、R2、R3 は水素原子またはアルキ
ル基、R4 はアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン
原子を表し、kは0〜3の整数、lは0〜2の整数を表
す) 【効果】 成形加工時に溶融流動性に優れた樹脂組成
物、および、それから得られる光ディスク基板、ピック
アップレンズ、液晶セル用プラスチック基板、プリズ
ム、光ファイバー等の透明性、色相が良好な光学部品を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の繰り返し単
位を含有してなるポリカーボネート共重合体と5価の有
機リン化合物とを含むポリカーボネート樹脂組成物に関
し、さらには、該樹脂組成物を成形して得られる光学部
品に関する。本発明の樹脂組成物は透明性、機械物性、
耐熱性に優れ、且つ、低複屈折性を有し、溶融流動性が
良好で成形加工性に優れており、さらには透明性に優
れ、色相が良好であるため、光ディスク基板、ピックア
ップレンズ、液晶セル用プラスチック基板、プリズム、
光ファイバーなどを代表とする光学部品に有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートはエンジニアリングプ
ラスチックとして、自動車、電気、光学分野で幅広く使
用されている。現在、幅広く使用されているポリカーボ
ネートは、通常、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(以下、ビスフェノールAと称する)と
ホスゲン等のハロゲン化カルボニル化合物より製造され
ている。ビスフェノールAより製造されるポリカーボネ
ートは、透明性、耐熱性、低透湿性、耐衝撃性、寸法安
定性等の特性をバランス良く備えた樹脂であり、広く用
いられている。特に近年、光ディスク基板等の光学部品
分野で使用されている。情報記録媒体として使用される
光ディスクにおいては、ディスク本体をレーザー光線が
通過するために、ディスク基板は透明であることは勿論
のこと、読みとり誤差を少なくするために光学的均質性
が強く求められている。
【0003】しかしながら、例えば、ビスフェノールA
から製造されるポリカーボネートを用いる場合には、デ
ィスク基板成型時の樹脂の冷却および流動過程において
生じた熱応力、分子配向、ガラス転移点付近の容積変化
等による残留応力が原因となり、レーザー光線がディス
ク基板を通過する際に複屈折が生じる。この複屈折に起
因する光学的不均一性が大きいことは、例えば、記録さ
れた情報の読みとり誤りを生じるなど、光ディスク基板
等の光学部品にとっては致命的欠陥となる。さらに、該
ポリカーボネートは溶融時の粘度が高いため、例えば、
記録密度を高めるためにより小さなピット径を有するデ
ィスク基板を射出成形して得るのが非常に困難である
等、成形加工性に問題があった。
【0004】このような問題点を解決する方法として、
種々の新しいポリマー、例えば、スピロビインダノール
単独のホリカーボネート、またはスピロビインダノール
とビスフェノールAとの共重合ポリカーボネート、等が
提案されている(特開昭63−314235号公報な
ど)。しかしながら、前者のポリカーボネートは低複屈
折であるものの、例えば、成形加工した際に成形物にク
ラックが生じるなど、透明性、機械強度が悪く、実用的
に問題点を有していた。また、後者のポリカーボネート
は、ビスフェノールAの含有率の増加に伴い、透明性お
よび機械物性は向上するものの、複屈折が大きくなり、
上述したような情報記録媒体等の光学部品としての使用
には問題点があった。さらに、これらのポリカーボネー
トは、既存のビスフェノールAから製造されるポリカー
ボネートに比較して、溶融時の粘度はいくらか低くなっ
ているものの、上述したような精密加工性を要求される
情報記録媒体用のディスク基板を射出成形して得るには
実用上、十分な溶融流動性を有しているとは言い難く、
これらの問題点の解決が強く望まれていた。
【0005】本発明者らは、上記の問題点を克服し、光
学部品用に有用な、透明性、機械物性、耐熱性等が良好
で、且つ、低複屈折性を有し、さらには溶融流動性が良
好で成形加工性に優れている樹脂として、後記一般式
(1−a)および一般式(2−a)で表される繰り返し
構造単位を含有してなるポリカーボネート共重合体を見
い出し、既に出願している(特願平10−110361
号)。
【0006】光学部品に使用するためには、光源や読み
出しに用いる光の波長において、樹脂の吸収が小さいこ
とが望まれる。すなわち、着色がなく、無色透明である
ことが必要である。樹脂着色の原因物質の一つが、金属
であることが知られている。樹脂中に金属が含まれてい
ると、この金属が酸化触媒となり、樹脂が分解したり、
着色が起こる、等の現象が引き起こされる。金属の含有
量を抑えることが必要であるが、樹脂の製造の際には、
用いる原料(モノマー)、触媒、溶媒等に含まれる微量
の金属が、重合して得られた樹脂中にそのまま含有され
ることが多い。また、樹脂の製造装置、あるいは成形時
に用いる機械等の材質中に含まれる金属が樹脂に微量に
混入することは避けられない。このように、光学部品の
製造において、樹脂中に存在する金属による悪影響が問
題となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題点を克服し、機械物性、耐熱性等に優れ、且つ、
低複屈折性を有し、成形時に溶融流動性、滞留安定性に
優れ、さらに透明性、色相の良好なポリカーボネート樹
脂組成物ならびに該ポリカーボネート樹脂組成物を成形
して得られる光学部品を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、下記一般式(1−a)およ
び一般式(2−a)(化2)で表される繰り返し構造単
位を含有してなるポリカーボネート共重合体と、該共重
合体100重量部に対して、0.00005〜0.5重
量部の5価の有機リン化合物を含有することを特徴とす
るポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。
【0009】
【化2】 (式中、R1 はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ
基、ニトロ基あるいはハロゲン原子を表し、R2 および
3 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表
し、R4 はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲン原子を表し、kはそれぞれ独立に0〜3の
整数を表し、lはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す)
【0010】また、本発明は、5価の有機リン化合物
が、リン酸エステル化合物またはエチルジエチルホスホ
ノアセテートである前記に記載のポリカーボネート樹
脂組成物、前記またはの樹脂組成物を成形して得
られる光学部品、に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、前記一
般式(1−a)および一般式(2−a)で表される繰り
返し構造単位を含有してなるポリカーボネート共重合体
と、5価の有機リン化合物とを含有することを特徴とす
