JP2001277081A - 鋏の再研磨装置 - Google Patents

鋏の再研磨装置

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JP2001277081A
JP2001277081A JP2000094067A JP2000094067A JP2001277081A JP 2001277081 A JP2001277081 A JP 2001277081A JP 2000094067 A JP2000094067 A JP 2000094067A JP 2000094067 A JP2000094067 A JP 2000094067A JP 2001277081 A JP2001277081 A JP 2001277081A
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blade
rotating body
grindstone
scissors
blade body
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Kanroku Ohashi
環六 大橋
Natsuko Nagaba
夏子 長場
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熟練者でなくても、簡単に刃体を甲丸状の断
面形状に維持しながら再研磨することのできる鋏の再研
磨装置を提供する。 【解決手段】 甲丸状の断面形状を有する理美容鋏の刃
体5を再研磨するための装置であって、再研磨機構部1
5及び刃体支持機構部を備える。再研磨機構部15は、
基台23と、前端が開口された円筒状をなし、かつ基台
23に回転可能に支持された回転体28と、円環状をな
し、かつ刃体5の刃先を再研磨するための砥面を内周面
39に有する砥石34と、砥石34を回転体28の開口
部33内に脱着可能に係止する係止機構30とを備え
る。刃体支持機構部は、再研磨機構部15による再研磨
に際し、刃体5の刃先を所定の傾斜角度に保持するため
の保持機構を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、理美容鋏等の鋏に
おいて、甲丸状の断面形状を有する刃体を再研磨するた
めの再研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、理美容鋏をはじめとする各種
鋏の切れ味とその持続性は、刃体の幅方向における断面
形状と刃角とによって決定される。そのうち、持続性は
断面形状に大きく左右され、図11において二点鎖線で
示すような甲丸(又はコンベックス)状と呼ばれる断面
形状が理想的であるとされている。すなわち、刃体のお
もて面91が凸状の円弧形状をなし、裏面(裏スキ面と
もいわれる)92が凹状の円弧形状をなし、全体として
峰94から刃先93にかけて円弧状をなす断面形状であ
る。このタイプの鋏には、(1)強度や剛性が高い、
(2)刃体が薄く小型・軽量である、(3)2枚の刃体
が重なったとき双方の擦り合わせ面(裏刃同士の接触
面)が小さくて摩擦抵抗が小さく、軽快な操作感が得ら
れる、(4)髪の切断にともない生ずる髪の切断片が刃
体相互の擦り合わせ面に入り、切断の妨げにならない等
の特徴がある。
【0003】一方、鋏の切れ味は、刃物一般においてい
えるように、その使用にともなう刃先93の摩耗により
次第に低下してくるため、刃先93の砥ぎ直し(再研
磨)が行われる。再研磨の方法としては、多くの場合、
再研磨作業者が刃体を手で持ち、砥石の平面部に押し当
てながら往復動させたり、回転する円盤状砥石の外周部
や平面部に押し当てたりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述したよ
うに砥石の平面部、又は円盤状砥石の外周部を使用して
再研磨する方法では、刃体の断面形状が甲丸状を維持す
るように、手加減を頼りに研磨しなければならず、ま
た、所要の力で砥石に押し当てる必要がある。砥石に対
する刃体の傾斜角度及び力加減の両方を同時に調整しな
がら作業をしなければならない。そのため、かなりの熟
練者でない限り甲丸状に研磨することが困難であり、多
くの場合、甲丸状とはならず、図11において実線で示
すように、おもて面91の一部が平面状となって、刃先
93近くが角張った、いわゆる段刃となる。段刃では、
研磨直後には良好な切れ味を示すが、甲丸状とは異な
り、すぐに切れ味が低下してしまう。そして、研磨を重
ねるに従い段刃が顕著になってゆく。
【0005】そこで、本発明の課題は、熟練者でなくて
も、簡単に刃体を甲丸状の断面形状に維持しながら再研
磨することのできる鋏の再研磨装置を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、甲丸状の断面形状を有する鋏の刃体を再研磨するた
めの装置であって、基台と、一端が開口された円筒状を
なし、かつ前記基台に回転可能に支持された回転体と、
円環状をなし、かつ前記刃体の刃先を再研磨するための
砥面を内周面に有する砥石と、前記砥石を前記回転体の
開口部内に脱着可能に係止する係止機構とを含む再研磨
機構部を少なくとも備えている。
【0007】従って、鋏の再研磨装置の少なくとも一部
は再研磨機構部によって構成される。鋏の再研磨に際し
ては、再研磨機構部の基台がテーブルの上等、所望の箇
所に置かれる。円筒状をなす回転体が回転される。する
と、係止機構によって回転体の開口部に係止された円環
状の砥石も、その回転体の回転にともない回転する。刃
体の刃先のおもて(表)面が砥石の内周面に所望の傾斜
角度で押し付けられ、刃体の長さ方向へ移動されると、
内周面が砥面として作用し、その砥面の形状に倣って刃
先が研磨される。ここでは、砥面が円弧形状をなしてい
