JP2001278843A - 抽出によるハロゲン酢酸エステル−カルボニル化の反応混合物の後処理方法 - Google Patents

抽出によるハロゲン酢酸エステル−カルボニル化の反応混合物の後処理方法

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JP2001278843A
JP2001278843A JP2001047182A JP2001047182A JP2001278843A JP 2001278843 A JP2001278843 A JP 2001278843A JP 2001047182 A JP2001047182 A JP 2001047182A JP 2001047182 A JP2001047182 A JP 2001047182A JP 2001278843 A JP2001278843 A JP 2001278843A
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バウアー フランク
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/48Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン酢酸エステルのカルボニル化の反応
混合物の後処理方法を提供する。 【解決手段】 水相を抽出剤で抽出し、抽出物および有
機相を洗浄工程で処理し、遷移金属を沈殿させ、残りの
遷移金属痕跡を場合により選択的イオン交換体で除去
し、水溶液を酸性にし、加熱分解し、かつアルカリ金属
塩化物を蒸発晶出により回収する。 【効果】 電解ソーダ法における使用のために適切で、
改善された生成物収率および生成物品質を有する塩化ナ
トリウムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性の酸および酸
化剤と接触させ、引き続き相を分離し、その際、水相を
抽出剤で抽出し、抽出物および有機相を洗浄工程で処理
し、遷移金属を沈殿させ、さらに遷移金属痕跡を場合に
より選択的−イオン交換体で除去し、水溶液を酸性に
し、加熱分解の処理を行い、かつ蒸発晶出によりアルカ
リ金属塩化物が得られる、ハロゲン酢酸エステルのカル
ボニル化の反応混合物の後処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般式I:
【0003】
【化3】
【0004】[式中、RおよびRは相互に無関係に
1〜16個の炭素原子を有する非分枝鎖状もしくは分枝
鎖状の飽和もしくは不飽和炭化水素基、アリール基また
は場合により相互に無関係にアルキル基中に1〜6個の
炭素原子を有する1〜5個のアルキル基で置換されたア
リール基(アルキルアリール基)または場合により相互
に無関係にアルキル基中に1〜6個の炭素原子を有する
1〜5個のアルキル基で置換されたアラルキル基を表
す]のマロン酸ジエステルは特に医薬および農薬を製造
するために使用される所望の中間生成物である。
【0005】一般式Iの化合物、特にR、R=メチ
ルまたはエチルを有する低級エステルの製造は通常、シ
アン酢酸エステルのけん化および同時エステル化により
行うか、または遷移金属触媒の存在下に高めた圧力およ
び高めた温度で、一酸化炭素により一般式II:
【0006】
【化4】
【0007】[式中、Rは前記のものを表し、かつH
alはハロゲン原子を表す]のハロゲン酢酸エステル、
特にクロロ酢酸エステルのカルボニル化ならびに式R
OH[式中、Rは前記のものを表し、かつRと同じ
かもしくは異なっていてもよい]の一価のアルコールお
よび塩基性の薬剤、例えばアルカリ金属炭酸水素塩また
はアルカリ金属炭酸塩との反応により行う。塩基性の薬
剤としてナトリウム化合物が有利である。その際、炭酸
ナトリウムは殊に有利に使用される(いわゆるソーダ法
(Sodaverfahren))。
【0008】一般式Iの化合物をカルボニル化により製
造する際に、気体状(一酸化炭素、二酸化炭素)、液状
(アルコール、主として一般式Iの化合物)および固体
(アルカリ金属ハロゲン化物、マロン酸のアルカリ塩お
