JP2001268689A - 電気音響変換器 - Google Patents

電気音響変換器

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JP2001268689A
JP2001268689A JP2000076821A JP2000076821A JP2001268689A JP 2001268689 A JP2001268689 A JP 2001268689A JP 2000076821 A JP2000076821 A JP 2000076821A JP 2000076821 A JP2000076821 A JP 2000076821A JP 2001268689 A JP2001268689 A JP 2001268689A
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shaft
ring
magnetic
yoke
pole piece
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Hiroyuki Daicho
啓之 大長
Motoharu Shimizu
元治 清水
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み立て寸法精度、工業生産効率のよい構造
の電気音響変換器用磁気回路を具備する電気音響変換器
を提供する。 【解決手段】 リング状ボンド磁石10とシャフト11と
を、インサート射出成形、またはインサート圧縮成形に
より、一体に固定してシャフト−磁石成形体12を形成す
る。このシャフト−磁石成形体12のシャフト11の一端11
a、他端11bを、ヨーク13、ポールピース14のそれぞれの
シャフト取付孔13a、14aに挿入してスポット溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロホン、ス
ピーカ、イヤホンまたはレシーバー等に用いられる電気
音響変換器に関し、特に小型、薄型形状の電気音響変換
器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりムービングコイル方式の電気音
響変換器が主流になっている。例えば代表的な電気音響
変換器であるムービングコイル方式のスピーカでは、永
久磁石とヨークとでボイスコイルの推力を発生させる磁
気空隙部を形成し、この磁気空隙部に振動系と結合され
たボイスコイルを可動自在に配置する。そして、ボイス
コイルに音声電流を流すことにより電磁誘導作用により
ボイスコイルを上下に振動させ、この振動に合わせてボ
イスコイルに結合された振動系を振動させて空間内に疎
密波を形成し、音声を得ている。
【0003】かかるムービングコイル方式のスピーカで
は、永久磁石とこの永久磁石を挟んで配置されるヨーク
とポールピースとで音声電流を流したボイスコイルを電
磁誘導により上下に振動させる磁気回路が構成される。
【0004】ところで、近年の永久磁石材料の目覚しい
磁気特性の向上とともに電気音響変換器の小型、薄型化
の要求が強くなってきている。このような小型、薄型化
の要求に応えるには電気音響変器用磁気回路を小型、薄
型形状にしたときの厳しい組み立て寸法精度を満足する
ことが必要である。
【0005】図4はリベットを用いて締結した従来のス
ピーカ用磁気回路を示している。互いに重なり合った永
久磁石31、ヨーク32およびポールピース33に孔部34を形
成し、それらの孔部34に挿通したリベット35を加締て、
これら三者を接合して一体化している。しかし、リベッ
ト35の上面と底面とのなす高さH’が大きくなり、薄肉
化の要求に応えることが困難である。さらに、リベット
35の加締時に永久磁石31が割れたり、あるいはポールピ
ース33およびヨーク32が変形するという問題を招来す
る。また、リベット35の加締前に予め永久磁石31、ヨー
ク32およびポールピース33の位置決めを行う必要があ
り、それらの位置決めに多くの工数を要するという問題
がある。
【0006】図5は接着して構成した従来のスピーカ用
磁気回路を示している。この磁気回路では、永久磁石41
とヨーク42との重なり箇所46、永久磁石41とポールピー
ス43との重なり箇所47とが、それぞれ接着剤で接合され
ている。しかし、この接着剤で接合する方式のスピーカ
用磁気回路は小型、薄型形状にしたときの組み立て寸法
精度が悪いという問題がある。さらに、磁気空隙G3に
接着剤がはみだしてボイスコイル(図示省略)の正常な
動作が妨げられたり、あるいは接着剤のはみ出しを抑え
るために接着剤の塗布量を少なくしすぎると接着不良を
