JP2001271227A - ポリエステル繊維 - Google Patents

ポリエステル繊維

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JP2001271227A
JP2001271227A JP2000085635A JP2000085635A JP2001271227A JP 2001271227 A JP2001271227 A JP 2001271227A JP 2000085635 A JP2000085635 A JP 2000085635A JP 2000085635 A JP2000085635 A JP 2000085635A JP 2001271227 A JP2001271227 A JP 2001271227A
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polyester
polyester fiber
pei
glass transition
polyetherimide
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JP2000085635A
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Toyohiko Masuda
豊彦 増田
Yuhei Maeda
裕平 前田
Akira Kinoshita
明 木下
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Toray Monofilament Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Monofilament Co Ltd
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリエステル繊維の融点を低下させることな
く、従来より高いTgを有し、かつ優れた寸法安定性を
有するポリエステル繊維を提供する。 【解決手段】エチレンテレフタレート単位を主成分とす
るポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)を含
有するポリエステル繊維であって、ガラス転移点が単一
であり、かつガラス転移点が下記式〔I〕を満足するポ
リエステル繊維。 TgB≧TgA+0.5×PEIW ・・・〔I〕 (ただし式中のTgB はポリエステル(A)とポリエー
テルイミド(B)を含有するポリエステル繊維のガラス
転移点(℃)を表し、TgA はポリエーテルイミド
(B)を含有せずに、ポリエステル(A)を含有するポ
リエステル繊維のガラス転移点(℃)を表し、PEIW
はポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)との
合計重量に対するポリエーテルイミド(B)の重量比率
(重量%)を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来の各種ポリエ
ステルから成る繊維が本来有していたガラス転移点を越
える高いガラス転移点(以下、Tgという)と優れた寸
法安定性を有する新規な改質ポリエステル繊維、特にモ
ノフィラメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下、P
ETという)に代表される各種飽和ポリエステルを含有
する繊維は、衣料用や産業資材等の各種素材として広く
使用されている。
【0003】飽和ポリエステルは、ポリエステルの種類
によって固有のTgや軟化点または融点を有しており、
それぞれの用途が必要とする特性によってポリエステル
の種類を選択してきた。
【0004】例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)よりもTgの高いポリエステルとしてポリエチレン
ナフタレート(以下、PENという)が知られており、
ボトルやフィルムとして使用されてきた。ただし、PE
N製モノフィラメント等の繊維は、繰り返して屈曲した
ときの耐久性がPET繊維と比較して極めて低く、工業
用織物への使用は実質的に不可能であった。
【0005】また、異種のポリエステルを複数組み合わ
せてポリエステル繊維を改質する試みも種々行われてお
り、例えばPETを改質する目的で、PETにTgや融
点がPETより高いPENやポリシクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート等を少量溶融混合した繊維の場合に
は、得られる改質PET繊維はTgや融点が改質前のP
ET繊維よりも低下したものになる問題を有していた。
【0006】本発明と関係する、PETとポリエーテル
イミド(以下、PEIという)から成る組成物について
は過去にも報告または発明がなされており、PEI分率
