JP2001277744A - スクリーン製版 - Google Patents

スクリーン製版

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JP2001277744A
JP2001277744A JP2000093208A JP2000093208A JP2001277744A JP 2001277744 A JP2001277744 A JP 2001277744A JP 2000093208 A JP2000093208 A JP 2000093208A JP 2000093208 A JP2000093208 A JP 2000093208A JP 2001277744 A JP2001277744 A JP 2001277744A
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screen
printing
plate
squeegee
frame
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Susumu Sakamoto
進 阪本
Eiji Naraki
英二 楢木
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Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
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Noritake Co Ltd
Noritake Electronics Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スクリーン製版の大型化に伴って顕著となるス
クリーンの版離れ性の経時的な悪化に起因する寿命低下
を抑制する。 【解決手段】スクリーン18の端部と摺動範囲Sとの間
に設けられた補強帯状体30によって、そこではスキー
ジが摺動させられる印刷時におけるスクリーン18の弾
性伸びが抑制される。そのため、印刷時にスキージでス
クリーン18が被印刷面に向かって押し下げられる際に
は、補強部Rの弾性伸びが抑制された分だけスクリーン
18の残部の弾性伸び量が増大させられることから、ス
キージの摺動方向に沿った一方向においてスクリーン1
8に作用する張力延いては復元力が高められる。したが
って、スクリーン18に僅かな塑性伸びが生じても印刷
時の復元力は十分に高い値に保たれるため、復元力の低
下によりスクリーン18が使用不能になるまでの時間を
長くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚膜スクリーン印
刷に用いるスクリーン製版の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】スクリーン印刷を利用して厚膜材料を印
刷することにより、導体や絶縁体の厚膜パターンを有す
る厚膜式PDP(Plasma Display Panel)基板、プラズ
マ・アドレス液晶パネル(Plasma Addressd Liquid Cry
stal Panel)のプラズマ・スイッチング用基板、VFD
(Vacuum Fluorescent Display)の厚膜陽極基板、或い
は厚膜配線基板などが製造されることが知られている。
これらの厚膜基板では、印刷パターンの大型化および高
精細化への要求が年々高まる傾向にある。例えば、PD
P基板やプラズマ・スイッチング基板においては、HD
TV等の大型且つ高解像度の表示装置が望まれており、
また、VFDの厚膜陽極基板や厚膜配線基板等では、表
示密度或いは配線密度を高めると共に多数個取りにより
製造効率を高めることが望まれているためである。
【0003】一般に、上記のスクリーン印刷に用いられ
る製版は、一定の張力を付与された状態で版枠に張り付
けられた所定メッシュのスクリーンの内周側に、感光性
樹脂(エマルジョン)等で印刷パターンを形成して構成
される。スクリーン印刷をするに際しては、スクリーン
を被印刷面から一定距離だけ隔てて配置してその上に厚
膜印刷ペーストを載置し、スキージでスクリーンをその
被印刷面に向かって押し下げつつそのスキージを一方向
に摺動させることにより、その印刷パターンの開口部か
ら厚膜印刷ペーストを押し出して被印刷面に塗布する。
このとき、スキージで押し下げられたスクリーンは、僅
かに弾性変形させられることにより一時的に被印刷面に
接触させられ、且つその弾性変形に基づいて発生する復
元力により直ちに被印刷面から離隔させられるため、上
記印刷パターンに従って厚膜印刷ペーストをにじみなく
高精度で塗布できることとなる。スクリーンに予め付与
される張力は、被印刷面との間の版間隔で大きさが決定
される僅かな弾性変形で大きな復元力が得られるように
定められるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
な大型且つ高精細を要求されるスクリーン印刷用のスク
リーン製版においては、被印刷面の大型化に伴ってスク
リーンが大型になるほど、その自重やペースト重量に起
因するスクリーンの弾性伸びが大きくなって中央部に生
じる弛み(垂れ)が大きくなる。例えば、60型(対角60
インチ)程度で縦横比16:9 程度の表示面を備えたPD
P基板を製造する場合には2.3 ×2(m)程度の大きさのス
クリーン製版が用いられることから、スクリーンの自重
は1.5(kg)程度に、ペースト重量も2(kg) 程度にもなる
のである。そのため、高精細印刷に適当な小さな版間隔
を設定すると、スキージでスクリーンを押し下げる際の
変形量が小さくなってその弾性変形に基づく復元力が初
期的に小さくなることから、印刷精度に影響しない程度
の僅かなスクリーンの塑性伸びが生じる短時間の使用で
版離れ性が著しく悪化する問題があった。因みに、被印
刷面上に印刷形成されたペースト膜の寸法精度および形
状精度は、スクリーンの弾性伸びの大きさやスキージの
