JP2001264227A - コーティング層の劣化評価方法 - Google Patents

コーティング層の劣化評価方法

Info

Publication number
JP2001264227A
JP2001264227A JP2000078573A JP2000078573A JP2001264227A JP 2001264227 A JP2001264227 A JP 2001264227A JP 2000078573 A JP2000078573 A JP 2000078573A JP 2000078573 A JP2000078573 A JP 2000078573A JP 2001264227 A JP2001264227 A JP 2001264227A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating layer
deterioration
fracture
test
ductility
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000078573A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Yamamoto
浩喜 山本
Daijiro Fukuda
大二郎 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000078573A priority Critical patent/JP2001264227A/ja
Publication of JP2001264227A publication Critical patent/JP2001264227A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/025Change of phase or condition
    • G01N2291/0258Structural degradation, e.g. fatigue of composites, ageing of oils
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/26Scanned objects
    • G01N2291/269Various geometry objects
    • G01N2291/2693Rotor or turbine parts

Landscapes

  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】より簡便で、かつ評価精度がより的確なコーテ
ィング層の劣化評価方法を提供する。 【解決手段】本発明に係るコーティング層の劣化評価方
法は、評価部位選定工程(ステップ1)と、試験片採取
工程(ステップ2)と、破壊試験工程(ステップ3)と
破壊エネルギー・破壊延性データ収集工程(ステップ
4)と、き裂数データ収集工程(ステップ5)と、予め
コンピュータに格納しておいてデータベース情報(ステ
ップ6)に破壊エネルギー・延性およびき裂を照合させ
る劣化度評価工程(ステップ7)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、高温雰囲
気で使用するガスタービン高温部材に保護層を形成し
た、そのコーティング層の劣化評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン高温部材、例えばタービン
静翼材あるいはタービン動翼材等は、ガスタービン燃焼
ガス(ガスタービン入口のガスタービン駆動ガス)の温
度が1300℃以上の高温雰囲気の下で運転しているの
で、翼母材の表面に耐熱性のコーティング材を被覆して
いる。
【0003】しかし、例えばタービン動翼材等は、コー
ティング層が経年的に高温腐食や酸化等を受けて劣化
し、その劣化がコーティング層表面から厚み方向に進行
し、遂に翼母材にまで達することがある。
【0004】このため、翼母材に劣化が進行する以前に
コーティング層の劣化程度を的確に計測・評価すること
が翼母材を保護し、また、ガスタービンに安定運転を行
わせる上で大切である。
【0005】コーティング層の劣化を評価する方法は、
評価部分の合金元素の濃度分布の変化やγ′相等の組織
変化を検出し、その変化率とクリープ強度などの機械的
特性との相関からコーティング層の劣化程度を評価する
ものであり、例えば特開昭59−60347号公報、特
開昭61−108967号公報、特開平2−22765
4号公報、特開平3−209162号公報、特開平4−
25745、特開平5−312800、特開平8−10
5882号公報が公表されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高温雰囲気で使用する
ガスタービン静翼やガスタービン動翼等のガスタービン
高温部材は、運転中、高温燃焼ガスから保護する必要
上、Ni基礎超過合金製の翼母材に耐食・耐酸化性の金
属コーティング材で被覆しているが、長年の使用の結
果、高温腐食や酸化等により劣化している。
【0007】この劣化のメカニズムを、ガスタービン動
翼を例に採って今少し、詳しく考察してみる。まず、コ
ーティング層は、層内の金属間化合物が粗大化して脆く
なり、起動停止の熱サイクルによりき裂が発生し、高温
腐食・酸化により進展が助長されたと考えられる。次
に、翼母材は、γ′相の析出強化相が長年の使用の結
果、粗大化したと考えられる。
【0008】また、最近、ガスタービン動静翼に適用さ
れる一方向凝固合金や単結晶合金のように高γ′相体積
率を持った合金では、応力負荷方向に垂直な方向に互い
に連なってラフト構造と称する組織を形成し、さらに、
脆化相の生成等により、靭性や熱疲労徳性が低下すると
考えられる。
【0009】これに対し、例えばコーティング層の劣化
評価法は、上述のように、評価部分の合金元素の濃度分
布の変化やγ′相等の組織変化を検出し、その変化率と
クリープ強度等の機械的特性との相関から材料の劣化度
合を評価するものであり、機械的特性を間接的に評価す
るにすぎず、高精度から的確な劣化評価を行うには十分
とは言い難い。
【0010】また、この評価法を用いてコーティング層
の厚み方向の評価を行うには、コーティング層の劣化の
進行の如何に拘らず、コーティング材を採取するための