の増加に伴ってガラス転移温度が上昇することが示され
ている(例えば、「JOURNAL of APPLI
ED POLYMER SCIENCE 48 935
−937(1993)」、「Macromolecul
es 28 2845−2851(1995)、POL
YMER,38 4043−4048(1997)」
等)。しかしながら、モノフィラメントを含む繊維に関
する報告はなされておらず、ましてや、該繊維の寸法安
定性等の品質については全く知られていないのが当該分
野の現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
エステル繊維の融点を低下させることなく、従来より高
いTgを有するポリエステル繊維を提供することであ
り、さらには従来より高いTgと優れた寸法安定性を有
するポリエステル繊維を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記した課題の解決は、
次の手段によって達成される。 1.エチレンテレフタレート単位を主成分とするポリエ
ステル(A)とPEI(B)を含有するポリエステル繊
維であって、Tgが単一であり、かつTgが下記式
〔I〕を満足する、モノフィラメントを代表とするポリ
エステル繊維。
【0009】 TgB≧TgA+0.5×PEIW ・・・〔I〕 (ただし式中のTgB はポリエステル(A)とPEI
(B)を含有するポリエステル繊維のTg(℃)を表
し、TgA はPEI(B)を含有せずに、ポリエステル
(A)を含有するポリエステル繊維のTg(℃)を表
し、PEIW はポリエステル(A)とPEI(B)との
合計重量に対するPEI(B)の重量比率(重量%)を
表す。) 2.ポリエーテルイミド(B)の含有量がポリエステル
繊維全重量の2〜30重量%である上記のモノフィラメ
ントを代表とするポリエステル繊維。 3.破断伸度が17.5〜24%の範囲であり、沸騰水
中で30分間処理した後の収縮率が3.8%以下である
上記のいずれか1項記載のモノフィラメントを代表とす
るポリエステル繊維。 4.破断伸度が17.5〜24%の範囲であり、180
℃の熱空気中で30分間処理した後の収縮率が11.5
%以下である上記のいずれか1項記載のモノフィラメン
トを代表とするポリエステル繊維。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明におけるポリエステルとは、エチレ
ンテレフタレート単位を少なくとも70モル%以上含有
するポリマーである。酸成分は、テレフタル酸が主成分
であるが、少量の他のジカルボン酸成分を共重合しても
よく、またグリコール成分は、エチレングリコールを主
成分とするが、他のグリコール成分を共重合成分として
加えてもよい。テレフタル酸以外のジカルボン酸として
は、例えばナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジ
フェニルスルフォンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカ
ルボン酸、4、4´ージフェニルジカルボン酸、3、3
´ージフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキ
サヒドロテレフタル酸、1、3ーアダマンタンジカルボ
ン酸などの脂環族ジカルボン酸をあげることができる。
また、エチレングリコール以外のグリコール成分として
は、例えば、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキ
ノン、4、4´ージヒドロキシビフェニル、4、4´ー
ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4、4´ージヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4、4´ージヒドロキシ
ベンゾフェノン、pーキシレングリコールなどの芳香族
ジオール、1、3ープロパンジオール、1、4ーブタン
ジオール、1、6ーヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1、4ーシクロヘキサンジメタノールなど、
1、4ーブタンジオール、1、6ーヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコールなどの脂肪族、脂環式ジオール
をあげることができる。また、さらに酸成分、グリコー
ル成分以外に、pーヒドロキシ安息香酸、mーヒドロキ
シ安息香酸、2、6ーヒドロキシナフトエ酸などの芳香
族ヒドロキシカルボン酸およびpーアミノフェノール、
pーアミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程
度の少量であればさらに共重合せしめることができる。
