JP2014138975A - 刃物砥ぎ具 - Google Patents

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Abstract

【課題】刃物の研磨作業効率を向上する刃物砥ぎ道具を提供する。
【解決手段】一端に刃物100の動刃側刃体101もしくは静刃側刃体102が挿入される挿入用開口9を有する筒状体6と、筒状体6の内周面に刃物の刃体101を研磨する砥面7aを形成する砥石層7とを有する回転体2と、回転体2を回転自在に支持する支持体3と、支持体3に取り付けられ刃物100を保持する刃物保持体4とを備え、回転体2が刃物100の研磨作業時に作業面上を転動するようにした。
【選択図】図15

Description

本技術は、刃物砥ぎ具についての技術分野に関する。詳しくは、刃物の刃を挿入する筒状体の内周面に砥石層を設け、筒状体を作業面上で転動させて刃物の刃線を研磨することにより、刃物の日常のメンテナンス性を向上させる技術分野に関する。
特開2010−149272号 特開2006−281334号
鋏やナイフなどの刃物の切断能力が悪化する原因には、刃線の一部が欠損することや刃先が丸みを帯びてくることが挙げられる。刃線の一部が欠損した刃物の修復には、多くの研磨量が必要となるため、専用の機械で砥ぐことが望ましいが、専門の業者等に依頼し専用の機械で研磨する場合には、少なくとも数日間は刃物が手元を離れることとなり、業務に支障をきたす。一方、刃先が少し丸くなった刃物の修復には、それほど多くの研磨量を必要としないため、手作業による研磨が可能である。このため、例えば理容用の鋏においては、刃先の一部が少し丸くなった鋏の修復には、専門の業者に依頼せずに手作業によって研磨をすることが多い。
ところが、手作業による研磨作業は、刃先を砥石に当てる角度や強さ等に関し、熟練した技が必要となる難しい作業である。それゆえ、理容師等の職場に研磨作業の職人を呼び、その場での研磨作業を依頼することが多かった。
こうした状況を鑑み、職人の手によらない刃物の研磨機が提案されているが、一般的に研磨機は嵩が大きく高価になるため、手軽に研磨作業ができるとは言い難かった。
例えば、特許文献1では、電動機を用いて研磨可能な刃物砥ぎ具が提案されている。
更に、特許文献2では、鋏の研磨機として、一定の刃角となるように研磨可能な刃物砥ぎ具が提案されている。
しかし、特許文献1に記載された刃物砥ぎ具は、砥石を回転させるために電動機が必要であるため、刃物砥ぎ具が高価になりその嵩が大きくなるだけでなく、研磨作業の手軽さが損なわれてしまう。
また、特許文献2に記載された刃物砥ぎ具では、鋏の動刃と静刃を分解して研磨作業を行う必要があるため、研磨作業前の鋏の分解と研磨作業後の鋏の組立が必須となり、やはり研磨作業の利便性や容易性が損なわれてしまう。
そこで、本技術における刃物砥ぎ具は、手動で手軽に刃物の研磨作業が可能であり、研磨作業の利便性や容易性により作業効率の向上を図ることを目的とする。
第1に、刃物砥ぎ具は、上記した問題を解決するために、一端に刃物の刃体が挿入される挿入用開口を有する筒状体と筒状体の内部に設けられ内周面が刃体を研磨する砥面として形成された砥石層とを有する回転体と、回転体を筒状体の軸回り方向へ回転自在に支持する支持部を有する支持体と、支持体に連結され刃物を保持する刃物保持体とを備え、回転体が刃物の研磨作業時に作業面上を転動するものである。
従って、刃物砥ぎ具にあっては、刃体が挿入された状態で回転体が作業面上を転動することにより砥石層によって刃体が研磨される。
第2に、上記した刃物砥ぎ具においては、刃物保持体が支持体に回動自在に連結され、支持体に、刃物保持体に保持された刃物の砥面に対する研磨角度を示す角度表示部が設けられることが望ましい。
刃物保持体が支持体に回動自在に連結され、支持体に、刃物保持体に保持された刃物の砥面に対する研磨角度を示す角度表示部が設けられることにより、砥面に対する刃物の研磨角度の把握が視覚的に可能とされる。
第3に、上記した刃物砥ぎ具においては、回転体は筒状体の他端部が支持部に片持ち構造で支持されて支持部を支点として任意の方向に変位可能とされることが望ましい。
回転体は筒状体の他端部が支持部に片持ち構造で支持されて支持部を支点として任意の方向に変位可能とされることにより、回転体に刃体が挿入される向きに応じて回転体が変位される。
第4に、上記した刃物砥ぎ具においては、回転体は内径が両端から中央に近付くに従って大きくされることが望ましい。
回転体の内径が両端から中央に近付くに従って大きくされることにより、砥面が刃線の形状に沿う形状になる。
第5に、上記した刃物砥ぎ具においては、筒状体は弾性変形が可能な合成樹脂で形成され、筒状体の弾性変形に倣って砥石層が変形されることが望ましい。
筒状体の弾性変形に倣って砥石層が変形されるため、刃物の研磨作業時において砥面が刃線に沿う形状になる。
第6に、上記した刃物砥ぎ具においては、一対の脚部を有する姿勢安定体を備え、一対の脚部はそれぞれ下方を向いた平面又は曲面に形成された規制面を有し、各規制面は回転体の回転軸を挟んだ両側に位置され、刃物の研磨作業時に規制面の少なくとも一方が作業面に接するようにされることが望ましい。
各規制面は回転体の回転軸を挟んだ両側に位置され、規制面の少なくとも一方が作業面に接するようにされることにより、規制面によって作業面に対する支持体の過度な傾斜が規制される。
第7に、上記した刃物砥ぎ具においては、支持体が回転体を支持し支持部を有する支持部材と刃物保持体が連結される連結部材とで構成され、連結部材が支持部材に対し回転体の回転軸方向にスライド可能とされることが望ましい。
連結部材が支持部材に対し回転体の回転軸方向にスライド可能とされることにより、支持体の軸方向における長さの調節が可能とされる。
