JP2001271322A - 河川防護工法 - Google Patents

河川防護工法

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JP2001271322A
JP2001271322A JP2000082570A JP2000082570A JP2001271322A JP 2001271322 A JP2001271322 A JP 2001271322A JP 2000082570 A JP2000082570 A JP 2000082570A JP 2000082570 A JP2000082570 A JP 2000082570A JP 2001271322 A JP2001271322 A JP 2001271322A
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slope
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Hidefumi Maeda
英史 前田
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Maeda Kosen Co Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/30Flood prevention; Flood or storm water management, e.g. using flood barriers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性および防護性能に優れると共に、
工期や工費の改善を図ることのできる、河川防護技術を
提供すること。 【解決手段】 袋体32に衝撃吸収材33を封入し
て緩衝袋体31を製作し、複数の緩衝袋体31を河川の
斜面部に敷き並べて覆工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は護岸の破損や河床の
洗掘等を防止する河川の防護技術に関する。
【0002】
【従来の技術】河川の防護工としては、蛇篭、布団篭、
空石積み、コンクリートブロック等の擁壁層を斜面部や
河床部に敷設する方法が広く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】<イ> これまでの擁
壁層は擁壁層の重量で以って水流による侵食や洗掘に対
抗し得るものの、洪水時の流木や転石による衝撃が直接
作用すると、破壊し易い。 <ロ> 擁壁層を高強度に設計すれば、流木や転石に対
し耐力の向上を期待できるものの、施工コストが犠牲に
なる。 <ハ> コンクリート系の擁壁面が露出したままでは景
観性を損ねる。そこで、最近は既設擁壁層の表面を覆土
して緑化することが提案されているが、覆土の好適な保
持技術がないため、覆土が洗い流され易く、安定した緑
化を図ることが難しい。 <二> また最近は補強盛土を護岸用の堤体に適用する
試みも進められているが、工費低減の風潮を受けて補強
土護岸の表層を低コスト、高防護性能に施工できる新技
術の提案が切望されている。
【0004】本発明は以上の点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、施工性および防護性能に
優れると共に、工期や工費の改善を図ることのできる、
河川防護技術を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
河川の斜面部を防護する工法において、袋体に衝撃吸収
材を封入して緩衝袋体を製作し、河川の斜面部の擁壁層
の表面に前記緩衝袋体を敷き並べて覆工したことを特徴
とする、河川防護工法である。請求項2に係る発明は、
河川の斜面部を防護する工法において、袋体に衝撃吸収
材を封入して緩衝袋体を製作し、河川の斜面部に前記緩
衝袋体を直接敷き並べて覆工したことを特徴とする、河
川防護工法である。請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは請求項2において、護岸が補強盛土であることを特
徴とする、河川防護工法である。請求項4に係る発明
は、河川の河床部を防護する工法において、袋体に中詰
材を封入して緩衝袋体を製作し、河川の河床部に前記緩
衝袋体を敷き並べて覆工したことを特徴とする、河川防
護工法である。請求項5に係る発明は、請求項1乃至請
求項4において、相互に連続性を持たせて緩衝袋体を敷
き並べたことを特徴とする、河川防護工法である。
【0006】
【発明の実施の形態1】以下図面を参照しながら本発明
の一実施の形態について説明する。
【0007】<イ>河川の防護手段 図1は河川の一部を省略した概念図で、符号10は護
岸、20は河床部を示す。本例の護岸10は例えば擁壁
面に略L字形の法面ユニット11を配置すると共に、法
面ユニット11に帯状のジオテキスタイル12を接続
し、その上に層状に盛土層13を転圧する工程を1サイ
