JP2001265447A - 制御装置、温度調節器および熱処理装置 - Google Patents
制御装置、温度調節器および熱処理装置Info
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Abstract
減するとともに、オートチューニングを正しく実行でき
るようにして制御パラメータの設定を可能とする。 【解決手段】個別的に対応する複数のヒータおよび複数
の温度センサを備えるとともに、複数のPID制御手段
61〜6nを備え、平均温度・傾斜温度算出手段5で複
数の温度センサの検出温度の平均温度および検出温度に
基づく傾斜温度を算出し、各PID制御手段61〜6n
は、それぞれ平均温度または各傾斜温度が目標値になる
ように操作信号を出力し、配分手段7によって、各PI
D制御手段61〜6nによる制御が、他のPID制御手
段の制御に影響を与えないように、各ヒータに各PID
制御手段61〜6nからの操作信号を配分するようにし
ている。
Description
圧力などの物理状態を制御する制御装置、制御対象の温
度を制御する温度調節器および温度調節器を用いた熱処
理装置に関し、さらに詳しくは、制御対象の物理状態を
制御する状態制御手段を複数備え、各状態制御手段によ
る制御が、他の状態制御手段による制御に影響を与え
る、いわゆる干渉のある制御対象の制御に好適な技術に
関する。
セスの熱処理装置として、図27に示される熱酸化装置
があり、この熱酸化装置18は、シリコンのウェハを酸
化するものであって、熱処理炉としての反応管19に必
要なガスを流しながら酸化膜の生成を行うものである。
この熱酸化装置18は、反応管19を外囲する均熱管2
0の周囲に分割して配置された複数、この例では、3つ
の第1〜第3のヒータ211〜213とそれに個別的に対
応する第1〜第3の温度センサ221〜223とを有し、
温度制御は、マイクロコンピュータ23によって、ヒー
タおよび温度センサの各組に対応する領域(以下「ゾー
ン」という)毎に個別に行われている。
の温度センサ221が配置された上側の第1のゾーンで
は、第1の温度センサ221の検出出力に基づいて、目
標温度になるように第1のヒータ211が操作され、第
2のヒータ212および第2の温度センサ222が配置さ
れた中間の第2のゾーンでは、第2の温度センサ222
の検出出力に基づいて、目標温度になるように第2のヒ
ータ212が操作され、第3のヒータ213および第3の
温度センサ223が配置された下側の第3のゾーンで
は、第3の温度センサ223の検出出力に基づいて、目
標温度になるように第3のヒータ213が操作される。
いるので、一つのゾーンのヒータによる熱量は、そのゾ
ーンのみならず、他のゾーンの温度センサにも影響を与
える、いわゆる干渉を生じる。
ために、特に、過渡時や外乱時に温度のバラツキが顕著
となって均一な温度制御が困難であり、また、各ゾーン
を異なる目標温度に制御するといったことが容易でな
い。
制御のパラメータを決定するためのオートチューニング
が正しく実行できないという難点もある。
きない理由について、制御のシュミレーションソフト
(MATLAB(登録商標))を使用した例を用いて説
明する。
例として、図28に示される干渉のない独立な第1,第
2の制御対象241,242を制御する場合について説明
する。この例は、独立に二つの制御対象241,242を
制御するものであり、第1のPID制御手段251で
は、オートチューニングを実行し、第2のPID制御手
段252では、目標値をグランドとしてPID制御を実
行している。なお、261,262は、目標値とフィード
バック量との制御偏差を出力する加算器である。
御対象241からの第1のフィードバック量PV1(破
線)、第1のPID制御手段251からの第1の操作量
MV1(実線)、第2の制御対象242からの第2のフ
ィードバック量PV2(二点鎖線)および第2のPID
制御手段252からの第2の操作量MV2(一点鎖線)
を、スコープに表示した波形を示すものであり、第1の
操作量MV1がオンオフするリミットサイクルが生じて
おり、第1のフィードバック量PV1の周期と振幅とを
使って第1のPID制御手段251のPID制御のパラ
メータを決定することができる。
は、例えば温度制御における温度センサで検出された検
出温度に相当し、操作量MV1,MV2は、制御対象を
加熱するヒータおよびそのヒータの通電をオンオフする
電磁開閉器からなる操作手段に与えられる操作量であ
る。
(MV1,MV2)2出力(PV1,PV2)の干渉の
ある制御対象27に独立な制御を実行した場合について
説明する。
うに、第1のPID制御手段251からの第1の操作量
MV1が、第1の加算器28に与えられるとともに、第
1の減衰器29で0.9に減衰されて第2の加算器30
に与えられる一方、第2のPID制御手段252からの
第2の操作量MV2が、第2の加算器30に与えられる
とともに、第2の減衰器31で0.9に減衰されて第1
の加算器28に与えられ、各加算器28,30の加算出
力が、第1,第2の遅れ要素32,33にそれぞれ与え
られる構成とされており、この例では、各操作量MV
1,MV2が0.9の割合で他方に加えられて互いに干
渉を生じるものである。
第1のPID制御手段251で、オートチューニングを
実行し、第2のPID制御手段252では、目標値をグ
ランドとしてPID制御を実行すると、図32に示され
るように、第1の操作量MV1(実線)に、オンオフの
リミットサイクルが生じない場合があり、かかる場合に
は、第1のフィードバック量PV1(破線)の振動の振
幅および周期を正しく測定できず、PID制御のパラメ
ータも計算することができないことになる。
しない原因は、オートチューニングをしない側の第2の
PID制御手段252が干渉してオートチューニング側
の第1のフィードバック量PV1の変化が生じないよう
に勝手に動作してしまうからである。これは、第2の操
作量MV2(一点鎖線)が、第1のフィードバック量P
V1の変化とは逆向きの動きをしていることからも分か
る。
IDの制御パラメータを設定するためのオートチューニ
ングが実行できず、試行錯誤的な設定にならざるを得
ず、このため、設定に時間を要するとともに、所望の制
御特性を得るのが困難である。
であって、干渉のある制御対象であっても、その干渉を
低減するとともに、制御パラメータの設定を可能とする
ことを目的とする。
を達成するために、次のように構成している。
対象の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段から
の情報と前記複数の検出手段に個別的に対応する複数の
目標情報との偏差を、前記物理状態の勾配を示す情報の
偏差に変換するとともに、物理状態の代表状態を示す情
報の偏差に変換する変換手段と、前記変換手段からの前
記勾配を示す情報の偏差または前記代表状態を示す情報
の偏差を制御偏差として操作信号をそれぞれ出力する複