摺動方向におけるスナップ・オフ角度の変動幅にも依存
する。版間隔が大きくなるほどこれらの影響が大きくな
って寸法形状精度が低下することから、高精細印刷のた
めには版間隔を小さい値に設定することが望まれるので
ある。上記の「スナップ・オフ角度」とは、印刷時にス
キージの摺動方向の後方側においてスクリーンと被印刷
面との成す角度をいい、その後方側に位置する版枠の一
辺から遠い位置ほど小さい角度になる。
【0005】なお、スクリーンを張設する際の張力を高
く設定すれば、その弛みを抑制して初期的に十分な復元
力を得ることができる。しかしながら、張力を高くする
ほどスクリーンの塑性伸び(所謂「版伸び」)が生じ易
くなることから、高い復元力が得られる時間は長くはな
く、且つ短時間で寸法精度が低下するため、張力を高め
ると却って寿命が短くなるのである。
【0006】しかも、上記のような不都合は、版枠に固
定されるスクリーンの周縁部を相対的に低弾性率の支持
体スクリーンで構成すると共に、印刷パターンを備えた
内周部を相対的に高弾性率の印刷用スクリーンで構成し
たコンビネーション張り製版において一層顕著となる。
なお、支持体スクリーンは例えばナイロン或いはテトロ
ン(登録商標)等の合成樹脂製メッシュで構成され、印
刷用スクリーンは例えばステンレス製メッシュ等で構成
される。このようなコンビネーション張り製版は、スキ
ージで押圧される印刷時に専ら支持体スクリーンが弾性
的に伸びることによって、印刷パターンの弾性変形を抑
制しつつ高い版離れ性を確保しようとするものである
が、スクリーンが大型化するとその支持体スクリーンの
弾性伸びが大きくなることから、中央部の弛みが一層大
きくなって初期的な復元力が一層低下するため、版離れ
性の悪化が一層短時間で生じるのである。
【0007】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、スクリーン製版の大型化
に伴って顕著となるスクリーンの版離れ性の経時的な悪
化に起因する寿命低下を抑制することにある。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するため、第1発明の要旨とするところは、矩形枠状を
成す版枠の一面にスクリーンが張設されて成り、そのス
クリーン上でスキージをその版枠の一辺からそれに対向
する他辺に向かって所定の摺動範囲で摺動することによ
りそのスクリーン上に載置した厚膜印刷ペーストをその
スクリーンの開口部から押し出して被印刷面に印刷する
ためのスクリーン製版において、(a) 前記スクリーンの
前記摺動方向に沿った一方向における端部と前記摺動範
囲との間の所定範囲にそのスクリーンのその一方向の弾
性伸びを抑制するための補強部を設けたことにある。
【0009】
【第1発明の効果】このようにすれば、スクリーンの端
部と摺動範囲の間の所定範囲に設けられた補強部によっ
て、その所定範囲では、スキージが摺動させられる印刷
時におけるスクリーンの弾性伸びが抑制される。そのた
め、印刷時にスキージでスクリーンが被印刷面に向かっ
て押し下げられる際には、上記所定範囲の弾性伸びが抑
制された分だけスクリーンの残部の弾性伸び量が増大さ
せられることから、そのときにスキージの摺動方向に沿
った一方向においてスクリーンに作用する張力延いては
復元力が高められる。したがって、スクリーンに僅かな
塑性伸びが生じても印刷時の復元力は十分に高い値に保
たれるため、復元力の低下によりスクリーンが使用不能
になるまでの時間を長くすることができる。しかも、上
記の補強部は、単にスクリーンの弾性伸びを抑制するも
のであって初期に付与される張力は高められないため、
スクリーンの塑性伸びが生じ易くなり延いては復元力を
高めることに付随して寿命が低下することもない。以上
により、スクリーン製版の大型化に伴って顕著となるス
クリーンの版離れ性の経時的な悪化に起因する寿命低下
を抑制することができる。
【0010】
【第1発明の他の態様】ここで、好適には、(a-2) 前記
補強部は、前記所定範囲において前記スクリーンに前記
版枠に沿って帯状体が固着されたものである。このよう
にすれば、その所定範囲では版枠に沿って固着された帯
状体がスクリーンに作用する張力の一部を負担すること
から、その所定範囲の弾性伸びが抑制される。帯状体は
種々の材料で構成し得るが、その材質、形状、厚みや幅
寸法等を適宜設定することにより、初期におけるスクリ
ーンの復元力を所望の値に設定することができる。一層
好適には、帯状体は、スクリーンの面方向における伸縮
性を有するものである。このようにすれば、スクリーン
は帯状体が固着された範囲を含む全体がその面方向に弾
性的に伸び得るため、補強部を除く残部の過度の伸びに
よる塑性伸びの発生を抑制できると共に、補強部にその
弾性伸びに基づいて発生する張力もスクリーンの復元力
として好適に作用することとなる。
【0011】更に好適には、帯状体は、その長手方向に
沿って伸びる版枠との境界を中心に回動可能にスクリー
ンに固着される。このようにすれば、スクリーンがスキ
ージで被印刷面に向かって押圧される印刷時には、補強
部を設けていない場合と略同様にスクリーンの全体が撓
まされる。したがって、開口部が備えられている印刷領
域と版枠との間に高い印刷精度を得る目的で設けられて
いる非印刷領域(マージン)の大きさが実質的に損なわ
れないため、高い印刷精度が一層長期間に亘って維持さ
れる。なお、このようなスクリーンの撓みすなわち回動
を妨げない帯状体は、例えば、スクリーン、粘着テープ
や開口部を形成するための樹脂等で構成することができ
る。因みに、前述したように、高い印刷精度を得るため
にはスキージの摺動方向においてスナップ・オフ角度の
変動幅を小さくすることが望ましいが、スナップ・オフ
角度の変化率は、摺動方向の前後に位置する版枠の二辺
に近い位置ほど大きい。そのため、印刷領域内でのスナ
ップ・オフ角度の変動幅を小さい値に留めて所望の印刷
精度を得るためには、その印刷精度に応じた大きさの非
印刷領域を摺動方向における印刷領域の前後に設けて、