よび場合によりマロン酸半エステルのアルカリ塩)の成
分からなる極めて複雑な反応混合物が生じる。
【0009】前記の反応混合物の経済的に魅力的な後処
理の第一の目標はもちろん、一般式Iの所望の化合物の
できる限り高い収率の達成である。しかしそれ以外に生
態学的な理由から、生じる塩および遷移金属、例えばジ
コバルトオクタカルボニルの形で触媒として使用される
コバルトをできる限り再使用できるようにすることが重
要である。経済的な理由もまたできる限り完全な塩負荷
(Salzfracht)ならびに遷移金属の再使用を支持する。と
いうのもこうして廃棄物処理のコストを低下できるから
である。
【0010】実質的に2つの原則的な後処理方法が公知
である:一方では反応混合物の揮発性成分を、場合によ
り熱的に、もしくは酸化により残留触媒を分解するため
の予備処理を行った後で、蒸発により塩状の残留物を除
去することができる。次いで分留により目的生成物をさ
らに単離し、その一方で遷移金属の回収は、次いで蒸発
残留物の後処理を必要とする。
【0011】しかし実地では前記の方法の場合、保護的
な蒸留条件下でさえ、つまり薄層蒸発器を使用し、かつ
真空下で運転する場合でさえ、著しい量のタール状分解
生成物が形成されることが判明した。該生成物は錯形成
により、通常、塩状の残留物を水性の酸に溶解させ、か
つ引き続き適切な沈殿試薬を添加することにより行われ
る遷移金属の回収を困難にする。さらに前記の分解生成
物は、その他の方法、例えば電解ソーダ法(クロロアル
カリ電解(Chloralkalielektrolyse))において再使用が
可能な形での塩負荷、通常は塩化ナトリウムの容易な単
離を妨げる。これは存在する有機不純物および錯化した
重金属により敏感に妨げられる。
【0012】上記の方法の一般的な欠点はさらに、低沸
点物質および式Iの目的生成物を分離するための蒸発工
程にかかる高い装置的コストにみることができる。つま
りこの方法工程のために著しい投資コストおよびメンテ
ナンスコストが生じる。
【0013】反応混合物の後処理の第二の可能性はJP
60−033376号に記載されている。該明細書によ
れば反応混合物を水性の酸と接触させ、その際、有機相
および水相が形成される。水相は溶解した遷移金属、例
えばコバルトを含有しており、これはアルカリ金属水酸
化物を用いた沈殿により回収することができる。次いで
有機相の蒸留により目的生成物の単離を行う。しかし反
応混合物の水性の後処理の前記の方法は、上記の目標設
定に関していくつかの顕著な欠点を有している。
【0014】まずここで必要とされている水性の酸との
接触による触媒の分解が挙げられる。例えばクロロ酢酸
エステル−カルボニル化の反応混合物を過剰量の水性の
酸へ導入する際に5時間にわたる強力な混合の後でさえ
まだ著しい量の活性な触媒が有機相中に溶解していたこ
とが判明した。次いでその後の蒸留による生成物の単離
により確かに一般式Iの化合物を無色の液体の形で得る
ことができるが、しかしこれは貯蔵安定性ではない。従
って数ヶ月後には、特に一般式Iの化合物をスチール容
器に貯蔵した場合には、認容することができない帯褐色
の変色が生じる。その際、褐色の変色の度合いは一義的
にこうして単離した一般式Iの化合物中に検出される例
えばコバルトの痕跡に相関する。
【0015】これに対して充分に定量的な触媒の分解は
自体公知の方法により酸素を含有する気体を場合により
温度を高めた反応混合物へ導入することにより行うこと
ができる。この場合、原則的に反応混合物にすでに水性
の酸が添加されているかどうかは重要ではない。しかし
一般式Iの化合物の可能なけん化をできる限り排除する
ために、触媒の酸化分解を酸素含有ガスを用いた処理に
より反応混合物と水性の酸との接触前に実施することが
考えられる。
【0016】これに対して反応混合物の水性の後処理の
範囲内で触媒を分解するための特に信頼性のある迅速か
つ定量的な方法として、酸化剤、例えば次亜塩素酸ナト
リウムまたは過酸化水素をすでに水性の酸を添加した反
応混合物に添加する方法が判明した。その際、特に有利
には酸化剤を水溶液の形で反応搬出物と水性の酸とから
