JP2001278390A - 液体充填装置および液体充填方法 - Google Patents

液体充填装置および液体充填方法

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JP2001278390A
JP2001278390A JP2000136407A JP2000136407A JP2001278390A JP 2001278390 A JP2001278390 A JP 2001278390A JP 2000136407 A JP2000136407 A JP 2000136407A JP 2000136407 A JP2000136407 A JP 2000136407A JP 2001278390 A JP2001278390 A JP 2001278390A
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liquid
valve
container
filling
vent
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JP2000136407A
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Ryoji Tanaka
良治 田中
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Filling Of Jars Or Cans And Processes For Cleaning And Sealing Jars (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】故障に強く、かつ、充填条件に拘らず、容器内
に殆ど誤差なく略規定量の液体を充填できる液体充填装
置を提供する。 【解決手段】外側通気路(第2ベントライン)17と内
側通気路(第1ベントライン)16とを有する容器挿入
筒部(弁体)13を、液体が充填される容器9の内部に
その開口部9aを通して挿入し、かつ、容器9内の気密
を保持する。容器9の内圧を充填すべき液体7が貯蔵さ
れている貯液タンク2の上部に形成されている気層部8
の圧力と略同圧とする。容器9内の気体を内側通気路1
6を通して気層部8に送りつつ、内側通気路16の下端
に液面が到達するまで両通路を通してタンク2内の液体
を供給して充填する。この後、容器2内の気体を外側通
気路17を通して気層部8に送りつつ、規定の量に達す
るまで容器2内に液体を少量ずつ充填することを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、びんなど
の容器に液体を充填するための液体充填装置および液体
充填方法に関する。
【従来の技術】びんなどの容器に様々な種類の液体を充
填する装置として、例えば、複数本のびんに連続して略
一定量の液体を充填するロータリー式の液体充填装置が
ある。このロータリー式の液体充填装置として、例え
ば、特開平7−52998号公報の発明が提案されてい
る。この公報に記載の充填装置101は、図7に示すよ
うに、充填する液体が所定の圧力下において、所定の液
面レベル134を保持されて溜められているとともに、
垂直回転軸133を回転中心として回転する供給容器1
02と、この供給容器102の板底106の下側に一体
に設けられて、液体が充填される容器としての複数本の
びん150をその内部圧力をシールリング137を介し
て気密に保持する弁ブロック135とを有している。弁
ブロック135の内部には、供給容器102の内部と連
通して、びん150に液体を充填するための複数本の充
填ノズル103(その内の1本のみを図示する。)が上
下方向に延ばされて設けられている。また、この充填装
置101は、供給容器102の底板106およびカバー
114のそれぞれに上下方向に沿って同一軸線上に設け
られているカバー開口部140および底板開口部105
を通して、供給容器102を上下方向に貫通して、か
つ、上下方向に往復動自在に移動する弁体107を有し
ている。この弁体107は、その上端部が圧縮ばね14
4を介して調節機構113に取り付けられている。弁体
107は、圧縮ばね144の弾性力により上方に向けて
付勢されているが、この充填装置101の非作動時にお
いては、制御装置112および調節機構113により、
その圧縮ばね144の弾性力を抑制されて下方に向けて
押し下げられている。制御装置112を介して調節機構
113を作動させて、弁体107を下方に向けて押し下
げている力を解放すると、弁体107は、圧縮ばね14
4の弾性力により上昇する。弁体107は長尺の筒形状
に形成されており、その内部空間には、その長手方向に
沿って、供給容器102内の圧縮ガスをびん150内に
流入させるためのガス管109が一体に設けられてい
る。また、弁体107は、その下端部付近の径の大きさ
が各充填ノズル103の内径よりも僅かに小さい大きさ
に拡大されて形成されており、その拡径部分と充填ノズ
ル103の垂直内孔104とで液体の供給容器102内
からの流出を制御する液体弁108を構成している。制
御装置112を介して調節機構113を作動させて、弁
体107をその移動が止まるまで上昇させると、液体弁
108は開けられ、供給容器102内からびん150内
へ液体が流出する。また、制御装置112を介して調節
機構113を作動させて、弁体107をその移動が止ま
るまで押し下げると、液体弁108は閉じられ、供給容
器102内からびん150内への液体の流出は止められ
る。ガス管109は、弁体107の拡径部分に連続し
て、その上方に向けて延ばされて設けられている伸長部
115と一体に弁体107の上端部付近まで延ばされて
設けられている。この弁体107の上端部は、供給容器
102のカバー114の上側に取り付けられているとと
もに、供給容器102内の圧縮空気などを、弁体107
の上下動に応じてガス管109に流入させるか否かが切
り換えられる圧縮ガス配管117などが設けられている
制御ブロック139内に配置されている。これにより、
供給容器102内の圧縮空気などは、弁体107の上下
動に応じて、適宜、圧縮ガス配管117およびガス管1
09を介してびん150内に送り込まれる。各びん15
0内への液体の充填は、各びん150内の圧力を供給容
器102内の圧力と略同じ大きさに調節した後、制御装
置112を介して調節機構113を作動させ、弁体10
7をその移動が止まるまで上昇させて液体弁108を開
け、供給容器102内から各びん150内へ液体を所定
量ずつ流出させることにより行われる。ガス管109の
内部には、その長手方向に沿って略全長にわたって、び
ん150内に充填された液体の液面レベルを検出する棒
形状に形成された電気式の充填レベルセンサ110が設
けられている。この充填レベルセンサ110は、実質的
にステンレス鋼の直線形状ワイヤから形成されていると
ともに、ガス管109の内部の所定の測定領域に配置さ
れている部分を除いて、すべて絶縁処理が施されてい
る。この充填レベルセンサ110は、その下端部がガス
管109の下端開口から外部に露出して配置されている
とともに、その上端部の絶縁処理が剥がされた部分はガ
ス管109の上端付近、すなわち、供給容器102の外
側においてたわみ接続導線111を介して制御装置11
2に接続されている。充填レベルセンサ110は、制御
装置112を介して調節機構113を作動させ、弁体1
07をその移動が止まるまで上昇させて液体弁108を
開けた状態において、びん150内に規定量の液体が充
填された状態の液面レベルを検出できる高さ位置に配置
されるように、そのガス管109の下端開口からの露出
部分の長さを設定されている。前述したびん150内へ
の液体の充填作業により、びん150内に規定量の液体
が充填されると、その液体の液面が充填レベルセンサ1
10のガス管109の下端開口からの露出部分を含めた
ガス管109内の測定領域内に設定されている検出位置
に到達する。この状態は充填レベルセンサ110により
検出され、その検出信号を受け取った制御装置112
は、調節機構113を作動させ、弁体107をその移動
が止まるまで押し下げて液体弁108を閉じさせて、供
給容器102内から各びん150内への液体の流出を直
ちに止める。これにより、この充填装置101は、複数
本のびん150に一定量ずつ連続して液体を充填でき
る。また、びんなどの容器内に様々な種類の液体を略一
定量充填する液体定量充填機に用いられるノズルとし
て、例えば、実公平1−30400号公報の発明が提案
されている。この公報に開示の液体定量充填機における
レベル規制装置付ノズルは、容器内に液体を充填する際
に、その先端から容器内の液体に向けてエアーを吹き付
けるエアー通路、および容器内に液体が充填されるにつ