スキージで押圧された際に撓まされる範囲を広くしなけ
ればならない。上記のようにすれば、スクリーンの可撓
性が殆ど損なわれないことから非印刷領域の機能が損な
われないため、印刷精度の低下を伴うことなく補強部を
設けることが可能となる。なお、上記の非印刷領域の大
きさは、例えば、60型のPDPパネルを製造するための
スクリーン製版では、印刷領域の周囲に50〜60(cm)程度
の幅で必要となる。すなわち、大型且つ高精細を要求さ
れるスクリーン印刷用のスクリーン製版においては、印
刷領域が大きくなるばかりでなく非印刷領域も大きくす
る必要があることから、スクリーンの面積が一層大きく
なって弛みが増大するのである。
【0012】また、好適には、(b) 前記開口部は前記ス
クリーンに所定の開口パターンで樹脂を塗着して設けら
れたものであり、(a-3) 前記補強部は、前記所定範囲に
おいて前記摺動範囲よりも厚く樹脂が塗着されたもので
ある。このようにすれば、スキージに押圧される印刷時
におけるスクリーンの撓みを補強部が設けられない場合
と略同様に維持したまま、樹脂が厚く塗着された所定範
囲において、スキージの摺動範囲よりも弾性伸びを抑制
することができる。したがって、スクリーンに設けられ
た非印刷領域の大きさが実質的に損なわれない利点があ
る。なお、補強部に塗着される樹脂は、開口パターンを
形成するために用いられるものと同じものおよび異なる
ものの何れであってもよく、その弾性率等の特性や厚さ
を適宜選択することにより、初期における復元力を所望
の値に設定することができる。
【0013】また、好適には、(c) 前記スクリーンは、
周縁部を構成する枠状の支持体スクリーンとその支持体
スクリーンに周縁部を固着されて前記摺動範囲を含む内
周部を構成する印刷用スクリーンとから成るものであ
り、(a-4) 前記補強部は、前記所定範囲において前記支
持体スクリーンが2枚以上重ねて設けられたものであ
る。このようにすれば、スクリーンが支持体スクリーン
および印刷用スクリーンから構成された所謂コンビネー
ション製版において、所定範囲では支持体スクリーンが
2枚以上重ねられていることから、支持体スクリーンが
1枚で構成されている場合に比較して弾性伸びを抑制す
ることができる。しかも、この態様においても、補強部
にはスクリーンが追加して設けられるだけであることか
ら、スキージに押圧される印刷時におけるスクリーンの
撓みは補強部を設けない場合と略同様に維持されるた
め、非印刷領域の大きさが実質的に損なわれない利点が
ある。なお、重ねて設けられる支持体スクリーンは、1
枚で設けられる場合に用いられるスクリーンと同じもの
であっても、異なるものであってもよく、その枚数や弾
性率等の特性を適宜選択することにより、初期における
復元力を所望の値に設定することができる。
【0014】また、好適には、前記スクリーン製版は、
前記版枠の他辺が上側に位置するように前記スクリーン
が水平面に対して所定角度を成す傾斜した状態で取り付
けられる傾斜型スクリーン印刷機に用いられるものであ
り、その他辺側に前記補強部が設けられることにより、
上記版枠の他辺側の方が下側に位置する一辺側よりも弾
性伸びが生じ難くされる。このようにすれば、スクリー
ン自身および印刷ペーストの重量に起因する伸びが下側
に位置する一辺側よりも生じ易い他辺側において、補強
部が設けられることによって一辺側よりも弾性伸びが抑
制されていることから、その伸びに起因する復元力低下
が一層抑制される。なお、補強部は、一辺側および他辺
側の両方に設けても他辺側だけに設けてもよい。両方に
補強部を設ける場合には、一方だけに設ける場合に比較
してスクリーンの弛み延いては復元力の低下が一層抑制
されることとなる。
【0015】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、矩形枠
状を成す版枠の一面にスクリーンが張設されて成り、そ
のスクリーン上でスキージをその版枠の一辺からそれに
対向する他辺に向かって所定の摺動範囲で摺動すること
によりそのスクリーン上に載置した厚膜印刷ペーストを
そのスクリーンの開口部から押し出して被印刷面に印刷
するためのスクリーン製版において、(d) 前記版枠の前
記一辺と前記他辺とを相互に独立に構成すると共に、そ
れらの間にその相互間隔を調節するための間隔調節装置
を設けたことにある。
【0016】
【第2発明の効果】このようにすれば、摺動方向の前後
に配置された版枠の一辺と他辺との相互間隔が間隔調節
装置で調節可能であることから、それを変更することに
よってスクリーンに作用する張力を変化させ得る。その
ため、スクリーン製版の作製直後においてスクリーンの
張力が不適切なものとなっていた場合にはそれを適切な
値に変更することができると共に、スクリーン製版の使
用中においても、スクリーンの塑性伸びによって低下し
た張力を初期の値に戻すことができる。したがって、塑
性伸びが生じても所望の印刷精度が得られる範囲であれ
ば、スクリーンに作用する張力を印刷時の復元力が十分
に高い値となるように保つことができるため、復元力お
よび精度の低下によりスクリーンが使用不能になるまで
の時間を長くすることができる。しかも、塑性伸びに起
因する復元力低下を考慮して初期的に必要以上に高い張
力をスクリーンに付与する必要がないため、スクリーン
の塑性伸びが生じ易くなり延いては復元力を高めること
に付随して寿命が低下することもない。以上により、ス
クリーン製版の大型化に伴って顕著となるスクリーンの
版離れ性の経時的な悪化に起因する寿命低下を抑制する
ことができる。
【0017】
【第2発明の他の態様】ここで、好適には、前記開口部
は、前記版枠の一辺から他辺に向かう方向に沿って伸び
る互いに平行な帯状パターンである。このようにすれ
ば、帯状パターンの長手方向においてはスクリーンの伸
びが生じても印刷精度に対する影響が極めて小さいこと
から、塑性伸びが生じた場合に復元力を回復させるため
に版枠の一辺と他辺との間隔を変更することに伴う印刷
精度の低下が抑制される。したがって、復元力および精
度の低下によりスクリーンが使用不能となるまでの時間