るものである。本発明の樹脂組成物において用いられる
ポリカーボネート共重合体(以下、本発明に係るポリカ
ーボネート共重合体ともいう)は、一般式(1)(化
3)で表されるジヒドロキシ化合物と、一般式(2)
(化3)で表されるジヒドロキシ化合物を、カーボネー
ト前駆体と作用させ共重合させることにより得られるも
のであり、一般式(1)で表される化合物とカーボネー
ト前駆体とから誘導される一般式(1−a)で表される
繰り返し構造単位と、一般式(2)で表される化合物と
カーボネート前駆体とから誘導される一般式(2−a)
で表される繰り返し構造単位の両繰り返し構造単位を必
須繰り返し構造単位として有する共重合体であって、ラ
ンダム共重合体、交互共重合体あるいはブロック共重合
体のいずれであってもよい。
【0012】
【化3】 (上式中、R1 、R2 、R3 、R4 、kおよびlは前記
と同じ)
【0013】これらのポリカーボネート共重合体の中で
も、耐熱性、機械物性等の諸物性のバランスを考慮する
と、一般式(1−a)および一般式(2−a)で表され
る全繰り返し構造単位中に含まれる一般式(1−a)で
表される繰り返し構造単位の割合は、好ましくは、5〜
90モル%であり、より好ましくは、10〜80モル%
であり、さらに好ましくは、20〜70モル%である。
【0014】一般式(1−a)において、R1 はそれぞ
れ独立にアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基またはハ
ロゲン原子を表し、好ましくは、置換基を有していても
よい直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換基を有し
ていてもよい直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、ニ
トロ基あるいはハロゲン原子を表し、より好ましくは、
置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐
または環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭
素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、
ニトロ基あるいはハロゲン原子である。
【0015】さらに好ましくは、R1 は炭素数1〜10
の無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜1
0の無置換の直鎖または分岐のアルコキシ基あるいは塩
素原子であり、さらにより好ましくは、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n
−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基
または塩素原子である。置換基R1 として、メチル基ま
たは塩素原子は特に好ましい。また、一般式(1−a)
において、kはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、好
ましくは、0、1または2であり、より好ましくは、0
または1である。kとして、整数0は特に好ましい。
【0016】一般式(2−a)において、R2 およびR
3 はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表
す。R2 およびR3 は、好ましくは、水素原子または炭
素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基であ
り、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜4の直鎖の
アルキル基であり、R2 およびR3 としてメチル基は特
に好ましい。
【0017】R4 はそれぞれ独立に、アルキル基、アル
コキシ基またはハロゲン原子を表し、好ましくは、置換
基を有していてもよい直鎖、分岐または環状のアルキル
基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐または環状の
アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表し、より好まし
くは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直
鎖、分岐または環状のアルキル基、置換基を有していて
もよい炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルコ
キシ基またはハロゲン原子を表す。
【0018】さらに好ましくは、R4 は炭素数1〜10
の無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜1
0の無置換の直鎖または分岐のアルコキシ基あるいはフ
ッ素原子、塩素原子であり、さらにより好ましくは、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポ
キシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−
ブトキシ基、フッ素原子または塩素原子であり、置換基
4 として、メチル基、フッ素原子は特に好ましい。ま
た、一般式(2−a)において、lはそれぞれ独立に0
〜2の整数を表し、好ましくは、0または1である。l
として、整数0は特に好ましい。
【0019】一般式(1−a)で表される繰り返し構造
単位において、カーボネート結合の置換位置はスピロビ
インダン構造内のベンゼン環上で、それぞれ、4、5、
6または7位であるか、4’、5’、6’または7’位
である。一般式(1−a)で表される繰り返し構造単位
の中でも、下記式(1−a−A)(化4)で表される繰
り返し構造単位が、また、一般式(2−a)で表される
繰り返し繰り返し構造単位の中でも、下記式(2−a−
A)(化4)で表される繰り返し構造単位が特に好まし
い。
【0020】
【化4】 (上式中、R1 、R2 、R3 、R4 、kおよびlは前記
と同じ)
【0021】本発明に係るポリカーボネート共重合体
は、前記したように、前記一般式(1)で表されるジヒ
ドロキシ化合物と前記一般式(2)で表されるジヒドロ
キシ化合物をカーボネート前駆体に作用させ共重合する
ことにより得られる(特願平10−110361号)。
なお、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物なら
びに一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物はそれ
ぞれ公知化合物であり、公知の方法により好適に製造さ
れる。一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物は公
知の方法、例えば、特開昭62−10030号公報など
に記載の方法、すなわち、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンをペルフルオロアルカンスルホン
酸の存在下に加熱処理する方法により、好適に製造され
る。また、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物