れて容器内の圧力が大きくなり、エアーが流れ難くなる
エアー流れ抵抗を検出するエアーセンサーなどを備えて
いる。このレベル規制装置付ノズルの先端部を容器の内
部に所定の位置まで挿入し、その先端開口から液体を容
器の内部に充填する。この充填作業を行っている間は、
液体を容器内に導入する内筒の内側に設けられているエ
アー通路の吹き出し側端部の先端開口から容器内の液体
に向けて、常に一定の圧力および流量でエアーが吹き付
けられるように設定されている。容器内に液体が充填さ
れるにしたがって、その液面のレベルが上昇し、容器内
の気層部が小さくなる。これにより、容器内の圧力が大
きくなり、エアー通路から容器内にエアーが流れ込み難
くなる。すなわち、エアー通路から容器内に流入するエ
アーの受ける抵抗、すなわち、エアー流れ抵抗が増大す
る。エアーセンサーはエアー通路の吹き出し側端部とは
反対側の端部に気密に接続されており、この充填作業
中、エアー流れ抵抗の変化を検出し続ける。容器内に液
体が充填されて、エアー通路の吹き出し側端部の先端開
口の高さに液体の液面レベルが到達すると、エアーが容
器内に流出できなくなり、そのエアー流れ抵抗が急激に
上昇する。エアーセンサーは、このエアー流れ抵抗の急
激な上昇変化を検出し、その検出信号を受け取った電気
制御機構は、液体の充填作業を終了するように、このレ
ベル規制装置付ノズルを有する液体定量充填機の各動作
部を作動させる。これにより、1個の容器内への略一定
量の液体の充填作業を終了とする。以後は前述した充填
作業を所望する容器の個数分だけ繰り返し行えばよい。
以上説明した構成からなるレベル規制装置付ノズルを有
する液体定量充填機によれば、液体を充填する容器内へ
のレベル規制装置付ノズルの先端部の挿入の深さ、すな
わち、容器底部の内面からのエアー通路の吹き出し側端
部の先端開口の高さを、容器内に所望する一定量の液体
を充填した際に、その液面が到達する高さに予め設定し
ておくことにより、略規定量の液体を容器内に充填でき
る。
【発明が解決しようとする課題】前述した液体の容器内
への充填装置101は、容器内に充填する液体の量を、
その液体の液面レベルを充填レベルセンサ110を用い
て電気的に検出することにより測定し、その充填作業の
終盤において微調整しつつ充填する(この調整を入味調
整とも称する。)。ステンレス鋼の直線形状ワイヤによ
り形成されている充填レベルセンサ110は、その測定
領域に相当する部分を除いてすべて絶縁材により被覆さ
れているが、破びんなどにより絶縁材が損傷を受けてそ
の被覆が剥がされ、絶縁が維持できなくなるおそれがあ
る。充填レベルセンサ110の測定領域に相当する部分
以外の絶縁が維持できなくなると、充填レベルセンサ1
10の測定精度が低下したり、あるいは充填レベルセン
サ110や制御装置112を含めた、この充填装置10
1の電気系統がショートして、充填レベルセンサ110
の測定機能をはじめとして、充填装置101全体の諸機
能を損なうおそれがある。この場合、少なくとも充填レ
ベルセンサ110の交換が必要となるが、その交換作業
は極めて精密な作業を要求されるため、多大な修理時間
を要する。もちろん、充填装置101の電気系統がショ
ートした場合には、充填レベルセンサ110の交換作業
とは比較にならないくらい多くの修理時間が掛かる。ま
た、この電気式の充填レベルセンサ110では、これが
液体と接触することにより、液体が化学的変化や、ある
いは物理的変化などを起こすおそれがある。また、充填
する液体の種類によっては、引火、もしくは爆発などの
おそれがあり、例えば、油液類などは一般には不適当で
あり、充填する液体の種類が限定される。さらに、物質
の電気伝導率は、その温度によって左右されるため、充
填する液体の温度によってその液面レベルの検出精度が
変化し、一定の測定精度を保持することが困難である。
一般には、電気伝導率による各種測定作業は、特に高温
において不適である。また、レベル規制装置付ノズルを
有する液体定量充填機によれば、容器内への液体の充填
作業中においては、エアー通路から容器内に向けて常に
一定の圧力および流量のエアーが吹き出されるように設
定されている。炭酸ガス入りの清涼飲料、あるいはビー
ルやシャンパンなどの発泡酒のように、一定の体積の液
体中に溶け込む気体の量が大きい(溶存気体の量が大き
いとも称する。)液体を容器内に一定量充填する場合、
気が抜けて液体の味が損なわれないように、一般には、
液体を加圧しつつ容器内に一定量充填する。このため、
前述したエアー設定を伴うレベル規制装置付ノズルを有
する液体定量充填機を、溶存気体の量が大きい液体の加
圧を伴う定量詰め充填に用いると、液面レベル検出用の
エアーの分まで加圧されて液体の中に溶け込んでしま
い、予め設定されている規定量の液体を容器内に充填で
きなくなるおそれがある。ひいては、液体の味が損なわ
れて、商品価値がなくなるおそれがある。よって、この
レベル規制装置付ノズルを有する液体定量充填機は、加
圧を伴う液体などの定量詰め充填に使用するには適して
おらず、非加圧(無圧)の液体などの定量詰め充填にそ
の使用が殆ど限定される。よって、本発明が解決しよう
とする課題は、故障に強く、かつ、充填条件に拘らず、
容器内に殆ど誤差なく略一定量の液体を充填できる液体
充填装置および液体充填方法を得ることにある。
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明に係る液体充填装置は、容器に充填する液体
を、所定の圧力下において液面の高さを一定に保持して
貯蔵する貯液タンクと、筒形状であって長手方向中間部
外面に開閉弁を有する弁体、および第1ベントラインを
有するとともに前記弁体内周面との間に第2ベントライ
ンを設けて前記弁体に内設されたベントチューブを夫々
備えて、前記貯液タンクを上下に移動自在に貫通して設
けられたバルブ本体と、前記貯液タンクと連通し、か
つ、前記バルブ本体が上下方向に移動自在に貫通する液
体通路、この液体通路の長手方向中間部に形成され、前
記開閉弁が接離する弁座、および前記液体通路と前記容
器内とを連通するとともに前記容器内の気密が保持され
るように前記容器の開口部を保持する容器保持手段を夫
々有して、前記貯液タンクの下側に取り付けられたバル
ブ下部本体と、前記第1ベントラインと前記貯液タンク
の内部上方に形成された気層部とを連通する第1気体通
路を開閉する第1ベント弁、および前記第2ベントライ
ンと前記気層部とを連通する第2気体通路を開閉する第
2ベント弁を夫々有して、前記貯液タンクの上側に取り
付けられたバルブ上部本体と、このバルブ上部本体に取
り付けられて前記バルブ本体を昇降駆動させるバルブ駆
動手段と、前記バルブ駆動手段を介して前記開閉弁の開
閉、前記第1ベント弁の開閉、および前記第2ベント弁
の開閉を組み合わせて行うことにより、前記液体を2段
階に分けて前記容器内に規定量充填させる制御手段と、
を具備することを特徴とするものである。前記発明装置
を実施するにあたり、前記制御装置は、前記第1ベント
弁および前記開閉弁を開いて、前記容器内に前記液体を
その液面の高さが規定の高さよりも低く設定された設定
高さに到達するまで充填する定位充填と、この後に前記
第2ベント弁を開いて、前記容器内に前記液体をその液
面の高さが前記規定の高さに到達するまで少量ずつ充填
する液面レベル補正充填とを行わせる構成とするとよ
い。同様に、前記発明装置を実施するにあたり、前記制
御装置は、前記制御手段は、前記開閉弁が開かれるに伴
いタイマカウントを開始し、前記液面の高さが前記容器
内に挿入された前記ベントチューブの下端開口に到達し
た際にタイムアップして、前記第2ベント弁を開かせる
第1充填タイマと、前記タイムアップと同時にタイマカ
ウントを開始し、前記液面の高さが前記規定の高さに到
達した際にタイムアップして前記開閉弁、前記第1ベン
ト弁、および前記第2ベント弁を夫々閉じさせる第2充
填タイマとを有する構成とするとよい。同様に、前記発
明装置を実施するにあたり、前記制御手段は、前記第2
ベントラインを介して前記容器内の圧力を検出する圧力
センサと、前記容器内に挿入された前記ベントチューブ
の下端開口に前記液面が到達した際の前記容器内の圧力
を前記圧力センサが検出するに伴って、タイマカウント
を開始して、前記液面の高さが規定の高さに達するよう
に前記液面レベル補正充填の充填時間を規定する充填レ
ベルタイマとを有する構成とするとよい。同様に、前記
発明装置を実施するにあたり、前記液体通路の前記開閉
弁と前記弁座とが接離する箇所に、サイフォン通路を形
成するとよい。同様に、前記発明装置を実施するにあた
り、前記弁体の下端部を前記ベントチューブの下端より
も下方に延ばして配置するとともに、前記弁体にその内
側と外側とを連通して上下方向に延びるスリット部を設
け、このスリット部の下端を前記ベントチューブの下端
