JP2001278615A - 球状シリカの製造方法 - Google Patents

球状シリカの製造方法

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JP2001278615A JP2000096229A JP2000096229A JP2001278615A JP 2001278615 A JP2001278615 A JP 2001278615A JP 2000096229 A JP2000096229 A JP 2000096229A JP 2000096229 A JP2000096229 A JP 2000096229A JP 2001278615 A JP2001278615 A JP 2001278615A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】厳密に制御された粒度分布と粒径とを有する球
状シリカを製造する方法を提供する。 【解決手段】水及び疎水性有機溶媒からなるW/O型乳
化系においてアルコキシポリシロキサンを親水性有機溶
媒の存在下で加水分解縮合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球状シリカの製造
方法に関し、本発明により得られる球状シリカは樹脂成
形用充填剤、特に半導体封止剤に適したものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の高密度化に伴
い、電子部品のパッケージも小型化、薄型化が進むと共
に、BGA,フリップチップなどと呼ばれる新しい構造
のパッケージの開発が進んでいる。このため、薄い樹脂
層でチップを保護したり、基板と接着させるなどの機能
が求められるようになり、封止剤の品質に対する要求は
ますます厳しくなっている。
【0003】かかる要求としては、まず耐熱応力性が挙
げられる。すなわち、シリコンチップと封止剤それぞれ
の熱膨張率の差によって熱応力が生じるため、熱応力を
可及的に小さくすることが求められる。そこで、封止剤
の熱膨張率をシリコンチップのそれにできるだけ近づけ
るために、熱膨張率の小さいシリカを充填材としてでき
るだけ多く樹脂に加える方法が採用されている。
【0004】充填材シリカとして、従来は粉砕して製造
された形状が不規則で鋭い角を有する破砕体シリカが広
く用いられていた。しかし、このような破砕体シリカの
充填率の高い封止剤はその粘度が高まって成形時の流動
性が悪化し、所定の特性を有する均質なパッケージが得
られなくなる。また、鋭い角を有する破砕体シリカは、
成形用金型を摩耗させるとともに、アルミ配線やワイヤ
配線を傷つける恐れがある。このようなことから、封止
剤用成形材料の流動性を低下させることが少ない、鋭い
角のない球状シリカを封止剤の充填材として使用するこ
とが種々提案された。
【0005】従来、かかる封止剤用充填材として用いら
れる球状シリカの製造方法としては、以下の方法が提案
されている。 1)天然あるいは合成シリカの破砕体を火炎中で溶融す
る方法 2)アルキルシリケートを加水分解して得られたゾル状
溶液を加熱媒体中に噴霧して乾燥造粒し、次いで火炎中
で溶融する方法 3)アルキルシリケートを加水分解して得られた部分重
合体ゾルからアルコールを除去した後、これを水に分散
させることにより得られたシリカゾルを焼成する方法
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術のう
ち、1)及び2)及びそれに類する方法では、その製造
方法から必然的にシリカは溶融するほどの高温にさらさ
れるため、シラノール基は実質上存在し得なかった。ま
た、3)あるいはそれに類する製法においても、焼結体
の強度を上げ、不純物等の溶出を抑え、吸湿性をなくす
ために、やはり高温で焼成されるのが普通であり、シラ
ノール基は実質上存在し得なかった。しかし、シラノー
ル基が消失するほどの高温で焼成されたシリカは表面活
性が低いため、樹脂とのなじみが悪く接着強度が劣り、
パッケージの割れの原因となりやすいという問題や、粉
体が凝集し易く、樹脂に配合したときの分散が悪いと
か、シランカップリング剤を作用させたとしても、シリ
カ表面にカップリング剤と反応できるシラノール基がな
いため、その効果が不十分であるなどの問題があった。
【0007】3)の製造方法の改良法として、テトラア
ルコキシシランを部分加水分解した混合溶液を、油性媒
体中に添加して乳化させ、テトラアルコキシシランの縮
合を進めて球状シリカを合成する方法が知られている
(例えば、特開平1−145318号公報)。この方法
は、原料に高純度のテトラアルコキシシランを用いるこ
とにより、高温で焼成しなくても不純物の溶出の問題は
なかったが、粒度分布が広く、また、粒径の再現性が得
られないという欠点があった。
【0008】その原因は、この方法では部分加水分解が
