JP2001269713A - ステンレス鋼溶接管及びその製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼溶接管及びその製造方法

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JP2001269713A
JP2001269713A JP2000086477A JP2000086477A JP2001269713A JP 2001269713 A JP2001269713 A JP 2001269713A JP 2000086477 A JP2000086477 A JP 2000086477A JP 2000086477 A JP2000086477 A JP 2000086477A JP 2001269713 A JP2001269713 A JP 2001269713A
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pipe
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Takefumi Nakako
武文 仲子
Naomichi Mitsuyama
直道 密山
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接熱影響部における粒界腐食割れを抑制で
きる高強度ステンレス鋼溶接管及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 ステンレス鋼溶接管外表面の周方向の引
張残留応力を200MPa以下とする。溶接鋼管の板厚中央部
の周長よりも0.6〜2.5%広い幅の鋼帯を幅方向に曲げ成
形し、突き合わせ部を溶接した後、矯正ロールによって
所定の直径となるように絞り加工することで製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接熱影響部にお
ける粒界割れを抑制したステンレス鋼溶接管及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、特開平10-99595にてステ
ンレス鋼製物干し竿等の用途に好適な薄肉軽量のステン
レス鋼溶接管を開発した。このステンレス鋼溶接管は、
20〜95体積%のマルテンサイト相と残部が実質的にフェ
ライト相の複合組織をからなり、0.2%耐力が400MPa以
上の特性を有している。また、特公平6-77773号公報で
は、高強度のステンレス鋼帯を幅方向に曲げ成形し溶接
する薄肉金属管の製造法(ロールレスフォーミング法)
を開発した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記ステンレス鋼帯の
溶接においては、TIG溶接等を施しても溶接部及びその
近傍の溶接熱影響部(以下、Heat Affected Zone;HAZ
と称す)の強度(硬さ)や耐食性の劣化が小さいという
特徴がある。しかしながら、材料強度が高い場合にはス
テンレス鋼帯を幅方向に曲げ成形する際に高い残留応力
を生じるようになる。特に溶接管外表面に生じる周方向
の引張残留応力が高い場合に、腐食環境が厳しくなると
溶接管の母材部よりも耐食性の劣るHAZにおいて粒界の
腐食が進行し、そこを割れの起点として溶接管自体が割
れに至ることもあった。
【0004】そこで本発明の目的は、HAZにおける粒界
割れを抑制するステンレス鋼溶接管及びその製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
の発明、すなわち、フェライト相とマルテンサイト相の
複合組織からなるステンレス鋼溶接管において、該溶接
管外表面の周方向の引張残留応力を200MPa以下とするこ
とで達成される。
【0006】請求項2の発明は、前記ステンレス鋼溶接
管の製造において、目的とする直径の溶接管の板厚中央
部の周長よりも0.6〜2.5%広い幅の鋼帯を幅方向に曲げ
成形し、突き合わせ部を溶接した後、矯正ロールによっ
て所定の外径となるように絞り加工することを特徴とし
ている。
【0007】
【発明の実施の形態】ステンレス鋼帯を幅方向に曲げ成
形すると鋼帯外表面には周方向に引張応力が生じ、内表
面には周方向に圧縮応力が生じる。このとき生じた応力
は、溶接管においては残留応力として蓄積される。ま
た、曲げ成形の際には、鋼帯の内外表面から或る深さの
領域では塑性変形に伴って素材である金属帯の降伏応力
以上の応力が生じる。以上のような溶接管内外表面に蓄
積される残留応力は、ステンレス鋼帯の強度が高くなる
ほど大きくなる。
【0008】一方、ステンレス鋼帯にTIG溶接、プラズ
マ溶接、レーザー溶接等を施す場合には、溶接にともな
う熱履歴過程においてCr炭化物を生じることがある。Cr
炭化物を生じるとその周辺のCr固溶量が減少するので、
通常の環境では良好な耐食性を有していても、腐食環境
が厳しくなるにしたがって耐食性は低下する傾向にあ
る。
【0009】特に、溶接管の母材部よりも耐食性に劣る
HAZにおいて加速的に粒界の腐食が進行するが、この際
引張残留応力が作用すると粒界割れが発生する場合があ
る。しかし、材料面から強度或いはコスト等の特性を維
持した上でさらにこのようなHAZにおける粒界割れを完
全に抑制することは困難である。本発明者らはこのよう
な事情に鑑み、ステンレス鋼溶接管外表面の周方向の引
張応力を規制することにより厳しい腐食環境においても
HAZにおける粒界からの割れを抑制できることを見出し
た。
【0010】本発明において、ステンレス鋼溶接管外表
面の周方向の引張残留応力は、変形を生じさせないよう
に砥石等により溶接管を所定の長さに切断した後、図1
に示すように溶接管をその長手方向に平行に切り開い
て、切り開く前の外径D0と切り開いた後の外径Dより式
1により簡易的に求めることが出きる。
