JP2001275975A - 眼底検査装置 - Google Patents

眼底検査装置

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JP2001275975A
JP2001275975A JP2000102242A JP2000102242A JP2001275975A JP 2001275975 A JP2001275975 A JP 2001275975A JP 2000102242 A JP2000102242 A JP 2000102242A JP 2000102242 A JP2000102242 A JP 2000102242A JP 2001275975 A JP2001275975 A JP 2001275975A
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blood flow
predicted
blood vessel
blood
measurement
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Nobuyoshi Kishida
伸義 岸田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定により求めた血流量が正常であるか否か
を測定直後に評価する。 【解決手段】 血流速度算出部47aはフォトマルチプ
ライヤ46a、46bの受光信号を周波数解析して血流
速度を算出し、血流量算出部47dと表示部52に出力
する。血管径算出部47bは一次元CCD42で撮像さ
れた血管像から血管径を算出し、血管径は血流量算出部
47d、予測血流量参照部47c、表示部52にそれぞ
れ出力する。予測血流量参照部47cは血管径算出部4
7bで算出された血管径を基に、流量データテーブル記
録部51に記録された予測血流量を読み込んで表示部5
2に出力する。血流量算出部47dは血流速度と血管径
から血流量を計算して表示部52に出力する。測定した
血流量を予測血流量と比較して正常か否かの評価を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば被検眼の眼
底部にレーザー光を照射して血流速度及び血流量を計測
する眼底検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から眼底検査装置としては、被検眼
の眼底血管をトラッキングし、このトラッキングした血
管の絶対血流速度を測定するレーザードップラ眼底血流
計が知られている。このレーザードップラ眼底血流計に
おいては、例えば眼底の血管にトラッキング用のレーザ
ービームと血流速度測定用のレーザービームを照射する
装置が、特開平7−31596号公報等に開示されてい
る。この装置では、眼底の血管の血流速度と測定した血
管の血管径とを求めて、血管内の血流量を測定すること
ができる。
【0003】この血流速度算出は相当の時間を要するた
めに、例えば特開平10−85190号公報には、被検
者への負担を考慮して測定直後は血流速度算出の解析を
行わず、フォトマルチプライヤの出力を外部記録装置に
保存して、直ちに次の測定を行う装置が開示されてい
る。この装置では、測定中の被検眼の状態が悪い場合の
不必要なデータを残さないようにするために、測定直後
に仮のカットオフ周波数を求める簡易処理を全てのデー
タに対して施し、その結果をCRTに表示することによ
って検者がデータ取込みの正否を確認し、次の測定準備
を行っている。
【0004】なお、これらの眼底血流計の使用方法は、
測定直後に表示される仮のカットオフ周波数を頼りに測
定状態の良いデータだけを残し、その日の測定が全て終
了した後でまとめて血流速度の算出を行って、測定結果
を評価する方式が一般的である。しかし、近年のコンピ
ュータの処理能力の向上によって、測定直後にドップラ
信号を解析し、短時間で血流速度及び血流量を演算表示
することができるようになり、これら求めた血流速度及
び血流量に対する評価を直ちに行って測定の効率化を図
ることが要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従
来例においては、測定直後に血流速度を評価していない
ために、例えば1個所の測定部位に対して3回程度の測
定を行うというスケジュールを組み、全ての測定が終了
した後に血流速度及び血流量を算出して予測血流量と比
較したり、分岐部の血流量によって比較を行っている。
即ち測定時には、血流速度を算出する前段階の一時的な