なる混合物に添加する。酸化プロセスの速度はpH値に
著しく依存するので、触媒の分解中のpH値をpH=1
〜6、有利には3〜5に調整することが有利であること
が証明された。この条件下で分解反応は室温で通常、明
らかに60分未満を要する。
【0017】前記の方法の特別な利点は低い引火点を有
する(例えばメタノールは11℃)蒸気と酸素との混
合、つまり爆発性の雰囲気の形成を排除することにみら
れる。さらに必要とされる酸化剤の量を容易な方法で変
更することができ、かつこうして実地で観察される活性
な残留触媒の濃度の変化に適合させることができる。
【0018】JP60−033376号で請求されてい
る後処理方法のもう1つの欠点は、特に一般式I、有利
にはR、R=メチルまたはエチルの一般式Iの化合
物の不十分な収率の達成にみることができる。前記のマ
ロン酸ジエステルは明らかな水溶性を有している。その
水溶性は例えば特に重要なマロン酸ジメチルエステルの
場合、130g/kgである。
【0019】水相中での前記のエステルの溶解度はさら
に少なくとも部分的に水相中に溶解しているアルコール
により高められる。特に短鎖のアルコール、例えばメタ
ノールおよびエタノールはこの場合、再び溶解補助剤(L
oesevermittler)として作用する。
【0020】水相中での一般式Iの化合物の溶解度は確
かにアルコール過剰量の予備的な留去により減少させる
ことができる(例えばJP62−108842号を参照
のこと)が、しかし該方法では、経済的に特に魅力的な
いわゆるソーダ法の場合、目的生成物のけん化による収
率の損失が生じる。反応混合物はこの場合、触媒の安定
化のために必要とされる過剰量のアルカリ以外に、カル
ボニル化反応および一価アルコールとの反応の間に形成
される水を含有している。アルコールの留去の際にも化
合物Iの縮合生成物が形成され、このことによりさらな
る収率の損失が生じる。少なくとも形成されるけん化生
成物はJP62−108842号で請求されている方法
の場合、水相中に残留し、かつこのことにより塩、通常
は塩化ナトリウムを、特に電解ソーダ法のために適切
な、再使用可能な形で単離することが著しく困難にな
る。
【0021】最終的にアルコールの留去の際に生じる懸
濁液のハンドリングは極めて高い固体含有率のために問
題がないわけではない。
【0022】しかし一般式Iの化合物ならびに抽出可能
な副生成物の不完全な抽出は、達成可能な収率に関する
以外に著しい欠点を有する。水相中に残留する著しい量
の目的生成物により、最終的に触媒の除去ならびに塩水
の蒸発後に不純物を含む塩もしくは塩混合物が生じる。
しかしカルボニル化反応の際に化学量論的な量で、つま
り実地では極めて大量に生じる塩は経済的な理由からも
生態学的な理由からも増大する廃棄物処理の問題をもた
らす。従って特に塩化ナトリウムの発生および電解ソー
ダ法におけるその可能な利用の場合、JP60−033
376号による方法は適切ではない。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題は
上記の欠点を有していないハロゲン酢酸エステル−カル
ボニル化の反応混合物の後処理方法を提供することであ
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】ところで意外なことに、
ハロゲン酢酸エステル、特にクロロ酢酸エステルのカル
ボニル化の反応混合物を水性の酸、特に塩酸と接触さ
せ、定義されたpH値、有利には1〜6のpH値範囲
で、なお存在する残留触媒割合、有利には過酸化水素も
しくは次亜塩素酸ナトリウムを用いて酸化分解し、引き
続き相分離することにより、ならびに適切な抽出剤を用
いて水相を不連続的もしくは連続的に抽出して処理する
ことにより、水銀法(Amalgamverfahren)による電解ソー
ダ法において使用するためにも適切な塩化ナトリウム
が、改善された生成物収率および生成物品質と同時に得
られることが判明した。
【0025】従って本発明は一般式II:
【0026】
【化5】
【0027】のハロゲン酢酸エステルのカルボニル化お
よび遷移金属触媒の存在下に式ROHの一価のアルコ