ることから、そこに押し付けられた刃先のおもて面は、
平らではなく円弧形に研磨される。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記砥石は、前記回転体の開口部内に
挿脱可能に嵌合される円環状の補助部材と、前記補助部
材内に予め固定され、かつその補助部材と一体で前記開
口部内に係止される円環状の砥石本体とを備え、前記砥
石本体は、前記回転体の回転中心を自身の中心とし、か
つ砥面として作用する内周面を有している。
【0009】従って、砥石の回転体に対する脱着は、砥
石本体を予め補助部材内に固定してなる砥石ごとに行わ
れる。砥石の回転体への装着時には、補助部材が回転体
の開口部に嵌合され、砥石が係止機構により係止され
る。嵌合状態では、砥石本体の内周面(砥面)の中心が
回転体の回転中心に合致する。従って、補助部材の嵌合
後に内周面の中心を回転中心に合致させる調整作業が不
要である。このことは、もともと加工精度のあまり高く
ない砥石本体のみで砥石を構成した場合には実現不可能
又は困難である。再研磨に際しては回転体が回転される
が、このときにはその開口部と補助部材との間に隙間が
なく、補助部材ががたつくことはない。また、砥面は回
転体の回転中心を自身の中心として回転することとな
り、刃体が押し付けられた砥面の位置が変動することは
ない。
【0010】再研磨にともなう砥石本体の摩滅により砥
石が交換される場合、又は再研磨の目的や仕上げの状況
に応じて粒度、硬度、材質等の異なる種類の砥石に交換
される場合には、係止機構による係止状態が解除され、
回転体の開口部から嵌合状態の補助部材が砥石本体とと
もに取り外される。そして、新たな砥石が、前述したよ
うにして、その補助部材において開口部に嵌合される。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明において、前記回転体は、その開口部が他
端部よりも高くなるように、傾斜した状態で前記基台に
支持されている。
【0012】従って、再研磨に際し、回転体は、その開
口部が他端部よりも高くなるように、傾斜した状態で回
転する。砥石も、同様に傾斜した状態で回転する。この
際、砥面の最下部に対し刃体を上から押し付ければ、再
研磨作業者は楽な姿勢で、しかも少ない力で再研磨を行
うことが可能である。この場合、再研磨作業者は再研磨
装置の斜め上方から刃体を見おろすことになる。前述し
たように、砥石が上向きに傾斜していることから、回転
体が水平である場合、又は開口部が他端部よりも低くな
るように傾斜している場合に比べ、再研磨作業者には、
砥面の奥の方まで見える。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記砥石の内周面は、前記回転体の他
端部側ほど縮径するテーパ面により構成されている。
【0014】従って、砥石の内周面をテーパ面とするこ
とにより、回転体及び砥石の傾斜にともなう同内周面の
傾きが相殺される。テーパ面の縮径の程度にもよるが、
砥面の最下部を所望の傾斜状態とすることが可能であ
る。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか1つに記載の発明において、前記係止機構は、
前記回転体の開口部の内周面に設けられた突部と、前記
開口部の外周に螺合され、かつ一端に押え部を有する円
環状の蓋とを備え、前記開口部内に挿入された前記砥石
を、前記突部及び前記蓋の押え部により挟み込むもので
ある。
【0016】従って、係止機構による砥石の装着時に
は、回転体の開口部内に砥石が挿入される。そして、蓋
が開口部の外周に螺合により締め付けられる。すると、
砥石は、開口部の突部と蓋の押え部とによって挟み込ま
れ、脱落不能に係止される。再研磨時には、回転体の回
転にともない、砥石及び蓋も回転する。この際、蓋が環
状をなしていることから、この蓋によって回転体の開口
部が閉鎖されることがない。蓋が、刃体を砥石の砥面に
押し付けたり、移動させたりする際の妨げとなることは
ない。砥石の交換時には、蓋が緩められて開口部の外周
から取り外されると、押え部と突部とによる砥石に対す
る挟み込み力がなくなる。このため、開口部から砥石を
取り外すことが可能となる。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、前記開口部の外周には、前記回転体の
回転方向とは逆方向の雄ねじが形成され、前記蓋の内周
には、前記回転体の回転方向とは逆方向の雌ねじが形成
され、それらの雄ねじ及び雌ねじの螺合により前記蓋が
回転体に締結されている。
【0018】従って、回転体の開口部外周の雄ねじ、及
び蓋内周の雌ねじは、回転体の回転方向に対し、いわゆ
る逆ねじの関係に相当する。そのため、係止機構による
砥石の装着に際し、回転体の開口部内に砥石が挿入さ
れ、蓋が開口部の外周に対し回転体の回転方向とは逆方
向に回されると、雌ねじが雄ねじに螺合し、蓋が締め付
けられる。砥石は突部と押え部とによって挟み込まれ、
脱落不能となる。再研磨のための回転体の回転により、
蓋が緩むおそれがない。一方、砥石の交換に際し、蓋が
回転体の回転方向と同じ方向に回されると、蓋が緩み、
突部と押え部とによる砥石に対する挟み込み力がなくな
る。このため、開口部から砥石を取り外すことが可能と
なる。
【0019】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれか1つに記載の発明において、前記再研磨機構部
による再研磨に際し、前記刃体の刃先を所定の傾斜角度
に保持するための保持機構を含む刃体支持機構部をさら
に備えている。
【0020】従って、鋏の再研磨装置の少なくとも一部
は、前述した再研磨機構部と刃体支持機構部とによって
構成される。再研磨機構部による再研磨に際しては、刃