第8に、上記した刃物砥ぎ具においては、刃物は二つの刃体を有する鋏とされ、鋏の研磨作業時において筒状体に挿入されていない刃体が作業台の側面の外側に位置され、一端部が支持体又は刃物保持体に取り付けられる取付部とされ、他端部が鋏の研磨作業時において筒状体に挿入されていない刃体と作業台の側面との間に位置する当接部とされた接触防止体を設けることが望ましい。
刃物砥ぎ具に接触防止体が設けられることにより、刃物が鋏である場合において刃体の作業台への接触が防止される。
本技術における刃物砥ぎ具は、一端に刃物の刃体が挿入される挿入用開口を有する筒状体と筒状体の内部に設けられ内周面が刃体を研磨する砥面として形成された砥石層とを有する回転体と、回転体を筒状体の軸回り方向へ回転自在に支持する支持部を有する支持体と、支持体に連結され刃物を保持する刃物保持体とを備え、回転体が刃物の研磨作業時に作業面上を転動するようにしたものである。
従って、刃物を手動で研磨することができ、電気的な動力が不要とされるため、手動で手軽に研磨作業を行うことができる。
また、刃物が鋏である場合には、研磨作業時に鋏の動刃と静刃を適度に開き研磨対象でない方の刃体を回転体の外部へ位置させることにより、鋏を動刃側鋏体と静刃側鋏体に分解して研磨する必要がなく、研磨作業の作業効率の向上を図ることができる。
請求項2に記載した技術にあっては、刃物保持体が支持体に回動自在に連結され、支持体に、刃物保持体に保持された刃物の砥面に対する研磨角度を示す角度表示部が設けられている。
従って、支持体に対する刃物保持体の角度が調節可能とされ、刃物の刃角の違いや砥面に対する刃体の角度の違いに応じて研磨作業を行うことが可能になり、刃物の種類等に応じた最適な研磨角度で刃体の研磨作業を行うことができる。
請求項3に記載した技術にあっては、回転体は筒状体の他端部が支持部に片持ち構造で支持されて支持部を支点として任意の方向に変位可能とされている。
従って、刃物の刃体の挿入をする際に回転体が動き、刃物保持体が障害とならないため、回転体への刃物の刃体の挿入を容易に行うことができる。
請求項4に記載した技術にあっては、回転体は内径が両端から中央に近付くに従って大きくされている。
従って、刃線の砥面に接触する面積が大きくなるため、効率よく刃物を研磨することができる。
請求項5に記載した技術にあっては、筒状体は弾性変形が可能な合成樹脂で形成され、筒状体の弾性変形に倣って砥石層が変形される。
従って、砥面が刃線に沿った形状に変形されるため、効率よく刃物を研磨することができる。
請求項6に記載した技術にあっては、一対の脚部を有する姿勢安定体を備え、一対の脚部はそれぞれ下方を向いた平面又は曲面に形成された規制面を有し、各規制面は回転体の回転軸を挟んだ両側に位置され、規制面の少なくとも一方が作業面に接するようにされている。
従って、研磨作業時に刃物の刃体が砥面に対して十分な力で押し付けられ、刃物の刃体を効率的に研磨することができる。
請求項7に記載した技術にあっては、支持体が回転体を支持し支持部を有する支持部材と刃物保持体が連結される連結部材とで構成され、連結部材が支持部材に対し回転体の回転軸方向にスライド可能とされている。
従って、支持体の前後方向の長さを変えることが可能とされ、刃物の刃体の長さが異なっても研磨作業を行うことが可能であり、刃体の長さに応じた最適な研磨作業を行うことができる。
請求項8に記載した技術にあっては、刃物は二つの刃体を有する鋏とされ、鋏の研磨作業時において筒状体に挿入されていない刃体が作業台の側面の外側に位置され、一端部が支持体又は刃物保持体に取り付けられる取付部とされ、他端部が筒状体に挿入されていない刃体と作業台の側面との間に位置する当接部とされた接触防止体を設けられている。
従って、刃物が鋏である場合において、研磨対象でない方の刃体の作業台等への接触が防止されるため、作業台や刃体の損傷を防ぐことができる。
図2乃至図31と共に本技術刃物砥ぎ具を示すものであり、本図は、刃物砥ぎ具と鋏の斜視図である。 刃物砥ぎ具の分解斜視図である。 回転体の拡大断面図である。 支持部材と連結部材の位置関係を示す拡大断面図である。 連結部材と刃物保持体の位置関係を示す拡大断面図である。 図7乃至図10と共に回転体が支持体に支持された状態を示すものであり、本図は、回転体が支持体に支持ボルト群によって支持された状態を示す拡大断面図である。 前方規制面と後方規制面の間の距離が、支持部の厚みよりも長くされた状態を示す拡大断面図である。 支持孔の直径が支持ボルトの直径よりも大きくされた状態を示す拡大断面図である。 支持孔に対して支持ボルト群が隙間を有して結合された状態を示す拡大断面図である。 回転体が支持体によって片持ち構造で支持され、支持部を支点として任意の方向に変位可能とされた状態を示す断面図である。 図12乃至図17と共に鋏の研磨作業を示すものであり、本図は、鋏が回転体に挿入された状態を示す断面図である。 回転体に挿入された鋏によって回転体が動く様子を示した概略正面図である。 連結部に対して刃物保持体を回動することにより、鋏の研磨角度が変化することを示した概略正面図である。 鋏の研磨角度や刃角の違いにより砥面に対する角度が変化することを示した概略正面図である。 鋏が挟持された刃物挟持部を把持した様子を示した斜視図である。 研磨作業時に回転体が転動する状態を示した斜視図である。 研磨作業時における鋏に対する砥面の動きを示した概略正面図である。 砥石層と筒状体の間にクッション層を設けた回転体の例を示す拡大断面図である。 姿勢安定体の脚部の先端に車輪を設けた例を示す斜視図である。 挟持板の対向面に弾性部材によって形成された弾性部を設けた例を示す概略正面図である。 ゴム層に目印線が設けられた例を示す斜視図である。 図23乃至図25と共に支持ベースの第1の変形例を示す図であり、本図は、ラチェット機構を設けた例を示す拡大斜視図である。 連結部と被連結突部に設けたラチェット機構を示す拡大断面図である。 連結部に対して被連結突部を回動させた場合におけるラチェット機構の動作状態を示す概略正面図である。 研磨作業時にラチェット機構に加わる力の向きと、ラチェット機構の回転方向を示した概略正面図である。 支持ベースの第2の変形例を示す図である。 支持ベースの第3の変形例を示す図である。 刃物挟持部の第1の変形例を示す図である。 刃物挟持部の第2の変形例を示す図である。 その他の変形例として、接触防止体が設けられた例を示す斜視図及び側面図である。 ナイフの斜視図及びナイフを研磨する場合を示す斜視図である。