進行中の混合溶液と言う、組成の定まらない原料を直接
油性媒体中に投入して乳化させるため、たとえ乳化条件
を厳密に規定したとしても、液滴側の組成、粘度等が定
まらないために粗大粒子や微小粒子が生成して粒度分布
が広くなり、また、ロット間での粒径の再現性を得るこ
とが困難だった。本発明は、シラノール基を有し、かつ
今までには実現困難だった厳密に制御された粒度分布と
粒径とを有する球状シリカを製造する方法を提供するも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、水と有機溶媒を含む乳化系中にメトキシポリ
シロキサンと親水性有機溶媒を投入する製造方法によ
り、粒径および粒度分布が厳密に制御された球状シリカ
を再現性良く得ることができることを知り、本発明を完
成するにいたった。即ち、本発明は、水及び疎水性有機
溶媒からなるW/O型乳化系においてアルコキシポリシ
ロキサンを親水性有機溶媒の存在下で加水分解縮合させ
ることを特徴とする球状シリカの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】○W/O型乳化系 本発明における乳化系は、疎水性有機溶媒からなるマト
リックス中に水が乳化したW/O型である。疎水性有機
溶媒は、水と相溶しないものであればよい。好ましい疎
水性有機溶媒は、アルコキシポリシロキサンの加水分解
反応で副生するアルコールより沸点が高いものである。
例えば、脂肪族炭化水素系のものとしてドデカン(沸
点:216℃)等があり、芳香族炭化水素系のものとし
てベンゼン(沸点:80℃)、トルエン(沸点:111
℃)、キシレン(沸点:138〜144℃)、ドデシル
ベンゼン(沸点:350℃)等があり、ハロゲン系のも
のとしてトリクロロエチレン(沸点:87℃)、テトラ
クロロエチレン(沸点:121℃)等がある。これらの
中から選ばれる少なくとも1種類を使用することが好ま
しい。
【0011】水と疎水性有機溶媒からなるW/O型乳化
液の調製に際しては、乳化剤を用いることができる。好
ましい乳化剤としては以下のものがある。すなわち、ソ
ルビタン脂肪酸エステル系のものとしてソルビタンモノ
ラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタン
モノステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタ
ントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキ
シエチレン、ソルビタン脂肪酸エステル系のものとして
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチ
レンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタ
ントリオレート等、ポリオキシエチレン高級アルコール
エーテル系のものとしてポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキ
シエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオ
レイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
等、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系のものとして
はポリオキシエチレングリコールモノラウレート、ポリ
オキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレン
ジステアレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポ
リオキシエチレンジオレート等、グリセリン脂肪酸エス
テル系のものとしてステアリン酸モノグリセリド、オレ
イン酸モノグリセリドなど、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル系のものとしてはジステアリン酸トリグリセリド、
ジオレイン酸トリグリセリド、トリステアリン酸デカグ
リセリド、トリオレイン酸デカグリセリド等の非イオン
性界面活性剤があり、また、アルキルベンゼンスルホン
酸やアエロジルOTなどのアニオン系界面活性剤も好ま
しく用いられる。これらの中から選ばれる少なくとも1
種、あるいは複数を使用するのが好ましい。
【0012】○乳化系の調製方法 乳化液における水の量はアルコキシポリシロキサンの加
水分解と縮合を行うのに必要な量、すなわち、アルコキ
シポリシロキサンにおけるアルコキシド基と当量以上で
あることが好ましい。乳化剤を加える場合の添加量は目
的とする球状シリカの粒径に応じて適宜調整すればよ
く、好ましくは水に対する濃度が0.1〜5重量%とな
