JP2001269137A - 低温ブライン溶液を利用した刺身の肉質改善方法及びその装置 - Google Patents

低温ブライン溶液を利用した刺身の肉質改善方法及びその装置

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JP2001269137A JP2001031045A JP2001031045A JP2001269137A JP 2001269137 A JP2001269137 A JP 2001269137A JP 2001031045 A JP2001031045 A JP 2001031045A JP 2001031045 A JP2001031045 A JP 2001031045A JP 2001269137 A JP2001269137 A JP 2001269137A
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sashimi
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    • A23BPRESERVING, e.g. BY CANNING, MEAT, FISH, EGGS, FRUIT, VEGETABLES, EDIBLE SEEDS; CHEMICAL RIPENING OF FRUIT OR VEGETABLES; THE PRESERVED, RIPENED, OR CANNED PRODUCTS
    • A23B4/00General methods for preserving meat, sausages, fish or fish products
    • A23B4/26Apparatus for preserving using liquids ; Methods therefor
    • A23B4/28Apparatus for preserving using liquids ; Methods therefor by injection of liquids
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 刺身の料理時点で人為的に肉質の収縮率を強
化させる物理的な手段を付与することにより、「弾力性
に富む歯ごたえ」という消費者の要求を充足させる肉質
改善方法及びその装置を提供すること。 【解決手段】 本発明は、入手した活魚7を冷却した低
温ブライン溶液4に直ちに入れて致死させることによ
り、同活魚7の筋肉の収縮が徐々に且つより強く行われ
るようにして、肉質の弾力性を一層上昇させることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温ブライン溶液
を利用した刺身の肉質改善方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】刺身の味の良し悪しにおいて、食べる人
が感じる五感の中で、刺身を噛むときに歯で感じる触感
(歯ごたえ)は決定的な影響を及ぼす。即ち、刺身を歯で
噛むとき、肉質が弾力性に富んでいてしこしこした歯ご
たえが感じられる魚種は、上級の刺身材料になって脚光
を浴びるが、逆に、肉質が軟らかくてしこしこした歯ご
たえが感じられない魚種は、下級の刺身材料になってし
まい脚光を浴びることがない。
【0003】例えば、前者の肉質の硬い代表的な魚種と
してはフグがあり、後者の肉質の軟らかい代表的な魚種
としてはブリやカタクシイワシ類がある。
【0004】一般に、刺身の材料として養殖産より天然
産を好む理由の一つは、養殖魚種は、閉鎖された養殖場
で運動量の少ない状態で成長するので、全体的に筋肉即
ち肉質の弾力性が乏しいが、逆に、天然魚種は、運動量
の多い状態で成長するので、肉質の弾力性が富んでいる
という点にある。
【0005】刺身の肉質の弾力性をより上昇させるため
の方法としては、出荷1ヶ月前に強制的に運動をやらせ