ール、塩基性の薬剤および一酸化炭素との反応の反応混
合物を水性の酸および酸化剤と接触させ、引き続き相を
分離することにより後処理する方法において、得られる
水相を抽出し、かつ合した有機抽出物ならびに分離した
有機相を洗浄工程で処理し、その際、得られる有機相か
ら式I:
【0028】
【化6】
【0029】[上記式中、RおよびRは相互に無関
係に1〜16個、有利には1〜6個の炭素原子を有する
非分枝鎖状もしくは分枝鎖状の飽和もしくは不飽和炭化
水素基、アリール基または場合により相互に無関係にア
ルキル基中に1〜6個の炭素原子を有する1〜5個のア
ルキル基で置換されたアリール基(アルキルアリール
基)または場合により相互に無関係にアルキル基中に1
〜6個の炭素原子を有する1〜5個のアルキル基で置換
されたアラルキル基を表し、かつHalはハロゲン原子
を表す]の目的生成物を単離し、かつ得られる水相から
その中に含有されている遷移金属を難溶性の水酸化物ま
たは炭酸塩として単離し、引き続き残留する痕跡量の遷
移金属を除去し、かつ次いで得られる溶液を、引き続き
酸性の環境で加熱分解を行うか、もしくは行わずに、含
有されているアルカリ金属塩化物の回収のためのpH値
<7で標準圧力または減圧下に蒸発晶出により処理する
ことを特徴とする、ハロゲン酢酸エステルのカルボニル
化の反応混合物の後処理方法に関する。アリール基とし
てフェニル基およびアラルキル基として特にベンジル
基、フェニルエチル基およびフェニルプロピル基が挙げ
られる。
【0030】その際、水相の連続的な抽出を有利にはパ
ルス多孔板塔の使用下に行う。この場合、認容可能な相
挙動のための前提は1.0〜6.0、有利には2.0〜
5.0、特に有利には3.0〜4.0の水相のpH値で
ある。抽出剤として脂肪族炭化水素、有利には5〜12
個の炭素原子を有するもの、芳香族炭化水素、特にトル
エン、およびエーテル、有利には5〜12個の炭素原子
を有するもの、例えばメチル−t−ブチルエーテルを使
用することができる。
【0031】一般式Iの化合物の特に高い収率は、一般
的な抽出コストでは、カルボニル化の反応混合物にすで
に適切な抽出剤が添加されている場合、および/または
抽出剤を反応混合物と水性の酸との接触前もしくは接触
中に添加する場合に達成される。
【0032】記載の方法で一般式Iの化合物を貯蔵安定
性の形で得るために、分離した有機相および抽出物を酸
痕跡の除去のために場合によりアルカリ性に調整した水
を用いて洗浄工程で処理しなくてはならない。この洗浄
工程は充分な量の抽出剤の存在下で同様に不連続的にま
たは有利には連続的に、有利にはパルス多孔板塔を使用
して行うことができることが判明した。
【0033】従って抽出工程は特に有利な方法では、ハ
ロゲン酢酸エステルのカルボニル化の反応混合物と水性
の酸との接触のために、つまり塩の溶解ために、一般式
Iの化合物で負荷された洗浄水を充分な量の酸と一緒に
使用するようにして実施する。この方法で一般式Iの化
合物の損失を防止できるのみではなく、必要とされる水
量を低く保持し、ひいては装置コストおよび、塩の回収
に関して、蒸発コストを低下させることができる。
【0034】相の比率の適切な選択により記載の抽出方
法を一般式Iの種々の化合物の抽出に適合させて、最終
的に残留する水相の一般式Iの化合物の含有率が0.1
g/lより小さくなるように行う。
【0035】こうして水相からの一般式Iの化合物の充
分な除去ならびにこれと並行する、形成された副生成物
のできる限り可能な分離は、溶解した遷移金属および溶
解したアルコール、特にアルカノールの回収のみではな
く、再使用可能な形で生じる塩の回収もまた可能にす
る。
【0036】このために有利には水相にまず適切な沈殿
試薬、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは
炭酸水素ナトリウムを添加し、溶解した遷移金属を不溶
性の形に変え、かつ自体公知の方法で分離する。引き続
き溶解した一般式ROHの低沸点アルコール、特にア
ルカノールを留去することができ、その際、蒸留を有利
にはアルカリ性もしくは中性の環境中で実施して、例え