るように調整する。疎水性有機溶媒と水との割合はW/
O型乳化系を形成できる範囲であれば、特に制限はな
い。例えば、特開平1−145318号公報に開示され
ているような、触媒や副生アルコール等を含んだままの
アルコキシシラン部分加水分解混合物を疎水性有機溶媒
に混合した後に始めて乳化させる方法では、部分加水分
解混合物のほんの少しの縮合度の差によって液滴の粘度
が変わり、乳化系の粒度分布が大きく変動するのに対し
て、本発明では、水/油系の均一な乳化系をあらかじめ
作っておき、投入したアルコキシポリシロキサンをミセ
ル中に取り込ませた後に縮合を進めることによって、均
一な粒度分布の球状シリカを得ることができる。
【0013】○アルコシキポリシロキサン アルコキシポリシロキサンとしては特に制限はないが、
加水分解時に副生するアルコールを反応系外へ容易に除
去できる観点から副生アルコールの沸点が水の沸点より
低いものがよい。好ましいアルコキシポリシロキサン
は、例えば、メトキシポリシロキサン、エトキシポリシ
ロキサン、イソプロポキシポリシロキサン等の低級アル
コキシポリシロキサンであり、これらの中から選ばれる
少なくとも1種を使用するのが好ましい。例えば、特開
平1−145318号公報に開示されているような、触
媒や副生アルコール等を含んだままのアルコキシシラン
部分加水分解混合物を用いる方法との差は、アルコキシ
ポリシロキサンとして単離されたものを原料として用い
る点にあり、この事によって、ロット間の粒径の再現性
を容易に得ることができる。
【0014】○親水性有機溶媒 本発明における親水性有機溶媒は、水およびアルコキシ
ポリシロキサンと相溶性があるので、W/O型乳化系に
添加すると、水滴相に移動し易い性質がある。この性質
により、アルコキシポリシロキサンの加水分解・縮合反
応が起こる水滴相の粘度を適切に調節することができ、
その結果水滴相で生成する粒子の形状を所望に応じて制
御できる。好ましい親水性有機溶媒の濃度は、アルコキ
シポリシロキサン100重量部当たりの含有割合が5〜
120重量部(以下、部と略す)であり、より好ましく
は25〜90部であり、更に好ましくは30〜65部で
ある。アルコシキポリシロキサンのみでは液滴粘度が高
すぎるため、攪拌によってミセルが紡錘状に変形し易
く、得られるシリカゲルも棒状になる。逆に、親水性有
機溶媒の添加量が多すぎると球状シリカは得られるもの
の、膨潤ゲル同士の凝集付着が起き易くなり、単独粒子
が得難くなる。親水性有機溶媒の具体例としては、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホシ
ファミドなどが挙げられるが、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等の炭素数5以下の低級アルキル
アルコールは比較的毒性も少なく、工業的に安価で利用
できるので好ましい。
【0015】○アルコキシポリシロキサンの加水分解と
縮合 アルコキシポリシロキサンはW/O型乳化系における水
により容易に加水分解と縮合反応を起こすが、乳化系に
触媒として酢酸等の酸やアンモニア等の塩基を適宜添加
して加水分解と縮合反応を促進させることができる。好
ましい反応温度は室温〜200℃であり、一定温度で反
応させたり、徐々に昇温したりあるいは降温したりなど
の温度変化をさせて反応させることもできるが、通常は
縮合反応の進行に合わせて徐々に反応温度を上げていく
方法が異常粒子の発生を抑えて、反応時間を短くするこ
とができ、効率的である。好ましい反応時間は1〜10
時間である。加水分解と縮合により、乳化液中で球状シ
リカが生成し、乳化液はスラリー状となる。
【0016】○後処理 上記のようにして得られたスラリーをそのまま、後述す
る焼成工程で処理しても良いが、生成物の純度や製造効
率を高めたりする目的で、スラリーの分離洗浄および乾
燥を行うことが好ましい。例えば、スラリーをろ過した
後、アルコールやアセトン等、合成に使用した有機溶媒
を溶解する溶剤で繰り返し洗浄することにより、乳化液
に使用した有機溶剤や乳化剤を除去することができる。
なお、後述の焼成により有機分はほとんど揮発、分解さ
れるため、上記の分解洗浄を省くことも可能である。
【0017】上記のようにして得た球状シリカを焼成す
ることにより、球状シリカのシラノール基の量を制御す
ることができ、高温で焼成するに従い、シラノール基が
減少する。焼成に際しては、温度を1050℃未満とす
ることが好ましい。より好ましい焼成温度は300℃以
上かつ1050℃以下であり、更に好ましくは700℃
以上1050℃以下である。好ましい焼成時間は数時間
以上であり、より好ましくは2時間以上8時間以下であ
る。また、熱源は電気によるジュール熱、石油やガス等
の燃焼熱でも構わない。
【0018】○球状シリカ 本発明により得られる球状シリカは、シラノール基を有