を一層長くすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明のスクリーン製版の一実施
例である大型基板の厚膜スクリーン印刷に用いられるス
クリーン製版(以下、単に製版という)10の全体構成
を説明する平面図であり、図2は、図1におけるII−II
視断面図である。図において、製版10は、例えば対辺
が互いに平行な四辺によって囲まれた矩形の版枠12
と、その一面14にエポキシ樹脂等の接着剤16によっ
て接着されたスクリーン18とを備えている。
【0020】上記の版枠12は、例えばアルミニウムや
軽合金等の軽量金属材料から成るものであって、例え
ば、1000〜2000(mm)程度の枠寸法を有するものであり、
スクリーン18は、例えばステンレス鋼等の金属製の細
線を織った例えば325メッシュ(#325)程度の網
(メッシュ)である。このスクリーン18は、上記版枠
12よりも十分に大きな保持枠を備えた図示しない紗張
機を用いて0.80〜0.85(mm)程度の張力が付与されつつ、
その版枠12に接着されることにより、その張力が維持
された状態でその版枠12に接着されている。なお、上
記張力は、株式会社トープロテック社製のSTG−75
G型テンションゲージを用いて版枠22の中央位置を測
定して得た値である。
【0021】また、スクリーン18の全面には、例えば
10〜200(μm)程度の厚みを備えた感光性樹脂20が固着
されている。この感光性樹脂20は、印刷時において厚
膜印刷ペーストを透過させないレジスト層として機能す
るものであって、露光されることにより重合が進行して
機械的強度が高められている。但し、スクリーン18の
中央部には、上記感光性樹脂20が露光後に所定パター
ンで除去されることにより開口部22が形成された厚膜
印刷ペーストの透過領域A、すなわち、印刷領域が備え
られている。この開口部22は、例えば図1における上
下方向に沿って伸びる幅寸法が数十〜数百 (μm)の帯状
を成すものであり、印刷領域A内において数十〜数百
(μm)の中心間隔を以て数百本が平行に並ぶ。図1に
は、一点鎖線で外縁を表した印刷領域A内に開口部22
の配列方向を示した。なお、図2は開口部22の長手方
向に沿った断面を表したものであるが、理解を容易にす
るために感光性樹脂20の厚み等を誇張して描いてい
る。
【0022】上記の印刷領域Aは、被印刷体である大型
基板の厚膜印刷ペーストが塗布される範囲すなわち被印
刷領域に対応する範囲に設けられたものであって、例え
ば横方向の寸法がa=500 〜1400(mm)程度、縦方向の寸
法がb=300 〜800(mm) 程度の大きさを有し、その外周
縁から版枠12の内周端までの距離は例えば300 〜600
(mm) 程度である。このため、厚膜印刷ペーストの非透
過領域すなわち非印刷領域mは印刷領域Aの周囲に広い
幅寸法で設けられており、印刷領域Aの大きさはスクリ
ーン18全体の数分の一程度に過ぎない。非印刷領域m
のうち開口部22の長手方向における印刷領域Aの外周
縁と版枠12の互いに平行な一対の辺24、26との間
に位置する非印刷領域ma、maには、それら辺24、
26に沿ってスクリーン18のその版枠12側の裏面2
8に補強帯状体30が固着されている。一方、辺24、
26に垂直な辺32、34と印刷領域Aとの間の非印刷
領域mb、mbでは、感光性樹脂20の裏面28に何も
固着されていない。
【0023】この補強帯状体30は、一対の辺24、2
6に接するスクリーン18の外周端縁から印刷領域Aに
向かう中間部までの範囲に、例えば前記の感光性樹脂2
0と同様な感光性樹脂材料がそれに重ねて略一様な厚さ
寸法および幅寸法の帯状に塗着形成されたものである。
補強帯状体30はその全面が感光性樹脂20に化学的に
結合させられた状態にあり、スクリーン18の面方向に
おけるそれらの相対移動は不可能であるが、補強帯状体
30は感光性樹脂20と同程度の弾性および可撓性を有
する材料で構成されており、補強部Rでもスクリーン1
8は面方向に弾性伸びが可能であり、且つ、版枠12の
辺24、26との境界線を中心として回動可能である。
また、スクリーン18全体の可撓性は補強帯状体30を
設けていない場合と殆ど同様である。
【0024】そのため、補強帯状体30が固着された補
強部Rでは、スクリーン18に固着されている樹脂の厚
さ延いてはその断面積が増大していることから、そのス
クリーン18の面方向に沿った方向における引張に対す
る抵抗力すなわち「ばね定数」は、それが固着されてい
ない印刷領域A等に比較して大きい。スクリーン18に
固着された感光性樹脂20およびそれに固着された補強
帯状体30が、そのスクリーン18に作用する引張力の
一部を負担するためである。したがって、スクリーン1
8は、補強帯状体30が設けられていない印刷領域A等
においてはその弾性伸びの生じ易さが従来の製版と同程
度のままであるが、補強部Rでは弾性伸びが生じ難くな
っている。但し、初期的に付与されている張力は前記の
通り従来と同程度であり、特に高められているわけでは
ない。補強帯状体30は、このようにスクリーン18の
初期張力を高めることなく、引張力が印加された際の弾
性伸びを抑制する目的で設けられたものである。
【0025】図3は、上記のように構成される製版10
を用いてPDP基板等の表面(被印刷面)36に厚膜ス
クリーン印刷を施している状態を説明する模式図であ
る。図において、製版10は、用いられる厚膜印刷ペー
スト38の性状や要求される印刷精度等に基づいて予め
定められた版間隔dsだけ被印刷面36から上方に隔て
た高さ位置に、その被印刷面36と平行となるように水
平に配設されている。厚膜スクリーン印刷をするに際し
ては、スクリーン18上に厚膜印刷ペースト38を供給
し、スキージ40でそのスクリーン18を被印刷面36
に接するように押し下げつつ、そのスキージ40を例え
ば図における左端から右端に向かう一方向に沿って摺動
させる。これにより、印刷領域Aに設けられている開口
部22(図2参照)からペースト38が押し出されて被