数の状態制御手段と、前記各状態制御手段からの操作信
号を、複数の操作手段に、各状態制御手段による制御
が、他の状態制御手段による制御に与える影響をなくす
又は小さくするように配分する配分手段と、を備えてい
る。
量、速度あるいは液位などの様々な物理量の状態をい
う。
力勾配、流量勾配、速度勾配などの様々な物理量の勾配
をいう。
象の物理状態を代表的に示す状態をいい、例えば、温度
であれば、制御対象の平均温度、ある位置(例えば中央
位置)における温度などをいう。
の情報をいい、例えば、目標温度、目標圧力、目標流量
などをいう。
段からの情報を、物理状態の勾配あるいは代表状態を利
用した情報、すなわち、干渉のない独立の情報に変換し
て制御を行うとともに、配分手段によって各状態制御手
段による制御が、他の状態制御手段による制御に与える
影響をなくす又は小さくするように配分するので、干渉
のある制御対象の制御において、その干渉を低減するこ
とが可能となる。
の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの情
報を、前記物理状態の勾配を示す情報に変換するととも
に、物理状態の代表状態を示す情報に変換する変換手段
と、前記変換手段からの各情報が個別的に与えられる複
数の状態制御手段と、前記各状態制御手段からの操作信
号を、複数の操作手段に、各状態制御手段による制御
が、他の状態制御手段による制御に与える影響をなくす
又は小さくするように配分する配分手段とを備え、前記
各状態制御手段の操作信号を変化させて前記各検出手段
の情報の変化を計測して前記配分手段による配分比を決
定するための伝達係数(伝達関数)を予め求めるもので
ある。
報を、物理状態の勾配を示す情報と代表状態を示す情
報、すなわち、干渉のない独立の情報に変換して制御を
行うとともに、配分手段によって各状態制御手段による
制御が、他の状態制御手段による制御に与える影響をな
くす又は小さくするように配分するので、干渉のある制
御対象の制御において、その干渉を低減することが可能
となる。
状態制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さ
くするように配分するためには、各状態制御手段による
制御が、他の状態制御手段による制御にどの程度影響を
与えるかを予め把握する必要があるが、各状態制御手段
の操作信号を変化させて各検出手段の情報の変化を計測
して伝達係数(伝達関数)を求めることでそれを把握で
きることになる。
象の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段から得
られる検出温度を、複数の検出温度に基づく傾斜温度に
変換するとともに、代表的な代表温度に変換する変換手
段と、前記変換手段からの傾斜温度または代表温度を制
御量として操作信号をそれぞれ出力する複数の温度制御
手段と、前記各温度制御手段からの操作信号を、前記制
御対象を加熱(または冷却)する複数の加熱(または冷
却)手段に、各温度制御手段による制御が、他の温度制
御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくする
ように配分する配分手段とを備え、前記各温度制御手段
の操作信号を変化させて前記各温度検出手段の検出温度
の変化を計測して前記配分手段による配分比を決定する
ための伝達係数(伝達関数)を予め求めるものである。
得られる検出温度を、傾斜温度と代表温度、すなわち、
干渉のない独立の情報に変換して制御を行うとともに、
配分手段によって各温度制御手段による制御が、他の温
度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さく
するように配分するので、干渉のある制御対象の制御に
おいて、その干渉を低減することが可能となる。また、
例えば、制御対象を複数のゾーン毎に区分して温度制御
を行う場合に、特定のゾーンの検出温度を代表温度とし
てそのゾーンに着目した制御を行うことができる。
の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小
さくするように配分するためには、各温度制御手段によ
る制御が、他の温度制御手段による制御にどの程度影響
を与えるかを予め把握する必要があるが、各温度制御手
段の操作信号を変化させて各検出手段の検出温度の変化
を計測して伝達係数(伝達関数)、すなわち、加熱(ま
たは冷却)手段の熱量が、複数の温度検出手段にそれぞ
れ伝わる際の伝達係数(または伝達関数)を求めること
でそれを把握できることになる。
度制御手段の操作信号を順番に変化させて前記各温度検
出手段の検出温度の変化を計測するものである。
号を順番に変化させて各温度検出手段の検出温度の変化
を計測するので、各温度制御手段が、他の温度制御手段
に及ぼす影響、すなわち、伝達係数(伝達関数)を精度
よく求めることができる。
プ応答法またはリミットサイクル法を用いて前記伝達係
数(伝達関数)を求めるものである。
ミットサイクル法を用いるので、伝達係数(伝達関数)
を精度よく求めることができ、特に、リミットサイクル
法は、操作量を、プラス側およびマイナス側に変化させ
ることで、所望の温度における伝達係数(伝達関数)を
求めることができる。
数の温度検出手段に個別的に対応する目標温度を、目標
代表温度および目標傾斜温度に変換する変換手段を備え
ている。
を制御量として制御するので、目標代表温度(代表温度
の目標値)および目標傾斜温度(傾斜温度の目標値)を
設定する必要があるが、複数の温度検出手段に個別的に
対応する目標温度を、目標代表温度および目標傾斜温度
に変換する変換手段を備えることにより、ユーザは、目
標代表温度および目標傾斜温度という不慣れな目標値を
設定する必要がなく、従来と同様に、複数の温度検出手
段に個別的に対応する目標温度、すなわち、各ch毎の
目標温度を設定すればよい。
象の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段から得
られる検出温度と前記複数の温度検出手段に個別的に対
応する複数の目標温度との温度偏差を、傾斜温度の偏差
に変換するとともに、代表的な代表温度の偏差に変換す
る変換手段と、前記変換手段からの傾斜温度の偏差また
は代表温度の偏差を制御偏差として操作信号をそれぞれ
出力する複数の温度制御手段と、前記各温度制御手段か
らの操作信号を、前記制御対象を加熱(または冷却)す
る複数の加熱(または冷却)手段に、各温度制御手段に
よる制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響
をなくす又は小さくするように配分する配分手段とを備
えている。
の検出温度と目標温度との温度偏差を、傾斜温度の偏差
と代表温度の偏差、すなわち、干渉のない独立の情報に
変換して制御を行うとともに、配分手段によって各温度
制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に