以下に、本技術の刃物砥ぎ具を実施するための最良の形態を添付図面に沿って説明する。以下の説明では、実施の形態として、本技術の刃物砥ぎ具を鋏に適用した例を示す。
説明は以下の順序で行う。
[1−1.鋏の構成]
[1−2.刃物砥ぎ具の構成]
[1−3.鋏の研磨作業]
[1−4.各部の他の構成例]
[1−5.変形例]
<1−5−1.支持ベースの第1の変形例>
<1−5−2.支持ベースの第2の変形例>
<1−5−3.支持ベースの第3の変形例>
<1−5−4.刃物挟持部の第1の変形例>
<1−5−5.刃物挟持部の第2の変形例>
<1−5−6.その他の変形例>
[1−6.まとめ]
[1−1.鋏の構成]
先ず、鋏の構成について簡単に説明する(図1参照)。
鋏100は、動刃側鋏体101と静刃側鋏体102から成り、動刃側鋏体101と静刃側鋏体102が長手方向における略中央部において互いに回動可能に連結されている。動刃側鋏体101は、母指孔を有する指孔部101aとハンドル部101bと動刃側刃体103とが順に設けられて成る。動刃側刃体103は裏スキ面103aと触点104と刃線105とを有している。静刃側鋏体102は、薬指孔を有する指孔部102aとハンドル部102bと静刃側刃体106とが順に設けられて成る。静刃側刃体106は、図示しない裏スキ面と触点104に摺接される図示しない触点と刃線107とを有している。
[1−2.刃物砥ぎ具の構成]
次に、刃物砥ぎ具1の構成について説明する(図1乃至図10参照)。
図1及び図2に示すように、刃物砥ぎ具1は、鋏100の動刃側刃体103もしくは静刃側刃体106が挿入される回転体2と、回転体2を支持する支持体3と、鋏100の触点104(もしくは静刃側刃体106の触点)付近を保持する刃物保持体4と、作業中に刃物砥ぎ具1の姿勢を安定させるための姿勢安定体5とを有している。
図2及び図3に示すように、回転体2は、例えば、樹脂により筒状に形成された筒状体6と、筒状体6の内周面全体に亘って積層された砥石層7と、筒状体6の外周面全体に亘って積層されたゴム層8とを有している。砥石層7の内面は、砥面7aとして形成されている。砥石層7は、例えば、砥粒を練り込んだ布を筒状体6の内周面に沿って貼り付けて形成してもよいし、シート状に加工した筒状体6の材料に直接砥粒を吹き付け、それを筒状に加工し、筒状体6と同時に形成してもよい。ゴム層8は表面が、研磨作業時に回転体2が作業台200の作業面200a上を転動する際に作業面200aと接触する転動面8aとして形成されている。
図1及び図2に示すように、筒状体6は、軸方向における一方の端部に鋏100の動刃側刃体103もしくは静刃側刃体106を挿入するための挿入用開口9が形成され、他方の端部には内方へ張り出された筒底部10が設けられている。そして、筒状体6の内周面の径は軸方向において両端から中央に行くに従って徐々に大きくされ、砥石層7の径は筒状体6の内周面に倣って軸方向において両端から中央に行くに従って徐々に大きくされている(図3参照)。筒底部10の中心部には、回転体2が支持体3に片持ち状態で支持されるための被支持孔10aが形成されている。
尚、以下の説明では、筒状体6の挿入用開口9が形成された側を前方として、前方及び後方を記述する。
図1及び図2に示すように、支持体3は、回転体2をその軸回り方向へ片持ち状態で回転自在に支持する支持部材11と刃物保持体4を取り付ける連結部材12とを有している。
図1及び図2では、支持部材11と連結部材12が別部材になっているものを示したが、支持部材11と連結部材12は一体で形成されていてもよい。
支持部材11は、長い長方形をした平板状のベース部13と、ベース部13の長手方向の後端部から下方に延びる長方形をした平板状の支持部14とを有している。ベース部13と支持部14は、金属の折り曲げ加工などにより一体に形成されていてもよいが、樹脂による一体成形でもよいし、別々の部材によってそれぞれ形成されていてもよい。
ベース部13には、連結部材12を連結するための結合孔13aが前端部付近に形成され、姿勢安定体5を装着するための装着孔13bが略中央部付近に形成されている。
支持部14には、回転体2を支持するための支持孔14aが形成され、支持孔14aは筒底部10に形成された被支持孔10aよりも径が若干大きくされている(図8参照)。
連結部材12は、長方形をした平板状の被結合部15と、被結合部15の前端部から下方に延びる長方形をした平板状の連結部16とを有している。
被結合部15と連結部16は、金属の折り曲げ加工により一体に形成されていてもよいが、樹脂による一体成形でもよいし、別々の部材によりそれぞれ形成されていてもよい。
被結合部15には、支持部材11のベース部13と連結するための被結合孔15aが形成されている。ベース部13と被結合部15は、例えば、結合孔13a及び被結合孔15aに挿通されたボルト201とナット202によって連結されている。図4A又は図4Bに示すように、結合孔13aと被結合孔15aは少なくとも一方が前後方向に長い長孔とされている。そのため、図4Cのように、支持体3の前後方向の長さを調節することができるため、鋏100の動刃側刃体103もしくは静刃側刃体106の長さが異なっても刃物砥ぎ具1を使用して研磨作業をすることが可能であり、動刃側刃体103もしくは静刃側刃体106の長さに応じた最適な研磨作業を行うことができる。