る方法や、飼料に筋肉収縮効果のある漢方薬剤を投入し
て人為的に肉質の弾力性を高める方法や、本出願人が韓
国特許第105933号に提案した電気刺激付与方式に
よる肉質収縮方法などが従来技術として知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法は、養殖方法及び処理方法を実現させるための経費や
施設費がかかるので、経済的な面で不利であるという短
所があった。
【0007】また、前記したように、刺身の味を左右す
る肉質の良し悪しは、食べる時の肉質の弾力性によって
決定される部分が大きいが、上記従来の方法では、上級
魚種や天然魚種に引けを取らない弾力のある食感とする
ことができなかった。
【0008】本発明は、かかる従来技術の短所を解決す
るためのものであり、その目的は、刺身の料理時点で人
為的に肉質の収縮率を強化させる物理的な手段を付与す
ることにより、「弾力性に富む歯ごたえ」という消費者
の要求を充足可能とした肉質改善方法及びその装置を提
供することにある。本発明者は、長期間に渡った研究開
発と実験を通じてその具体的な方法と結果を確認し、本
発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】刺身の味に最も大きい影
響を与える性質、即ち刺身を噛む時に感じられるしこし
こした歯ごたえは、魚種により大差があり、肉質の弾力
性に富む魚種であればあるほど上級刺身材料とされ商品
価値が高くなる。
【0010】刺身の肉質の弾力性はフグ類が極めて優れ
ており、ブリやサバ類などは極めて劣る。
【0011】魚種により決定されるしこしこした食感
は、該当魚種自体が有する固有の弾力性(background t
oughness)と、筋肉収縮による弾力性(actomyosin toug
hness)とに大別することができ、前記固有の弾力性(bac
kground toughness)は、活魚の場合、死後に鮮度の低
下とともに落ちる。
【0012】一方、筋肉収縮による弾力性(actomyosin
toughness)は、筋肉蛋白質のアクチン(actin)とミオ
シン(myosin)とが結合して複合体(actomyosin)が形成さ
れることにより発生し、弾力性が比較的長持ちするとい
う事実を確認した。
【0013】本出願人が既に特許取得した刺身の味を向
上させるための活魚の電気刺激致死方法(韓国特許第1
05933号)では、魚種により決定される固有の弾力
性(background toughness)はそのまま維持しながら、
電気刺激で筋肉の収縮を人為的に急激に行って複合体(a
ctomyosin)を生成させることにより、筋肉の収縮による
弾力性(actomyosin toughness)を持たせ、全体的に肉
質の弾力性をさらに上昇させて刺身の肉質を改善させる
方法を提案している。
【0014】本発明は、原理的には上記電気刺激致死方
法と類似しているが、本発明の特徴は、入手した活魚を
冷却した低温ブライン溶液に直ちに入れて致死させるこ
とにより、同活魚の筋肉の収縮が徐々に且つより強く行
われるようにし、肉質の弾力性を一層上昇させることに
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る肉質改善装置
Xの一実施例の斜視図であり、図2は同断面図である。
【0016】図1に示すように、本肉質改善装置Xは、
保温性部材よりなる筒体1を具備しており、同筒体1の
下半部Aには冷却装置6を配設し、上半部Bにはブライ
ン溶液4を入れる貯留室3を配設している。そして、前
記冷却装置6によって貯留室3内のブライン溶液4を冷
却し、低温化するようにしている。また、筒体1の上部
開口部には、開閉自在とした蓋2を配設している。
【0017】また、前記貯留室3の内部壁面には紫外線
殺菌灯5を付設しており、活魚7をブライン溶液4に一
定時間浸漬する間に、活魚7全体を殺菌するようにして