結果を頼りに測定が順調に行われたかどうかだけをチェ
ックし、その後で次の測定を行っている。従って、測定
結果を求める前の一時的な結果が良好である場合は次の
測定に進むようにしているために、スケジューリングし
た回数だけの測定を全て行わなければならない。
【0006】また、測定することが非常に困難な個所の
場合には、1回だけの測定結果では判断不可能なため
に、少なくとも2回以上測定する必要があり、このため
にアライメント操作に時間が掛かり、測定中に被検眼へ
のレーザー光の照射量が多くなり、その分だけ被検眼へ
のダメージも大きくなるという問題点がある。
【0007】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、
測定により求めた血流量が正常であるか否かを測定直後
に評価することができる眼底検査装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る眼底検査装置は、眼底血管に光束を照射
して眼底からの反射光を受光し、該反射光から眼底の血
流速度及び血管径を求め、前記血流速度及び前記血管径
から血管量を算出する眼底検査装置において、前記血管
径から予測される予測血流量を算出する予測血流量算出
手段を有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を図示の実施例に基づいて
詳細に説明する。図1は実施例の眼底血流計の構成図を
示し、白色光を発するタングステンランプ等から成る観
察用光源1から被検眼Eと対向する対物レンズ2へ至る
照明光路上には、コンデンサレンズ3、例えば黄色域の
波長光のみを透過するバンドパスフィルタ付のフィール
ドレンズ4、被検眼Eの瞳孔Epとほぼ共役な位置に設
けたリングスリット5、被検眼Eの水晶体とほぼ共役な
位置に設けた遮光部材6、リレーレンズ7、光路に沿っ
て移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板8、
リレーレンズ9、被検眼Eの角膜近傍と共役に設けた遮
光部材10、孔あきミラー11、黄色域の波長光を透過
し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー12が順次
に配列されている。
【0010】孔あきミラー11の背後の光路には眼底観
察光学系が構成されており、この光路に沿って移動自在
なフォーカシングレンズ13、リレーレンズ14、スケ
ール板15、光路中に挿脱自在な光路切換ミラー16、
接眼レンズ17が順次に配列され、検者眼eに至ってい
る。そして、光路切換ミラー16が光路中に挿入されて
いるときの反射方向の光路上には、テレビリレーレンズ
18、CCDカメラ19が配置されており、CCDカメ
ラ19の出力は液晶モニタ20に接続されている。
【0011】バンドパスミラー12の反射方向の光路上
には、イメージローテータ21、紙面に垂直な回転軸を
有する両面研磨されたガルバノメトリックミラー22が
配置され、ガルバノメトリックミラー22の下側反射面
22aの反射方向には、光路に沿って移動自在な第2の
フォーカスレンズ23が配置され、上側反射面22bの
反射方向にはレンズ24と、光路に沿って移動自在なフ
ォーカスユニット25が配置されている。なお、このレ
ンズ24の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔Epと共役関係
にあり、その焦点面にガルバノメトリックミラー22が
配置されている。
【0012】また、ガルバノメトリックミラー22の後
方には、光路長補償半月板26、光路中に遮光部を有す
る黒点板27、凹面ミラー28が光軸上同心に配置され
ており、ガルバノメトリックミラー22の下側反射面2
2aで反射されずに通過する光束をガルバノメトリック
ミラー22の上側反射面22bに導くリレー光学系が構
成されている。また、光路長補償半月板26はガルバノ
メトリックミラー22の上側反射面22b、下側反射面
22aの位置がそのミラー厚によって生ずる図面上下方
向へずれを持つことを補正するためのものであり、イメ
ージローテータ21へ向かう光路中にのみ作用するもの
である。
【0013】フォーカスユニット25においては、レン
ズ24と同一光路上にダイクロイックミラー29、集光
レンズ30が配列され、ダイクロイックミラー29の反
射方向の光路上にはマスク31、ミラー32が配列され
ている。そして、このフォーカスユニット25は一体的
に矢印で示す方向に移動できるように構成されている。