与える影響をなくす又は小さくするように配分するの
で、干渉のある制御対象の制御において、その干渉を低
減することが可能となる。また、例えば、制御対象を複
数のゾーン毎に区分して温度制御を行う場合に、特定の
ゾーンの検出温度を代表温度としてそのゾーンに着目し
た制御を行うことができる。
個別的に対応する目標温度、すなわち、各ch毎の目標
温度を設定すればよく、目標代表温度(代表温度の目標
値)および目標傾斜温度(傾斜温度の目標値)という不
慣れな目標値を設定する必要がない。
表温度または目標代表温度に基づいて、前記温度制御手
段の制御パラメータを補正する補正手段を備えるもので
ある。
るヒータの抵抗値が変化し、あるいは、時定数が変化す
るので、そのままではハチングやオバーシュートが発生
することになるが、本発明よると、平均温度などの代表
温度または代表温度の目標値である目標代表温度に基づ
いて、制御パラメータを補正するので、自動的に温度補
償が行われてハンチングやオバーシュートの発生を抑制
できることになる。特に、過渡状態を除いて代表温度と
ほぼ等しい固定の目標代表温度に基づいて補正すること
により、時々刻々変化する代表温度に基づいて補正する
構成に比べて処理が簡素化される。
正手段は、前記代表温度または前記代表目標温度に基づ
いて、予め設定された定数を用いた算出式に従って補正
値を算出するものである。
により、自動的に温度に応じて制御パラメータが補正さ
れることになる。
記算出式が、一次の近似式であり、本発明によると、簡
単な直線近似式で温度補償を行えることになる。
出式が、二次以上の近似式であり、本発明によると、よ
り精度の高い温度補償が行えることになる。
前記代表温度が複数の検出温度に基づく平均温度であ
る。
を制御量として温度制御を行うので、例えば、制御対象
を複数のゾーン毎に区分して各ゾーンの検出温度を制御
量として温度制御を行う場合に比べてゾーンの間の干渉
の度合いを低減できる。
区分して各ゾーンに温度検出手段を配置した場合に、或
るゾーンの温度検出手段で検出された検出温度と、隣接
するゾーンの温度検出手段で検出された検出温度との差
である傾斜温度を制御量とすることができ、ゾーン毎に
温度差を持たせた制御を行えることになる。
調節器と、制御対象としての熱処理炉あるいは熱処理盤
と、該熱処理炉あるいは熱処理盤を加熱(または冷却)
する複数の加熱(または冷却)手段と、前記熱処理炉あ
るいは熱処理盤の温度を検出する複数の温度検出手段と
を備えている。
って熱処理炉あるいは熱処理盤の温度制御を行うので、
干渉を低減した温度制御が可能となる。
の形態について詳細に説明する。
温度調節器を用いた温度制御システムの概略構成図であ
る。
御対象3を加熱する複数のヒータ1 1〜1nと、複数の
ヒータ11〜1nに個別的に対応して制御対象3の温度
を検出する複数の温度センサ21〜2nと、これら温度
センサ21〜2nの検出出力に基づいて、各ヒータ11〜
1nを図示しない電磁開閉器などを介して操作して制御
対象3の温度を制御する本発明に係る温度調節器4とを
備えている。
るものであり、各ヒータ11〜1nと対応する各温度セ
ンサ21〜2nとがそれぞれ近接して配置されて複数の
ゾーンがそれぞれ形成されている。
図27に示される熱酸化装置18に適用できるものであ
り、制御対象3を、熱処理炉としての反応管19とし、
第1〜第3のヒータ11〜13を、反応管19の周囲に分
割して配置された第1〜第3のヒータ211〜213と
し、第1〜第3の温度センサ21〜23を、各ゾーンの温
度を検出する第1〜第3の温度センサ221〜223とし
て適用することができるものである。
であり、この実施の形態の温度調節器4は、複数の温度
センサ21〜2nの検出温度の平均温度および検出温度
に基づく傾斜温度を後述のようにして算出する平均温度
・傾斜温度算出手段(以下「モード変換器」ともいう)
5と、この算出手段5で算出された平均温度または各傾
斜温度がそれぞれ入力される複数の温度制御手段として
のPID制御手段61〜6nと、各PID制御手段61〜
6nからの操作信号(操作量)を後述のように所定の配
分比で加熱手段を構成する各ヒータ11〜1nに配分す
る配分手段(以下「前置補償器」ともいう)7とを備え
ている。平均温度・傾斜温度算出手段5、PID制御手
段61〜6nおよび配分手段7は、例えば、マイクロコ
ンピュータによって構成される。
に、各ゾーン毎に温度を検出して対応するヒータを個別
に制御していたけれども、この実施の形態では、干渉を
なくすために、平均温度・傾斜温度算出手段5で算出さ
れる代表温度としての平均温度および複数の各傾斜温度
を制御量として温度制御を行うようにしている。
手段5は、複数の温度センサ21〜2nからの情報を、
一つの平均温度と複数の傾斜温度との情報に変換するも
のであり、その理由は、干渉がなく、独立で分かりやす
い情報にするためであり、例えば、次のような演算を行
うものである。
力をS1,第2の温度センサ22の検出出力をS2,…
第nの温度センサ2nの検出出力をSnとすると、下記
に示される平均温度Tav,第1の傾斜温度Tt1,第
2の傾斜温度Tt2,…第n−1の傾斜温度Ttn-1を
算出する。
温度の平均温度であり、傾斜温度Tt1は、複数の温度
センサ21〜2nを、温度センサ21〜2n-1と温度セン
サ2nとの二つに区分した場合の温度センサ21〜2n-1
の平均検出温度と温度センサ2nの検出温度との差であ
り、傾斜温度Tt2は、複数の温度センサ21〜2
n-1を、温度センサ21〜2n-2と温度センサ2n-1との二
つに区分した場合の温度センサ21〜2n-2の平均検出温
度と温度センサ2n-1の検出温度との差であり、以下同
様にして、傾斜温度Ttn-1は、温度センサ21と温度セ
ンサ2 2との検出温度の差である。
と称する行列を用いて下記のように表すことができる。
斜温度Tt1〜Ttn- 1とを制御量として温度制御を行
うものである。
れるものではなく、例えば、下記のモード変換行列Gm
に示されるように隣り合う温度センサの検出温度の温度
差や複数の温度センサを二つのグループに区分して各グ
ループの平均検出温度の温度差などの種々の傾斜温度を
用いることができる。
ループに区分した各グループの平均検出温度の温度差、
各グループをさらに二つに区分した各グループの平均検
出温度の温度差、さらに各グループを二つに区分した各
グループの平均検出温度の温度差といったように、マク
ロな傾斜温度からミクロな傾斜温度までを算出して用い
るようにしてもよい。
均の情報とに分離して制御できるようにすればよい。
傾斜温度算出手段5からの平均温度と目標平均温度の制
御偏差に基づいて、平均温度が目標平均温度になるよう
に操作信号を配分手段7に出力し、第2のPID制御手
段62は、平均温度・傾斜温度算出手段5からの第1の
傾斜温度と第1の目標傾斜温度との制御偏差に基づい
て、第1の傾斜温度が第1の目標傾斜温度になるように
操作信号を配分手段7に出力し、第3のPID制御手段