【0012】本発明のポリエステル繊維に使用する原料
ポリエステルの極限粘度は、0.7〜1.35の範囲で
あることが好ましい。ここで極限粘度はオルソクロロフ
ェノール溶液中25℃で測定した粘度より求めた極限粘
度であり、〔η〕で表わされる。
【0013】本発明のポリエステルは、ジメチルテレフ
タレートとエチレングリコールとを出発原料としてエス
テル交換反応を経由して溶融重縮合する方法、またはテ
レフタル酸とエチレングリコールを直接エステル化せし
めた後に溶融重縮合する方法等公知の方法により製造す
ることができる。また、溶融重縮合後に冷却・細断して
得たポリエステルペレットを必要により予備結晶化せし
めた後、ポリエステルの融点より若干低い温度の、不活
性ガス流通下または減圧下で公知の固相重合を行うこと
で更に重合度の高いポリエステルとしたものを使用する
ことも好適である。
【0014】本発明でいうPEIとは、脂肪族、脂環族
または芳香族系のエーテル単位と環状イミド基を繰り返
し単位として含有するポリマーであり、溶融成形性を有
するポリマーであれば、特に限定されない。例えば、米
国特許第4,141,927号、日本特許第26226
78号、特許第2606912号、特許第260691
4号、特許第2596565号、特許第2596566
号、特許第2598478号に記載のPEI、日本特許
第2598536号、特許第2599171号、特開平
9−48852号公報、特許第256556号、特許第
2564636号、特許第2564637号、特許第2
563548号、特許第2563547号、特許第25
58341号、特許第2558339号、特許第283
4580号に記載のポリマーである。本発明の効果を阻
害しない範囲であれば、PEI(B)の主鎖に環状イミ
ド、エーテル単位以外の構造単位、例えば、芳香族、脂
肪族、脂環族エステル単位、オキシカルボニル単位等が
含有されていても良い。
【0015】本発明では、ガラス転移温度が350℃以
下、より好ましくは250℃以下のPEIが好ましく、
2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジア
ミンまたはp−フェニレンジアミンとの縮合物が、ポリ
エステル(A)との相溶性、コスト、溶融成形性等の観
点から最も好ましい。このPEIは、General
Electric社製で「Ultem1000または5
000シリーズ」の商標名で知られているものである
(以下、“ウルテム”という場合有り)。
【0016】本発明のポリエステル繊維は、DSCで測
定したTgが単一であり、かつTgが下記式〔I〕を満
足するものである。
【0017】 TgB≧TgA+0.5×PEIW ・・・〔I〕 (ただし式中のTgB はポリエステル(A)とPEI
(B)を含有するポリエステル繊維のTg(℃)を表
し、TgA はPEI(B)を含有せずに、ポリエステル
(A)を含有するポリエステル繊維のTg(℃)を表
し、PEIW はポリエステル(A)とPEI(B)との
合計重量に対するPEI(B)の重量比率(重量%)を
表す。) 本発明におけるTgの測定は、PERKIN ELMER社製 Diffe
rential Scanning Ca-lorimeter DSC7(以下、DS
Cという)を使用し、窒素ガス雰囲気下、サンプル量1
0mg(アルミニウム製パン使用)を30℃から昇温速度
16℃/分で昇温し、280℃に到達したらその温度で
5分間保持した後、サンプルパンを取り出し迅速に液体
窒素中に投入し急冷後、サンプルパンを30℃に冷却し
たDSCに再セットし、昇温速度16℃/分で280℃
まで昇温することで測定したDSCの2nd runにおける
Tgである。
【0018】本発明で対象とする繊維のガラス転移温度
(Tg)は、PET(A)のTgとポリエーテルイミド
(B)のTgの間に存在するものであり、転移に伴う熱
流束ギャップが、PET(A)の熱流束ギャップの1/
10以下の微少な転移はTgとしてカウントしない。こ
の定義において、本発明のポリエステル繊維が2つ以上
のガラス転移を有する場合、すなわち、フィルム中でポ
リエステルとポリエーテルイミドが相溶しておらず、繊
維中でミクロ相分離が生じたり、ポリエーテルイミドか
らなる分散ドメインが多数存在している場合には、繊維
製造の延伸工程で断糸が発生しやすく、得られる繊維の
線径斑が大きく品位が損なわれたものになる。また、T
Bが式〔I〕の下限より低いと寸法安定性向上効果が
不足し、式〔I〕の上限より高いと強度の低い背にとな
るため好ましくない。
【0019】本発明のポリエステル繊維におけるPEI
(B)の含有量は、任意に選択することができるが、ポ
リエステル繊維全重量の2〜30%であると好ましく、
6〜25%がより好ましい。
【0020】本発明のポリエステル繊維とは、マルチフ
ィラメント、モノフィラメントおよびステープルファイ
バー、撚コード、綿状および不織布等任意である。中で