体の刃先が刃体支持機構部の保持機構により所定の傾斜
角度に保持される。このため、前記のように傾斜角度の
保持された刃体の刃先が砥石の内周面に押し付けられれ
ば、その刃先は砥面の形状に倣って円弧状に研磨され
る。
【0021】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明において、前記刃体支持機構部は、前記保持機構
による前記刃先の傾斜角度を調整する角度調整機構と、
前記刃体をその長さ方向へスライドさせるスライド機構
とをさらに備えている。
【0022】従って、刃体の刃先の傾斜角度は角度調整
機構により調整可能であり、また、刃体はスライド機構
によりスライド可能である。このため、刃先が所望の傾
斜角度に調整されてその角度に保持された刃体が、再研
磨機構部の砥石の内周面に押し付けられ、長さ方向へス
ライドされれば、刃体がその略全長にわたり砥面の形状
に倣って再研磨される。
【0023】請求項9に記載の発明は、請求項7又は8
に記載の発明において、前記刃体は、その軸孔に通され
た支軸により他方の刃体に対し回動可能に支持されてお
り、前記保持機構は、前記刃体が載置される載置部と、
前記載置部に接近及び離間可能に設けられ、その接近に
より同載置部との間で前記刃体を挟み込む挟持部と、前
記載置部及び前記挟持部の少なくとも一方に設けられ、
前記刃体の軸孔に通されるピンとを備えている。
【0024】従って、保持機構による刃体の保持に際し
ては、刃体が横にされた状態で、例えば略水平にされた
状態で、載置部の上に置かれ、挟持部が載置部に接近さ
れる。載置部及び挟持部の少なくとも一方に設けられた
ピンが刃体の軸孔に通される。そして、載置部及び挟持
部によって刃体が表裏両側から挟み込まれる。この状態
では、刃体はピンを支点として回動が可能であるが、そ
れ以外の方向への動きは載置部、挟持部及びピンによっ
て規制される。このため、刃先が刃体の長さ方向に真直
ぐでなく若干湾曲していて、緩やかな円弧形状をなして
いても、ピンを支点として刃体を回動させることによ
り、刃体の長さ方向のどこの箇所においても、刃先を所
定の傾斜角度に保持しつつ、砥石の内周面に押し付ける
ことが可能である。
【0025】請求項10に記載の発明は、請求項8に記
載の発明において、前記刃体支持機構部は、前記角度調
整機構により調整された刃体を昇降させるための昇降機
構をさらに備えている。
【0026】従って、角度調整機構により刃体の傾斜角
度が調整されて、たとえ刃先の再研磨対象箇所の高さが
変っても、昇降機構によりその刃体を昇降させれば、刃
先の高さを砥石の内周面の高さに合わせて押し付けるこ
とが可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を理美容師の使用す
る理美容鋏の再研磨装置に具体化した一実施形態を、図
1〜10に従って説明する。
【0028】まず最初に、理美容鋏について簡単に説明
する。図1に示すように、理美容鋏1は、一対の鋏片2
を備えている。各鋏片2は、一辺を刃先3とし、他辺を
峰4とする刃体5と、ハンドル6と、指環7とからな
る。刃先3も峰4も、刃体5の長さ方向に真直ぐでなく
若干湾曲していて、緩やかな円弧形状をなしている。図
2に示すように、各刃体5は、甲丸状の断面形状を有し
ている。この断面形状では、おもて(表)面8が凸状の
円弧形状をなし、裏面(裏スキ面ともいわれる)9が凹
状の円弧形状をなし、全体として峰4から刃先3にかけ
て円弧状をなしている。図1に示すように、各鋏片2の
長さ方向における略中央部分には軸孔(図10参照)1
1があけられている。一方の鋏片2の軸孔には雌ねじが
形成されている。そして、他方の鋏片2の軸孔に通され
た支軸としてのねじ12が、前記雌ねじに螺入されてい
る。両鋏片2は、このねじ12により開閉(回動)可能
に連結されている。
【0029】前記刃体5の再研磨に用いられる再研磨装
置は、大別すると、図4,7に示すように、プレート1
4と、その上にセットされる再研磨機構部15及び刃体
支持機構部16とからなる。プレート14は、前後方向
(図4,7の左右方向)に細長い形状をなしており、そ
の上部の複数箇所に浅目の凹部17を有している。
【0030】図3,4に示すように、再研磨機構部15
は、基部21及び支持部22からなる基台23を備えて
いる。基部21の凹部17に対応する複数箇所には、ゴ
ム等の弾性材料からなる脚部24が設けられている。支
持部22は基部21上に形成され、その上側ほど、垂直
面25から後方(図4の右方)へ離れるように傾斜して
いる。この傾斜角度αは5〜30度の範囲にあることが
好ましく、本実施形態では10度に設定されている。
【0031】支持部22の後部には、原動機としての電
動モータ26が取付けられ、前部には回転体28が取付
けられている。回転体28は、前端部が開口された有底
の略円筒状をなしており、その後端部の軸部29におい
て軸受31により支持部22に回転可能に支持されてい
る。軸部29には、電動モータ26の回転軸26aが一
体回転可能に連結されている。回転体28の回転中心O
は、支持部22に直交している。別の表現をすると、回
転中心Oは水平面32に対し、前側ほど高くなるように
傾斜している。従って、回転体28は、その開口部33
が後端部よりも高くなるように上向きに傾いている。傾
斜角度αが前述した範囲内にあれば、水平面32に対す
る回転中心Oの傾斜角度βは、5〜30度の範囲にあ
る。傾斜角度αが10度に設定された本実施形態では、
傾斜角度βは10度となる。
【0032】開口部33内には、砥石34が係止機構3
0により脱着可能に係止されている。詳しくは、図4,
5に示すように、開口部33の内周面には突部35が設
けられている。突部35は、内周面の全周にわたって円
環状に設けられてもよいし、同一円周上の互いに離間し
