JP2001267817A - 誘電体同軸共振器およびストリップ線路共振器 - Google Patents

誘電体同軸共振器およびストリップ線路共振器

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JP2001267817A
JP2001267817A JP2000081225A JP2000081225A JP2001267817A JP 2001267817 A JP2001267817 A JP 2001267817A JP 2000081225 A JP2000081225 A JP 2000081225A JP 2000081225 A JP2000081225 A JP 2000081225A JP 2001267817 A JP2001267817 A JP 2001267817A
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JP
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dielectric
resonator
hole
conductor
dielectric constant
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JP2000081225A
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English (en)
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Michiaki Matsuo
道明 松尾
Hiroyuki Yabuki
博幸 矢吹
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、低損失で量産性に優れた共振器、小型
で低損失な特性を有するフィルタおよび小型で低位相雑
音特性を有する発振器の提供を目的とする。 【解決手段】 直方体状の誘電体ブロック101を貫通
する貫通穴102を形成し、貫通穴102が開口する面
を除く外表面と貫通穴102の内表面に外導体103と
内導体104を電極形成し、前記貫通穴が開口するの一
方の端面において外導体103と内導体104を接続す
る短絡導体105を設けた同軸型構造の誘電体共振器に
おいて、誘電体ブロック101の誘電率を貫通穴102
の方向に対して短絡導体105側の誘電率が低くなるよ
うに変化させることにより、貫通穴の径を一定としなが
ら共振器長が短縮でき、小型かつ低損失で量産性に優れ
た共振器が構成される。また、前記共振器を用いてフィ
ルタまたは発振器が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、UHF帯からマイ
クロ波帯の高周波領域で用いられる共振器、およびこれ
を用いて構成されるフィルタ、発振器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信の分野では小型で低コ
ストな携帯端末の開発が盛んに行われている。端末の小
型化を達成するには無線部回路の小型化が必須であり、
無線部の中でも特に大きな体積を占めているフィルタや
発振器といったデバイスの小型化、高性能化が強く求め
られている。前記デバイスには、一般的に高周波で共振
する共振器が用いられており、前記共振器の大きさを小
さくすると損失が大きくなり性能が低下することが、小
型化の弊害となっている。
【0003】以下に従来の共振器について説明する。こ
こではその例として、誘電体同軸共振器について述べ
る。図6は従来の誘電体同軸共振器の断面図である。図
6において、201は誘電率が一様な誘電体ブロック、
202は誘電体ブロック201内部に形成された貫通
穴、203は誘電体ブロック201において貫通穴20
2を取り囲む4つの面に電極を形成した外導体、204
は貫通穴202の内表面に電極を形成した内導体、20
5は貫通穴202が開口する一方の端面において内導体
204と外導体203を接続する短絡導体である。
【0004】図6の構成は一端開放、他端短絡の同軸型
共振器であるが、短絡側の貫通穴の径を開放側に比べて
小さくすることにより、開放側の特性インピーダンスを
より低く構成し、この効果で貫通穴方向の長さを通常必
要となる4分の1波長より短くしている。また、高次共