63は、平均温度・傾斜温度算出手段5からの第2の傾
斜温度と第2の目標傾斜温度との制御偏差に基づいて、
第2の傾斜温度が第2の目標傾斜温度になるように操作
信号を配分手段7に出力し、以下同様にして、第nのP
ID制御手段6nは、平均温度・傾斜温度算出手段5か
らの第n−1の傾斜温度と第n−1の目標傾斜温度との
制御偏差に基づいて、第n−1の傾斜温度が第n−1の
目標傾斜温度になるように操作信号を配分手段7に出力
する。
平均温度を制御し、第2〜第nの各PID制御手段62
〜6nは、第1〜第n−1の傾斜温度をそれぞれ制御す
るものである。
〜6nからの操作信号(操作量)を、各ヒータ11〜1n
に配分するのであるが、その際に、各PID制御手段6
1〜6nそれぞれによる平均温度または各傾斜温度の制
御が、他のPID制御手段6 1〜6nそれぞれによる平
均温度または傾斜温度の制御に与える干渉をなくすよう
に配分するものである。
信号によって平均温度を変化させる場合に、その操作信
号によって傾斜温度が変化せず、また、第2のPID制
御手段62の操作信号によって第1の傾斜温度を変化さ
せる場合に、その操作信号によって平均温度および他の
傾斜温度が変化せず、同様に、各PID制御手段の操作
信号によって他のPID制御手段による制御が影響され
ないように配分するのである。
に詳細に説明する。
すなわち、ゾーンが2つであって、第1,第2のヒータ
11,12、第1、第2の温度センサ21,22、平均温度
を制御する第1のPID制御手段61および両温度セン
サ21,22の検出温度の差である傾斜温度を制御する第
2のPID制御手段62を備える場合に適用して図3に
基づいて説明する。
例で説明した2入力2出力の干渉のある制御対象27に
適用した例であり、図2に対応する部分には、同一の参
照符号を付す。
第2の温度センサ21,22の検出出力に相当する制御対
象3からのフィードバック量PV1,PV2を、図4に
示されるように加算器8で加算して減衰器9で1/2に
減衰して平均温度Tavを出力する一方、両温度センサ
21,22の検出出力に相当するフィードバック量PV
1,PV2を減算器10で減算して傾斜温度Ttを出力
するものである。
傾斜温度算出手段5からの平均温度Tavと目標平均温
度の制御偏差に基づいて、平均温度が目標平均温度にな
るように操作信号(操作量)Havを配分手段7に出力
し、第2のPID制御手段6 2は、平均温度・傾斜温度
算出手段5からの傾斜温度Ttと目標傾斜温度との制御
偏差に基づいて、傾斜温度が目標傾斜温度になるように
操作信号(操作量)Htを配分手段7に出力する。
の操作信号(操作量)Hav,Htを以下のような配分
比で各ヒータ11,12に配分する。
系のブロック線図である。平均温度を制御する第1のP
ID制御手段61から与えられる操作量Havを、配分
手段7で干渉をなくす、すなわち、非干渉化するための
係数である非干渉化係数(配分比)k1,k2で第1,第
2のヒータ11,12にそれぞれ配分するとともに、第2
のPID制御手段62から与えられる操作量Htを、非
干渉化係数(配分比)k3,k4で第1,第2のヒータ1
1,12にそれぞれ配分し、これによって、各ヒータ
11,12に熱量H1,H2がそれぞれ与えられるとする。
H1は、伝達係数(干渉係数)l1で第1の温度センサ2
1に伝わる一方、伝達係数(干渉係数)l2で第2の温度
センサ22に伝わり、同様に、第2のヒータ12に与えら
れた熱量H2は、伝達係数(干渉係数)l3で第1の温度
センサ21に伝わる一方、伝達係数(干渉係数)l4で第
2の温度センサ22に伝わるとする。
た検出温度T1と第2の温度センサ2 2で検出された検出
温度T2とから平均温度Tavおよび傾斜温度Ttが算
出されて各PID制御手段61,62に入力されるという
制御ループが構成されている。
うに示される。
みの関数で、傾斜温度の操作量Htの影響をなくすよう
に、すなわち、非干渉化を図るために、Htの項を0と
する。
4)・k4=0 したがって、k4=−{(l1+l2)/(l3+l4)}
k3 となる。
れる。
関数で、平均温度の操作量Havの影響をなくすよう
に、すなわち、非干渉化を図るために、Havの項を0
とする。
l4)k2=0 したがって、k2=−{(l1−l2)/(l3−l4)}
k1 となる。
平均温度を制御し、また、平均温度に影響を与えずに傾
斜温度を制御する、すなわち、平均温度と傾斜温度との
干渉をなくした非干渉制御を行うためには、非干渉化係
数(配分比)k1〜k4で配分すればよく、この非干渉化
係数(配分比)k1〜k4を算出するためには、第1のヒ
ータ11の熱量が第1,第2の温度センサ21,22に伝
わる伝達係数(干渉係数)l1,l2および第2のヒータ
12の熱量が第1,第2の温度センサ21,22に伝わる
伝達係数(干渉係数)l3,l4を知る必要がある。
4は、k1とk2、k3とk4との比率がそれぞれ分かれ
ば、PID制御のゲインによって対応できるので、絶対
値は必ずしも必要でない。
うにして求めることができる。すなわち、ヒータを一つ
だけ変動させて他のヒータは、一定値に固定、例えば、
オンのままあるいはオフのままとし、ヒータの変化量に
対する各温度センサの変化量の比率を伝達係数とするの
である。
状態で、第1のヒータ11を、ある温度振幅で変動させ
たときに、第1,第2の温度センサ21,22の検出温度
にどの程度の温度振幅の変動が生じるかによって伝達係
数l1,l2を計測することができ、例えば、ヒータを温
度振幅1で変動させたきに、温度センサの温度振幅が1
0であれば、伝達係数は、10(=10/1)となる。
化係数(配分比)を用いた配分についてさらに具体的に
説明する。制御対象27の特性は、上述の図31に示さ
れており、この特性から伝達係数は、l1=1,l2=
0.9,l3=0.9,l4=1である。
入すると、 k4=−{(l1+l2)/(l3+l4)}k3 =−{(1+0.9)/(0.9+1)}k3 =−k3 また、k2=−{(l1−l2)/(l3−l4)}k1 =−{(1−0.9)/(0.9−1)}k1 =k1 となる。
合計が、Havと等しくなるように、すなわち、k1+
k2=1となるように設計し、分かり易さのために、k3
=1という条件を加える。
の操作量Havは、1/2ずつ各ヒータ11,12に配分
し、傾斜温度の操作量Htは、第1のヒータ11には、
そのまま、第2のヒータ12には、符号を変えて配分す
ればよい。
ようにして求めることもできる。
述の伝達係数(干渉係数)の行列Pとから配分比(非干
渉化係数)の行列(以下「前置補償行列」ともいう)G
cは、以下のように逆行列として求めることもできる。
性である伝達係数(干渉係数)の行列Pを、
償行列Gcは、
算する。
を、伝達係数を用いて算出したけれども、本発明の他の
実施の形態として、伝達係数に代えて、周波数特性も表
す伝達関数を用いて算出するようにしてもよい。
に示されるように、平均温度の操作信号(操作量)Ha
vは、各減衰器11,12でそれぞれ1/2に減衰して