た複数箇所に設けられてもよい。
【0033】砥石34は、補助部材36及び砥石本体3
7によってユニット化されている。補助部材36は、金
属材料によって円環状に形成され、その外周面は、開口
部33の内径と略同じ外径となるように精度よく加工さ
れている。補助部材36の内周面後部には受け部38が
設けられている。受け部38は、前述した突部35と同
様に、内周面の全周にわたって円環状に設けられてもよ
いし、同一円周上の互いに離間した複数箇所に設けられ
てもよい。
【0034】砥石本体37もまた円環状をなし、受け部
38に当接した状態で補助部材36に挿入されている。
さらに、砥石本体37は接着剤によって補助部材36に
予め固定されている。砥石本体37は、前記回転中心O
を自身の中心とし、かつ砥面として作用する内周面39
を有している。内周面39は、後側(受け部38側)ほ
ど縮径するテーパ面となっている。内周面39の前端で
の直径は約60mmに設定され、後端での直径は約56
mmに設定されており、テーパ面は回転中心Oに対し、
その傾斜角度βと略同一の傾斜角度γ(=10度)で交
差している。
【0035】そして、再研磨の目的や仕上げの状況に応
じて砥石本体37における粒度、硬度、材質等の異なる
複数種類の砥石34が用意されている。これらの砥石3
4のうちの1つが、その補助部材36において開口部3
3内に挿脱可能に嵌合されている。さらに、突部35に
は位置決めピン41が貫通されており、その前端部が受
け部38の穴42に圧入されている。なお、図4,5中
の43は、位置決めピン41の脱落を阻止するための押
しねじ43である。
【0036】開口部33の外側には、略円環状をなす蓋
44が脱着可能に装着されている。より詳しくは、開口
部33の外周には、回転体28の回転方向とは逆方向の
雄ねじ33aが形成され、蓋44の内周には、回転体2
8の回転方向とは逆方向の雌ねじ44aが形成されてい
る。雄ねじ33a及び雌ねじ44aの螺合により蓋44
が回転体28に装着されている。蓋44の外周には、ロ
ーレット加工が施されている。
【0037】蓋44の前端部には押え部45が設けられ
ている。押え部45は、前述した突部35と同様に、内
周面の全周にわたって円環状に設けられてもよいし、同
一円周上の互いに離間した複数箇所に設けられてもよ
い。蓋44が装着された状態では、開口部33内に挿入
された砥石34が、より正確には補助部材36が突部3
5及び押え部45によって前後から挟み込まれている。
そして、前述した突部35と蓋44とによって係止機構
30が構成されている。なお、前記のようにして開口部
33に装着された砥石34においては、砥石本体37の
内周面(砥面)39の中心が回転中心Oに合致するとと
もに、同内周面39の最下部が略水平状態となってい
る。また、図4中の40は、再研磨機構部15の略全体
を覆うカバーである。
【0038】一方、図6〜9に示すように、刃体支持機
構部16の一部は、前壁46a及び後壁46bを有する
基台46によって構成されている。基台46の下部にお
いてプレート14の凹部17に対応する複数箇所には、
ゴム等の弾性材料からなる脚部47が取付けられてい
る。
【0039】基台46内には、スライダ48が前後方向
への移動可能に配設されている。より詳しくは、基台4
6内には、互いに平行状態で前後方向へ延びる複数本
(図では2本)のシャフト49が配設されている。各シ
ャフト49は前壁46a及び後壁46bに挿通され、押
しねじ51によって脱落不能に係止されている。各シャ
フト49上において、前壁46a及び後壁46bの内側
近傍にはグロメット(ゴム環)52が装着されている。
スライダ48の左右(図9の左右)両側部にはそれぞれ
横ガイド孔53があけられており、その内部にカラー5
4及び一対のブッシュ55が挿入されている。スライダ
48の前後両面には、キャップ56がねじ等の締結部品
(図示略)によって締結されている。これらの前後両キ
ャップ56、前後両ブッシュ55及びカラー54に対
し、シャフト49が前後方向へのスライド可能に挿通さ
れている。そして、スライダ48、両シャフト49、カ
ラー54、両ブッシュ55及び両キャップ56によって
スライド機構60が構成されている。なお、図6〜9中
の50は、基台46に取付けられて、スライダ48、両
シャフト49等を覆うカバーである。
【0040】図6,7,9に示すように、スライダ48
には、グリップ57を有するブラケット58が、昇降機
構70により上下動可能に取付けられている。より詳し
くは、ブラケット58は、前後方向に延びる第1取付け
部66と、その後端に形成された第2取付け部67とか
らなる。スライダ48には、前後一対の縦ガイド孔59
があけられており、ここにブッシュ61が挿入されてい
る。スライダ48の上部には、キャップ62がねじ等の
締結部品63によって締結されている。各ブッシュ61
には、下端にストッパ64を有するシャフト65が上下
動可能に挿通されている。各シャフト65の上端部は、
ボルト等の締結部品68によって第1取付け部66に締
結されている。スライダ48及び第1取付け部66間に
は、弾性体としてのコイルばね73が圧縮状態で介装さ
れており、ブラケット58が常に上方へ付勢されてい
る。前述したブッシュ61、シャフト65、コイルばね
73等によって昇降機構70が構成されている。
【0041】第2取付け部67の後側には、アーム74
がピン75により回動自在に取付けられている。アーム
74には、刃体5の刃先3を所定の角度に保持するため
の保持機構80が設けられている。詳しくは、アーム7
4は、互いに離間した状態で後方へ延びる一対の支持片
76,77を有している。下側の支持片77は、刃体5
が水平状態に載置される載置部として機能する。上側の
支持片76には、スクリューボルト78のねじ部79が
進退可能に螺合されている。ねじ部79の下端には挟持