翼母材を傷付ける場合が生じたり、また、劣化があまり
進行していないコーティング材であっても再び新たなコ
ーティング材に交換しなければならないなど、稼動率の
向上やコストの低減化を考えると、運用上好ましくな
い。
【0011】また、最近の発電プラントでは、稼動条件
が変化し、これに伴い起動・停止頻度が増加しており、
過去の運転データに基づいて作成したマスターカーブを
用いてコーティング材の劣化を評価しても、実運転状況
がマスターカーブ作成時よりも変化していることを考え
ると、必ずしも評価精度が高いとは言えない。
【0012】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたもので、より簡便で、かつ評価精度がより的確にし
て信頼性の高いコーティング層の劣化評価方法を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るコーティン
グ層の劣化評価方法は、上述の目的を達成するために、
請求項1に記載したように、被検体に対し、評価部位を
選定する評価部位選定工程と、選定部位から試験片を採
取する試験片採取工程と、採取した試験片に破壊試験を
実施する破壊試験工程と、破壊試験後、基材から得られ
た破壊エネルギー・延性のデータを収集する破壊エネル
ギー・延性データ収集工程と、破壊試験後、コーティン
グ層から得られたき裂数のデータを収集するき裂数デー
タ収集工程と、予め作成しておいたデータベース情報に
上記破壊エネルギー・延性データ収集工程で得たデータ
および上記き裂数データ収集工程で得たデータを照合さ
せ、基材およびコーティング層の補修・交換の有無を評
価する劣化度評価工程とを備えているものである。
【0014】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項2に
記載したように、評価部位選定工程は、運転状態量をデ
ータとして有限要素法を用いて構造解析から求めた応力
に対し、最も劣化が進んでいる部分を選定するものであ
る。
【0015】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項3に
記載したように、試験片採取工程は、コーティング層に
対する基材の肉厚比が10%〜80%の試験片を採取す
るものである。
【0016】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項4に
記載したように、破壊試験工程は、スモールベント試験
装置およびスモールパンチ試験装置のうち、少なくとも
いずれか一方を用いて試験片に荷重を加え、加えた荷重
と試験片の変位とから荷重−変位線図を作成するもので
ある。
【0017】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項5に
記載したように、破壊エネルギー・延性データ収集工程
は、試験片の破壊試験後に得られた荷重−変位線図のう
ち、全面積を破壊エネルギー値とし、全変位を延性値と
してそれぞれ算出するものである。
【0018】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項6に
記載したように、き裂数データ収集工程は、試験片の破
壊試験後に得られたき裂数を渦電流法、浸透探傷法およ
び超音波探傷法のうち、いずれかを選定して算出するも
のである。
【0019】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項7に
記載したように、データベース情報は、ラーソンミラー
パラメータ・破壊エネルギー・破壊延性に対する余寿命
線図、ラーソンミラーパラメータ・き裂総数に対する余
寿命線図、運転時間・破壊エネルギー・破壊延性に対す
る使用温度マスターカーブ線図および運転時間・き裂総
数に対する使用温度マスターカーブ線図のうち、少なく
とも一つ以上が予めコンピュータに格納しているもので
ある。
【0020】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項8に
記載したように、基材およびコーティング層に生成され
た析出物をレプリカ法を用いて実測し、実測した析出物
を予め作成しておいたマスターカーブ線図に照合し、破
壊エネルギー・破壊延性およびき裂総数を算出するもの
である。
【0021】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項9に
記載したように、マスターカーブ線図は、析出物の平均
粒径に対する破壊エネルギー・延性の相関をコンピュー
タに格納しているものである。
【0022】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項10
に記載したように、マスターカーブ線図は、析出物の平
均粒径に対するき裂総数の相関をコンピュータに格納し
ているものである。
【0023】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項11
に記載したように、基材としてスガスタービン翼に使用
するニッケル基一方向凝固耐熱合金CM247LCを用
い、コーティング材としてCoCrAlYを用いて補修
・交換の有無を評価する方法である。
【0024】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、上述の目的を達成するために、請求項12
に記載したように、基材としてガスタービン翼に使用す
るニッケル基単結晶耐熱超合金CMSX−2を用い、コ
ーティング材としてNiCoCrAlYを用いて補修・
交換の有無を評価する方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコーティング
層の劣化評価方法の実施形態を図面および図面に付した
符号を引用して説明する。
【0026】図1は、本発明に係るコーティング層の劣
化評価方法の実施形態を説明するために用いたブロック
図である。
【0027】本実施形態に係るコーティング層の劣化評
価方法は、評価部位を選定する評価部位選定工程(ステ
ップ1)と、選定した部位から試験片を採取する試験片
採取工程(ステップ2)と、採取した試験片に破壊試験
を実施する破壊試験工程(ステップ3)と、採取した試
験片、例えばガスタービン動翼の基材(翼母材)の破壊