は公知の方法、例えば、特公平8−13770号公報な
どに記載の方法、すなわち、イオン交換樹脂などの酸触
媒の存在下に、α,α’−ジヒドロキシジイソプロピル
ベンゼン類やジイソプロペニルベンゼン類などの化合物
とフェノール類とを反応させる方法などにより、好適に
製造される。
【0022】本発明に係るポリカーボネート共重合体の
製造方法としては、公知の各種ポリカーボネート重合方
法〔例えば、実験化学講座第4版、(28)高分子合
成、231〜242頁、丸善出版(1988年)に記載
の方法で、例えば、溶液重合法、エステル交換法または
界面重合法など〕が用いられる。代表的には、一般式
(1)で表されるジヒドロキシ化合物と一般式(2)で
表されるジヒドロキシ化合物にカーボネート前駆体(例
えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル等
の炭酸ジエステル化合物、ホスゲン等のハロゲン化カル
ボニル化合物など)を反応させる方法が用いられる。
【0023】本発明に係るポリカーボネート共重合体の
分子量としては、特に限定されるものではないが、通
常、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ
ィー)で測定する標準ポリスチレン換算の分子量として
重量平均分子量が、5000〜200000であり、好
ましくは、10000〜150000であり、より好ま
しくは、15000〜120000である。また、重量
平均分子量と数平均分子量の比として表される多分散性
インデックスとしては、特に限定されるものではない
が、好ましくは、1.5〜20.0であり、より好まし
くは、2.0〜15.0であり、さらに好ましくは、
2.0〜10.0である。
【0024】本発明に係るポリカーボネート共重合体
は、一般式(1−a)または一般式(2−a)で表され
る繰り返し構造単位で、異なる複数の繰り返し構造単位
を含有してなるポリカーボネート共重合体であってもよ
い。また、本発明の所望の効果を損なわない範囲におい
て、一般式(1−a)または一般式(2−a)で表され
る繰り返し構造単位以外の、他の繰り返し構造単位を含
有してなるポリカーボネート共重合体であってもよい。
【0025】一般式(1−a)または一般式(2−a)
で表される繰り返し構造単位以外の他の繰り返し構造単
位は、一般式(1)または一般式(2)で表されるジヒ
ドロキシ化合物以外の他のジヒドロキシ化合物から誘導
される繰り返し構造単位であり、該ジヒドロキシ化合物
としては、各種公知の芳香族ジヒドロキシ化合物または
脂肪族ジヒドロキシ化合物を例示することができる。
【0026】該芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例とし
ては、例えば、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1-ビス(4' −ヒドロキシフェニル)エタン、1,2-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)ジフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)-1-ナフチルメタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン〔”ビスフェノールA”〕、2-(4'−
ヒドロキシフェニル)-2-(3'−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)-3−メチルブタン、2,2-ビ
ス(4'-ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3-ビス(4'-ヒ
ドロキシフェニル) ペンタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシ
フェニル) ヘキサン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-4-メ
チルペンタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル) ヘプ
タン、4,4-ビス(4'-ヒドロキシフェニル) ヘプタン、2,
2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル) トリデカン、2,2-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2-ビス(3'−
メチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス
(3'−エチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2-ビス(3'−n−プロピル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2-ビス(3'−イソプロピル−4'−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−sec −ブチル−
4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−te
rt−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-
ビス(3'−シクロヘキシル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2-ビス(3'−アリル−4'−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2-ビス(3'−メトキシ−4'−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジメチル−
4'−ヒドロキシフェニル) プロパン、2,2-ビス(2',3',
5',6'-テトラメチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シアノメタン、1-
シアノ-3,3−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、
【0027】1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロペンタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘプタン、1,1-ビス(3'−メチル−4'−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(3',5'-ジメチル−
4'−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス
(3',5'-ジクロロ−4'−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1-ビス(3'−メチル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルシクロヘキサン、1,1-ビス (4'−ヒド
ロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,
