JP2001270939A - カルボン酸とアミンを用いたアミド縮合物の製造方法 - Google Patents

カルボン酸とアミンを用いたアミド縮合物の製造方法

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JP2001270939A JP2000087495A JP2000087495A JP2001270939A JP 2001270939 A JP2001270939 A JP 2001270939A JP 2000087495 A JP2000087495 A JP 2000087495A JP 2000087495 A JP2000087495 A JP 2000087495A JP 2001270939 A JP2001270939 A JP 2001270939A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱による直接重縮合反応により、多価カル
ボン酸と多価アミンから、高収率でかつ黒色への変色を
伴う等の副反応を併発することなく、反応後の精製が容
易なポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、特に
直接重縮合反応で合成することが困難とされる芳香族ポ
リアミド(アラミド)、芳香族ポリイミド、芳香族ポリ
アミドイミドの製造方法を提供すること。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸、芳香族テトラカル
ボン酸又は芳香族トリカルボン酸と芳香族ジアミンを、
N−メチル−4−ピリジニウムホウ酸ヨウ化物とナトリ
ウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)
フェニル)ボレートを重縮合触媒とし、N−ブチルピロ
リジノン等の極性溶媒又は該極性溶媒と非極性溶媒との
混合溶媒の存在下に重縮合反応させ、ポリアミド、ポリ
イミド、ポリアミドイミドを高収率で得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミド縮合物、特
にポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドからなる
縮合重合物の製造方法に係り、さらに詳しくは、N−ア
ルキルピリジニウムホウ酸塩、又はN−アルキルピリジ
ニウムホウ酸塩とテトラアリールホウ酸塩とからなるア
ミド縮合触媒を用いて、多価アミンと多価カルボン酸の
混合物等を溶媒中で反応させるポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド等のアミド縮合物の製造方法や、
N−アルキルピリジニウムホウ酸塩、又はN−アルキル
ピリジニウムホウ酸塩とテトラアリールホウ酸塩を有効
成分とするアミド縮合用触媒や、新規なN−アルキルピ
リジニウムホウ酸塩化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド主鎖にアミド結合を有し、耐
摩擦性、弾性、耐薬品性、染色性に優れており繊維材料
として大量に使用され、また、機械的性質、耐摩耗性、
耐熱性、耐油性に優れ、摩擦係数が小さいため、種々の
機械部品や電機部品に使われる他、フィルムとしても使
用されている。ポリイミドは主鎖にイミド結合を有する
最も耐熱性に優れたプラスチックの一つであり、航空
機、輸送機器、電気・電子機器などにおいて信頼性が重
要視される部品に使用されている。ポリアミドイミドは
主鎖にアミド及びイミド結合を有し、加工性や耐磨耗性
に優れ、各種成形材料や電気絶縁用ワニスとして用いら
れている。これらポリアミド、ポリイミド、ポリアミド
イミドの製造法としては、例えば以下に示すように、様
々な方法が提案されている。
【0003】特開昭49−106597号公報には、珪
素、ゲルマニウム、錫及び鉛の各化合物の少なくとも1
種を重縮合触媒として、芳香族ジアミン及び芳香族ジカ
ルボン酸ジエステルを、あるいは芳香族アミノカルボン
酸エステルを無溶媒下に加熱して重縮合反応を行う高分
子量芳香族ポリアミドの製法が記載されている。
【0004】特開昭59−8728号公報には、芳香族
アミノカルボン酸および/または芳香族ジカルボン酸と
芳香族ジアミンとの混合物を極性溶媒中に於いて脱水触
媒の存在下に約160℃以上の温度で加熱重縮合反応せ
しめる芳香族ポリアミドの製造法が記載されている。
【0005】特開昭61−14219号公報には、多価
カルボン酸類から選ばれた1種又はそれ以上とジイソシ
アネート類の1種又はそれ以上とをアルカリ金属水酸化
物、アルカリ金属炭酸塩、及び/又はアルカリ金属炭酸
水素塩から選ばれた1種又はそれ以上の触媒存在下に反
応させるポリアミド及び/又はポリアミド酸の製造にお
いて、実質的にスルホレン及び/又はイソプロピルスル
フォラニルエーテルを含有しないスルホランを溶媒とし
て使用する高重合度化の容易なポリアミド及び/又はポ
リアミド酸の安定な製造法が記載されている。
【0006】特開平8−333450号公報には、特定
の芳香族ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物の
反応によりポリイミドを得る際に、水溶性エーテル化合
物、水溶性アルコール化合物、水溶性アミド化合物、水
溶性ケトン化合物、水から選ばれる2種以上の混合溶媒
中で反応を行いポリイミド前駆体とした後、熱的又は化
学的にイミド化する、残溶媒が少なく寸法安定性が良好
なポリイミドの製造方法が記載されている。
【0007】特開平8−302015号公報には、特定
の分子量を有し、かつ特定の構造単位からなる、広い沸
点範囲の有機溶剤に溶解し、その溶解度も高く、成形加
工性に優れ、軟化温度を有しながら耐熱性に優れた、ワ
