JP2001267277A - ウェハの洗浄装置及び洗浄方法 - Google Patents

ウェハの洗浄装置及び洗浄方法

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JP2001267277A
JP2001267277A JP2000071564A JP2000071564A JP2001267277A JP 2001267277 A JP2001267277 A JP 2001267277A JP 2000071564 A JP2000071564 A JP 2000071564A JP 2000071564 A JP2000071564 A JP 2000071564A JP 2001267277 A JP2001267277 A JP 2001267277A
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cleaning liquid
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JP2000071564A
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Yoshimi Shiromizu
好美 白水
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染物のウェハへの再付着を防止しながら洗
浄むらを防止して洗浄効率を向上させることができるウ
ェハの洗浄装置及び洗浄方法を提供する。 【解決手段】 洗浄液供給ノズル6と、ウェハ1と、ド
レン管8との相対的な位置関係をみると、洗浄液供給ノ
ズル6とドレン管8との間にウェハ1が位置し、また、
洗浄液供給ノズル6の供給口がいずれもウェハ1の中心
部を向いているので、洗浄液同士が正面から衝突するこ
とがなく、洗浄液は河川のようにほぼ一方向を向く流れ
でドレン管8まで達する。更に、ガス供給ノズル7から
の不活性ガスの供給及び洗浄液同士の接触により洗浄液
の流れが乱流状態となる。これらのことより、ウェハ1
の表面において、洗浄液が滞留することがないと共に、
洗浄液中の化学種の濃度がほぼ一定となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
に使用されるウェハの洗浄装置及び洗浄方法に関し、特
に、洗浄効率の向上を図ったウェハの洗浄装置及び洗浄
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程においては、一つ
の加工工程が終了するたびに、その加工時にシリコンウ
ェハ等のウェハ表面に付着したレジスト等の有機物、エ
ッチング時に生成されたデポ物、CMP(化学的機械的
研磨)時に付着した研磨生成物、成膜時に付着した残膜
又は金属粒子等を除去するため、ウェハを洗浄してい
る。一般的には、洗浄液で満たされた薬液槽中に複数枚
のウェハを浸漬させて洗浄を行うバッチ処理が行われて
いる。図6はバッチ処理によるウェハの洗浄方法を示す
断面図である。
【0003】バッチ処理による洗浄方法においては、洗
浄液槽102中にオゾン、過酸化水素、硫酸、塩酸又は
次亜塩素酸等を含有する洗浄液103を注入し、その中
に25乃至50枚程度のウェハ101を浸漬する。そし
て、10乃至15分間程度そのままため置き洗浄する。
このとき、洗浄液103の種類によってはその温度を制
御する。その後、純水の流水によるリンスを行い、ウェ
ハ101を乾燥する。なお、洗浄液103は数バッチの
処理毎に交換する。
【0004】しかし、このようなバッチ処理による洗浄
を行う場合、ウェハ1枚当たりに使用される洗浄液10
3の量が極めて多く、その廃棄による環境への負荷が大
きい。この問題点は、ウェハの大型化に伴ってより大き
なものとなる。また、洗浄液103の交換は数バッチ毎
であるので、前のバッチで除去された汚染物が後のバッ
チにおいて洗浄液103中に滞留していて、その量は後
のバッチになるほど多くなる。このため、ウェハ101
に汚染物が再付着して洗浄が十分とはいえない場合があ
る。
【0005】また、洗浄液103とウェハ101とは静
止状態で接触しているので、ウェハ101の表面から汚
染物を除去した洗浄液と新鮮な洗浄液との交換効率が低
い。このため、現状では洗浄時間を長くとる必要があ
り、短縮化の要請がある。更に、汚染物の除去に寄与す