部82が設けられており、ねじ部79の回転にともなう
下動により、支持片77との間で刃体5を挟み込む。支
持片77において、スクリューボルト78と対応する箇
所には、つまみ83が進退可能に螺合されている。図1
0に示すように、つまみ83は、刃体5の軸孔11より
も小径の円柱状のピン84を先端(上端)に有してい
る。前述した両支持片76,77、スクリューボルト7
8、つまみ83等によって保持機構80が構成されてい
る。
【0042】図9,10に示すように、ブラケット58
及びアーム74には、保持機構80による刃先3の保持
角度(傾斜角度δ)を調整するための角度調整機構90
が設けられている。詳しくは、第2取付け部67には、
ピン75を中心とする円弧状の長孔85があけられてい
る。この長孔85にノブ86のねじ部87が挿通され、
アーム74に進退可能に螺合されている。ノブ86を緩
めることにより、ねじ部87を長孔85に沿って移動さ
せることが可能であり、ノブ86を締め付けることによ
り、アーム74を第2取付け部67に圧接させて移動不
能にすることが可能である。長孔85におけるねじ部8
7の位置が異なれば、刃先3の傾斜角度δも異なってく
る。そして、これらの長孔85及びノブ86によって角
度調整機構90が構成されている。
【0043】次に、前記のように構成された本実施形態
の再研磨装置を用いて刃体5の刃先3を再研磨する作業
について、その作用及び効果とともに説明する。
【0044】まず最初に、図4,7に示すように、プレ
ート14を、例えば理美容室の作業場の平らで滑りにく
い場所に置き、その上に再研磨機構部15及び刃体支持
機構部16を設置する。この際、各基台23,46の下
部の脚部24,47をプレート14の凹部17に入り込
ませる。すると、これらの凹部17の壁面により、脚部
24,47、ひいては再研磨機構部15及び刃体支持機
構部16の水平方向への移動が規制される。
【0045】次に、図1に示すように理美容鋏1からね
じ12を緩めて外し、両鋏片2を分離する。図7に示す
ように、刃体支持機構部16のスライダ48をある程度
前方までスライドさせておき、スクリューボルト78を
回して緩め、挟持部82を支持片77から上方へ離間さ
せておく。再研磨の対象となる鋏片2の向きを、その刃
体5が後方に位置し、指環7が前方に位置するように合
せる。鋏片2を、その刃体5のおもて面8が下向きとな
るようにして支持片77の上に置く。この際、図10に
示すように、鋏片2の軸孔11を、支持片77から突出
しているピン84に嵌める。スクリューボルト78を回
して挟持部82を下動させる。すると、支持片77及び
挟持部82によって刃体5が表裏両側から挟み込まれ
る。この状態では、刃体5は略水平状態となり、ピン8
4を支点としてある程度の回動が可能であるが、それ以
外の方向への動きは支持片77、挟持部82及びピン8
4によって規制される。
【0046】次に、図9,10に示すように、ノブ86
を回して緩め、アーム74のブラケット58に対する圧
接力を弱める。すると、ピン75を支点としたアーム7
4の回動が可能となる。そこで、刃体5の刃先3が水平
面32に対し、所定の傾斜角度δとなるまでアーム74
を回動させる。このとき、ノブ86のねじ部87は、第
2取付け部67の長孔85内を移動する。傾斜角度δは
20〜50度の範囲内であることが好ましい。そして、
角度調整を行ったら、ノブ86を回して締める。アーム
74がブラケット58に押し付けられて回動が規制さ
れ、刃体5がその傾斜角度δに保持される。
【0047】図4,7に示すように、刃体5の大部分が
再研磨機構部15の回転体28の内奥部まで入り込み、
軸孔11が開口部33の接近する位置までスライダ48
を後方へスライドさせる。このとき、コイルばね73に
よって上方へ付勢されたブラケット58は最上位置に停
止し、刃体5は砥石34の内周面から上方へ離れてい
る。
【0048】図4に示すように、再研磨機構部15のス
イッチ(図示略)をオンにする。これにともない電動モ
ータ26の回転軸26aが水平面32に対し傾いた状態
で回転し、その回転軸26aに駆動連結された回転体2
8も同方向へ回転する。開口部33の外周に螺合された
蓋44も同方向へ回転する。開口部33の突部35に対
し、位置決めピン41によって突部35に係止された砥
石34もまた同方向へ回転する。
【0049】ここで、回転体28の開口部33の雄ねじ
33a、及び蓋44の雌ねじ44aは、回転体28の回
転方向に対し、いわゆる逆ねじの関係にあるため、回転
体28の回転により蓋44が緩むおそれがない。再研磨
の作業中に不用意に蓋44が緩んだり外れたりするのを
防止できる。また、砥石34は、蓋44と突部35とに
よって挟み込まれているため、脱落するおそれがない。
【0050】回転体28は、その開口部33が後端部よ
りも高くなるように斜め上向きの姿勢で回転する。砥石
34も、同様に傾斜した状態で回転する。砥石本体37
の内周面39の中心は、回転体28の回転中心Oに合致
している。この際、蓋44が環状をなしていることか
ら、この蓋44によって開口部33が閉鎖されることが
ない。
【0051】コイルばね73の付勢力に抗してブラケッ
ト58にし押し下げ力を加える。ブッシュ61によって
支持されている両シャフト65が下方へスライドし、ブ
ラケット58、アーム74、ノブ86、スクリューボル
ト78、鋏片2、つまみ83等が一体となって下降す
る。この下降により、刃体5の刃先3のおもて面8を砥
石本体37の内周面39の最下部に押し付ける。特に、
前記のように角度調整機構90により刃体5の傾斜角度
δを調整すると、図10において二点鎖線で示すよう
に、刃先3の再研磨対象箇所の高さが変るが、この場合
でも、昇降機構70により刃体5を昇降させることによ
り、刃先3を内周面39に確実に押し付けることができ
る。
【0052】刃体5の刃先3は前述したように所定の角