よりも下方に設けるとよい。同様に、前記発明装置を実
施するにあたり、前記弁体の下端を前記ベントチューブ
の下端よりも上方に配置するとよい。又、前記課題を解
決するために、本発明に係る液体充填方法は、外側筒部
と内側筒部とからなる二重の筒形状に形成されて、か
つ、外側通気路と内側通気路とを有する容器挿入筒部
を、液体が充填される容器の内部にその開口部を通し
て、所定の位置まで挿入するとともに、前記容器内の気
密を保持するように前記開口部を閉じてから、前記容器
の内圧を前記液体が貯蔵されている貯液タンクの上部に
形成されている気層部の圧力と略同圧にした後、前記容
器内の気体を前記内側通気路を通して前記気層部に送り
つつ、前記内側筒部の下端と前記外側筒部の下端とのう
ち、より低い位置に配置されている方の下端に前記液体
の液面が到達するまで前記両通路のうちの少なくとも内
側通気路を通して前記容器内に前記液体を充填し、続け
て前記容器内の気体を前記外側通気路を通して前記気層
部に送りつつ、規定の量に達するまで前記外側通路を通
して前記容器内に前記液体を少量ずつ充填することを特
徴とするものである。
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
に係る液体充填装置1を、図1〜図3に基づいて説明す
る。液体充填装置1は、図1に示すように、容器9に充
填する液体7を貯蔵する貯液タンク2と、この貯液タン
ク2を上下に移動自在に貫通して設けられたバルブ本体
10と、貯液タンク2の下側に取り付けられて液体7を
容器9の内部に導入するバルブ下部本体12と、貯液タ
ンク2の上側に取り付けられて、バルブ本体10ととも
に貯液タンク2の内部上方に形成された気層部8と容器
9の内部とを連通するバルブ上部本体11と、バルブ本
体10を昇降駆動させるバルブ駆動手段21と、このバ
ルブ駆動手段21などの制御を行う制御手段としての制
御装置35とを有している。貯液タンクとしてのフィラ
ーボウル2は、図示しない液体供給装置に接続されてお
り、フィラーボウル2の内部には、容器9に充填する液
体7がその液面7aの高さを一定に保持されて貯蔵され
ている。また、フィラーボウル2は、図示しない加圧装
置に接続されており、フィラーボウル2の内部上方に
は、加圧装置から送り込まれる加圧ガスが充満している
気層部8が形成されている。フィラーボウル2の内部に
は、気層部8の圧力を所定の大きさに保持するように加
圧装置から加圧ガスが送り込まれる。これにより、フィ
ラーボウ2内の液体7は、所定の圧力下において、その
液面7aの高さを一定に保持されてフィラーボウ2内に
貯蔵されている。フィラーボウル2の底部2aには、後
述するバルブ下部本体12がフィラーボウル2の内部と
外部とを連通して取り付けられるとともに、フィラーボ
ウル2内の液体7がフィラーボウル2の外部へ流出する
液体通路39となる貫通孔が設けられている。フィラー
ボウル2の上部には、その開口を閉じるようにフィラー
ボウル上蓋3が取り付けられる。このフィラーボウル上
蓋3にも、このフィラーボウル上蓋3をフィラーボウル
2の上部に取り付けた際に、フィラーボウル2の底部2
aに設けられた貫通孔と上下方向に沿って同一軸線上に
位置するように貫通孔が設けられている。後述するバル
ブ本体10は、フィラーボウル2の底部2aに設けられ
た貫通孔と、フィラーボウル上蓋3に設けられた貫通孔
とに通されて、フィラーボウル2を上下方向に移動自在
に貫通している。バルブ本体10は、外側筒部と内側筒
部とからなる二重かつ長尺の筒形状に形成されている。
外側筒部としての弁体13には、その長手方向中間部外
面に、後述する弁座12fとともに前述した液体通路3
9を開閉する充填バルブ部40を構成する開閉弁13d
が凸設されている。この開閉弁13dの下部にはバルブ
パッキング18が取り付けられており、液体通路39を
閉じた際に、充填バルブ部40を気密に保持できる。ま
た、弁体13の長手方向中間部外面の開閉弁13dより
下側には、液体通路39を通って上方から流れ落ちる液
体7を容器9の内壁面に沿って流すためのスプレッダ1
9が凸設されている。バルブ本体10を上昇させ、充填
バルブ40を開くと、フィラーボウル2内の液体7は、
図1中実線矢印で示すように、液体通路39に流れ込
み、開閉弁13dと弁座12fとが形成する充填バルブ
40を通り、バルブ下部本体12と弁体13との隙間を
経て容器3内に入る。スプレッダ19は略円錐形状に形
成されており、充填作業時においては、容器9の開口部
9aから容器9内に挿入され、開口部9aよりも低い位
置に配置されている。スプレッダ19の上方から流れ落
ちてくる液体7は、スプレッダ19の上面に当たること
によって、バルブ本体10の略径方向、すなわち、容器
9の略径方向に向けて放射状に拡散される。スプレッダ
19の外周縁と容器9の内壁面との間隔はわずかな大き
さに設定されているので、スプレッダ19によって拡散
された液体7は、容器9の内壁面を伝わって流れ落ちる
ようにして容器9内に充填される。また、弁体13の長
手方向中間部外面の開閉弁13dより上側には、図1お
よび図2に示すように、複数枚のガイド板13cが一体
に凸設されている。本実施形態の弁体13においては、
4枚のガイド板13cが設けられている。これら4枚の
ガイド板13cが、後述するバルブ下部本体12の液体
案内筒部12hの内周面と上下方向に摺動自在に当接し
合っていることにより、弁体13はその昇降移動の際に
その軸心がぶれるおそれが殆どない。したがって、弁体
13、ひいてはバルブ本体10は上下方向に円滑に往復
移動できる。また、4枚のガイド板13cの各上端と、
液体案内筒部12hの上部折り返し部分の下側面とが互
いに当接し合うことにより、バルブ本体10は、その上
下方向に沿った往復移動の上限を規定される。内側筒部
としてのベントチューブ15は、弁体13の内部空間に
おいて互いにわずかな隙間を設けて挿入されている。ベ
ントチューブ15は、弁体上端部15aにおいて弁体1
3に嵌合されおり、後述するバルブ駆動手段21が有し
ているばね受け14に対して、弁体13とともに一体と
なって締め付け固定されている。ベントチューブ15に
は、その軸線に沿って、かつ、その略全長にわたって内
側通気路としての第1ベントライン16が形成されてい
る。後述する充填作業時において、容器9の内部は、こ
の第1ベントライン16などを介してフィラーボウル2
内の気層部8と連通される。容器9内の気体は、容器9
内に液体7が充填されるにしたがって、第1ベントライ
ン16などを通って気層部8に送られる。これにより、
容器9内に液体7を円滑に充填できる。弁体13の内周
面とベントチューブ15との間には、第1ベントライン
16と同様に、弁体13およびベントチューブ15の軸
芯に沿って、かつ、弁体13の略全長にわたって外側通
気路としての第2ベントライン17が形成されている。
後述する充填作業時において、容器9の内部は、この第
2ベントライン17などを介してフィラーボウル2内の
気層部8と連通される。容器9内の気体は、容器9内に
液体7が充填されるにしたがって、第2ベントライン1
7などを通って気層部8に送られる。これにより、容器
9内に液体7を円滑に充填できる。この第2ベントライ
ン17を通過する単位時間あたりの気体の流量は、第1
ベントライン16を通過する単位時間あたりの気体の流
量よりも小さく設置されている。これにより、第2ベン
トライン17内に気体を通過させつつ、容器9内に微少
量ずつ液体7を充填できる。バルブ本体10の容器9内
に挿入される部分である容器挿入筒部13kは、図1お
よび図3に示すように、弁体下端13fがベントチュー
ブ下端15dよりも下側に位置するように設定されてい
る。それとともに、弁体13には、スプレッダ19の下
側において、その長手方向に沿って弁体13の内側と外
側とを貫通するスリット部13gが設けられている。こ
のスリット部13gの下端13zは、弁体13の内側に
配置されているベントチューブ15の下端15dよりも
下側に位置するように設定されている。これにより、充
填作業時において、液体7の液面7aが弁体下端13f
に到達してその開口が塞がれても、弁体13の外側に存
在している気体は、スリット部13gを通って、ベント
チューブ15の下端開口であるベントホール15cから
第1ベントライン16に入ることができる。よって、図
1中h1で示されている高さまで、容器9内に液体7を
円滑に充填できる。また、液体7の液面7aがベントチ
ューブ下端15dに到達して、ベントチューブ15の下
端開口であるベントホール15cが塞がれても、弁体1
3の外側に存在している気体は、スリット部13gを通
って、第2ベントライン17に入ることができる。よっ
て、図1中h2で示されている高さ、すなわち、充填す
べき規定量の液体7を容器9内に充填した際に、その液
面7aが到達する高さまで、容器9内に液体7を円滑に