加算器13および減算器14にそれぞれ配分され、傾斜
温度の操作信号(操作量)Htは、加算器13および減
算器14にそれぞれ配分され、加算器13の出力H1が
第1のヒータ11に、減算器14の出力H2が第2のヒー
タ12に与えられる。
量Havによって平均温度を変化させる場合には、各ヒ
ータ11,12に操作量が等しく配分されるので、傾斜温
度に影響を与えることなく、すなわち、干渉することな
く、平均温度のみを変化させることができる。また、傾
斜温度の操作量Htによって傾斜温度を変化させる場合
には、一方のヒータ11には、その操作量が1倍で与え
られる一方、他方のヒータ12には、−1倍で与えられ
るので、両ヒータに与える総熱量を変化させることな
く、すなわち、平均温度に影響を与えることなく、傾斜
温度のみを変化させることができる。
PID制御手段61でオートチューニングを行った場合
の平均温度・傾斜温度算出手段5からの平均温度Tav
(破線)、第1のPID制御手段61からの平均温度の
操作量Hav(実線)、平均温度・傾斜温度算出手段5
からの傾斜温度Tt(二点鎖線)、第2のPID制御手
段62からの傾斜温度の操作量Ht(一点鎖線)をスコ
ープに表示した波形を示しており、平均温度の操作量H
avがオンオフするリミットサイクルが生じており、平
均温度Tavの周期と振幅とを使ってPID制御のパラ
メータを決定することができる。なお、平均温度Ta
v、傾斜温度Tt、平均温度の操作量Hav、傾斜温度
の操作量Htが、上述の図29,図32の従来例のPV
1、PV2、MV1、MV2にそれぞれ対応する。
制御のパラメータが決定された後には、そのパラメータ
を設定し、次は、傾斜温度を制御する第2のPID制御
手段62のオートチューニングを行ってPID制御のパ
ラメータを決定する。
量として制御することにより、干渉のない制御が可能と
なり、PID制御のパラメータを決定するためのオート
チューニングが可能となり、最適な制御パラメータを設
定して所望の制御特性を得ることができる。
設定された後の通常の制御では、平均温度が目標平均温
度になるように、傾斜温度が目標傾斜温度になるように
制御が行われる。
レーションの結果を以下に説明する。このシミュレーシ
ョンでは、以下のような制御対象のモデリングを行っ
た。すなわち、熱干渉系の最も簡単な例として、図8に
示すように2組のヒータ11,12と温度センサ21,22
と、その間を熱伝導体50でつないだ熱処理装置を考え
る。制御目的は、2点の温度を任意の設定温度で均一化
することである。図9に制御対象の電気的な等価回路を
示す。R1,R2は、温度センサから周囲の空気への熱抵
抗、C1,C2は、温度センサ近傍の熱容量である。
り、ヒータ11の熱量p1の一部は熱伝導体50を伝わっ
て、熱抵抗R3で温度センサ22の温度θ2に干渉し、ヒ
ータ12の熱量p2の一部は、同様に熱抵抗R3で温度セ
ンサ21の温度θ1に干渉する。また、熱量p2の一部の
熱エネルギーは、熱抵抗R4で熱処理装置が固定されて
いる機械装置本体に熱伝導する。ただし、機械装置本体
の熱容量は、非常に大きいので、周囲温度と一致すると
近似した。
=R2=10[℃/W]、R3=1[℃/W]、R4=0.
2[℃/W]、C1=C2=10[J/℃]とした。外乱
は、100Wのステップ状とし、従来例とこの実施の形
態と同じ条件で印加した。
D制御の応答波形を図10に、下記の表2のパラメータ
によるこの実施の形態の応答波形を、図11に示す。
の温度差が発生していたものが、この実施の形態では、
2つのセンサ間の温度差を0.8°Cまで改善している
ことが分かる。
この実施の形態では、傾斜温度と平均温度で独立にPI
Dパラメータを設定できる点にある。この例では、表2
に示すように比例ゲインKpに差をつけ平均温度よりも
傾斜温度の収束を優先するように、傾斜温度制御の比例
ゲインKpを平均温度制御の比例ゲインKpよりも大き
な値に設定した。その結果、簡単なPID制御のパラメ
ータの設定であるにも関わらず、高精度な温度均一化を
期待できるものである。
値応答および外乱応答の比較結果を、図12〜図15に
示す。なお、ここでは、CHR(Chien, Hrones and Re
swick)の調整則の目標値応答オーバーシュート無しを
平均温度制御に、外乱応答オーバーシュート20%を傾
斜温度制御に使用した。
目標値応答および外乱応答の波形であり、図14および
図15が、従来例の目標値応答および外乱応答の波形を
示している。
間も29秒と長く、オーバーシュートも認められたけれ
ども、この実施の形態の目標値応答では、図12に示さ
れるように整定時間も9秒と短く、オーバーシュートも
認められなかった。
定時間も32秒と長く、オーバーシュートもやや認めら
れたのに対して、この実施の形態の外乱応答では、図1
3に示されるように、整定時間も6秒と短く、オーバー
シュートも認められなかった。
制御は、弱くて遅い制御を、傾斜温度制御は、強くて速
い制御を行ったので、目標値応答および外乱応答のいず
れの場合も、オーバーシュートがなく整定時間も短く満
足できるものとなった。
の場合について説明したけれども、ゾーンが3つの場
合、すなわち、ヒータ、温度センサおよびPID制御手
段が3つのn=3の場合にも同様に適用できるものであ
る。
ブロック線図に示されるように、第1〜第3のヒータ1
1〜13と、各ヒータ11〜13に個別的に対応する第1〜
第3の温度センサ21〜23とが、第1〜第3の各ゾーン
にそれぞれ配置されており、第1のゾーンと第2のゾー
ンとが隣接し、第2のゾーンと第3のゾーンとが隣接し
ているとし、簡単化のために、隣接するゾーン間でのみ
干渉があるとし、第1のヒータ11から第2の温度セン
サ22への伝達係数(干渉係数)をl1、第2のヒータ1
2から第1,第3の温度センサ21,23への伝達係数
(干渉係数)をl2,l3、第3のヒータ13から第2の
温度センサ22への伝達係数(干渉係数)をl4とし、第
1のヒータ11から第1の温度センサ21といった相対す
る伝達係数(干渉係数)は、1.0とする。
(配分比)について、平均温度を制御する第1のPID
制御手段61の操作量Havを第2,第3のヒータ12,
13に配分するための非干渉化係数(配分比)をk1,k
2、第1の傾斜温度Tt1を制御する第2のPID制御手
段62の操作量Ht1を第1,第3のヒータ11,13に配
分するための非干渉化係数(配分比)をk3,k4、第2
の傾斜温度Tt2を制御する第3のPID制御手段63の
操作量Ht2を第1,第2のヒータ11,12に配分する
ための非干渉化係数(配分比)をk5,k6とし、第1の
PID制御手段61から第1のヒータ11といった相対す
る非干渉化係数は1.0とする。なお、この例では、第
1の傾斜温度Tt1は、第2,第3の温度センサ22,
23の検出温度T2,T3の平均の検出温度と第1の温度
センサ21の検出温度T1との差としており、また、第2
の傾斜温度Tt2は、第2の温度センサ22の検出温度T