る化学種の洗浄液中での濃度分布が一様であるとはいい
難く、洗浄むらが生じやすい。更にまた、25乃至50
枚程度の処理を行うために洗浄装置が大型となるので、
クリーンルーム内での占有面積が大きい。
【0006】そこで、ウェハをその円周方向に高速で回
転させながら1枚ずつ処理する枚様式の洗浄方法が、例
えば特開平11−260778号公報に開示されてい
る。図7は一般的な枚様式の洗浄方法を示す模式図であ
る。
【0007】枚様式の洗浄方法においては、先ず、回転
テーブル(図示せず)上にウェハ111を固定する。次
いで、回転テーブルの上方に配設された洗浄液供給ノズ
ル112からウェハ111の表面に洗浄液113を供給
すると共に、ウェハ111を回転させる。洗浄液113
の供給及びウェハ111の回転の時間は、数十秒から1
分間程度である。その後、洗浄液供給ノズル112から
ウェハ111の表面に純水(図示せず)を供給すると共
に、ウェハ111を回転させる。この工程に要する時間
も数十秒から1分間程度である。そして、水洗後にウェ
ハ111を乾燥する。なお、上記公報に開示された方法
では、ウェハ111の表面に洗浄液113を供給する際
にウェハ111に超音波を印加している。
【0008】このような枚様式の洗浄方法によれば、少
量の洗浄液113でも洗浄を行うことができ、また、常
時新鮮な洗浄液113が供給されるので、汚染物のウェ
ハへの再付着を低減できる。更に、洗浄液113とウェ
ハ111とが動的に接触するため、洗浄時間を短縮する
ことが可能である。更にまた、洗浄装置自体の規模は1
枚のウェハを処理できる程度のものであればよいので、
クリーンルーム内での占有面積が小さい。
【0009】他の枚様式の洗浄装置として、ウェハの下
方から洗浄液を供給する装置が特表2000−5012
31号公報に開示されている。図8は特表2000−5
01231号公報に開示された洗浄装置の構造を簡略化
して示す模式的断面図、図9はその下方プレートに設け
られた開口部の位置を示す模式図である。
【0010】この公報に開示された洗浄装置には、ウェ
ハ121を上方から吸引して固定する上方プレート12
2、ウェハ121を間に挟んで上方プレート122と対
向する下方プレート123、この下方プレート123の
側方から上方プレート122より高い位置まで延出する
側壁124、並びに上方プレート122、下方プレート
123及び側壁124に囲まれた空間に蓋をするカバー
125が設けられている。カバー125の中央には開口
部126が形成されており、この開口部126を介して
上方プレート122の中央部に設けられた突出部127
がカバー125の外部まで突出している。突出部127
内には前記空間と外部とを連通する開口部128が設け
られており、この開口部128は配管129を介して外
部の真空装置(図示せず)に連結されている。一方、下
方プレート123の側壁124との境界部分にはドレン
溝130が形成されており、ドレン溝130の一部にド
レンパイプ131が連結されている。更に、下方プレー
ト123には2つの同心円状の溝132が形成されてお
り、各溝132に外部に連通する複数の開口部133が
形成されている。また、下方プレート123の中央部に
も外部に連通する開口部134が形成されている。
【0011】このように構成された従来のウェハの洗浄
装置においては、ウェハ121が開口部128及び配管
129を介して吸引されて上方プレート122に固定さ
れ、開口部133及び134を通して外部から洗浄液が
ウェハ121の下側表面に向けて供給される。このと
き、上方プレート122はモータ(図示せず)により振
動又は回転する。そして、ウェハ121表面の洗浄に使
用された洗浄液はドレン溝130及びドレンパイプ13
1を介して外部に排出される。
【0012】次いで、開口部133及び134から脱イ
オン水が供給されてウェハ121がリンスされ、その
後、開口部133及び134から乾燥した不活性ガスが
供給されてウェハ121が乾燥される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示す枚様式の洗浄方法においては、通常、洗浄装置が開
放系のものとなっており、また、洗浄液供給ノズル11
2から噴出された洗浄液113中の化学種は活性で揮発
性を有するものが多く、また、洗浄液113がウェハ1
11に衝突するので、洗浄液113中の化学種がウェハ