いる。従って、ビブリオ菌などの有害細菌を殺菌するこ
とができる。
【0018】上記肉質改善装置Xを使用する場合には、
貯留室3内の低温ブライン溶液4中に活魚7を一定時間
浸漬する。活魚7は、低温によって筋肉の収縮が徐々に
且つ強く行われて硬くなり、従来の頭部切断方式でなく
ても自然に致死する。
【0019】また、かかる筋肉収縮作用により魚7の肉
質の弾力性が上昇し、消費者が好むしこしこした肉質に
改善されるので、たとえ下級魚種や養殖魚種であっても
上級魚種や天然魚種と比べて少しも劣らない食感とする
ことができる。
【0020】なお、ブライン溶液4としては、塩水、塩
化カルシウム溶液、エチルアルコール溶液、プロピレン
グリコール(propylene glycol)溶液などの人体に無害
な水溶液を任意に選択することができ、さらには、それ
らの溶液を2種類以上混合して、同混合溶液をブライン
溶液4として使用することもできる。
【0021】このように、本発明は、活魚7を低温ブラ
イン溶液4に浸漬してその肉質全体を低温化し、同肉質
を弾力性のある肉質に改善する点に特徴を有する。そし
て、本発明によれば、肉質改善装置Xが、貯留室3と冷
却装置6とを保温材で囲繞したシンプルな構造であると
共に、ブライン溶液4も一般に使われているものを使用
することができるので、経費や施設費がかからず、刺身
の肉質改善を安価に行うことができ、経済的である。以
下、本発明を実施例に基づいて詳説する。
【0022】(実施例)本発明者が在職しているブキョ
ン大学(PUKYONG NATIONAL UNIVERSITY)内の水産科学
大学の水産加工学研修室では、刺身として人気の高い養
殖ヒラメ及び養殖ヨロイメバルを試料とし、同試料を低
温ブライン溶液4で浸漬致死させた後に肉質の弾力性を
測定して、表1に示す実験結果を得た。
【0023】なお、表1の実験結果は、飽和塩水とエチ
ルアルコールとプロピレングリコールとを1:1:1の
同比率で混合した50重量%混合溶液をブライン溶液4
として用い、−12.5℃に冷却した同ブライン溶液4
に活魚7を5分間浸漬したときのものである。
【0024】
【表1】
【0025】低温ブライン溶液4によって浸漬致死させ
たヒラメとヨロイメバルとは、両者ともに、即殺した場
合よりも肉質の弾力性が急激に上昇した。
【0026】つまり、冷却した低温ブライン溶液4で活
魚7を浸漬致死させた後に、肉質の弾力性を示す破壊強
度値を測定したところ、ヒラメは717±13gの値で
あって即殺法より約37重量%上昇し、ヨロイメバルは
760±10gであって即殺法より約30重量%上昇し
た。
【0027】上記の結果は、冷却した低温ブライン溶液
4に浸漬することによって活魚7を致死させたほうが、
同活魚7の筋肉の収縮を徐々に且つ強く行わせて、一層
肉質の弾力性を向上させることができることを証明して
いる。
【0028】実際に、上記浸漬処理を施した直後のヒラ
メとヨロイメバルとを刺身にしたところ、見た目にも新
鮮なままの状態であり、活魚7と比べても肉質に色彩変
化は生じておらず、しかも、食べたときの食感は弾力性
が増して歯ごたえがあり、上級魚種や天然魚種と比べて
少しも劣らない食感であった。
【0029】また、冷却した低温ブライン溶液4に入れ
て浸漬致死させた活魚7を、さらに、5℃で貯蔵しなが
ら肉質の弾力性を示す破壊強度値の変化を測定したとこ
ろ、表2に示す結果が得られた。
【0030】
【表2】
【0031】ヒラメとヨロイメバルの両者とも、貯蔵
1.5時間までは破壊強度値が低下しないが、貯蔵3時
間後には低下し、その後からは時間の経過とともに急激
に低下した。
【0032】上記の結果は、活魚7を冷却した低温ブラ
イン溶液4に入れて浸漬致死させた後に刺身材料に調理
した場合に、その後、1.5時間までは筋肉の収縮状態
を維持可能であることを証明している。
【0033】そして、表1の即殺方法による刺身の破壊
強度値と比べると、本方法を実施した刺身は、3時間が
経った後でも即殺方法を実施した直後の刺身の弾力性よ