2と第3の温度センサ23の検出温度T3との差としてい
る。
示される。
みの関数で、傾斜温度の操作量Ht1,Ht2の操作量の
影響をなくすように、すなわち、非干渉化を図るため
に、Ht1,Ht2の項を0とする。
l3)+(1+l4)k4=0 (1+l1)k5+(1+l2+l3)k6+(1+l4)=
0 となる。これを以下のように簡略化する。
斜温度の操作量Ht1のみの関数で、平均温度の操作量
Havおよび第2の傾斜温度の操作量Ht2の影響を受
けないという条件を適用して、以下のような同様の方程
式が得られる。
方程式が得られる。
の場合と同様にして求められるので、非干渉化係数k1
〜k6を未知数とする上記〜の6つ方程式が得られ
ることになり、これら方程式を解くことにより、配分手
段で配分するための非干渉化係数(配分比)k1〜k6が
求まることになる。
ようになる。
同様に適用することができるものである。
る前置補償行列Gcは、上述のように、モード変換行列
Gmと伝達係数(干渉係数)の行列Pとから求めること
もでき、第1のPID制御手段61から第1のヒータ11
といった相対する非干渉化係数も含めて求めることがで
きる。ここで、制御対象のある時間の特性である伝達係
数(干渉係数)の行列Pを、
算する。
置補償行列Gcは、モード変換行列Gmと伝達係数(干
渉係数)の行列Pとから以下のように逆行列として求め
ることができる。
うに伝達係数(干渉係数)の行列Pを知る必要がある。
波数特性も表す伝達関数を用いてもよいので、以下にお
いては、伝達関数(干渉係数)として、その行列Pの計
測方法の具体例を説明する。
るステップ応答法を利用した干渉係数の行列Pの計測方
法を説明するための操作量MVおよびフィードバック量
PVの変化を示す図である。
ム、すなわち、制御対象3を加熱する第0から第nの複
数のヒータ10〜1nと、各ヒータ10〜1nに個別的に
対応して制御対象3の温度を検出する第0から第nの複
数の温度センサ20〜2nと、これら温度センサ20〜2
nの検出出力に基づいて、各ヒータ10〜1nを図示し
ない電磁開閉器などを介して操作して制御対象3の温度
を制御する本発明に係る温度調節器4とを備えているシ
ステムにおいて、図17(a)〜(d)に示されるよう
に各ヒータ10〜1nに順番にステップ状の操作量MV
0,MV1…MVnを与え、図17(e)〜(h)に示
される各温度センサ20〜2nからのフィードバック量
である検出温度PV0,PV1…PVnに基づいて、一
定時間tm後の上昇直前の温度に対する温度上昇値ΔP
Vを単位時間Lで割った値ΔPV/Lを、下記に示され
る干渉係数(伝達関数)の行列Pのa00〜annとして設
定するものである。なお、本発明の他の実施の形態とし
て、単位時間Lで割らなくてもよい。
テップ状の操作量MV0を与えたときの図17(e)に
示される第0の温度センサ20の検出温度PV0に基づ
く上述の単位時間当たりの温度上昇値ΔPV/Lをa00
とし、図17(f)に示される第1の温度センサ21の
検出温度PV1に基づく単位時間当たりの温度上昇値Δ
PV/Lをa10とし、図17(g)に示される第2の温
度センサ22の検出温度PV2に基づく単位時間当たり
の温度上昇値ΔPV/Lをa20とし、同様に、図17
(h)に示される第nの温度センサ2nの検出温度PV
nに基づく単位時間当たりの温度上昇値ΔPV/Lをa
n0とする。また、第1のヒータ11に図17(b)に示
されるステップ状の操作量MV1を与えたときの図17
(e)に示される第0の温度センサ20の検出温度PV
0に基づく単位時間当たりの温度上昇値ΔPV/Lをa
01とし、図17(f)に示される第1の温度センサ21
の検出温度PV1に基づく単位時間当たりの温度上昇値
ΔPV/Lをa1 1とし、図17(g)に示される第2の
温度センサ22の検出温度PV2に基づく単位時間当た
りの温度上昇値ΔPV/Lをa21とし、同様に、図17
(h)に示される第nの温度センサ2nの検出温度PV
nに基づく単位時間当たりの温度上昇値ΔPV/Lをa
n1とする。
(d)に示されるステップ状の操作量MVnを与えたと
きの図17(e)に示される第0の温度センサ20の検
出温度PV0に基づく単位時間当たりの温度上昇値ΔP
V/Lをa0nとし、図17(f)に示される第1の温度
センサ21の検出温度PV1に基づく単位時間当たりの
温度上昇値ΔPV/Lをa1nとし、図17(g)に示さ
れる第2の温度センサ2 2の検出温度PV2に基づく単
位時間当たりの温度上昇値ΔPV/Lをa2nとし、同様
に、図17(h)に示される第nの温度センサ2nの検
出温度PVnに基づく単位時間当たりの温度上昇値ΔP
V/Lをannとするものである。なお、図17において
は、tcは、操作量MVの変化に対して検出温度PVの
変化が安定するまでの一定時間である。
作量を与えたときに、各温度センサの検出温度がどれだ
けの影響を受けるかを順次に計測して干渉係数(伝達関
数)の行列Pを求めるものであり、この干渉係数(伝達
関数)の行列Pの計測は、温度制御システムの立ち上げ
時に自動的に行われ、この干渉係数(伝達関数)の行列
Pおよび予め設定されているモード変換行列Gmから上
述のように配分比(非干渉化係数)の行例である前置補
償行列Gcが求められ、この前置補償行列Gcに基づい
て、操作量が配分されて上述した干渉のない制御が行わ
れることになる。 さらに、この実施の形態では、干渉
係数(伝達関数)の行列Pを求める際には、温度調節器
4を構成する各PID制御手段60〜6nは、ステップ
状の操作量を順番に出力するだけであって、上述の図3
2の従来例のように、PID制御は行っていないので、
干渉係数の行列Pを求めると同時に、各PID制御手段
6 0〜6nのPID制御のパラメータも併せて求めるこ
とができる。
MVを与えるので、温度が上昇することになるので、か
かる温度の上昇をなくして、例えば室温で干渉係数を計
測できるよう図19(a)〜(d)に示されるように、
一定の幅を有するパルス状の操作量MV0〜MVnを順
番に与えるようにしてもよい。その他の構成は、図17
の実施の形態と同様である。
同時に計測を行っても構わない。例えば、第0のヒータ
10と第nのヒータ1nとが、遠く離れていてほとんど
干渉しない場合には、第0のヒータ10と第nのヒータ
1nとに同時に操作量MV0,MVnを与え、そのとき
のMV0に対するPVnは0、MVnに対するPV0は
0とするものであり、このように干渉の弱いところで
は、同時に計測を行うことによって計測時間を短縮でき
る。
リミットサイクル法を利用して干渉係数(伝達関数)の
行列Pの計測方法を説明するための上述の図17に対応
する図である。
各ヒータ10〜1nに与える操作量MV0〜MVnを順
番にプラス側とマイナス側とに変動させてそのときの検
出温度PV0〜PVnの最大振幅ΔPVを単位時間で割
った値ΔPV/Lを計測し、上述の干渉係数(伝達関
数)の行列Pのa00〜an0とするものである。その他の
構成は、上述のステップ応答法と同様である。