111の表面で汚染物を除去する前に大気中に脱離しや
すい。ここで、化学種とは、過酸化水素水中の酸素、塩
酸中の塩素及び電界イオン水中のイオン等である。ま
た、ウェハ111が高速で回転するため、外周部と中心
部との間の速度差が大きい。これらの原因により、ウェ
ハ111に洗浄むらが生じるという問題点がある。更
に、中心部の洗浄液113は比較的滞留しやすいため、
そこで汚染物の再付着が発生する虞もある。更にまた、
開放系で大気中で洗浄を行う場合には、大気中の不純物
を洗浄液が取り込んでこれが洗浄中のウェハ111に付
着する虞もある。
【0014】一方、図8及び図9に示す従来の洗浄装置
においては、ウェハ121の直下に位置する複数の開口
部133及び134から洗浄液が供給されるため、開口
部133及び134の間に複数箇所から供給された洗浄
液同士が正面から衝突して滞りやすい場所が存在する。
このため、図7に示す洗浄方法と比較すれば洗浄むらが
抑制されるものの、その程度は十分なものとはいえな
い。また、洗浄液の供給がウェハ121の下方から行わ
れるため、ウェハ121の下側全表面に洗浄液を行きわ
たらせるためにはウェハ121が浸漬する程度まで洗浄
液を供給する必要がある。従って、ある程度の流速であ
る程度の量の洗浄液を供給する必要があり、洗浄液の必
要量が多くなる虞がある。
【0015】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、汚染物のウェハへの再付着を防止しながら
洗浄むらを防止して洗浄効率を向上させることができる
ウェハの洗浄装置及び洗浄方法を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るウェハの洗
浄装置は、ウェハが挿入される処理室と、この処理室内
の前記ウェハに対して洗浄液を供給する複数個の洗浄液
供給ノズルと、前記処理室内の気圧を昇圧する昇圧手段
と、を有し、前記洗浄液供給ノズルは、その噴出口が前
記ウェハの直上域をはずした位置であって前記ウェハに
対して一方向に偏った位置に設けられており、前記洗浄
液を前記ウェハに対して一方向に流れるように供給する
ことを特徴とする。
【0017】本発明においては、洗浄液供給ノズルが、
その噴出口がウェハの直上域をはずした位置であってウ
ェハに対して一方向に偏った位置に設けられており、こ
の洗浄液供給ノズルから洗浄液がウェハに対して一方向
に流れるように供給されるので、ウェハから除去された
汚染物の滞留、ひいてはそのウェハへの再付着が防止さ
れる。また、昇圧手段により処理室内の気圧を大気圧よ
り高く、即ち陽圧にしておけば、洗浄液からの汚染物除
去に寄与する化学種の脱離が抑制されるので、ウェハ上
で化学種の濃度がほぼ均一となって洗浄むらが抑制され
る。
【0018】なお、前記昇圧手段は、前記処理室内に陽
圧の不活性ガスを供給するガス供給ノズルを有すること
ができる。
【0019】また、前記ガス供給ノズルは、前記不活性
ガスを前記洗浄液と同一の方向に流れるように供給して
エアカーテンを形成することができる。
【0020】更に、ウェハの洗浄装置は、前記ウェハを
前記洗浄液の流速により決まる回転速度以下の速度で回
転させる回転手段を有することが望ましい。洗浄中にウ
ェハを1回程度回転させることにより、洗浄液がより満
遍なくウェハ上に行きわたり、この結果、洗浄むらがよ
り一層抑制される。但し、回転速度がある一定の値を越
えると、洗浄液供給ノズル側端部で除去された汚染物が
再付着する虞があるので、その速度は一定値以下である
ことが望ましい。
【0021】更にまた、前記ウェハは、前記洗浄液供給
ノズル側が高くなるように傾斜させて配置されることが
望ましい。このようにウェハを配置することにより汚染
物の滞留及び再付着がより一層防止される。
【0022】また、ウェハの洗浄装置は、前記ウェハを
その平面に平行の方向に往復移動させるウェハ移動手
段、及び/又は前記洗浄液供給ノズルを前記ウェハの平
面に平行の方向に往復移動させるノズル移動手段を有す
ることができ、前記洗浄液供給ノズルは、前記洗浄液に
切り換えてリンス用の液体も前記処理室内に供給するも
のであってもよい。
【0023】本発明に係るウェハの洗浄方法は、ウェハ
が挿入された処理室内の気圧が大気圧より高い状態で洗
浄液を前記ウェハに対して一方向に流れるように供給す
る工程有することを特徴とする。