充填できる。また、弁体下端13fを、図3に示すよう
に、弁体13の長手方向に対して斜めに傾けて形成する
ことにより、充填作業時における容器9の交換の際の液
切り(一般には水切りと総称する。)を良くできるの
で、液垂れを抑制できる。液体充填装置1のバルブ下部
本体12は、その上側取り付け面12aにおいてフィラ
ーボウル2の下側面に、その下方から気密に取り付けら
れている。このバルブ下部本体12の上側取り付け面1
2aには、バルブ下部本体12をフィラーボウル2に取
り付けた際に、前述したフィラーボウル上蓋3に設けら
れている貫通孔と同一軸線上に位置するように、略円筒
形状に形成されている液体案内筒部12hが設けられて
いる。この液体案内筒部12hの外径の大きさは、バル
ブ下部本体12をフィラーボウル2に取り付けた際に、
液体案内筒部12hの外周面とフィラーボウル底部2a
に設けられている貫通孔の内周面との間から、フィラー
ボウル2内の液体7が漏れ出さないように、それらが互
いに当接し合う部分の気密を保持できる大きさに形成さ
れている。この液体案内筒部12hがフィラーボウル底
部2aに設けられている貫通孔に挿入されることによっ
て、フィラーボウル2内の液体通路39は液体案内筒部
12hとバルブ本体10との間に設定される。また、こ
の液体案内筒部12hの内側下部には、バルブ本体10
が下降して充填バルブ40が閉じられた際に、前述した
開閉弁13dのバルブパッキング18と互いに気密を保
持して接触し合うように、上方から下方に向けて、液体
案内筒部12hの径を小さくするようなテーパー形状に
形成された弁座12fが設けられている。また、バルブ
下部本体12の内部には、充填作業を開始する際に、容
器9内から気体を抜いて真空に引いたり、あるいは充填
作業を終了する際において、容器9内に充満した気体を
少量ずつ大気中に放出するためのガス通路12cが設け
られている。このガス通路12cの一端部は液体通路3
9に連通しているとともに、他端部は2股に分岐され
て、それぞれバルブ下部本体12の側部に取り付けられ
ているスニフト開閉弁26と、エバキュエーション切り
換え弁27とに連通されている。充填作業を終了する際
において、容器9内に充満した気体を少量ずつ大気中に
放出するためのスニフト開閉弁26は、バルブ下部本体
12の内部に設けられているバルブ下部本体内スニフト
ガス通路12dに連通されている。このバルブ下部本体
内スニフトガス通路12dは、そのスニフト開閉弁26
が取り付けられている側とは反対側端部に取り付けられ
て、容器9内に充満した気体(スニフトガス)の流れ出
る速度を減速させるためのチョーク31を介して、バル
ブ下部本体12の外部に設けられているスニフトガス通
路5に連通されている。充填作業を終了する際に、スニ
フト開閉弁26を開けることにより、充填作業により容
器9内に充満した気体は、スニフトガス通路5を経て大
気中に放出される。充填作業を開始する際に、容器9内
から気体を抜いて真空に引くためのエバキュエーション
切り換え弁27は、バルブ下部本体内スニフトガス通路
12dと同様に、バルブ下部本体12の内部に設けられ
ているエバキュエーション通路12eに連通されてい
る。このエバキュエーション通路12eは、スニフトガ
ス通路5と同様に、バルブ下部本体12の外部に設けら
れている真空通路6に連通されている。この真空通路6
は、図示しないバキュームポンプなどに結合配管されて
いる。充填作業を開始する際に、エバキュエーション切
り換え弁27を開けるとともに、バキュームポンプを作
動させることにより、容器9内に残っている気体は、容
器9内に液体7を充填する前に、真空通路6を経て予め
大気中に放出される。スニフトガス通路5および真空通
路6は、バルブ下部本体12の外部に設置されている通
路フレーム4内に配管されて設けられている。この液体
充填装置1をロータリー式液体充填機に適した構成とす
る場合には、通路フレーム4は、その図示しない回転フ
レーム部として、円環形状に形成される。バルブ下部本
体12の下方には、この液体充填装置1に容器9を取り
付けたり、あるいは取り外したりするための、図示しな
い昇降移動可能な容器脱着台が備えられている。この容
器脱着台は、図示しない容器搬送装置により液体通路3
9の略真下に容器9が配置された際に、容器9をその下
方から支持しつつ上昇させる。容器脱着台が上昇する
と、容器9の開口部9aは、バルブ下部本体12の下方
に配置されている容器9の開口部9aのシール手段およ
び芯出し手段としての容器保持手段としてのセンタリン
グカップ28に捕えられる。引き続き容器脱着台が押し
上げられて容器9が上昇すると、その開口部9aがセン
タリングカップ28の内側にテーパ形状に形成されてい
るガイド面にガイドされてセンタリングカップ28内上
部に嵌まり込む。それとともに、容器9の開口部9aの
上面は、センタリングカップ28内上部に設けられてい
るシールパッキング29の下面に当接する。容器脱着台
がさらに押し上げられると、容器9の開口部9aの上面
とシールパッキング29の下面とがさらに強く当接し合
うとともに、シールパッキング29の上面もバルブ下部
本体12の下面に強く当接する。すなわち、容器脱着台
の押し上げ力によって、シールパッキング29はその上
下両方向から強く挟み込まれ、この状態において、バル
ブ下部本体12の下面と容器9の内部とは互いに気密を
保持されるようにシールされる。センタリングカップ2
8が所定の位置に配置されるようにガイドするセンタリ
ングカップガイド手段30は、その一部分を図1に示す
ように、バルブ下部本体12の下方において、センタリ
ングカップ28の側方に併設され、センタリングカップ
28の水平方向の移動を規制するとともに、センタリン
グカップ28の鉛直方向の円滑な移動を補助する。液体
充填装置1を使用しない際のセンタリングカップ28の
待機位置、すなわち、センタリングカップ28の自由位
置は、図1に示されている位置よりもわずかに下方であ
り、図示しないばねのばね力などにより、その自由位置
が保持される。液体充填装置1のバルブ上部本体11
は、フィラーボウル2の上蓋3に、その貫通孔を気密に
塞ぐように取り付けられる。このバルブ上部本体11
は、これがフィラーボウル上蓋3に取り付けられた際
に、フィラーボウル上蓋3およびフィラーボウル2の底
部2aに設けられている各貫通孔、ならびにバルブ下部
本体12に設けられている液体案内筒部12hなどと同
一軸線上に位置するように、バルブ上部本体11の内部
を上下方向に延びてこれを貫通する円筒形状に形成され
ている貫通孔を有している。この貫通孔の内径の大きさ
は、この貫通孔にバルブ本体10が嵌め込まれた際に、
バルブ本体10内の気密を保持できるとともに、バルブ
本体10が昇降自在に移動できる大きさに形成されてい
る。バルブ本体10は、弁体上端部15aがバルブ上部
本体11を貫通するようにバルブ上部本体11に嵌合し
て支持される。バルブ本体10は、前述した4枚のガイ
ド板13cと液体案内筒部12hとの当接とともに、弁
体上端部15aをバルブ上部本体11の貫通孔に嵌合さ
れることにより、その軸芯が殆どぶれることなく昇降移
動できる。また、バルブ上部本体11の内部には、充填
作業中において、容器9内の気体をフィラーボウル2内
の気層部8に送り込むための共通気体通路11fが設け
られている。この共通気体通路11fの一端部は気層部
8に連通しているとともに、他端部は2股に分岐され
て、それぞれバルブ上部本体11の側部に取り付けられ
ている第1ベント弁24と、第2ベント弁25とに連通
されている。第1ベント弁24は、充填作業中におい
て、図1中h1の高さまで容器9内に液体7を充填する
定位充填を行う際に、容器9内の気体を第1ベントライ
ン16を通過させて気層部8に送り込むためのものであ
る。第1ベント弁24は、バルブ上部本体11の内部に
設けられている第1気体通路11eに連通されている。
この第1気体通路11eは、バルブ上部本体11の内部
において、その貫通孔の上端部をわずかに拡径するよう
に円筒形状に形成されて設けられている第1ベントライ
ン接続気体通路11dに連通されている。この第1ベン
トライン接続気体通路11dは、弁体13およびベント
チューブ15の上端部において、その径方向に沿って貫
通して形成されているとともに、第1ベントライン16
の上端付近に連通されている第1ベントライン上部通路
15bに連通されている。以上説明した第1ベントライ
ン16および第1ベント弁24などの配管構成により、
容器9の内部は、フィラーボウル2内の気層部8に連通
される。充填作業中において、図1中h1の高さまで容
器9内に液体7を充填する定位充填を行う際に、第1ベ
ント弁24を開けることにより、容器9内の気体は第1
ベントライン16を通過して気層部8に送り込まれる。
第2ベント弁25は、充填作業中において、図1中h2