連結部16には、刃物保持体4を取り付けるための連結孔16aが形成されている。また、一般的には、鋏100の裏スキ面103a(もしくは静刃側刃体106の裏スキ面)と砥面7aとの角度を研磨角度と呼び、連結部16には、刃物保持体4に鋏100が保持された状態において、回転体2の砥面7aに対する鋏100の研磨角度を表示するための角度表示部17が設けられている。角度表示部17には、鋏100を作業面200aに対して平行にしたときの角度を0°とし、0°からの角度の変位量が表示されている。また、鋏100を作業面200aに対して、例えば、45°傾けたときの角度を最適角度として0°と表示し、最適角度からの変位量を、例えば、15°刻みで表示してもよい。つまり、角度表示部17には、鋏100の砥面7aに対する研磨角度がおおよそ計算できる形で表示されていればよい。
鋏挟持体4は、鋏100の触点104(もしくは静刃側刃体106の触点)付近を保持する刃物挟持部18と、刃物保持体4を支持体3の連結部16に取り付けるための被連結突部19とを有している。
刃物挟持部18は、鋏100の触点104(もしくは静刃側刃体106の触点)付近を保持するための対向する一対の挟持板20、20を有している。一対の挟持板20、20は、狭持板連結部21により一定の距離を保って連結されている。
被連結突部19には、刃物保持体4を支持体3の連結部16に取り付けるための被連結孔19aが形成されている。連結部16と被連結突部19は、例えば、連結孔16a及び被連結孔19aに挿通されたボルト201とナット202によって連結されている。図5A又は図5Bに示すように、連結部16の連結孔16aと被連結突部19の被連結孔19aの少なくとも一方が、上下方向に長い長孔になっている。そのため、図5Cのように、刃物挟持部18の高さを調節することにより、鋏100の動刃側刃体103もしくは静刃側刃体106の幅が異なっていても刃物砥ぎ具1を使用して研磨作業をすることが可能である。また、被連結突部19の先端付近の前面には、現角度表示マーク19bが設けられている(図2参照)。現角度表示マーク19bは、連結部16が有する角度表示部17と一体となって機能し、刃物保持体4が支持体3に対して回動する際において、刃物保持体4に保持された鋏100の砥面7aに対する研磨角度を指し示す。
刃物保持体4は、金属により一体に形成されていてもよいが、樹脂により一体成形されていてもよい。更に、刃物挟持部18と被連結突部19が別の部材として形成されていてもよい。また、刃物挟持部18の挟持板20、20と挟持板連結部21がそれぞれ別の部材で形成されていてもよい。一対の挟持板20、20は、互いに離接する方向に弾性変形可能とされている。従って、一対の挟持板20、20の間隔が狭くなる方向に撓むことにより、鋏100の触点104(もしくは静刃側刃体106の触点)付近を安定した状態で把持することができ、鋏100の動刃側刃体103もしくは静刃側刃体106を下方に押し付ける力が砥面7aに伝わり易く、安定した研磨作業が可能となる。
姿勢安定体5は、回転体2を左右方向に跨ぐように配置され、回転体2を挟んでそれぞれ両側に位置する一対の脚部22、22と、脚部22、22を連結する両脚連結部23とを有している。
両脚連結部23は、左右に長い長方形の平板状に形成されている。また、両脚連結部23の長手方向の両端からそれぞれ下方に向けて平板状に形成された脚部22、22が突出されている。更に、両脚連結部23の略中央部には姿勢安定体5を支持体3に装着するための被装着孔23aが形成されている。支持体3と姿勢安定体5は、例えば、装着孔13bと被装着孔23aに挿通されたボルト201とナット202によって連結されている。
脚部22は、下端部が規制部24として略90°外側に向け曲げられて形成され、規制部24は先端部24aが先端に行くに従って上方へ変位するように形成されている。また、規制部24の下面は規制面24bとされている。
姿勢安定体5は、金属の折り曲げ加工により形成されていてもよいが、樹脂による一体成形でもよいし、各部が別々の部材によってそれぞれ形成されていてもよい。更に、姿勢安定体5は、支持体3の支持部材11と一体に形成されていてもよい。
前述したように、回転体2は支持体3の支持部14に片持ち状態で支持され、例えば、ボルトと複数のナットやワッシャーから成る支持用部品群25によって回転自在に支持されている(図2及び図6参照)。
支持用部品群25は、回転体2の筒底部10を固定する筒底固定部品群26と、支持体3の支持部14の位置決めを行う位置決め部品群27とから成る。
筒底固定部品群26は、回転体2の内部から筒底部10に形成された被支持孔10aに挿入される支持ボルト26aと、筒底部10の外側から支持ボルト26aに螺着される筒底ナット26bと、支持ボルト26aと筒底部10の間に挿入される第一の筒底ワッシャー26cと、筒底ナット26bと筒底部10の間に挿入される第二の筒底ワッシャー26dとから成り、支持ボルト26aは支持用部品群25に属するナット、ワッシャー全てに挿通される。
筒底ナット26bの後面は、支持体3の支持部14が前方へ移動されるのを規制するための前方規制面26eとして形成されている。
位置決め部品群27は、支持体3の支持部14の外側に位置される第一の支持部ナット27aと、第一の支持部ナット27aの後側に位置される第二の支持部ナット27bと、第一の支持部ナット27aと第二の支持部ナット27bの間に挿入される支持部ワッシャー27cとから成る。
第一の支持部ナット27aの前面は、支持体3の支持部14が後方へ移動されるのを規制するための後方規制面27dとして形成されている。
