JP2001267677A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents
半導体レーザ装置およびその製造方法Info
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Abstract
し、COD劣化を起こさない半導体レーザ装置、および
それを安定に供給できる製造方法を提供する。 【解決手段】 共振器端面の後面反射膜に用いられてい
るSi膜に酸素を含有させており、その酸素濃度が30
〜60atm%であることを特徴とする。Si膜は酸素
ガスを供給しながらSiを成膜、または予め酸素を含有
させた材料を蒸着源として成膜することにより形成す
る。これによりSi膜のレーザ光に対する消衰係数を低
減し、レーザ光吸収に起因するCOD劣化を防止するこ
とができる。
Description
よびその製造方法に関し、特に短波長帯における高出力
半導体レーザ装置およびその製造方法に関するものであ
る。
示す断面図である。MOCVD法(Metal Org
anic Chemical Vapor Deposi
tion)等の結晶成長方法により、GaAs基板1上
にレーザ発振領域となる活性層2、レーザ光及びキャリ
アを閉じ込める機能を呈するクラッド層3が形成されて
いる。また半導体レーザ装置の表面と裏面には一対の電
極4が設けられている。かかる半導体レーザ装置本体は
ウエハからバー状に劈開することにより得られ、この一
対の劈開端面が半導体レーザ装置の共振器端面となる前
端面及び後端面を構成する。
反射率が4〜10%程度になるよう層厚が調整されたAl
2O3膜やSiO2膜等の低反射膜6が電子ビーム蒸着法
により形成されている。また後端面には、例えば特開平
6−85386号公報に開示されているような手法によ
り、Al2O3膜8とシリコン(Si)膜10を交互に積
層させ端面反射率が60%以上になるような高反射膜7
が電子ビーム蒸着法により形成されている。
に取り出すために用いられる。一方、前記高反射膜は、
一般に後端面から出射されたレーザ光は利用されること
はないので、後端面からの出射レーザ光を抑制するため
に用いられる。
低反射膜、後端面側に高反射膜という構成にするとレー
ザ光は専ら前端面から出射するので、かかる反射膜が無
い場合と比べ低動作電流で高い光出力を得ることがで
き、半導体レーザ装置の高効率化、長寿命化が図れるよ
うになる。
700nm以下のいわゆる短波長帯の半導体レーザ装置
において、前述のごとく後端面の高反射膜7の構成膜と
してSi膜10を用いた場合には、後端面である確率で
瞬時光学的損傷(COD:Catastrophic OpticalDamag
e)が発生し、これが歩留りの低下要因となっていた。
ているSi膜10にレーザ光が吸収され、端面領域が発
熱する結果、端面領域のバンドギャップエネルギーがそ
の温度依存性によって内部領域より小さくなり、さらに
レーザ光吸収が増大・発熱するといった悪循環によっ
て、最終的には自己発熱により結晶が融解し、端面破壊
に至ることによって生じる。
Si膜へのレーザ光吸収を防止し、COD劣化を起こさ
ない半導体レーザ装置、およびかかる半導体レーザ装置
を安定に供給できる製造方法を提供するものである。
研究を行った結果、前記高反射膜を構成するSi膜とし
て成膜時に酸素ガスを導入することにより得られる酸素
含有シリコン膜を用いることにより、前記問題点が解消
できる事実を発見した。
内で蒸着源であるSiに電子ビームを照射し、蒸発させ
ることによりSi膜10を形成しており、チャンバー内
の残留ガス、蒸着源の脱ガス状態、防着板への膜の付着
量、真空ポンプの排気能力等の装置的要因によって成膜
中に残留酸素が偶発的にSi膜10に取り込まれる場合
もあった。しかし、かかる場合においてもSi膜10中
の含有酸素濃度はせいぜい5%以上30atm%未満で
あり、30atm%以上の高い酸素濃度を含有したSi
膜を高反射膜に用いるようなことは従来全く知られてい
ない。
ーザ装置は、一対の共振器端面及びこの共振器端面の少
なくとも一方に反射膜を備えている半導体レーザ装置で
あって、前記反射膜がシリコンと酸素からなり、かつ含
有酸素濃度が30〜60atm%の酸素含有シリコン膜
であることを特徴とする。
製造方法では、含有酸素濃度が30〜60atm%にな
るように真空チャンバー内に酸素ガスを供給しながら成
膜することを特徴とする。
膜へのレーザ光吸収に起因するCOD劣化を防止でき、
かつその半導体レーザ装置を安定に供給することが可能
となる。
構成図である。GaAs基板1、活性層2、クラッド層
3、電極4、および前端面の低反射膜6の構成は従来と