の高さまで容器9内に液体7を充填する液面レベル補正
充填を行う際に、容器9内の気体を第2ベントライン1
7を通過させて気層部8に送り込むためのものである。
第2ベント弁25は、バルブ上部本体11の内部に設け
られている第2気体通路11hに連通されている。この
第2気体通路11hは、バルブ上部本体11の内部にお
いて、前述した第1ベントライン接続気体通路11dと
同様に、その貫通孔の上端部をわずかに拡径するように
円筒形状に形成されて設けられている第2ベントライン
接続気体通路11gに連通されている。この第2ベント
ライン接続気体通路11gは、前述した第1ベントライ
ン接続気体通路11dの下側に設けられている。また、
この第2ベントライン接続気体通路11gは、弁体13
およびベントチューブ15の上端部において、その径方
向に沿って貫通して形成されているとともに、第2ベン
トライン17の上端付近に連通されている第2ベントラ
イン上部通路13bに連通されている。以上説明した第
2ベントライン17および第2ベント弁25などの配管
構成により、容器9の内部は、フィラーボウル2内の気
層部8に連通される。充填作業中において、図1中h2
の高さまで容器9内に液体7を充填する液面レベル補正
充填を行う際に、第2ベント弁25を開けることによ
り、容器9内の気体は第2ベントライン17を通過して
気層部8に送り込まれる。なお、以上説明した第1ベン
ト弁24、第2ベント弁25、スニフト開閉弁26、お
よびエバキュエーション切り換え弁27はいずれも、エ
ア作動開閉の切り換え弁である。第1ベント弁24、第
2ベント弁25、スニフト開閉弁26、およびエバキュ
エーション切り換え弁27はいずれも、図示しないコン
プレッサなどに接続されているエア切り換え電磁弁36
b〜36eに接続されており、後述する制御装置35を
介して、それらの作動あるいは非作動、すなわち、それ
らの開閉動作を行うことができる。また、バルブ上部本
体11の上側には、支柱22を介して、バルブ本体10
を昇降駆動させるバルブ駆動手段としてのエアシリンダ
21が取り付けられている。このエアシリンダ21が有
しているピストンロッド21aの下端には、ばね受け1
4が設けられている。このばね受け14の下面には、前
述したようにバルブ本体10が締め付け固定されてい
る。それとともに、ばね受け14とバルブ上部本体11
との間には、圧縮ばね23が間装されており、バルブ本
体10を上方に押し上げる向きに付勢している。すなわ
ち、バルブ本体10は充填バルブ40を開く向きに付勢
されている。このエアシリンダ21も第1ベント弁2
4、第2ベント弁25、スニフト開閉弁26、およびエ
バキュエーション切り換え弁27と同様に、コンプレッ
サなどに接続されているエア切り換え電磁弁36aに接
続されており、制御装置35を介して、その作動あるい
は非作動を行うことができる。エアシリンダ21を作動
させて、ピストンロッド21aを突出させることによ
り、バルブ本体10は下方に向けて押し下げられ、充填
バルブ40を閉じることができる。エア切り換え電磁弁
36a〜36eに接続されている制御装置35は、前述
したように、第1ベント弁24、第2ベント弁25、ス
ニフト開閉弁26、エバキュエーション切り換え弁2
7、およびエアシリンダ21の作動を制御するものであ
る。制御装置35からの指示信号がエア切り換え電磁弁
36に伝達されることによって、コンプレッサからの作
動エアの送り先がエア切り換え電磁弁36を介して切り
換えられる。これにより、第1ベント弁24、第2ベン
ト弁25、スニトフ開閉弁26、エバキュエーション切
り換え弁27、およびエアシリンダ21がそれぞれ独立
に作動できる。また、この制御装置35は、第1ベント
弁24を開閉する時間を設定する第1充填タイマ37、
および第2ベント弁25を開閉する時間を設定する第2
充填タイマ38を有している。これら第1充填タイマ3
7および第2充填タイマ38をそれぞれ独立に限時時間
を設定することにより、定位充填および液面レベル補正
充填の制御を適正に行うことができる。以上説明した構
成からなる本実施形態の液体充填装置1によれば、電気
回路が液体7に接触する部分がないので、電気系統がシ
ョートするおそれが殆どなく、故障し難い。よって、安
全かつ安定した状態で、この液体充填装置1を使い易
い。また、容器9内への液体7の充填量を電気を用いて
測定しないので、液体7の特性によってその使用の制限
を受けたり、あるいは液体7を変質させるおそれが殆ど
ない。また、容器9内に気体を送り込まないので、加圧
を伴う液体などの定量詰め充填、および非加圧(無圧)
の液体などの定量詰め充填のいずれにも適用できる。さ
らに、第1充填タイマ37および第2充填タイマ38の
それぞれの作動時間を細かく設定することにより、所定
の量の液体を殆ど誤差なく容器9内に充填できる。次
に、前述した第1実施形態の液体充填装置1を用いた液
体充填方法について説明する。この液体充填方法は、液
体7を充填する容器9の内部にその開口部9aを通し
て、外側筒部としての弁体13と、内側筒部としてのベ
ントチューブ15とからなる二重の筒形状に形成され
て、かつ、外側通気路としての第2ベントライン17
と、内側通気路としての第1ベントライン16とからな
る二重の通気路を有する容器挿入筒部13kを所定の位
置まで挿入するとともに、容器内9の気密を保持するよ
うに開口部9aを閉じ、容器9の内圧を液体7が貯蔵さ
れている貯液タンクとしてのフィラーボウル2の上部に
形成されている気層部8の圧力と略同圧にした後、容器
9内の気体を第1ベントライン16を通して気層部8に
送りつつ、ベントチューブ15の下端15d、もしくは
弁体13の下端13fのうち、より低い位置に配置され
ている方の下端に液体7の液面7aが到達するまで弁体
13と容器9の内壁との隙間を通して容器9内に液体7
を充填し、続けて容器9内の気体を第2ベントライン1
7を通して気層部8に送りつつ、規定の量に達するまで
弁体13と容器9の内壁との隙間を通して液面7aの高
さを調整しつつ容器9内に液体7を微少量ずつ充填する
ものである。以下、この液体充填方法を、液体充填装置
1の各作動工程にしたがって、順を追って説明する。な
お、以下の液体充填装置1の各作動工程の説明におい
て、この液体充填装置1は、液体としての炭酸ガス飲料
7を充填するロータリー式充填機に適用した構成とし、
この炭酸ガス飲料7を充填する容器は外から透視可能な
透明びん9とする。 (第1工程) 透明びん9の供給:容器搬送装置により
液体通路39の略真下に容器9が配置する。この状態に
おいて容器脱着台を上昇させて透明びん9を上昇させ
る。透明びん9の開口部9aはセンタリングカップ28
によって芯出しされるとともに、シールパッキング29
によって気密にシールされる。この状態において、エア
シリンダ21のピストンロッド21aおよびバルブ本体
10は最下点まで下降した状態(図1中二点鎖線で示す
位置。)であり、開閉弁13dと弁座12fとからなる
液体通路39の充填バルブ40は閉じられている。ま
た、第1ベント弁24および第2ベント弁25もともに
閉じられている。 (第2工程) 透明びん9内の空気吸い出し:第1ベン
ト弁24および第2ベント弁25、ならびに充填バルブ
40を閉じたまま、エア切り換え電磁弁36eを作動さ
せてエバキュエーション弁27を開くとともに、バキュ
ームポンプを作動させる。透明びん9の内部は、ガス通
路12c、エバキュエーション弁27、エバキュエーシ
ョン通路12eを経て真空通路6に連通されているの
で、透明びん9内の空気は外部に吸い出される。透明び
ん9内の真空度が所定の値に達したことを図示しない圧
力センサなどで検出した後、エア切り換え電磁弁36e
を切り換えてエバキュエーション弁27を閉じる。な
お、溶存酸素が問題のない液など、液種によってはこの
第2工程である空気吸い出し工程を省いてもよい。 (第3工程) 透明びん3内にカウンタガス導入:第2
ベント弁25および充填バルブ40を閉じたまま、エア
切り換え電磁弁36bを作動させて第1ベント弁24を
開く。これにより、加圧ガスが充満するフィラーボウル
2の気層部8(ヘッドスペースとも称する。)と透明び
ん9の内部とは、第1ベントライン16、第1ベントラ
イン上部通路15b、第1ベントライン接続気体通路1
1d、第1気体通路11e、第1ベント弁24、および
共通気体通路11fを介して連通される。この状態にお
いて、透明びん9の内部には、フィラーボウル2の気層
部8に充満している加圧ガスがカウンタガスとして導入
される。透明びん9内の圧力の大きさが、真空に近い状
態からフィラーボウル2の気層部8内の圧力と同程度の
大きさになると、気層部8内から透明びん9内へのカウ
ンタガスの流入は停止する。なお、炭酸ガスを含有しな
い飲料7の充填作業においては、フィラーボウル2を加