印刷面36に転写され、その印刷領域Aに形成されてい
る開口パターン(印刷パターン)に従った印刷膜が被印
刷面36上に形成されることとなる。
【0026】このとき、上記のスキージ40の摺動方向
は、例えば、版枠12の一辺24から一辺26に向かう
方向に設定されており、スキージ40は、図2において
Sで示される摺動範囲内でスクリーン18上を摺動させ
られる。すなわち、摺動方向は、一辺24に沿って設け
られた一方の補強帯状体30から一辺26に沿って設け
られた他方の補強帯状体30に向かう方向に設定されて
おり、開口部22の長手方向に一致する。また、図に示
されるように、上記の摺動範囲Sは印刷領域Aよりも広
い範囲であって、補強領域S、Sよりも十分に内側とな
るように設定されている。換言すれば、補強帯状体30
は、スキージ40の摺動方向の前後であって、被印刷領
域maのうち印刷領域Aの開口部22の長手方向におけ
る長さ寸法に応じて定められるスキージ40の摺動範囲
よりも外側となる範囲だけに備えられる。そのため、ス
キージ40の摺動がスクリーン18の裏面28すなわち
スキージ40の摺動面側に重ねて設けられた補強帯状体
30によって妨げられることはない。
【0027】ところで、図3に示されるように水平に配
置された製版10のスクリーン18は、スキージ40で
押し下げられていない状態においてもその上に載置され
たペースト38の重量や自重によって図に一点鎖線で示
されるように弛み、滑らかな曲線を以て下に垂れる。そ
のため、スクリーン18の版離れ性に影響する実際の版
間隔deは、その垂れ(弛み)の大きさだけ前記の設定
版間隔dsよりも小さい。しかしながら、製版10にお
いては、前記のようにスキージ40の摺動方向の前後に
補強帯状体30が設けられていることから、補強部Rで
はスクリーン18の弾性伸びが生じ難くなっているた
め、上記の実版間隔deは、図3に破線で示すこのよう
な補強部が設けられていない従来の製版の場合の実版間
隔dpに比較すれば十分に大きい。したがって、製版1
0では、スキージ40による非押圧状態においてペース
ト38の重量やスクリーン18の自重に基づいてそれに
作用する張力は従来と同程度であるが、そのスキージ4
0に押圧される際の弾性伸び量が僅かに増大している。
しかも、その押圧時には、補強部R,Rの弾性伸びが生
じ難くなった分だけ、それらの中間部すなわち摺動範囲
S内の弾性伸び量が増大するため、設定版間隔dsを同
様とした場合における押圧時の張力は従来に比べて著し
く増大する。
【0028】この結果、製版10では、その製造直後に
おいて、その弾性伸びに基づくスクリーン18の復元力
が高められることから、塑性伸びに起因してその張力が
低下しても、それに伴って低下する印刷時の復元力すな
わち版離れ性が長時間に亘って十分に高い値に維持され
る。そのため、所望の印刷精度が得られなくなるまでの
時間、すなわち版離れ性が不十分となるまでの時間が飛
躍的に長くなる利点がある。なお、前述したように補強
帯状体30は、単にスクリーン18の弾性伸びを抑制す
るものであって初期に付与される張力は高められないた
め、初期的な張力を高める場合のようにスクリーン18
の塑性伸びが生じ易くなり延いては復元力を高めること
に付随して寿命が低下することもない。
【0029】更に、補強帯状体30が設けられていても
スクリーン18全体の可撓性は従来と殆ど同様であるた
め、スキージ40で押圧される印刷時には、補強部R,
Rもその内側部分と同様に撓まされる。そのため、高い
印刷精度を確保する目的で印刷領域Aと版枠12との間
に設けられている非印刷領域mの大きさや可撓性が従来
と同様に維持されることから、補強帯状体30を設ける
ことに起因する印刷精度低下は何等生じない。したがっ
て、上述のようにスクリーン18の高い版離れ性が長期
間に亘って確保されることと相俟って、所望の印刷精度
が得られる製版10の使用可能期間、すなわち製版10
の寿命が著しく伸びることとなる。
【0030】また、本実施例においては、スクリーン1
8上には印刷領域Aに長手状の開口部22が互いに平行
に設けられると共にその長手方向の両端部に補強帯状体
30が備えられており、印刷時におけるスキージ40の
摺動方向はその開口部22の長手方向に沿った方向であ
る。上記摺動方向では、印刷時にスクリーン18に作用
する張力が高められることによって、それに垂直な方向
よりも弾性的或いは塑性的な伸びが生じ易くなっている
が、その伸びの方向は開口部22の長手方向と一致して
いるため、その幅方向には殆ど伸びが生じない。そのた
め、PDP用基板においてそれほど高い寸法精度を要求
されない開口部22の長手方向には、スクリーン18の
伸び量に応じた大きさだけ伸びが生じるが、一方、高い
寸法精度を要求される開口部22の幅寸法および相互間
隔は殆ど変化しない。しかも、スクリーン18の塑性的
な伸びが専ら開口部22の長手方向だけで生じること
は、経時的な印刷精度低下も少ないことを意味する。し
たがって、スキージ40の摺動方向が開口部22の長手
方向に一致させられていることによって、一層高い寸法
精度を得ると共に、一層製版10の使用寿命が長くされ
ている。
【0031】因みに、スクリーン18に作用する張力
は、スキージ40の摺動方向に作用するものがそれに垂
直な方向に作用するものよりも版離れ性に対する寄与が
大きいため、版離れ性を高めるためには前者を高めるだ
けでよい。後者を必要以上に高くすることは、スキージ
40で押圧する際にスクリーン18と被印刷面36との
一様な密着性を得る妨げとなるばかりではなく、版枠1
2に接近するスキージ40の幅方向両端の変形を増大さ
せ、塗布されたペースト膜の厚みむらが生じ易くなる。
しかも、張力を高くするとパターンの変形も生じ易いこ
とから、却って印刷されたパターンの精度を低下させる
のである。
【0032】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前述の実施例と共通する部分
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】図4は、傾斜型構造のスクリーン印刷機に