りも高い弾力性を確保していることが確認された。
【0034】従って、調理直前に活魚7を冷却した低温
のブライン溶液4に入れ、浸漬致死させた後に刺身に調
理した場合は、その後、最低1時間〜3時間は弾力性に
富んだ肉質の刺身を食べることができることとなり、例
えば、本発明にかかる肉質改善装置Xを一般の魚屋や寿
司屋や料亭に備えた場合には、刺身料理の専門料理器具
として広く活用することができる。特に、本肉質改善装
置Xは、貯留室3と冷却装置6とを保温材で囲繞したシ
ンプルでコンパクトな形態であり場所をとらないので、
狭い場所であっても設置することができる。
【0035】なお、前記したように、表1、2に記載の
実験結果は、ブライン溶液4として50重量%混合溶液
を使用したときのものであるが、代わりに17重量%塩
水、若しくは20重量%塩化カルシウム溶液、若しくは
30重量%エチルアルコール溶液、若しくは50重量%
プロピレングリコール溶液をブライン溶液4として使用
し、同ブライン溶液4を−12.5℃に冷却して5分間
浸漬処理した場合にも、表1、2に記載の実験結果とほ
ぼ同様の実験結果が得られた。
【0036】また、以下の表3には、他実施例として、
上記したような実験をもとに得た本発明の処理条件を示
しており、ブライン溶液4として、前記塩水を用いた場
合、塩化カルシウム溶液を用いた場合、エチルアルコー
ル溶液を用いた場合、プロピレングリコール溶液を用い
た場合、飽和塩水とエチルアルコールとプロピレングリ
コールとを1:1:1の同比率で混合した混合溶液を用
いた場合の、それぞれの溶液の濃度と温度と浸漬時間の
最適値、最大値、最小値を記載している。
【0037】
【表3】
【0038】ブライン溶液4として塩水を使用する場合
には、同塩水の濃度を3〜19重量%とすると共に、温
度を−15〜−2℃とし、浸漬時間を5〜40分とす
る。特に、濃度17重量%、温度−12.5℃、浸漬時
間5分の条件下で処理することによって、最も食感の優
れた肉質とすることができる。
【0039】また、ブライン溶液4として塩化カルシウ
ム溶液を使用する場合には、同塩化カルシウム溶液の濃
度を5〜40重量%とすると共に、温度を−40〜−2
℃とし、浸漬時間を0.5〜40分とする。特に、濃度
20重量%、温度−12.5℃、浸漬時間5分の条件下
で処理することによって、最も食感の優れた肉質とする
ことができる。
【0040】また、ブライン溶液4としてエチルアルコ
ール溶液を使用する場合には、同エチルアルコール溶液
の濃度を10〜60重量%とすると共に、温度を−40
〜−2℃とし、浸漬時間を0.5〜40分とする。特
に、濃度30重量%、温度−12.5℃、浸漬時間5分
の条件下で処理することによって、最も食感の優れた肉
質とすることができる。
【0041】また、ブライン溶液4としてプロピレング
リコール溶液を使用する場合には、同プロピレングリコ
ール溶液の濃度を10〜90重量%とすると共に、温度
を−40〜−2℃とし、浸漬時間を0.5〜40分とす
る。特に、濃度50重量%、温度−12.5℃、浸漬時
間5分の条件下で処理することによって、最も食感の優
れた肉質とすることができる。
【0042】また、ブライン溶液4として、飽和塩水と
エチルアルコールとプロピレングリコールとを1:1:
1の同比率で混合した前記混合溶液を使用する場合に
は、同混合溶液の濃度を10〜100重量%とすると共
に、温度を−40〜−2℃とし、浸漬時間を0.5〜4
0分とする。特に、濃度50重量%、温度−12.5
℃、浸漬時間5分の条件下で処理することによって、最
も食感の優れた肉質とすることができる。
【0043】なお、飽和塩水とエチルアルコールとプロ
ピレングリコールとを1:1:1の同比率で混合した上
記混合溶液は冷却効率がよいので、同混合溶液をブライ
ン溶液4として使用すると、ブライン溶液4の冷却に要
する経費を節減することができる。さらに、同混合溶液
によれば、前記紫外線殺菌とも相俟って、活魚7の殺菌
