JP2001274192A - 感光性フラックス及びこれを用いた半田接合部 - Google Patents
感光性フラックス及びこれを用いた半田接合部Info
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Abstract
要なく、高温、多湿雰囲気でも電気絶縁性を保持し、接
合強度、信頼性の高い半田接合を可能とし、更に、写真
法によりパターン精度の良いレジスト形成が、アルカリ
水溶液を用いた現像で可能である感光性フラックスを提
供する。 【解決手段】 少なくとも1つ以上のフェノール性水酸
基を有する樹脂(A)、その硬化剤として作用する樹脂
(B)と、オルトキノンジアジド構造を有する感光剤
(C)を必須成分とすることを特徴とする、露光、現像
により、所定の位置にフラックスパターン形成を可能と
する感光性フラックスであり、さらには、この感光性フ
ラックスにより、樹脂補強されたことを特徴とする半田
接合部。
Description
をプリント配線板に搭載する際の半田接続に関し、さら
には半導体チップを半導体搭載用基板にフリップチップ
半田接続により搭載する際の感光性フラックスに関する
ものである。
小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには
高密度実装化が進んできており、これらの電子機器に使
用される半導体パッケージは、従来にも増して益々小型
化かつ多ピン化が進んできている。
従来のようなリードフレームを使用した形態のパッケー
ジでは、小型化に限界がきているため、最近では回路基
板上にチップを実装したものとして、BGA(Ball
Grid Array)や、CSP(Chip Sc
ale Package)といった、エリア実装型の新
しいパッケージ方式が提案されている。これらの半導体
パッケージにおいて、半導体チップの電極と、従来型半
導体パッケージのリードフレームの機能とを有する、半
導体搭載用基板と呼ばれるプラスチックやセラミックス
等各種絶縁材料と、導体配線で構成される基板の端子と
の電気的接続方法として、ワイヤーボンディング方式や
TAB(Tape Automated Bondin
g)方式、さらにはFC(Flip Chip)方式な
どが知られているが、最近では、半導体パッケージの小
型化に有利な、FC接続方式を用いたBGAやCSPの
構造が盛んに提案されている。
には、半田ボールで形成されたバンプによる、半田接合
が採用されている。この半田接合には、フラックスが用
いられ、ソルダーペーストが併用されることもある。特
に半田ボールが使用される理由は、半田供給量を制御し
易く、多量の半田を供給できるので、バンプが高くでき
るためである。また、BGAやCSPの作製工程におけ
る、半導体チップの電極と半導体搭載用基板の端子との
電気的接続方法にも、半田接合が使われる場合が多い。
対する電極の、金属表面の酸化物などの汚れを除去する
と共に、半田接合時の金属表面の再酸化を防止して、半
田の表面張力を低下させ、金属表面に溶融半田が濡れ易
くする、半田付け用フラックスが使用される。このフラ
ックスとしては、ロジンなどの熱可塑性樹脂系フラック
スに、酸化膜を除去する活性剤等を加えたフラックスが
用いられている。
残存していると、高温、多湿時に熱可塑性樹脂が溶融
し、活性剤中の活性イオンも遊離するなど、電気絶縁性
の低下やプリント配線の腐食などの問題が生じる。その
ため現在は、半田接合後の残存フラックスを洗浄除去
し、上記のような問題を解決しているが、洗浄剤の環境
問題や、洗浄工程によるコストアップなどの欠点があ
る。
ン化は、バンプの微細化を促し、バンプの欠落や半田ブ
リッジなどの製造上の問題点の他、接合強度、信頼性の
低下なども懸念されている。そこで、バンプ接続部分の
信頼性を得るため、チップと基板との間隙に、アンダー
フィルと呼ばれる絶縁樹脂を充填して、バンプ接続部分
を封止、補強する検討も盛んである。しかし、これには
技術的難易度の高いアンダーフィルを充填し、硬化させ
る工程が必要となるため、製造工程が複雑で製造コスト
が高くなる問題がある。
ケージの搭載時における、半田接合のこのような現状の
問題点に鑑み、半田接合後の残存フラックスの洗浄除去
が必要なく、高温、多湿雰囲気でも電気絶縁性を保持
し、接合強度、信頼性の高い半田接合を可能とし、更
に、写真法によりパターン精度の良いレジスト形成が、
アルカリ水溶液を用いた現像で可能である感光性フラッ