【0024】なお、前記洗浄液を供給する工程の前に、
前記処理室内に不活性ガスを供給して前記処理室内の気
圧を昇圧する工程を有してもよい。
【0025】また、前記洗浄液を供給する工程は、前記
ウェハを前記洗浄液の流速により決まる回転速度以下の
速度で回転させる工程を有することが望ましい。
【0026】更に、前記洗浄液を供給する工程は、前記
ウェハをその平面に平行の方向であって前記洗浄液が流
れる方向とは反対の方向に移動させる工程、及び/又は
前記洗浄液供給ノズルを前記ウェハの平面に平行の方向
であって前記洗浄液が流れる方向に移動させる工程を有
することができる。
【0027】更にまた、ウェハの洗浄方法は、リンス用
の液体を前記ウェハに対して一方向に流れるように供給
する工程と、前記ウェハの表面に不活性ガスを吹き付け
て前記リンス用の液体を飛散させる工程と、を有しても
よい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係るウェ
ハの洗浄装置及び洗浄方法について、添付の図面を参照
して具体的に説明する。図1は本発明の第1の実施例に
係るウェハの洗浄装置の構造を示す模式的平面図、図2
は同じく洗浄装置の構造を示す模式的断面図である。
【0029】第1の実施例には、1枚のウェハ1の洗浄
が行われる処理室3と、次に洗浄が行われるウェハが待
機する待機室4と、が設けられている。処理室3と待機
室4とは扉5により区切られており、処理室3内のウェ
ハ1の処理が終了して待機室4中のウェハが処理室3に
搬送されるときに扉5が開く。
【0030】処理室3には、ウェハ1が載置される載置
台2が設けられ、この載置台2の所定位置にウェハ1が
載置されたときにウェハ1の中心よりも待機室4側で平
面視でウェハ1からずれた天井位置に、例えば3個の洗
浄液供給ノズル6が配設されている。なお、少なくとも
1個の洗浄液供給ノズル6はウェハ1の待機室4側端部
よりも待機室4側に位置することが望ましい。洗浄液供
給ノズル6からは、洗浄液だけでなくリンス用の純水も
供給される。また、各洗浄液供給ノズル6は、いずれも
その供給口がウェハ1の中央部を向くようにして配設さ
れているが、これに限定されるものではない。
【0031】また、処理室3内にN2ガス又はHeガス
等のウェハ表面に形成された膜及び洗浄液を変質させな
いガス(以下、不活性ガスという)を導入する、例えば
2個のガス供給ノズル7が洗浄液供給ノズル6間に配設
されている。更に、処理室3の待機室4とは反対側の端
部に、例えば3個のドレン管8が連結されている。ドレ
ン管8には、例えば真空ポンプ等の吸引装置(図示せ
ず)が連結されている。
【0032】更に、処理室3の待機室4とは反対側にも
扉9が設けられており、処理が終了したウェハ1が搬出
されるときに、この扉9が開く。なお、洗浄液供給ノズ
ル6は温度制御装置に連結されており、処理室3内に供
給される洗浄液は汚染物の除去率が高くなる温度域、例
えば40乃至50℃に温度制御されている。
【0033】更にまた、待機室4内に搬送アーム10が
設けられている。搬送アーム10は、待機室4内に固定
された基部10a及びこの基部10aから延出し基部1
0aを回転中心として揺動する伸縮自在の腕部10bか
ら構成されている。腕部10bの先端部にはウェハを吸
引する吸引具(図示せず)が設けられており、腕部10
bの往復により待機室4内のウェハが処理室3内に搬送
される。
【0034】次に、上述のように構成されたウェハの洗
浄装置の動作、即ちこの洗浄装置を使用したウェハの洗
浄方法について説明する。図3(a)及び(b)は搬送
アーム10の動作を示す模式的平面図である。
【0035】先ず、図3(a)に示すように、腕部10
bの端部に設けられた吸引具により待機室4内のウェハ
1を吸引する。そして、扉5を開け、図3(b)に示す
ように、ウェハ1を処理室3内の載置台2上の所定位置
に搬送する。その後、腕部10bを待機室4内に戻し、
扉5を閉める。
【0036】次いで、ガス供給ノズル7から処理室3内
にN2ガス又はHeガス等の不活性ガスを導入し、処理
室3内の気圧を陽圧、即ち大気圧より高い圧力とし、洗
浄液供給ノズル6から洗浄液を供給する。洗浄液は、例
えば過酸化水素又は次亜塩素酸等の活性な化学種を含有
している。また、洗浄液の導入に伴ってドレン管8に連
結された吸引装置を作動させるが、その吸引は処理室3
内を陽圧に保持できる程度のものとする。
