JP2001278857A - 高純度ピロリン誘導体およびその保管方法 - Google Patents

高純度ピロリン誘導体およびその保管方法

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JP2001278857A
JP2001278857A JP2001010033A JP2001010033A JP2001278857A JP 2001278857 A JP2001278857 A JP 2001278857A JP 2001010033 A JP2001010033 A JP 2001010033A JP 2001010033 A JP2001010033 A JP 2001010033A JP 2001278857 A JP2001278857 A JP 2001278857A
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Takae Ono
孝衛 大野
Haruyo Sato
治代 佐藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高純度のピロリン誘導体を安定に保管する。 【解決手段】一般式(1) (式中、R1は炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基
またはアラルキル基を示す。)で表されるピロール誘導
体の含有量が1重量%以下で、一般式(2) (式中、R1は炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基
またはアラルキル基を示す。)で表される高純度ピロリ
ン誘導体を酸素不在下で保管する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬や農薬の原料
として重要な高純度ピロリン誘導体、およびその保管方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピロリン誘導体の製造法として、シス−
2−ブテン−1,4−ジオール ジメシレートと1級ア
ミン類を反応させてピロリン誘導体を製造する方法(シ
ンセティック コミュニケーション (1990)、2
0巻、227頁)、シス−1,4−ジクロロ−2−ブテ
ンとベンジルアミンを反応させる製造法(シンセティッ
ク コミュニケーション (1983)、13巻、11
17頁)等が知られている。しかしながら、前記方法で
製造したピロリン誘導体にはピロール誘導体が含まれて
おり、ピロール誘導体含有量1重量%以下の高純度品は
知られていない。また、高純度ピロリン誘導体を30℃
程度の室温中で保管すると、着色したり不純物が副生し
てピロリン誘導体の化学純度は低下するが、保存安定化
法に関する従来技術は全く知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は高純度ピロ
リン誘導体、および高純度ピロリン誘導体を安定に保管
する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこれらの課
題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、ピロリン誘導体を単離・精製する際には酸素
不在の不活性ガス雰囲気で取扱い、精留することで高純
度ピロリン誘導体が得られることを見出した。更に、高
純度ピロリン誘導体を保管する際には、酸素不在の不活
性ガス雰囲気中で冷蔵保存すれば安定に保管できること
を見出し、上記課題を達成した。
【0005】すなわち、本発明は、「一般式(1)
【0006】
【化3】
【0007】(ここで、R1は炭素数1〜8のアルキル
基、芳香環が無置換または置換されているフェニル基、
芳香環が無置換または置換されているアラルキル基のい
ずれかを示す。)で表されるピロール誘導体の含有量が
1重量%以下であることを特徴とする一般式(2)
【0008】
【化4】
【0009】(ここで、R1は炭素数1〜8のアルキル
基、芳香環が無置換または置換されているフェニル基、
芳香環が無置換または置換されているアラルキル基のい
ずれかを示す。)で表される高純度ピロリン誘導体。」
および「上記記載ののピロリン誘導体を酸素不在下で保
管することを特徴とする高純度ピロリン誘導体の保管方
法。」である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のピロリン誘導体は、シス
−1,4−ジクロロ−2−ブテンと1級アミンを反応さ
せることで製造できる。ここで1級アミンとはメチルア
ミン、ブチルアミン等の炭素数が1〜8のアルキルアミ
ン類、芳香環が無置換または置換されているベンジルア
ミン、フェネチルアミン等のアラルキルアミン類、芳香
環が無置換または置換されているアニリン類が使用でき
るが、好ましくはエチルアミン、ベンジルアミン、アニ
リンである。
【0011】反応方法は如何なる方法でも構わないが、
反応後はピロリン誘導体を速やかに分離しておくことが
好ましい。また、蒸留精製する前の粗ピロリン誘導体を
保管する場合には酸素不在下で、冷蔵保管することが好
ましい。粗ピロリン誘導体を蒸留精製する際は、事前に
十分に脱気して系内の酸素濃度を低くしてから加熱・蒸
留する方法が好ましい。これらの操作をすることで、ピ
ロリン誘導体が不純化することを防止できる。
【0012】酸素不在下で精留することで、高純度ピロ
リン誘導体が得られる。
【0013】こうして得られた高純度ピロリン誘導体
は、一般式(1)
【0014】
【化5】
【0015】(ここで、R1は炭素数1〜8のアルキル
基、芳香環が無置換または置換されているフェニル基、
芳香環が無置換または置換されているアラルキル基のい
ずれかを示す。)で表されるピロール誘導体の含有量が
1重量%以下である。
【0016】かくして得られた高純度ピロリン誘導体を
安定に保管するには、酸素不在下条件で保管することが
必要である。さらに、低温で保管することでより安定に
保管することができる。ここで酸素不在下条件とは、ピ
ロリン誘導体の接触する気相雰囲気中の酸素濃度が1,
000ppm以下であることを意味するが、気相雰囲気
がピロリン誘導体であっても、不活性ガス雰囲気、例え
ば窒素、ヘリウム、アルゴン等のガスで希釈された気相
雰囲気中でも構わない。好ましくは酸素含有量が1,0
00ppm以下の不活性ガス雰囲気中であり、不活性ガ
スとしては窒素、ヘリウム、アルゴンガスが好ましい。