同じである。後端面に用いられている高反射膜7はAl
2O3膜8とSi膜9から成る5層の多層反射膜で、Si
膜9には酸素が含有されている。
合におけるシリコンの消衰係数の波長依存性を示したも
のである。従来の製造方法によって得られる酸素濃度1
5atm%を含有したSi膜10では図2中の曲線aで
示されるように、波長が700nmより短くなると消衰
係数が増加、すなわち光吸収が起こりやすくなることが
判った。
含有酸素濃度に大きく依存しており、図2に示すように
レーザ波長が一定の場合は、含有酸素濃度が40%(図
中の曲線b)、50%(図中の曲線c)、60%(図中
の曲線d)と増加するに従い消衰係数も減少し、光吸収
が低減される結果、COD劣化が防止される傾向にある
ことが判った。
レーザ光5の発振波長、後端面の端面反射率を考慮して
調整する必要があることが見出された。すなわちSi膜
中の含有酸素濃度が高い程、消衰係数は低下し、COD
劣化に対しては効果が大きくなる。
COD劣化素子と未劣化素子を解析したところ、COD
劣化した素子のSi膜には14atm%の含有酸素濃
度、COD劣化しなかった素子では30atm%の含有
酸素濃度であったことから、含有酸素濃度としては30
atm%以上が望ましい。
うにCOD防止効果は大きくなるものの、図4に示すよ
うに屈折率が低下し、この結果として端面反射率も低下
する。屈折率が低くても、Al2O3膜8とSi膜9の積
層数を増やせば端面反射率を高くすることができるが、
端面反射膜の生産性および膜ストレスを考慮すると7層
以下が望ましい。図5はAl2O3膜8とSi膜9を7層
コーティングした場合の端面反射率のシュミュレーショ
ン結果であるが、80%以上の高端面反射率を実現する
には屈折率として2.18以上必要であり、図4から含有酸
素濃度の上限値としては60atm%となる。
は30〜60atm%の範囲が望ましい。例えば、波長
650nmの半導体レーザ装置においては、30〜40a
tm%程度の含有酸素濃度でレーザ光吸収を充分に抑え
られ、かつ7層で90%の端面反射率を実現できる。
濃度は、オージェ電子分光法により、シリコンと酸素の
ピーク強度の比から含有酸素濃度を算定した値である。
かかる方法では、標準サンプルとしてSiO2を用い、これ
を基準に測定サンプルの強度比を含有酸素濃度に換算し
た。
膜9を後端面反射膜7として用いることにより、従来の
動作特性を損なうことなくレーザ光吸収を抑制し、CO
D劣化を防止することができる。
説明する。なお、活性層2、クラッド層3、電極4等が
形成されたウエハをバー状に劈開する工程までは、通常
の半導体レーザ装置の製造方法と同一であるので省略す
る。
め、劈開されたバー状の半導体レーザ装置を電子ビーム
蒸着装置の真空チャンバー内に設置する。真空ポンプに
より1〜2×10-6Torr程度まで真空排気を行い、蒸着源の
Al2O3に電子ビームを照射して、第1層目であるAl
2O3膜8を成膜する。
着源をSiに変え、Al2O3膜8の成膜により一時的に
低下した真空度が1〜2×10-6Torr程度に回復するまで待
ち、その後、真空チャンバー内に酸素ガスを0.4SC
CM程度供給する。この状態で電子ビームをSiに照射
して、0.1nm/sec程度の速度で成膜する。この
とき、供給された酸素ガスの一部はSi膜中に取り込ま
れ、約40atm%の酸素を含有するSi膜9が形成さ
れる。Si膜9の成膜終了後、酸素ガスの供給を停止
し、第3層目のAl2O3膜8を成膜するため、蒸着源を
Al2O3に変える。以下、同様の作業を繰り返し、Al
2O3膜8とSi膜9を交互に7層成膜する。
を調整すれば、Si膜9中の含有酸素濃度を容易に変え
ることができるので、レーザの発振波長、要求される端
面反射膜7の端面反射率に応じて供給する酸素流量を決
めればよい。
ない従来の手法ではSi膜中の含有酸素濃度は5atm
%以上30atm%未満の広い範囲でしかもバッチ毎に
大幅に変動していたが、酸素ガスを供給することにより
従来では達成できなかった30〜60atm%の高酸素
濃度を極めて安定に成膜できるようになった。
供給することによって、30〜60atm%の含有酸素
濃度のSi膜9を安定に形成することが可能となり、C
OD劣化による歩留り低下を防止できる。
膜する方法について述べたが、蒸着源にあらかじめ酸素
を含有させたSiを用いても、Si膜9中に酸素を取り
込ませることは可能である。この場合、Si膜9中の含
有酸素濃度は蒸着源の含有酸素濃度を調整することで制
御できる。
ム蒸着法における酸素供給について述べたが、スパッタ
リング等他の成膜方法においても、同様の方法で酸素供
給が可能である。
構成するSi膜以外の膜の一例としてAl2O3膜8を挙