している。球状シリカにおけるシラノール基は、カップ
リングとの反応性に富むため、本発明の球状シリカとカ
ップリング剤を混合すると速やかに反応が進み、球状シ
リカの表面はカップリング剤で被覆される。好ましいシ
ラノール基の量は、球状シリカ1g当たり6μmol以
上5mmol以下であり、より好ましくは10μmol
以上1mmol以下である。6μmol/g未満ではシ
ラノール基による効果が不十分であり、5mmol/g
を超えると、吸湿性が高くなるために電子材料としては
不向きである。
【0019】シラノール基の定量は、シランカップリン
グ剤との反応量から測定する方法が簡便である。これは
シランカップリング剤を溶解したベンゼン等の非水溶媒
にシリカを分散し、シランカップリング剤の濃度変化を
ガスクロマトグラフなどで定量して反応したシラノール
量を推定する方法であり、化学反応可能な活性シラノー
ルを選択的に測定できる点では優れている。しかし、化
学反応を利用するため1mmol/g以下の低濃度の領域では
測定誤差が大きくなるため、1mmol/g以下の領域では、
シラノールの赤外線吸収により分光学的に測定する方法
がより好ましく利用される。具体的には拡散反射法やペ
ースト法などの既知の粉体試料測定法により、FT−I
R,FT−NIR等の赤外吸光分光分析装置によってシ
ラノールによる特定波長の吸収量を測定し、シラノール
量を決定する方法である。このうち拡散反射法は粉体を
直接測定でき、粉体表面の組成をより選択的に測定でき
る方法として好ましく利用できる。また、シラノールは
幾つかの吸収波長域に赤外吸収を持っていることは公知
の事実であるが、このうち、3740〜3750cm-1あるいは73
00〜7350 cm-1等に現れるいわゆるフリーシラノールの
吸収は水分の影響を受け難く、シラノールの定量には好
ましく用いられる。
【0020】本発明により得られる球状シリカの好まし
い平均粒径は0.1〜20μmであり、より好ましくは
2〜10μmである。好ましい粒度分布は下式のσ値が
1.5以下であるものである(このσ値が小さい程粒度
分布が狭いことを示す)。
【0021】
【数1】
【0022】上式におけるD1およびD2は粒度分布測
定結果において粒径0μmから累積した時の粒径であ
る。
【0023】
【実施例】以下に実施例によって、本発明を具体的に説
明する。 [実施例1]200L反応器にドデシルベンゼン90k
g、乳化剤(日光ケミカル(株)製ヘキサグリンPR−
15)0.8kg、純水30kgおよび氷酢酸0.2k
gを仕込み、W/O型乳化系を形成させた後、120r
pmで攪拌しつつメトキシポリシロキサン(多摩化学
(株)製 Mシリケート51)21.5kg、メタノー
ル8.2kgを30分で供給した。その後、2時間保持
した後、120℃まで加温した。そして、反応液をろ
別、アセトンにより洗浄し、600℃で4時間焼成して
白色粉体を得た。この粉末を走査型電子顕微鏡で観察し
たところそれぞれ独立した真球状であった。
【0024】この粉末を純水に分散してレーザー回折式
粒度分布計(堀場製作所(株)製粒度分布計LA50
0)によって粒度分布を測定したところ、平均粒径は
4.9μmでσは1.4であり、カップリング剤(γー
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)との反応に
より測定したシラノール基の含有量は、1.4mmol/g
であった。
【0025】[比較例1]1Lフラスコにドデシルベン
ゼン400g、乳化剤(日光ケミカル(株)製ヘキサグ
リンPR−15)2g、純水98gおよび氷酢酸1gを
仕込み、400rpmで攪拌しつつメトキシポリシロキ
サン(多摩化学(株)製 Mシリケート51)78gの
みを30分で供給した。その後、2時間保持した後、1
20℃まで加温した。そして、反応液をろ別、アセトン
により洗浄し、600℃で4時間焼成して白色粉体を得
た。この粉末を走査型電子顕微鏡で観察したところそれ
ぞれ独立した棒状であり、真球状粒子は得られなかっ
た。
【0026】[実施例2]200L反応器にドデシルベ
ンゼン90kg、乳化剤(日光ケミカル(株)製ヘキサ
グリンPR−15)0.8kg、純水30kgおよび氷
酢酸0.2kgを仕込み、W/O型乳化系を形成させた
後、120rpmで攪拌しつつメトキシポリシロキサン
(多摩化学(株)製 Mシリケート51)21.5kg
と、メタノール13.2kgとの混合物を30分で供給
した。その後、2時間保持した後、120℃まで加温し
た。そして、反応液をろ別、アセトンにより洗浄し、9
00℃で4時間焼成して白色粉体を得た。この粉末を走
査型電子顕微鏡で観察したところそれぞれ独立した球状
であった。
【0027】この粉末を純水に分散してレーザー回折式
粒度分布計(堀場製作所(株)製粒度分布計LA50
0)によって粒度分布を測定したところ、平均粒径は1
