JP2001269833A - パイプのクランプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 卵形管を含む各種形状のパイプを所定の姿勢
で確実にクランプすることができるパイプのクランプ装
置を提供する。 【解決手段】 開閉手段によって開閉する一対のアーム
１３，１４と、該アーム１３ａ，１４ａの対向面にそれ
ぞれ着脱可能に装着されたチャック部材１６，１７とを
有し、該チャック部材は、一方が卵形管２０の大径部２
１を、他方が卵形管２０の小径部２２を保持するＶ字状
に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パイプのクランプ
装置に関し、詳しくは、各種パイプを所定位置にクラン
プするための装置であって、特に卵形管をスリーブ形成
装置に対して所定位置にクランプするのに適したクラン
プ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パイプ
端部に設けられるスリーブは、パイプをスリーブ台に固
定した状態で、所定温度に加熱されている管端開口にス
リーブ成形金型を挿入することによって形成されてい
る。スリーブ台は、上面がＶ字型に形成されたパイプ載
置部を有しており、断面が円形の通常のパイプは、この
Ｖ字部分に載置されることによって位置決めされる。

【０００３】しかしながら、卵形管の場合は、その断面
が卵形を有しているため、Ｖ字部分に単に載置しただけ
では位置決めを行うことが困難であり、軸芯ずれや軸角
度ずれ等の成形不良を引き起こす原因となっている。

【０００４】そこで本発明は、断面円形のパイプだけで
なく、卵形管を所定の姿勢で確実にクランプすることが
できるパイプのクランプ装置を提供することを目的とし
ている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のパイプのクランプ装置は、卵形管の端部に
スリーブを形成する工程で卵形管をスリーブ成形金型に
対して所定位置にクランプするための装置であって、開
閉手段によって開閉する一対のアームと、該アームの対
向面にそれぞれ着脱可能に装着されたチャック部材とを
有し、該チャック部材は、一方が前記卵形管の大径部
を、他方が卵形管の小径部を保持するＶ字状に形成され
ていることを特徴としている。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１は本発明のパイプのクランプ
装置の一形態例を示す正面図、図２は中径卵形管をクラ
ンプした状態を示す正面図、図３は大径卵形管をクラン
プした状態を示す正面図、図４はスリーブ成形装置の側
面図、図５はスリーブを形成した卵形管の断面側面図、
図６は通常の円形パイプをクランプした状態を示す正面
図である。

【０００７】このクランプ装置１０は、互いに噛み合う
歯車１１，１２にそれぞれ一体的に形成された一対のア
ーム１３，１４と、一方のアーム１３に取付けられたシ
リンダー１５と、両アーム１３，１４の対向面１３ａ，
１４ａにそれぞれ着脱可能に装着されるチャック部材１
６，１７とにより形成されている。

【０００８】アーム１３，１４は、開閉手段である前記
シリンダー１５を作動させてピストンロッド１５ａを伸
縮させることにより、歯車１１，１２をそれぞれの回動
中心として、図１に実線で示すクランプ位置と、想像線
で示す解放位置とに連動して開閉するように形成されて
いる。また、アーム１３，１４の対向面１３ａ，１４ａ
は、同一半径の円弧状に形成されており、クランプ位置
において、パイプ中心軸と同一高さとなる部分に、前記
チャック部材１６，１７を位置決めしながら固定するた
めのボルト１８を装着するボルト装着部がそれぞれ設け
られている。

【０００９】チャック部材１６，１７は、卵形管２０の
大径部２１を保持するための大径側チャック部材１６
と、小径部２２を保持するための小径側チャック部材１
７とを一組として使用するものであって、図１乃至図３
にそれぞれ示すように、卵形管２０のサイズ毎に準備さ
れている。このチャック部材１６，１７における卵形管
２０との当接面１６ａ，１６ｂ、１７ａ，１７ｂは、卵
形管２０の大径部２１及び小径部２２の曲率にそれぞれ
対応したＶ字状に形成されており、かつ、このＶ字部の
当接面同士（１６ａと１６ｂ、１７ａと１７ｂ）が、前
記ボルト装着部１９同士をパイプ中心軸を通って結ぶ線
に対して線対称になるように設けられており、この線上
に前記位置決め用のボルト１８に対応する位置決め用の
雌ネジが設けられている。

【００１０】このように形成されたクランプ装置１０
は、図４に示すように、スリーブ成形装置におけるパイ
プ保持台３０とスリーブ成形金型３１との間に設置され
る。パイプ保持台３０は、従来と同様に、パイプ（卵形
管２０）を載置するパイプ載置部３２とパイプ後端を支
持する支持板３３とを有しており、このパイプ載置部３
２やスリーブ成形金型３１は、スリーブを形成する各種
パイプに対応したものが用意されている。

【００１１】卵形管２０にスリーブを形成する際には、
まず、該卵形管２０に対応したチャック部材１６，１７
を両アーム１３，１４に装着するとともに、パイプ載置
部３２やスリーブ成形金型３１も所定のものをセットす
る。卵形管２０を略所定の姿勢でパイプ載置部３２に載
置した後、シリンダー１５を作動させてアーム１３，１
４をクランプ位置に回動させると、卵形管２０の姿勢が
所定の方向を向いていないときには、卵形管２０の外面
が両チャック部材１６，１７の各当接面１６ａ，１６
ｂ、１７ａ，１７ｂの全てに当接しない状態になるの
で、目視によって容易に確認することができる。

【００１２】また、各当接面１６ａ，１６ｂ、１７ａ，
１７ｂに摩擦係数の小さい部材を使用するとともに、こ
れらの配置角度を適当に設定しておくことにより、卵形
管２０の外面が適度に滑って卵形管２０を所定のクラン
プ位置に自動的に矯正することができる。これにより、
図５に示すように、所定のスリーブ２０ａを卵形管２０
の端部に形成することができる。

【００１３】さらに、図６に示すように、このクランプ
装置１０は、両アーム１３，１４に装着するチャック部
材を所定の径のパイプに対応した同一形状のチャック部
材２５，２５にすることにより、通常の円形パイプ、す
なわち、断面が円形の通常のパイプ２６をクランプする
こともできる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のパイプの
クランプ装置によれば、卵形管を所定の姿勢で確実にク
ランプすることができるので、管端部に形成するスリー
ブの寸法精度を向上させることができ、品質の向上や歩
留まりの向上を図ることができる。また、通常の円形パ
イプをクランプすることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のパイプのクランプ装置の一形態例を
示す正面図である。

【図２】 中径卵形管をクランプした状態を示す正面図
である。

【図３】 大径卵形管をクランプした状態を示す正面図
である。

【図４】 スリーブ成形装置の側面図である。

【図５】 スリーブを形成した卵形管の断面側面図であ
る。

【図６】 通常の円形パイプをクランプした状態を示す
正面図である。

【符号の説明】

１０…クランプ装置、１１，１２…歯車、１３，１４…
アーム、１３ａ，１４ａ…アームの対向面、１５…シリ
ンダー、１６，１７…チャック部材、２０…卵形管、２
１…大径部、２２…小径部、３０…パイプ保持台、３１
…スリーブ成形金型

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 卵形管の端部にスリーブを形成する工程
   で卵形管をスリーブ成形金型に対して所定位置にクラン
   プするための装置であって、開閉手段によって開閉する
   一対のアームと、該アームの対向面にそれぞれ着脱可能
   に装着されたチャック部材とを有し、該チャック部材
   は、一方が前記卵形管の大径部を、他方が卵形管の小径
   部を保持するＶ字状に形成されていることを特徴とする
   パイプのクランプ装置。