前記の製版10が取り付けられて厚膜スクリーン印刷が
施されている状態を説明する図である。図において、製
版10は例えば水平面に対して60度程度の角度θだけ傾
斜させられ、被印刷面36と平行となるように配設され
ている。製版10と被印刷面36との間には、前記の図
3に示される場合と同様な版間隔dsが設けられてお
り、スクリーン18はスキージ40で押圧されることに
よって被印刷面36に接触させられる。本実施例におい
ても、スクリーン18は、その自重およびペースト重量
によって弛んだ状態になっているが、それらの重量Wは
図に矢印で示すようにスクリーン18に対して斜めに作
用するため、その面に垂直すなわち被印刷面36に接近
する方向の力はW cosθに減じられる。
【0034】そのため、製版10が水平に配置された図
3の場合に比較してスクリーン18の弛みは小さくなっ
ているが、このように弛みを小さくしても、製版10が
大型になるほど張力の低下に起因して要求精度を満たす
には復元力が不十分になるまでの時間すなわち製版10
の寿命が短くなる。したがって、傾斜印刷機に適用され
る製版10においても、前述のようにして補強帯状体3
0を設けることによって、スクリーン18の弛みを図に
破線で示すように版間隔がdpの状態から一点鎖線で示
すように版間隔がdeになる状態まで改善することがで
き、スクリーン18の弛みに起因する印刷精度低下を抑
制して寿命を長くすることができる。
【0035】なお、このような傾斜構造においては、ス
クリーン18の弛みは、図に示されるように重力に従っ
て下方に偏った状態となる。そのため、例えば図2に一
点鎖線で示すように上側に位置させられる辺26側にお
ける補強帯状体30の厚みを厚くし、その辺26側の補
強部Rの弾性伸びを一層抑制することが好ましい。この
ようにすれば、スクリーン18の上方に位置する部分の
伸びが抑制されることに基づき、弛みの偏りを強制して
印刷パターン精度を一層高めることができる。
【0036】図5は、本発明が所謂コンビネーション版
42(以下、製版42という)に適用された更に別の実
施例を説明する図である。図において、版枠12に張設
されたスクリーン44は、その周縁部を構成する矩形枠
状の支持体スクリーン46と、その支持体スクリーン4
6の裏面内周端部に外周端部をエポキシ樹脂等の接着剤
48(後述の図6参照)によって接着された矩形の印刷
用スクリーン50とから構成される。スクリーン44
は、支持体スクリーン46の外周端部において版枠12
に接着されている。このような製版42におけるスキー
ジ40の摺動範囲は、印刷用スクリーン50の内周側に
設定されており、更にその内側に実際に印刷に寄与する
印刷領域Aが設けられている。
【0037】上記の支持体スクリーン46は、例えばテ
トロンやナイロン等の合成樹脂製の細線を縦糸および横
糸として織られたメッシュ(網)であり、例えば250
メッシュ(#250)程度のものが用いられる。一方、
印刷用スクリーン50は、前記のスクリーン18と同様
な金属製メッシュから成るものである。したがって、ス
クリーン44は、容易に弾性変形させられる支持体スク
リーン46と、相対的に剛性が高く変形し難い印刷用ス
クリーン50とから構成されている。本実施例において
も、スクリーン44に前記のような開口部22を有する
パターンで感光性樹脂20が固着されているが、その開
口部22が備えられた印刷領域Aは印刷用スクリーン5
0の内周部に設けられており、支持体スクリーン46に
は開口パターンは何等形成されていない。
【0038】また、版枠12の上下に位置する辺24、
26と印刷用スクリーン50との間の部分には、図6に
製版42の断面を示すように、支持体スクリーン46に
重ねて補強スクリーン52がそれら辺24、26に沿っ
て固着されている。この補強スクリーン52は、支持体
スクリーン46と同様なメッシュで構成されたものであ
り、本実施例においては、実質的に支持体スクリーンが
二重に設けられる。なお、補強スクリーン52は、版枠
12に対して支持体スクリーン46と同じ側に配置され
ており、支持体スクリーン46の下側(被印刷面36
側)に固着された印刷用スクリーン50をその支持体ス
クリーン46との間で挟んだ状態で、その印刷用スクリ
ーン50にエポキシ接着剤等で接着されている。一方、
上記の辺24、26に垂直な版枠12の一対の辺32、
34側には、補強スクリーン52は設けられておらず、
版枠12と印刷用スクリーン50との間には支持体スク
リーン46が一枚だけ設けられている。
【0039】そのため、辺24、26側の補強スクリー
ン52が設けられている範囲では、印刷用スクリーン5
0が二枚の支持体スクリーン46および補強スクリーン
52で支持されていることから、前記の製版10の場合
と同様に、スクリーン44の面方向に沿った方向におけ
る引張に対する抵抗力すなわち「ばね定数」は、その補
強スクリーン52が設けられていない辺32、34側よ
りも大きい。本実施例においては、補強スクリーン52
が張りつけられた範囲が補強部Rを構成している。した
がって、補強部Rは印刷用スクリーン50よりも外側に
設けられていることから、その印刷用スクリーン50の
内側に備えられるスキージ40の摺動範囲とスクリーン
44の端部すなわち版枠12の辺24、26との間に補
強部Rが備えられることとなる。このため、スクリーン
44は、印刷用スクリーン50および支持体スクリーン
46のうち辺32、34側の部分では弾性伸びの生じ易
さが従来のコンビネーション版と同程度のままである
が、補強部Rでは支持体スクリーン46よりも弾性伸び
が生じ難くなっている。
【0040】なお、スクリーン44に初期的に付与され
ている張力は、製版10の場合と同様、従来と同程度で
あり、特に高められているわけではない。すなわち、補
強スクリーン52も、スクリーン44の初期張力を高め
ることなく、引張力が印加された際の弾性伸びを抑制す
る目的で設けられたものであり、その機能および作用は
製版10における補強帯状体30と同様である。また、