エネルギー・延性等のデータを収集する破壊エネルギー
・延性データ収集工程(ステップ4)と、コーティング
層のき裂数等のデータを収集するき裂数データ収集工程
(ステップ5)と、各ステップ4,5で収集したデータ
を予めコンピュータに格納しておいたデータベース情報
(ステップ6)に照合させて劣化度を評価し、余寿命等
を予測・評価する劣化度評価工程(ステップ7)とを備
えた構成になっている。
【0028】評価部位選定工程(ステップ1)は、圧
力、温度等の運転状態量をデータとして有限要素法を用
いて構造解析から求めた応力等のうち、最も劣化が進ん
でいる部分の位置を選定するものである。
【0029】試験片採取工程(ステップ2)は、評価部
位選定工程(ステップ1)で試験片採取位置が選定され
ると、例えば、図2に示すように、ガスタービン動翼1
の前縁2から基材(翼母材)3にコーティング材4を被
覆したスモールパンチ試験片5およびスモールベント試
験片6のうち、少なくともいずれか一方が採取される。
【0030】スモールパンチ試験片5およびスモールベ
ント試験片6は、電気化学的加工法、放電加工方および
ワイヤカット等の機械的加工法のうち、いずれかを選択
して採取されるが、その際、試験片との肉厚に占めるコ
ーティング材の肉厚の比率に注意する必要がある。
【0031】例えば、破壊エネルギー・延性は、図3に
示すように、コーティング層の肉厚の試験片の肉厚に占
める肉厚比が80%以上になると急激に低下し、データ
とし無意味なものになる。
【0032】また、き裂総数は、図4に示すように、コ
ーティング層の肉厚の試験片の肉厚に占める肉厚比が1
0%以下になるとき裂が発生しにくくなり、コーティン
グ層の劣化評価が難しくなる。
【0033】したがって、試験片を採取するにあたり、
コーティング層の肉厚の試験片の肉厚に占める肉厚比
は、10%〜80%になっていることが重要である。
【0034】ステップ2で試験片が採取されると、破壊
試験工程(ステップ3)は破壊試験装置を用いて試験片
のデータ収集のためのテストを実施する。
【0035】試験片からデータを収集する際に用いられ
る破壊試験装置には、スモールベント試験装置とスモー
ルパンチ試験装置とがある。
【0036】スモールベント試験装置は、図5に示すよ
うに、スモールベント試験片6を支持する支持部7a,
7bと、スモールベント試験片6に荷重Fを加えるロー
ドセル8と、ロードセル8に接続し、スモールベント試
験片6の撓みを検出するクリップゲージ9と、検出した
撓み信号を増幅する歪アンプ10と、ロードセル8の荷
重Fを検出し、その信号を増幅させる荷重アンプ11と
を備えた構成になっている。
【0037】このような構成を備えたスモールベント試
験装置において、荷重Fが加えられると、スモールベン
ト試験片6は、図6に示すように、破線で示す位置に変
化し、このとき基材(翼母材)3に被覆したコーティン
グ層12にき裂13が生成される。
【0038】このとき、スモールベント試験装置は、図
5に示すように、スモールベント試験片6の変位(撓
み)をクリップゲージ9で検出し、検出信号を歪アンプ
10で増幅させるとともに、ロードセル8の荷重Fを荷
重アンプ11で増幅させ、荷重−変位線図14を作成す
る。
【0039】この荷重−変位線図14は、図7に示すよ
うに、斜線部分Aの面積(積分値)がスモールベント試
験片6の破壊エネルギーを、また変位の全長Bがスモー
ルベント試験片6の延性をそれぞれ示している。したが
って、スモールベント試験片の破壊エネルギ値および延
性値のそれぞれは、荷重−変位線図14から求めること
ができる。
【0040】一方、スモールパンチ試験装置は、基本的
に上述のスモールベント試験装置と同一で、例えば図8
に示すように、円形状のスモールパンチ試験片5を支持
する支持台15a,15b、支持台15a,15bを接
続させるネジ16a,16b、スモールパンチ試験片5
に荷重Fを加えるパンチャー17が異なる構成になって
おり、スモールパンチ試験片5にロードセル8から荷重
Fが加えられると、荷重−変位線図14を作成するよう
になっている。
【0041】このように、破壊試験工程(ステップ3)
で収集された破壊エネルギー・延性は、破壊エネルギー
・延性収集工程(ステップ4)で荷重−変位線図14と
して作成され、この荷重−変位線図14からガスタービ
ン動翼1の長時間運転に基づく実破壊エネルギー・延性
が算出される。
【0042】き裂数データ収集工程(ステップ5)で
は、試験片に被覆したコーティング層12に生成された
実のき裂13を渦電流法、浸透探傷法および超音波探傷
法のうち、いずれかを用いて算出される。
【0043】破壊エネルギー・延性収集工程(ステップ
4)で実破壊エネルギー・延性が算出され、き裂数デー
タ収集工程(ステップ5)で実のき裂13の個数が算出
されると、劣化評価工程(ステップ7)では、予めコン
ピュータに格納しておいたデータベース情報(ステップ
6)と照合する。
【0044】この劣化評価工程(ステップ7)は、未使
用の試験片から収集した破壊エネルギー・延性およびき
裂数に長時間運転後の実機材から採取した試験片に基づ
く破壊エネルギー・延性およびき裂数を照合させて残余
の寿命を予測するものである。
【0045】一般に、ガスタービン動翼1は、図9に示
すように、基材8に、例えばNiAl等の析出物M
が含まれ、基材18の表面に拡散層19を介して例えば
Al等の析出物Nが含まれるコーティング層20からな
る未使用材21に対し、実基材22が長時間の運転の結
果、基材18に粗大化した例えばNiAl等の析出
物Mやラフト組織Oを形成し、拡散層19に脆化相Pを
生成し、コーティング層20に粗大化した例えばAl等
の析出物Nを形成し、コーティング層20の表面に酸化
スケール部23を形成すると、材料が劣化していること
が知られている。
【0046】本実施形態では、このように、粗大化した
析出物M,Nが基材18やコーティング層20の寿命に
直接悪影響を与えていることに着目したもので、データ
ベース情報(ステップ6)として、レプリカ法を用いて
析出物M,Nを算出し、算出した析出物M,Nを基に、
例えば図10に示す析出物の平均粒径に対する破壊エネ
ルギー・破壊延性のマスターカーブ線図や図11に示す
析出物の平均粒径に対するき裂総数のマスターカーブ線
図が予めコンピュータに格納されている。
【0047】このように、本実施形態では、データベー