ニス、成形品等に有用なポリイミドが記載されている。
【0008】特開平8−239470号公報には、特定
の芳香族ジアミンと特定の芳香族テトラカルボン酸二無
水物を反応させることにより、低い表面自由エネルギー
と高いガラス転移温度を有し、撥水撥油性でかつ耐熱性
のポリイミド樹脂の製造方法が記載されている。
【0009】特開昭57−133126号公報には、三
塩基性酸無水物およびジイソシアネート化合物を第3級
アミン触媒の存在下で重縮合反応させるに際し、反応を
スルホラン溶媒中で行うポリアミドイミドの製造方法が
記載されている。
【0010】特開昭62−297329号公報には、芳
香族トリカルボン酸および/または芳香族トリカルボン
酸無水物と芳香族ジアミンとを脱水触媒および溶媒の存
在下に加熱重縮合反応せしめて芳香族ポリアミドイミド
を製造する方法において、溶媒としてニトロベンゼン、
o−ニトロトルエン及びベンゾニトリルから成る群より
選ばれた化合物を用いる芳香族ポリアミドイミドの製造
方法が記載されている。
【0011】他方、本発明者らは、3,4,5−トリフ
ルオロフェニルホウ酸や3,5−ビス(トリフルオロメ
チル)フェニルホウ酸等の電子求引基をもつアリールホ
ウ酸が、カルボン酸とアミンのアミド縮合反応において
触媒となることを報告している(J.Org.Chem.1996,61,4
196-4197)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、加熱
による直接縮合反応により、カルボン酸とアミン、特に
多価カルボン酸と多価アミンから、高収率でかつ黒色へ
の変色を伴う等の副反応を併発することなく、反応後の
精製が容易なポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、特に直接重縮合反応で合成することが困難とされる
芳香族ポリアミド(アラミド)、芳香族ポリイミド、芳
香族ポリアミドイミドの製造方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記のように、本発明者
らはアリールホウ酸がカルボン酸とアミンのアミド縮合
反応において触媒となることを既に報告しているが、か
かるアリールホウ酸をポリアミド製造における触媒とし
て用いる重縮合反応の場合は、重縮合により生成するト
リマーやダイマーが溶けた状態にないと重合が進まない
ことから、重縮合反応系における溶媒の選択が重要であ
り、アリールホウ酸と適当な溶媒とを組合せ用いると、
加熱による直接重縮合反応により、ポリアミド、特に直
接重縮合反応で合成することが困難とされる芳香族ポリ
アミド(アラミド)を高収率で製造し得ることや、芳香
族ポリアミドの直接重縮合反応における反応温度を20
0℃以上で行う場合、溶媒としてペンタメチルベンゼン
やm−ターフェニル等の非極性芳香族性溶媒を用いる
と、黒色への変色を伴う副反応を併発することが無いこ
とを見い出している(PCT/JP00/0139
0)。
【0014】しかし、一般的にポリアミドはこれら非極
性芳香族性溶媒に難溶解性であり、そのため10〜30
%のN−メチルピロリジノン、クレゾール等の極性溶媒
を前記非極性芳香族性溶媒と混合してアミド化反応に使
用していた。そこで、生成するポリアミドの大部分が溶
解し、攪拌効率や重合度の向上が期待できるN−メチル
ピロリジノンやN−ブチルピロリジノン等の極性溶媒中
においてもアミド縮合重合反応活性を示す触媒について
鋭意研究した結果、アミド縮合触媒として、本発明者ら
が新たに合成した新規化合物N−メチル−4−ピリジニ
ウムホウ酸ヨウ化物単独使用、あるいは該N−メチル−
4−ピリジニウムホウ酸ヨウ化物と既知化合物であるナ
トリウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル)ボラートとを併用することにより、極性
溶媒と非極性溶媒との混合溶媒中ばかりでなく、極性溶
媒中においてもアミド化が効率よく進行することを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0015】すなわち本発明は、カルボン酸とアミン、
カルボン酸とアミンとアミノカルボン酸、又はアミノカ
ルボン酸を、縮合触媒及び溶媒の存在下に反応させるア
ミド縮合物の製造方法において、縮合触媒としてN−ア
ルキルピリジニウムホウ酸塩を用いることを特徴とする
アミド縮合物の製造方法(請求項1)や、カルボン酸と
アミン、カルボン酸とアミンとアミノカルボン酸、又は
アミノカルボン酸を、縮合触媒及び溶媒の存在下に反応
させるアミド縮合物の製造方法において、縮合触媒とし
てN−アルキルピリジニウムホウ酸塩とテトラアリール
ホウ酸塩、又はそれらの反応物を用いることを特徴とす
るアミド縮合物の製造方法(請求項2)や、N−アルキ
ルピリジニウムホウ酸塩が、N−アルキルピリジニウム
ホウ酸のハロゲン化物であることを特徴とする請求項1
又は2記載のアミド縮合物の製造方法(請求項3)や、
N−アルキルピリジニウムホウ酸塩が、N−メチルピリ
ジニウムホウ酸塩であることを特徴とする請求項1〜3
のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法(請求項4)
や、N−メチルピリジニウムホウ酸塩が、N−メチル−
4−ピリジニウムホウ酸ヨウ化物であることを特徴とす
る請求項4記載のアミド縮合物の製造方法(請求項5)
や、テトラアリールホウ酸塩が、テトラキス(3,5−
ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸塩である
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載のアミド
縮合物の製造方法(請求項6)や、テトラキス(3,5
