JP2001267104A - Ptc素子 - Google Patents

Ptc素子

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JP2001267104A
JP2001267104A JP2000075576A JP2000075576A JP2001267104A JP 2001267104 A JP2001267104 A JP 2001267104A JP 2000075576 A JP2000075576 A JP 2000075576A JP 2000075576 A JP2000075576 A JP 2000075576A JP 2001267104 A JP2001267104 A JP 2001267104A
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Japan
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ptc
conductive composition
electrode
ptc element
present
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JP2000075576A
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Yasuki Takashima
康樹 鷹島
Mitsumune Kataoka
光宗 片岡
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチングの繰り返しに対し、安定で再現
性が良好なPTC効果を有するPTC導電性組成物及び
それを用いたPTC素子を提供すること。 【解決手段】 PTC導電性組成物に、接着性ポリオレ
フィンとカップリング剤で表面処理した導電性フィラー
を用いるとともに、PTC導電性組成物の表面に半田粉
末を付着させた状態で電極と一体成形することにより、
電極とPTC導電性組成物の接着性を向上して、安定し
た特性を具備したPTC素子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PTC(Positive
Temperature Coefficient;正温度係数)特性を示す導
電性組成物(以下、PTC導電性組成物という)を用い
た素子に関するものである。更に詳しくは、電気機器、
電子機器に用いられ、これらの機器に異常発生時に流れ
る過電流によって、機器が損傷するのを防止するために
用いられる、電気回路保護素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二次電池を始めとする、電気機器、電子
機器に用いられている電気回路保護素子として、カーボ
ン系導電性フィラーを結晶性高分子マトリックスに分散
させた、有機導電性組成物が知られている。この有機導
電性組成物においては、高分子マトリックスの結晶融点
よりも低い温度領域では、カーボン系導電性フィラーが
高分子マトリックスの非結晶領域のみに存在し、連鎖状
構造をとるため、導電性フィラーが電子移動担体となり
低い電気低抗率を示す。
【0003】そして、温度が上昇し、高分子マトリック
スが融解し始めると、高分子マトリックスの体積が増加
するとともに、結晶が非晶に相変化するために、高分子
マトリックス中のカーボン系導電性フィラー間の距離が
広がるとともに、カーボン系導電性フィラーが高分子マ
トリックス中の低温域で結晶領域であった部分にまで拡
散する。その結果、導電経路の破壊が進み抵抗が上昇す
る。
【0004】以上の動作原理を応用した電気回路保護素
子として、室温で低抵抗であり温度上昇とともに抵抗が
増大して電流を制限する素子、特に所望のスイッチング
温度で急激に抵抗が大きくなるPTC特性を示すPTC
導電性組成物からなる素子が用いられている。そして、
このような特性を示す素子、即ちPTC素子は、PTC
導電性組成物を一対の電極の間に密着させて挟んだ構造
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの素子
においては、スイッチングを繰り返すうちに抵抗の変化
が大きくなるという問題がある。この原因は、導電性フ
ィラーを用いたPTC導電性組成物に良好な導電性を付
与するには、導電性フィラーの高充填化を行わなければ
ならないが、導電性フィラーを高充填すると、スイッチ
ングの繰り返しにより、PTC導電性組成物と電極の剥
離が起き易くなるためである。
【0006】このために、これらに素子においては、繰
り返し使用に対する信頼性について、改善の余地があっ
た。そこで、本発明の技術的課題は、PTC導電性組成
物が電極から剥がれることを防ぎ、スイッチングの繰り
返しに対し、安定で再現性が良好なPTC効果を有する
PTC導電性組成物及びそれを用いたPTC素子を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するため、PTC導電性組成物と、PTC素子に用
いられる電極の構成を検討した結果なされたものであ
る。
【0008】即ち、本発明は、結晶性高分子と導電性フ