ス情報(ステップ6)として析出物の平均粒径に対する
破壊エネルギー・破壊延性のマスターカーブ線図や析出
物の平均粒径に対するき裂総数のマスターカーブ線図
を、コンピュータに格納し、格納したマスターカーブ線
図に基材18およびコーティング層20のそれぞれから
レプリカ法を用いて実測した析出物M,Nの平均粒径を
照合させることにより、ステップ1で選定されなかった
ガスタービン動翼の他の部位でも、破壊試験を実施する
ことなく破壊エネルギー・破壊延性やき裂総数を簡易に
算出することができる。
【0048】また、本実施形態では、データベース情報
(ステップ6)として、実機材がどの程度の温度で運転
されたかを知る必要上、運転時間(熱時効時間)と破壊
エネルギー・破壊延性またはき裂総数とのデータから実
機材の使用温度が推定できる、例えば図12に示す運転
時間・破壊エネルギー・破壊延性に対する使用温度マス
ターカーブ線図や、例えば図13に示す運転時間・き裂
総数に対する使用温度マスターカーブ線図が予めコンピ
ュータに格納されている。
【0049】劣化評価工程(ステップ7)では、算出し
た破壊エネルギー・破壊延性およびき裂総数のそれぞれ
を、データベース情報(ステップ6)としてコンピュー
タに格納しておいた、例えば図14に示す、ラーソンミ
ラーパラメータ・破壊エネルギー・破壊延性に対する余
寿命線図や、例えば図15に示す、ラーソンミラーパラ
メータ・き裂総数に対する余寿命線図のそれぞれに照合
し、基材およびコーティング材の残余の余寿命を評価し
ている。なお、図14および図15中、Xは実機材の
破壊エネルギー・破壊延性値を、Xは実機材のき裂総
数を、Yは実機材の限界破壊エネルギー・破壊延性値
をYは実機材の限界き裂総数をそれぞれ示している。
【0050】このように、本実施形態は、評価部位選定
工程(ステップ1)、試験片採取工程(ステップ2)、
破壊試験工程(ステップ3)、破壊エネルギー・延性デ
ータ収集工程(ステップ4)、き裂数データ収集工程
(ステップ5)、ステップ4および5で算出したデータ
をデータベース情報(ステップ6)に照合し、余寿命等
を予測・評価する劣化度評価工程(ステップ7)を備
え、算出したデータを予めデータベース化したマスター
カーブ線図に照合するので、より簡便にして、かつ評価
精度がより的確なコーティング層の劣化評価方法を実現
することができる。
【0051】[実施例]本実施形態は、上述のステップ
1〜ステップ7のに手順に従って基材およびコーティン
グ層の劣化度評価の検証を実施した。
【0052】実施例1 本実施例は、約3800時間(起動停止回数165回)
の運転を実施した15MWガスタービンとの第1段ガス
タービン動翼である。
【0053】このガスタービン動翼は、γ′相体積率が
45%のニッケル基一方向凝固耐熱超合金CM247L
C製で、耐食耐酸化コーティングとしてCoCrAlY
が施工されている。また、試験片は、図2で示したよう
に、ガスタービン動翼1の前縁2から採取した。
【0054】ところで、最近のガスタービン動翼では、
メタルの温度を下げるために、翼内に空気または蒸気等
の冷却媒体を通す構造になっている。このため、翼内と
翼外表面とで温度差が生じ、さらに翼に遠心力および熱
応力が加わって、翼外表面が過酷な状態になっており、
劣化がより早く進行する部位になっている。特に、前縁
2は、翼外表面の中でも最も過酷である。
【0055】本実施例は、このような点を考慮してガス
タービン動翼1の前縁2から試験片を採取したが(ステ
ップ1)、試験片の採取の際、他の部位の形状に影響を
与えない放電加工法を用いた(ステップ2)。
【0056】ステップ2で採取した試験片は2mm角、
長さ11mm、コーティング層の基材に対する肉厚比1
5%であり、スモールベント試験機で破壊試験工程(ス
テップ3)を実施した。
【0057】破壊試験工程(ステップ3)では、図7で
示した荷重−変位線図を作成し、この荷重−変位線図か
ら破壊エネルギーおよび破壊延性を求めた。
【0058】また、コーティング層12(20)は、図
9で示したように、劣化が析出相Nの粗大化により延
性、剛性、物性に悪影響を与えることが確認されている
ので、図6で示したように、基材3側より曲げ荷重Fを
加え、コーティング層12(20)を引張側にし、劣化
が進んでいれば、試験片6の変形によりき裂がより一層
容易に発生し易いようにした。
【0059】一方、データベース情報(ステップ6)
は、例えば、図16に示すように、ラーソンミラーパラ
メータ・破壊エネルギー低下率に対する余寿命線図をコ
ンピュータに格納するとともに、例えば、図17に示す
ように、ラーソンミラーパラメータ・き裂総数増加率に
対する余寿命線図をコンピュータに格納した。なお、き
裂総数は、渦電流探傷法を用いて算出した。
【0060】また、実機材の使用温度は、例えば図18
に示した運転時間・破壊エネルギーに対する使用温度マ
スターカーブ線図および例えば図19に示した運転時間
・き裂総数に対する使用温度マスターカーブ線図から求
めた。
【0061】実機材から試験片として採取した調査翼
は、劣化度評価工程(ステップ7)で図16のラーソン
ミラーパラメータに対する破壊エネルギー低下率マスタ
ーカーブ線図および図17のラーソンミラーパラメータ
に対するき裂総数増加率マスターカーブ線図のそれぞれ
に照合させたところ、基材の劣化度が約20%、コーテ
ィング層の劣化度が約25%、基材の余寿命が約640
0時間、コーティング層の余寿命が約9500時間であ
ることがわかった。
【0062】実施例2 本実施例は、実施例1と同様に、約3800時間(起動
停止回数165回)の運転を実施した15MWガスター
ビンとの第1段ガスタービン動翼である。
【0063】このガスタービン動翼は、γ′相体積率が
55%のニッケル基単結晶耐熱超合金CMSX−2製
で、耐食耐酸化コーティングとしてNiCoCrAlY
が施工されている。また、実施例1と同様に、試験片
は、図2で示したガスタービン動翼1の前縁2から採取
した(ステップ2)。
【0064】ステップ2で採取した試験片は、直径8m
m、厚さ0.5mm、コーティング層の基材に対する肉
厚比50%であり、スモールパンチ試験機で破壊試験工
程(ステップ3)を実施した。
【0065】破壊試験工程(ステップ3)では、実施例
1と同様に、図7で示した荷重−変位線図を作成し、こ
の荷重−変位線図から破壊エネルギーおよび破壊延性を
求めた。
【0066】一方、データベース情報(ステップ6)