2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2-
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等のビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'- ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、4,4'- ジヒドロキシ-3,
3'-ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリコール
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(ヒ
ドロキシアリール)エーテル類、4,4'- ジヒドロキシジ
フェニルスルフィド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロ
キシジフェニルスルフィド、3,3'−ジシクロヘキシル−
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3'−ジフ
ェニル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等の
ビス(ヒドロキシアリール)スルフィド類、
【0028】4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルス
ルホキシド等のビス(ヒドロキシアリール)スルホキシ
ド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-
ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホン等のビ
ス(ヒドロキシアリール)スルホン類、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)ケトン等のビス(ヒドロキシアリー
ル)ケトン類、さらには、7,7'−ジヒドロキシ−3,3',
4,4'-テトラヒドロ−4,4,4',4'-テトラメチル-2,2'-ス
ピロビ(2H−1−ベンゾピラン)、トランス-2,3- ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)-2- ブテン、9,9-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,3-ビス(4'
−ヒドロキシフェニル)-2- ブタノン、1,6-ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)-1,6- ヘキサンジオン、α,α,
α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p-キシレン、α,α,α’,α’−
テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−m-キシレン、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノン、レゾルシン等が挙げられる。さらに、例
えばビスフェノールA2モルとイソフタロイルクロライ
ドまたはテレフタロイルクロライド1モルとを反応させ
ることにより製造することができるエステル結合を含む
芳香族ジヒドロキシ化合物も有用である。
【0029】該脂肪族ジヒドロキシ化合物の具体例とし
ては、1,2−ジヒドロキシエタン、1,3−ジヒドロ
キシプロパン、1,4−ジヒドロキシブタン、1,5−
ジヒドロキシペンタン、3−メチル−1,5−ジヒドロ
キシペンタン、1,6−ジヒドロキシヘキサン、1,7
−ジヒドロキシヘプタン、1,8−ジヒドロキシオクタ
ン、1,9−ジヒドロキシノナン、1,10−ジヒドロ
キシデカン、1,11−ジヒドロキシウンデカン、1,
12−ジヒドロキシドデカン、ジヒドロキシネオペンチ
ル、2−エチル−1,2−ジヒドロキシヘキサン、2−
メチル−1,3−ジヒドロキシプロパン等のジヒドロキ
シアルカン、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、
1,4−ジヒドキシシクロヘキサン及び2,2−ビス
(4’−ヒドロキシルシクロヘキシル)プロパン等のジ
ヒドロキシシクロアルカンを挙げることができる。さら
に、o−ジヒドロキシキシリレン、m−ジヒドロキシキ
シリレン、p−ジヒドロキシキシリレン、1,4−ビス
(2’−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス
(3’−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1,4−ビス
(4’−ヒドロキシブチル)ベンゼン、1,4−ビス
(5’−ヒドロキシペンチル)ベンゼン、1,4−ビス
(6’−ヒドロキシヘキシル)ベンゼン、2,2−ビス
〔4’−(2”−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル〕
プロパン等のジヒドロキシ化合物を挙げることができ
る。
【0030】さらに、一般式(1−a)または一般式
(2−a)で表される繰り返し構造単位以外の他の繰り
返し構造単位として、上記ジヒドロキシ化合物以外の2
官能性化合物から誘導される繰り返し構造単位を含有し
ていてもよい。すなわち、該ジヒドロキシ化合物以外の
2官能性化合物としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族
ジカルボン酸、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、芳香
族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート等の化合
物が挙げられる。これらの2官能性化合物を用いること
により、カーボネート基以外に、イミノ基、エステル
基、エーテル基、イミド基、アミド基、ウレタン基、ウ
レア基等の基を含有するポリカーボネート共重合体が得
られ、本発明はかかるポリカーボネート共重合体も包含
するものである。
【0031】一般式(1−a)または一般式(2−a)
で表される繰り返し構造単位以外の他の繰り返し構造単
位を含有する場合、全繰り返し構造単位中の一般式(1
−a)と一般式(2−a)で表される繰り返し構造単位
の占める割合は、本発明の所望の効果を損なわない範囲
であれば、特に制限されるものではないが、通常、50
モル%以上であり、好ましくは、70モル%以上であ
り、より好ましくは、90モル%以上である。本発明の
効果を最大限に得るためには、他の繰り返し構造単位を
含有することなく、前記一般式(1−a)および一般式
(2−a)で表される繰り返し構造単位のみからなる共
重合体は特に好ましい。
【0032】本発明に係るポリカーボネート共重合体に
おいて、末端基は、ヒドロキシ基、ハロホーメート基、
炭酸エステル基等の反応性の末端基であってもよく、ま
た、分子量調節剤で封止された不活性な末端基であって
もよい。本発明に係るポリカーボネート共重合体中の末
端基の量は特に制限はないが、通常、構造単位の総モル
数に対して、0.001〜10モル%であり、好ましく
は、0.01〜5モル%であり、より好ましくは、0.
