JP2001274457A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JP2001274457A
JP2001274457A JP2000083517A JP2000083517A JP2001274457A JP 2001274457 A JP2001274457 A JP 2001274457A JP 2000083517 A JP2000083517 A JP 2000083517A JP 2000083517 A JP2000083517 A JP 2000083517A JP 2001274457 A JP2001274457 A JP 2001274457A
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buffer layer
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light emitting
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JP2000083517A
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Hideo Kawanishi
英雄 川西
Masato Horie
正人 堀江
Tetsuji Moku
哲次 杢
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Sanken Electric Co Ltd
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Sanken Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力及び動作電圧の低い半導体発光素子
の低コスト化が困難であった。 【解決手段】 シリコンから成る低抵抗性基板11の上
にAlN層12aとIn 0.2Ga0.8N層12bとを交互
に複数層形成したバッファ層12を設ける。バッファ層
12の上に窒化ガリウムから成るn形半導体領域13、
窒化ガリウムインジウムからなる活性層14、窒化ガリ
ウムから成るp形半導体領域15を順次に形成する。p
形半導体領域15の上にアノード電極17を設け、低抵
抗性基板11にカソード電極18を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化ガリウム系化合
物半導体を用いた半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN、GaAlN、InGaN、In
GaAlN等の窒化ガリウム系化合物半導体を用いた青
色発光素子(青色発光ダイオード)は公知である。この
種の発光素子は、一般に窒化ガリウム系化合物半導体が
サファイアから成る絶縁性基板上に形成されており、一
対の電極が素子の上面に配置された構造を有する。即
ち、従来の発光素子は図1に示すように、サファイアか
ら成る絶縁性基板1、この絶縁性基板1の一方の主面
(上面)に周知のエピタキシャル成長法によって形成さ
れた窒化ガリウム系化合物半導体(例えばGaN)から
成るn形半導体領域2、このn形半導体領域2の上にエ
ピタキシャル成長法によって形成された窒化ガリウム系
化合物半導体(例えばInGaN)から成る活性層3、
及びこの活性層3の上にエピタキシャル成長法によって
形成されたP形半導体領域4を備えた半導体基体5と、
この半導体基体5の一方の主面(上面)においてn形半
導体領域2に接続されたカソード電極6と、p形半導体
領域4に電気的に接続されたアノード電極7とから成
る。図1の発光素子は絶縁性基板1の他方の主面(下
面)が回路基板やリードフレームに固着され、活性層3
にて生じた光は半導体基体5の一方の主面側に導かれ、
この一方の主面のうち電極6、7の形成されていない領
域から外部に放出される。
【0003】ところで、図1の発光素子におけるサファ
イアから成る基板1は絶縁体であるため、半導体基体5
の一方の主面側に一対の電極6、7が形成されており、