振周波数が基本共振周波数の奇数倍とならないことか
ら、高調波抑圧特性を有するフィルタの構成が可能であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の共振器の場合、共振器の性能として重要な無負荷Q
は、貫通穴径が一様な同軸共振器と比べて低くなる。ま
た、内導体の穴径がステップ状に変化する構造であるこ
とから、誘電体同軸共振器の作製の際に、穴径変化部分
や誘電体厚みが薄くなる開放側部分にクラックが入りや
すく、量産における歩留まりが上がらないという課題を
有していた。
【0006】本発明は、前記従来の課題を解決するもの
で、共振器の小型化に対する損失劣化を従来よりも改善
し、量産における歩留まりの良い構造の誘電体同軸共振
器を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、直方体状の誘電体ブロックと、前記誘電
体ブロックを同軸状に貫通する貫通穴と、前記誘電体ブ
ロックにおいて前記貫通穴が開口する面を除く外表面に
電極を形成した外導体と、前記貫通穴の内表面に電極を
形成した内導体と、前記貫通穴が開口するの一方の第1
の端面において前記内導体と前記外導体を接続する短絡
導体を具備し、前記誘電体ブロックの誘電率を前記貫通
穴の方向に対して変化させることにより、誘電体同軸共
振器を構成するものである。
【0008】ここで、短絡導体を形成した第1の端面側
の誘電率を、前記第1の端面と対向する第2の端面側に
比べて低くすることにより、従来構成のように貫通穴径
を変化させることなく共振器長の短縮が可能となる。
【0009】本発明はまた、誘電体基板と、前記誘電体
基板上に形成され幅が一様で端部が接地または開放され
たストリップあるいはマイクロストリップ構造の線路を
具備し、前記誘電体基板の誘電率を前記線路の形成され
た方向に対して変化させてストリップ線路共振器を構成
するものである。ここで、開放端側の誘電率を、他の部
分と比べて高くなるように誘電率を変化させることによ
り、共振器長の短縮が可能となる
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
直方体状の誘電体ブロックと、前記誘電体ブロックを同
軸状に貫通する貫通穴と、前記誘電体ブロックにおいて
前記貫通穴が開口する面を除く外表面に電極を形成した
外導体と、前記貫通穴の内表面に電極を形成した内導体
と、前記貫通穴が開口する一方の第1の端面において前
記内導体と前記外導体を接続する短絡導体を具備し、前
記誘電体ブロックの誘電率を前記貫通穴の方向に変化さ
せて誘電体同軸共振器を構成するものである。
【0011】本構造では、従来構造と同様に共振器長短
縮および高調波抑圧の作用を有するのに加えて、貫通穴
径が一様であることから、従来構造に比べて内導体部の
損失低減が可能となり、量産性に優れた構造の共振器が
実現できる。
【0012】本発明の請求項2記載の発明は、短絡導体
を形成した第1の端面側の誘電率を、前記第1の端面と
対向する第2の端面側に比べて低くしたことを特徴とす
る請求項1記載の誘電体同軸共振器としたもので、共振
器長を短縮する具体的な誘電率の分布を示したものであ
る。
【0013】本発明の請求項3記載の発明は、誘電率を
連続的に変化させることによって特性インピーダンスを
変化させたことを特徴とする請求項1記載の誘電体同軸
共振器としたもので、請求項1記載の発明の作用に加え
て、特性インピーダンスが不連続の際に生じる電磁界の
乱れによる損失をさらに低減できるという作用を有す
る。
【0014】本発明の請求項4記載の発明は、貫通穴の
穴径が穴形成方向にテーパ状に変化していることを特徴
とする請求項1記載の誘電体同軸共振器としたもので、
請求項1記載の発明で示した誘電率変化による小型化の
効果に加えて、同時に貫通穴径を変化させることによ
り、さらに共振器長の短縮が可能となる作用を有する。
【0015】本発明の請求項5記載の発明は、短絡導体
を形成した第1の端面側の穴径を、前記第1の端面と対
向する第2の端面側に比べて小さくしたことを特徴とす
る請求項4記載の誘電体同軸共振器としたもので、共振
器長を短縮する具体的な貫通穴径の設定方法を示したも
のである。
【0016】本発明の請求項6記載の発明は、直方体状
の誘電体ブロックと、前記誘電体ブロックに並列に形成
した複数の貫通穴と、前記誘電体ブロックにおいて前記
貫通穴が開口する面を除く外表面に電極を形成した外導