ば塩酸水溶液を適用する際の一般式RClの化合物の
形成を回避する。こうして得られた塩水中になお含有さ
れている遷移金属、特にコバルトを次いで自体公知の方
法で適切なイオン交換体、例えば商品名TP207を有
するバイエル社の選択的なイオン交換体で分離する。
【0037】生じる洗浄液および生成液はこの場合、ハ
ロゲン酢酸エステル−カルボニル化の反応混合物と水性
の酸との接触のために問題なく使用することができる。
最終的に残留する塩水は、場合によりなお一般式R
Hの高沸点のアルコールを含有しており、該塩水から完
全な蒸発または有利には蒸発晶出により含有されている
塩もしくは塩混合物を、数多くのプロセスにおけるその
再使用が可能となる形で単離することができる。
【0038】しかし遷移金属、アルコールおよび塩もし
くは塩混合物の回収のための上記の工程は必ずしも記載
の順序で実施する必要はない。従って例えばコバルトの
分離は一般式ROHのアルコールの留去後でも行うこ
とができる。特に前記の順序は遷移金属、アルコールお
よび塩もしくは塩混合物の連続的な回収を容易にする。
【0039】本発明による方法によれば塩混合物ではな
く純粋な塩の回収は、反応試薬の適切な選択により問題
なく可能である。従って例えば経済的に特に重要な前記
のソーダ法のためには塩酸および沈殿試薬、例えば水酸
化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの使用下での後処理
が有利である。
【0040】ところで本発明による方法により蒸発晶出
により回収された塩化ナトリウムは著しい純度を有する
ことが判明した。それどころか得られた塩の品質は水銀
法による電解ソーダ法における塩の使用も可能にする。
その際、最小の、つまり10%未満の排出速度を甘受し
なくてはならない。排出生成物として特に酢酸およびマ
ロン酸のナトリウム塩が生じる。
【0041】塩化ナトリウムの回収の際に、塩水を予め
酸性にし、かつ残留する有機不純物を70〜300℃、
有利には130〜180℃に加熱することにより完全
に、または部分的に分解する場合、完全な蒸発のため蒸
発晶出を省略することができる。蒸発はこの場合、有利
には1〜7の低いpH値、特に有利には2〜5のpH値
で実施する。
【0042】遷移金属触媒として、コバルト、ルテニウ
ム、パラジウムおよび白金により形成される群から選択
される遷移金属を含有する遷移金属錯体または遷移金属
錯塩を使用することができる。遷移金属としてコバルト
が有利である。コバルト錯体または錯塩として、有利に
はジコバルトオクタカルボニルおよびここから生成可能
な種、例えばコバルトカルボニル水素のアルカリ塩、特
にナトリウム塩を使用する。
【0043】
【実施例】以下の例は本発明による方法を詳細に説明す
るが、しかしその適用範囲を制限するものではない。
【0044】例1:(比較例) クロロ酢酸メチルエステル(5.0モル)のカルボニル
化の反応混合物をジコバルトオクタカルボニルの存在下
に撹拌下で完全脱塩水(VE水)1050gへ導入し
た。引き続き水相のpH値が3.5になるまで塩酸を滴
加した。20%のH溶液15gの供給後に、濃塩
酸を用いて(全使用量:37%HCl 69.0g)p
H値を3.5に後調整しながら該混合物を室温で30分
間攪拌した。引き続き有機相を分離した。合計100g
の完全脱塩水(VE水)を用いてこの相を分離した後
で、分留によりガスクロマトグラフィーにより測定した
純度99.8面積%(水素炎イオン化検出器)を有する
マロン酸ジメチルエステル609.9g(理論値の9
2.1%)が得られた。該材料は1年間にわたって色安
定性であることが判明した。水相を水酸化ナトリウム溶
液を用いてpH値12.0に調整し、かつ生じた沈殿物
を濾別した。引き続き水相中に含有されているメタノー
ルを標準圧力で60cmの充填塔を介して完全に留去し
た。残留した塩水を濃塩酸を用いてpH値5.0に調整
し、かつ溶解したコバルト痕跡をバイエル社のキレート
形成性の選択的イオン交換体TP207の使用下に除去
した。最終的に該塩水を水酸化ナトリウム溶液で中和
し、かつ完全に濃縮乾固した。