n形半導体領域2の水平方向に電流が流れる。このn形
半導体領域2は厚さが4〜5μm程度の肉薄層であるた
め水平方向における電流通路の抵抗はかなり大きなもの
となり、図1の発光素子では、消費電力及び動作電圧が
比較的大きくなる。この種の問題を解決するために、本
件出願人は、図2に示すように、低抵抗のシリコン又は
シリコン化合物から成る基板11、バッファ層12´、
GaN(窒化ガリウム)から成るn形半導体領域13、
p形のInGaN(窒化ガリウムインジウム)から成る
活性層14、及びGaN(窒化ガリウム)から成るp形
半導体領域15を順次に積層した構成の板状基体16
と、この基体16の一方の主面(上面)即ちp形半導体
領域15に電気的に接続されたアノ−ド電極17と、基
板17に電気的に接続されたカソ−ド電極18とを備
え、バッファ層12´が5〜100オングストロ−ムの厚
さのAlxGa1-xN(但し、xは0<x≦1を満足する
数値)層12a´と5〜300オングストロ−ムの厚さ
のGaN層12b´とを交互に複数回繰返して積層した
ものから成る半導体発光素子を試作した。図2の半導体
発光素子によれば、シリコン等から成る低抵抗性基板1
1にカソード電極18を接続するので、アノ−ド電極1
7とカソ−ド電極18を半導体基体16を挟んで対向配
置することができる。この結果、電流通路が半導体基体
16の厚み方向に形成され、電流経路の抵抗値が下が
り、消費電力及び動作電圧の低減化が達成される。ま
た、図2の半導体発光素子では、基板11にシリコン等
を使用しているにも拘らずAlxGa1-xN層12a´と
GaN層12b´とから成るバッファ層12´を介して
窒化ガリウム系化合物の半導体領域を設けるので、バッ
ファ層12´の上面に比較的良好な半導体領域を形成する
ことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図2の半導
体発光素子ではバッファ層12´がAlxGa1-xN層12
a´とGaN層12b´とにより形成されており、Al
xGa1-xN層12a´とGaN層12b´はいずれもシ
リコン等から成る基板よりも熱膨張係数が大きいため、
バッファ層12´に引っ張り性の応力に基づく歪が発生し
易い。この歪はバッファ層12´上面に設けられた窒化ガ
リウム系化合物半導体領域(n形クラッド層)を比較的厚
く形成すれば緩和できるが、この半導体領域に比較的高
密度にクラックが生じ易いことが分かった。このように
半導体領域にクラックが生じると、歪みが緩和される。
しかし、窒化ガリウム系化合物半導体領域にクラックが
生じると、良好な発光特性を得ることができない。
【0005】そこで、本発明の目的は、発光特性の向
上、消費電力及び動作抵抗の低減等を図ることができる
半導体発光素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
目的を達成するための本発明は、シリコン又はシリコン
化合物から成る低抵抗性基板と、前記低抵抗性基板の一
方の主面上に形成されたバッファ層と、前記バッファ層
の上に形成されており且つ窒化ガリウム又は窒素とガリ
ウムを含む窒化ガリウム系化合物から成る第1の導電形
の第1の半導体領域と、前記第1の半導体領域の上に形
成されており且つ窒化ガリウム又は窒素とガリウムを含
む窒化ガリウム系化合物から成り且つ前記第1の導電形
と反対の第2の導電形を有している第2の半導体領域
と、前記第2の半導体領域の表面の一部に形成された第
1の電極と、前記低抵抗性基板の他方の主面に形成され
た第2の電極とを備え、前記バッファ層はAlxGa1-x
N(但し、xは0<x≦1を満足する数値)層即ちAl
GaN(窒化ガリウム・アルミニウム層)又はAlN
(窒アルミニウム層)とInyGa1-yN(但し、yは0
<y≦1を満足する数値)層とを有していることを特徴
とする半導体発光素に係わるものである。
【0007】なお、請求項2に示すように、活性層を設
けることが望ましい。また、請求項3に示すようにバッ
ファ層をAlxGa1-xN層とInyGa1-yN層とを交互
に複数回積層したものとすることが望ましい。また、請
求項4に示すようにAlxGa1-xN層の厚みを5〜10