−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸塩が、
テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ニル)ホウ酸のアルカリ金属塩又は銀塩であることを特
徴とする請求項6記載のアミド縮合物の製造方法(請求
項7)や、カルボン酸とアミンとがそれぞれ多価カルボ
ン酸と多価アミンであり、縮合物が縮合重合物であるこ
とを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のアミド縮
合物の製造方法(請求項8)や、縮合重合物が、ポリア
ミド、ポリイミド又はポリアミドイミドであることを特
徴とする請求項8記載のアミド縮合物の製造方法(請求
項9)や、多価カルボン酸と多価アミンが、芳香族ジカ
ルボン酸と芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸と脂肪
族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、又
は脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンのいずれかの組
合せからなり、縮合重合物がポリアミドであることを特
徴とする請求項8又は9記載のアミド縮合物の製造方法
(請求項10)や、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミ
ン、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミン、脂肪族ジカ
ルボン酸と芳香族ジアミン、又は脂肪族ジカルボン酸と
脂肪族ジアミンのいずれかの組合せが、芳香族ジカルボ
ン酸と芳香族ジアミンであることを特徴とする請求項1
0記載のアミド縮合物の製造方法(請求項11)や、芳
香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとが、テレフタル酸
とp−フェニレンジアミンであることを特徴とする請求
項11記載のアミド縮合物の製造方法(請求項12)
や、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、芳香族ジカ
ルボン酸と脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸と芳香
族ジアミン、又は脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミン
のいずれかの組合せが、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジ
アミンであることを特徴とする請求項10記載のアミド
縮合物の製造方法(請求項13)や、脂肪族ジカルボン
酸と脂肪族ジアミンとが、アジピン酸とヘキサメチレン
ジアミンであることを特徴とする請求項13記載のアミ
ド縮合物の製造方法(請求項14)や、多価カルボン酸
と多価アミンが、芳香族テトラカルボン酸と脂肪族ジア
ミンからなり、縮合重合物がポリイミドであることを特
徴とする請求項8又は9記載のアミド縮合物の製造方法
(請求項15)や、多価カルボン酸と多価アミンが、芳
香族トリカルボン酸と芳香族ジアミンからなり、縮合重
合物がポリアミドイミドであることを特徴とする請求項
8又は9記載のアミド縮合物の製造方法(請求項16)
や、溶媒が極性溶媒であることを特徴とする請求項1〜
16のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法(請求項
17)や、溶媒が、極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒
であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか記載
のアミド縮合物の製造方法(請求項18)や、極性溶媒
と非極性溶媒との混合溶媒として、極性溶媒が30〜5
0重量%混合されている混合溶媒を用いることを特徴と
する請求項18記載のアミド縮合物の製造方法(請求項
19)や、極性溶媒が、N−メチルピロリジノン、N−
ブチルピロリジノン、クレゾールから選ばれる1又は2
以上の溶媒であることを特徴とする請求項17〜19の
いずれか記載のアミド縮合物の製造方法(請求項20)
や、非極性溶媒が、トルエン、キシレン、メシチレン、
ペンタメチルベンゼン、m-ターフェニルから選ばれる
1又は2以上の溶媒であることを特徴とする請求項18
〜20のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法(請求
項21)や、反応が、脱酸素雰囲気下で行われることを
特徴とする請求項1〜21のいずれか記載のアミド縮合
物の製造方法(請求項22)や、反応が、アルゴン雰囲
気下で行われることを特徴とする請求項1〜22のいず
れか記載のアミド縮合物の製造方法(請求項23)や、
反応が、200〜300℃で行われることを特徴とする
請求項1〜23のいずれか記載のアミド縮合物の製造方
法(請求項24)や、反応が、150〜200℃で行わ
れることを特徴とする請求項1〜23のいずれか記載の
アミド縮合物の製造方法(請求項25)に関する。
【0016】また本発明は、N−アルキルピリジニウム
ホウ酸塩を有効成分として含有することを特徴とするア
ミド縮合用触媒(請求項26)や、N−アルキルピリジ
ニウムホウ酸塩とテトラアリールホウ酸塩、又はそれら
の反応物を有効成分として含有することを特徴とするア
ミド縮合用触媒(請求項27)や、N−アルキルピリジ
ニウムホウ酸塩が、N−アルキルピリジニウムホウ酸の
ハロゲン化物であることを特徴とする請求項26又は2