クルとし、これを所定の高さに達するまで繰り返して構
築した補強盛土で構成されている。補強盛土の施工方法
は公知の例による。符号14は護岸基礎である。
【0008】補強盛土製の護岸10だけでは、洗掘され
易いことは勿論のこと、流木や転石に対する抵抗性に乏
しく、破損は時間の問題である。
【0009】そこで本発明では護岸10の側面を次記す
る重量構造物の防護マット30で覆工して、護岸10を
流木や転石の衝撃から防護する。
【0010】<ロ>防護マット 防護マット30は緩衝機能を有する複数の緩衝袋体31
の並列体により構成される。本例では緩衝袋体31群を
河川の流れる方向に対して直交する方向(縦向き)に並
設した場合について説明する。
【0011】<ハ>緩衝袋体 緩衝袋体31はその変形力で以って衝撃エネルギーの減
衰を図る柱状体で、筒状の袋体32と、袋体32内に封
入する衝撃吸収材33とにより構成される。
【0012】[袋体]袋体32は高い引張強度と耐候性
を有する一重織物または多重織物のシート素材を用いて
袋状に形成されている。本例では袋体32が有底構造の
筒体として形成されている場合について説明するが、袋
体32の断面形状や全体の形状については特に制約がな
く、他に例えば断面が半円形や角形であってもよく、ま
た全体形状が函体を呈するように形成したものであって
もよい。また袋体32の大きさも運搬性や取扱性等を考
慮して適宜選択すればよい。袋体32の素材としては例
えば、ジオテキスタイル、アラミド繊維等の高強度線材
を用いて伸縮性を有するように編成したシート素材を使
用でき、また素材が布やネット場合は衝撃吸収材33が
漏出しない網目寸法に設定される。また袋体32の素材
としては遮水性の樹脂シートでもよい。
【0013】袋体32はその一部に投入口(図示せず)
を形成していて、衝撃吸収材33を投入した後、投入口
を閉じて衝撃吸収材33を封入できるようになってい
る。
【0014】[衝撃吸収材]流木や転石等の衝撃エネル
ギーを吸収する衝撃吸収材33の選択に当たっては、
変形強度を有すること、大きな衝撃材を受けても締め
固まらないこと、封入作業性が良好であること、適
度の重量を有すること等の諸条件を満たすことが肝要で
ある。衝撃吸収材33としては、上記諸条件を満たす例
えば砂、砕石、現地発生土、粘土、或いはこれらを任意
に選択して混在させたものを使用できる。衝撃エネルギ
ーの変形吸収性能を高めるためには、衝撃吸収材33に
粒度が均一な砕石等の骨材を用いる事が望ましい。
【0015】
【作用】つぎの防護マット30を用いた護岸の防護方法
について説明する。
【0016】<イ>防護マットの覆工 図1に示す如く、護岸10の斜面部に吸出防止用シート
40を敷設した後、その表面に縦向きにして複数の緩衝
袋体31を並設する。緩衝袋体31は袋体32のみを先
行して配置した後、現場で衝撃吸収材33を投入する
か、或いは完成済みの緩衝袋体31を重機等を用いて現
場に吊り込む。この際、各緩衝袋体31の間に大きな隙
間が生じないように隣接させて並設することが肝要であ
る。また水流に対して緩衝袋体31の自重だけで対抗で
きないときは、護岸10から反力を得てアンカーピン等
で固定してもよい。このようにして護岸10の側面を防
護マット30で覆工する。図2にその覆工した拡大断面
図を示す。
【0017】<ロ>防護マットの作用 護岸10の側面全域を覆う防護マット30は、流水に対
して洗掘防止部材として機能する。
【0018】また流水方向に対して交差する方向に向け
て並列させた防護マット30を構成する柱状の緩衝袋体
31群は、表面の凹凸形状に起因した流水の減速部材と
しても機能する。
【0019】また図3に示すように護岸10の側面へ向
けて流木や転石等の衝撃50が作用した場合、防護マッ
ト30が受撃して護岸10の側面に直接接触しない。そ
のため、護岸10の側面の法面ユニット11や補強盛土
が物理的に衝突したことによる破損から防護することが
できる。
【0020】また防護マット30に衝撃50が作用した
場合、防護マット30を構成する緩衝袋体31が変形し
ながら衝撃50を減衰し、緩衝袋体31を支持する護岸
10へ伝わる衝撃エネルギーの伝達量を低減する。その
ため、護岸10の側面に作用する衝撃50は衝突当初の
エネルギーより減衰されて小さくなり、護岸10の負担
すべき衝撃エネルギーは小さくて済む。
【0021】
【発明の実施の形態2】以降に他の実施の形態について
説明するが、説明に際し前記した実施の形態1と同一の
部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0022】図4,図5は防護マット30を構成する緩
衝袋体31間に連続性を持たせて構成する他の実施の形
態を示す。図4は袋体32と袋体32の間に接続部34
を形成して連続性を付与した場合を示す。図5は袋体3
2の両側に形成した接続片35,35の間をロープ材や
連結金具類を用いて接続して連続性を付与した場合を示
す。
【0023】本例にあっては、緩衝袋体31間に一体性