は、例えば図20に示すように、ラーソンミラーパラメ
ータ・破壊エネルギー低下率に対する余寿命線図をコン
ピュータに格納するとともに、例えば、図21に示すよ
うに、ラーソンミラーパラメータ・き裂総数増加率に対
する余寿命線図をコンピュータに格納した。なお、き裂
総数は、光学顕微鏡による断面組織観察を用いて算出し
た。
【0067】また、実機材の使用温度は、例えば図22
に示した運転時間・破壊エネルギーに対する使用温度マ
スターカーブ線図および例えば図23に示した運転時間
・き裂総数に対する使用温度マスターカーブ線図から求
めた。
【0068】実機材から試験片として採取した調査翼
は、劣化度評価工程(ステップ7)で図20のラーソン
ミラーパラメータに対する破壊エネルギー低下率マスタ
ーカーブ線図および図21のラーソンミラーパラメータ
に対するき裂総数増加率マスターカーブ線図のそれぞれ
に照合させたところ、基材の劣化度が約10%、コーテ
ィング層の劣化度が約7%、基材の余計寿命が約137
000時間、コーティング層の余寿命が約19000時
間であることがわかった。
【0069】実施例3 本実施例は、実施例1と異なり、試験片の破壊試験を実
施せずに、ミクロ組織変化により基材およびコーティン
グ層の劣化度を評価した。
【0070】なお、試験片は、測定部位、運転時間、ニ
ッケル基一方向凝固耐熱超合金の材質、および耐食耐酸
化コーティングの材質が実施例1と同様である。
【0071】また、ミクロ組織変化は、レプリカ法を用
いて観察した。このレプリカ法は、観察する部位にグラ
インダ等で鏡面研磨し、材料に合った腐食液でエッチン
グし、その個所に溶剤で溶かしたレプリカ膜を張り付け
て、乾燥後、剥がすことにより金属組織を転写するもの
である。
【0072】観察する部位から採取したレプリカ膜を透
過電子顕微鏡を用い、基材の平均γ′相粒径とコーティ
ング層の平均CoAl粒径を測定した。
【0073】その結果を、例えば図24に示すγ′相平
均粒径に対する破壊エネルギーマスターカーブ線頭およ
び例えば図25に示すCoAl相平均粒径に対するき裂
総数マスターカーブ線図をそれぞれプロットすると、破
壊エネルギー値は2.5Jであり、き裂総数個は19個
であった。
【0074】2.5Jの破壊エネルギー値および19個
のき裂総数個は、実測値である破壊エネルギー値2.3
J、き裂総数個18個とほぼ一致する値が得られた。
【0075】このように、本実施例では、実機材から試
験片を採取し、破壊試験を実施しなくとも、レプリカ法
で求めた析出物の平均粒径の変化から劣化度の評価パラ
メータを推定できる。
【0076】実施例4 本実施例は、実施例2で示したものと同一条件のニッケ
ル基単結晶耐熱超合金CMSX−2製、コーティング材
NiCoCrAlY施工のガスタービン動翼をコーティ
ングおよび再生熱処理を実施したものである。
【0077】リコーティングは、耐食耐酸化コーティン
グのストリッピングと再コーティング施工から構成され
ている。
【0078】ガスタービン動翼は、耐食耐酸化コーティ
ングを除去するために、濃塩酸中に10時間浸漬し、ス
トリッピングを実施した。
【0079】除去溶液は、耐食耐酸化コーティングのみ
化学反応により取り除くことができるものを選定するこ
とが重要で、本実施例に適用する濃塩酸のほか、インヒ
ビタを加えた混合酸性溶液が適している。浸漬時間は、
コーティングの種類により異なるが1サイクル当り5〜
20時間が望ましい。なお、ストリッピングを施工する
個所以外の例えばシャンク部、植込み部等は濃塩酸によ
る腐食から守るためにマスキングが施工される。また、
ストリッピング施工後、ガスタービン動翼は、付着した
濃塩酸を取り除く水洗、あるいは湯洗を実施する。この
とき、アルカリ溶液等の中和剤を併用してもよい。
【0080】コーティング除去の良否は、ヒーティング
処理により確認した。ヒーティング処理は、大気炉中で
500〜700℃に15〜30分加熱し、未除去コーテ
ィングと基材との変色の差から除去の良否を判定するも
のである。本実施例では、600℃で20分加熱した。
コーティングが除去されたことを確認した後、マスキン
グを外し、NiCoCrAlYを減圧プラズマ溶射で再
コーティングを施工した。
【0081】リコーティングに続いて、再生熱処理を実
施した。再生熱処理は溶体化処理と2段階の熱時効処理
から成るものである。溶体化処理は1315℃で12時
間実施した。この温度は基材のγ′相のγ相中への固溶
温度(1270〜1310℃)以上で、かつ合金の初期
溶融温度(1320℃)以下とし、所定時間保持後の冷
却速度はできる限り速い方が望ましい。また保持時間は
20時間で実施したが、4時間以上であれば十分であ
る。この溶体化処理はγ′相をγ相中へ固溶させるため
の処理で、この処理より再生熱処理の目的はほぼ達成さ
れる。なお、この溶体化処理をHIP熱処理中で行うこ
とは、γ′相のγ相への固溶を促進させる働きがあるの
で有効である。続いて行う第1段熱時効処理はγ′相形
状を強度面から適正化するためのもので、980〜12
00℃の範囲が好ましいので、本実施例では1080℃
で4時間施工した。
【0082】また、第1段熱時効処理はリコーティング
したコーティング材と基材とを拡散接合させるための処
理としても不可欠である。第2段熱時効処理はγ′相を
安定化させる目的で施すものであり、800〜1000
℃の範囲が好ましく、本実施例では871℃で20時間
で実施した。
【0083】リコーティングおよび再生熱処理後、ガス
タービン動翼から採取した試験片によるスモールベント
試験結果を表1に示す。破壊エネルギー・破壊延性・コ
ーティング層のき裂総数とともに未使用のガスタービン
動翼とほぼ同等の値を示しており、劣化後のガスタービ
ン動翼に、適切なリコーティングと再生熱処理を施すこ
とにより、劣化損傷が回復し寿命が延びることがわかっ
た。
【0084】
【表1】
【0085】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明に係るコー
ティング層の劣化評価方法は、対象物の評価部位を選定
し、選定した評価部位から試験片を採取し、採取した試
験片に破壊試験を実施し、破壊試験から基材の破壊エネ
ルギー・延性等のデータと、コーティング層のき裂数等
のデータとを収集し、収集したデータを予め作成してお
いてデータベース情報に照合し、コーティング層等の余