は、操作量MVをプラス側とマイナス側とに変化させる
ので、例えば、実動作温度に維持した状態で干渉係数
(伝達関数)の行列Pを計測できることになり、より高
い精度で干渉係数を求めることができる。
段は、平均温度が目標平均温度になるように、あるい
は、傾斜温度が目標傾斜温度になるようにそれぞれ制御
するものであり、目標平均温度および目標傾斜温度は、
ユーザが設定するのであるが、従来では、各ch毎に目
標温度を設定していたユーザにとっては、目標平均温度
や目標傾斜温度の設定は理解しにくいものである。
毎の目標温度SPから目標平均温度および目標傾斜温度
を演算するモード変換器5’を設けてもよい。なお、こ
の図21において、上述の図3に対応する部分には、同
一の参照符号を付している。このモード変換器5’は、
制御対象27からのフィードバック量である各chの温
度センサの検出温度から平均温度と傾斜温度とを算出す
るモード変換器5と同じ構成である。
とによって、ユーザは、平均温度や傾斜温度を考慮する
ことなく、従来と同様に各ch毎に目標温度SPを設定
すればよい。
図22に示されるように、制御対象27からのフィード
バック量である各chの温度センサの検出温度と目標温
度SPとの温度偏差を求め、この各ch毎の温度偏差か
ら制御偏差である平均温度偏差および傾斜温度偏差を演
算するモード変換器5’’を設けてもよい。この構成に
よれば、ユーザは、平均温度や傾斜温度を考慮すること
なく、従来と同様に各chの目標温度を設定できる一
方、モード変換器5’’を一つにすることができ、メモ
リ容量の削減と処理の簡素化を図ることができる。
ド変換器5,5’は、複数の温度センサからの検出温度
を、平均温度および傾斜温度に変換するものであったの
に対して、この実施の形態のモード変換器5’’は、複
数の温度センサからの検出温度と目標温度との温度偏差
を、検出された平均温度と目標平均温度との偏差である
平均温度偏差に変換するとともに、検出された傾斜温度
と目標傾斜温度との偏差である傾斜温度偏差に変換する
ものである。
度を、平均温度および傾斜温度に変換した後に制御偏差
を求めるのに対して、この実施の形態では、検出温度と
目標温度との温度偏差を求め、その温度偏差を、制御偏
差である平均温度偏差および傾斜温度偏差に変換するも
のである。
の構成図であり、上述の各実施の形態に対応する部分に
は、同一の参照符号を付す。
が大きくなって流れる電流が低下して制御ループのゲイ
ンが低下し、また、時定数も低下することになり、その
ままでは、ハンチングやオーバーシュートを生じること
になる。そこで、従来では、制御する温度に応じて、制
御パラメータを変更設定しているが、かかる変更設定操
作は、面倒である。
7からのフィードバック量PVである複数の温度センサ
の検出温度に基づく平均温度に応じて各PID制御手段
61〜6nのPIDパラメータを補正するものである。
内部のブロック線図である。
の平均温度に基づいて、比例要素80の比例ゲインKp
を補正手段81で補正して温度変化によるヒータの抵抗
値の変化に起因するゲインの変化を補償する一方、積分
要素82の積分時間Tiおよび微分要素83の微分時間
Tdを補正手段84で補正して温度変化による時定数の
変化を補償するようにしている。
さらに詳細に説明する。先ず、ヒータは、図25の実線
Aで示されるように温度によってその抵抗値が変化する
ために、制御ループのゲインが変化するのであるが、こ
の実線Aで示される実際の変化に対して、例えば、破線
Bで示される下記の近似直線式を考える。
値、ηpは温度係数である。
で、ヒータに流れる電流は、ヒータの抵抗値の変化に応
じて変化することになり、同じパルス幅で駆動したとし
ても電力Pは、温度によって次のように変化することに
なる。
ように変化する。
インである。
ヒータの抵抗値Rが増加すると、ゲインが低下すること
になる。
予め設定される前記温度係数ηpとに基づいて、下記の
一次近似式に従って比例ゲインKpの補正値を算出して
比例要素80の比例ゲインを補正手段81で補正するの
である。
における比例ゲインである。
るように、温度によって変化するのであるが、この実線
Aで示される実際の変化に対して、例えば、破線Bで示
される下記の近似直線式を考えることができる。
数、−kτは近似式の傾きである。
化を直線近似するのと同様に、時定数τに対応するPI
Dパラメータの積分時間Tiおよび微分時間Tdも下記
のように直線近似することができる。
および微分時間であり、ηi,ηdは、温度係数であ
る。
ステップ応答法によって無駄時間を計測することによっ
て算出することができる。
されるように、温度センサからの検出温度に基づく平均
温度と予め設定される前記温度係数ηi,ηdとに基づ
いて、補正手段によって上記一次近似式に従って積分時
間Tiおよび微分時間Tdの補正値を算出して積分要素
82および微分要素83の積分時間Tiおよび微分時間
Tdを補正するのである。
じて比例ゲインKp、積分時間Tiおよび微分時間Td
を補正してPID制御を行うので、ゲインの温度による
変化が補償されるとともに、時定数τの温度による変化
が補償されることになり、従来例のように、制御する温
度に応じてPIDパラメータを変更設定しなくても、ハ
ンチングやオーバーシュートの発生を抑制できることに
なる。
均温度を用いて比例ゲインKp、積分時間Tiおよび微
分時間Tdを補正したけれども、本発明の他の実施の形
態として、目標平均温度を用いて補正してもよい。
とんど検出温度に基づく平均温度と等しいので、時々刻
々変化する平均温度を用いる場合に比べて、固定値であ
る目標平均温度を用いることで処理の負担を大幅に低減
することができる。
p、積分時間Tiおよび微分時間Tdのすべてを補正し
たけれども、本発明の他の実施の形態として、比例ゲイ
ンKp、積分時間Tiおよび微分時間Tdの少なくとも
一つを補正してもよい。
御手段61について説明したが、傾斜温度を制御する各
PID制御手段62〜6nも、同様にモード変換器5か
らの平均温度に基づいて、比例ゲインKp、積分時間T
iおよび微分時間Tdを補正するものである。
行ったけれども、本発明は、二次以上の近似式を用いて
もよい。例えば、時定数τについての二次の近似式の例
を示す。
して求める。近似する元の制御対象の特性曲線のデータ
3点の温度の値(T1,T2,T3)に対するτ/τ0を、
(τ1/τ0,τ2/τ0,τ3/τ0)とすると、以下の3
つの方程式ができる。
−T0)+kc τ2/τ0=ka(T2−T0)2+kb(T2−T0)+k
c τ3/τ0=ka(T3−T0)2+kb(T3−T0)+k
c この3つの式から3つの変数は、数学的に求まるので、
3つのパラメータ(ka,kb,kc)は、求まる。
する時定数の変化τ/τ0データで求めることができ
る。
象の変化曲線に一致した近似式が作れるので、より精度
の高い補正が実現できるという効果が有る。
に代えて、例えば、中央のゾーンの温度の温度などを代
表温度とし、代表温度と傾斜温度とを制御量として制御