【0014】また、集光レンズ30の入射方向の光路上
には、固定ミラー33、光路から退避可能な光路切換ミ
ラー34が平行に配列され、光路切換ミラー34の入射
方向の光路上には、コリメータレンズ35、コヒーレン
トな例えば赤色光を発する測定用のレーザーダイオード
36が配列されている。更に、ミラー32の入射方向の
光路上には、シリンドリカルレンズ等から成るビームエ
クスパンダレンズ37、高輝度の他の光源と異なる例え
ば緑色光を発するトラッキング用光源38が配列されて
いる。
【0015】ガルバノメトリックミラー22の下側反射
面22aの反射方向の光路上には、フォーカシングレン
ズ23の背後に、ダイクロイックミラー39、フィール
ドレンズ40、拡大レンズ41、イメージインテンシフ
ァイヤ付の一次元CCD42が順次に配列されて、血管
検出系が構成されている。また、ダイクロイックミラー
39の反射方向の光路上には、結像レンズ43、共焦点
絞り44、被検眼Eの瞳孔Epとほぼ共役に設けたミラ
ー対45a、45bが配置され、ミラー対45a、45
bの反射方向にはそれぞれフォトマルチプライヤ46
a、46bが配置されて、測定用受光光学系が構成され
ている。なお、図示の都合上、全ての光路を同一平面上
に表示したが、ミラー対45a、45bの反射光路、ト
ラッキング用光源38の出射方向の測定光路、レーザー
ダイオード36からマスク31には至る光路はそれぞれ
紙面に直交している。
【0016】また、装置全体を制御するためのシステム
制御部47が設けられており、システム制御部47には
フォトマルチプライヤ46a、46bの出力と、検者が
操作する入力手段48がそれぞれ接続されており、シス
テム制御部47の出力は光路切換ミラー34、ガルバノ
メトリックミラー22を制御する制御回路49にそれぞ
れ接続されている。また、制御回路49には血管位置検
出回路50を介して一次元CCD42の出力が接続され
ている。更に、システム制御部47の出力は、血管径か
ら計算する血流量のデータテーブルを記録した流量デー
タテーブル記録部51、液晶モニタ20とは異なるCR
Tディスプレイの表示部52にそれぞれ接続されてい
る。
【0017】図2はシステム制御部47の測定結果表示
に必要な部分の構成図を示し、内部には血流速度算出部
47a、血管径算出部47b、予測血流量参照部47
c、血流量算出部47dが構成され、それらの出力はそ
れぞれ表示部52に接続されている。また、フォトマル
チプライヤ46a、46bの出力は血流速度算出部47
aに接続され、一次元CCD42の出力は血管径算出部
47bに接続されている。血流速度算出部47aと血管
径算出部47bの出力は血流量算出部47dに接続され
ており、血管径算出部47bの出力は予測血流量参照部
47cに接続され、予測血流量参照部47cの出力は流
量データテーブル記録部51に接続されている。
【0018】観察用光源1から発した白色光はコンデン
サレンズ3を通り、バンドパスフィルタ付フィールドレ
ンズ4により黄色の波長光のみが透過し、リングスリッ
ト5、遮光部材6、リレーレンズ7を通り、透過型液晶
板8を背後から照明し、リレーレンズ9、遮光部材10
を通って孔あきミラー11で反射され、黄色域の波長光
のみがバンドパスミラー12を透過し、対物レンズ2を
通り、被検眼Eの瞳孔Ep上で眼底照明光束像として一
旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。この
とき、透過型液晶板8には固視標が表示されており、こ
の固視標は照明光により照明されて被検眼Eの眼底Ea
に投影され、視標像として被検眼Eに呈示される。な
お、リングスリット5、遮光部材6、10は、被検眼E
の前眼部において眼底照明光束と眼底観察光束を分離す
るためのものであり、必要な遮光領域を形成するもので
あればその形状は問題とならない。
【0019】眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、
瞳孔Ep上から眼底観察光束として取り出され、孔あき
ミラー11の中心の開口部、フォーカシングレンズ1
3、リレーレンズ14を通り、スケール板15で眼底像
Ea’として結像した後に、光路切換ミラー16に至
る。ここで、光路切換ミラー16が光路から退避してい
るときは、検者眼eにより接眼レンズ17を介して眼底
像Ea’が観察可能となり、一方で光路切換ミラー16
が光路に挿入されているときは、スケール板15上に結
像した眼底像Ea’はテレビリレーレンズ18によりC
CDカメラ19上に再結像し、液晶モニタ20に映出さ
れる。