率を向上させることができる。
【0044】ところで、前記した各ブライン溶液4の濃
度は、各ブライン溶液4が冷媒として効果的に機能する
範囲に設定しており、同濃度が前記濃度範囲を下回るほ
ど薄いと、ブライン溶液4を所定の温度に冷却するのに
時間がかかって効率よく活魚7を冷却することができ
ず、逆に濃度範囲を上回るほど濃いと、浸透圧作用によ
って活魚7から水分が脱水されてしまい、食感を損ねて
しまうおそれがある。そして、濃度を前記した最適値に
することによって、最も食感に優れた肉質とすることが
できる。
【0045】また、前記した各ブライン溶液4の温度
は、活魚7の筋肉が徐々に収縮して、肉質に適切な弾力
が生じる低温域に設定しており、同温度が前記温度範囲
を下回るほど低いと、弾力が増加しすぎて肉質が硬くな
り、食感が悪くなってしまい、逆に温度範囲を上回るほ
ど高いと、弾力の増加が小さすぎて食感が向上しない。
そして、温度を最適値である−12.5℃前後とするこ
とによって、上記した濃度調節とも相俟って、食感に優
れた肉質とすることができる。
【0046】また、前記した各ブライン溶液4への浸漬
時間は、活魚7に対して各ブライン溶液4が充分に働
き、活魚7が致死する範囲に設定しており、活魚7の大
きさや魚種により適切に調節するようにしている。従っ
て、活魚7が大きい場合は浸漬時間を長くし、活魚7が
小さい場倍は浸漬時間を短くするが、同浸漬時間が前記
範囲を下回るほど短いと、活魚7に対してブライン溶液
4が充分に働かず、活魚7を浸漬致死することができな
い。逆に、範囲を上回るほど長いと、浸透圧作用によっ
て魚7の水分が脱水されすぎてしまったり、魚7に過度
の食味が付加されて、食感や食味が悪くなってしまう。
【0047】通常の活魚7の場合、浸漬時間の最適値は
5分前後であり、かかる最適値とすることによって、上
記した濃度調節、温度調節とも相俟って、最も食感に優
れた肉質とすることができる。
【0048】このように、活魚7を低温ブライン溶液4
によって浸漬処理する場合に、ブライン溶液4の種類
や、同ブライン溶液4の濃度、温度、浸漬時間等の処理
条件を調節することにより、それぞれの処理条件の相乗
効果によって、魚7の肉質を最も食感に優れたものとす
ることができる。
【0049】
【発明の効果】(1)請求項1記載の本発明によれば、冷
却することにより低温とした低温ブライン溶液に調理前
の活魚を浸漬することにより致死させ、活魚の肉質筋肉
を全体的に収縮させることにより肉質の弾力性を上昇さ
せた後、刺身に調理するので、下級魚種や養殖魚種であ
っても上級魚種や天然魚種に引けを取らない弾力のある
食感とすることができ、刺身の食感を消費者の好み及び
需要に適応した食感に改善することができる。従って、
刺身の商品価値を一層高めることができる。また、本発
明は簡単な装置で実施できるので、経費や施設費がかか
らず、刺身の肉質改善を安価に行うことができ、経済的
である。
【0050】(2)請求項2記載の本発明によれば、塩水
を低温ブライン溶液としたので、人体に対して無害な低
温ブライン溶液とすることができ、安全に活魚を冷却す
ることができる。また、塩水の温度を−15℃〜−2℃
としたので、同塩水に浸漬する活魚の筋肉を徐々に収縮
させることができ、肉質に適切な弾力を付加することが
できる。従って、刺身の肉質を食感に優れた肉質とする
ことができる。また、塩水の濃度を3〜19重量%とし
たので、同塩水を冷媒として効果的に機能させることが
でき、短時間で効率よく活魚を冷却することができると
共に、浸透圧作用により活魚から水分が脱水されてしま
って食感を損ねてしまうことも防止できる。従って、刺
身の肉質を食感に優れた肉質とすることができる。
【0051】(3)請求項3記載の本発明によれば、塩化
カルシウム溶液を低温ブライン溶液としたので、人体に
対して無害な低温ブライン溶液とすることができ、安全
に活魚を冷却することができる。また、塩化カルシウム