0オングストロ−ム、InyGa1-yN層の厚みを5〜
300オングストロ−ムとすることが望ましい。
【0008】
【発明の効果】各請求項の発明は次の効果を有する。 (1) 基板を比較的安価なシリコン又はシリコン化合
物の基板としているにも拘らず、Alx Ga1-x N層と
InyGa1-yN層とから成るバッファ層を介して窒化ガ
リウム又は窒化ガリウム系化合物体の半導体領域を形成
するので、良好な発光特性即ち発光効率を得ることがで
きる。 (2) バッファ層はAlx Ga1-x N層とInyGa
1-yN層とから成るので、このバッファ層がシリコン又
はこの化合物から成る基板の結晶方位を良好に引き継ぐ
ことができ、このバッファ層の上にGaN又はGaN系
化合物を良好に形成することができ、良好な発光特性を
得ることができる。 (3) バッファ層をAlxGa1-xN層とInyGa1-y
N層との積層構造とすることによって、バッファ層に応
力に基づく歪みが発生することを良好に防止でき、結果
としてGaN又はGaN系半導体領域を良好に形成する
ことができ、良好な発光特性を得ることができる。 (4) 低抵抗の基板を使用し、電流通路を半導体基体
の厚み方向としているので、電流通路の抵抗値を下げて
消費電力及び動作電圧の低減化を図ることができる。ま
た、請求項2の発明によれば活性層の働きで発光特性を
更に良くすることができる。また、請求項3の発明によ
れば、シリコンとの格子定数の差が比較的小さいAlx
Ga1-x N層が基板上に配置され且つInyGa1-y
(但し、yは0<y≦1を満足する数値)層の相互間に
も配置されるので、バッファ層の平坦性が良くなり、半
導体領域の結晶性も良くなる。また、請求項4の発明に
よれば、バッファ層のAlx Ga1-x N層及びIny
1-yN(但し、yは0<y≦1を満足する数値)層が
量子力学的なトンネル効果を生じる厚みに設定されてい
るので、バッファ層の抵抗値の増大を抑えて消費電力及
び動作電圧を低くすることができる。
【0009】
【実施形態及び実施例】次に、図3〜図7を参照して本
発明の実施形態及び実施例に係わる半導体発光素子とし
ての窒化ガリウム系化合物青色発光ダイオードを説明す
る。
【0010】図3及び図4に示す本発明の実施例に従う
青色発光ダイオードは、シリコン基板から成る低抵抗性
半導体基板(以下、低抵抗性基板という)11、バッフ
ァ層12、GaN(窒化ガリウム)から成る第1の半導
体領域としてのn形半導体領域13、p形のInGaN
(窒化ガリウムインジウム)から成る活性層14、及び
第2の半導体領域としてのGaN(窒化ガリウム)から
成るp形半導体領域15を順次に積層した構成の板状基
体16と、この基体16の一方の主面(上面)即ちp形
半導体領域15に電気的に接続されたアノード電極17
と、この基体16の他方の主面(下面)に隣接する低抵
抗性基板に電気的に接続されたカソード電極18を備え
ている。なお、バッファ層12、n形半導体領域13、
活性層14、及びp形半導体領域15は低抵抗性基板1
1の上に順次にそれぞれの結晶方位を揃えて成長させた
ものである。
【0011】低抵抗性基板11は、n形導電形不純物と
して例えばAs(砒素)が5×10 18cm-3〜5×10
19cm-3程度の高濃度で導入され且つ(111)面を有
するn+ 形のシリコン単結晶基板から成り、その抵抗率
は0.0001Ω・cm〜0.01Ω・cm程度であっ
て、実質的に導電体と呼ぶことができるものである。従
って、この低抵抗性基板11はカソード電極18と共に
発光ダイオードのカソード電極として機能する。なお、
本実施例では、p形半導体領域15、活性層14及びn
形半導体領域13から成る発光部の支持体として機能す
るように低抵抗性基板11の厚みを約350μmに設定
した。
【0012】低抵抗性基板11の一方の主面全体を被覆
するように形成されたバッファ層12は、AlN(窒化
アルミニウム)層12aとIn0.2Ga0.8N層(窒化イ
ンジウムガリウム)層12bとが交互に積層されたもの
である。即ち、図3及び図4では図示を簡略化するため
に、バッファ層12を構成するものとして、AlxGa
1-XNのxの値を1にしたものに相当するAlN層12