5.4μmでσは1.2であった。 FT−IRによ
り、3740cm-1で測定したシラノール基の含有量は、65
μmol/gであった。
【0028】[実施例3]再現性を確認するために、実
施例2の翌日、同じ反応器で同じ操作を繰り返し、球状
シリカを製造した所、平均粒径は15.3μmでσは
1.2であった。FT−IRにより、3740cm-1で測定し
たシラノール基の含有量は、68μmol/gと非常に再
現性が良いことが確かめられた。
【0029】[実施例4]200L反応器にケロシン9
0kg、乳化剤(和光純薬(株)製アエロゾルOT)
1.2kg、純水30kgおよび25%アンモニア水
0.1kgを仕込み、W/O型乳化系を形成させた後、
400rpmで攪拌しつつメトキシポリシロキサン(多
摩化学(株)製 Mシリケート51)21.5kgと、
メタノール13.2kgとの混合物を30分で供給し
た。その後、2時間保持した後、8時間かけて90℃ま
で加温した。そして、反応液をろ別、アセトンにより洗
浄し、毎時200℃で昇温して980℃で4時間焼成し
て白色粉体を得た。この粉末を走査型電子顕微鏡で観察
したところそれぞれ独立した真球状であった。
【0030】この粉末を純水に分散してレーザー回折式
粒度分布計(堀場製作所(株)製粒度分布計LA50
0)によって粒度分布を測定したところ、平均粒径は
0.8μmでσは1.3であり、FT−IRにより3740
cm-1で測定したシラノール基の含有量は、23μmol/
gであった。
【0031】[比較例2]メタノールを加えなかった以
外は実施例2と同じ条件で反応を行い、得られた反応液
をろ別、アセトンにより洗浄し、600℃で4時間焼成
して白色粉体を得た。この粉末を走査型電子顕微鏡で観
察したところそれぞれ独立した棒状であり、真球状粒子
は得られなかった。
【0032】[比較例3]メトキシポリシロキサン2
1.5kgの替わりにメチルシリケートを16.4kg
を使用した他は実施例2と同じ条件で反応を行い、得ら
れた反応液をろ別、アセトンにより洗浄し、600℃で
4時間焼成して白色粉体を得た。この粉末を走査型電子
顕微鏡で観察したところ球状粒子が葡萄の房状に凝集し
た粒状物となっており、独立した真球状粒子は得られな
かった。
【0033】[比較例4]200L反応器にドデシルベ
ンゼン90kg、乳化剤(日光ケミカル(株)製ヘキサ
グリンPR−15)0.8kgを仕込み、予め乳化系を
形成させることなく、120rpmで攪拌しつつメトキ
シポリシロキサン(多摩化学(株)製 Mシリケート5
1)21.5kg、純水30kgおよび氷酢酸0.2k
g、メタノール8.2kgを30分で供給した。その
後、2時間保持した後、120℃まで加温した。そし
て、反応液をろ別、アセトンにより洗浄し、600℃で
4時間焼成して白色粉体を得た。この粉末を走査型電子
顕微鏡で観察したところそれぞれ独立した真球状であっ
た。
【0034】この粉末を純水に分散してレーザー回折式
粒度分布計(堀場製作所(株)製粒度分布計LA50
0)によって粒度分布を測定したところ、平均粒径は1
0.0μmでσは3.6であった。
【0035】
【発明の効果】本発明により、シラノール基を有し、厳
密に制御された粒度分布と粒径とを有する球状シリカを
容易に製造することできる。従って、真球状で凝集のな
い球状シリカを、狭い粒度分布で尚且つ再現性良く製造
することができる。本発明により得られる球状シリカ
は、樹脂成形用充填剤、特に半導体封止剤に適してい
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G072 AA25 BB07 EE01 EE07 HH30 JJ11 JJ38 JJ47 LL11 RR05 UU01 UU09 4M109 AA01 EB06 EB13 EC04 GA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水及び疎水性有機溶媒からなるW/O型乳
    化系においてアルコキシポリシロキサンを親水性有機溶
    媒の存在下で加水分解縮合させることを特徴とする球状
    シリカの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の乳化系は更に加水分解触媒
    を含有することを特徴とする球状シリカの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2記載の親水性有機
    溶媒は、炭素数5以下のアルキルアルコールであり、ア
    ルコキシポリシロキサン100重量部当たりの含有割合
    が5〜120重量部であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の球状シリカの製造方法。
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