があるので、一部の緩衝袋体31の転倒を防止できるだ
けでなく、防護マット30の洗掘防止機能が向上すると
いった利点がある。
【0024】
【発明の実施の形態3】以上は防護マット30の覆工対
象が補強盛土の斜面部である場合について説明したが、
護岸10の斜面部がコンクリートブロック等で覆工して
ある場合や、蛇篭、布団篭が敷設してある現場であって
も、同様に単数または複数の緩衝袋体31で覆工して施
工することができる。
【0025】本例の場合、緩衝袋体31群は河川の流れ
る方向に対して直交する方向(縦向き)に並列に敷設す
る並設か、或いは河川の流れる方向と平行に向けて(横
向き)積み上げてもよい。
【0026】また防護マット30を積層して多重に配置
してもよい。この場合、緩衝袋体31を相互に交差させ
ると衝撃の伝播範囲が拡張されてより効率のよい減衰効
果を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態4】以上は護岸10の斜面部に擁壁
等の擁壁層が形成されている場合を前提とし、これら既
設の擁壁層の表面(前面)を防護マット30で覆工する
場合について説明したが、重量性を活かして防護マット
30を構成する単数または複数の緩衝袋体31を直接護
岸10の緩斜面部や河床部20にじゃ篭や布団篭の代替
材として敷設してもよい。図6は河床部20に敷設した
例を示す。また図7に示すように、橋脚基礎等の水底構
造物60の周囲に根固め材として敷設してもよい。本実
施の形態にあっては、緩衝作用を保有したまま、河川の
斜面部や河床部の侵食は勿論のこと洗掘や深掘りを効果
的に防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態5】袋体32に中詰めする材料とし
て、植生基盤材を用いると植生を図ることもできる。ま
た袋体32に中詰めする材料として、炭や貝殻等のポー
ラス性状物を混合すると、緩衝作用を保有したまま水質
浄化作用を付与することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は次の効果を得ることができる。 <イ> コンクリートブロック、外石積みや蛇篭、布団
篭はこれまで流木や転石による破壊に弱いとされてきた
が、既設の護岸の表面を緩衝袋体で覆工することで流木
や転石等による破壊強度を格段に高めることができる。 <ロ> 緩衝袋体を河床部に敷設することで、洗掘や深
掘を防止できるだけでなく、表面の凹凸形状により水流
の減衰作用を期待することができる。 <ハ> 緩衝袋体の重量性を活かして、緩勾配の斜面や
河床部に直接敷設して蛇篭や布団篭の代替材として利用
することができる。 <ニ> 緩衝袋体は変形して流木や転石等の保有する衝
撃を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態1に係る護岸の防護工法の
モデル図
【図2】 防護マットの一部の拡大断面図
【図3】 受撃時における防護マットの一部の拡大断面
【図4】 袋体に連続性を持たせて連続性を付与した他
の防護マットの説明図
【図5】 緩衝袋体の間を連結して連続性を付与した防
護マットの説明図
【図6】 河床部に敷設した他の実施の形態の説明図
【図7】 緩衝袋体を根固め材や蛇篭、布団篭の代替材
として用いた他の実施の形態に係る説明図
【符号の説明】
10 護岸 11 法面ユニット 12 ジオテキスタイル 13 盛土層 20 河床部 30 防護マット 31 緩衝袋体 32 袋体 33 衝撃吸収材(中詰め材)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月4日(2000.4.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 河川の斜面部を防護する工法におい
    て、 袋体に衝撃吸収材を封入して緩衝袋体を製作し、 河川の斜面部の擁壁層の表面に前記緩衝袋体を敷き並べ
    て覆工したことを特徴とする、 河川防護工法。
  2. 【請求項2】 河川の斜面部を防護する工法におい
    て、 袋体に衝撃吸収材を封入して緩衝袋体を製作し、 河川の斜面部に前記緩衝袋体を直接敷き並べて覆工した
    ことを特徴とする、 河川防護工法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、護
    岸が補強盛土であることを特徴とする、河川防護工法。
  4. 【請求項4】 河川の河床部を防護する工法におい
    て、 袋体に中詰材を封入して緩衝袋体を製作し、 河川の河床部に前記緩衝袋体を敷き並べて覆工したこと
    を特徴とする、 河川防護工法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4において、相互
    に連続性を持たせて緩衝袋体を敷き並べたことを特徴と
    する、河川防護工法。
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