圧しない場合も考えられるが、このときも第3工程によ
りエア切り換え電磁弁36を作動させて第1ベント弁2
4を開く必要がある。 (第4工程) 第1充填:エア切り換え電磁弁36aを
作動させて、図1中実線で示すように、エアシリンダ2
1のピストンロッド21aを下方に向けて付勢するエア
圧力を解除して、圧縮ばね23の力によりバルブ本体1
0を上昇させる。これにより、開閉弁13dが弁座12
fから離れ、液体通路39の充填バルブ40は開かれ
る。同時に第1充填タイマ37のカウントを開始させ
る。フィラーボウル2内の炭酸ガス飲料7は、充填バル
ブ40を通り、スプレッダ19によって透明びん9の内
壁に沿って流下させられ、透明びん9内に充填される。
炭酸ガス飲料7の流入は、透明びん9内のカウンタガス
が、ベントホール15cを経て第1ベントライン16を
通り、フィラーボウル2の気層部8内に還流することに
より継続される。この充填作業中において、充填バルブ
40からスプレッダ19までの液体通路39は炭酸ガス
飲料7で満たされている。透明びん9内の液面7aが上
昇し、ベントホール15cに到達すると、透明びん9内
のカウンタガスの逃げ場がなくなり、炭酸ガス飲料7も
流入は略停止し、液面7aは図1中h1で示す位置で停
止する。この状態を継続しておくと、透明びん9内のカ
ウンタガスがスプレッダ19の下方からスプレッダ19
の上方に抜け出して、スプレッダ19の上方に貯溜した
炭酸ガス飲料7がスプレッダ19の下方に落ちてくる現
象(以下、この現象をガブ落ちと称する。)が起きる。
この場合、第1充填タイマ37のタイムアップ設定値
を、液面7aがベントホール15cに到達し、かつ、炭
酸ガス飲料7がガブ落ちする前のタイミングに予め設定
しておくことにより、ガブ落ち前に次の第2充填工程に
移ることができる。 (第5工程) 第2充填:第1充填タイマ37のタイム
アップと同時に、第2ベント弁25を開いて第2充填タ
イマ38のカウントを開始させる。このとき、透明びん
9内のカウンタガスは、スリット部13g、第2ベント
ライン17、第2ベントライン上部通路13b、第2ベ
ントライン接続気体通路11g、第2気体通路11h、
第2ベント弁25、および共通気体通路11fを通り、
フィラーボウル1内に抜け出ることができる。これによ
り、炭酸ガス飲料7の充填が再開される。第2充填タイ
マ38がタイムアップすると、エアシリンダ21のピス
トンロッド21aを下降させて、充填バルブ40を閉じ
させる。この操作により、炭酸ガス飲料7の透明びん9
内への流入は停止するとともに、充填バルブ40とスプ
レッダ19との間の炭酸ガス飲料7は透明びん9内に落
下し、液面7aは図1中h2に示されている規定の高さ
に到達する。第2充填タイマ38のカウント設定値を変
更し、第2充填中に流入する炭酸ガス飲料7の液量を調
整することにより、充填液面レベルh2の高さ位置を容
易に調整できる。なお、第2充填を行う前に、炭酸ガス
飲料7が第1ベントライン16内に上昇している場合に
は、透明びん9内への充填量は第1ベントライン16に
上昇している炭酸ガス飲料7の量分だけ増加するが、そ
の量はわずかなので誤差の範囲内である。 (第6工程) 減圧:第2充填が終了した後、第1ベン
ト弁24および第2ベント弁25を閉じた後、スニフト
開閉弁26を開いてスニフトガス通路12dを透明びん
9内と連通させる。すると、透明びん9内のカウンタガ
スはチョーク31で絞られてその流出速度を減速させら
れつつ、ガス通路12c、スニフト開閉弁26、バルブ
下部本体内スニフトガス通路12d、およびスニフトガ
ス通路5を経て大気中へ放出され、透明びん9内の圧力
は大気圧に戻される。なお、フィラーボウル2内を加圧
しない場合においては、この減圧工程は不要である。 (第7工程) 透明びん9の取り外し:透明びん9内の
減圧を終了し、透明びん9内圧力が大気圧に戻った後、
容器脱着台を下降させて、弁体13およびベントチュー
ブ15の下端部から構成される容器挿入筒部13kを透
明びん9内からその開口部9aを通して抜き出すことに
より、液体充填作業の一連の工程が完了する。次に、本
発明の第2の実施の形態に係る液体充填装置51を、図
4に基づいて説明する。この第2実施形態の液体充填装
置51は、弁体52およびベントチューブ53の形状が
前述した第1実施形態の弁体13およびベントチューブ
15の形状と異なっているだけで、その他の構成、作
用、および効果は第1実施形態と同じである。よって、
その異なっている部分について説明し、その他の説明は
省略する。また、図面についても、本実施形態の弁体5
2およびベントチューブ53の特徴をよく理解すること
のできる図面のみを示し、この図4において、前述の第
1実施形態と同一部分には同一符号を付してある。本実
施形態の液体充填装置51においては、図4に示すよう
に、弁体52のスプレッダ19より下側の長さを第1実
施形態よりも短くして、その下端52fをベントチュー
ブ53の下端53dよりも高い位置に設定した。また、
前記第1実施形態の弁体13に設けられていたスリット
部13gを廃止した。この第2実施形態の液体充填装置
51は、以上説明した点以外は、第1実施形態の液体充
填装置1と同じであるので、この第2実施形態の液体充
填装置51を用いることにより、本発明が解決しようと
する課題を解決できるのは勿論であるが、前記構成の弁
体52およびベントチューブ53などを備えた第2実施
形態は、以下の点で優れている。弁体52のスプレッダ
19より下側の長さを第1実施形態よりも短くできると
ともに、スリット部13gを設ける加工作業を施す必要
がないので、バルブ本体10を簡単に制作できる。ま
た、この第2実施形態の液体充填装置51を用いた液体
充填作業は、前述した第1実施形態の液体充填作業と略
同じであるので、その説明を省略する。次に、本発明の
第3の実施の形態に係る液体充填装置61を、図4に基
づいて説明する。この第3実施形態の液体充填装置61
は、液体通路の開閉弁13dと弁座12fとが接離する
箇所に、サイフォン通路62を形成しただけで、その他
の構成、作用、および効果は第1実施形態と同じであ
る。よって、その異なっている部分について説明し、そ
の他の説明は省略する。また、図面についても、本実施
形態の液体通路の特徴をよく理解することのできる図面
のみを示し、この図5において、前述の第1実施形態と
同一部分には同一符号を付してある。本実施形態の液体
充填装置61においては、図5に示すように、液体通路
の開閉弁13dと弁座12fとが接離する箇所、すなわ
ち、充填バルブ40に液止め機構としてのサイフォン通
路62を形成した。この第3実施形態の液体充填装置6
1は、以上説明した点以外は、第1実施形態の液体充填
装置1と同じであるので、この第3実施形態の液体充填
装置61を用いることにより、本発明が解決しようとす
る課題を解決できるのは勿論であるが、前記構成のサイ
フォン通路62などを備えた第3実施形態は、以下の点
で優れている。充填作業中にガブ落ちが発生しても、ス
プレッダ19からサイフォン通路62にかけての液体通
路に残っている炭酸ガス飲料7が透明びん9内に落ちて
くるだけで、サイフォン通路62より上側の液体通路3
9に残っている炭酸ガス飲料7は透明びん9内に落ちて
こない。よって、充填作業中にガブ落ちが発生すること
による炭酸ガス飲料の充填量のばらつきをより抑制でき
る。また、第1充填タイマ37のタイムアップ設定値
は、第1実施形態のように、ガブ落ち前のタイミングを
予め見計らって設定する必要はなく、液面7aがベント
ホール15cに到達した直後のタイミングに設定すれば
よい。これにより、第1充填タイマ37のタイム設定を
透明びん9の外側から肉眼で確認しつつ行うことができ
るので、その設定作業を簡略化できる。また、この第3
実施形態の液体充填装置61を用いた液体充填作業は、
前述した第1実施形態の液体充填作業と略同じであるの
で、その説明を省略する。次に、本発明の第4の実施の
形態に係る液体充填装置71を、図6に基づいて説明す
る。この第4実施形態の液体充填装置71において、そ
の制御手段としての制御装置35は、第1実施形態で用
いた第1充填タイマ37に替わる圧力センサ72と、第
1実施形態で用いた第2充填タイマ38に替わる充填レ
ベルタイマ73とを有して形成されている。圧力センサ
72は制御装置35の本体部から離れて第2ベントライ
ン上部通路13bに取り付けられ、第2ベントラインを
介してこれに連通する容器9内の圧力を検出する。充填
レベルタイマ73は制御装置35の本体部に直接取付け
られている。その他の構成、作用、および効果は第1実
施形態と同じである。よって、その異なっている部分に
ついて説明し、その他の説明は省略する。また、図面に
ついても、本実施形態の圧力センサ72および充填レベ
ルタイマ73の特徴をよく理解することのできる図面の
みを示し、この図6において、前述の第1実施形態と同