溶液の温度を−40℃〜−2℃としたので、同塩化カル
シウム溶液に浸漬する活魚の筋肉を徐々に収縮させるこ
とができ、肉質に適切な弾力を付加することができる。
従って、刺身の肉質を食感に優れた肉質とすることがで
きる。また、塩化カルシウム溶液の濃度を5〜40重量
%としたので、同塩化カルシウム溶液を冷媒として効果
的に機能させることができ、短時間で効率よく活魚を冷
却することができると共に、浸透圧作用により活魚から
水分が脱水されてしまって食感を損ねてしまうことも防
止できる。従って、刺身の肉質を食感に優れた肉質とす
ることができる。
【0052】(4)請求項4記載の本発明によれば、エチ
ルアルコール溶液を低温ブライン溶液としたので、人体
に対して無害な低温ブライン溶液とすることができ、安
全に活魚を冷却することができる。また、エチルアルコ
ール溶液の温度を−40℃〜−2℃としたので、同エチ
ルアルコール溶液に浸漬する活魚の筋肉を徐々に収縮さ
せることができ、肉質に適切な弾力を付加することがで
きる。従って、刺身の肉質を食感に優れた肉質とするこ
とができる。また、エチルアルコール溶液の濃度を10
〜60重量%としたので、同エチルアルコール溶液を冷
媒として効果的に機能させることができ、短時間で効率
よく活魚を冷却することができると共に、浸透圧作用に
より活魚から水分が脱水されてしまって食感を損ねてし
まうことも防止できる。従って、刺身の肉質を食感に優
れた肉質とすることができる。
【0053】(5)請求項5記載の本発明によれば、プロ
ピレングリコール溶液を低温ブライン溶液としたので、
人体に対して無害な低温ブライン溶液とすることがで
き、安全に活魚を冷却することができる。また、プロピ
レングリコール溶液の温度を−40℃〜−2℃としたの
で、同プロピレングリコール溶液に浸漬する活魚の筋肉
を徐々に収縮させることができ、肉質に適切な弾力を付
加することができる。従って、刺身の肉質を食感に優れ
た肉質とすることができる。また、プロピレングリコー
ル溶液の濃度を10〜90重量%としたので、同プロピ
レングリコール溶液を冷媒として効果的に機能させるこ
とができ、短時間で効率よく活魚を冷却することができ
ると共に、浸透圧作用により活魚から水分が脱水されて
しまって食感を損ねてしまうことも防止できる。従っ
て、刺身の肉質を食感に優れた肉質とすることができ
る。
【0054】(6)請求項6記載の本発明によれば、塩水
と塩化カルシウムとエチルアルコールとプロピレングリ
コールとを2種類以上混合した混合溶液を低温ブライン
溶液としたので、人体に対して無害な低温ブライン溶液
とすることができ、安全に活魚を冷却することができ
る。
【0055】(7)請求項7記載の本発明によれば、混合
溶液の温度を−40℃〜−2℃としたので、混合溶液に
浸漬する活魚の筋肉を徐々に収縮させることができ、肉
質に適切な弾力を付加することができる。従って、刺身
の肉質を食感に優れた肉質とすることができる。
【0056】(8)請求項8記載の本発明によれば、塩水
とエチルアルコールとプロピレングリコールとを混合し
た混合溶液を低温ブライン溶液としたので、人体に対し
て無害な低温ブライン溶液とすることができ、安全に活
魚を冷却することができる。また、同混合溶液は冷却効
率がよいので、同混合溶液をブライン溶液として使用す
ると、ブライン溶液の冷却に要する経費を節減すること
ができる。さらに、同混合溶液によれば、前記紫外線殺
菌とも相俟って、活魚の殺菌率を向上させることができ
る。
【0057】(9)請求項9記載の本発明によれば、低温
ブライン溶液を利用した刺身の肉質改善方法を実施する
装置において、保温材で構成した筒体の下半部に冷却装
置を配設し、上半部にはブライン溶液を貯留した貯留室
を配設してブライン溶液を冷却すると共に、同貯留室の
一側に紫外線殺菌灯を付設し、致死される活魚の冷却と
殺菌とを同時に行うようにしているので、前記したよう
に刺身の食感を向上させることができるだけでなく、殺