支持体スクリーン46と同様なメッシュで構成された補
強スクリーン52は、その支持体スクリーン46と同様
な可撓性を有するため、本実施例においても、印刷時に
おけるスクリーン44の撓みが補強スクリーン52によ
って阻害されることはない。
【0041】図7および図8は、本発明の更に他の実施
例の構成を説明する平面図および左側面である。図にお
いて、スクリーン製版54は、矩形枠状を成す版枠56
の一面58にスクリーン60が張りつけられて成るもの
であり、そのスクリーン60の中央部には所定パターン
の開口部22を備えた印刷領域Aが設けられている。ス
クリーン60は、例えば製版10に用いられているスク
リーン18と同様なステンレス・メッシュ等から成るも
のであり、予め定められた張力を付与された状態でエポ
キシ樹脂等で版枠56に接着されている。
【0042】また、版枠56は、コ字型を成す第1枠部
材62と、両端が閉塞された角筒状を成して一対の蝶ね
じ64等でその第1枠部材62の開放端に固定された第
2枠部材66とから構成される。なお、第1枠部材56
aおよび第2枠部材56bは、何れも版枠12と同様な
軽合金材料等から成るものであり、内部は中空である。
一方の第1枠部材62には第2枠部材66に向かう一対
の開放端面に図示しない雌ねじ穴がそれぞれ形成されて
おり、他方の第2枠部材66にはその開放端面側からそ
の裏面に貫通する図示しない一対の貫通穴がその雌ねじ
穴に対応する位置に形成されている。蝶ねじ64は、第
2枠部材66に貫通させられた状態で第1枠部材62に
ねじ込まれており、これにより、第1枠部材62および
第2枠部材66が一体化させられている。
【0043】上記の蝶ねじ64はねじ込み量が止めナッ
ト等によって任意に設定でき、そのねじ込み量を調節す
ることにより、第2枠部材66とそれに対向する第1枠
部材62の一辺62aとの相互間隔を変更できる。その
ため、辺62aから第2枠部材66に向かう方向におい
ては、スクリーン60に付与される張力を、上記相互間
隔を変更することで調節できる。一方、辺62bから辺
62cに向かう方向においては、それらの相互間隔が固
定されていることから、スクリーン60の張力は張りつ
けられたときの設定値から変更できない。なお、印刷領
域A内の開口部22は、図に配列方向を示すようにその
長手方向が辺62b、62cと平行となるように設けら
れており、スキージ40の摺動方向はその開口部22の
長手方向に一致する。したがって、製版54において
は、スキージ40の摺動方向すなわち開口部22の長手
方向だけにおいてスクリーン60の張力が調節可能にな
っている。
【0044】そのため、例えば、スクリーン60を版枠
56に張りつけた後やパターン形成した後、更には使用
中において、スクリーン60の張力が設定値から外れた
場合にも、スキージ40の摺動方向ではそれを適正な値
に戻すことができる。すなわち、張力を一定の値に維持
して、常に良好な版離れ性を得ることができる。このと
き、低下した張力を回復させるために第2枠部材66を
辺62aから離隔する方向に移動させると、スクリーン
60が引っ張られて開口部22がその長手方向に伸びる
こととなるが、前述したようにこの方向に伸びが生じて
もパターン精度は殆ど低下しない。したがって、何等印
刷精度を低下させることなく高い版離れ性を維持できる
ため、製版54の使用寿命を伸ばすことができる。
【0045】なお、スクリーン60に付与する張力を高
い値に設定すれば、版離れ性が不十分となるまでの時間
を長くすることが可能であるが、必要以上に張力を高く
することは、スキージ40の両端の変形延いては厚みム
ラや、スクリーン60の塑性伸びを却って生じ易くする
こととなるため、張力は過度に高い値に設定することな
く、随時適切な値に調節することが好ましい。版枠12
のように四辺の相対位置が固定されている場合には、ス
クリーンに付与されている張力を変更できないため、張
力が不十分になるまでの時間を長くしようとすると、従
来は初期張力を高く設定する必要があって、却って印刷
精度や寿命が低下していたが、本実施例のように構成す
れば、このような弊害を伴うことなく高い張力を長期間
に亘って維持できる。
【0046】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施で
きる。
【0047】例えば、実施例においては、本発明がPD
P用の大型基板を作製するために用いられる製版10、
42等に適用された場合について説明したが、大面積の
被印刷面に精細度の高い厚膜スクリーン印刷を施すため
に用いられるものであれば、多数個取りされるVFDの
陽極基板や種々の厚膜回路基板等の製造に用いられる製
版等にも本発明は同様に適用される。
【0048】また、図1、2等に示される実施例におい
ては、感光性樹脂20に感光性樹脂から成る補強帯状体
30を固着することによってスクリーン18を補強して
いたが、補強部Rを設けるためにスクリーン18に固着
される帯状体は、スクリーン面に垂直な方向の可撓性を
有してスクリーン18の弾性伸びを抑制できるものであ
れば、粘着テープや金属製或いは樹脂製のメッシュ等で
あってもよい。なお、実施例では補強帯状体30の全面
が感光性樹脂20に密着していたが、一部が密着してい
るだけでもその密着している範囲ではスクリーン18の
弾性伸びが抑制されるため、本発明の効果を同様に享受
することができる。
【0049】また、図1乃至図6に示される実施例にお
いては、スキージ40の摺動方向の前後だけに補強部R
を設けてていたが、前後のどちらか一方だけに補強部R
を設けてもよく、或いは、スクリーン18等の全周に補
強部Rを設けてもよい。但し、傾斜型スクリーン印刷機
の場合に前後の一方だけに補強部Rを設ける場合には、
前述したようなスクリーン18の弛み形状の傾向を緩和
するために上側となる方に補強部Rを設けることが望ま
しい。また、スキージ40の両端部側に設ける補強部R
は、版離れ性に対する寄与は少ない反面、スキージ40
の両端部の撓みを大きくして印刷精度を低下させる傾向