体と、前記貫通穴の内表面に電極を形成した内導体と、
前記内導体と電磁界結合し外部回路と接続される入出力
電極と、前記貫通穴が開口する一方の第1の端面におい
て前記内導体と前記外導体を接続する短絡導体を具備
し、前記誘電体ブロックの誘電率を前記貫通穴の方向に
変化させたことを特徴とする誘電体フィルタとしたもの
である。
【0017】1つの誘電体ブロック内部に請求項1記載
の共振器を複数形成することにより、多段フィルタを小
型に構成できる。加えて請求項1記載の発明の作用によ
り、低損失で高調波の抑圧が可能な特性が得られる。
【0018】本発明の請求項7記載の発明は、入出力電
極は誘電体ブロックの外表面上に外導体と分離して形成
された島状電極であることを特徴とする請求項7記載の
誘電体フィルタとしたもので、内導体と電磁界的に結合
する外導体の一部分に島状電極を設けることにより、請
求項6記載の誘電体フィルタが外部回路と接続するため
の入出力電極を小型に形成し、請求項6記載の発明の効
果に加えてフィルタ全体をさらに小型化する作用を有す
る。
【0019】本発明の請求項8記載の発明は、誘電体基
板と、前記誘電体基板上に形成され幅が一様で端部が接
地または開放されたストリップあるいはマイクロストリ
ップ構造の線路を具備し、前記誘電体基板の誘電率を前
記線路の形成された方向に変化させて構成したことを特
徴とするストリップ線路共振器としたものである。
【0020】本構造では、従来構造と同様に共振器長短
縮および高調波抑圧の作用を有するのに加えて、線路幅
が一様であることから、従来構造に比べて内導体部の損
失低減が可能となる。
【0021】本発明の請求項9記載の発明は、線路を両
端開放の2分の1波長型線路共振器とし、開放端部分の
誘電率を中心部分と比べて高くなるように誘電体基板の
誘電率を変化させたことを特徴とする請求項8記載のス
トリップ線路共振器としたもので、2分の1波長型線路
共振器における共振器長短縮のための具体的な誘電率の
分布を示したものである。
【0022】本発明の請求項10記載の発明は、線路を
一端開放、他端接地の4分の1波長型線路共振器とし、
開放端部分の誘電率を接地端部分と比べて高くなるよう
に誘電体基板の誘電率を変化させたことを特徴とする請
求項8記載のストリップ線路共振器としたもので、4分
の1波長型線路共振器における共振器長短縮のための具
体的な誘電率の分布を示したものである。
【0023】本発明の請求項11記載の発明は、請求項
1から5および請求項8から10記載の共振器を複数並
列に配置して構成したことを特徴とする誘電体フィルタ
としたもので、前記共振器が有する小型、低損失かつ量
産性に優れるという特長を活かしたフィルタが構成可能
となる。
【0024】本発明の請求項12記載の発明は、請求項
1から5および請求項8から10記載の共振器を用いて
構成したことを特徴とする発振器としたもので、前記共
振器が有する特長を活かして小型で低位相雑音特性を有
する発振器が構成可能となる。
【0025】本発明の請求項13記載の発明は、請求項
1から12記載の共振器、フィルタまたは発振器を無線
部に使用した無線通信装置としたもので、前述の小型、
高性能化の特長を活かして無線装置の無線部に対して小
型・高性能化を実現することができる。
【0026】以下、本発明の実施の形態について図1か
ら図4を用いて説明する。
【0027】(実施の形態1)本発明の第1の実施の形
態について、図1を参照しながら説明する。図1は本発
明の第1の実施の形態における誘電体同軸共振器の斜視
図および断面図である。図1の(a)は誘電体同軸共振
器の斜視図、(b)および(c)は誘電体同軸共振器の
断面図である。図1において、101は直方体状の誘電
体ブロック、102は誘電体ブロック101を同軸状に
貫通する貫通穴、103は誘電体ブロック101におい
て貫通穴102が開口する面を除く外表面に電極を形成
した外導体、104は貫通穴102の内表面に電極を形
成した内導体、105は貫通穴102が開口するの一方
の端面において内導体104と外導体103を接続する
短絡導体である。
【0028】以上のように構成された誘電体同軸共振器
について、以下その動作を説明する。図1の誘電体同軸
共振器は一端接地、他端開放の4分の1波長型の共振器
であり、短絡導体105側が接地端、反対側が開放端と
して動作する。本実施の形態では、誘電体ブロック10