aとInyGa1-yNのyの値を0.2にしたものに相当す
るIn0.2Ga0.8N層12bとがそれぞれ2層のみ示さ
れ、これ等が交互に配置されているが、実際のバッファ
層12は、厚さ約50オングストロームの絶縁性の極薄
膜のAlN層12aと、厚さ約150オングストローム
のn形半導体領域の極薄膜のIn0.2Ga0.8N層12b
とをそれぞれ5層有し、これ等が交互に配置された合計
10層の積層体であり、全体で約1000オングストロ
ームの膜厚を有する。このバッファ層12は周知のMO
CVD(有機金属化学気相成長方法)によってAlN層
とIn0.2Ga0.8N層を順次連続して積層形成したもの
である。即ち、シリコン単結晶の低抵抗性基板11をM
OCVD装置の反応室内に配置し、まず、サーマルアニ
ーリングを施して表面の酸化膜を除去する。次に、反応
室内にTMA(トリメチルアルミニウム)ガスとNH3
(アンモニア)ガスを約27秒間供給して、低抵抗性基
板11の一方の主面に厚さ約50オングストロームのA
lN層を形成する。本実施例では低抵抗性基板11の加
熱温度を800℃とした後に、TMAガスの流量即ちA
lの供給量を約63μmol/分、NH3 ガスの流量即
ちNH3 の供給量を約0.14mol/分とした。続い
て、低抵抗性基板11の加熱温度を800℃とし、TM
I(トリメチルインジウム)ガスとTMAガスの供給を
止めてから反応室内にTMG(トリメチルガリウム)ガ
スとNH3 (アンモニア)ガスとSiH4 (シラン)ガ
スを約15秒間供給して、低抵抗性基板11の一方の主
面に形成された上記AlN層の上面に厚さ約150オン
グストロームのn形In0.2のGa0.8N層を形成する。
ここで、SiH4 ガスは形成膜中にn形不純物としての
Siを導入するためのものである。本実施例では、TM
Iガスの流量即ちInの供給量を約50μmo1/分、
TMGガスの流量即ちGaの供給量を約6.3μmol
/分、NH3 ガスの流量即ちNH3 の供給量を約0.1
4mol/分、SiH4 ガスの流量即ちSiの供給量を
約21nmol/分とした。本実施例では、上述のAl
N層とIn0.2Ga0.8N層の形成を5回繰り返してAl
N層12aとIn0.2Ga0.8N層12bとが交互に10
層積層されたバッファ層12を形成する。勿論AlN層
12a、In0.2Ga0.8N層12bをそれぞれ25層等
の任意の数に変えることもできる。
【0013】バッファ層12の上面に設けられたn形半
導体領域13、活性層14及びp形半導体領域15は周
知のMOCVD法によって順次連続して形成したもので
ある。即ち、上面にバッファ層12が形成された低抵抗
性基板11をMOCVD装置の反応室内に配置して、反
応室内にまずトリメチルガリウムガス即ちTMGガス、
NH3 (アンモニア)ガス、SiH4 (シラン)ガスを
供給してバッファ層12の上面にn形半導体領域13を
形成する。ここで、シランガスは形成膜中にn形不純物
としてのSiを導入するためのものである。本実施例で
はバッファ層12が形成された低抵抗性基板11の加熱
温度を1040℃とした後、TMGガスの流量即ちGa
の供給量を約4.3μmol /分、NH3 ガスの流量即ち
NH3 の供給量を約53.6mmol /分、シランガスの
流量即ちSiの供給量を約1.5nmol /分とした。ま
た、本実施例では、n形半導体領域13の厚みを約2μ
mとした。図1の従来の発光ダイオードのn形半導体領
域2の厚みは約4.0〜5.0μmであるから、これに
比べて図2の本実施例のn形半導体領域13はかなり肉
薄に形成されている。また、n形半導体領域13の不純
物濃度は約3×10 18cm-3であり、低抵抗性基板11
の不純物濃度よりは十分に低い。尚、本実施例によれば
バッファ層12が介在することにより、比較的低温で成
長させる緩衝層を介さずに比較的高温でこのn形半導体
層13をバッファ層12の上面に直接に形成することが
可能になる。
【0014】続いて、低抵抗性基板11の加熱温度を8
00℃とし、反応室内にTMGガス、アンモニアガスに
加えてトリメチルインジウムガス(以下、TMIガスと
いう)とビスシクロペンタジェニルマグネシウムガス