クスを提供することを目的とする。
も1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂(A)、
その硬化剤として作用する樹脂(B)と、オルトキノン
ジアジド構造を有する感光剤(C)を必須成分とするこ
とを特徴とする、露光、現像により、所定の位置にフラ
ックスパターン形成を可能とする感光性フラックスであ
り、さらには、この感光性フラックスにより、樹脂補強
されたことを特徴とする半田接合部である。
フェノール性水酸基を有する樹脂(A)である、フェノ
ールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹
脂、ビフェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラッ
ク樹脂、レゾルシノールノボラック樹脂、レゾール樹
脂、または、ポリビニルフェノール樹脂を必須成分と
し、オルトキノンジアジド構造を有する感光剤(C)の
添加により得られる、ポジ型の感光性フラックスは、露
光、現像により、所定の位置にフラックスパターン形成
が可能であることを特徴とする。アルキルフェノールノ
ボラック樹脂に関しては、アルキル基の炭素数が1〜4
程度が好ましく、例えばメチル基、エチル基,n−ブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、さらに
はアリル基等であり、炭素数がそれを越える場合は親油
性が増し、アルカリ現像性のために好ましくない。
を有する樹脂(A)の、フェノール性水酸基は、その還
元作用により、半田および金属表面の酸化物などの汚れ
を除去し、半田接合のフラックスとして作用する。この
フェノール性水酸基としては、何ら制約するところはな
いが、半田接合のフラックスとしての作用を高めるた
め、フェノール性水酸基を有する樹脂(A)は、フェノ
ール性水酸基に対してのオルソ、パラ位に電子吸引基、
メタ位に電子供与基を有するものが好ましい。
(B)により、良好な硬化物を得ることができるため、
半田接合後の洗浄除去が必要なく、高温、多湿雰囲気で
も電気絶縁性を保持し、接合強度、信頼性の高い半田接
合を可能とする。
基を有する樹脂(A)は、フェノールノボラック樹脂、
アルキルフェノールノボラック樹脂、ビフェノールノボ
ラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、レゾルシノー
ルノボラック樹脂、レゾール樹脂、または、ポリビニル
フェノール樹脂の中の、少なくとも1種からなり、好ま
しくは、重量平均分子量20000以下のものが良い。
分子量が大きすぎると、半田接合時における感光性フラ
ックスの流動性が低下し、半田接合を阻害するため好ま
しくない。但し、その他の配合剤の使用により、半田接
合時における溶融粘度を、50Pa・s以下に制御でき
れば何ら問題はない。この目的のために、液状の硬化剤
を配合したり、溶剤を加えても良い。
配合量は、感光性フラックス全体の20〜80重量%が
好ましい。20重量%未満であると、半田および金属表
面の酸化物などの汚れを除去する作用が低下し、半田接
合できなくなってしまう。また、80重量%より多い
と、十分な硬化物が得られず、接合強度と信頼性が低下
する。溶融粘度、酸化物除去性と硬化性のバランスが採
れた配合による、本発明の感光性フラックスは、半田接
合部周辺をリング状に補強する形で硬化するため、従来
のフラックスによる半田接合と比較して、接合強度、信
頼性を大幅に向上させることができる。
る樹脂(A)の、硬化剤として作用する樹脂(B)とし
ては、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂などが用いら
れる。具体的にはいずれも、ビスフェノール系、フェノ
ールノボラック系、アルキルフェノールノボラック系、
ビフェノール系、ナフトール系やレゾルシノール系など
のフェノールベースのものや、脂肪族、環状脂肪族や不
飽和脂肪族などの骨格をベースとして変性されたエポキ
シ化合物やイソシアネート化合物が挙げられる。また、
本発明の感光性フラックスの硬化促進をするために、更
に公知の硬化触媒を用いることができる。
を有する化合物からなる感光剤(C)は、ポジ型感光性
樹脂に広く用いられている感光剤であり、ナフトキノン
ジアジドのスルホン酸エステルが一般的であるが何ら制
約するところはない。フェノール性水酸基を有する樹脂