度(傾斜角度δ)で傾斜している。砥石本体37の内周
面39が砥面として作用し、その砥面の形状に倣って刃
先3が研磨される。ここでは、砥面が円弧形状をなして
いることから、そこに押し付けられた刃先3のおもて面
8は、平らではなく円弧形に研磨される。このように、
円筒状の砥面の最下部に対し刃体5を上から押し付けれ
ば、再研磨作業者は楽な姿勢で、しかも少ない力で再研
磨を行うことができる。
【0053】ところで、刃先3を砥面に押し付ける際に
は、再研磨作業者は再研磨装置の斜め上方から刃体5を
見おろすことになる。この際、仮に、回転体28の回転
中心Oが水平であったり、前下がりであったりすると、
砥石34の奥の方まで見えないおそれがある。これに対
し、本実施形態では、前述したように回転中心Oが前上
がりに傾斜していて、砥石34が斜め上向きになってい
ることから、再研磨作業者には、砥面の奥の方まで見え
る。再研磨の作業中に砥面が見やすくなり(視認性が向
上し)、再研磨しようとする刃体5と砥面との位置関係
を容易に確認及び把握でき、再研磨の作業性が向上す
る。
【0054】また、砥石本体37の内周面39が後側ほ
ど縮径するテーパ面となっている。しかも、テーパ面
が、回転中心Oに対し、その傾斜角度βと略同一の傾斜
角度γで交差していることから、回転体28及び砥石3
4の傾斜にともなう内周面39の傾きが相殺され、砥面
の最下部が所望の傾斜状態、ここでは水平面32に対し
平行、すなわち水平状態となっている。そのため、刃先
3を前記のように砥石本体37に押し付けながら、スラ
イダ48をシャフト49に沿って前方へ水平にスライド
させ、刃先3の砥石本体37との接触部分をずらしてゆ
く。この際、刃先3が刃体5の長さ方向に真直ぐでなく
湾曲しているものの、刃体5の長さ方向のどこの箇所に
おいても、刃先3を所定の角度に保持しつつ、砥石34
の内周面39に押し付けることが可能である。押し付け
られた刃先3は、軸孔11に通されたピン84を支点と
して、砥面の形状に倣って回動する。すなわち、刃先3
は、刃先3の長さ方向における円弧形状に対応して回動
する。そして、刃体5の先端部が砥面の上方に位置する
までスライドさせると、刃体5の長さ方向の略全体にわ
たって、刃先3が甲丸状の断面形状に確実に再研磨され
る。従来とは異なり、再研磨の結果、段刃になるおそれ
はない。なお、円環状をなす蓋44は、刃体5を砥石3
4の砥面に押し付けたり、移動させたりする際の妨げと
なることはない。
【0055】再研磨が終了したら、ブラケット58等か
ら手を離す。すると、前記押し下げ力がなくなり、コイ
ルばね73によって付勢されているブラケット58、ア
ーム74等が自動的に押し上げられ、刃体5が内周面3
9の最下部から上方へ離間する。また、電源スイッチを
オフにして電動モータ26の回転を止める。スクリュー
ボルト78を緩む方向へ回し、そのねじ部79の挟持部
82を支持片77から上方へ離間させる。これにともな
い挟持部82による押し付け力がなくなるので、鋏片2
を持ち上げる。すると、軸孔11からピン84が抜け出
るため、支持片77及び挟持部82間から鋏片2を取り
出すことができる。
【0056】このように、熟練者でなくても、刃体支持
機構部16を用いることにより、刃体5の刃先3を所定
の傾斜角度δに簡単かつ精度よく保持することができ
る。また、砥石本体37の内周面39を砥面として利用
しているので、刃体5を所望の角度で砥面に押し付けな
がら、その刃体5の長さ方向にスライドさせるという簡
単な作業を行うだけで、刃体5を最適な甲丸状の断面形
状に確実に維持しながら再研磨することができる。甲丸
状に再研磨することにより、良好な切れ味を長期にわた
って持続することができる。
【0057】再研磨にともなう砥石本体37の摩滅によ
り砥石34を交換する場合、又は再研磨の目的や仕上げ
の状況に応じて粒度、硬度、材質等の異なる種類の砥石
34に交換する場合には、蓋44を回転体28の回転方
向と同じ方向に回して緩め、開口部33から取り外す。
すると、蓋44の押え部45と突部35とによる砥石3
4に対する挟み込み力がなくなる。砥石34を前方へ引
張ると、補助部材36から位置決めピン41が抜け、開
口部33から砥石34を取り外すことができる。
【0058】続いて、新たな砥石34を開口部33内に
嵌合する。補助部材36の穴42を位置決めピン41に
合わせて、後方へ押し込む。すると、補助部材36が開
口部33内に嵌合し、位置決めピン41が穴42内に圧
入する。蓋44を開口部33の外周に対し回転体28の
回転方向とは逆方向へ回す。雌ねじ44aが雄ねじ33
aに螺合し、蓋44が締め付けられる。砥石34は突部
35と蓋44とによって挟み込まれ、脱落不能となる。
【0059】前記の嵌合状態では、砥石本体37の内周
面39の中心が回転体28の回転中心Oに合致する。こ
れは、砥石34の製作段階において、補助部材36の材
料として金属が用いられ、その外周面が、開口部33の
内径と略同じ外径となるように精度よく加工されている
ことに加え、回転中心Oを中心とする内周面39が砥石
本体37に予め形成されていることによる。
【0060】従って、補助部材36を開口部33に嵌合
させた後に、砥石本体37の内周面39の中心を回転中
心Oに合致させる調整作業を行わなくてもすむ。このこ
とは、もともと加工精度のあまり高くない砥石本体のみ
で砥石を構成した場合には、実現不可能又は困難であ
る。砥石34の砥面の調整という高度な専門的技術を持
ち合わせていない理美容師にとって重要である。再研磨
に際しては回転体28が回転されるが、このときにはそ
の開口部33と補助部材36との間に隙間がほとんどな
く、補助部材36ががたつくことはない。また、内周面
39の中心が回転中心Oに合致していることから、砥面
は回転中心Oの周りを回転することとなり、刃体5の押