(以下、Cp2 Mgガスという)を供給してn形半導体
領域13の上面にp形InGaNから成る活性層14を
形成する。ここで、Cp2 Mgガスは形成膜中にp形導
電形の不純物としてのMgを導入するためのものであ
る。本実施例では、TMGガスの流量を約1.1μmol
/分、NH3ガスの流量を約67mmol /分、TMIガ
スの流量即ちInの供給量を約45μmol /分、Gp2
Mgガスの流量即ちMgの供給量を約12nmol /分と
した。また、活性層14の厚みは図1の発光ダイオード
の活性層3の厚みと同様に約20オングストロ−ムとし
た。なお、活性層14の不純物濃度は約3×1017cm
-3である。
【0015】続いて、低抵抗性基板11の加熱温度を1
040℃とし、反応室内にTMGガス、アンモニアガス
及びCp2 Mgガスを供給して活性層14の上面にp形
GaNから成るp形半導体領域15を形成する。本実施
例では、この時のTMGガスの流量を約4.3μmol /
分、アンモニアガスの流量を約53.6μmol /分、C
2 Mgガスの流量を約0.12μmol /分とした。ま
た、p形半導体領域15の厚みは図1の発光ダイオード
のp形半導体領域4の厚みと同様に約0.5μmとし
た。なお、p形半導体領域15の不純物濃度は約3×1
18cm-3である。
【0016】上記のMOCVD成長方法によれば、バッ
ファ層12の上面にこのバッファ層12の結晶方位に対
してn形半導体領域13、活性層14及びp形半導体領
域15の結晶方位を揃えて形成することができる。単結
晶シリコン基板から成る低抵抗性基板11の結晶方位を
良好に引き継いでいるバッファ層12の上にこれを核と
してn形半導体領域13、活性層14及びp形半導体領
域15が順次にエピタキシャル成長される。
【0017】第1の電極としてのアノード電極17は、
例えばニッケルと金を周知の真空蒸着法等によって半導
体基体16の上面に付着させることによって形成し、p
形半導体領域15の表面に低抵抗接触させる。このアノ
ード電極17は図3に示すように円形の平面形状を有し
ており、半導体基体16の上面のほぼ中央に配置されて
いる。半導体基体16の上面のうち、アノード電極17
の形成されていない領域19は、光取り出し領域として
機能する。
【0018】第2の電極としてのカソード電極18は、
半導体基体16の上面に形成せずに、例えばチタンとア
ルミニウムを周知の真空蒸着法等によって基板11の下
面に形成し、低抵抗性基板11の下面全体に低抵抗接触
させる。
【0019】図2の青色発光ダイオードを外部装置に取
付ける時には、例えばカソード電極18を回路基板等の
外部電極に対して半田又は導電性接着剤で固着し、アノ
ード電極17を周知のワイヤボンディング方法によって
外部電極に対してワイヤで電気的に接続する。
【0020】本実施例の青色発光ダイオードによれば、
次の効果が得られる。 (1) サファイアに比べて著しく低コストであり加工
性も良いシリコンから成る基板11を使用することがで
きるので、材料コスト及び生産コストの削減が可能であ
る。このため、従来では他の発光素子に比べて高価であ
ったGaN系発光ダイオードのコスト低減が可能とな
る。 (2) シリコンから成る基板11に発光素子を形成で
きるため、基板11内に他の電子素子を形成することが
でき、GaN系半導体発光素子がその他の半導体素子と
同一の半導体基板内に集積された半導体集積回路を容易
に実現できる。 (3) 良好な発光特性が得られる。この理由は次のと
おりである。発光特性が良好に得られる第1の理由は、
低抵抗性基板11の一方の主面に形成されたAlN層1
2a及びIn0.2Ga0.8N層12bから成るバッファ層
12がシリコンから成る低抵抗性基板11の結晶方位を
良好に引き継ぐことができ、このバッファ層12を核と
してその一方の主面にn形半導体領域13、活性層14
及びp形半導体領域15を順次積層形成することによっ
て、これらのGaN系半導体領域を低抵抗性基板11の
一方の主面に良好に形成することができることにある。
発光特性が良好に得られる第2の理由は、低抵抗性基板
11とGaN系半導体領域との間にAlN層12a及び