【0037】そして、ガス及び洗浄液の供給を数十秒か
ら1分間程度、長くても数分程度行った後、ガス及び洗
浄液の供給を停止する。
【0038】次いで、洗浄液供給ノズル6から純水を処
理室3内に供給することにより、リンスを行う。リンス
終了後には、ガス供給ノズル7から不活性ガスを処理室
3内に供給することにより、ウェハ1の表面を乾燥す
る。但し、この乾燥は、ウェハ1を完全に乾燥するもの
でなくても、表面に付着した純水を吹き飛ばす程度のも
のであってもよい。
【0039】その後、扉9を開けて後工程の装置にウェ
ハ1を搬出する。
【0040】このようなウェハ1の洗浄方法によれば、
洗浄液が処理室3内に供給されるときには処理室3内が
陽圧となっているので、洗浄液中の化学種は揮発しにく
く、その濃度はドレン管8に到達するまで、汚染物の除
去で消費された分を除けば、ほぼ一様である。また、洗
浄液供給ノズル6と、ウェハ1と、ドレン管8との相対
的な位置関係をみると、洗浄液供給ノズル6とドレン管
8との間にウェハ1が位置し、また、洗浄液供給ノズル
6の供給口がいずれもウェハ1の中心部を向いているの
で、洗浄液同士が正面から衝突することがなく、洗浄液
は河川のようにほぼ一方向を向く流れでドレン管8まで
達する。更に、不活性ガスの供給及び洗浄液同士の接触
により洗浄液の流れが乱流状態となる。これらのことよ
り、ウェハ1の表面において、洗浄液が滞留することが
ないと共に、洗浄液中の化学種の濃度がほぼ一定とな
る。従って、ウェハ1の洗浄むらが抑制される。
【0041】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第1の実施例においては、洗浄液供給ノズル6が
ウェハ1より待機室4側の天井位置に固定されている
が、第2の実施例は、処理室3内を陽圧に保持したまま
洗浄液供給ノズル6をドレン管8の方向に移動可能とし
た洗浄装置である。図4は本発明の第2の実施例に係る
ウェハの洗浄装置の動作を示す模式的平面図である。
【0042】このような第2の実施例の洗浄装置を使用
してウェハ1の洗浄を行う場合、洗浄開始時には、図1
に示すように、洗浄液供給ノズル6を待機室4側に配置
しておく。そして、洗浄液の供給開始と共に、図4に示
すように、洗浄液供給ノズル6をドレン管8方向に移動
させる。このときの移動速度は、洗浄に必要とされる時
間で洗浄液供給ノズル6がウェハ1のドレン管8側端部
に達する程度のものであることが望ましい。
【0043】このような洗浄方法によれば、ウェハ1の
各位置により新鮮な洗浄液が供給される。また、洗浄液
供給ノズル6の移動方向が洗浄液の流れの上流から下流
方向であるので、洗浄済の洗浄液の逆流は発生しにく
い。従って、より一層洗浄むらが抑制される。また、上
流で除去された汚染物が下流側のウェハ1に再付着して
も、洗浄液供給ノズル6が下流側に到達したときにこの
汚染物を除去することができるので、再付着の問題を解
決できる。
【0044】なお、ガス供給ノズル7を洗浄液供給ノズ
ル6と共に移動させてもよい。
【0045】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。第3の実施例では、載置台がドレン管8側に向か
って傾斜している。図5は本発明の第3の実施例に係る
ウェハの洗浄装置の構成を示す模式的平面図である。
【0046】第3の実施例に係る洗浄装置においては、
処理室3内に傾斜した載置台2aが設けられている。載
置台2aの高さは、洗浄液供給ノズル6及びガス供給ノ
ズル7側からドレン管8側に向けて低くなっている。
【0047】このように構成された第3の実施例の洗浄
装置を使用した洗浄方法は第1の実施例の場合と同様で
ある。従って、第1の実施例と同様の効果が得られるほ
か、載置台2aが傾斜していることによる効果が得られ
る。即ち、第1の実施例と比較するとウェハ1上で洗浄
液が流れる方向がより統一されるので、汚染物がより滞
留しにくくなり、洗浄むらが一層抑制される。
【0048】なお、第3の実施例を第2の実施例と組合
せてもよい。即ち、洗浄液供給ノズル6を移動可能とす
ると共に、傾斜した載置台2aを設けてもよい。
【0049】また、第1乃至第3の実施例においては、
載置台2又は2aは処理室3の底部に固定されている
が、載置台2又は2aがその表面に垂直な方向を回転軸
方向として回転してもよい。載置台2又は2aの回転に
