JP2001271131A - O相基Ti−22Al−27Nb合金とその製造方法 - Google Patents
O相基Ti−22Al−27Nb合金とその製造方法Info
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- JP2001271131A JP2001271131A JP2000086671A JP2000086671A JP2001271131A JP 2001271131 A JP2001271131 A JP 2001271131A JP 2000086671 A JP2000086671 A JP 2000086671A JP 2000086671 A JP2000086671 A JP 2000086671A JP 2001271131 A JP2001271131 A JP 2001271131A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 引張強さと延性を高度にバランスよく合わせ
持つO相基Ti−22Al−27Nb合金とその製造方法を
提供する。 【解決手段】 β変態温度以下のα2+β2相温度域で
圧延した後にこの温度域に保持し、次いで毎秒1℃以下
の冷却速度で徐冷して、針状のO相がβ相基質中に析出
したラメラ組織と、β相基質中に均一に分散析出した等
軸α2相とからなるbi-modal組織を形成させる。
持つO相基Ti−22Al−27Nb合金とその製造方法を
提供する。 【解決手段】 β変態温度以下のα2+β2相温度域で
圧延した後にこの温度域に保持し、次いで毎秒1℃以下
の冷却速度で徐冷して、針状のO相がβ相基質中に析出
したラメラ組織と、β相基質中に均一に分散析出した等
軸α2相とからなるbi-modal組織を形成させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、O相基T
i−22Al−27Nb合金とその製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくは、この出願の発明は、引張強さと
延性を高度にバランスよく合わせ持つO相基Ti−22A
l−27Nb合金とこれを製造するための製造方法に関す
るものである。
i−22Al−27Nb合金とその製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくは、この出願の発明は、引張強さと
延性を高度にバランスよく合わせ持つO相基Ti−22A
l−27Nb合金とこれを製造するための製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】Ti2AlNb(Ti−25mol%Al−25
mol%Nb)は、約10年前に発見されたチタン系の金
属間化合物である。その結晶構造は斜方晶で、O相と名
付けられる。このTi2AlNbは、既存のTiAl
(γ相)やTi3Al(α2相)に比べ、高温延性、クリ
ープ特性、及び高温引張り強さに優れており、ポストT
iAlを担う新しい軽量耐熱材料として注目されてい
る。現在、航空機、自動車等のエンジン部材等への適用
を目指し、実用化に向けての研究開発が進められてい
る。
mol%Nb)は、約10年前に発見されたチタン系の金
属間化合物である。その結晶構造は斜方晶で、O相と名
付けられる。このTi2AlNbは、既存のTiAl
(γ相)やTi3Al(α2相)に比べ、高温延性、クリ
ープ特性、及び高温引張り強さに優れており、ポストT
iAlを担う新しい軽量耐熱材料として注目されてい
る。現在、航空機、自動車等のエンジン部材等への適用
を目指し、実用化に向けての研究開発が進められてい
る。
【0003】その一つに、高温相であるB2相(CsCl
型構造)若しくはβ相(bcc構造)を金属組織中に組み
入れ、室温延性、破壊靱性等を高めるという試みがあ
る。例えば、米国GE社は、各種の機械的特性をバラン
スよく有する、(O+B2/β)型のTi−22Al−27N
b(Ti−22mol%Al−27mol%Nb)合金を提案して
いる(R.G.Rowe: Microstructure/Property Relationsh
ips in Titanium Aluminides and Alloys, TMS, (199