招来するという問題がある。
【0007】特開平10-308996号公報は、リベットや接
着剤を使用することなく、永久磁石51、ヨーク52および
ポールピース53を接合する図6の構成を開示している。
図6に示す従来のスピーカ用磁気回路では、永久磁石51
とヨーク52、永久磁石51とポールピース53との接合面
に、それぞれ電気良導性の金属メッキ層が予め被覆さ
れ、この金属メッキ層同士を溶接することにより永久磁
石51とポールピース53、永久磁石51とヨーク52とを一体
に接合してスピーカ60を構成している。磁気空隙G4に
はボイスコイル58が配設され、ボイスコイル58に音声電
流を流すことにより電磁誘導作用によりボイスコイル58
を上下に振動させ、ボイスコイル58に結合された振動板
59を振動させて音声を発するようになっている。
【0008】このスピーカ60用の磁気回路の溶接時の位
置ズレを防止するために、図6(b)に示すように、ヨ
ーク52の凹部に磁気空隙G4に合わせた幅の環状の芯出
治具Aを配置し、この芯出治具A内に永久磁石51および
ポールピース53を入れて、両者の外輪郭線同士が一致す
るようにした状態でスポット溶接を行う位置決め作業を
行っている。
【0009】しかし、前記芯出治具の使用は工業生産効
率を顕著に低下せしめるものである。すなわち、例えば
電気音響変換器の組み立て自動化ラインを構築した場合
等では組み立て寸法精度および工業生産効率のよい構造
の電気音響変換器用磁気回路、特に小型、薄型形状のも
のが求められるが、前記図6の構造のものではそれらを
満足することが困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、組み立て寸法精度および工業生産効率のよい構
造の電気音響変換器用磁気回路を具備する電気音響変換
器、特に小型、薄型形状の電気音響変換器用磁気回路を
具備する電気音響変換器を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明は、シャフトと、前記シャフトまわりに固定されたリ
ング状ボンド磁石と、前記シャフトまわりに配置され、
前記リング状ボンド磁石を挟んで配置されたリング状の
ポールピースおよびヨークからなる電気音響変換器用磁
気回路を備えた電気音響変換器であって、前記電気音響
変換器用磁気回路を構成するリング状ボンド磁石および
シャフトが、前記のリング状ボンド磁石とシャフトとの
インサート射出成形またはインサート圧縮成形により一
体に固定され、前記のシャフトおよびポールピース、前
記のシャフトおよびヨークがそれぞれ溶接されている電
気音響変換機器である。
【0012】この電気音響変換機器の磁気回路の磁気空
隙の周方向における間隔ばらつきは小型、薄型形状にし
たときでも非常に小さく抑えられているので安定した出
力が得られる。また、組み立て性に優れているので工業
生産効率の向上に寄与するものである。
【0013】前記電気音響変換器用磁気回路を構成する
シャフトおよびポールピース、シャフトおよびヨークを
それぞれスポット溶接すれば、溶接部が盛り上がって前
記高さHが増大することが抑えられるので薄型化に好適
であり、組み立て性も向上する。また、前記磁気回路を
構成する部品が小寸法になってもシャフトを基準軸にし
て組み立て寸法精度のよい磁気回路を効率よく組み立て
られるので小型化に適している。
【0014】よって、磁気空隙間隔の周方向におけるば
らつきを後述の偏芯度で評価したとき、偏芯度0.10mm以
下を保持しつつ、前記磁気回路を構成するヨークの突出
部外径Dを、好ましくは15mm以下、より好ましくは3〜
15mm、特に好ましくは3〜9mmにすることができる。ま
た、前記ポールピースの上面と前記ヨークの突出部底面
とのなす高さHを、好ましくは3mm以下、より好ましく
は1〜3mm、特に好ましくは1〜2mmにすることができ
る。
【0015】本発明に用いるリング状ボンド磁石の外径
は、好ましくは8mm以下、より好ましくは2〜8mm、特
に好ましくは2〜7mmである。また、リング状ボンド磁
石の厚みは、1mm以下が好ましく、0.1〜1mmがより好
ましく、0.1〜0.8mmが特に好ましい。
【0016】また本発明に用いるポールピースおよびヨ
ーク(いずれも強磁性体製)の厚みは、好ましくは1mm
以下、より好ましくは0.1〜0.6mm、特に好ましくは0.1
〜0.5mmである。
【0017】前記リング状ボンド磁石を構成する磁粉お
よびバインダーとして公知の永久磁石材料粉末およびバ
インダーを用いることができる。また、前記リング状ボ
ンド磁石はシャフトとのインサート射出成形またはイン
サート圧縮成形により形成され、等方性または異方性に