7記載のアミド縮合用触媒(請求項28)や、N−アル
キルピリジニウムホウ酸塩が、N−メチルピリジニウム
ホウ酸塩であることを特徴とする請求項26〜28のい
ずれか記載のアミド縮合用触媒(請求項29)や、N−
メチルピリジニウムホウ酸塩が、N−メチル−4−ピリ
ジニウムホウ酸ヨウ化物であることを特徴とする請求項
29記載のアミド縮合用触媒(請求項30)や、テトラ
アリールホウ酸塩が、テトラキス(3,5−ビス(トリ
フルオロメチル)フェニル)ホウ酸塩であることを特徴
とする請求項27〜30のいずれか記載のアミド縮合用
触媒(請求項31)や、テトラキス(3,5−ビス(ト
リフルオロメチル)フェニル)ホウ酸塩が、テトラキス
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ
酸のアルカリ金属塩又は銀塩であることを特徴とする請
求項31記載のアミド縮合用触媒(請求項32)や、一
般式(I)で表されることを特徴とするN−アルキルピ
リジニウムホウ酸塩(請求項33)
【化3】 (式中、RはC1〜4のアルキル基を示し、Xはハロゲ
ン元素を示す。)や、一般式[I]中におけるRがメチ
ル基であることを特徴とする請求項33記載のN−アル
キルピリジニウムホウ酸塩(請求項34)や、式[II]
で表されることを特徴とするN−メチル−4−ピリジニ
ウムホウ酸ヨウ化物(請求項35)
【化4】 に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のアミド縮合物の製造方法
は、カルボン酸とアミン、カルボン酸とアミンとアミノ
カルボン酸、又はアミノカルボン酸を、縮合触媒及び溶
媒の存在下に反応させるアミド縮合物の製造方法におい
て、縮合触媒としてN−アルキルピリジニウムホウ酸
塩、又はN−アルキルピリジニウムホウ酸塩とテトラア
リールホウ酸塩とを用いることを特徴とする。上記カル
ボン酸としては、1価のカルボン酸又は多価カルボン酸
を例示することができ、同様に上記アミンとしては1価
のアミン又は多価アミンを例示することができる。特
に、多価カルボン酸と多価アミン、多価カルボン酸と多
価アミンとアミノカルボン酸、又はアミノカルボン酸
を、本発明のアミド縮合触媒及び溶媒の存在下に反応さ
せることにより製造することができる縮合重合物として
は、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドを挙げ
ることができる。ポリアミドとしては、例えば芳香族ジ
カルボン酸と芳香族ジアミンから得られる芳香族アミン
(アラミド)、例えば脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジア
ミンから得られる脂肪族アミド、芳香族ジカルボン酸と
脂肪族ジアミンあるいは脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジ
アミンから得られるセミアロマチックタイプのポリアミ
ドを挙げることができる。
【0018】本発明において用いられる多価カルボン酸
としては、分子内に2以上のカルボキシル基を有するも
のであればどのようなものでのよく、ジカルボン酸とし
てはフマール酸、マロン酸、アジピン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ジフェ
ニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ピリジン−
2,6−ジカルボン酸等を、トリカルボン酸としてはブ
タン−1,2,4−トリカルボン酸、シクロヘキサン−
1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,4−
トリカルボン酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボ
ン酸等を、テトラカルボン酸としてはブタン−1,2,
3,4−テトラカルボン酸、シクロブタン−1,2,
3,4−テトラカルボン酸、ベンゼン−1,2,4,5
−テトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニ
ルエーテルテトラカルボン酸等をそれぞれ具体的に例示
することができる。そして、ポリアミドの製造にはジカ
ルボン酸が、ポリイミドの製造にはテトラカルボン酸
が、ポリアミドイミドの製造にはトリカルボン酸が通常
使用される。また、多価カルボン酸は、フマール酸やシ
クロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸などの脂肪
族多価カルボン酸とテレフタル酸などの芳香族多価カル
ボン酸に大別することができる。
【0019】本発明において用いられる多価アミンとし
ては、分子内に2以上のアミノ基を有するものであれば
どのようなものでのよく、ジアミンとしてはジアミノブ
タン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、m−キシリジンジアミン、p−フェニレ
ンジアミン、m−フェニレンジアミン、トルイレンジア
ミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル、4,4′−ジアミノビフェニル、
3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、
4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6−ジ
アミノナフタレン、4,4′−ビス(p−アミノフェノ
キシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビス(m−アミ
ノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビス
(p−アミノフェノキシ)ベンゾフェノフェン、4,
4′−ビス(m−アミノフェノキシ)ベンゾフェノフェ
ン、4,4′−ビス(p−アミノフェニルメルカプト)
ベンゾフェノン、4,4′−ビス(p−アミノフェニル
メルカプト)ジフェニルスルホン等を、トリアミンとし
ては、4,4′,4″−トリアミノトリフェニルメタ
ン、トリアムテレン等を具体的に例示することができ
る。また、多価アミンは、ヘキサメチレンジアミンなど
の脂肪族多価アミンとp−フェニレンジアミンなどの芳
香族多価アミンに大別することができる。
【0020】本発明において用いられるアミノカルボン
酸としては、分子内にカルボキシル基とアミノ基とを有
するものであればどのようなものでのよく、ω−アミノ
ウンデカン酸、アミノドデカン酸、p−アミノ安息香
酸、m−アミノ安息香酸、6−アミノナフタレン−2−
カルボン酸、4−(p−アミノフェノキシ)安息香酸、
3−(p−アミノフェノキシ)安息香酸、4−(m−ア
ミノフェノキシ)安息香酸、3−(m−アミノフェノキ
シ)安息香酸等を具体的に例示することができる。
【0021】本発明において用いられるアミド縮合触媒
としては、一般式[I](式中、RはC1〜4のアルキ
ル基を示し、Xはハロゲン元素を示す。)で表されるN
−アルキルピリジニウムホウ酸塩、あるいはN−アルキ
ルピリジニウムホウ酸塩とテトラアリールホウ酸塩とを
有効成分とし、多価カルボン酸と多価アミン等のカルボ
ン酸とアミン、多価カルボン酸と多価アミンとアミノカ
ルボン酸等のカルボン酸とアミンとアミノカルボン酸、
又はアミノカルボン酸を溶媒の存在下に重縮合等縮合さ
せる反応を触媒することができるものであれば特に制限
されるものではないが、アミド縮合触媒としてN−アル
キルピリジニウムホウ酸塩とテトラアリールホウ酸塩を
併用することや、N−アルキルピリジニウムホウ酸塩と
テトラアリールホウ酸塩との反応物を用いることが好ま
しい。
【0022】
【化5】
【0023】上記N−アルキルピリジニウムホウ酸塩と
しては、N−メチルピリジニウムホウ酸、N−エチルピ
リジニウムホウ酸、N−プロピルピリジニウムホウ酸、
N−n-ブチルピリジニウムホウ酸、又はN−t-ブチル
ピリジニウムホウ酸の、塩素化物、臭素化物又はヨウ素
化物等のハロゲン化物を挙げることができるが、N−4
−メチルピリジニウムホウ酸ハロゲン化物、N−3−メ
チルピリジニウムホウ酸ハロゲン化物が好ましく、中で
も式[II]で表されるN−メチル−4−ピリジニウムホ
ウ酸ヨウ化物を好適に例示することができる。かかるN
−メチル−4−ピリジニウムホウ酸ヨウ化物等のN−ア
ルキルピリジニウムホウ酸塩は、例えば、文献(M.Lamo
the;P.J.Pauweis;K.Belliard;P.Schambel;S.Halazy J.M
ed.Chem.1997,40,3542)記載の方法に準じて合成した4
−ピリジンホウ酸から、文献(Eggert,H.;Frederiksen,
J.;Morin,C.;Norrild,J.C. J.Org.Chem.1999,64,3846)
記載の方法に準じて、ホウ酸エステル類を合成し、これ
にハロゲン化アルカリを添加して加水分解することによ
り合成することができる。
【0024】
【化6】
【0025】上記テトラアリールホウ酸塩としては、テ
トラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル)ホウ酸のアルカリ金属塩又は銀塩を例示することが
でき、より具体的には、ナトリウムテトラキス(3,5
−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、カ
リウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル)ボラート等を挙げることができる。かか
るナトリウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロ
メチル)フェニル)ボラート等は、文献(Brookhart,
M.;Grant,B.;Volpe,A.F.Jr. Organometallics 1992,11,
3920)記載の方法に準じて合成することができる。ま
た、上記N−アルキルピリジニウムホウ酸塩とテトラア
リールホウ酸塩との反応物としては、以下に示すN−メ
チル−4−ピリジニウムホウ酸ヨウ化物とナトリウムテ
トラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル)ボレートとの反応式により得られる反応物を具体的
に示すことができる。
【0026】
【化7】
【0027】上記アミド縮合触媒を用いた本発明のアミ
ド縮合物の製造方法は、前記多価カルボン酸と多価アミ
ンをモノマーとする縮合重合物の製造に適用した場合特
に有利であり、かかる縮合重合物としては、芳香族ジカ
ルボン酸と芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸と脂肪
族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、又
は脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンのいずれかの組
合せを用いたポリアミド、例えば、テレフタル酸とp−
フェニレンジアミンを用いたアラミドや、アジピン酸と
ヘキサメチレンジアミンを用いたナイロン6,6や、芳
香族テトラカルボン酸と脂肪族ジアミンを用いたポリイ
ミドや、芳香族トリカルボン酸と芳香族ジアミンを用い
たポリアミドイミド等を例示することができる。
【0028】本発明のアミド縮合物の製造方法における
溶媒としては特に制限されるものではないが、極性溶媒