1), pp.387-398)。
型構造)若しくはβ相(bcc構造)を金属組織中に組み
入れ、室温延性、破壊靱性等を高めるという試みがあ
る。例えば、米国GE社は、各種の機械的特性をバラン
スよく有する、(O+B2/β)型のTi−22Al−27N
b(Ti−22mol%Al−27mol%Nb)合金を提案して
いる(R.G.Rowe: Microstructure/Property Relationsh
ips in Titanium Aluminides and Alloys, TMS, (199
1), pp.387-398)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】だが、このO相基Ti
−22Al−27Nb合金も実用材料とするには、室温及び
高温での引張特性(具体的には、引張強さと延性)、高
サイクル及び低サイクル疲労特性、さらにクリープ特性
等の様々な特性値が高いことが要求される。一般に、こ
うした各特性の向上を単一の金属組織で達成することは
難しく、例えば、高温のB2/β単相領域からの徐冷によ
り形成されるいわゆるラメラ組織では、クリープ特性に
優れているものの引張特性に欠けるという結果が得られ
ている。
−22Al−27Nb合金も実用材料とするには、室温及び
高温での引張特性(具体的には、引張強さと延性)、高
サイクル及び低サイクル疲労特性、さらにクリープ特性
等の様々な特性値が高いことが要求される。一般に、こ
うした各特性の向上を単一の金属組織で達成することは
難しく、例えば、高温のB2/β単相領域からの徐冷によ
り形成されるいわゆるラメラ組織では、クリープ特性に
優れているものの引張特性に欠けるという結果が得られ
ている。
【0005】一方、Ti2AlNb以外の通常のチタン
合金については、各種特性にバランスのとれた金属組織
として、量比(体積比)が数〜30%程度の等軸α相と
α/βラメラ組織との組合せからなるいわゆるbi-modal
組織と呼ばれる混合組織が提案されている(M.Brun and
G.Shachanova: Titanium'95, The Institute of Mater
ials, (1996), pp.2421-2429)。
合金については、各種特性にバランスのとれた金属組織
として、量比(体積比)が数〜30%程度の等軸α相と
α/βラメラ組織との組合せからなるいわゆるbi-modal
組織と呼ばれる混合組織が提案されている(M.Brun and
G.Shachanova: Titanium'95, The Institute of Mater
ials, (1996), pp.2421-2429)。
【0006】しかしながら、通常のチタン合金において
等軸α相を均一に分散させるには、材料をβ変態温度
(B2/β単相域の下限温度)以下のα+β2相温度域で
強加工を行い、次いでα+β2相温度域に保持してα相
を再結晶させなければならない。高度の加工が必要とな
っており、作業性、経済性の両面からみても実用的であ
るとは言いにくい。
等軸α相を均一に分散させるには、材料をβ変態温度
(B2/β単相域の下限温度)以下のα+β2相温度域で
強加工を行い、次いでα+β2相温度域に保持してα相
を再結晶させなければならない。高度の加工が必要とな
っており、作業性、経済性の両面からみても実用的であ
るとは言いにくい。
【0007】この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであり、軽量耐熱材料として期待され
るO相基Ti−22Al−27Nb合金を実用材料とするべ
く、引張強さと延性を高度にバランスよく合わせ持つO
相基Ti−22Al−27Nb合金とこれを製造する製造方
法を提供することを目的としている。
みてなされたものであり、軽量耐熱材料として期待され
るO相基Ti−22Al−27Nb合金を実用材料とするべ
く、引張強さと延性を高度にバランスよく合わせ持つO
相基Ti−22Al−27Nb合金とこれを製造する製造方
法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、針状のO相がβ相基質中
に析出したラメラ組織と、β相基質中に均一に分散析出
した等軸α2相とからなるbi-modal組織を有することを
特徴とするO相基Ti−22Al−27Nb合金(請求項