寿命等を予測・評価するので、簡易にして適確な基材お
よびコーティング層の補修・交換の管理を実施すること
ができる。
【0086】また、本発明に係るコーティング層の劣化
評価方法は、基材およびコーティング層に生成される析
出物を基にして作成した破壊エネルギー・破壊延性と、
き裂総数とのそれぞれのマスターカーブ線図に実測デー
タを照合するので、基材およびコーティング層の補修・
交換の管理を簡易にして容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法の
実施形態を説明するために用いたブロック図。
【図2】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法に
おいて、ガスタービン動翼から試験片を採取する位置を
説明するために用いた概念図。
【図3】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法に
おいて、コーティング層の基材に対する肉厚比が80%
以上を超えると破壊エネルギー等値が低下し、精度が下
がることを説明するために用いたグラフ。
【図4】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法に
おいて、コーティング層の基材に対する肉厚比が10%
以下になるとき裂総数が低下し、精度が下がることを説
明するために用いたグラフ。
【図5】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法に
適用するスモールベント試験装置を説明するために用い
た概略図。
【図6】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法に
おいて、試験片にスモールベント試験を実施することを
説明するために用いた概念図。
【図7】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法に
おいて、試験片に破壊試験を実施した結果、得られた破
壊エネルギーおよび破壊延性を示すグラフ。
【図8】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法に
適用するスモールパンチ試験装置を説明するために用い
た概略図。
【図9】基材およびコーティング層に含まれる析出物が
成長して粗大化することを、ガスタービン動翼の使用前
と長時間使用後とを対比させた概念図。
【図10】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
に適用する析出物の平均粒径に対する破壊エネルギー・
破壊延性のマスターカーブ線図。
【図11】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
に適用する析出物の平均粒径に対するき裂総数のマスタ
ーカーブ線図。
【図12】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
に適用する運転時間・破壊エネルギー・破壊延性に対す
る使用温度マスターカーブ線図。
【図13】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
に適用する運転時間・き裂総数に対する使用温度マスタ
ーカーブ線図。
【図14】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
に適用するラーソンミラーパラメータ・破壊エネルギー
・破壊延性に対する余寿命線図。
【図15】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
に適用するラーソンミラーパラメータ・き裂総数に対す
る余寿命線図。
【図16】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
において、実施例1で適用するラーソンミラーパラメー
タ・破壊エネルギー低下率に対する余寿命線図。
【図17】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
において、実施例1で適用するラーソンミラーパラメー
タ・き裂総数増加率に対する余寿命線図。
【図18】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
において、実施例1で適用する運転時間・破壊エネルギ
ーに対する使用温度マスターカーブ線図。
【図19】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
において、実施例1で適用する運転時間・き裂総数に対
する使用温度マスターカーブ線図。
【図20】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
において、実施例2で適用するラーソンミラーパラメー
タ・破壊エネルギー低下率に対する余寿命線図。
【図21】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
において、実施例2で適用するラーソンミラーパラメー
タ・き裂総数増加率に対する余寿命線図。
【図22】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
において、実施例2で適用する運転時間・破壊エネルギ
ーに対する使用温度マスターカーブ線図。
【図23】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
において、実施例2で適用する運転時間・き裂総数に対
する使用温度マスターカーブ線図。
【図24】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
において、実施例3で適用するγ′相平均粒径に対する
破壊エネルギーマスターカーブ線図。
【図25】本発明に係るコーティング層の劣化評価方法
において、実施例3で適用するCoAl相平均粒径に対
するき裂総数マスターカーブ線図。
【符号の説明】