【0045】得られた塩化ナトリウムは帯黄色の変色を
示し、かつTOC(全有機炭素(Total Organic Carbo
n))として測定して10000ppmを上回る有機不純
物含有率により電解における使用にとって不適切であ
る。
【0046】例2:(比較例) 例1においてと同様に実施したが、しかし最終的に得ら
れた塩水を蒸発乾固させずに、分別晶出により塩化ナト
リウムを単離し、その際、約10%の母液を排出した。
TOC 1124ppmによりこの塩もまた電解におけ
る使用にとって不適切であった。
【0047】例3(比較例) 例1においてと同様に実施したが、しかし付加的に合成
300gのトルエンを使用して水相を3回抽出した。例
1に記載されているように水相を後処理することにより
TOC 425ppmを有する塩化ナトリウムが得られ
た。この塩は電解における使用にとって不適切であっ
た。
【0048】例4:(本発明による) 例1と同様に実施した。しかし有機相の分離後に生じた
水相を本発明によりパルス多孔板塔の使用下に連続的に
トルエンで抽出した(相の比率:1:1)。ラフィネー
トから、例1に記載されているように、コバルトおよび
メタノールを除去した。引き続き蒸発晶出(pH=7.
0;排出速度:10%)の際にTOC89ppmを有す
る無色の塩化ナトリウムが得られ、これは水銀法(アマ
ルガム試験)による電解ソーダ法における使用にとって
適切であった。
【0049】有機相の後処理を例1においてと同様に行
った。ガスクロマトグラフィーにより測定した純度9
9.8面積%を有する色安定性のマロン酸ジメチルエス
テルが理論値の92.3%得られた。
【0050】例5:(本発明による) 例4においてと同様に実施したが、しかし乾固するまで
塩水の蒸発を行った。こうして得られた塩化ナトリウム
は無色で、かつ225ppmのTOCを有していた(ア
マルガム試験に適切)。
【0051】例6:(本発明による) 例4においてと同様に実施したが、しかし蒸発乾固の前
にpH値2.0に調整した塩水をその後130℃で2時
間加熱分解した。その後の蒸発乾固の際に143ppm
のTOCを有する無色の塩化ナトリウムが得られた(ア
マルガム試験に適切)。
【0052】例7:(比較例) 例1においてと同様に実施したが、しかしH溶液
を使用した触媒の酸化分解を断念した。単離したマロン
酸ジメチルエステルはスチール容器中で数ヶ月貯蔵後に
帯褐色の変色を示した。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素を用いた、一般式II: 【化1】 のハロゲン酢酸エステルのカルボニル化ならびに遷移金
    属触媒の存在下での式R OHの一価のアルコールおよ
    び塩基性の薬剤との反応の反応混合物を、水性の酸およ
    び酸化剤と接触させ、引き続き相を分離することにより
    後処理する方法において、生じる水相を抽出し、かつ合
    した有機抽出物ならびに分離した有機相を洗浄工程で処
    理し、その際、生じる有機相から式I: 【化2】 [上記式中、RおよびRは相互に無関係に1〜16
    個の炭素原子を有する非分枝鎖状もしくは分枝鎖状の飽
    和もしくは不飽和炭化水素基、アリール基または相互に
    無関係にアルキル基中に1〜6個の炭素原子を有する1
    〜5個のアルキル基で置換されていてもよいアリール基
    (アルキルアリール基)または相互に無関係にアルキル
    基中に1〜6個の炭素原子を有する1〜5個のアルキル
    基で置換されていてもよいアラルキル基を表し、かつH
    alはハロゲン原子を表す]の目的生成物を単離し、か
    つ生じる水相からその中に含有されている遷移金属を難
    溶性の水酸化物または炭酸塩として単離し、引き続き痕
    跡量の遷移金属残留物を除去し、かつ次いで生じる溶液
    を、引き続き酸性の環境で加熱分解を行うか、もしくは
    行わずに、含有されているアルカリ金属ハロゲン化物の
    回収のためにpH値<7で標準圧力または減圧下に蒸発
    晶出処理することを特徴とする、抽出によるハロゲン酢
    酸エステルのカルボニル化の反応混合物の後処理方法。