げたが、他の誘電体膜、例えばSiO2膜でも同様の効
果を奏することは言うまでもない。
7を構成するSi膜について説明したが、前端面6の反
射膜を構成するSi膜でも同様の効果を奏することは言
うまでもない。
振器端面及びこの共振器端面の少なくとも一方に反射膜
を備えている半導体レーザ装置であって、前記反射膜が
シリコンと酸素からなり、かつ含有酸素濃度が30〜6
0atm%の酸素含有シリコン膜であることとしたの
で、Si膜へのレーザ光吸収に起因するCOD劣化を防
止できる。
ー内に酸素ガスを供給しながら成膜することにより、前
記シリコンと前記酸素から成る膜を形成する方法により
上述の半導体レーザ装置を製造することとしたので、歩
留りを向上させることができる。
置の断面図である。
ラフである。
とSi膜中の含有酸素濃度との関係を示すグラフであ
る。
含有酸素濃度の関係を示すグラフである。
グした場合の端面反射率のシュミュレーション結果であ
る。
の断面図である。
4 電極、 5 レーザ光、 6 低反射膜、 7
高反射膜、 8 Al2O3膜、 9 本発明のSi膜、
10 従来のSi膜
Claims (2)
- 【請求項1】 一対の共振器端面及びこの共振器端面の
少なくとも一方に反射膜を備えている半導体レーザ装置
であって、前記反射膜がシリコンと酸素からなり、かつ
含有酸素濃度が30〜60atm%の酸素含有シリコン
膜であることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 【請求項2】 シリコンを原材料とし、膜形成時に酸素
ガスを供給しながら成膜することにより、シリコンと酸
素からなる反射膜を形成して請求項1記載の半導体レー
ザ装置を得ることを特徴とする半導体レーザ装置の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000075886A JP2001267677A (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | 半導体レーザ装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000075886A JP2001267677A (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | 半導体レーザ装置およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001267677A true JP2001267677A (ja) | 2001-09-28 |
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ID=18593708
Family Applications (1)
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JP2000075886A Pending JP2001267677A (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | 半導体レーザ装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001267677A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7039085B2 (en) | 2003-04-23 | 2006-05-02 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Semiconductor laser device |
JP7329095B2 (ja) | 2017-06-08 | 2023-08-17 | エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー | 端面発光型半導体レーザおよび端面発光型半導体レーザの動作方法 |
-
2000
- 2000-03-17 JP JP2000075886A patent/JP2001267677A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7329095B2 (ja) | 2017-06-08 | 2023-08-17 | エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー | 端面発光型半導体レーザおよび端面発光型半導体レーザの動作方法 |
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