することは任意である。
【0018】そのうち、平均結晶粒径が0.01〜0.5μmで
ありかつR214B型金属間化合物(RはYを含む希土
類元素の少なくとも1種でありNd,Dy,Prの少な
くとも1種を必ず含み、TはFeまたはFeとCoであ
る)を主相とする平均粉末粒径が1〜1000μmのR−T
−B系磁石粉末と結着樹脂とから実質的に構成される等
方性または異方性のR−T−B系リング状ボンド磁石が
有用である。
【0019】また、Th2Zn17型および/またはTh2
Ni17型の硬質磁性相を主相とする平均粉末粒径が1〜
300μmのR−T−N系磁石粉末(RはYを含む希土類元
素の少なくとも1種でありSmを必ず含み、TはFeま
たはFeとCoである)と結着樹脂とから実質的に構成
される等方性または異方性のR−T−N系リング状窒化
ボンド磁石が有用である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面および実施例により本
発明を説明するがそれらにより本発明が限定されるもの
ではない。
【0021】図1は本発明のスピーカの一例を示す要部
断面図であり、図2は磁気空隙G1の周方向の間隔ばら
つきおよび磁束密度分布ばらつきの測定要領を説明する
平面図である。
【0022】図1のスピーカ20を構成する磁気回路25
は、偏平なリング状ボンド磁石10とこのリング状ボンド
磁石10と予め一体固定された非磁性体製のシャフト11と
からなるシャフト−磁石成形体12、強磁性体製のヨーク
13およびポールピース14から構成されている。シャフト
−磁石成形体12の固着はインサート射出成形あるいはイ
ンサート圧縮成形により行う。シャフト−磁石成形体12
のシャフトの一端11aは、ヨーク13のセンター位置に設
けたシャフト取付孔13aに差し込まれ、他端11bは、ポー
ルピース14のセンター位置に設けたシャフト取付孔14a
に差し込まれている。
【0023】シャフト11は、図1に示すように、その一
端11a、他端11bが、シャフト−磁石成形体12のリング状
ボンド磁石10の両側にヨーク13およびポールピース14を
密着した状態で、ヨーク13の底面13b、ポールピース14
の上面14b面より端面が内部に入るように形成されてい
る。ヨーク13のシャフト取付孔13a、ポールピース14の
シャフト取付孔14aのそれぞれの開口部はシャフト11の
端面に向けて面取りがされてテーパ部13c、14cが形成さ
れている。またシャフト11の一端11aとヨーク13、他端1
1bとポールピース14とが、スポット溶接されている。15
a、15bはスポット溶接部である。
【0024】このようにして一体固定されたシャフト−
磁石成形体12、ヨーク13およびポールピース14により、
リング状の磁気空隙G1が形成される。磁気空隙G1を
通る閉磁路Φを模式的に示している。この磁気空隙G1
にリング状に形成したボイスコイル16が磁気空隙G1の
極力中心位置になるように同心円状に配設されている。
ボイスコイル16には振動板17が結合されており、音声電
流を流すことにより、電磁誘導作用によりボイスコイル
16が上下に駆動する結果振動板17が振動し、この振動が
空間内に疎密波を形成して音声として聞こえるようにな
っている。
【0025】磁気回路25の組み立て工順を図3により説
明する。図3に示すように、予めセンター位置にシャフ
ト取付孔14aを設けたポールピース14と、インサート射
出成形あるいはインサート圧縮成形により一体に固定さ
れたシャフト−磁石成形体12と、センター位置にシャフ
ト取付孔13aを設けたヨーク13とを組み付ける。組み付
けはまずシャフト11の一端11aをシャフト取付孔13aに挿
通し、他端11bをシャフト取付孔14aに挿通する。続いて
両挿通部をスポット溶接して接合する。
【0026】リング状ボンド磁石10の内径寸法よりもス
ポット溶接機の電極先端部18、18の外径寸法を大きくし
てあるので、スポット溶接によりシャフト11の外径部と
ポールピース14の内径部、シャフト11の外径部とヨーク
13の内径部とがスポット溶接される。スポット溶接の利
点は溶接部15a、15bが盛り上がらないことであり、薄型
化に好適である。
【0027】なお、シャフト11の端面11aとヨーク13の
テーパ部13c、シャフト11の端面11bとポールピース14の
テーパ部14cとをそれぞれスポット溶接以外の公知の溶
接手段により溶接した場合は、薄型化の要求に応えるた
めに、盛り上がった溶接部(図示省略)がポールピース
14の上面14bあるいはヨーク13の底面13bよりはみ出ない
ようにする。 (実施例1)マク゛ネクエンチインターナショナル社製の異方性ボンド磁