【0020】検者は接眼レンズ17又は液晶モニタ20
により眼底像Ea’を観察しながら装置のアライメント
を行う。このとき、適切な目的に応じて観察方式を採用
することが好適であり、接眼レンズ17による観察の場
合は、一般的に液晶モニタ20等よりも高解像かつ高感
度なので、眼底Eaの微細な変化を読み取って診断する
場合に適している。一方、液晶モニタ20による観察の
場合は、視野を制限しないので検者の疲労を軽減するこ
とができ、更にCCDカメラ19の出力を外部のビデオ
テープレコーダやビデオプリンタ等に接続することによ
って、眼底像Ea’上の測定部位の変化を逐次に電子的
に記録することが可能となるので、臨床上極めて有効で
ある。
【0021】レーザーダイオード36を発した測定光は
コリメータレンズ35によりコリメートされ、光路切換
ミラー34が光路に挿入されているときには、光路切換
ミラー34、固定ミラー33でそれぞれ反射され、集光
レンズ30の下方を通過し、光路切換ミラー34が光路
から退避しているときは、直接集光レンズ30の上方を
通過し、ダイクロイックミラー29を透過する。
【0022】一方、トラッキング用光源38から発した
トラッキング光は、ビームエクスパンダ37により縦横
異なる倍率でビーム径が拡大され、ミラー32で反射さ
れた後に、整形用マスク31で所望の形状に整形され、
ダイクロイックミラー29に反射されて、集光レンズ3
0によりマスク31の開口部中心と共役な位置ヘスポッ
ト状に結像している測定光と重畳される。
【0023】重畳された測定光とトラッキング光はレン
ズ24を通り、ガルバノメトリックミラー22の上側反
射面22bで一旦反射され、黒点板27を通った後に凹
面鏡48で反射され、再び黒点板27、光路長補償半月
板46を通って、ガルバノメトリックミラー22の上側
反射面22bと下側反射面22aとを−1倍で結像する
リレー光学系の機能によって、対物レンズ2の光軸から
偏心した状態でガルバノメトリックミラー22の方に戻
される。そして、ガルバノメトリックミラー22の切欠
部を通過し、イメージローテータ21を経てバンドパス
ミラー12によって対物レンズ2へ偏向され、対物レン
ズ2を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。
【0024】眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ
2により集光し、バンドパスミラー12で反射されてイ
メージローテータ21を通り、ガルバノメトリックミラ
ー22の下側反射面22aで反射され、フォーカシング
レンズ43を通り、ダイクロイックミラー39において
測定光とトラッキング光とが分離される。
【0025】トラッキング光はダイクロイックミラー3
9を透過し、フィールドレンズ40、結像レンズ41に
より、一次元CCD42上において眼底観察光学系によ
る眼底像Ea’よりも拡大された血管像として結像す
る。そして、一次元CCD42で撮像された血管像に基
づいて、血管位置検出回路50において血管像の移動量
を表すデータが作成されて、制御回路49に出力され
る。制御回路49はこの移動量を補正するようにガルバ
ノメトリックミラー22を駆動する。また、システム制
御部47では、一次元CCD42で撮像された血管像を
基に血管径が算出される。
【0026】一方、測定光はダイクロイックミラー39
により反射され、共焦点絞り44の開口部を経てミラー
対45a、45bで反射され、それぞれフォトマルチプ
ライヤ46a、46bに受光される。フォトマルチプラ
イヤ46a、46bの出力はそれぞれシステム制御部4
7に出力され、この受光信号が周波数解析されて眼底E
aの血流速度が求められる。
【0027】このように、システム制御部47では一次
元CCD42で撮像された血管像から血管径を算出し、
フォトマルチプライヤ46a、46bの出力から血流速
度を算出することが可能となっており、この算出された
血管径及び血流速度は計算後に表示部52に表示され
る。また、システム制御部47には血管径から予測され
る予測血流量が記録されており、流量データテーブル記
録部51から必要に応じて流量データを取り出し、血管
径と、フォトマルチプライヤ46a、46bの出力から
算出した血流速度及び血流量と共に、この予測血流量が
表示部52に表示される。なお、本実施例においては文
献(Blood Flow in the Normal Human Retina:Investig
ative Ophthalmolog y&Visua1 Science, Vol.30, No.1.