1 ガスタービン動翼 2 前縁 3 基材 4 コーティング材 5 スモールパンチ試験片 6 スモールベント試験片 7a,7b 支持部 8 ロードセル 9 クリップゲージ 10 歪アンプ 11 荷重アンプ 12 コーティング層 13 き裂 14 荷重−変位線図 15a,15b 支持台 16a,16b ネジ 17 パンチャー 18 基材 19 拡散層 20 コーティング層 21 未使用材 22 実機材 23 酸化スケール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 29/10 501 G01N 29/10 501 3G002 33/20 33/20 N Fターム(参考) 2G047 AA07 AB07 AC06 BC11 GA20 GG19 2G050 AA01 AA04 BA10 BA20 CA10 DA02 2G053 AA14 AB21 AB22 BA02 BA15 BA24 2G055 AA07 BA11 CA01 CA02 CA04 CA05 CA11 DA08 FA01 FA08 FA10 2G061 BA03 BA15 CA02 CA04 CB13 CB18 DA12 EA01 EA02 EA08 EA10 EC02 EC04 3G002 EA05 EA06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に対し、評価部位を選定する評価
    部位選定工程と、選定部位から試験片を採取する試験片
    採取工程と、採取した試験片に破壊試験を実施する破壊
    試験工程と、破壊試験後、基材から得られた破壊エネル
    ギー・延性のデータを収集する破壊エネルギー・延性デ
    ータ収集工程と、破壊試験後、コーティング層から得ら
    れたき裂数のデータを収集するき裂数データ収集工程
    と、予め作成しておいたデータベース情報に上記破壊エ
    ネルギー・延性データ収集工程で得たデータおよび上記
    き裂数データ収集工程で得たデータを照合させ、基材お
    よびコーティング層の補修・交換の有無を評価する劣化
    度評価工程とを備えていることを特徴とするコーティン
    グ層の劣化評価方法。
  2. 【請求項2】 評価部位選定工程は、運転状態量をデー
    タとして有限要素法を用いて構造解析から求めた応力に
    対し、最も劣化が進んでいる部分を選定することを特徴
    とする請求項1記載のコーティング層の劣化評価方法。
  3. 【請求項3】 試験片採取工程は、コーティング層に対
    する基材の肉厚比が10%〜80%の試験片を採取する
    ことを特徴とする請求項1記載のコーティング層の劣化
    評価方法。
  4. 【請求項4】 破壊試験工程は、スモールベント試験装
    置およびスモールパンチ試験装置のうち、少なくともい
    ずれか一方を用いて試験片に荷重を加え、加えた荷重と
    試験片の変位とから荷重−変位線図を作成することを特
    徴とする請求項1記載のコーティング層の劣化評価方
    法。
  5. 【請求項5】 破壊エネルギー・延性データ収集工程
    は、試験片の破壊試験後に得られた荷重−変位線図のう
    ち、全面積を破壊エネルギー値とし、全変位を延性値と
    してそれぞれ算出することを特徴とする請求項1記載の
    コーティング層の劣化評価方法。
  6. 【請求項6】 き裂数データ収集工程は、試験片の破壊
    試験後に得られたき裂数を渦電流法、浸透探傷法および
    超音波探傷法のうち、いずれかを選定して算出すること
    を特徴とする請求項1記載のコーティング層の劣化評価
    方法。
  7. 【請求項7】 データベース情報は、ラーソンミラーパ
    ラメータ・破壊エネルギー・破壊延性に対する余寿命線
    図、ラーソンミラーパラメータ・き裂総数に対する余寿
    命線図、運転時間・破壊エネルギー・破壊延性に対する
    使用温度マスターカーブ線図および運転時間・き裂総数
    に対する使用温度マスターカーブ線図のうち、少なくと
    も一つ以上が予めコンピュータに格納していることを特
    徴とする請求項1記載のコーティング層の劣化評価方
    法。
  8. 【請求項8】 基材およびコーティング層に生成された
    析出物をレプリカ法を用いて実測し、実測した析出物を
    予め作成しておいたマスターカーブ線図に照合し、破壊
    エネルギー・破壊延性およびき裂総数を算出することを
    特徴とするコーティング層の劣化評価方法。
  9. 【請求項9】 マスターカーブ線図は、析出物の平均粒
    径に対する破壊エネルギー・延性の相関をコンピュータ
    に格納していることを特徴とする請求項8記載のコーテ
    ィング層の劣化評価方法。
  10. 【請求項10】 マスターカーブ線図は、析出物の平均
    粒径に対するき裂総数の相関をコンピュータに格納して
    いることを特徴とする請求項8記載のコーティング層の
    劣化評価方法。
  11. 【請求項11】 基材としてスガスタービン翼に使用す
    るニッケル基一方向凝固耐熱合金CM247LCを用
    い、コーティング材としてCoCrAlYを用いて補修
    ・交換の有無を評価することを特徴とする請求項1記載
    のコーティング層の劣化評価方法。
  12. 【請求項12】 基材としてガスタービン翼に使用する
    ニッケル基単結晶耐熱超合金CMSX−2を用い、コー
    ティング材としてNiCoCrAlYを用いて補修・交
    換の有無を評価することを特徴とする請求項1記載のコ
    ーティング層の劣化評価方法。
JP2000078573A 2000-03-21 2000-03-21 コーティング層の劣化評価方法 Pending JP2001264227A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000078573A JP2001264227A (ja) 2000-03-21 2000-03-21 コーティング層の劣化評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000078573A JP2001264227A (ja) 2000-03-21 2000-03-21 コーティング層の劣化評価方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001264227A true JP2001264227A (ja) 2001-09-26

Family