1〜3モル%である。
【0033】本発明に係るポリカーボネート共重合体を
前記の方法に従い重合して製造する際に、分子量を調節
する目的で分子量調節剤の存在下に重合を行うことは好
ましいことである。かかる分子量調節剤としては特に限
定されるものではなく、公知のポリカーボネート重合の
際に使用される各種既知の分子量調節剤であればよく、
例えば、1価のヒドロキシ脂肪族化合物またはヒドロキ
シ芳香族化合物もしくはその誘導体(例えば、1価のヒ
ドロキシ脂肪族化合物またはヒドロキシ芳香族化合物の
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、1価のヒドロ
キシ脂肪族化合物またはヒドロキシ芳香族化合物のハロ
ホーメート化合物、1価のヒドロキシ脂肪族化合物また
はヒドロキシ芳香族化合物の炭酸エステルなど)、1価
のカルボン酸もしくはその誘導体(例えば、1価のカル
ボン酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、1価
のカルボン酸の酸ハライド、1価のカルボン酸のエステ
ルなど)等が挙げられる。分子量調節剤の使用量は特に
制限するものでなく、目的の分子量に調節するために所
望に応じて用いればよいが、通常、重合するジヒドロキ
シ化合物の総モル数に対して、0.001〜10モル%
であり、好ましくは0.01〜5モル%である。
【0034】本発明の樹脂組成物は、前記の本発明に係
るポリカーボネート共重合体と、5価の有機リン化合物
とを含有することを特徴とするものである。5価の有機
リン化合物の添加によって、樹脂中に存在する微量の金
属を補足、封止することが出来、金属による着色等の悪
影響を抑制することが可能である。
【0035】本発明の樹脂組成物中に含まれる5価の有
機リン化合物は、一般式(1−a)および一般式(2−
a)で表される繰り返し構造単位を含有してなるポリカ
ーボネート共重合体100重量部に対して、0.000
05〜0.5重量部であり、好ましくは、0.0001
〜0.1重量部、より好ましくは、0.001〜0.0
8重量部である。
【0036】本発明で使用される5価の有機リン化合物
とは、リン酸エステル化合物、酸性リン酸エステル化合
物、その他のリン化合物が含まれ、芳香族であっても脂
肪族であってもよく、また該脂肪鎖は直鎖、分岐または
環状であってもよい。また、該リン化合物は、ハロゲン
原子、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルコ
キシカルボニル基、アルコキシ基等で置換されていても
よい。また、これらの置換基のうち、同一あるいは異な
った置換基が分子内に2個以上含まれていてもよい。
【0037】リン酸エステル化合物の具体例としては、
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、ト
リプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、ト
リオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
トリトリルホスフェート、トリス(t-ブチルフェニル)
ホスフェート、トリアリルホスフェート、ジフェニルト
リルホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェ
ート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリ
ス(2−クロロメチルエチル)ホスフェート、トリス
(1、3−ジクロロ−2−プロピル)ホスフェート、ト
リス(2、3−ジブロモプロピル)ホスフェートが挙げ
られる。
【0038】酸性リン酸エステル化合物の具体例として
は、ジブチルホスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)
ホスフェート、ジフェニルホスフェート、ジベンジルホ
スフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシ
ッドホスフェート、ブチルピロホスフェート、2−エチ
ルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホ
スフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、エチ
レングリコールアシッドホスフェート、ブトキシエチル
アシッドホスフェートが挙げられる。また、その他のリ
ン化合物としては、エチルジエチルホスホノアセテート
が挙げられる。
【0039】本発明で用いられる5価の有機リン化合物
としては、好ましくは、酸性の官能基を含まないリン酸
エステル化合物であり、より好ましくはトリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホス
フェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホス
フェート、トリフェニルホスフェート、トリトリルホス
フェート、トリス(t-ブチルフェニル)ホスフェート、
トリアリルホスフェート、ジフェニルトリルホスフェー
ト、および、エチルジエチルホスホノアセテートであ