1の誘電率を貫通穴102が形成される方向に変化させ
る。
【0029】ここで、接地端側の誘電率が開放端側に比
べて低くなるように誘電率を変化させることにより、接
地端側の特性インピーダンスを開放端側と比べて高くす
ることができる。
【0030】誘電体ブロック101内の誘電率は、図1
(b)に示すように貫通穴102が形成される方向にス
テップ状に変化させるか、もしくは図1(c)のように
連続的に変化させて構成する。
【0031】以上の構成により、貫通穴102を形成し
た方向の長さ、即ち共振器長が短縮される。従来構造で
は開放端側の貫通穴径を接地端側と比べて大きくするこ
とにより特性インピーダンスの変化を実現していたが、
貫通穴径が変化する段差箇所において、角部分への電磁
界集中により若干の損失が生じることから、無負荷Q値
が劣化していた。
【0032】本構成では特性インピーダンスの変化を形
状ではなく誘電率の変化により実現したものであり、電
極および誘電体の形状変化により生じる損失を低減し、
従来同様小型化という特長を有しながら、さらに無負荷
Qの高い共振器が構成可能である。
【0033】誘電体同軸共振器を量産製造する場合に
は、金型を用いて誘電体セラミックスを成型加工するの
が一般的であり、前記誘電体セラミックスの表面全面に
電極となる金属膜を付着させ、開放端側の開口面を研磨
するといった工程により容易に製造できる。
【0034】しかしながら、従来構造のように貫通穴径
が一様でない場合には、金型からセラミックスを抜き出
す際に、穴径が変化している部分やセラミック厚が薄く
なっている開放端部分にクラックが生じやすく、歩留ま
りが悪いという問題があった。本実施の形態に示した共
振器構造は穴径が一様であることから、金型成型加工に
よる量産加工性に優れた構造である。
【0035】以上のように、本実施の形態によれば、誘
電体ブロックの誘電率を貫通穴形成方向に変化させるこ
とにより、共振線路部分の特性インピーダンスを変化さ
せ、共振器長を短縮することができる。同時に、貫通穴
径が一様な構造であることから、無負荷Qの劣化を抑圧
し、量産性に優れた誘電体同軸共振器が実現可能であ
る。
【0036】なお、本実施の形態では、開放端側の誘電
体の誘電率を高くして特性インピーダンスを低くした構
造により共振器長を小型化した例を示したが、共振器長
が長くても損失の方を重視する場合には、逆に開放端側
の誘電体の誘電率を低くして特性インピーダンスを高く
した構造とすることにより損失を大幅に低減することが
可能となる。この場合にも、量産性に優れた誘電体同軸
共振器が実現可能となる。
【0037】(実施の形態2)本発明の第2の実施の形
態について、図2を参照しながら説明する。図2は本発
明の第2の実施の形態における誘電体同軸共振器の断面
図である。図2において図1と異なる点は、貫通穴10
2の穴径が一様でなく連続的に変化している点である。
図1と同一番号を付したものは、図1と同じ働きをする
ものである。
【0038】以上のように構成された誘電体同軸共振器
について、以下その動作を説明する。基本動作は前記第
1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、開放
端側の貫通穴102の穴径を短絡導体105側に比べて
大きくし、かつ、貫通穴形成方向に対して穴径を連続的
に変化させて誘電体同軸共振器を構成している。
【0039】前記第1の実施の形態では貫通穴径を一定
とし,開放端側の誘電率を高くすることにより共振器の
小型化を実現しているが、本実施の形態では、貫通穴の
穴径を同時に変化させることにより開放端側と接地端側
の特性インピーダンス比をより大きくとれる構成である
ことから、更に小型化を図ることが可能となる。穴径を
急激に変化させると段差箇所における損失が大きくな
り、かつ量産時の歩留まりが悪くなることから、穴径は
連続的に変化するよう形成する。
【0040】以上のように、本実施の形態によれば、誘
電体ブロックの誘電率に加えて貫通穴の穴径を貫通穴形
成方向に変化させることにより、開放端側と接地端側に
おける共振線路の特性インピーダンス比を大きくできる
構成であることから、誘電体同軸共振器の共振器長をさ
らに短縮することが可能となる。
【0041】(実施の形態3)次に、本発明の第3の実
施の形態について、図3を参照しながら説明する。図3
は本発明の第3の実施の形態における誘電体フィルタの
斜視図である。図3において、図1と同一番号を付した