もモノフィラメントであると抄紙資材、各種搬送ベルト
および各種フィルター等の各種工業用織物の構成素材と
して広く用いることができるため好ましいものである。
モノフィラメントとは一本の連続した単糸である。モノ
フィラメントの形状は、その用途や特性を満足させるた
め、繊維軸方向に垂直な断面の形状を円形、楕円形、扁
平、正多角形および不定形な形状を含む多角形といかな
る形状をも取り得るものであり、必要に応じて芯鞘また
は海島複合繊維であってもよい。なおここで、扁平とは
楕円もしくは長方形のことを意味するが、数学的に定義
される正確な楕円、長方形以外に概ね楕円、長方形また
はこれに類似した形状を含み、正多角形とは数学的に定
義される正多角形以外に、概ねこれに類似した形状を含
むものである。
【0021】また、その直径も用途に合わせ適宜選択す
ることができるが、通常は0.05〜5mm程度の範囲
のものが好適に使用される。
【0022】本発明のポリエステル繊維は、エチレンテ
レフタレート単位を主成分とするポリエステル(A)と
PEI(B)以外の成分として、他のポリエステル類、
ポリオレフィン類、フッ素樹脂類、ポリフェニレンスル
フィド類、ポリアミド類、ポリエーテル類、ポリスチレ
ン類、各種熱可塑性エラストマー類およびポリアクリレ
ート類他の熱可塑性樹脂を少量含有することができる。
また、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化ケイ素粒
子、炭酸カルシウム粒子、クレー、タルク、窒化ケイ素
粒子、酸化ジルコニウム粒子、ダイアモンド粒子および
カーボン粒子他の各種粒子類を少量含有することができ
る。また、酸化防止剤、帯電防止剤、シリコーンオイル
類、相溶化剤および結晶核剤他を少量含有することがで
きる。さらには、ポリエステル繊維の耐加水分解性を改
良する目的で、モノまたはジエポキシ化合物、モノまた
はポリカルボジイミド化合物、モノまたはジオキサゾリ
ン化合物、モノまたはジアジリジン化合物などのポリエ
ステルの末端基封鎖剤が添加され、ポリエステルの末端
カルボキシル基および末端水酸基等との反応物および未
反応物等を少量含有することができる。また、本発明の
ポリエステル繊維は、ポリエステル製造時の触媒であ
る、アンチモン、ゲルマニウム、チタン、アルミニウ
ム、マンガン、コバルト、カルシウム、ナトリウム、カ
リウム、リチウムおよびリン等の元素を微量含有するこ
とができる。
【0023】本発明のポリエステル繊維は寸法安定性の
観点から、破断伸度(以下、伸度という)が17.5〜
24%の範囲であり、かつ沸騰水中で30分間処理した
後の収縮率(以下、沸収という)が3.8%以下である
ことが好ましい。より好ましくは伸度が17.5〜24
%の範囲であり、かつ沸収が3.5%以下である。
【0024】また、本発明のポリエステル繊維は寸法安
定性の観点から、伸度が17.5〜24%の範囲であ
り、かつ180℃の熱空気中で30分間処理した後の収
縮率(以下180℃乾収という)が11.5%以下であ
ることが好ましい。より好ましくは、伸度が17.5〜
24%の範囲であり、かつ180℃乾収が11.0%で
ある。
【0025】ここでTgが前記〔I〕式を満足し、かつ
伸度と180℃乾収が上記した範囲のポリエステル繊維
の好ましい製造方法をモノフィラメントを例に以下に説
明するが、以下の方法に限定されるものではない。
【0026】所定量の、〔η〕0.70以上のPETペ
レットおよびPEIペレットとをブレンドした混合ペレ
ットを乾燥した後、ベント付き2軸混練機にて270〜
300℃でベント吸引しながら溶融混練し、混練機先端
の口金からストランド状に吐出して冷却水槽で冷却後カ
ッティングして混練ペレットを得る。PEIと直接溶融
混練するために使用するPETの〔η〕が0.70以上
であると、PEIはPET中で異相のない微細かつ均一
な分散状態を示す。一方、使用するPETの〔η〕が
0.70未満である場合には、PEIの分散が悪く、一
部のPEIがPET中に粗大な状態で存在し、得られる
ポリエステル繊維の品位が低いものとなる傾向にあり注
意を要する。
【0027】かくして得られる混練ペレットを乾燥した
後に、該ペレット単独で溶融紡糸に供してもよいが、該
混練ペレットにPEIを含有しないPETペレットを適
宜添加して溶融紡糸に供することができる。この場合に
使用するPEIを含有しないPETの〔η〕は0.70
以上である必要はなく目的に応じて任意に選択すること
ができる。
【0028】溶融紡糸は、先端に流線入れ替え器と紡糸
ヘッドを有するエクストルダー型紡糸機に原料ペレット
を供給し、270℃〜300℃の温度で溶融混練した
後、紡糸口金から紡出する。次いで溶融状態の紡出糸を
温水中に導いて冷却固化せしめた後、巻き取ることなく
94℃の熱水による第1延伸ゾーンで4.8倍に延伸
し、次いで125℃の熱風による第2延伸ゾーンで1.