伴ってウェハ1も回転するので、新鮮な洗浄液がより満
遍なくウェハ1の表面に供給されやすくなり、洗浄むら
がより一層抑制される。但し、この場合、ウェハ1が半
回転する間に、回転開始時点においてウェハ1の最上流
部分、即ち洗浄液供給ノズル6側端部に供給された洗浄
液が最下流部分、即ちドレン管8側端部から流出してい
る程度の低速で回転していることが望ましい。例えば、
その回転速度は洗浄に必要な時間で1回転する程度のも
のであればよい。あまりにも速い回転であると、ウェハ
1の周縁部と中心部との間で洗浄液の流速差が大きくな
って中心部に洗浄液が滞留して汚染物がウェハ1に再付
着する虞があるからである。
【0050】更に、第2の実施例においては、洗浄液供
給ノズル6を移動させて洗浄液供給ノズル6とウェハ1
との相対位置を変化させているが、載置台2等の移動に
よってウェハ1を移動させて洗浄液供給ノズル6とウェ
ハ1との相対位置を変化させてもよい。この場合、ドレ
ン管を待機室側に、洗浄液供給ノズル及びガス供給ノズ
ルを後工程側に配置すると共に、ウェハ1の移動方向を
待機室側から後工程側とすることが望ましい。このよう
な装置及び方法によれば、第2の実施例と同様の理由で
洗浄むらを抑制できると共に、連続処理が可能となって
処理効率が向上する。但し、連続処理を行う場合には、
固体の扉5及び9の存在は連続処理を阻害するので、洗
浄中に処理室3内の圧力を陽圧に保持できる程度の流速
のエアカーテンを扉5及び9の替わりに設けることが望
ましい。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
複数個の洗浄液供給ノズルがウェハの第1の端部側から
第2の端部側へと洗浄液がウェハ上を流れるように配置
されているので、ウェハから除去された汚染物の再付着
を防止することができる。また、ウェハ上での洗浄液の
流速がほぼ均一となるので、洗浄むらを抑制することが
できる。更に、昇圧手段により処理室内の気圧を大気圧
より高くしておくことにより、化学種の脱離を抑制する
ことができるので、ウェハ上での化学種の濃度がほぼ均
一となって洗浄むらを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るウェハの洗浄装置
の構造を示す模式的平面図である。
【図2】同じく洗浄装置の構造を示す模式的断面図であ
る。
【図3】(a)及び(b)は搬送アーム10の動作を示
す模式的平面図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係るウェハの洗浄装置
の動作を示す模式的平面図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係るウェハの洗浄装置
の構成を示す模式的平面図である。
【図6】バッチ処理によるウェハの洗浄方法を示す断面
図である。
【図7】一般的な枚様式の洗浄方法を示す模式図であ
る。
【図8】特表2000−501231号公報に開示され
た洗浄装置の構造を簡略化して示す模式的断面図であ
る。
【図9】図8に示す洗浄装置の下方プレートに設けられ
た開口部の位置を示す模式図である。
【符号の説明】
1;ウェハ 2、2a;載置台 3;処理室 4;待機室 5、9;扉 6;洗浄液供給ノズル 7;ガス供給ノズル 8;ドレン管 10;搬送アーム 10a;基部 10b;腕部 101;ウェハ 102;洗浄液槽 103;洗浄液 111;ウェハ 112;洗浄液供給ノズル 113;洗浄液 121;ウェハ 122;上方プレート 123;下方プレート 128、133、134;開口部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェハが挿入される処理室と、この処理
    室内の前記ウェハに対して洗浄液を供給する複数個の洗
    浄液供給ノズルと、前記処理室内の気圧を昇圧する昇圧
    手段と、を有し、前記洗浄液供給ノズルは、その噴出口
    が前記ウェハの直上域をはずした位置であって前記ウェ
    ハに対して一方向に偏った位置に設けられており、前記
    洗浄液を前記ウェハに対して一方向に流れるように供給
    することを特徴とするウェハの洗浄装置。
  2. 【請求項2】 前記昇圧手段は、前記処理室内に陽圧の
    不活性ガスを供給するガス供給ノズルを有することを特
    徴とする請求項1に記載のウェハの洗浄装置。