図7に示すように、前方規制面26eと後方規制面27dの間の距離W1は、支持体3の支持部14の厚みW2より若干長くされており、また、図8に示すように、支持部14の支持孔14aの直径W3は筒底部10の被支持孔10aの直径W4よりも若干大きくされている。よって、図9に示すように、支持体3の支持部14と筒底固定部品群26の前方規制面26eとの間に隙間C1が形成され、また、支持体3の支持部14の支持孔14aと支持ボルト26aとの間にも隙間C2が形成される。従って、図10Aもしくは図10Bに示すように、回転体2の回転軸は支持部14の支持孔14a付近を支点として任意の方向に変位可能とされている。
尚、回転体2の回転軸が支持部14の支持孔14a付近を支点として任意の方向に変位可能とするために、回転体2と支持体3の支持部14がボールジョイント機構によって連結された構成とすることもできる。
[1−3.鋏の研磨作業]
以下に、本技術の刃物砥ぎ具1を用いて鋏100を研ぐ手順を説明する(図11乃至図17参照)。尚、鋏100は、動刃側刃体103及び静刃側刃体106を有しているが、以下の説明では動刃側刃体103を研ぐ際の手順について説明する。
先ず、鋏100を刃物砥ぎ具1に取り付ける。具体的には、図11に示すように、鋏100を開いて動刃側刃体103を刃物砥ぎ具1の挿入用開口9から回転体2の内部に挿入する。このとき、図12A及び図12Bに示すように、動刃側刃体103の刃線105を前方から見て動刃側刃体103における左端に位置させる。図10に示したように、回転体2の回転軸は支持体3の支持孔14a付近を支点として任意の方向に変位可能とされているため、鋏100の動刃側刃体103を回転体2へ挿入する際に図12Bの矢印のように回転体2が動き、刃物保持体4が障害とならず、動刃側刃体103の回転体2への挿入を容易に行うことができる。
次いで、刃物砥ぎ具1の刃物挟持部18の一対の挟持板20、20の間に動刃側鋏体101の触点104付近を挿入する。このとき指300、300で挟持板20、20を両側から押圧することにより、一対の挟持板20、20が互いに近付く方向へ弾性変形され、回転体2に挿入された動刃側刃体103が安定した状態で一対の挟持板20、20に挟持される。また、挟持板20、20の対向面20a、20aの間の距離よりも鋏100の触点104付近の厚みが厚い場合には、鋏100の触点104付近が挿入されたときに挟持板20、20が互いに離隔する方向へ弾性変形され、回転体2に挿入された動刃側刃体103が安定した状態で一対の挟持板20、20に挟持される。
続いて、砥面7aに対する鋏100の研磨角度を調節する。具体的には、図13A乃至図13Cに示すように、刃物挟持部18を支持体3の連結部16に対して回動させることにより、砥面7aに対する鋏100の研磨角度θを調節する。一般的には、鋏100の砥面7aに対する研磨角度θは40〜50°で研磨することが望ましい。連結部16に対して刃物挟持部18を回動させることにより、図14A乃至図14Cに示すように、動刃側刃体103の刃角の違いや、研磨する際の動刃側刃体103の砥面7aに対する研磨角度θの違いに応じて、上記の研磨角度θを調節することが可能であり、鋏100の種類等に応じた最適な研磨角度θで動刃側刃体103の研磨作業を行うことができる。
この際、連結部16の角度表示部17には、図12及び図13に示すように、例えば、V、W、X、Y、Zと目盛りが付されており、この目盛りを確認しながら角度調節することにより、容易に研磨角度θを調節することができる。角度表示部17に付された目盛りは、実際の研磨角度θを表す数値でもよいし、傾斜の段階を表す数値でもよい。次いで、調節した研磨角度θが作業中に変わらないように、連結部16に刃物保持体4をボルト201とナット202で固定する。
次に、作業面200a上で回転体2を転動させ、鋏100の動刃側刃体103を研磨する。具体的には、図15及び図16に示すように、一対の挟持板20、20と挟持板20、20の間に挟まれた動刃側鋏体101の触点104付近を共に把持しながら、動刃側鋏体101の刃線105を砥面7aに押し付けた状態で回転体2を右方へ転動させる。このとき、静刃側鋏体102を作業台200の外側へ位置させたまま回転体2を転動させることにより、静刃側鋏体102が作業面200a及び回転体2に接触しないため、鋏100を分解せずに研磨作業を行うことが可能である。また、この際、姿勢安定体5の少なくとも一方の規制面24bが作業面200aに接触することによって鋏100が作業面200aに対して過度に傾斜することを防ぐことができるため、動刃側刃体103が砥面7aの下端付近で接触し、鋏100に加えられている下方への力により動刃側刃体103が砥面7aに押し付けられ、効率的に研磨作業を行うことができる。動刃側鋏体101が挟持板20、20によって挟持された状態で、回転体2が作業面200a上を転動することにより、図17に示すように、刃線105が一定の力で押しつけられた砥面7aが動刃側刃体103に対して左方向D1へ摺動するため、鋏100の刃線105が砥面7aによって砥がれる。
この時、砥石層7が筒状体6の内周面側に設けられていることにより、研磨作業によって生じる粉塵が回転体2の外部へ飛散しにくくされている。
上述したように、支持体3の支持孔14a付近を支点として回転体2の回転軸が任意の方向に変位可能とされている。更に、回転体2の砥面7aは、動刃側刃体103の刃線105の弧線に沿うように回転体2の中央付近の径が最も大きくされている。これらにより、刃線105を砥面7aに押し付けた際に回転体2が刃線105の弧線に倣うように鋏100に対して傾くため、動刃側刃体103を効率よく研磨することが可能である。
また、刃物砥ぎ具1においては、手のひらの上に乗る程度の大きさに形成することが可能であるため、保管が容易であり、日々のメンテナンスにも好適である。更に、刃物砥ぎ具1の大きさを小さくすることが可能であるため、軽量にすることが可能であり、片手で扱うことが容易である。
[1−4.各部の他の構成例]