156倍に延伸した2段延伸糸を、210℃の熱風によ
るヒートセットゾーンで1.0倍で定長熱処理し、公知
の油剤を付与しボビンに巻き取ることによって行うこと
ができる。
【0029】かくして得られるエチレンテレフタレート
単位を主成分とするポリエステル(A)とポリエーテル
イミド(B)を含有する、モノフィラメントを代表とす
るポリエステル繊維は、従来のエチレンテレフタレート
を主成分とするポリエステル繊維よりもTgが高く、寸
歩安定性が向上したものであり、各種衣料用、および産
業資材用途の構成繊維素材として好ましく使用すること
ができる。
【0030】特に本発明のモノフィラメントは、抄紙工
程用の抄紙ワイヤー、抄紙プレスフェルト基布、抄紙ド
ライヤーキャンバスなどの抄紙工程用の各種織物、フィ
ルター素材、不織布製造工程用搬送ベルト織物、各種ブ
ラシおよび電線敷設コイルおよび各種テンションメンバ
ーなどの構成素材として好適である。
【0031】以下に、実施例により本発明を更に詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に何等限定されるも
のではない。
【0032】
【実施例】本発明における沸収、乾収および破断伸度の
測定は次の方法で行った。 1.沸収 50cmの長さにカットした3本の試料を、沸騰水中に30分
間浸漬した後、取り出した試料を標準状態(20℃,65%
RH)の室内に24時間以上放置してからその長さを測定
し次式により小数点2桁まで算出し小数点2桁目を四捨
五入して小数点1桁に丸め、3本の平均値を求める。
【0033】沸収(%)=[(500−処理後長さ(m
m))/500]×100 2.乾収 50cmの長さにカットした3本の試料を、熱風乾燥機の各
温度(140℃,180℃,200℃)中で30分間処理した後、
取り出した試料を標準状態(20℃,65%RH)の室内に
12時間以上放置してからその長さを測定し次式により小
数点2桁まで算出し小数点2桁目を四捨五入して小数点
1桁に丸め、3本の平均値を求める。
【0034】乾収(%)=[(500−処理後長さ(m
m))/500]×100 3.破断伸度 標準状態(20℃,65%RH)の室内で、つかみ間隔25
cm,引張速度30cm/minの条件で測定し(ただし、チャ
ック近傍で切断した場合はチャック切れとしてデータか
ら除く)、次の算式により小数点2桁まで算出し小数点
2桁目を四捨五入して小数点1桁に丸めデータn3の平
均値を求める。
【0035】破断伸度(%)=[(切断時の長さ(mm)−
250)/250]×100 〔参考例1〕テレフタル酸とエチレングリコールとを出
発原料にして公知の方法でエステル化せしめた後、三酸
化アンチモンを重合触媒として添加し溶融重縮合を行な
った後、ガット状に吐出し冷却後カッティングしてポリ
エステル(A)の1種である〔η〕0.66のPETチ
ップ(以下、液重PETチップという)を得た。該チッ
プを予備乾燥の後、公知の方法により固相重合しポリエ
ステル(A)の1種である〔η〕0.93の固相重合P
ETチップ(以下、固重PETチップという)を得た。 〔参考例2〕参考例1により得られた固重PETチップ
(50重量部)とポリエーテルイミド(B)である“ウ
ルテム”1010(50重量部)を、290℃に加熱さ
れた同方向回転タイプのベント式2軸混練押出機に供給
して、剪断速度120sec -1、滞留時間2分にて溶融
押出し、“ウルテム”を50重量%含有したブレンドチ
ップ(以下、PEI50-PETという)を得た。得られ
たチップは透明性が良好であり、単一のTgを有してい
た。 実施例1 参考例2で得たPEI50-PETチップ30重量部と参
考例1で得た液重PETチップ 70重量部とを計量し
ながら、先端に流線入れ替え器と紡糸ヘッドを有するφ
40mm1軸エクストルダー型紡糸機に供給し、285
℃の温度で溶融混練した後、紡糸口金から紡出し。次い
で溶融状態の紡出糸を温水中に導いて冷却固化せしめた
後、巻き取ることなく94℃の熱水による第1延伸ゾー