を行ってもよい。
の平均温度一つだけを用いたけれども、本発明の他の実
施の形態として、例えば、複数に区分した各グループの
各平均温度、すなわち、複数の平均温度を用いるように
してもよい。
して説明したけれども、本発明は、PID制御に限ら
ず、オンオフ制御、比例制御、積分制御などの他の制御
方式にも適用できるものである。
に限らず、拡散炉やCVD装置、例えば、図33に示さ
れるように、枚葉式のCVD装置における熱処理盤の温
度制御にも適用できるものである。なお、図33におい
て、ウェーハ60が載置される熱処理盤61は、同心状
に外円部62、中間部63、中心部64に3分割されて
おり、各部に個別的に対応するヒータ65〜67が設け
られて各ゾーン毎に温度制御するものである。また、本
発明の熱処理装置は、射出成形機のシリンダ部の温度制
御あるいは包装機のヒータ台の温度制御などにも適用で
きるものである。
手段を用いた温度制御に適用した説明したけれとも、ペ
ルチェ素子や冷却器などを用いた温度制御に適用しても
よいのは勿論であり、さらに、加熱手段と冷却手段とを
併用する温度制御に適用してもよい。
力、流量、速度あるいは液位などの他の物理状態の制御
に適用することもできる。
る制御対象の制御において、その干渉を低減することが
可能となるとともに、最適な制御パラメータの設定も可
能となる。
の伝達係数(伝達関数)を、各状態制御手段の操作信号
を変化させて各検出手段の情報の変化を計測することで
容易に求めることができる。
テムの概略構成図である。
つの場合の構成図である。
ク図である。
形図である。
る。
である。
の計測方法を説明するための図である。
成図である。
図である。
列Pの計測方法を説明するための図である。
る。
である。
る。
る。
ある。
ムの構成図である。
の波形図である。
成図である。
の波形図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 制御対象の物理状態をそれぞれ検出する
複数の検出手段からの情報と前記複数の検出手段に個別
的に対応する複数の目標情報との偏差を、前記物理状態
の勾配を示す情報の偏差に変換するとともに、物理状態
の代表状態を示す情報の偏差に変換する変換手段と、 前記変換手段からの前記勾配を示す情報の偏差または前
記代表状態を示す情報の偏差を制御偏差として操作信号
をそれぞれ出力する複数の状態制御手段と、 前記各状態制御手段からの操作信号を、複数の操作手段
に、各状態制御手段による制御が、他の状態制御手段に
よる制御に与える影響をなくす又は小さくするように配
分する配分手段と、 を備えることを特徴とする制御装置。 - 【請求項2】 制御対象の物理状態をそれぞれ検出する
複数の検出手段からの情報を、前記物理状態の勾配を示
す情報に変換するとともに、物理状態の代表状態を示す
情報に変換する変換手段と、 前記変換手段からの各情報が個別的に与えられる複数の
状態制御手段と、 前記各状態制御手段からの操作信号を、複数の操作手段
に、各状態制御手段による制御が、他の状態制御手段に
よる制御に与える影響をなくす又は小さくするように配
分する配分手段とを備え、 前記各状態制御手段の操作信号を変化させて前記各検出
手段の情報の変化を計測して前記配分手段による配分比
を決定するための伝達係数(伝達関数)を予め求めるこ
とを特徴とする制御装置。 - 【請求項3】 制御対象の温度をそれぞれ検出する複数
の温度検出手段から得られる検出温度を、複数の検出温
度に基づく傾斜温度に変換するとともに、代表的な代表
温度に変換する変換手段と、 前記変換手段からの傾斜温度または代表温度を制御量と
して操作信号をそれぞれ出力する複数の温度制御手段
と、 前記各温度制御手段からの操作信号を、前記制御対象を
加熱(または冷却)する複数の加熱(または冷却)手段
に、各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段に
よる制御に与える影響をなくす又は小さくするように配
分する配分手段とを備え、 前記各温度制御手段の操作信号を変化させて前記各温度
検出手段の検出温度の変化を計測して前記配分手段によ
る配分比を決定するための伝達係数(伝達関数)を予め
求めることを特徴とする温度調節器。 - 【請求項4】 前記各温度制御手段の操作信号を順番に
変化させて前記各温度検出手段の検出温度の変化を計測
する請求項3記載の温度調節器。 - 【請求項5】 ステップ応答法またはリミットサイクル
法を用いて前記伝達係数(伝達関数)を求める請求項3
または4記載の温度調節器。 - 【請求項6】 複数の温度検出手段に個別的に対応する
目標温度を、目標代表温度および目標傾斜温度に変換す
る変換手段を備える3ないし5のいずれかに記載の温度
調節器。 - 【請求項7】 制御対象の温度をそれぞれ検出する複数
の温度検出手段から得られる検出温度と前記複数の温度
検出手段に個別的に対応する複数の目標温度との温度偏
差を、傾斜温度の偏差に変換するとともに、代表的な代
表温度の偏差に変換する変換手段と、 前記変換手段からの傾斜温度の偏差または代表温度の偏
差を制御偏差として操作信号をそれぞれ出力する複数の
温度制御手段と、 前記各温度制御手段からの操作信号を、前記制御対象を
加熱(または冷却)する複数の加熱(または冷却)手段
に、各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段に
よる制御に与える影響をなくす又は小さくするように配
分する配分手段と、 を備えることを特徴とする温度調節器。 - 【請求項8】 前記代表温度または目標代表温度に基づ
いて、前記温度制御手段の制御パラメータを補正する補
正手段を備える請求項3ないし7のいずれかに記載の温
度調節器。 - 【請求項9】 前記補正手段は、前記代表温度または前
記目標代表温度に基づいて、予め設定された定数を用い
た算出式に従って補正値を算出する請求項8記載の温度
調節器。 - 【請求項10】 前記算出式が、一次の近似式である請
求項9記載の温度調節器。 - 【請求項11】 前記算出式が、二次以上の近似式であ
る請求項9記載の温度調節器。 - 【請求項12】 前記代表温度が複数の検出温度に基づ
く平均温度である請求項3ないし11のいずれかに記載
の温度調節器。 - 【請求項13】 請求項3ないし12のいずれかに記載
の温度調節器と、制御対象としての熱処理炉と、該熱処
理炉を加熱(または冷却)する複数の加熱(または冷
却)手段と、前記熱処理炉の温度を検出する複数の温度
検出手段とを備えることを特徴とする熱処理装置。 - 【請求項14】 請求項3ないし12のいずれかに記載
の温度調節器と、制御対象としての熱処理盤と、該熱処
理盤を加熱(または冷却)する加熱(または冷却)手段
と、前記熱処理盤の温度を検出する温度検出手段とを備
えることを特徴とする熱処理装置。
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