ィラーからなるPTC導電性組成物を一対の電極に挟ん
だ構造を有するPTC素子において、前記PTC導電性
組成物の表面に半田粉末を付着させてなることを特徴と
するPTC素子である。
【0009】また、本発明は、前記のPTC素子におい
て、前記PTC導電性組成物が、結晶性高分子100重
量部に対して、カップリング剤で表面処理を施した導電
性フィラー300ないし550重量部、架橋剤0.01
ないし100重量部が配合されてなることを特徴とする
PTC素子である。
【0010】また、本発明は、前記のPTC素子におい
て、前記結晶性高分子が、接着性ポリオレフィン、熱可
塑性高分子から選ばれる少なくとも1種類以上を含むこ
とを特徴とするPTC素子である。
【0011】
【作用】本発明のPTC導電性組成物は、結晶性高分子
と金属導電性フィラーを含む導電性組成物であり、20
℃における抵抗率が1Ω・cm以下であり、スイッチン
グ温度以上で10Ω・cm以上の抵抗率を示す。
【0012】また、本発明のPTC導電性組成物は、安
定なPTC特性を示すように導電性フィラーを充分に均
一な分散状態にすることと、金属箔電極に充分な強度で
接着することを目的に、カップリング剤で導電性フィラ
ーに表面処理を施しており、スイッチングを繰り返して
も素子の抵抗の変化は殆ど見られない。従って、本発明
のPTC導電性組成物によって、大きなスイッチング電
力を要求される過電流保護素子についても、特性が安定
したものを得ることができる。
【0013】本発明のPTC導電性組成物を用いたPT
C素子が、上記のようにスイッチングを繰り返しても素
子の抵抗が安定し、スイッチング温度以上の領域で10
Ω・cm以上の高い抵抗率を示す理由は、以下の現象
が複合して効果を発現しているものと考えられる。
【0014】導電性フィラーの高充填化を行うことで素
子特性の安定化が図れ、良好な導電性を有する素子が得
られる。一方で、PTC導電性組成物に含まれるフィラ
ー量を増加させると、PTC導電性組成物の主成分であ
るポリオレフィンの含有量が相対的に減少し、金属箔電
極とPTC導電性組成物間で良好な接着状態が保てなく
なり、金属箔電極とPTC導電性組成物が徐々に剥離す
る。
【0015】本発明のPTC導電性組成物においては、
導電性フィラーに無極性カップリング剤で表面処理を施
すことで、接着性ポリオレフィンが効率よく選択的に電
極と化学的な結合を形成するようになる。通常、金属の
表面には、大気中の水分などとの反応により、水酸基な
どの官能基が形成され、これと反応し得る官能基を持つ
化合物と化学的な結合を形成するが、導電性フィラーを
無極性のカップリング剤で表面処理することにより、導
電性フィラー表面と接着性ポリオレフィンとの間に化学
的な結合が形成されなくなり、前記のような現象が生じ
ると解される。
【0016】また、PTC導電性組成物の表面に半田粉
末を付着させることにより、熱プレスによってPTC導
電性組成物を電極に密着させる際に、半田粉末が溶融し
て電極に溶着し、接着強度を向上することができる。こ
れは、電極への半田の付着により電極表面に凹凸構造を
付与することで電極の表面積、即ち、接着面積を増加す
るとともに、接着面で、いわゆるアンカー効果を発現で
きるためと解される。また、PTC導電性組成物と電極
との接触面積の増加による界面抵抗の減少を図ることも
できる。
【0017】なお、本発明において、導電性フィラーの
量を、結晶性高分子100重量部に対して300重量部
ないし550重量部に限定したのは、この範囲以下では
PTC素子に必要な導電性が確保できないためであり、
この範囲以上では相対的に結晶性高分子の量が過少とな
り、PTC素子の形状が保持できなくなるためである。
【0018】また、架橋剤の量を結晶性高分子100重
量部に対して0.01重量部ないし100重量部に限定
したのは、この範囲以下では架橋反応が不十分で、高温
でPTC素子の形状が保持できなくなり、この範囲以上
では充分なPTC特性を発現できなくなるためである。
【0019】また、本発明においては、結晶性高分子と
して接着性ポリオレフィンを用いる。接着性ポリオレフ
ィンは、元来、接着性に乏しいポリオレフィンに酸無水
物などの基を導入し、接着性を改善したものであるが、
ホットメルト接着剤に用いられる高分子を併用すること
で、接着性を更に向上することができる。このような高
分子で、しかもポリオレフィンとの親和性の高いものと
して、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体などの熱可塑性高分子が挙げられ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、具体的な例を挙げ、本発
明の実施の形態について説明する。
【0021】接着性ポリオレフィンとして、三菱化学製
のポリエチレン系ポリマー(商品名:MODIC−A
P)、導電性フィラーとして新日本金属製のTiC粉
末、架橋剤として日本油脂製の過酸化ベンゾイル(商品
名:パーヘキシン25B)、カップリング剤として味の
素製のチタネート系カップリング剤(商品名:KR−T
TS)を準備した。また熱可塑性高分子として、デュポ