石用のNd−Fe−B系磁石粉末(商品名:MQA-T材)
を用いて表1の配合で混合し、Ar雰囲気で所定の混練
機により混練してコンパウンドを得た。次に、所定の圧
縮成形用金型のキャビティの中心にシャフト(S45C製)
をセット後、磁場中で加熱しながら圧縮成形後、冷却固
化して一体固定したシャフトーリング状ボンド磁石成形
体(このリング状ボンド磁石は、外径6.5mm、内径2mm
、厚み0.7mm)を得た。
【0028】次に、図3に示す要領で、前記シャフトー
リング状ボンド磁石成形体の両側に、ポールピース(S4
5C製で外径7.1mm、内径2mm、厚み0.45mm)およびヨー
ク(S45C製で突出部の内径2mm、厚み0.45mm)を密着し
た。続いてスポット溶接を行った、この組み立て作業は
簡便で効率のよいものであった。次に、所定の着磁装置
を用いてリング状ボンド磁石に着磁を施した。こうして
得られたスピーカ用磁気回路は、突出部外径Dが9mm、
高さHが1.6mmという小型、薄型のものであった。
【0029】次に、作製した20個のスピーカ用磁気回路
について、磁気空隙間隔(図2のdG1に相当)および
磁束密度分布の周方向ばらつきを以下のようにして評価
した。まず、図2に示すように、1つのスピーカ用磁気
回路において、ヨーク13の突出部の中心点Oから半径方
向に直線を引き、内径面13dと交差する位置P1を決定
した。次に、位置P1から中心角θが90度、180度、270
度である内径面13d上の位置P2、P3およびP4を決
定した。
【0030】続いて、P1〜P4の磁気空隙間隔を測定
後、得られた測定値の最大値および最小値から、磁気空
隙間隔の周方向のばらつき(磁気空隙の偏芯度)を下記
式で定義した。同様にして20個のスピーカ用磁気回路に
ついて求めた磁気空隙の偏芯度の平均値を表1に示す。
【0031】(磁気空隙の偏芯度)=(磁気空隙間隔:
最大値)−(磁気空隙間隔:最小値) 続いて、位置P1〜P4における空隙磁束密度を測定
後、得られた測定値の最大値および最小値から、下記式
により磁気空隙磁束密度分布の周方向ばらつきを定義し
た。同様にして20個のスピーカ用磁気回路について求め
た空隙磁束密度分布のばらつきの平均値を表1に示す。
【0032】(空隙磁束密度分布のばらつき)=(空隙
磁束密度の最大値−空隙磁束密度の最小値)÷(空隙磁
束密度の最小値)×100(%) 次に、前記スピーカ用磁気回路を組み込んで図1のスピ
ーカ20を作製後、実用に供したところ、十分に実用に耐
えることがわかった。
【0033】
【表1】 (実施例2)主要成分組成が原子%でSm9.1Fe77.3
13.6 であり、平均粉末粒径が2μmのSmFeN系
窒化磁粉を用いて表1の条件で配合後、混練してコンパ
ウンドを作製した。
【0034】次に、所定の射出成形用金型のキャビティ
の中心にシャフト(S45C製)をセット後、磁場中で加熱
しながら射出成形後、冷却固化して、一体固定したシャ
フトーリング状ボンド磁石成形体(リング状ボンド磁石
の外径6.5mm、内径2mm 、厚み0.7mm)を得た。
【0035】以降は実施例1と同様にしてスピーカ用磁
気回路を作製した。このスピーカ用磁気回路は実施例1
と同様に組み立て性が良好であり、かつ小型、薄型のも
のであった。このスピーカ用磁気回路の偏芯度、空隙磁
束密度分布のばらつきを実施例1と同様にして測定し
た。結果を表1に示す。 (実施例3)主要成分組成が原子%でSm9.1Fe77.3
13.6 でありかつ平均粉末粒径が2μmのSmFeN
系窒化磁粉および平均粉末粒径が1.1μmの異方性ボンド
磁石用Srフェライト磁粉を用いて、表1の条件で配合
後、混練してハイブリッド型のコンパウンドを作製し
た。
【0036】以降は実施例1と同様にしてハイブリッド
型のシャフトーリング状ボンド磁石成形体(リング状ボ
ンド磁石の外径6.5mm、内径2mm 、厚み0.7mm)を得た
後、これを組み込んでスピーカ用磁気回路を作製した。
このスピーカ用磁気回路は実施例1と同様に組み立て性
が良好であり、かつ小型、薄型のものであった。このス
ピーカ用磁気回路の偏芯度、空隙磁束密度分布のばらつ
きを実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示
す。
【0037】なお、R−T−N系磁粉とハードフェライ
ト磁粉とを配合して用いる場合は、焼結フェライト磁石
と同等以上の磁気特性を実現するために、(R−T−N
系磁粉):(ハードフェライト磁粉)=30重量部以上10
0重量部未満:70重量部以下(0を含まず)とすること
が好ましい。 (比較例1)実施例1のリング状ボンド磁石に替えて、
実施例1のリング状ボンド磁石と同一形状のNdDyF