1)を提供する。
の課題を解決するものとして、針状のO相がβ相基質中
に析出したラメラ組織と、β相基質中に均一に分散析出
した等軸α2相とからなるbi-modal組織を有することを
特徴とするO相基Ti−22Al−27Nb合金(請求項
1)を提供する。
【0009】また、この出願の発明は、β変態温度以下
のα2+β2相温度域で圧延した後にこの温度域に保持
し、次いで毎秒1℃以下の冷却速度で徐冷することを特
徴とするTi−22Al−27Nb合金の製造方法を有する
ことを特徴とするO相基Ti−22Al−27Nb合金(請
求項2)をも提供する。
のα2+β2相温度域で圧延した後にこの温度域に保持
し、次いで毎秒1℃以下の冷却速度で徐冷することを特
徴とするTi−22Al−27Nb合金の製造方法を有する
ことを特徴とするO相基Ti−22Al−27Nb合金(請
求項2)をも提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】この出願の発明の発明者等は、O
相基Ti−22Al−27Nb合金に引張強さと延性を高度
にバランスよく合わせ持たせるために、通常のチタン合
金と同様にbi-modal組織を現出させることを試みた。
相基Ti−22Al−27Nb合金に引張強さと延性を高度
にバランスよく合わせ持たせるために、通常のチタン合
金と同様にbi-modal組織を現出させることを試みた。
【0011】Ti−22Al−27Nb合金のβ変態温度
は、組成の変動に左右されるが、およそ1050〜1075℃と
される。状態図上では、β変態温度以下1000℃程度まで
の温度範囲はα2+β2相域、これ以下の温度範囲はO
+β2相域とされている。そこで、この出願の発明の発
明者等は、α2+β2相温度域で圧延加工し、その後こ
の温度域に保持することを試みた。その結果、Ti−22
Al−27Nb合金において、等軸α2相がβ相基質中に
均一微細に分散した。また、このように等軸α2相が均
一微細に分散した材料を毎秒1℃以下の冷却速度で徐冷
すると、針状のO相がβ相基質中に析出し、いわゆるラ
メラ組織が形成され、等軸α2相とそのラメラ組織とか
らなるbi-modal組織が現出した。
は、組成の変動に左右されるが、およそ1050〜1075℃と
される。状態図上では、β変態温度以下1000℃程度まで
の温度範囲はα2+β2相域、これ以下の温度範囲はO
+β2相域とされている。そこで、この出願の発明の発
明者等は、α2+β2相温度域で圧延加工し、その後こ
の温度域に保持することを試みた。その結果、Ti−22
Al−27Nb合金において、等軸α2相がβ相基質中に
均一微細に分散した。また、このように等軸α2相が均
一微細に分散した材料を毎秒1℃以下の冷却速度で徐冷
すると、針状のO相がβ相基質中に析出し、いわゆるラ
メラ組織が形成され、等軸α2相とそのラメラ組織とか
らなるbi-modal組織が現出した。
【0012】通常のチタン合金では、前記の通り、等軸
相(すなわち、α相)を析出させるには、材料に低温側
でかなりの強加工が必要とされるが、Ti−22Al−27
Nb合金では、圧延温度がβ変態温度以下のα2+β2
相温度域である限り、低圧下率でしかも一回の圧下毎に
再加熱するような加工度の低い圧延でも等軸α2相は均
一に分散する。また、この時の圧延加工はおよそ1000℃
以上という高温において行われるため、材料は軟化状態
にあり、したがって、圧延はきわめて容易であった。さ
らに、得られたbi-modal組織は、ラメラ組織のみと比較
し、引張強さ、延性ともに良好な値を示した。
相(すなわち、α相)を析出させるには、材料に低温側
でかなりの強加工が必要とされるが、Ti−22Al−27
Nb合金では、圧延温度がβ変態温度以下のα2+β2
相温度域である限り、低圧下率でしかも一回の圧下毎に
再加熱するような加工度の低い圧延でも等軸α2相は均
一に分散する。また、この時の圧延加工はおよそ1000℃
以上という高温において行われるため、材料は軟化状態
にあり、したがって、圧延はきわめて容易であった。さ
らに、得られたbi-modal組織は、ラメラ組織のみと比較
し、引張強さ、延性ともに良好な値を示した。
【0013】この出願の発明は、以上の知見に基づいて
完成されたものである。
完成されたものである。