InyGa1-yN層12bが複数積層されて成るバッファ
層12を介在させることによって、バッファ層12に応
力に基づく歪みが発生することを良好に防止でき、且つ
バッファ層12の上面に形成されるGaN系半導体領域
にクラックが生じることはほとんどないことにある。即
ち、図2に示すように低抵抗性基板11とGaN系半導
体領域との間にAlxGa1-xN層としてのAlN層12
a´及びGaN層12b´が複数積層されて成るバッフ
ァ層12´を介在させた場合には、バッファ層12´の
歪みを緩和するためにGaN系半導体領域にクラックが
生じ易い。一方、本発明に従って低抵抗基板11とGa
N系半導体領域との間にAlxGa1-xN層としてのAl
N層12a及びIn yGa1-yN層12bが複数積層され
て成るバッファ層12を介在させた場合には、GaN系
半導体領域にクラックをほとんど生じさせることなく、
バッファ層12の歪み緩和が可能である。この理由は必
ずしも明らかではないが、InyGa1 -yNのある結晶
面のスリップ等によりバッファ層12に内在した歪みを
開放、緩和しているためと考えられる。図5の実線Aは
本発明に従うバッファ層12の上にGaNから成るn形
半導体領域13を種々の厚さに形成した時にGaN半導
体領域13の表面に生じたクラックの密度を示し、図5
の点線Bは、図2の構造の発光ダイオ−ドに従うバッフ
ァ層12´の上にGaNから成るn形半導体領域13を
種々の厚さに形成したときにGaN半導体領域13の表
面に生じたクラックの密度を示す。この比較から明らか
なように本実施例の発光ダイオ−ドによれば、GaN半
導体領域のクラック密度を著しく小さくできる。また、
本実施例の発光ダイオ−ドによれば、図2の発光ダイオ
−ドに比べてバッファ層12の上に形成するGaN系半
導体領域の厚みを比較的薄くしても、バッファ層に生じ
る歪みを良好に緩和することができる。図6の実線C1
は本発明に従うバッファ層12のIn0.2Ga0.8N層1
2bの厚さを75オングストロ−ムとし、このバッファ
層12の上に図6にGaN半導体領域13を種々の厚さ
に形成した場合のGaN半導体領域13のC軸の格子定
数Co即ちC軸長を示し、図6の実線C2は本発明に従
うバッファ層12のIn0.2Ga0.8N層12bの厚さを
150オングストロ−ムとし、このバッファ層12の上
にGaN半導体領域13を種々の厚さに形成した場合の
GaN半導体領域13のC軸の格子定数を示し、図6の
点線Dは図2の構成のバッファ層12´の上にGaN半
導体領域13を種々の厚さに形成した場合のGaN半導
体領域13のC軸の格子定数を示し、点線EはGaNバ
ルク即ち理想的なGaNの格子定数5.185オングス
トロームを示す。なお、図6の横軸の目盛は対数目盛で
ある。図6のA〜Eの比較から明らかなように、本実施
例に従うバッファ層12を設けると、この上に形成され
るGaN半導体領域又はGaN系半導体領域の膜厚が1
μm程度の比較的小さい場合であっても、この格子定数
がGaNバルクの格子定数に同じになるので、GaN又
はGan系半導体領域の歪みが完全に緩和されているこ
とが分かる。この結果、本実施例によれば良好な発光特
性を有する発光ダイオードを得ることが可能になる。 (4) バッファ層12の上に結晶性及び平坦性に優れ
たGaN系半導体領域を形成することができる。即ち、
シリコン半導体基板11の一方の主面にGaN半導体層
又はInGaN層のみによってバッファ層を形成した場
合、GaN又はInGaNとシリコンとは格子定数の差
が大きいため、このバッファ層の上に平坦性に優れたG
aN系半導体領域を形成することができない。一方、本
発明に従ってシリコン基板11とGaN系半導体領域と
の間にシリコンと格子定数差が比較的小さいAlxGa
1-xN層としてのAlN層12aが複数層形成されたバ
ッファ層12を介在させれば、その上面に平坦性に優れ
たGaNは導体領域13等を形成することができる。 (5) 消費電力・動作抵抗が小さい青色発光ダイオ−
ドを実現することができる。即ち、基板11をシリコン
等から成る低抵抗性基板から構成しているので、電流通
路を半導体基体16の厚み方向に形成することができ、