がある。そのため、補強部Rを設ける場合にも、補強帯
状体の幅寸法や厚み寸法を小さく留め、或いは低弾性率
の材料を用いることによって弾性伸びの抑制を小さく留
めることが望ましい。
【0050】また、図1、2等に示される実施例におい
ては、補強帯状体30をスクリーン18の裏面28側す
なわち被印刷面36の反対側に固着していたが、スクリ
ーン18と被印刷面36との密着性が妨げられなければ
被印刷面36側に設けても差し支えない。
【0051】また、図1乃至図6に示される実施例にお
いては、版枠12等の内周面に接する位置からその内周
側に向かう中間部までの範囲に補強帯状体30等が固着
されていたが、版枠12の内周面とスキージ40の摺動
範囲との間であれば、その内周面から離れた範囲に補強
用帯状体30等を固着しても製版10等の寿命を長くす
る効果を同様に得ることができる。
【0052】また、図5、6に示される実施例において
は、テトロン・メッシュ製の支持体スクリーン46の内
周側に感光性樹脂でパターン形成されたステンレス・メ
ッシュ製の印刷用スクリーン50が固着されてスクリー
ン44が構成されていたが、コンビネーション版では印
刷用スクリーン50の弾性は殆ど要求されないため、メ
タル・スクリーン等で構成することもできる。
【0053】また、図7、8に示される実施例において
は、第1枠部材62と第2枠部材66とが相対移動させ
られることによって、その第1枠部材62の辺62aと
第2枠部材66との相互間隔が変化するように構成され
ていたが、辺62aも第1枠部材62に対して相対移動
可能に設けられていてもよい。このようにすれば、スキ
ージ40の摺動方向におけるスクリーン60の張力を回
復させる目的で第2枠部材66を辺62aから離隔させ
る際に、スクリーン60の辺62b、62cに固着され
ている部分における歪みを小さくすることができる。な
お、辺62aを辺62b、62cに対して移動可能に構
成する場合には、版枠56を構成する各辺の垂直性を保
つために案内装置等を適宜設けることが望ましい。
【0054】その他、一々例示はしないが、本発明は、
その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加えた態様で実
施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のスクリーン製版の構成を説
明する平面図である。
【図2】図1のスクリーン製版のII−II視断面を示す図
である。
【図3】図1のスクリーン製版を用いてスクリーン印刷
を施す際のスクリーンの断面状態を説明する図である。
【図4】図1のスクリーン製版を傾斜した状態で用いて
いる場合を説明する図である。
【図5】本発明の他の実施例のコンビネーション版の全
体を示す平面図である。
【図6】図5のコンビネーション版のV−V視断面を示
す図である。
【図7】本発明の更に他の実施例のスクリーン製版の構
成を示す平面図である。
【図8】図7のスクリーン製版のVIII方向視である。
【符号の説明】
10:スクリーン製版 12:版枠 18:スクリーン 24:一辺 26:一辺(他辺) 30:補強帯状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/12 610 H05K 3/12 610P (72)発明者 楢木 英二 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 ノリタケ電子工業株式会社内 Fターム(参考) 2C035 AA06 FC10 FD01 FF02 FF06 FF16 FF17 FF22 FF24 FF25 FF26 2H114 AB02 AB03 AB05 AB07 AB09 AB11 AB15 AB17 EA03 5E343 AA02 BB72 FF13 GG20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形枠状を成す版枠の一面にスクリーン
    が張設されて成り、そのスクリーン上でスキージをその
    版枠の一辺からそれに対向する他辺に向かって所定の摺
    動範囲で摺動することによりそのスクリーン上に載置し
    た厚膜印刷ペーストをそのスクリーンの開口部から押し
    出して被印刷面に印刷するためのスクリーン製版におい
    て、 前記スクリーンの前記摺動方向に沿った一方向における
    端部と前記摺動範囲との間の所定範囲にそのスクリーン
    のその一方向の弾性伸びを抑制するための補強部を設け
    たことを特徴とするスクリーン製版。
  2. 【請求項2】 前記補強部は、前記所定範囲において前
    記スクリーンに前記版枠に沿って帯状体が固着されたも
    のである請求項1のスクリーン製版。
  3. 【請求項3】 前記スクリーンは、周縁部を構成する枠
    状の支持体スクリーンとその支持体スクリーンに周縁部
    を固着されて前記摺動範囲を含む内周部を構成する印刷
    用スクリーンとから成るものであり、 前記補強部は、前記所定範囲において前記支持体スクリ
    ーンが2枚以上重ねて設けられたものである請求項1の
    スクリーン製版。
  4. 【請求項4】 矩形枠状を成す版枠の一面にスクリーン
    が張設されて成り、そのスクリーン上でスキージをその
    版枠の一辺からそれに対向する他辺に向かって所定の摺
    動範囲で摺動することによりそのスクリーン上に載置し
    た厚膜印刷ペーストをそのスクリーンの開口部から押し
    出して被印刷面に印刷するためのスクリーン製版におい
    て、 前記版枠の前記一辺と前記他辺とを相互に独立に構成す
    ると共に、それらの間にその相互間隔を調節するための
    間隔調節装置を設けたことを特徴とするスクリーン製
    版。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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