し付けられた砥面の位置が変動することがなく、刃先3
をきれいに再研磨することができる。
【0061】このように、回転体28の開口部33に砥
石34を挿入し、蓋44を締め付けるという簡単な作業
を行うだけで、砥石34を装着することができる。ま
た、蓋44を緩めて開口部33から外すという簡単な作
業を行うだけで、砥石34を開口部33から取り出すこ
とができる。ボルト、ナット等の締結部品が用いられて
いないので、特別に工具を用意しなくてもよく、工具に
不慣れな人、特に女性の理美容師であっても、砥石34
の交換作業を簡単に行える。また、蓋44の外周面には
ローレット加工が施されているため滑りにくく、手で持
って簡単に回して脱着することができる。
【0062】本実施形態は前述した事項以外にも次の特
徴を有する。 (a)砥石本体37は補助部材36に挿入されて接着固
定されている。このため、砥石34を円筒状回転体28
に対し焼成によって直接貼着したものとは異なり、その
回転体28の形状、大きさについては、熱による変形を
考慮する必要がない。
【0063】(b)砥石34を回転体28に係止するた
めに、砥石34を突部35及び蓋44によって挟み込む
構造を採用しているが、両者35,44により砥石本体
37ではなく金属製補助部材36を挟み込んでいる。こ
のため、砥石本体37には締め付け力が加わらず、砥石
本体37が割れるおそれがない。
【0064】(c)再研磨機構部15及び刃体支持機構
部16を合わせても、小型かつ軽量であるので、卓上型
の再研磨装置として好適であり、理美容室における作業
場の所望の場所に設置することができる。これにともな
い、理美容鋏1をいつでも簡単に、しかも気軽に再研磨
することができる
【0065】なお、本発明は次に示す別の実施形態に具
体化することができる。 (1)再研磨機構部15及び刃体支持機構部16をとも
に用いることによって、刃体5の刃先3を正確かつ簡単
に再研磨できることについては前述した通りであるが、
刃体支持機構部16を省略し、再研磨機構部15のみに
よって再研磨装置を構成してもよい。
【0066】(2)本発明は、理美容鋏に限らず、2つ
の鋏片に分離することのできる鋏であれば適用可能であ
る。例えば、縫製用の鋏等である。
【0067】(3)支持片77に代えて挟持部82にピ
ン84を設けてもよいし、支持片77及び挟持部82の
両方にピン84を設けてもよい。
【0068】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、円環状の砥石の内周面を砥面として利用してい
るので、刃体を所望の傾斜角度で砥面に押し付けなが
ら、その刃体の長さ方向に移動させるという簡単な作業
を行うだけで、刃体を甲丸状の断面形状に維持しながら
再研磨することができる。このため、特別な熟練は不要
である。甲丸状に再研磨することにより、良好な切れ味
を長期にわたって持続することができる。
【0069】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、砥石の交換に際し、補助部
材を回転体の開口部に嵌合するだけで、砥面の中心を回
転体の回転中心に合致させることができるため、この合
致のための調整作業が不要となる。また、砥面に押し付
けられた刃体が変動することがなく、きれいに再研磨を
行うことができる。
【0070】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は2に記載の発明の効果に加え、再研磨の際に砥面が
見やすくなり、再研磨しようとする刃体と砥面の位置関
係を容易に確認及び把握でき、再研磨の作業性の向上を
図ることができる。
【0071】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
に記載の発明の効果に加え、回転体及び砥石の傾斜にと
もない砥面の傾斜状態が受ける影響を排除し、その砥面
の最下部を所定の傾斜状態にして再研磨作業をしやすく
することができる。
【0072】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜4のいずれか1つに記載の発明の効果に加え、回転体
の開口部に砥石を挿入し、蓋を締め付けるという簡単な
作業を行うだけで、砥石を装着することができる。ま
た、蓋を緩めて開口部から外すという簡単な作業を行う
だけで、砥石を開口部から取り出すことができる。特別
に工具を用意しなくてもよく、また工具に不慣れな人で
あっても、砥石の交換作業を簡単に行うことができる。
【0073】請求項6に記載の発明によれば、請求項5
に記載の発明の効果に加え、再研磨の作業中に不用意に
蓋が緩んだり外れたりするのを防止することができる。
【0074】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
〜6のいずれか1つに記載の発明の効果に加え、熟練者
でなくても、刃体の刃先を所定の傾斜角度に簡単かつ精
度よく保持することができ、刃体を甲丸状の断面形状に
確実に再研磨することができる。
【0075】請求項8に記載の発明によれば、請求項7
に記載の発明の効果に加え、簡単な作業で、刃体の略全
長にわたって刃先を最適な甲丸状の断面形状に再研磨す
ることができる。
【0076】請求項9に記載の発明によれば、請求項7
又は8に記載の発明の効果に加え、刃先が刃体の長さ方
向に真直ぐでなく湾曲していても、刃先を確実に甲丸状
の断面形状に再研磨することができる。
【0077】請求項10に記載の発明によれば、請求項
8に記載の発明の効果に加え、刃体がどの傾斜角度に保
持された場合でも、刃先を砥面に押し付けて甲丸状の断
面形状に再研磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における理美容鋏の正面図