【0014】この出願の発明において、圧延温度、
保持温度、及び冷却速度が上記の範囲に限定されるの
は以下の理由に基づいている。 圧延温度 β変態温度以上の単相域で圧延した材料は、その後α2
+β2相温度域に保持してもα2相が等軸状に析出せ
ず、圧延温度をα2+β2相温度域未満とすると、圧延
中にO相が析出してしまい、前記の通りのbi-modal組織
は得られない。 保持温度 保持温度をβ変態温度以上とすると、α2相が十分な量
で析出せず、α2+β2相温度域未満とすると、保持中
にO相が析出してしまい、前記の通りのbi-modal組織が
得られない。
保持温度、及び冷却速度が上記の範囲に限定されるの
は以下の理由に基づいている。 圧延温度 β変態温度以上の単相域で圧延した材料は、その後α2
+β2相温度域に保持してもα2相が等軸状に析出せ
ず、圧延温度をα2+β2相温度域未満とすると、圧延
中にO相が析出してしまい、前記の通りのbi-modal組織
は得られない。 保持温度 保持温度をβ変態温度以上とすると、α2相が十分な量
で析出せず、α2+β2相温度域未満とすると、保持中
にO相が析出してしまい、前記の通りのbi-modal組織が
得られない。
【0015】なお、保持時間については特に制限されな
い。一般には、ある程度平衡な組織に達するまで温度保
持することが好ましく、1時間以上を目安とすることが
できる。 冷却速度 冷却速度が毎秒1℃を超えると、冷却中にO相がラメラ
状に析出せず、前記の通りのbi-modal組織は得られな
い。
い。一般には、ある程度平衡な組織に達するまで温度保
持することが好ましく、1時間以上を目安とすることが
できる。 冷却速度 冷却速度が毎秒1℃を超えると、冷却中にO相がラメラ
状に析出せず、前記の通りのbi-modal組織は得られな
い。
【0016】以下実施例を示し、この出願の発明のO相
基Ti−22Al−27Nb合金とその製造方法についてさ
らに詳しく説明する。
基Ti−22Al−27Nb合金とその製造方法についてさ
らに詳しく説明する。
【0017】
【実施例】ガスアトマイズ法によって作製したTi−22
Al−27Nb合金粉末を熱間静水圧プレスにより成形
し、さらにα2+β2相温度域の1000℃において熱間溝
ロール圧延を行い、角棒を作製した。冷却後、この角棒
をα2+β2相温度域の1000〜1050℃に20時間保持し
た。
Al−27Nb合金粉末を熱間静水圧プレスにより成形
し、さらにα2+β2相温度域の1000℃において熱間溝
ロール圧延を行い、角棒を作製した。冷却後、この角棒
をα2+β2相温度域の1000〜1050℃に20時間保持し
た。
【0018】図1<a><b><c>は、各々、温度保
持直後の金属組織を示した写真である。すなわち、図1
<a>は1050℃に20時間保持後氷水中に急冷したもの
であり、図1<b>は1030℃に20時間、図1<c>は
1000℃に20時間保持した後に氷水中に急冷したもので
ある。
持直後の金属組織を示した写真である。すなわち、図1
<a>は1050℃に20時間保持後氷水中に急冷したもの
であり、図1<b>は1030℃に20時間、図1<c>は
1000℃に20時間保持した後に氷水中に急冷したもので
ある。
【0019】これら図1<a><b><c>に確認され
るように、α2+β2相温度域に保持することによりβ
相基質中に等軸α2相が均一に分散した金属組織が得ら
れる。また、等軸α2相は保持温度が高くなるにつれて
その量は減少し、α2相間隔は大きくなる。
るように、α2+β2相温度域に保持することによりβ
相基質中に等軸α2相が均一に分散した金属組織が得ら
れる。また、等軸α2相は保持温度が高くなるにつれて
その量は減少し、α2相間隔は大きくなる。
【0020】比較のために、B2/β単相温度域の1150℃
において圧延して作製した角棒をα2+β2相温度域の1
030℃に20時間保持した後に氷水中に急冷した。得ら
れた金属組織を示したのが図2の写真である。この図2
に示したように、α2相は前β粒界を中心に偏析し、均
一な分散は得られなかった。
において圧延して作製した角棒をα2+β2相温度域の1
030℃に20時間保持した後に氷水中に急冷した。得ら
れた金属組織を示したのが図2の写真である。この図2
に示したように、α2相は前β粒界を中心に偏析し、均
一な分散は得られなかった。