ものは図1と同じ働きをするものである。図1と異なる
点は、誘電体ブロック101に複数の貫通穴102A〜
102Cを並列に形成し、誘電体ブロック101の外表
面上に外導体103と分離した島状の入出力電極106
A、106Cを形成し、全体として誘電体フィルタを構
成した点である。
【0042】但し、図3では、誘電体ブロック101の
内部の様子が分かりやすいように一部切除した図を示し
ており、入出力電極106Cは前記切除した部分の外表
面に形成されている。
【0043】以上のように構成された誘電体フィルタに
ついて、以下その動作を説明する。
【0044】貫通穴102A〜102Cに形成された内
導体104A〜104Cは各々が共振器として動作し、
隣接するものどうしが電磁界結合して帯域通過フィルタ
の共振器段間結合を構成する。
【0045】また、入出力電極106Aは内導体104
Aと、入出力電極106Cは内導体104Cとそれぞれ
電磁界結合して帯域通過フィルタの入出力結合を構成し
ている。以上の構成により図3の誘電体フィルタは3段
の帯域通過フィルタとして動作する。
【0046】貫通穴部分に形成される共振器の基本動作
は前記第1の実施の形態と同じである。開放端側の誘電
率が高くなるように誘電体ブロックの誘電率を変化させ
ることにより、共振器長が短縮されフィルタ全体が小型
に構成できる。また、貫通穴102A〜102Cの穴径
を一様とすることにより、共振器の無負荷Qが高くなる
ことから、通過損失の小さいフィルタが構成できる。加
えてフィルタ全体を成型加工する際の歩留まりが向上で
き、量産に優れた構造となる。
【0047】さらに、上記の共振器小形化の作用によ
り、4分の1波長共振器で問題となる奇数次の高次共振
周波数を基本周波数の奇数倍からずらすことができるた
め、本発明の誘電体フィルタを電力増幅器などの非線形
回路の出力フィルタに適用すると基本周波数の高調波を
抑圧することが可能となる。
【0048】以上のように、本実施の形態によれば、誘
電体ブロックに複数の貫通穴を並列に設け、前記誘電体
ブロックの誘電率を前記貫通穴の形成方向に開放端側が
高くなるように変化させる事により、小型で低損失かつ
高調波抑圧特性を有し量産性に優れた誘電体フィルタが
実現可能である。
【0049】なお、本実施の形態では3つの貫通穴を設
けて構成した3段の帯域通過フィルタの例を示したが、
本実施の形態に示した効果は共振器の段数に依らないこ
とは言うまでもない。
【0050】(実施の形態4)次に、本発明の第4の実
施の形態について、図4を参照しながら説明する。図4
は本発明の第4の実施の形態におけるマイクロストリッ
プ構造のストリップ線路型共振器の斜視図である。図4
において、図1と同一番号を付したものは図1と同じ働
きをするものである。図4において図1と異なる点は、
誘電体基板107上に幅が一様なマイクロストリップ構
造の線路共振器108を構成した点である。
【0051】以上のように構成されたストリップ線路共
振器について、以下その動作を説明する。誘電体基板1
07には、線路共振器108が形成される面の裏側に接
地導体109が設けられ、マイクロストリップ構造を成
している。線路共振器108は両端が開放された2分の
1波長型の共振器である。
【0052】本実施の形態では、誘電体基板107にお
いて線路共振器108の開放端部分の誘電率が中心部分
と比べて大きくなるように誘電率を変化させている。こ
れにより、線路共振器108の開放端側の特性インピー
ダンスが中心部分よりも低くなり、線路共振器108の
長さが短縮される。特性インピーダンス変化を線路共振
器108の幅の変化により実現した構成では、幅の変化
部分に損失が生じてしまうため、本実施の形態に示した
共振器のほうが高い無負荷Qを得ることができる。
【0053】また、上記の共振器小形化の構造により、
2分の1波長共振器で問題となる高次共振周波数を基本
周波数の整数倍からずらすことができるため、本実施の
形態の共振器をフィルタに適用した場合には、電力増幅
器などの非線形回路が出力する高調波を抑圧することが
可能である。
【0054】以上のように、本実施の形態によれば、誘
電体基板上に線路共振器を形成し、開放端部分の誘電率
が高くなるように前記誘電体基板の誘電率を変化させる
ことにより、小形でかつ高調波抑圧特性に優れた無負荷
Qの高い共振器が実現可能である。
【0055】なお、本実施の形態ではマイクロストリッ