January 1989)で知られているものを使用している。
【0028】図3は測定結果を表示するためのフローチ
ャート図を示し、測定が終了すると、ステップ1でシス
テム制御部47内の血流速度算出部47aにおいて、フ
ォトマルチプライヤ46a、46bの出力から血流速度
が算出され、血流量算出部47dに出力される。ステッ
プ2で一次元CCD42で撮像された血管像を基に、血
管径算出部47bにおいて血管径が算出され、血管径は
血流量算出部47d、予測血流量参照部47cにそれぞ
れ出力される。また、ステップ3で血流量算出部47d
では、血流速度算出部47aにおいて算出された血流速
度及び血管径算出部47bにおいて算出された血管径か
ら血流量が算出される。更に、ステップ4で予測血流量
参照部47cでは、血管径算出部47bにおいて算出さ
れた血管径を基に、流量データテーブル記録部51から
予測血流量が読み込まれる。これらの測定結果は測定後
直ちに計算されて、例えば図4に示すように表示部52
に表示される。
【0029】また、血流速度算出部47aは、フォトマ
ルチプライヤ46a、46bの受光信号を周波数解析し
て、周波数の最大シフトΔfmax1 、Δfmax2 を算出す
る。レーザーダイオード36の波長をλ、測定眼Eの屈
折率をn、眼内での2つの受光光軸のなす角度をα、眼
内で2つの受光光軸がつくる平面と血流の速度ベクトル
とのなす角度をβとすると、血流の最大速度Vmaxは次式
から求めることができる。 Vmax={λ/(n・α)}・{||Δfmax1 |−|Δfmax2 ||/cosβ}…(1)
【0030】このように2方向から計測を行うことによ
り、測定光の入射方向の寄与が相殺され、眼底Ea上の
任意の部位の血流速度を計測することができる。また、
2つの受光光軸がつくる平面と眼底Eaとの交線と、血
流の速度ベクトルとのなす角βを一致させることによ
り、β=0°となって真の最大血流速度を測定すること
ができるようになっている。式(1)の各パラメータの
内、λ、nは既知の定数であり、Δfmax1 、Δfmax2 は
測定値であるのに対し、αは装置定数の他に被検者の眼
軸長を使用して算出されるパラメータである。また、式
(1)で求められた最大速度Vmaxは周波数解析を行う時
間内における最大速度の値であり、測定時間内における
血流速度はこの最大速度Vmaxの時間変化を平均して求め
た値となる。
【0031】一方、血管径算出部47bは一次元CCD
42で撮像された血管像から血管を抽出し、血管の直径
に相当する長さを画素数Xとして求める。また、一次元
CCD42上での結像倍率から、1画素当りの眼底Ea
上の距離定数kを求め、次式によって血管径Dを算出す
る。 D=k・X …(2)
【0032】この血管像は一次元CCD42のスキャン
レートにより測定時間内に複数個観測されるために、血
管径算出部47bは式(2)により複数個の血管径を算
出し、それら複数の結果の平均値を測定における血管径
として求めている。従って、血管径算出部47bから出
力される血管径は、測定時間内に観測された複数個の像
から得られた血管径Dの時間変化を平均して求めた値と
なる。
【0033】血流量は血管径算出部47bにおいて血流
速度算出部47aから出力される血流速度と、血管径算
出部47bから出力される血管径とから、血流量算出部
47dの内部で血管内血流がポアズイエの流れであると
仮定して計算される。
【0034】流量データテーブル記録部51には、図5
に示すような血管径から予測される予測血流量が記録さ
れており、この予測血流量は上述の文献に記載されてい
る正常眼での血管径と血流量の相関を示す式から計算さ
れる。即ち、血管径をD[μm]、流量をF[μL/m
in]で表すと、この相関式は次に示すようになる。 動脈:logF=(3.95±0.54)logD−(6.93±1.14)…(3) 静脈:logF=(3.93±0.35)logD−(7.30±0.77)…(4)
【0035】式(3)、式(4)から血管径の10μm
毎の血流量の最大値と最小値をそれぞれ動脈・静脈につ
いて求め、流量データテーブル記録部51に記録する。
例えば、血管径がd1のときには、動脈予測血流量最小
値はfamin1、動脈予測血流量最大値はfamax1 、静脈予
測血流量最小値はfvmin1、静脈予測血流量最大値はfvma
x1 と計算され、血管径d1と同一の行に順番に記録さ
れている。
【0036】本実施例においては、この流量データテー
ブル記録部51はフロッピディスクに保存される電子フ