(A)単独のアルカリ現像液に対する溶解性は、オルト
キノンジアジド構造を有する感光剤(C)の添加で抑制
されるが、露光部分は光反応によりインデンカルボン酸
を生じるため溶解が促進されパターン形成を可能とす
る。
(C)の配合量は、感光性フラックス全体の3〜30重
量%が好ましい。感光剤(C)の配合量が多すぎると、
単位体積あたりのジアゾの濃度が増え、また、着色のた
め光透過率も低下し、光分解するために、より多くの光
を必要とする。逆に、感光剤(C)の配合量が少なすぎ
ると現像安定性が低下する。
適切な選択と、オルトキノンジアジド構造を有する感光
剤(C)の最適な配合量による、本発明の感光性フラッ
クスは、所定の位置に、所望の量のフラックス供給が可
能となるため、フラックス供給量の不足による半田接続
不良や、過剰による半田ブリッジなどの問題を解決で
き、特に微細な半田接続に好適である。
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。
(A)、その硬化剤として作用する樹脂(B)と、オル
トキノンジアジド構造を有する感光剤(C)を配合し
て、感光性フラックスワニスを調整し、その特性評価の
ため、半田ボールシェア強度試験、温度サイクル試験、
および絶縁抵抗試験を行った。実施例および比較例の評
価結果は、まとめて表1に示した。
樹脂(PAS−1、日本化薬(株)製,OH基当量12
0)を100gと、ビスフェノールF型エポキシ樹脂
(RE−404S、日本化薬(株)製、エポキシ基当量1
65)140g、ジアゾナフトキノン(NQD−1、日
本化薬(株)製)20gを、シクロヘキサノン60gに
溶解し、硬化触媒として2−フェニル−4,5−ジヒド
ロキシメチルイミダゾール0.2gを添加し、感光性フ
ラックスワニスを作製した。得られた感光性フラックス
ワニスを塗布し、80℃で10分乾燥して、厚さ20μ
mの感光性フラックス膜を形成した後、この感光性フラ
ックス膜の解像性を評価したところ、200mJ/cm
2の露光量、2.5%テトラメチルアンモニウムハイドロ
キサイド(TMAH)1分の現像で、ライン/スペース
=20/20μmの解像度を有した。
ゾールノボラック樹脂100gに代えて、ビスフェノー
ルA型ノボラック樹脂(LF4781、大日本インキ化
学工業(株)製、OH基当量120)100gを用いた以
外は、実施例1と同様にして、感光性フラックスワニス
を作製した。この感光性フラックス膜の解像度は、ライ
ン/スペース=30/30μmであった。
R−51470、住友デュレズ(株)製、OH基当量10
5)を100gと、ジアリルビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(RE−810NM、日本化薬(株)製、エポキシ
基当量220)210gを、シクロヘキサノン80gに
溶解し、硬化触媒として2−フェニル−4,5−ジヒド
ロキシメチルイミダゾール0.3gを添加し、感光性フ
ラックスワニスを作製した。この感光性フラックス膜の
解像度は、ライン/スペース=30/30μmであっ
た。
トキノンを配合しなかった以外は、実施例1と同様にし
て、硬化性フラックスワニスを作製した。
業(株)製)を用いて、ランド径300μm、ランドピッ
チ0.5mmを含む評価用回路を形成し、そのリードフ
レームを半導体封止材(EME−7372、住友ベーク
ライト(株)製)でモールド封止した後、片面から研磨し
て、前記の評価用回路を露出させ、10mm角の評価用
パッケージを作製した。研磨の仕上げには、JIS−R
6252に規定された、耐水研磨紙1000番を使用し
た。これをイソプロピルアルコールで洗浄した後、80
℃で30分乾燥して、半田接合評価用パッケージとし
た。
の全面に、実施例1〜4で得られた感光性フラックスワ
ニスを、それぞれ塗布し、80℃で10分乾燥して、厚
さ20μmの感光性フラックス膜を形成した。実施例1
〜3については、感光性フラックス膜に所定のパターン
を載置して、高圧水銀灯露光装置を用い照射量200m
J/cm2で露光した。次いで、2.5%TMAH水溶液
により2Kg/m2のスプレー圧で現像し、ランド上に
400μm径の感光性フラックスを形成した。比較例と
して市販の半田フラックスMSP511(九州松下電器
株式会社製)をそれぞれ塗布した。それぞれの評価用パ
ッケージ回路のランド上に、350μm径の半田ボール
(Sn−Pb系共晶半田、千住金属鉱業(株)製)60個
を搭載した後、ピーク温度を240℃に設定されたリフ