以下に、刃物砥ぎ具1の上記した各部の他の構成について説明する(図18乃至図20参照)。
図18に示すように、回転体2の砥石層7と筒状体6の間に弾性部材であるクッション層29が設けられていてもよい。この場合には、クッション層29が弾性変形することにより、砥面7aの曲率が鋏100の刃線105の接触状態や刃線105の形状に応じて変化し、刃線105の砥面7aに対する高い密着性を確保することができる。
また、筒状体6はポリエチレンテレフタレート(PET)のような弾性変形可能な合成樹脂で形成されていてもよい。この場合にも、砥石層7が筒状体6の弾性変形に倣って変形されるため、砥面7aの曲率が鋏100の刃線105の接触状態や刃線105の形状に応じて変化し、刃線105の砥面7aに対する高い密着性を確保することができる。
更に、図19に示すように、姿勢安定体5の脚部22、22の先端部に車輪30、30が支持されていてもよい。この場合には、車輪30、30が作業面200aに接することにより、研磨作業時における刃物砥ぎ具1の左右方向の移動を円滑に行うことができる。
更にまた、図20に示すように、刃物挟持部18の一対の挟持板20、20の対向するそれぞれの対向面20a、20aに弾性材料である弾性部31、31が設けられていてもよい。
対向面20a、20aにそれぞれ弾性部31、31が設けられることにより、鋏100の触点104付近を安定した状態で把持することができ、鋏100の動刃側刃体103を砥面7aに安定した状態で押し付けることができる。また、鋏100の挟持板20、20に挟持された部分の傷付きを防止することができる。
また、図21に示すように、回転体2のゴム層8の外周面に周方向において一周する目印線40を設けてもよい。この場合には、鋏100を研磨する際に目印線40と作業台200の縁が上方から見て平行となるように研磨作業を行うことで、研磨作業を効率よく行うことができる。
[1−5.変形例]
次に、刃物砥ぎ具1の各部の変形例を以下に示す。尚、以下の変形例では、支持体3と刃物保持体4によって支持ベース28(28A、28B、28C)が構成されている。
<1−5−1.支持ベースの第1の変形例>
支持ベースの第1の変形例を図22乃至図25に示す。
第1の変形例に係る支持ベース28Aには、支持体3の連結部16Aと刃物保持体4の被連結突部19Aにラチェット機構が設けられている。
具体的には、図22に示すように、連結部16Aの連結孔16aの上方には回転規制部32が回動自在に支持されている。回転規制部32は、円柱部32aと円柱部32aから回転軸に直交する方向へ突出された回転規制突部32bとを有している。また、図22及び図23に示すように、被連結突部19Aには連結部16Aと接触する面に開口された円環状凹部33が形成されている。円環状凹部33は被連結孔19aの外周側に形成され、被連結突部19Aのうち被連結孔19aと円環状凹部33との間の部分が筒状周縁部34として設けられている。筒状周縁部34の外周側には、係止突部35、35、・・・が周方向に連続して設けられいる。係止突部35は、係止面35aと緩斜面35bを有し、係止面35aと緩斜面35bが交互に形成されている。
図23に示すように、連結部16Aと被連結突部19Aは、例えば、連結孔16aと被連結孔19aに挿通されたボルト201とナット202によって連結される。このとき、図24Aに示すように、被連結突部19Aを連結部16Aに対して反時計回り方向(図24Aに示した矢印の方向)に回転させた場合には、係止面35aが回転規制突部32bに係合され、被連結突部19Aの連結部16Aに対する回転が規制される。また、被連結突部19Aを連結部16Aに対して時計回り方向(図24B及び図24Cに示した矢印の方向)に回転させた場合には、回転規制突部32bの先端部が緩斜面35b、35b、・・・を摺動するため、連結部16Aに対する被連結突部19Aの回転が許容される。
前記したラチェット機構により、刃物保持体4の連結部16Aに対する反時計回り方向の回転は規制される。鋏100の研磨作業は、動刃側鋏体101が刃物保持体4の挟持板20、20によって挟持された状態で回転体2が作業面200a上を転動することにより動刃側刃体103を研磨するが、このとき、図25に示すように、連結部16Aに対して刃物保持体4をD2方向(時計回り方向)に回転させようとする力が働く。これに対し、刃物保持体4が連結部16Aに対してD3方向(反時計回り方向)のみに回転するようにされているため、調節した鋏100の砥面7aに対する研磨角度θが変化しない。そのため、回転体2の砥面7aに対する鋏100を一定の角度で安定した状態で研磨することができる。
尚、前記したラチェット機構は、刃物保持体4の連結部16Aに対する反時計回り方向の回転を規制する機能を備えているが、ラチェット機構が時計回り方向の回転を規制する機能と反時計回り方向の回転を規制する機能とを備え、それらの機能の切替を可能とすることにより、刃物砥ぎ具1を右利き用の鋏と左利き用の鋏の双方に用いることができるようにしてもよい。
<1−5−2.支持ベースの第2の変形例>
支持ベースの第2の変形例を図26に示す。
第2の変形例に係る支持ベース28Bは刃物保持体4Bが刃物挟持部18BとL字型に形成された被連結突部19Bと挟持板連結ボルト群36とから成る。
刃物挟持部18Bは長方形の平板状に形成された一対の挟持板20B、20Bを有し、挟持板20B、20Bの長手方向の各端部には挟持板被支持孔20b、20bが形成されている。被連結突部19Bには、被連結孔19aと挟持板支持孔19cが形成されている。挟持板連結ボルト群36は、挟持板連結ボルト36aと、挟持板支持孔19cの上部に位置される第一の上部挟持板ナット36bと、一対の挟持板20B、20Bのうち上側に位置する挟持板20Bの下部に位置される第二の上部挟持板ナット36cと、一対の挟持板20B、20Bのうち下側に位置する挟持板20Bの上部に位置される第一の下部挟持板ナット36dと、下側に位置する挟持板20Bの下部に位置される第二の下部挟持板ナット36eとから成る。挟持板連結ボルト36aは、挟持板連結ボルト群36に属するナット全てに挿通され、被連結突部19Bと挟持板20B、20Bの位置関係が固定される。