プ構造上に共振器を形成した例を示したが、トリプレー
ト構造等の他の構造でも同様に実現可能である。また、
線路共振器として両端開放の線路共振器の例を示した
が、一方を接地した4分の1波長型の共振器に対しても
同様の効果が得られる。さらに、本実施の形態で示した
共振器の線路幅を開放端側が広くなるように変化させる
ことにより、より一層の小型化が可能となる。
【0056】(実施の形態5)次に、本発明の第5の実
施の形態について、図5を参照しながら説明する。図5
は本発明の第5の実施の形態における発振器の斜視図で
ある。図5において、図1と同一番号を付したものは図
1と同じ働きをするものである。図1と異なる点は、貫
通穴方向に誘電率を変化させた誘電体同軸共振器110
にトランジスタ及びバイアス回路、結合容量を組み合わ
せて構成した負性抵抗回路111を接続して、全体を実
装基板112上に実装して発振器を構成した点である。
但し、図5では、負性抵抗回路111を簡略化して示し
ている。
【0057】以上のように構成された発振器について、
以下その動作を説明する。一般にUHF帯以上の高周波
発振器には、共振素子として高い無負荷Qを有する誘電
体同軸共振器やストリップ線路共振器といった分布定数
型共振器がよく用いられている。これは、チップ部品に
よるLC共振器では特にインダクタの損失が大きく、発
振周波数近傍の雑音である位相雑音が劣化してしまうた
めである。
【0058】しかしながら分布定数型共振器は形状が大
きいため、発振器全体が大きくなってしまう。ここで誘
電体同軸共振器111を図1に示したように開放端側の
誘電率を高くして構成すると、第1の実施の形態に示し
たように高い無負荷Qを有しながら小型化することが可
能となる。よって、本共振器を発振器の共振素子に適用
し、負性抵抗回路111と結合することにより、小型で
位相雑音の低い発振器が構成できる。
【0059】以上のように、本実施の形態によれば、発
振器の共振素子として、開放端部分の誘電率が高くなる
ように誘電率を変化させた同軸型共振器を適用すること
により、小形でかつ位相雑音特性に優れた発振器が実現
可能である。
【0060】なお、本実施の形態では共振素子として誘
電体同軸共振器を用いた例を示したが、ストリップ線路
共振器を用いても同様の効果が得られる。この場合は、
負性抵抗回路を実装する実装基板を多層構造として、内
部にストリップ線路共振器を形成し、共振線路方向に開
放端部分の誘電率が高くなるように誘電体基板の誘電率
を変化させることにより、より一層の小型化が可能とな
る。
【0061】なお、本実施の形態では単に発振器として
説明したが、VCO即ち電圧制御発振器といった発振器
を含むデバイスにも適用できることは言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明は、共振器の小型
化と低損失化の両立を図り、高調波抑圧特性を有した誘
電体同軸共振器およびストリップ線路共振器を実現した
もので、従来構造と比べて、より低損失で量産性に優れ
た共振器が構成可能である。
【0063】また、本発明の共振器をフィルタに適用す
ることにより、小型で低損失な特性が得られる。さら
に、本発明の共振器を発振器の共振素子に適用すること
により小型で低位相雑音特性を有する発振器が実現可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における誘電体同軸
共振器の構成を示す図
【図2】本発明の第2の実施の形態における誘電体同軸
共振器の構成を示す断面図
【図3】本発明の第3の実施の形態における誘電体同軸
共振器を用いて構成した誘電体フィルタを示す斜視図
【図4】本発明の第4の実施の形態におけるストリップ
線路共振器の構成を示す斜視図
【図5】本発明の第5の実施の形態における発振器の構
成を示す斜視図
【図6】従来の誘電体同軸共振器の構成を示す断面図
【符号の説明】
101 誘電体ブロック 102 貫通穴 103 外導体 104 内導体 105 短絡導体
フロントページの続き Fターム(参考) 5J006 HA03 HA15 HB03 HB12 JA31 LA02 LA21 LA28 PB04 5J081 AA11 BB06 CC30 CC42 EE07 JJ02 JJ13 LL01 MM08 MM09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直方体状の誘電体ブロックと、前記誘電