【0017】保管温度は高純度ピロリン誘導体を保管す
る期間、置換基R1の種類によっても異なるが、5℃以
下であれば実質的にピロリン誘導体を1ヶ月間保管して
もピロール誘導体の副生は殆ど認められない。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこの範囲に限定されるものではない。
なお、ここで使用した試薬類は工業グレード品である。
また、ピロリン誘導体の純度の低下は、ピロール誘導体
副生率で判定した。尚、ピロリン誘導体とピロール誘導
体の分析はGCで行った。
【0019】 カラム :NEUTRA BOND-1(NB-1) (ジーエルサイエンス社製) 0.25mmφ × 60m(膜厚0.4μ) カラム温度:130℃(10min) → 14℃/min → 270℃(10min) キャリア :He 250kPa 検出 :FID 実施例1 トルエン267g、シス−2−ブテン−1,4−ジオー
ル89.0g(1mol)及びピリジン19.8g(0.25m
ol)を仕込み、攪拌しながら塩化チオニル255.0g
(2.14mol)を反応液温度が10〜15℃を保つようなス
ピードで滴下した。排ガスはアルカリ水溶液を経由さ
せ、塩酸、亜硫酸ガス、過剰の塩化チオニルをトラップ
してから大気中に放出した。滴下終了後、反応液温度を
30〜35℃に保ちながら更に1時間熟成した。転化率
は約100%であった。次いで、10〜12kPaの微
減圧にて更に1時間攪拌して系中の塩酸、過剰の塩化チ
オニルを除去した。攪拌を止め、静置すると2層が分液
するので下層を分離した。
【0020】上層のトルエン層は392.0gであり、
シス−1,4−ジクロロ−2−ブテン(以下DCBと称
す)が100.1g含有されていた(収率80.1
%)。
【0021】ベンジルアミン258.0g(2.4mol)及
び、トルエン160gを30℃にて攪拌しながら、前記
DCB含有トルエン層392.0gを約30分で滴下し
た。この間、46wt%水酸化ナトリウム水溶液を滴下
し、水相のpHを10〜11に維持した。次いで、液温
を60℃まで昇温し、更にpHを10〜11に維持しな
がら3時間攪拌した。トルエン層には1−ベンジルピロ
リンが114.8g(収率90.0%)含有されてい
た。トルエン層を分離し、水洗してから濃縮した。濃縮
液をヘリパック充填塔(約6段)を装着した減圧蒸留
で、61〜64℃(266Pa)の留分として1−ベンジル
ピロリンを82.2g得た。化学純度は95.2%であ
った。得られた粗1−ベンジルピロリンに窒素ガスを吹
き込んで酸素を追い出し後、再度ヘリパック充填塔(約
6段)を装着した減圧蒸留で、62〜64℃(266Pa)
の留分として高純度1−ベンジルピロリンを得た。えら
れた高純度1−ベンジルピロリンのGCチャートを図1
に示す。
【0022】
【化6】
【0023】 沸点 62〜64℃/266Pa1 HNMR 3.5ppm(4H)、3.8ppm(2H)、 5.8ppm(2H)、7.2〜7.4ppm(5H)13 CNMR 59.6ppm、60.3ppm、126.7ppm 127.6ppm、128.1ppm、128.4ppm、 139.5ppm IR 3065cm-1、3027cm-1、2872cm-1、2782cm-1、 2361cm-1、1604cm-1、1494cm-1、1453cm-1、 1346cm-1、1338cm-1、1156cm-1、1127cm-1、 1010cm-1、851cm-1、742cm-1、699cm-1、 653cm-1 実施例2〜3 実施例1の高純度1−ベンジルピロリンを窒素雰囲気
下、所定温度で保管すれば、表1に示すとおり1−ベン
ジルピロリンに含まれるピロール誘導体は観測されなか
った。
【0024】
【表1】
【0025】比較例1〜2 実施例1の高純度1−ベンジルピロリンを大気条件下で
保管したところ、表2に示すように1−ベンジルピロリ
ンに含まれるピロール誘導体が増加した。
【0026】
【表2】
【0027】比較例3、実施例4 実施例1の高純度1−ベンジルピロリンを40℃の大気
雰囲気(比較例3)、40℃の窒素雰囲気(実施例4)
で保管したところ、表3に示すとおり比較例3では1−
ベンジルピロリンに含まれるピロール誘導体が増加し
た。
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ピロール誘導体の含有
率の低い高純度ピロリン誘導体が得られる。また、化学
的に不安定なピロリン誘導体を酸素不在下で保存するこ
とで高純度ピロリン誘導体が安定に保管できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた1−ベンジルピロリンのガ
スクロチャートを示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (ここで、R1は炭素数1〜8のアルキル基、芳香環が
    無置換または置換されているフェニル基、芳香環が無置
    換または置換されているアラルキル基のいずれかを示
    す。)で表されるピロール誘導体の含有量が1重量%以
    下であることを特徴とする一般式(2) 【化2】 (ここで、R1は炭素数1〜8のアルキル基、芳香環が
    無置換または置換されているフェニル基、芳香環が無置
    換または置換されているアラルキル基のいずれかを示
    す。)で表される高純度ピロリン誘導体。
  2. 【請求項2】請求項1記載のピロリン誘導体を酸素不在
    下で保管することを特徴とする高純度ピロリン誘導体の
    保管方法。
  3. 【請求項3】酸素濃度1、000ppm以下の不活性ガ
    ス雰囲気中で保管することを特徴とする請求項2記載の
    高純度ピロリン誘導体の保管方法。
  4. 【請求項4】保管温度が5℃以下であることを特徴とす
    る請求項2または3記載の高純度ピロリン誘導体の保管
    方法。
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Cited By (1)

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JP2010150211A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Toray Fine Chemicals Co Ltd 1−アラルキル−3−ピロリン化合物の製造法

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