ァイルなので、測定の前に予め作成しておく。この場合
には、例えば表計算の可能なアプリケーションで計算
し、電子ファイルを作成する方法が一般的である。この
ように、流量データテーブル記録部51は測定を行う前
に作成されており、測定する被検眼Eの血管径や血流速
度及び血流量の算出とは無関係に記録されているので、
測定結果による影響を受けることはない。
【0037】ここでは、予測血流量を作成するために式
(3)、式(4)を使用しているが、これらの式
(3)、式(4)以外にも統計的な結果に基づいた独自
の式を使用して流量データテーブル記録部51を作成す
ることが可能である。また、本実施例では、流量データ
テーブル記録部51はフロッピディスクに保存された電
子ファイルとして構成されているが、その他にハードデ
ィスクやMO等の記録媒体で構成してもよい。更に、本
実施例のように式(3)、式(4)といった相関式から
流量データテーブル記録部51を作成する方式では、流
量データテーブル記録部51を装置の電源投入時に計算
して作成するようにしてもよい。
【0038】予測血流量は血管径の値を基に予測血流量
参照部47cによって、流量データテーブル記録部51
から取得された値であり、この流量データテーブル記録
部51には血管径に対応した血流量が記録されている。
予測血流量参照部47cは流量データテーブル記録部5
1から血管径に対応した血流量を取り出し、先ず算出し
た血管径Dの値の1の位を四捨五入し、流量データテー
ブルに記録されている血管径と対比できる値にする。例
えば血管径dがd1とd2の間の値で、四捨五入した値
がd2のときは、流量データテーブル記録部51に記録
されている血管径の値がd2と等しいレコード行を探
し、d2と同じ行に記録された予測血流量を読み込む。
【0039】本実施例では、測定対象の血管が静脈の場
合を示しているが、システム制御部47においては測定
する眼底Eaの血管が動脈であるか静脈であるかを判断
して、このデータが予測血流量参照部47cに入力され
る。一方、流量データテーブル記録部51には、血管
径、動脈予測血流量最小値、動脈予測血流量最大値、静
脈予測血流量最小値、静脈予測血流量最大値の順番に記
録が行われているので、予測血流量参照部47cは静脈
の予測血流量最小値、予測血流量最大値である血流量fv
min2 とfvmax2 を予測血流量として読み込み、読み込ま
れたfvmin2 とfvmax2 が予測血流量として表示部52に
表示される。
【0040】このようにして取得された予測血流量は図
4に示すように表示され、これらの結果から測定した血
流量と予測血流量を測定後に直ちに比較することができ
る。例えば、この血流量が予測血流量の値の範囲と大き
く異なっている場合には、測定した血管の血流量が異常
であると判断することができるので、その後の測定対象
とする血管の選別や所見の判断を即座に行うことが可能
となる。また、この血流量が予測血流量の値の範囲に入
っている場合には、測定した血管の血流量が予測的な値
であると判断することができる。
【0041】その他にも、予測値の最小値と最大値の中
間値を予測血流量とし、この予測血流量を表示すると共
に、測定した血流量に対しての差分を、次の式(5)によ
り算出し、図6に示すように■■%の部分に例えば10
%や−20%のように表示することもできる。 (測定した血流量−予測血流量)/予測血流量 …(5)
【0042】本実施例においては、測定直後に血流速度
及び血流量を算出して、予測血流量と比較することがで
きるので、1個所につき3回の測定を行うスケジュール
に対して、1回目と2回目のデータが共に予測血流量と
同じときには、3回目の測定を省略することが可能とな
り、被検眼Eへの負担を軽減することができる。また、
測定することが非常に困難な個所について、測定が行っ
た1度目の結果だけを頼りに次の個所の測定に移ること
も可能である。このように、1回目と2回目のデータが
共に予測血流量と同じ場合や測定が困難な部位の測定で
は、従来の方法に比べて測定を省略することが可能とな
り、被検眼Eへの負担を軽減することができる。
【0043】更に、測定結果と予測値を直ちに知ること
ができるので、検者は所見を即座に記入し、測定後僅か
な時間で測定結果をまとめて、記憶の鮮明な内に被検者
に測定結果を知らせることができる。また、被検者にと
っては測定結果を当日に知ることができるので、後日病
院に出向かなくてもよく、効率の良い診察が可能とな
る。
【0044】更に、専門外の医師にとって、測定された