    体ブロックを同軸状に貫通する貫通穴と、前記誘電体ブ
    ロックにおいて前記貫通穴が開口する面を除く外表面に
    電極を形成した外導体と、前記貫通穴の内表面に電極を
    形成した内導体と、前記貫通穴が開口する一方の第1の
    端面において前記内導体と前記外導体を接続する短絡導
    体を具備し、前記誘電体ブロックの誘電率を前記貫通穴
    の方向に変化させたことを特徴とする誘電体同軸共振
    器。
  2. 【請求項2】 短絡導体を形成した第1の端面側の誘電
    率を、前記第1の端面と対向する第2の端面側に比べて
    低くしたことを特徴とする請求項1記載の誘電体同軸共
    振器。
  3. 【請求項3】 誘電率を連続的に変化させることによっ
    て特性インピーダンスを変化させたことを特徴とする請
    求項1記載の誘電体同軸共振器。
  4. 【請求項4】 貫通穴の穴径が穴形成方向にテーパ状に
    変化していることを特徴とする請求項1記載の誘電体同
    軸共振器。
  5. 【請求項5】 短絡導体を形成した第1の端面側の穴径
    を、前記第1の端面と対向する第2の端面側に比べて小
    さくしたことを特徴とする請求項4記載の誘電体同軸共
    振器。
  6. 【請求項6】 直方体状の誘電体ブロックと、前記誘電
    体ブロックに並列に形成した複数の貫通穴と、前記誘電
    体ブロックにおいて前記貫通穴が開口する面を除く外表
    面に電極を形成した外導体と、前記貫通穴の内表面に電
    極を形成した内導体と、前記内導体と電磁界結合し外部
    回路と接続される入出力電極と、前記貫通穴が開口する
    一方の第1の端面において前記内導体と前記外導体を接
    続する短絡導体を具備し、前記誘電体ブロックの誘電率
    を前記貫通穴の方向に変化させたことを特徴とする誘電
    体フィルタ。
  7. 【請求項7】 入出力電極は誘電体ブロックの外表面上
    に外導体と分離して形成された島状電極であることを特
    徴とする請求項6記載の誘電体フィルタ。
  8. 【請求項8】 誘電体基板と、前記誘電体基板上に形成
    され幅が一様で端部が接地または開放されたストリップ
    あるいはマイクロストリップ構造の線路を具備し、前記
    誘電体基板の誘電率を前記線路の形成された方向に変化
    させて構成したことを特徴とするストリップ線路共振
    器。
  9. 【請求項9】 線路を両端開放の2分の1波長型線路共
    振器とし、開放端部分の誘電率を中心部分と比べて高く
    なるように誘電体基板の誘電率を変化させたことを特徴
    とする請求項8記載のストリップ線路共振器。
  10. 【請求項10】 線路を一端開放、他端接地の4分の1
    波長型線路共振器とし、開放端部分の誘電率を接地端部
    分と比べて高くなるように誘電体基板の誘電率を変化さ
    せたことを特徴とする請求項8記載のストリップ線路共
    振器。
  11. 【請求項11】 請求項1から5および請求項8から1
    0記載の共振器を複数並列に配置して構成したことを特
    徴とする誘電体フィルタ。
  12. 【請求項12】 請求項1から5および請求項8から1
    0記載の共振器を用いて構成したことを特徴とする発振
    器。
  13. 【請求項13】 請求項1から12記載の共振器、フィ
    ルタまたは発振器を無線部に使用した無線通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008029025A (ja) * 2002-06-27 2008-02-07 Harris Corp 高効率共振線
JP2010136128A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Alps Electric Co Ltd 発振器
WO2011074105A1 (en) * 2009-12-14 2011-06-23 Nec Corporation Resonant via structures in multilayer substrates and filters based on these via structures

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