あるいは極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒を例示する
ことができ、極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒を用い
る場合、極性溶媒が30〜50重量%混合されている混
合溶媒を用いることが好ましい。上記極性溶媒として
は、N−メチル−2−ピロリジノン(N−メチル−2−
ピロリドン)、N−ブチル−2−ピロリジノン(N−ブ
チル−2−ピロリドン)、N−エチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−ピロリドン、クレゾール、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ジフェニルスルホン、ニトロベンゼン、ベンゾニト
リル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−
ブチロラクトン、フェノール等を例示することができ、
また、非極性溶媒としては、ペンタメチルベンゼン、m
−ターフェニル、キシレン、トルエン、メシチレン、ベ
ンゼン、エチルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピ
ルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリ
クロロベンゼン、ナフタレン、1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタレン(テトラリン)を例示することができ
る。
【0029】本発明のアミド縮合物の製造方法における
縮合反応は、脱酸素雰囲気下あるいはアルゴン雰囲気下
で行うことが好ましい。脱酸素雰囲気は不活性ガスの存
在下で反応を行うことにより達成することができる。ア
ルゴン雰囲気は、アルゴンを流下しながら縮合反応を行
うことが好ましく、反応中アルゴン雰囲気とすること
で、脱水と脱酸素雰囲気が同時に達成できる。芳香族多
価カルボン酸と芳香族多価アミンとを重縮合する重縮合
反応においては、攪拌下200〜300℃、好ましくは
300℃で行うことができ、他方、1価のカルボン酸と
1価のアミンとを縮合する縮合反応や、脂肪族多価カル
ボン酸と脂肪族多価アミンとを重縮合する重縮合反応に
おいては、攪拌下150〜200℃、好ましくは150
℃で行うことができる。これらの縮合反応によって得ら
れるアミドや、重縮合反応によって得られるポリアミ
ド,ポリイミド,ポリアミドイミドの精製は、従来公知
の方法で行うことができる。また、本発明によると、副
反応が生じていないことから、従来法に比してその精製
が非常に容易である。
【0030】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する
が、本発明の技術的範囲は、下記実施例により何ら制限
を受けるものではない。 実施例1(N−メチル−4−ピリジニウムホウ酸ヨウ化
物の合成) N−メチル−4−ピリジニウムホウ酸ヨウ化物を以下に
示す反応式により合成した。マグネティックスターラー
チップを装備した丸底フラスコ上に、水素化カルシウム
を入れたソックスレー管を設置する。このフラスコ中
で、前記文献(J.Med. Chem. 1997, 40, 3542)に従
い、n-ブチルリチウムと4−ピリジン臭素化物とから
4−ピリジンホウ酸を合成した。この4−ピリジンホウ
酸(1mmol、123.0mg)を無水ジオキサン
(5ml)中に分散させ、1当量のネオペンチルグリコ
ール(104.2mg)を加え、この混合物を3時間加
熱還流させた後、ジオキサンを濃縮除去することによっ
て、定量的に相当するホウ酸エステル(白色粉末、19
1mg)を得た。このホウ酸エステルのプロトンNMR
の結果を以下に示す。1H−NMR(300MHz、D
MSO−d6)、δ:0.944(s、6H、グリコー
ル上のメチル基)、3.762(s、4H、グリコール
上のメチレン)、7.549,7.554,7.56
3,7.568(dd、2H、ピリジン環上の2位)、
8.558,8.562,8.571,8.576(d
d、2H、ピリジン環上の3位)。
【0031】次に上記ホウ酸エステルを同じフラスコ中
でアセトニトリル(5ml)中に溶解させ、これに5当
量のヨウ化メチル(312μl)を加えた混合溶液を3
時間加熱還流させた。加熱後すぐに反応溶液は黄色にな
り、3時間後、アセトニトリルを濃縮除去し、残った黄
色の固形物をアセトン−水混合溶媒(9ml−1ml)
に溶解させ、この溶液を室温で一晩かき混ぜた。その後
アセトンを濃縮除去し、残った水溶液をエーテル(20
ml)で最低10回以上抽出した。このとき、TLCに
てグリコールが水相に残っていないかモニターしながら
行った。グリコールを抽出除去した後、水相を分取し、
水を濃縮除去して、残った黄色の固形物をメタノール
(2ml)に溶解させ、過剰のエーテルを加え、生成物
を分散させた。しばらく室温でかき混ぜた後、生成物は
ペーストとしてフラスコ壁に粘着するので、上澄みを除
去する操作を2回繰り返した後、生成物を真空中で乾燥
させることで、淡黄色の固形物を得た(185.5m
g、収率70%)。そのプロトンNMRの以下の結果か
ら、この淡黄色の固形物がN−メチル−4−ピリジニウ
ムホウ酸ヨウ化物であることを確認した。1H−NMR
(300MHz、DMSO−d6)、δ:4.214
(s、3H、メチル基)、7.48(br、2H、ピリ
ジン環上の2位)、8.55(br、2H、ピリジン環
上の3位)。
【0032】
【化8】
【0033】実施例2(アラミドの合成) 以下の反応式に示される重縮合反応によりアラミドを合
成した。イソフタル酸(2mmol、332.4m
g)、p−フェニレンジアミン(2mmol、216.