図1の発光ダイオドに比べて電流経路の抵抗値を下げて
消費電力及び動作電圧の低減化を図ることができる。ま
た、InGaNはGaNに比較してシリコン半導体の伝
導帯に対する障壁の高さを小さくできるので、図2の発
光ダイオ−ドに比較しても消費電力・動作抵抗を小さく
できる。なお、AlN層12aは絶縁性の膜であるが、
バッファ層12を構成する複数のAlN層12aの厚み
がいずれも量子力学的なトンネル効果の生じる厚みに設
定されており且つ導電性を有するInyGa1-yN層12
bを介して電気的に接続されているので、バッファ層1
2の抵抗を十分に小さくすることができる。
【0021】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 実施例のバッファ層12のAlN層はAlx
1-x Nにおいてxを1にしたものに相当するが、Al
x Ga1-x Nのxを1よりも小さい任意の数値にするこ
とができる。 (2) バッファ層を構成するAlx Ga1-x N層12
aの膜厚は、5〜100オングストロームの範囲、ま
た、InyGa1-y層12bの膜厚は5〜300オングス
トロ−ムの範囲に設定するのが望ましい。即ち、Iny
Ga1-y層12bの厚みが5オングストローム未満であ
ると、この上面と下面に形成されるAlx Ga1-x N層
12aの間を電気的に良好に接続することができず、バ
ッファ層12の電気抵抗が増大する。また、Alx Ga
1-x N層12aの厚みが5オングストローム未満であっ
たり、InyGa1-yN層12bの厚みが300オングス
トロームを越えると、バッファ層12の上面に形成され
るGaN系半導体領域を平坦化する効果が損なわれるの
で望ましくない。また、Alx Ga1-x N層12aの厚
みが100オングストロームを越えると、量子力学的ト
ンネル効果が生じ難くなり、バッファ層12の電気抵抗
が増大する。なお、Alx Ga1-x N層12a及びIn
yGa1-yN層12bの厚みは10オングストローム以上
であることが更に望ましい。 (3) バッファ層12の上に形成するGaN半導体領
域13等のGaN又はGaN系半導体領域の厚みは、バ
ッファ層12の歪みを良好に緩和できるように500オ
ングストロ−ム以上にするのが望ましい。 (4) 実施例では、バッファ層12をAlx Ga1-x
N層12aとInyGa1-yN層12bのみで形成した
が、InyGa1-yN層12bの一部をGaN層(Iny
Ga1-yNにおいてyを0にしたもの)で置き換えても良
い。即ち、図7に示すようにAlx Ga1-x N層12a
とInyGa1-yN層12bとのペアの他にAlx Ga
1-x N層12aと図2と同様なGaN層12b´とのペ
アをバッファ層12の中に設けることができる。しか
し、バッファ層12の上に形成されるGaN系半導体領
域にクラックが発生することを良好に防止するために、
AlxGa1-x N層12aとInyGa1-yN層12b又
はGaN層12´から構成される超格子ペア−の内の少
なくとも3組に1つはAlx Ga1-x N層12aとIn
yGa1-yN層12bペアとするのが望ましい。 (5) InyGa1-yN層12bのyの値を0<y≦1
を満足する任意の値にすることができる。 (6) バッファ層12の上に形成されるGaN系半導
体領域の平坦を良好に得るため、及びバッファ層の歪み
を良好に緩和するために、AlxGa1-xN層12aとI
yGa1-yN層12bから構成される超格子のペア−は
少なくとも2組以上、より好ましくは5組以上設けるこ
とが望ましい。 (7) 基板11を単結晶シリコン以外の多結晶シリコ
ン又はSiC等のシリコン化合物とすることができる。 (8) 図8に概略的に示すようにシリコンから成る基
板11にトランジスタ、ダイオード等の半導体素子20
を素子分離用P形領域21の中に形成し、半導体発光素
子を集積回路の一部とし、発光素子を含む半導体装置の
小型化及びコストの低減を図ることができる。なお、図
8において図3と実質的に同一の部分には同一の符号が
付されている。またEはエミッタ、Bはベ−ス、Cはコ
レクタを示す。 (9) 半導体基体16の各層の導電形を実施例と逆に