り、さらに好ましくは、トリメチルホスフェート、トリ
エチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリ
トリルホスフェート、トリス(t-ブチルフェニル)ホス
フェート、ジフェニルトリルホスフェート、および、エ
チルジエチルホスホノアセテートであり、特に好ましく
はトリメチルホスフェートおよびエチルジエチルホスホ
ノアセテートである。
【0040】本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製
造する方法としては、特に制限はなく、通常、樹脂組成
物を製造する各種公知の方法により行うことができる。
すなわち、 (1)ポリカーボネート溶液からポリカーボネ
ートを固体として単離した後、該固体に対して、上記の
5価の有機リン化合物を添加して、さらに公知の各種混
合装置(例えば、ターンブルミキサー、ヘンシェルミキ
サー、リボンブレンダー、スーパーミキサーなど)によ
り分散混合する方法、あるいは、(2) 前述の通り、各種
混合機により分散混合した後、押出機、バンバリーミキ
サー、ロール等で溶融混練する方法などが挙げられる。
また、これらの方法を併用しても差し支えない。
【0041】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
本発明の所望の効果を損なわない範囲で、製造時あるい
は成形時に、さらに公知の各種添加剤等、例えば、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、離型剤、有機ハロゲン化
合物系の難燃剤、顔料、染料、流動性改良剤、帯電防止
剤、充填剤(炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス
繊維、ガラスビーズ、炭素繊維等)などを併せて添加す
ることができる。特に酸化防止剤(例えば、亜リン酸エ
ステル系、フェノール系、ヒンダードフェノール系、硫
黄系、リン酸金属塩、亜リン酸金属塩など)を添加する
ことは好ましいことである。。
【0042】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
所望の効果を損なわない範囲で、製造時あるいは成形時
に、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンから誘導される芳香族ポリカーボネートと配合するこ
とにより、成形材料として使用することも可能である。
また、さらに他のポリマーと併用して成形材料として使
用することが可能である。他のポリマーとしては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹
脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリトリフルオロエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアセタール、ポ
リフェニレンオキシド、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホン、パラオキシベンゾイル系
ポリエステル、ポリアリーレート、ポリスルフィド等が
挙げられる。
【0043】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は熱
可塑性であり、溶融状態で射出成形、押出成形、ブロー
成形、フィラー等への含浸等が可能であり、さらには、
圧縮成形、溶液キャスティングなど、各種公知の成形方
法により容易に成形可能である。本発明に係るポリカー
ボネート共重合体は、汎用のビスフェノールAポリカー
ボネートと比較して、低複屈折であり、溶融時流動性が
良好であるという特徴を有している。本発明のポリカー
ボネート樹脂組成物は、成形材料として電気機器等のシ
ャーシやハウジング材、電子部品、自動車部品、光ディ
スク等の情報記録媒体の基板、カメラや眼鏡のレンズ等
の光学材料、ガラス代替の建材等に成形することが可能
である。とりわけ、本発明のポリカーボネート樹脂組成
物は、機械物性、耐熱性等に優れ、且つ、低複屈折性を
有し、成形時に溶融流動性に優れ、さらに透明性、色相
が良好であるため、各種光学部品用の成形材料として非
常に有用である。
【0044】本発明の光学部品としては、光ディスク基
板、光磁気ディスク基板などの光記録媒体基板、ピック
アップレンズなどの光学レンズ、液晶セル用プラスチッ
ク基板、プリズム等の各種光学部品を挙げることができ
る。本発明の光学部品の好ましい成形条件は、樹脂温度
220〜380℃、金型温度40〜160℃の範囲であ
る。このようにして得られる本発明の光学部品は、低複
屈折性を有し、透明性に優れ、色相が良好であり、諸性
能(例えば、光ディスクとしての光記録特性、耐久性な
ど)に優れており、非常に有用である。
【0045】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の製造例および比較製造例で製造し
たポリカーボネート共重合体の物性の測定は以下の方法
により行った。 〔分子量の測定〕ポリカーボネート共重合体の0.2重