  2. 【請求項2】 水性の酸として塩酸を使用する、請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 水性の酸化剤として次亜塩素酸ナトリウ
    ム溶液または過酸化水素の溶液を使用する、請求項1ま
    たは2記載の方法。
  4. 【請求項4】 カルボニル化触媒の酸化分解を1〜6の
    pH範囲で行う、請求項1または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 抽出を不連続的に行う、請求項1記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 抽出を連続的に行う、請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 抽出剤としてトルエンを使用する、請求
    項1、5または6記載の方法。
  8. 【請求項8】 洗浄工程のために中性の水または塩基を
    添加した水を使用し、かつ生じる水性抽出物を反応混合
    物と水性の酸との接触のために使用する、請求項1記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 洗浄工程を不連続的に行う、請求項1ま
    たは8記載の方法。
  10. 【請求項10】 洗浄工程を連続的に行う、請求項1ま
    たは8記載の方法。
  11. 【請求項11】 反応混合物にすでに反応の前もしくは
    反応中にトルエンを添加し、および/または反応器の搬
    出物と水性の酸との接触前もしくは接触中にトルエンを
    添加する、請求項1から10までのいずれか1項記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 不連続的もしくは連続的な抽出を水相
    のpH値1.0〜6.0で実施する、請求項1から11
    までのいずれか1項記載の方法。
  13. 【請求項13】 一般式Iの化合物の連続的な抽出を1
    つ以上のパルス多孔板塔を使用して行う、請求項1から
    12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 【請求項14】 洗浄工程を1つ以上のパルス多孔板塔
    を使用して行う、請求項1から13までのいずれか1項
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 適切な沈殿剤により遷移金属を沈殿さ
    せた後で蒸留により水相から含有されているアルコール
    を除去し、かつ塩水中にまだ含有されている遷移金属の
    除去をイオン交換体により行うか、または行わずに蒸発
    処理を行う、請求項1から14までのいずれか1項記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 沈殿剤として水酸化ナトリウム、炭酸
    ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムを使用する、請求
    項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 塩水中に残留している有機不純物を酸
    性化および70〜300℃への加熱により分解するか、
    もしくは揮発性の化合物に変える、請求項1から16ま
    でのいずれか1項記載の方法。
  18. 【請求項18】 ハロゲン酢酸エステルとしてクロロ酢
    酸エステルを使用する、請求項1から17までのいずれ
    か1項記載の方法。
  19. 【請求項19】 生じる塩が塩化ナトリウムであり、か
    つこれを水銀法による電解ソーダ法における使用材料と
    して使用する、請求項1から18までのいずれか1項記
    載の方法。
  20. 【請求項20】 遷移金属がコバルトである、請求項1
    記載の方法。
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