ロー炉を通して、半田ボールを評価用パッケージに接合
させた。その後実施例1〜4については、150℃で6
0分熱処理して、感光性フラックスを硬化させた。前記
市販のフラックスについては、ソルダーレジストの形成
された評価用パッケージも準備した。
ケージの、半田ボールシェア強度(デイジ社製万能型ボ
ンドテスターPC2400Tによる)を測定した。それ
ぞれ60個の平均値を求め、その結果をまとめて表1に
示した。尚、比較例としては、ソルダーレジストの形成
されていないものを比較例1、ソルダーレジストの形成
された半田ボール付き評価用パッケージを比較例2とし
た。
販のフラックスを塗布し、実施例、および比較例の前記
半田ボール付き評価用パッケージを搭載して、ピーク温
度240℃に設定されたリフロー炉を通して、評価用パ
ッケージ実装基板をそれぞれ10個ずつ作製した。この
評価用パッケージ実装基板は、評価用パッケージ、およ
び試験用プリント配線板を介して、60個の半田ボール
接合部が直列につながるように回路設計されている。
を確認後、−50℃で10分、125℃で10分を1サ
イクルとするTC試験を実施した。TC試験1000サ
イクル後の断線不良数の結果をまとめて表1に示した。
比較例としては、ソルダーレジストが形成されていない
ものを比較例1、ソルダーレジストが形成された半田ボ
ール付き評価用パッケージを比較例2、さらに、ソルダ
ーレジストが形成されており、アンダーフィルを充填し
たものを比較例3とした。比較例については、評価用パ
ッケージ実装後、イソプロピルアルコールで洗浄して使
用した。
ーンを有する、絶縁信頼性試験用プリント配線板を使用
し、このプリント配線板に実施例1〜4で得られた感光
性フラックスワニスを、それぞれ塗布し、80℃で10
分乾燥して厚さ20μmの半田接合用レジスト膜を形成
した。実施例1〜3については、高圧水銀灯露光装置を
用い照射量200mJ/cm2で露光もした。比較例と
して、市販のフラックスを塗布した試験用プリント配線
板も準備した。ピーク温度240℃に設定されたリフロ
ー炉を通した後、実施例1〜4については、150℃で
60分熱処理して感光性フラックスを硬化させ、試験用
プリント配線板とした。
後、85℃/85%の雰囲気中で、直流電圧50Vを印
加し、1000時間経過後の絶縁抵抗を測定した。測定
時の印加電圧は100Vで1分とし、絶縁抵抗をまとめ
て表1にした。比較例としては、フラックスを洗浄して
いないものを比較例4とした。
本発明の感光性フラックスを用いた場合、従来のフラッ
クスを用いた場合に比べて、半田ボールシェア強度で
は、約2倍という高い値を示し、また、TC試験では、
断線不良の発生はほとんどなくなった。絶縁抵抗試験で
もほとんど低下を示さず、本発明の感光性フラックスの
効果が明白である。
後の残存フラックスの洗浄除去を必要とせず、高温、多
湿雰囲気でも電気絶縁性を保持し、また、感光性フラッ
クスが半田接合部周辺をリング状に補強する形で硬化す
るため、接合強度と信頼性の高い半田接合を可能にする
ので、半導体パッケージのプリント配線板への搭載にお
ける工程を簡素化して、製造コストを抑制し、また、半
田接合の信頼性向上に極めて有用である。また、感光性
を付与することで半田搭載部分のみに選択的に本フラッ
クスを残すことが可能となる。
Claims (4)
- 【請求項1】 露光、現像により、所定の位置にフラッ
クスパターン形成が可能であることを特徴とする感光性
フラックス。 - 【請求項2】 少なくとも1つ以上のフェノール性水酸
基を有する樹脂(A)、その硬化剤として作用する樹脂
(B)と、オルトキノンジアジド構造を有する化合物か
らなる感光剤(C)とを必須成分とすることを特徴とす
る請求項1記載の感光性フラックス。 - 【請求項3】 フェノール性水酸基を有する樹脂(A)
が、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノ
ボラック樹脂、ビフェノールノボラック樹脂、ナフトー
ルノボラック樹脂、レゾルシノールノボラック樹脂、レ
ゾール樹脂、及び、ポリビニルフェノール樹脂からなる
群より選ばれる、少なくとも1種であることを特徴とす
る、請求項2記載の感光性フラックス。 - 【請求項4】 請求項2または請求項3記載の感光性フ
ラックスにより、樹脂補強されたことを特徴とする半田
接合部。
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