量%クロロホルム溶液をGPC(ゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィー)〔昭和電工(株)製、Sys
tem−11〕により測定し、重量平均分子量(Mw)
を求めた。尚、測定値は、標準ポリスチレン換算の値で
ある。 〔溶融粘度〕島津高化式フローテスター(CFT500
A)を使用し、荷重100kgで直径0.1cm、長さ
1cmのオリフィスを用いて測定した。
【0046】製造例1 内容量2リットルのバッフル付きフラスコに、格子翼を
備えた撹拌機、還流冷却管、ホスゲン(塩化カルボニ
ル)吹き込み用浸漬管を設けた。このフラスコに、原料
モノマーとして下記式(1−1)(化5)で表される
6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル
−1,1'−スピロビインダン154g(0.5モル)
と、下記式(2−1)(化5)で表されるα,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイソプロピ
ルベンゼン173g(0.5モル)、水酸化ナトリウム
112g(2.8モル)、分子量調節剤として4−tert
−ブチルフェノール5.16g(3.43モル%対ジオ
ール成分)、ならびに、1.2リットルの脱イオン水を
装入し、水溶液を調製した。その後、該水溶液に1.2
リットルのジクロロメタンを添加し、2相混合物とし、
この2相混合物を撹拌しながら、該混合物にホスゲン1
19g(1.2モル)を10g/分の供給速度で供給し
た。
【0047】
【化5】
【0048】ホスゲンの供給終了後、0.16gのトリ
エチルアミンを反応混合物に添加し、さらに90分間撹
拌混合した。その後、撹拌を停止し、反応混合物を分液
し、ジクロロメタン相を塩酸水溶液により中和し、脱イ
オン水を使用して、水性洗浄液に電界質が実質的に検出
されなくなるまで洗浄した。その後、ジクロロメタン相
から、ジクロロメタンを蒸発留去することにより、下記
式(1−a−1)および下記式(2−a−1)(化6)
で表される繰り返し構造単位を含有してなるポリカーボ
ネート共重合体(ランダム共重合体)を白色粉状固体で
得た。重量平均分子量は54000であった。走査熱量
計(DSC−3100、マックサイエンス社製)で、0
℃から300℃の温度範囲で示差熱分析を行ったとこ
ろ、ガラス転移温度(Tg)は144℃であった。また
240℃における溶融粘度は4600ポイズであった。
【0049】
【化6】
【0050】得られたポリカーボネート共重合体の1重
量%重水素化クロロホルム溶液の 1H−NMR(400
MHz)を測定した結果を下記に示した。 ・ 1H−NMR δ(CDCl3 ):1.3(s,12
H)、1.4(s,12H)、2.3(m,8H)、
3.9〜4.5(m,8H)、6.3〜7.2(m,1
2H) ・IR(KBr法):1780cm-1〔−O−C(=
O)−O−〕 上記 1H−NMR測定で、スピロビインダン環上のメチ
ル基とイソプロピリデン基に含まれるメチル基との積分
比を求めることによって、得られたポリカーボネート共
重合体中の式(1−a−1)で表される繰り返し構造単
位と、式(2−a−1)で表される繰り返し構造単位と
のモル比は50:50であることが確認された。
【0051】比較製造例1 ビスフェノールAとホスゲンから常法(界面重合法)に
従い、公知のポリカーボネートを製造した。すなわち、
内容量2リットルのバッフル付きフラスコに、格子翼を
備えた撹拌機、還流冷却管、ホスゲン吹き込み用浸漬管
を設けた。このフラスコに、114g(0.50モル)
のビスフェノールA、56g(1.40モル)の水酸化
ナトリウム、2.58gの4−tert−ブチルフェノー
ル、および、600ミリリットルの脱イオン水を装入し
水溶液を調製した。その後、該水溶液に600ミリリッ
トルのジクロロメタンを添加し、2相混合物とし、この
2相混合物を撹拌しながら、該混合物に59.4g
(0.60モル)のホスゲンを9.9g/分の供給速度
で供給した。ホスゲンの供給終了後、0.08gのトリ
エチルアミンを反応混合物に添加し、さらに90分間撹
拌混合した。その後撹拌を停止し、反応混合物を分液
し、ジクロロメタン相を塩酸水溶液により中和し、脱イ
オン水を使用して、水性洗浄液に電界質が実質的に検出
されなくなるまで洗浄した。その後、ジクロロメタン相
から、ジクロロメタンを蒸発留去することにより、固体
状態の芳香族ポリカーボネートを得た。重量平均分子量
は51000であり、300℃における溶融粘度は54
00ポイズであった。
【0052】比較製造例2 特開昭63−314235号公報、実施例7に記載の方
法に従い、ビスフェノールAとスピロビインダノールと
のポリカーボネート共重合体(モル比50:50)を製
造した。重量平均分子量は44800であり、280℃
における溶融粘度は4800ポイズであった。
【0053】実施例1 (樹脂組成物およびペレットの製造)製造例1で製造し
たポリカーボネート共重合体100重量部、エチルジエ
チルホスホノアセテート0.01重量部をヘンシェルミ
キサーにて混合した後、単軸押出機(65mm)を用い
て、樹脂組成物のペレットを得た(ペレット化温度を表
に示す)。このペレット中に含まれる金属の分析を行っ
たところ、鉄が300ppb含まれていた。 (ディスク形基板の作製)前述のペレットを50t の成