血流量が正常であるか、また少ないか多いかを即座に判
断することが困難な場合でも、測定値と予測値が共に表
示されているので、結果を見るだけで標準的な値との比
較ができ、迅速な診断が可能となる。このように、眼底
血流という分野に限らず、トータル的な医療情報の一部
としても極めて有効である。
【0045】血流速度と血管径と予測血流量及び血流量
は、図4に示すように例えば患者名や測定日時と共に表
示されており、これらの測定結果は必要に応じてプリン
タに印刷可能となっていて、本実施例においては測定後
に予測血流量を求めて表示するようにしているが、予測
血流量の表示をするか否かを設定可能にしてもよい。ま
た、予測血流量は血管径をパラメータとした公知の式か
ら算出した値を基に、血管径10μm段階で演算して求
めたデータテーブルから、最大値と最小値の2つの値を
持っように構成されているが、この血管径10μm段階
を更に細かく設定したり、或いはより大まかに設定する
こともできる。
【0046】更に、予測血流量は公知の式から算出して
データテーブルを作成するように構成しているが、この
予測血流量は病院毎に管理して設定するように構成した
り、被検者毎に作成してもよい。また、公知の式より算
出したデータテーブルと、病院毎に管理するデータテー
ブルと、患者毎に作成するデータテーブルなどのように
複数個の記録を行い、算出された血管径に対して複数個
の予測血流量を表示することもできる。
【0047】本実施例では、測定値と予測値を比較する
際に血流量を使用しているが、例えば血管径と血流量か
ら血管内血流がポアズイエの流れであると仮定した場合
の血流速度を算出し、血流速度で比較できるようにして
も同様の効果を得ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る眼底検
査装置は、血管径から予測される予測血流量を算出する
予測血流量算出手段を有することにより、測定直後に予
測血流量と測定結果とを比較して、測定に対する評価を
行うことができる。従って、次の測定が同じ又は近い部
位である場合には、極めて有用な情報を得ることがで
き、効率の良い診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の眼底血流計の構成図である。
【図2】システム制御部の構成図である。
【図3】測定結果表示のフローチャート図である。
【図4】測定結果表示の説明図である。
【図5】予測血流量取得の説明図である。
【図6】他の測定結果表示の説明図である。
【符号の説明】
1 観察用光源 8 透過型液晶板 12 バンドパスミラー 19 CCDカメラ 20 液晶モニタ 21 イメージローテータ 22 ガルバノメトリックミラー 25 フォーカスユニット 26 光路長補償半月板 27 焦点板 36 レーザーダイオード 38 トラッキング用光源 42 一次元CCD 46a、46b フォトマルチプライヤ 47 システム制御部 47a 血流速度算出部 47b 血管径算出部 47c 予測血流量参照部 47d 血流量算出部 48 入力手段 49 制御手段 50 血管位置検出回路 51 流量データテーブル記録部 52 表示部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼底血管に光束を照射して眼底からの反
    射光を受光し、該反射光から眼底の血流速度及び血管径
    を求め、前記血流速度及び前記血管径から血管量を算出
    する眼底検査装置において、前記血管径から予測される
    予測血流量を算出する予測血流量算出手段を有すること
    を特徴とする眼底検査装置。
  2. 【請求項2】 前記予測血流量を記録する予測血流量記
    録手段を有する請求項1に記載の眼底検査装置。
  3. 【請求項3】 前記予測血流量は最小値と最大値の2つ
    の値を有する請求項2に記載の眼底検査装置。
  4. 【請求項4】 前記予測血流量は動脈と静脈の2つの値
    を有する請求項2に記載の眼底検査装置。
  5. 【請求項5】 前記血流量を前記予測血流量と共に表示
    する請求項2に記載の眼底検査装置。
  6. 【請求項6】 前記予測血流量算出手段に接続して、前
    記予測血流量の算出方法を変更可能とする算出方法変更
    手段を有する請求項1に記載の眼底検査装置。
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