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の発光ダイオードを示す断面図である。
【図2】本件出願人が試作した発光ダイオ−ドを示す断
面図である。
【図3】本発明の実施例の発光ダイオ−ドを示す中央縦
断面図である。
【図4】図3の発光ダイオードの斜視図である。
【図5】GaN半導体領域のクラック密度を示す図であ
る。
【図6】GaN半導体領域のC軸の格子定数を示す図で
ある。
【図7】変形例のバッファ層の一部を示す断面図であ
る。
【図8】変形例の半導体装置を示す断面図である。
【符号の説明】
11 シリコン単結晶から成る低抵抗性基板 12 バッファ層 12a AlN層 12b In0.2Ga0.8N層 13 n形半導体領域 14 活性層 15 p形半導体領域 16 基体 18 アノード電極 19 カソード電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン又はシリコン化合物から成る低
    抵抗性基板と、 前記低抵抗性基板の一方の主面上に形成されたバッファ
    層と、 前記バッファ層の上に形成されており且つ窒化ガリウム
    又は窒素とガリウムを含む窒化ガリウム系化合物から成
    る第1の導電形の第1の半導体領域と、 前記第1の半導体領域の上に形成されており且つ窒化ガ
    リウム又は窒素とガリウムを含む窒化ガリウム系化合物
    から成り且つ前記第1の導電形と反対の第2の導電形を
    有している第2の半導体領域と、 前記第2の半導体領域の表面上の一部に形成された第1
    の電極と、 前記低抵抗性基板の他方の主面に形成された第2の電極
    とを備え、前記バッファ層はAlxGa1-XN(但し、x
    は0<x≦1を満足する数値)層とInyGa1-yN(但
    し、yは0<y≦1を満足する数値)層とを有している
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の半導体領域と前記第2の半導
    体領域との間に活性層が介在していることを特徴とする
    請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記バッファ層は、複数のAlxGa1-x
    N(但し、xは0<x≦1を満足する数値)層と複数の
    InyGa1-yN(但し、yは0<y≦1を満足する数値)層
    とを有し、前記AlxGa1-xN層と前記InyGa1-yN層と
    は交互に積層されていることを特徴とする請求項1又は
    2記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記バッファ層における前記AlxGa
    1-xN層の厚みは5〜100オングストロ−ム、及び前
    記InyGa1-yN層の厚みは5〜300オングストロームで
    あることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の半導
    体発光素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8940624B2 (en) 2012-04-19 2015-01-27 Seoul Semiconductor Co., Ltd. Method for producing P-type nitride semiconductor layer
US8957432B2 (en) 2010-04-28 2015-02-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor device
US9705287B2 (en) 2013-02-14 2017-07-11 Seoul Semiconductor Co., Ltd. Method of fabricating a P type nitride semiconductor layer doped with carbon

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