ン製のエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:Elv
ax40L−08)を準備した。更に、比較試料作製の
ため、三井化学製の高密度ポリエチレン(商品名:ハイ
ゼックス3530)を準備した。
【0022】次に、前記の原材料を表1に示した比率で
秤量し、150℃で15分間、均一になるまで混練し、
本発明のPTC素子に用いるPTC導電性組成物を得
た。このPTC導電性組成物を厚さ500μmのシート
状とし、両面に半田粉末を付着させた状態で厚さ25μ
mのニッケル箔の間に挟み、加圧成形するとともに、2
00℃で15分間保持して架橋処理を行った。
【0023】
【表1】
【0024】この操作により、PTC組成物と電極から
なる厚さ300μmのシート状の成形体を得た。なお、
導電性フィラーは、導電性フィラー100重量部に対し
て、カップリング剤3重量部を用いて、予め表面処理を
施して使用した。その後、前記の操作で得られたシート
状の成形体を、外径10mm、内径6mmのリング状に
切断し、PTC素子とした。
【0025】次に、このPTC素子の繰り返し電流遮断
時の抵抗変化を測定した。その評価方法は、室温におけ
る抵抗率、5A、30Vを通電してスイッチングしたと
きの抵抗率、自然冷却して室温まで温度を下げたときの
抵抗率を測定するというものである。この評価に供する
試料としては、表1に示したPTC導電性組成物を用い
て、半田粉末を付着させたPTC素子の他に、従来品1
として、片面を粗面化したニッケル箔を電極として半田
粉末を用いていないPTC素子、従来品2として、粗面
化していないニッケル箔を電極として半田粉末を用いて
いないPTC素子をも採り上げた。表2に、これらの結
果をまとめて示した。
【0026】
【表2】
【0027】その結果、本発明によるPTC素子である
試料1及び試料2は、室温における抵抗率が0.8Ω・
cm、5A、30Vを通電した際のスイッチングまでの
時間が4秒で、そのときの抵抗率が10Ω・cm、自
然冷却して室温まで温度を下げたときの抵抗率が1.0
Ω・cmであった。これは、PTC導電性組成物と粗面
化ニッケル箔電極を接着した従来品と同等であり、本発
明によるPTC素子が従来品と同等以上の安定な繰り返
し電流遮断特性を発現できることが確認できた。
【0028】次に、本発明によるPTC素子を長期間使
用したときの信頼性を確認するため、温度85℃、相対
湿度90%の条件で一定日数、試料を保持した後の抵抗
上昇率を測定した。ここで、抵抗上昇率とは、10回ス
イッチングを行った後の抵抗率と初期の抵抗率との比率
である。図1に、それらの結果を示す。
【0029】図1から明らかなように、本発明によるP
TC素子においては、抵抗上昇率の変化が少なく、充分
な信頼性を具備していることが確認された。また、結晶
性高分子として高密度ポリエチレンのみを用いたPTC
素子も、抵抗上昇率の変化が大きいが、これは接着強度
が不十分なため剥離を起こしていることによると解され
る。
【0030】次に、前記の評価を行った試料について、
電極とPTC導電性組成物との間の接着強度を評価する
ために剥離試験を行った。この結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3より、本発明のPTC素子は、接着強
度が向上していることが明らかである。これは信頼性を
評価した前記の結果にも反映されている。
【0033】
【発明の効果】以上に詳しく説明したように、本発明に
よれば、PTC導電性組成物の組成と、電極との接着界
面の構造の改善により、長期間使用した際の抵抗率変化
の少ない、安定したPTC素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PTC素子を長期間使用したときの信頼性の評
価結果を示す図。
【符号の説明】
1 試料1の結果 2 試料2の結果 3 比較試料の結果 4 従来品1の結果 5 従来品2の結果

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性高分子と導電性フィラーからなる
    PTC導電性組成物を一対の電極に挟んだ構造を有する
    PTC素子において、前記PTC導電性組成物の表面に
    半田粉末を付着させてなることを特徴とするPTC素
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のPTC素子において、
    前記PTC導電性組成物は、結晶性高分子100重量部
    に対して、カップリング剤で表面処理を施した導電性フ
    ィラー300ないし550重量部、架橋剤0.01ない
    し100重量部が配合されてなることを特徴とするPT
    C素子。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2のいずれかに記載
    のPTC素子において、前記結晶性高分子は、接着性ポ
    リオレフィン、熱可塑性高分子から選ばれる少なくとも
    1種類以上を含むことを特徴とするPTC素子。
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