である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】再研磨装置の再研磨機構部の平面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】図4における回転体、砥石、蓋等の分解断面図
である。
【図6】再研磨装置の刃体支持機構部の平面図である。
【図7】図6のC−C線断面図である。
【図8】図6のD−D線断面図である。
【図9】図6のE−E線断面図である。
【図10】角度調整機構と砥石本体との関係を示す部分
断面図である。
【図11】従来の方法で再研磨を行った場合の刃体の断
面形状を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 理美容鋏 3 刃先 5 刃体 11 軸孔 12 支軸としてのねじ 15 再研磨機構部 16 刃体支持機構部 23 基台 28 回転体 30 係止機構 33 開口部 33a 雄ねじ 34 砥石 35 突部 36 補助部材 37 砥石本体 39 砥面として機能する内周面 44 蓋 44a 雌ねじ 45 押え部 60 スライド機構 70 昇降機構 77 載置部として機能する支持片 80 保持機構 82 挟持部 84 ピン 90 角度調整機構 O 回転中心 β,δ 傾斜角度

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 甲丸状の断面形状を有する鋏の刃体を再
    研磨するための装置であって、 基台と、 一端が開口された円筒状をなし、かつ前記基台に回転可
    能に支持された回転体と、 円環状をなし、かつ前記刃体の刃先を再研磨するための
    砥面を内周面に有する砥石と、 前記砥石を前記回転体の開口部内に脱着可能に係止する
    係止機構とを含む再研磨機構部を少なくとも備えること
    を特徴とする鋏の再研磨装置。
  2. 【請求項2】 前記砥石は、 前記回転体の開口部内に挿脱可能に嵌合される円環状の
    補助部材と、 前記補助部材内に予め固定され、かつその補助部材と一
    体で前記開口部内に係止される円環状の砥石本体とを備
    え、前記砥石本体は、前記回転体の回転中心を自身の中
    心とし、かつ砥面として作用する内周面を有しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の鋏の再研磨装置。
  3. 【請求項3】 前記回転体は、その開口部が他端部より
    も高くなるように、傾斜した状態で前記基台に支持され
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋏の再
    研磨装置。
  4. 【請求項4】 前記砥石の内周面は、前記回転体の他端
    部側ほど縮径するテーパ面により構成されていることを
    特徴とする請求項3に記載の鋏の再研磨装置。
  5. 【請求項5】 前記係止機構は、 前記回転体の開口部の内周面に設けられた突部と、 前記開口部の外周に螺合され、かつ一端に押え部を有す
    る円環状の蓋とを備え、前記開口部内に挿入された前記
    砥石を、前記突部及び前記蓋の押え部により挟み込むも
    のであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つ
    に記載の鋏の再研磨装置。
  6. 【請求項6】 前記開口部の外周には、前記回転体の回
    転方向とは逆方向の雄ねじが形成され、前記蓋の内周に
    は、前記回転体の回転方向とは逆方向の雌ねじが形成さ
    れ、それらの雄ねじ及び雌ねじの螺合により前記蓋が回
    転体に締結されていることを特徴とする請求項5に記載
    の鋏の再研磨装置。
  7. 【請求項7】 前記再研磨機構部による再研磨に際し、
    前記刃体の刃先を所定の傾斜角度に保持するための保持
    機構を含む刃体支持機構部をさらに備えることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1つに記載の鋏の再研磨装
    置。
  8. 【請求項8】 前記刃体支持機構部は、 前記保持機構による前記刃先の傾斜角度を調整する角度
    調整機構と、 前記刃体をその長さ方向へスライドさせるスライド機構
    とをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の鋏
    の再研磨装置。
  9. 【請求項9】 前記刃体は、その軸孔に通された支軸に
    より他方の刃体に対し回動可能に支持されており、 前記保持機構は、 前記刃体が載置される載置部と、 前記載置部に接近及び離間可能に設けられ、その接近に
    より同載置部との間で前記刃体を挟み込む挟持部と、 前記載置部及び前記挟持部の少なくとも一方に設けら
    れ、前記刃体の軸孔に通されるピンとを備えることを特
    徴とする請求項7又は8に記載の鋏の再研磨装置。
  10. 【請求項10】 前記刃体支持機構部は、 前記角度調整機構により調整された刃体を昇降させるた
    めの昇降機構をさらに備えることを特徴とする請求項8
    に記載の鋏の再研磨装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013111384A1 (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 東京オートマック株式会社 刃研ぎ機及び研磨機
JP2014138975A (ja) * 2012-12-19 2014-07-31 Akira Mikami 刃物砥ぎ具

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