一部分には同一符号を付してある。本実施形態の液体充
填装置71においては、図6に示すように、第2ベント
ライン上部通路13bおよび第2ベントライン接続気体
通路11gに連通する貫通孔をバルブ上部本体11内に
設けて、そのバルブ上部本体11の外部と連通する側の
端部に透明びん9内の圧力を検出するガス圧センサ72
を取り付けた。それとともに、第1充填タイマ37およ
び第2充填タイマ38に代わって第1ベント弁24およ
び第2ベント弁25の開閉作動のタイミングを設定する
充填レベルタイマ73を制御装置35に取り付けた。こ
の第4実施形態の液体充填装置71は、以上説明した点
以外は、第1実施形態の液体充填装置1と同じであるの
で、この第4実施形態の液体充填装置71を用いること
により、本発明が解決しようとする課題を解決できるの
は勿論であるが、前記構成のガス圧センサ72および充
填レベルタイマ73などを備えた第4実施形態は、以下
の点で優れている。透明びん9内の圧力を検出するガス
圧センサ72、および第1ベント弁24および第2ベン
ト弁25の開閉作動のタイミングを設定する充填レベル
タイマ73を備えた液体充填装置71によれば、透明び
ん9内の圧力変化を直接検出することにより、定位充填
と液面レベル補正充填の切り換えを行うことができるの
で、透明びん9内に充填する炭酸ガス飲料7の充填量を
さらに精度よく設定できる。したがって、透明びん9内
に充填する炭酸ガス飲料7の充填量のばらつきをさらに
よく抑制できる。また、タイマを1個で済ますことがで
きるので、制御系を単純に構成でき、故障を抑制でき
る。また、この第4実施形態の液体充填装置71を用い
た液体充填作業は、前述した第1実施形態の液体充填作
業と工程の一部分が異なっているだけで、その他は略同
じなので、その異なっている工程の一部分だけを説明
し、その他の説明を省略する。 第1充填(定位充填):エア切り換え電磁弁36aを作
動させて、図1中実線で示すように、エアシリンダ21
のピストンロッド21aを下方に向けて付勢するエア圧
力を解除して、圧縮ばね23の力によりバルブ本体10
を上昇させる。これにより、開閉弁13dが弁座12f
から離れ、液体通路39の充填バルブ40は開かれる。
同時に充填レベルタイマ73のカウントを開始させる。
フィラーボウル2内の炭酸ガス飲料7は、充填バルブ4
0を通り、スプレッダ19によって透明びん9の内壁に
沿って流下させられ、透明びん9内に充填される。炭酸
ガス飲料7の流入は、透明びん9内のカウンタガスが、
ベントホール15cを経て第1ベントライン16を通
り、フィラーボウル2の気層部8内に還流することによ
り継続される。この充填作業中において、充填バルブ4
0からスプレッダ19までの液体通路39は炭酸ガス飲
料7で満たされている。透明びん9内の液面7aが上昇
し、ベントホール15cに到達すると、透明びん9内の
カウンタガスの逃げ場がなくなり、炭酸ガス飲料7も流
入は略停止し、液面7aは図1中h1で示す位置で停止
する。ガス圧センサ72はこの時点の透明びん9内の圧
力を検出し、これを制御装置35に出力信号Lとして送
る。 第2充填(液面レベル補正充填):圧力センサ72から
送られてくる出力信号Lを受けた制御装置35は、エア
切り換え電磁弁36cを作動させて第2ベント弁25を
開かせる。これにより、透明びん9内のカウンタガス
は、スリット部13g、第2ベントライン17、第2ベ
ントライン上部通路13b、第2ベントライン接続気体
通路11g、第2気体通路11h、第2ベント弁25、
および共通気体通路11fを通り、フィラーボウル1内
に抜け出ることができる。また、制御装置35は、第2
ベント弁25を開かせると同時に、充填レベルタイマ7
3のカウントを開始させる。第1充填タイマ37のタイ
ムアップと同時に、第2ベント弁25を開いて第2充填
タイマ38のカウントを開始させる。このとき、これに
より、炭酸ガス飲料7の充填が再開される。第2充填タ
イマ38がタイムアップすると、エアシリンダ21のピ
ストンロッド21aを下降させて、充填バルブ40を閉
じさせる。この操作により、炭酸ガス飲料7の透明びん
9内への流入は停止するとともに、充填バルブ40とス
プレッダ19との間の炭酸ガス飲料7は透明びん9内に
落下し、液面7aは図1中h2に示されている規定の高
さに到達する。第2充填タイマ38のカウント設定値を
変更し、第2充填中に流入する炭酸ガス飲料7の液量を
調整することにより、充填液面レベルh2の高さ位置を
容易に調整できる。なお、第2充填を行う前に、炭酸ガ
ス飲料7が第1ベントライン16内に上昇している場合
には、透明びん9内への充填量は第1ベントライン16
に上昇している炭酸ガス飲料7の量分だけ増加するが、
その量はわずかなので誤差の範囲内である。なお、本発
明に係る液体充填装置および液体充填方法は、前述した
第1〜第4の実施の形態には制約されない。
【発明の効果】請求項1及び2の発明によれば、充填す
べき液体を蓄えた貯液タンクの気層部に、バルブ本体の
第1、第2のベントラインを介して容器内の気体を回収
しつつ、前記液体を供給して容器内に充填する際に、容
器とは無関係な位置に設けられる制御手段により、2段
階に分けて液体を供給、例えば、請求項2の発明のよう
に第1ベント弁および開閉弁を開いて、容器内に液体を
その液面の高さが規定の高さよりも低く設定された設定
高さに到達するまで充填する定位充填と、この後に第2
ベント弁を開いて、容器内に液体をその液面の高さが規
定の高さに到達するまで少量ずつ充填する液面レベル補
正充填とを行なって、充填を行わせる構成である。その
ため、従来のように容器内に充填される液体に接触して
液面検知を行う充填レベルセンサを要することがなく、
又、レベル規制装置付きのノズルを使用していないか
ら、充填する液体の種類を原因とする故障に強く、か
つ、充填する液体の特性、及び充填する液体の加圧、或
は被加圧等の充填条件に拘らず、容器内に略規定量の液
体を充填できる液体充填装置を提供できる。請求項3の
発明によれば、制御装置による2段階の充填量の制御
を、第1、第2の充填タイマで行うから、前記2段階の
充填時間の制御が簡単であり、それにより、故障に強
く、かつ、充填条件に拘らず、容器内に略規定量の液体
を充填できる液体充填装置を提供できる。請求項4の発
明によれば、制御装置による2段階の充填量の制御を、
第2ベントラインの圧力を検出する圧力センサと一つの
充填レベルタイマで行うから、前記2段階の充填時間の
制御が簡単であり、それにより、故障に強く、かつ、充
填条件に拘らず、容器内に略規定量の液体を充填できる
液体充填装置を提供できる。請求項5の発明によれば、
開閉弁と弁座とが接離する箇所にサイフォン通路を形成
したから、容器内への定位充填が完了した時点で、第2
ベントライン内の液体が不用意に容器内に流れ落ちるこ
とを防止し、それにより、より正確に略規定量の液体充
填を行わせることができる液体充填装置を提供できる。
請求項6の発明によれば、弁体とその内側に配置された
ベントチューブとの間に液体の残留を防止するためのス
リット部を弁体に設けて、容器内への定位充填が完了し
た時点で、第2ベントライン内の液体が不用意に容器内
に流れ落ちることを防止できるから、より正確に略規定
量の液体充填を行わせることができる液体充填装置を提
供できる。請求項7の発明によれば、弁体の下端とベン
トチューブの下端との高さ関係により、容器内への定位
充填が完了した時点で、弁体とその内側に配置されたベ
ントチューブとの間からの液体の流出を防止できるか
ら、第2ベントライン内の液体が不用意に容器内に流れ
落ちることを防止し、それにより、より正確に略規定量
の液体充填を行わせることができる液体充填装置を提供
できる。請求項8の発明によれば、外側筒部と内側筒部
とからなる二重の筒形状に形成されて、かつ、外側通気
路と内側通気路とを有する容器挿入筒部を、液体が充填
される容器の内部にその開口部を通して、所定の位置ま
で挿入するとともに、前記容器内の気密を保持するよう
に前記開口部を閉じてから、前記容器の内圧を前記液体
が貯蔵されている貯液タンクの上部に形成されている気
層部の圧力と略同圧にした後、前記容器内の気体を前記
内側通気路を通して前記気層部に送りつつ、前記内側筒
部の下端と前記外側筒部の下端とのうち、より低い位置
に配置されている方の下端に前記液体の液面が到達する
まで前記両通路のうちの少なくとも内側通気路を通して
前記容器内に前記液体を充填し、続けて前記容器内の気
体を前記外側通気路を通して前記気層部に送りつつ、規
定の量に達するまで前記外側通路を通して前記容器内に
前記液体を少量ずつ充填する。そのため、従来のように
容器内に充填される液体に接触して液面検知を行う充填
レベルセンサを要することがなく、また、レベル規制装
置付きのノズルを使用することもないから、充填する液