菌によって刺身材料の安定性を確保することができ、消
費者に対して、おいしくしかも安全性に優れた刺身を提
供可能とすることができる。また、前記したように、本
装置は、貯留室と冷却装置とを保温材で囲繞したシンプ
ルでコンパクトな形態であり場所をとらないので、例え
ば、本発明を一般の魚屋や寿司屋や料亭に刺身料理の専
門料理器具として提供することができる。さらには、シ
ンプルな構造であると共に、ブライン溶液も一般に使わ
れているものを使用することができるので、経費や施設
費がかからず、刺身の肉質改善を安価に行うことがで
き、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る肉質改善装置の一実施例の斜視
図。
【図2】同断面図。
【符号の説明】
A 下半部 B 上半部 X 肉質改善装置 1 筒体 2 蓋 3 貯留室 4 ブライン溶液 5 紫外線殺菌灯 6 冷却装置 7 活魚(魚)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却することにより低温とした低温ブラ
    イン溶液(4)に調理前の活魚(7)を浸漬することにより
    致死させ、活魚(7)の肉質筋肉を全体的に収縮させるこ
    とにより肉質の弾力性を上昇させた後、刺身に調理する
    ことを特徴とする低温ブライン溶液を利用した刺身の肉
    質改善方法。
  2. 【請求項2】 低温ブライン溶液(4)は、温度−15℃
    〜−2℃、濃度3〜19重量%の塩水であることを特徴
    とする請求項1に記載の低温ブライン溶液を利用した刺
    身の肉質改善方法。
  3. 【請求項3】 低温ブライン溶液(4)は、温度−40℃
    〜−2℃、濃度5〜40重量%の塩化カルシウム溶液で
    あることを特徴とする請求項1に記載の低温ブライン溶
    液を利用した刺身の肉質改善方法。
  4. 【請求項4】 低温ブライン溶液(4)は、温度−40℃
    〜−2℃、濃度10〜60重量%のエチルアルコール溶
    液であることを特徴とする請求項1に記載の低温ブライ
    ン溶液を利用した刺身の肉質改善方法。
  5. 【請求項5】 低温ブライン溶液(4)は、温度−40℃
    〜−2℃、濃度10〜90重量%のプロピレングリコー
    ル溶液であることを特徴とする請求項1に記載の低温ブ
    ライン溶液を利用した刺身の肉質改善方法。
  6. 【請求項6】 低温ブライン溶液(4)は、塩水と塩化カ
    ルシウムとエチルアルコールとプロピレングリコールと
    を2種類以上混合した混合溶液であることを特徴とする
    請求項1に記載の低温ブライン溶液を利用した刺身の肉
    質改善方法。
  7. 【請求項7】 混合溶液は、温度が−40℃〜−2℃で
    あることを特徴とする請求項6に記載の低温ブライン溶
    液を利用した刺身の肉質改善方法。
  8. 【請求項8】 塩水とエチルアルコールとプロピレング
    リコールとを混合した混合溶液であることを特徴とする
    請求項6又は請求項7に記載の低温ブライン溶液を利用
    した刺身の肉質改善方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の低
    温ブライン溶液(4)を利用した刺身の肉質改善方法を実
    施する装置であって、保温材で構成した筒体(1)の下半
    部(A)に冷却装置(6)を配設し、上半部(B)にはブライ
    ン溶液(4)を貯留した貯留室(3)を配設してブライン溶
    液(4)を冷却すると共に、同貯留室(3)の一側に紫外線
    殺菌灯(5)を付設し、致死される活魚(7)の冷却と殺菌
    とを同時に行うようにしていることを特徴とする低温ブ
    ライン溶液を利用した刺身の肉質改善装置。
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