  3. 【請求項3】 前記ガス供給ノズルは、前記不活性ガス
    を前記洗浄液と同一の方向に流れるように供給してエア
    カーテンを形成することを特徴とする請求項1又は2に
    記載のウェハの洗浄装置。
  4. 【請求項4】 前記ウェハを前記洗浄液の流速により決
    まる回転速度以下の速度で回転させる回転手段を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    のウェハの洗浄装置。
  5. 【請求項5】 前記ウェハは、前記洗浄液供給ノズル側
    が高くなるように傾斜させて配置されることを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか1項に記載のウェハの洗浄
    装置。
  6. 【請求項6】 前記ウェハをその平面に平行の方向に往
    復移動させるウェハ移動手段を有することを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載のウェハの洗浄装
    置。
  7. 【請求項7】 前記洗浄液供給ノズルを前記ウェハの平
    面に平行の方向に往復移動させるノズル移動手段を有す
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記
    載のウェハの洗浄装置。
  8. 【請求項8】 前記洗浄液供給ノズルは、前記洗浄液に
    切り換えてリンス用の液体も前記処理室内に供給するも
    のであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1
    項に記載のウェハの洗浄装置。
  9. 【請求項9】 ウェハが挿入された処理室内の気圧が大
    気圧より高い状態で洗浄液を前記ウェハに対して一方向
    に流れるように供給する工程を有することを特徴とする
    ウェハの洗浄方法。
  10. 【請求項10】 前記洗浄液を供給する工程の前に、前
    記処理室内に不活性ガスを供給して前記処理室内の気圧
    を昇圧する工程を有することを特徴とする請求項9に記
    載のウェハの洗浄方法。
  11. 【請求項11】 前記洗浄液を供給する工程は、前記ウ
    ェハを前記洗浄液の流速により決まる回転速度以下の速
    度で回転させる工程を有することを特徴とする請求項9
    又は10に記載のウェハの洗浄方法。
  12. 【請求項12】 前記洗浄液を供給する工程は、前記ウ
    ェハをその平面に平行の方向であって前記洗浄液が流れ
    る方向とは反対の方向に移動させる工程を有することを
    特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のウ
    ェハの洗浄方法。
  13. 【請求項13】 前記洗浄液を供給する工程は、前記洗
    浄液供給ノズルを前記ウェハの平面に平行の方向であっ
    て前記洗浄液が流れる方向に移動させる工程を有するこ
    とを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載
    のウェハの洗浄方法。
  14. 【請求項14】 リンス用の液体を前記ウェハに対して
    一方向に流れるように供給する工程と、前記ウェハの表
    面に不活性ガスを吹き付けて前記リンス用の液体を飛散
    させる工程と、を有することを特徴とする請求項9乃至
    13のいずれか1項に記載のウェハの洗浄方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012195384A (ja) * 2011-03-15 2012-10-11 Tokyo Electron Ltd 液処理装置、液処理方法及びその液処理方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体
KR101457428B1 (ko) 2008-07-31 2014-11-06 주식회사 케이씨텍 기판세정장치
CN112885712A (zh) * 2021-01-21 2021-06-01 长鑫存储技术有限公司 晶圆边缘的清洗方法以及清洗装置

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