【0021】次に、α2+β2相温度域の1000℃で前記
の通りに圧延して作製した角棒をα2+β2相温度域の1
030℃に20時間保持した後に毎秒0.1若しくは0.03℃の
冷却速度で徐冷した。
の通りに圧延して作製した角棒をα2+β2相温度域の1
030℃に20時間保持した後に毎秒0.1若しくは0.03℃の
冷却速度で徐冷した。
【0022】図3<a><b>は、各々、徐冷後の金属
組織を示した写真である。図3<a>は毎秒0.1℃で徐
冷して得られた金属組織であり、図3<b>は毎秒0.03
℃で徐冷して得られた金属組織である。
組織を示した写真である。図3<a>は毎秒0.1℃で徐
冷して得られた金属組織であり、図3<b>は毎秒0.03
℃で徐冷して得られた金属組織である。
【0023】徐冷後の金属組織は、温度保持中に析出し
た等軸α2相と、徐冷時に針状のO相がβ相基質中に析
出したラメラ組織とからなるbi-modal組織となった。図
3<a><b>の比較からは、冷却速度が速い方、すな
わち毎秒0.1℃の冷却速度の方がO/β相は微細となるこ
とが確認される。
た等軸α2相と、徐冷時に針状のO相がβ相基質中に析
出したラメラ組織とからなるbi-modal組織となった。図
3<a><b>の比較からは、冷却速度が速い方、すな
わち毎秒0.1℃の冷却速度の方がO/β相は微細となるこ
とが確認される。
【0024】また、この徐冷後のbi-modal組織を有する
O相基Ti−22Al−27Nb合金に対して、室温から80
0℃までにおいて真空中で引張試験を行った。その結果
を示したのが図4のグラフである。図4のグラフには、
B2/β単相温度域の1150℃で圧延した後に、B2/β単相温
度域の1150℃に1時間保持し、次いで毎秒0.03℃の冷却
速度で徐冷したTi−22Al−27Nb合金の引張試験の
結果も合わせて示した。後者のTi−22Al−27Nb合
金の金属組織は、図5に示した通りのラメラ組織のみで
あった。
O相基Ti−22Al−27Nb合金に対して、室温から80
0℃までにおいて真空中で引張試験を行った。その結果
を示したのが図4のグラフである。図4のグラフには、
B2/β単相温度域の1150℃で圧延した後に、B2/β単相温
度域の1150℃に1時間保持し、次いで毎秒0.03℃の冷却
速度で徐冷したTi−22Al−27Nb合金の引張試験の
結果も合わせて示した。後者のTi−22Al−27Nb合
金の金属組織は、図5に示した通りのラメラ組織のみで
あった。
【0025】図4に確認されるように、bi-modal組織を
有するO相基Ti−22Al−27Nb合金は、ラメラ組織
のみのTi−22Al−27Nb合金に比べ、室温から650
℃までの温度範囲において0.2%耐力(図4図中の白抜
きマーク)、引張強さ(図4図中の黒塗りマーク)とも
に良好な値を示す。また、bi-modal組織を有するO相基
Ti−22Al−27Nb合金では、O/β相がより微細な
(冷却速度の速い)bi-modal組織の方がより高い引張特
性を示す。延性については、bi-modal組織を有するO相
基Ti−22Al−27Nb合金は、ラメラ組織のみのTi
−22Al−27Nb合金に比べ、800℃まで高い値を示
し、特に高温側で大きく上回っている。
有するO相基Ti−22Al−27Nb合金は、ラメラ組織
のみのTi−22Al−27Nb合金に比べ、室温から650
℃までの温度範囲において0.2%耐力(図4図中の白抜
きマーク)、引張強さ(図4図中の黒塗りマーク)とも
に良好な値を示す。また、bi-modal組織を有するO相基
Ti−22Al−27Nb合金では、O/β相がより微細な
(冷却速度の速い)bi-modal組織の方がより高い引張特
性を示す。延性については、bi-modal組織を有するO相
基Ti−22Al−27Nb合金は、ラメラ組織のみのTi
−22Al−27Nb合金に比べ、800℃まで高い値を示
し、特に高温側で大きく上回っている。
【0026】以上の結果から、bi-modal組織を有するO
相基Ti−22Al−27Nb合金は、引張強さと延性を高
度にバランスよく合わせ持つことが理解される。
相基Ti−22Al−27Nb合金は、引張強さと延性を高
度にバランスよく合わせ持つことが理解される。
【0027】勿論、この出願の発明は、以上の実施形態
によって限定されるものではない。合金の組成、圧延の