形機にて射出成形して、厚さ1.2mm、直径120m
mのディスク形基板を得た。成形条件は、金型温度95
℃であり、成形温度は(表1)に示した。 (ディスク形基板の評価) 1)複屈折:精密歪計(東芝硝子製 SVP−30−I
I)を用いて、バビネ補正器型法により測定した結果を
(表1)に示した。 2)色相 :ASTM D−1925法に従って、イエ
ローネスインデックス(Y.I.)を測定した結果を
(表1)に示した。 3)ヘイズ、全光線透過率:ASTM D−1003法
に従って、ヘイズ、全光線透過率を測定した。
【0054】実施例2 製造例1で製造したポリカーボネート共重合体100重
量部、エチルジエチルホスホノアセテート0.01 重量
部、鉄粉0.00007重量部をヘンシェルミキサーに
て混合した後、単軸押出機(65mm)を用いて、樹脂
組成物のペレットを得た。このペレット中に含まれる鉄
の定量分析を行ったところ、鉄が1ppm含まれてい
た。このペレットを用いて実施例1と同様に評価を行っ
た。結果を(表1)に示した。
【0055】実施例3 実施例1において、エチルジエチルホスホノアセテート
の代わりに、トリフェニルホスフェートを使用する以外
は、実施例1に記載の方法と同様にして、ペレットを
得、同様に評価を行った。結果を(表1)に示した。
【0056】実施例4 実施例1において、エチルジエチルホスホノアセテート
の代わりに、トリメチルホスフェートを使用する以外
は、実施例1に記載の方法と同様にして、ペレットを
得、同様に評価を行った。結果を(表1)に示した。
【0057】比較例1 実施例1において、エチルジエチルホスホノアセテート
を使用しない以外は、実施例1に記載の方法と同様にし
て、ペレットを得、同様に評価を行った。結果を(表
1)に示した。
【0058】比較例2 実施例2において、エチルジエチルホスホノアセテート
を使用しない以外は、実施例2に記載の方法と同様にし
て、ペレットを得、同様に評価を行った。結果を(表
1)に示した。
【0059】比較例3 比較製造例1で製造したポリカーボネート100重量
部、エチルジエチルホスホノアセテート0.01重量部
を、ヘンシェルミキサーにて混合した後、単軸押出機
(65mm)にてペレットを得、同様に評価を行った。
このペレット中に含まれる金属の分析を行ったところ、
鉄が500ppb含まれていた。結果を(表1)に示し
た。
【0060】比較例4 比較製造例2で製造したポリカーボネート共重合体10
0重量部、エチルジエチルホスホノアセテート0.01
重量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した後、単軸押
出機(65mm)にてペレットを得、同様に評価を行っ
た。このペレット中に含まれる金属の分析を行ったとこ
ろ、鉄が400ppb含まれていた。結果を(表1)に
示した。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】ポリカーボネート共重合体と5価の有機
リン化合物を含む本発明の樹脂組成物は、溶融流動性に
優れており、得られる成形品は、機械物性、耐熱性等に
優れ、且つ、低複屈折性を有しており、さらに透明性、
色相の良好であるので、光ディスク基板、ピックアップ
レンズ、液晶セル用プラスチック基板、プリズム、光フ
ァイバーなどを代表とする光学部品に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 詫摩 啓輔 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CG011 CG021 CG031 EW046 FD070 GP01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1−a)および一般式(2
    −a)(化1)で表される繰り返し構造単位を含有して
    なるポリカーボネート共重合体と、該共重合体100重
    量部に対して、0.00005〜0.5重量部の5価の
    有機リン化合物を含有することを特徴とするポリカーボ
    ネート樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ
    基、ニトロ基あるいはハロゲン原子を表し、R2 および
    3 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表
    し、R4 はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基ま
    たはハロゲン原子を表し、kはそれぞれ独立に0〜3の
    整数を表し、lはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す)
  2. 【請求項2】 5価の有機リン化合物が、リン酸エステ
    ル化合物またはエチルジエチルホスホノアセテートであ
    る請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のポリカーボネ
    ート樹脂組成物を成形して得られる光学部品。
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