【0011】
【式1】
【0012】
【実施例1】鋼成分がC:0.065%,Si:0.50%,Mn:0.30
%,P:0.025%,S:0.001%,Ni:2.0%,Cr:16.3%,N:
0.010%,残部Fe及び不純物からなる約75体積%のマルテ
ンサイト相と約25体積%のフェライト相の複合組織から
なるステンレス鋼帯を幅方向に曲げ成形し、TIG溶接に
より溶接鋼管を製造した。得られた溶接鋼管の外表面の
残留応力を一旦消去するために管軸方向に1%程度の引張
塑性ひずみを付与した。
【0013】残留応力を消去した後、溶接鋼管の外表面
に150〜700MPaの範囲で周方向引張応力を付与した試験
材を作製した。引張応力の付与方法は図2に示すよう
に、溶接部から周方向にそれぞれ±90°の位置の直径を
小さくするように概略長円形状に断面を変形保持して行
った。引張応力の調整は溶接鋼管の偏平量を変えること
により式2から概算した。
【0014】
【式2】
【0015】引張応力を付与した試験材を腐食環境を再
現した複合サイクル試験に供した。複合サイクル試験と
して、5%NaClによる塩水噴霧−乾燥−湿潤を1サイクル
として34サイクルまで繰返した。図3の試験結果から、
溶接鋼管外表面の周方向の引張応力を200MPa以下とする
ことによりHAZにおける粒界からの割れを抑制できるこ
とがわかる。
【0016】
【実施例2】実施例1と同様の成分からなる約75体積%
のマルテンサイト相と約25体積%のフェライト相からな
る板厚0.35mmのステンレス鋼帯を図4のロールレスフォ
ーミング装置により幅方向に曲げ加工した後、突き合わ
せ部をTIG溶接し、矯正ロールによる絞り加工を施して
目標とする外径φ29.4mmの溶接鋼管を製造した。
【0017】矯正ロールによる絞り加工率Reは、鋼帯の
幅WS、溶接管の厚みt、製造された溶接鋼管の外径D0
ら式3により求めた。絞り加工率Reは鋼帯幅WSを変える
ことにより調整した。
【0018】
【式3】
【0019】矯正ロールは、鋼管円周方向に沿って左右
に2分割したロールを装着するNo.1スタンドと鋼管円周
方向に沿って上下に2分割したロールを装着するNo.2ス
タンドで構成されており、No.1スタンドとNo.2スタンド
での合計の絞り率が一定の条件下で残留応力が最も低く
なるような絞り率の配分とし、合計のリダクションを変
えて調査をした。比較のため鋼管円周方向に沿って4分
割したロールを装着する1スタンドのみで所定の絞り率
を付与する方法も実施した。矯正工程では前述の矯正ロ
ールスタンドの他に矯正ロールの位置を鋼管の進行方向
に垂直な面内で調整可能としたスタンドを追加し、又は
同様な機能を前記矯正ロールスタンドに付加して鋼管の
曲りも同時に矯正した。
【0020】式3より求めた矯正ロールによる絞り加工
率Reと、式1より求めた溶接管外表面の周方向の引張応
力σθの関係を図5に示している。この結果より0.6%以
上の絞り加工率を付与することで溶接管外表面の周方向
の引張残留応力を200MPa以下に抑制できることがわか
る。
【0021】しかしながら、2%を超える絞り加工率を付
与しても引張残留応力の低下は期待できない。また、絞
り加工率をさらに増加するとロールギャップへの材料の
噛み出し等により溶接管をロールで充分に拘束すること
が困難となり真円度が劣化するようになる。
【0022】
【発明の効果】ステンレス鋼溶接管外表面の周方向の残
留応力を規制することにより、HAZにおける粒界の割れ
を抑制することができるので、ステンレス鋼溶接管の用
途拡大に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接管外表面の周方向の引張残留応力の求め方
を示す図
【図2】溶接管外表面に引張応力を付与する概略図
【図3】溶接管外表面の周方向の引張残留応力と溶接熱
影響部における粒界割れ状況の関係を示す図
【図4】実施例で使用した溶接管の製造装置
【図5】溶接管の絞り加工率と残留応力の関係
【符号の説明】
1:アンコイラ 2:金属帯(鋼帯)
3:小径曲げロール 4:サイドロール 5:シームガイドロール 6:スクイズロール 7:溶接装置
8:溶接素管 9:オーバーベンドロール 10:引抜き装置
11:矯正ロール 12:走行切断装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト相とマルテンサイト相の複合
    組織からなるステンレス鋼溶接管において、該溶接管外
    表面の周方向の引張残留応力が200MPa以下であるステン
    レス鋼溶接管。
  2. 【請求項2】 ステンレス鋼溶接管の板厚中央部の周長
    よりも0.6〜2.5%広い幅の鋼帯を幅方向に曲げ成形し、
    突き合わせ部を溶接した後、矯正ロールによって所定の
    外径となるように絞り加工する請求項1記載のステンレ
    ス鋼溶接管の製造方法。
JP2000086477A 2000-03-27 2000-03-27 ステンレス鋼溶接管及びその製造方法 Withdrawn JP2001269713A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100460100C (zh) * 2004-02-05 2009-02-11 住友金属工业株式会社 冷加工无缝钢管
JP2013545616A (ja) * 2010-11-30 2013-12-26 大連三高集団有限公司 大径ストレートシーム溶接管生産ライン

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CN100460100C (zh) * 2004-02-05 2009-02-11 住友金属工业株式会社 冷加工无缝钢管
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