4mg)、ナトリウムテトラキス(3,5−ビス(トリ
フルオロメチル)フェニル)ボレート(0.24mmo
l、212.8mg)、N−メチル−4−ピリジニウム
ホウ酸ヨウ化物(0.2mmol、42.8mg)、N
−ブチル−2−ピロリジノン(2ml)の混合物をシュ
レンクに入れ、300℃で3日間攪拌した。その間、脱
水するためにアルゴンをゆっくり流し続けた(約20m
l/min)。反応終了後、室温まで冷却し、N−ブチ
ル−2−ピロリジノンを減圧蒸留することにより除去し
た。残留した固体にアセトン50mlを加えて濾過する
ことで粉末状のアラミドの粗生成物を得た。更に、この
粗生成物をメタノール(50ml)中で1時間加熱還流
した後、室温まで冷却し、濾過する操作を3回繰り返す
ことで精製した。最後に、減圧下100℃で1時間加熱
乾燥して目的とするアラミドを得た(469.9mg、
収率99%)。
【0034】
【化9】
【0035】
【発明の効果】本発明によると、加熱による直接重縮合
反応により、多価カルボン酸と多価アミン等から、高収
率でかつ黒色への変色を伴う等の副反応を併発すること
なく、反応後の精製が容易なポリアミド、ポリイミド、
ポリアミドイミド、特に直接重縮合反応で合成すること
が困難とされる芳香族ポリアミド(アラミド)芳香族ポ
リイミド、芳香族ポリアミドイミドを高収率で製造する
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 DC14 DC16 EA16 EA17 EA26 EA27 EA28 EA29 EB04 EB05 EB08 EB09 EB36 EB37 EB57 EC08 EC46 EE64A EE85D FA03 FB03 FC03 GA13 GB02 GB20 JB27 4J043 PA02 QB31 QB32 RA05 RA34 RA35 SA06 SA07 SB01 TA13 TA14 TB01 UA022 UA042 UA121 UA122 UA131 UA132 UA261 UA262 UB011 UB012 UB121 UB122 UB151 UB152 UB281 UB301 XA03 XA14 XA16 XA17 XA18 XA19 XA40 XB21 ZA27

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸とアミン、カルボン酸とアミ
    ンとアミノカルボン酸、又はアミノカルボン酸を、縮合
    触媒及び溶媒の存在下に反応させるアミド縮合物の製造
    方法において、縮合触媒としてN−アルキルピリジニウ
    ムホウ酸塩を用いることを特徴とするアミド縮合物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 カルボン酸とアミン、カルボン酸とアミ
    ンとアミノカルボン酸、又はアミノカルボン酸を、縮合
    触媒及び溶媒の存在下に反応させるアミド縮合物の製造
    方法において、縮合触媒としてN−アルキルピリジニウ
    ムホウ酸塩とテトラアリールホウ酸塩、又はそれらの反
    応物を用いることを特徴とするアミド縮合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 N−アルキルピリジニウムホウ酸塩が、
    N−アルキルピリジニウムホウ酸のハロゲン化物である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のアミド縮合物の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 N−アルキルピリジニウムホウ酸塩が、
    N−メチルピリジニウムホウ酸塩であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか記載のアミド縮合物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 N−メチルピリジニウムホウ酸塩が、N
    −メチル−4−ピリジニウムホウ酸ヨウ化物であること
    を特徴とする請求項4記載のアミド縮合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 テトラアリールホウ酸塩が、テトラキス
    (3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ
    酸塩であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか記
    載のアミド縮合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 テトラキス(3,5−ビス(トリフルオ
    ロメチル)フェニル)ホウ酸塩が、テトラキス(3,5
    −ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸のアル
    カリ金属塩又は銀塩であることを特徴とする請求項6記
    載のアミド縮合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 カルボン酸とアミンとがそれぞれ多価カ
    ルボン酸と多価アミンであり、縮合物が縮合重合物であ
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のアミ
    ド縮合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 縮合重合物が、ポリアミド、ポリイミド
    又はポリアミドイミドであることを特徴とする請求項8
    記載のアミド縮合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 多価カルボン酸と多価アミンが、芳香
    族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸
    と脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミ
    ン、又は脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンのいずれ
    かの組合せからなり、縮合重合物がポリアミドであるこ
    とを特徴とする請求項8又は9記載のアミド縮合物の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミ
    ン、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミン、脂肪族ジカ
    ルボン酸と芳香族ジアミン、又は脂肪族ジカルボン酸と
    脂肪族ジアミンのいずれかの組合せが、芳香族ジカルボ
    ン酸と芳香族ジアミンであることを特徴とする請求項1
    0記載のアミド縮合物の製造方法。
  12. 【請求項12】 芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミン
    とが、テレフタル酸とp−フェニレンジアミンであるこ
    とを特徴とする請求項11記載のアミド縮合物の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミ
    ン、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミン、脂肪族ジカ
    ルボン酸と芳香族ジアミン、又は脂肪族ジカルボン酸と
    脂肪族ジアミンのいずれかの組合せが、脂肪族ジカルボ
    ン酸と脂肪族ジアミンであることを特徴とする請求項1
    0記載のアミド縮合物の製造方法。
  14. 【請求項14】 脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミン
    とが、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンであること
    を特徴とする請求項13記載のアミド縮合物の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 多価カルボン酸と多価アミンが、芳香
    族テトラカルボン酸と脂肪族ジアミンからなり、縮合重
    合物がポリイミドであることを特徴とする請求項8又は
    9記載のアミド縮合物の製造方法。
  16. 【請求項16】 多価カルボン酸と多価アミンが、芳香
    族トリカルボン酸と芳香族ジアミンからなり、縮合重合
    物がポリアミドイミドであることを特徴とする請求項8
    又は9記載のアミド縮合物の製造方法。
  17. 【請求項17】 溶媒が極性溶媒であることを特徴とす
    る請求項1〜16のいずれか記載のアミド縮合物の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 溶媒が、極性溶媒と非極性溶媒との混
    合溶媒であることを特徴とする請求項1〜16のいずれ
    か記載のアミド縮合物の製造方法。
  19. 【請求項19】 極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒と
    して、極性溶媒が30〜50重量%混合されている混合
    溶媒を用いることを特徴とする請求項18記載のアミド
    縮合物の製造方法。
  20. 【請求項20】 極性溶媒が、N−メチルピロリジノ
    ン、N−ブチルピロリジノン、クレゾールから選ばれる
    1又は2以上の溶媒であることを特徴とする請求項17
    〜19のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。
  21. 【請求項21】 非極性溶媒が、トルエン、キシレン、
    メシチレン、ペンタメチルベンゼン、m-ターフェニル
    から選ばれる1又は2以上の溶媒であることを特徴とす
    る請求項18〜20のいずれか記載のアミド縮合物の製
    造方法。
  22. 【請求項22】 反応が、脱酸素雰囲気下で行われるこ
    とを特徴とする請求項1〜21のいずれか記載のアミド
    縮合物の製造方法。
  23. 【請求項23】 反応が、アルゴン雰囲気下で行われる
    ことを特徴とする請求項1〜22のいずれか記載のアミ
    ド縮合物の製造方法。
  24. 【請求項24】 反応が、200〜300℃で行われる
    ことを特徴とする請求項1〜23のいずれか記載のアミ
    ド縮合物の製造方法。
  25. 【請求項25】 反応が、150〜200℃で行われる
    ことを特徴とする請求項1〜23のいずれか記載のアミ
    ド縮合物の製造方法。
  26. 【請求項26】 N−アルキルピリジニウムホウ酸塩を
    有効成分として含有することを特徴とするアミド縮合用
    触媒。
  27. 【請求項27】 N−アルキルピリジニウムホウ酸塩と
    テトラアリールホウ酸塩、又はそれらの反応物を有効成
    分として含有することを特徴とするアミド縮合用触媒。
  28. 【請求項28】 N−アルキルピリジニウムホウ酸塩
    が、N−アルキルピリジニウムホウ酸のハロゲン化物で
    あることを特徴とする請求項26又は27記載のアミド
    縮合用触媒。
  29. 【請求項29】 N−アルキルピリジニウムホウ酸塩
    が、N−メチルピリジニウムホウ酸塩であることを特徴
    とする請求項26〜28のいずれか記載のアミド縮合用
    触媒。
  30. 【請求項30】 N−メチルピリジニウムホウ酸塩が、
    N−メチル−4−ピリジニウムホウ酸ヨウ化物であるこ
    とを特徴とする請求項29記載のアミド縮合用触媒。
  31. 【請求項31】 テトラアリールホウ酸塩が、テトラキ
    ス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホ
    ウ酸塩であることを特徴とする請求項27〜30のいず
    れか記載のアミド縮合用触媒。
  32. 【請求項32】 テトラキス(3,5−ビス(トリフル
    オロメチル)フェニル)ホウ酸塩が、テトラキス(3,
    5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸のア
    ルカリ金属塩又は銀塩であることを特徴とする請求項3
    1記載のアミド縮合用触媒。
  33. 【請求項33】 一般式(I)で表されることを特徴と
    するN−アルキルピリジニウムホウ酸塩。 【化1】 (式中、RはC1〜4のアルキル基を示し、Xはハロゲ
    ン元素を示す。)
  34. 【請求項34】 一般式[I]中におけるRがメチル基
    であることを特徴とする請求項33記載のN−アルキル
    ピリジニウムホウ酸塩。
  35. 【請求項35】 式[II]で表されることを特徴とする
    N−メチル−4−ピリジニウムホウ酸ヨウ化物。 【化2】
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