挟持板20B、20Bは、図26Aの矢印に示すように、挟持板連結ボルト36aを回転軸として少なくとも180°回動可能とされ、右利き用の鋏と左利き用の鋏の双方の鋏の研磨作業に利用可能とされている。つまり、挟持板20B、20Bを左側に回動させた場合には、右利き用の鋏の研磨作業を行うことが可能であり、挟持板20B、20Bを右側に回動させた場合には、左利き用の鋏の研磨作業を行うことが可能である。
尚、第2の変形例に係る支持ベース28Bにおいても、挟持板連結部品群36が挟持板20B、20Bの距離を調整する機能を持ち合わせていてもよい。
<1−5−3.支持ベースの第3の変形例>
支持ベースの第3の変形例を図27に示す。
第3の変形例に係る支持ベース28Cは連結部16Cの連結孔16bが左右に長い長孔として形成され、角度表示部17Cが連結孔16bの上側に形成されている。角度表示部17Cは、右半分が右利き用の鋏100を研磨する際に使用する右利き用角度表示部17aとされ左半分が左利き用の鋏100を研磨する際に使用する左利き用角度表示部17bとされている。
被連結突部19Cには、角度表示部17Cに対する現在の研磨角度θを指し示すための現角度表示マーク19dが被連結孔19aの上部及び下部に設けられている。
刃物保持体4は、右利き用の鋏100を研磨する際には挟持板20、20が連結部16Cの右側に位置されるように刃物保持体4が回動されて挟持板20、20の下半分の部分に動刃側刃体103の触点104付近を挟み込んで用いられ(図27参照)、左利き用の鋏100を研磨する際には挟持板20、20が連結部16Cの左側に位置されるように刃物保持体4が回動されて挟持板20、20の下半分の部分に動刃側刃体103の触点104付近を挟み込んで用いられる。
連結孔16bが左右に長い長孔とされていることにより、被連結突部19Cが連結部16Cに対して左右方向に動くことが可能とされている。例えば、右利き用の鋏100の動刃側刃体103を研磨する場合には、被連結突部19Cを連結孔16bの右方向へ移動させるに従って、鋏100の刃線105が筒状体6の中心より右へ移動するため、砥面7aに対する動刃側刃体103の研磨角度θが小さくなる。従って、連結孔16bに対する被連結突部19Cを左右方向へ移動することにより、動刃側刃体103の砥面7aに対する研磨角度θを調整することができ、動刃側刃体103の刃角の違いや研磨する際の動刃側刃体103の砥面7aに対する研磨角度θの違いに応じて研磨作業を行うことができる。
<1−5−4.刃物挟持部の第1の変形例>
刃物挟持部の第1の変形例を図28に示す。
第1の変形例に係る刃物挟持部18Dは、右利き用の鋏に対応した挟持板20D、20Dを有した右利き用刃物挟持部37と、左利き用の鋏に対応した挟持板20D、20Dを有した左利き用刃物挟持部38とを備えている。右利き用刃物挟持部37は被連結突部19に対して傾斜され、例えば、左斜め下略45°の傾きにされ、左利き用刃物挟持部38は被連結突部19に対して傾斜され、例えば、右斜め下略45°の傾きにされている。
右利き用刃物挟持部37と左利き用刃物挟持部38が被連結突部19に対してそれぞれ45°傾斜されていることにより、一般的な研磨角度である45°で右利き用の鋏と左利き用の鋏の双方を研磨する場合に、何れの場合も現角度表示マーク19bの角度表示部17(X)に対する位置が変化しないため、刃物保持体4を支持体3に対してほとんど回動せずに使用することができる。
<1−5−5.刃物挟持部の第2の変形例>
刃物挟持部の第2の変形例を図29に示す。
第2の変形例に係る刃物挟持部18Eは、長方形の平板状に形成された一対の挟持板20E、20Eと間隔調整部品群39とから成り、挟持板20E、20Eの各中央には挟持板被支持孔20b、20bが形成されている。
間隔調整部品群39は、間隔調整用ボルト39aと、一対の挟持板20E、20Eのうち上側の挟持板20Eを固定するために上側の挟持板20Eを上下方向から挟む状態で位置される挟持板固定用ナット39b、39bと、一対の挟持板20E、20Eのうち下側の挟持板20Eを固定するために下側の挟持板20Eを上下方向から挟む状態で位置される挟持板固定用ナット39b、39bとを有している。
挟持板固定用ナット39b、39b、・・・の間隔調整用ボルト39aに対する位置を変更することにより、挟持板20E、20Eの対向面20a、20aの距離が調節され、鋏100の触点104付近の厚さによらず、刃物砥ぎ具1を使用して研磨作業をすることが可能である。
<1−5−6.その他の変形例>
その他の変形例として、刃物砥ぎ具に接触防止体が設けられた例を図30に示す。
刃物砥ぎ具1Fには、接触防止体41が設けられている。接触防止体41は、例えば、薄い金属板を略L字状に型抜きした形状とされ、左右に延びる取付部42と略上下に延びる当接部43とを有している。
取付部42は、支持体3の連結部材12に例えばネジ等を用いて取り付けられ、接触防止体41が筒状体6の挿入用開口9の全体を塞がないようにされている。当接部43は、図30Bに示すように前方に凸形状となるように緩やかに屈曲され、研磨作業時に先端部が作業台200の側面200bに押し付けられる。また、当接部43には、カバー44が取り付けられている。
接触防止体41は、取付部42が筒状体6の挿入用開口9の全体を塞がないように支持体3の連結部材12に取り付けられているため、鋏100の筒状体6への挿入が妨げられないようにされている。