体の種類を原因とする故障に強く、かつ、充填する液体
の特性、及び充填する液体の加圧、或は被加圧等の充填
条件に拘らず、容器内に略規定量の液体を充填できる液
体充填方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液体充填装置
を示す縦断面図。
【図2】図1中A−A線に沿う断面図。
【図3】図1に示す液体充填装置が有している弁体およ
びベントチューブの下端部を示す側面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る液体充填装が
有している弁体およびベントチューブの下端部を示す側
面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る液体充填装置
を示す縦断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る液体充填装置
を示す縦断面図。
【図7】従来の技術に係る液体の容器への充填装置の一
部を示す縦断面図。
【符号の説明】
1,51,61,71…液体充填装置 2…フィラーボウル(貯液タンク) 3…フィラーボウル上蓋 7…液体 7a…液面 8…気層部 9…びん(容器) 10…バルブ本体 11…バルブ上部本体 11e…第1気体通路 11h…第2気体通路 12…バルブ下部本体 12f…弁座 13,43,52…弁体 13d…開閉弁 13f,43f…弁体下端 13g…スリット部 13k…容器挿入筒部 15,53…ベントチューブ 15c…ベントホール 15d…ベントチューブ下端 16…第1ベントライン 17…第2ベントライン 21…エアシリンダ(バルブ駆動手段) 24…第1ベント弁 25…第2ベント弁 28…センタリングカップ(容器保持手段) 35…制御装置 37…第1充填タイマ 38…第2充填タイマ 39…液体通路 40…充填バルブ 62…サイフォン通路 72…ガス圧センサ(圧力検出手段) 73…充填レベルタイマ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器に充填する液体を、所定の圧力下に
    おいて液面の高さを一定に保持して貯蔵する貯液タンク
    と、 筒形状であって長手方向中間部外面に開閉弁を有する弁
    体、および第1ベントラインを有するとともに前記弁体
    内周面との間に第2ベントラインを設けて前記弁体に内
    設されたベントチューブを夫々備えて、前記貯液タンク
    を上下に移動自在に貫通して設けられたバルブ本体と、 前記貯液タンクと連通し、かつ、前記バルブ本体が上下
    方向に移動自在に貫通する液体通路、この液体通路の長
    手方向中間部に形成され、前記開閉弁が接離する弁座、
    および前記液体通路と前記容器内とを連通するとともに
    前記容器内の気密が保持されるように前記容器の開口部
    を保持する容器保持手段を夫々有して、前記貯液タンク
    の下側に取り付けられたバルブ下部本体と、 前記第1ベントラインと前記貯液タンクの内部上方に形
    成された気層部とを連通する第1気体通路を開閉する第
    1ベント弁、および前記第2ベントラインと前記気層部
    とを連通する第2気体通路を開閉する第2ベント弁を夫
    々有して、前記貯液タンクの上側に取り付けられたバル
    ブ上部本体と、 このバルブ上部本体に取り付けられて前記バルブ本体を
    昇降駆動させるバルブ駆動手段と、 前記バルブ駆動手段を介して前記開閉弁の開閉、前記第
    1ベント弁の開閉、および前記第2ベント弁の開閉を組
    み合わせて行うことにより、前記液体を2段階に分けて
    前記容器内に規定量充填させる制御手段と、を具備する
    ことを特徴とする液体充填装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記第1ベント弁およ
    び前記開閉弁を開いて、前記容器内に前記液体をその液
    面の高さが規定の高さよりも低く設定された設定高さに
    到達するまで充填する定位充填と、この後に前記第2ベ
    ント弁を開いて、前記容器内に前記液体をその液面の高
    さが前記規定の高さに到達するまで少量ずつ充填する液
    面レベル補正充填とを行わせることを特徴とする請求項
    1に記載の液体充填装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記開閉弁が開かれる
    に伴いタイマカウントを開始し、前記液面の高さが前記
    容器内に挿入された前記ベントチューブの下端開口に到
    達した際にタイムアップして、前記第2ベント弁を開か
    せる第1充填タイマと、前記タイムアップと同時にタイ
    マカウントを開始し、前記液面の高さが前記規定の高さ
    に到達した際にタイムアップして前記開閉弁、前記第1
    ベント弁、および前記第2ベント弁を夫々閉じさせる第
    2充填タイマとを有することを特徴とする請求項2に記
    載の液体充填装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記第2ベントライン
    を介して前記容器内の圧力を検出する圧力センサと、前
    記容器内に挿入された前記ベントチューブの下端開口に
    前記液面が到達した際の前記容器内の圧力を前記圧力セ
    ンサが検出するに伴って、タイマカウントを開始して、
    前記液面の高さが規定の高さに達するように前記液面レ
    ベル補正充填の充填時間を規定する充填レベルタイマと
    を有することを特徴とする請求項2に記載の液体充填装
    置。
  5. 【請求項5】 前記液体通路の前記開閉弁と前記弁座と
    が接離する箇所に、サイフォン通路を形成したことを特
    徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の液
    体充填装置。
  6. 【請求項6】 前記弁体の下端部を前記ベントチューブ
    の下端よりも下方に延ばして配置するとともに、前記弁
    体にその内側と外側とを連通して上下方向に延びるスリ
    ット部を設け、このスリット部の下端を前記ベントチュ
    ーブの下端よりも下方に設けたことを特徴とする請求項
    1〜5のうちのいずれか1項に記載の液体充填装置。
  7. 【請求項7】 前記弁体の下端を前記ベントチューブの
    下端よりも上方に配置したことを特徴とする請求項1〜
    6のうちのいずれか1項に記載の液体充填装置。
  8. 【請求項8】 外側筒部と内側筒部とからなる二重の筒
    形状に形成されて、かつ、外側通気路と内側通気路とを
    有する容器挿入筒部を、液体が充填される容器の内部に
    その開口部を通して、所定の位置まで挿入するととも
    に、前記容器内の気密を保持するように前記開口部を閉
    じてから、前記容器の内圧を前記液体が貯蔵されている
    貯液タンクの上部に形成されている気層部の圧力と略同
    圧にした後、前記容器内の気体を前記内側通気路を通し
    て前記気層部に送りつつ、前記内側筒部の下端と前記外
    側筒部の下端とのうち、より低い位置に配置されている
    方の下端に前記液体の液面が到達するまで前記両通路の
    うちの少なくとも内側通気路を通して前記容器内に前記
    液体を充填し、続けて前記容器内の気体を前記外側通気
    路を通して前記気層部に送りつつ、規定の量に達するま
    で前記外側通路を通して前記容器内に前記液体を少量ず
    つ充填することを特徴とする液体充填方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004359266A (ja) * 2003-06-03 2004-12-24 Kirin Brewery Co Ltd 充填用バルブユニット洗浄装置
JP2008094496A (ja) * 2006-09-15 2008-04-24 Naomi:Kk 充填機
JP2011106593A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Mitsubishi Heavy Industries Food & Packaging Machinery Co Ltd ロータリージョイントの軸受結露防止装置
KR101465679B1 (ko) * 2013-09-04 2014-11-27 송영숙 음료 정량 공급장치
CN106365099A (zh) * 2016-10-21 2017-02-01 张家港市万金机械有限公司 一种瓶体灌水阀

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