ンで4.8倍に延伸し、次いで125℃の熱風による第
2延伸ゾーンで1.156倍に延伸した2段延伸糸を、
210℃の熱風によるヒートセットゾーンで1.0倍で
定長熱処理し、公知の油剤を付与しボビンに巻き取るこ
とによって、直径0.40mmのモノフィラメントを得
た。該モノフィラメントのポリマ組成、Tg、引張伸
度、沸収および120〜200℃乾収測定結果を表1に
示す。比較例1 比較のために、実施例1におけるPEI50-PETチッ
プ30重量部を参考例1で得た固重PETチップ30重
量部に変更した以外は実施例1と同様に行って得たモノ
フィラメントのポリマ組成および特性を表1に併示す
る。 実施例2〜6 実施例1におけるPEI50-PETチップと液重PET
チップとの混合比率を表1記載の量比に変更した以外は
実施例1と同様に行って得たモノフィラメントのポリマ
組成および特性を表1に併示する。 実施例7 実施例1におけるPEI50-PETチップと液重PET
チップとを、“ウルテム”15重量部と参考例1で得た
固重チップ85重量部に変更した以外は実施例1と同様
に行って得たモノフィラメントのポリマ組成および特性
を表1に併示する。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維は、従来のも
のより高いTgと優れた寸法安定性を有したものであ
り、各種工業用繊維素材として有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 裕平 静岡県三島市4845番地 東レ株式会社三島 工場内 (72)発明者 木下 明 愛知県岡崎市昭和町字河原1番地 東レ・ モノフィラメント株式会社内 Fターム(参考) 4L035 AA05 BB31 BB36 BB57 BB72 BB79 BB85 BB89 BB91 CC02 CC09 DD14 EE01 EE02 EE08 EE20 GG05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位を主成分と
    するポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)を
    含有するポリエステル繊維であって、ガラス転移点が単
    一であり、かつガラス転移点が下記式〔I〕を満足する
    ポリエステル繊維。 TgB≧TgA+0.5×PEIW ・・・〔I〕 (ただし式中のTgB はポリエステル(A)とポリエー
    テルイミド(B)を含有するポリエステル繊維のガラス
    転移点(℃)を表し、TgA はポリエーテルイミド
    (B)を含有せずに、ポリエステル(A)を含有するポ
    リエステル繊維のガラス転移点(℃)を表し、PEIW
    はポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)との
    合計重量に対するポリエーテルイミド(B)の重量比率
    (重量%)を表す。)
  2. 【請求項2】 ポリエーテルイミド(B)の含有量がポ
    リエステル繊維全重量の2〜30重量%である請求項1
    記載のポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】 ポリエステル繊維がモノフィラメントで
    ある請求項1〜2記載のポリエステル繊維。
  4. 【請求項4】 破断伸度が17.5〜24%の範囲であ
    り、沸騰水中で30分間処理した後の収縮率が3.8%
    以下である請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエス
    テル繊維。
  5. 【請求項5】 破断伸度が17.5〜24%の範囲であ
    り、180℃の熱空気中で30分間処理した後の収縮率
    が11.5%以下である請求項1〜4のいずれか1項記
    載のポリエステル繊維。
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