刃物砥ぎ具1Fを用いて鋏100を研磨する場合には、鋏100を開いて動刃側刃体103を刃物砥ぎ具1Fの挿入用開口9から回転体2の内部に挿入する。この場合において、鋏100の静刃側刃体106が接触防止体41の当接部43に取り付けられたカバー44に前側から当接することにより、鋏100の静刃側刃体106における動刃側刃体103側への移動が規制される。
これにより、研磨作業時において静刃側刃体106が動刃側刃体103側へ移動することによる静刃側刃体106と作業台200との接触を防ぐことができるため、作業台200及び静刃側刃体106の損傷を防ぐことができる。
また、図30に示すように当接部43が前方に凸形状となるように緩やかに屈曲され、研磨作業時に当接部43の先端部が作業台200の側面200bに押し付けられるため、当接部43に当接された静刃側刃体106と作業台200との間に空間が形成される。そのため、作業台200や静刃側刃体106の損傷を一層防止することができる。
更に、当接部43の先端部を作業台200の側面200bに押し当てながら研磨作業を行うことが可能となる。そのため、回転体2の転動方向が安定するため、良好な研磨作業状態を保つことが可能となる。
尚、本例においては、支持体3の連結部材12に接触防止体41が取り付けられた例を示したが、刃物保持体4の被連結突部19に接触防止体41が取り付けられてもよい。また、この場合には、被連結突部19と接触防止体41の取付部42が同一の部材によって形成されていてもよい。更に、接触防止体41は、支持体3の支持部材11に取り付けられていてもよい。
[1−6.まとめ]
上記した本実施の形態においては、刃物砥ぎ具1(1F)を用いて複数の刃体を有する鋏100を研磨する例を示したが、刃体が一つの刃物を研磨する場合においても本技術における刃物砥ぎ具1(1F)を適用することができる。
刃体が一つの刃物としては、例えば、ナイフや包丁などがあり、以下においてはナイフの研磨について説明する。
ナイフ150は、図31に示すように、刃体151と柄部152から成り、刃体151は、刃線153と刃先154を有している。刃物砥ぎ具1(1F)を用いてナイフ150を研磨する場合には、ナイフ150の刃体151を刃物砥ぎ具1(1F)の挿入用開口9から回転体2の内部に挿入し、次に、刃物砥ぎ具1(1F)の刃物挟持部18の一対の挟持板20、20(20B、20B)の間に柄部152を挿入して、研磨作業を行う。
上記した技術の最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本技術を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
1,1F…刃物砥ぎ具、2…回転体、3…支持体、4…刃物保持体、5…姿勢安定体、6…筒状体、7…砥石層、7a…砥面、9…挿入用開口、11…支持部材、12…連結部材、14…支持部、17…角度表示部、22…脚部、24b…規制面、41…接触防止体、42…取付部、43…当接部、100…鋏、200…作業台、200a…作業面、200b…側面

Claims (8)

  1. 一端に刃物の刃体が挿入される挿入用開口を有する筒状体と前記筒状体の内部に設けられ内周面が前記刃体を研磨する砥面として形成された砥石層とを有する回転体と、
    前記回転体を前記筒状体の軸回り方向へ回転自在に支持する支持部を有する支持体と、
    前記支持体に連結され前記刃物を保持する刃物保持体とを備え、
    前記回転体が前記刃物の研磨作業時に作業面上を転動する
    刃物砥ぎ具。
  2. 前記刃物保持体が前記支持体に回動自在に連結され、
    前記支持体に、前記刃物保持体に保持された前記刃物の前記砥面に対する研磨角度を示す角度表示部が設けられた
    請求項1に記載の刃物砥ぎ具。
  3. 前記回転体は前記筒状体の他端部が前記支持部に片持ち構造で支持されて前記支持部を支点として任意の方向に変位可能とされた
    請求項1又は請求項2に記載の刃物砥ぎ具。
  4. 前記回転体は内径が両端から中央に近付くに従って大きくされた
    請求項1、請求項2又は請求項3に記載の刃物砥ぎ具。
  5. 前記筒状体は弾性変形が可能な合成樹脂で形成され、前記筒状体の弾性変形に倣って前記砥石層が変形される
    請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の刃物砥ぎ具。
  6. 一対の脚部を有する姿勢安定体を備え、
    前記一対の脚部はそれぞれ下方を向いた平面又は曲面に形成された規制面を有し、
    前記各規制面は前記回転体の回転軸を挟んだ両側に位置され、
    前記刃物の研磨作業時に前記規制面の少なくとも一方が前記作業面に接するようにした
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の刃物砥ぎ具。
  7. 前記支持体が前記回転体を支持し前記支持部を有する支持部材と前記刃物保持体が連結される連結部材とで構成され、
    前記連結部材が前記支持部材に対し前記回転体の回転軸方向にスライド可能とされた
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6に記載の刃物砥ぎ具。
  8. 前記刃物は二つの刃体を有する鋏とされ、
    前記鋏の研磨作業時において前記筒状体に挿入されていない前記刃体が作業台の側面の外側に位置され、
    一端部が前記支持体又は前記刃物保持体に取り付けられる取付部とされ、他端部が前記筒状体に挿入されていない前記刃体と前記作業台の側面との間に位置する当接部とされた接触防止体を設けた
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載の刃物砥ぎ具。
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