方式及び条件、保持温度及び保持時間等の細部について
は様々な態様が可能であることは言うまでもない。
によって限定されるものではない。合金の組成、圧延の
方式及び条件、保持温度及び保持時間等の細部について
は様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0028】また、この出願の発明は、以上の3元系の
Ti−Al−Nb合金ばかりでなく、Ti−Al−Nb
−Mo等の4元系合金にも等しく適用可能であると考え
られる。
Ti−Al−Nb合金ばかりでなく、Ti−Al−Nb
−Mo等の4元系合金にも等しく適用可能であると考え
られる。
【0029】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この出願の発
明によって、引張強さと延性を高度にバランスよく合わ
せ持つO相基Ti−22Al−27Nb合金が実現される。
Ti−22Al−27Nb合金の実用化にきわめて有効とな
る。
明によって、引張強さと延性を高度にバランスよく合わ
せ持つO相基Ti−22Al−27Nb合金が実現される。
Ti−22Al−27Nb合金の実用化にきわめて有効とな
る。
【図1】<a><b><c>は、各々、α2+β2相温
度域で圧延した後にα2+β2相温度域に保持した直後
のTi−22Al−27Nb合金の金属組織を示した図面に
代わる写真である。
度域で圧延した後にα2+β2相温度域に保持した直後
のTi−22Al−27Nb合金の金属組織を示した図面に
代わる写真である。
【図2】B2/β単相温度域で圧延し、次いでα2+β2相
温度域に保持した直後のTi−22Al−27Nb合金の金
属組織を示した図面に代わる写真である。
温度域に保持した直後のTi−22Al−27Nb合金の金
属組織を示した図面に代わる写真である。
【図3】<a><b><c>は、各々、α2+β2相温
度域で圧延した後にα2+β2相温度域に保持し、次い
で毎秒1℃以下の徐冷速度で徐冷したTi−22Al−27
Nb合金の金属組織を示した図面に代わる写真である。
度域で圧延した後にα2+β2相温度域に保持し、次い
で毎秒1℃以下の徐冷速度で徐冷したTi−22Al−27
Nb合金の金属組織を示した図面に代わる写真である。
【図4】金属組織がbi-modal組織及びラメラ組織のみの
Ti−22Al−27Nb合金の室温から800℃までにおけ
る真空中での引張試験の結果を示したグラフである。
Ti−22Al−27Nb合金の室温から800℃までにおけ
る真空中での引張試験の結果を示したグラフである。
【図5】B2/β単相温度域で圧延した後にB2/β単相温度
域に保持し、次いで毎秒0.03℃の冷却速度で徐冷したT
i−22Al−27Nb合金の金属組織を示した図面に代わ
る写真である。
域に保持し、次いで毎秒0.03℃の冷却速度で徐冷したT
i−22Al−27Nb合金の金属組織を示した図面に代わ
る写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 683 C22F 1/00 683 692 692A 693 693A 694 694B
Claims (2)
- 【請求項1】 針状のO相がβ相基質中に析出したラメ
ラ組織と、β相基質中に均一に分散析出した等軸α2相
とからなるbi-modal組織を有することを特徴とするO相
基Ti−22Al−27Nb合金。 - 【請求項2】 β変態温度以下のα2+β2相温度域で
圧延した後にこの温度域に保持し、次いで毎秒1℃以下
の冷却速度で徐冷することを特徴とするO相基Ti−22
Al−27Nb合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000086671A JP3425621B2 (ja) | 2000-03-27 | 2000-03-27 | O相基Ti−22Al−27Nb合金とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000086671A JP3425621B2 (ja) | 2000-03-27 | 2000-03-27 | O相基Ti−22Al−27Nb合金とその製造方法 |
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