eB系焼結リング磁石を作製した。次に、このリング磁
石を用いて、図5の従来のスピーカ用磁気回路50を作製
した。なお、シャフト48、ヨーク42およびポールピース
43は実施例1と同様のものを用いた。これらの小型、薄
型形状の磁気回路用部品同士を接着するので組み立て性
が非常に悪かった。作製したスピーカ用磁気回路の偏芯
度、空隙磁束密度分布のばらつきを実施例1と同様にし
て測定した。結果を表1に示す。
【0038】表1より、比較例1に比べて、上記実施例
で作製したスピーカ用磁気回路はいずれも偏芯度および
磁気空隙磁束密度分布のばらつきが小さく、組み立て性
に優れていることがわかる。
【0039】上記実施例ではリング状ボンド磁石が異方
性の場合を記載したが、上記実施例の成形時に磁場を印
加しなければ等方性のリング状ボンド磁石が得られる。
【0040】また、本発明に用いるリング状ボンド磁石
を構成する磁粉とバインダーとの比率は特に限定されな
いが、成形性、磁気特性および強度の点から、リング状
ボンド磁石の密度を、好ましくは4.0〜6.5M g/m3(g/cm
3)、より好ましくは4.5〜6M g/m3(g/cm3)になるよ
うに適宜調整する。
【0041】また、本発明に用いるリング状ボンド磁石
の強度、成形性および耐酸化性を高めるために、公知の
潤滑剤、充填剤または酸化防止剤を合計で2重量%以下
添加してもよい。
【0042】また、耐食性を向上するために、リング状
ボンド磁石の表面に平均膜厚で0.5〜10μmの耐食性被膜
(エポキシ樹脂塗装等)を施して耐食性を高めることが
好ましい。耐食性被膜の平均膜厚が0.5μm未満では耐食
性が高められず、10μm超では耐食性の付与効果が飽和
する。
【0043】上記実施例では電気音響変換器がスピーカ
の場合を記載したが、本発明はこれに限定されず、上記
実施例の磁気回路を具備する小型、薄型形状のマイクロ
ホン、イヤホンまたはレシーバーは有用である。
【0044】
【発明の効果】以上記述の通り、本発明によれば、組み
立て寸法精度および工業生産効率のよい構造の電気音響
変換器用磁気回路を具備する電気音響変換器、特に小
型、薄型形状の電気音響変換器用磁気回路を具備する電
気音響変換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカの一例を示す要部断面図であ
る。
【図2】図1のスピーカにおける磁気空隙の周方向にお
ける間隔ばらつきおよび磁束密度分布ばらつきの測定要
領を説明する図である。
【図3】本発明に用いるスピーカ用磁気回路の組み立て
工順の一例を示す図である。
【図4】従来の磁気回路を示す断面図である。
【図5】従来の磁気回路を示す断面図である。
【図6】(a)は従来のスピーカを示す断面図であり、
(b)は組み立て用芯出治具の使用状況を説明する図で
ある。
【符号の説明】
10 リング状ボンド磁石 11 シャフト 12 シャフト−磁石成形体 13 ヨーク 13c,14c テーパ部 14 ポールピース 15a,15b スポット溶接部 16 ボイスコイル 17 振動板 20 スピーカ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトと、前記シャフトまわりに固定
    されたリング状ボンド磁石と、前記シャフトまわりに配
    置され、前記リング状ボンド磁石を挟んで配置されたリ
    ング状のポールピースおよびヨークからなる電気音響変
    換器用磁気回路を備えた電気音響変換器であって、 前記電気音響変換器用磁気回路を構成する前記リング状
    ボンド磁石および前記シャフトが、前記リング状ボンド
    磁石と前記シャフトとのインサート射出成形またはイン
    サート圧縮成形により一体に固定され、 前記シャフトおよび前記ポールピース、前記シャフトお
    よび前記ヨークがそれぞれ溶接されていることを特徴と
    する電気音響変換器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気音響変換器におい
    て、 前記電気音響変換器用磁気回路を構成する前記シャフト
    および前記ポールピース、前記シャフトおよび前記ヨー
    クがそれぞれスポット溶接されており、かつ前記ヨーク
    の突出部外径Dが15mm以下、前記ポールピースの上面と
    前記ヨークの突出部底面とのなす高さHが3mm以下であ
    ることを特徴とする電気音響変換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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