ID=18595964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000078573A Pending JP2001264227A (ja) 2000-03-21 2000-03-21 コーティング層の劣化評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001264227A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1818505A1 (de) * 2006-02-08 2007-08-15 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zum Herstellen einer Beschichtungsprobe
JP2010007663A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 General Electric Co <Ge> ターボ機械においてホイールスペース温度アラームを設定するための方法、システム及び制御装置
CN101813664A (zh) * 2010-03-26 2010-08-25 安徽工业大学 一种在模拟成形试验中试样失稳的检测方法
JP2011027602A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Central Res Inst Of Electric Power Ind コーティング部品の温度推定式の作成方法
JP2013217250A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガスタービン用部材のコーティング剥離方法
JP2014137065A (ja) * 2013-01-18 2014-07-28 General Electric Co <Ge> 冷却穴清浄方法および装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1818505A1 (de) * 2006-02-08 2007-08-15 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zum Herstellen einer Beschichtungsprobe
JP2010007663A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 General Electric Co <Ge> ターボ機械においてホイールスペース温度アラームを設定するための方法、システム及び制御装置
JP2011027602A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Central Res Inst Of Electric Power Ind コーティング部品の温度推定式の作成方法
CN101813664A (zh) * 2010-03-26 2010-08-25 安徽工业大学 一种在模拟成形试验中试样失稳的检测方法
JP2013217250A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガスタービン用部材のコーティング剥離方法
JP2014137065A (ja) * 2013-01-18 2014-07-28 General Electric Co <Ge> 冷却穴清浄方法および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5698931B2 (ja) ガスタービン部品の腐食をオンライン監視するシステム及び方法
JP2001330542A (ja) ガスタービンコーティング部品の疲労寿命評価方法および疲労寿命評価装置
Daleo et al. Metallurgical considerations for life assessment and the safe refurbishment and requalification of gas turbine blades
JP2013092432A (ja) 金属材料の応力腐食割れ発生寿命評価方法及び腐食水環境下で使用される構造物の検査計画策定システム
JP2001032724A (ja) オンライン寿命診断システム
US20040082069A1 (en) Systems and methods for estimating exposure temperatures and remaining operational life of high temperature components
JP2001264227A (ja) コーティング層の劣化評価方法
JP3517229B2 (ja) クリープ余寿命評価方法
JPH11248605A (ja) ガスタービン翼のクリープ余寿命評価方法およびその装置
JP2009092478A (ja) 耐熱鋼の劣化評価方法およびタービンの劣化評価方法
JPH09195795A (ja) ガスタービン静翼の余寿命評価方法およびその装置
Foulds et al. Nondisruptive material sampling and mechanical testing
JP2804701B2 (ja) ガスタービンコーティング翼の劣化診断方法及びその装置
EP1426759A1 (en) A non-destructive testing method of determining the depletion of a coating
Mueller et al. Creep crack behaviour of a coarse grain nickel-base super alloy
JPH11237912A (ja) 高温構造部材の保守管理方法および装置
JPH04282455A (ja) 構造部品の保守管理方法およびその保守管理装置
US7150798B2 (en) Non-destructive testing method of determining the service metal temperature of a component
JPH08160035A (ja) ガスタービン高温部品の寿命管理方法及びその装置
JPH05223809A (ja) γ’相析出強化型合金の残余寿命推定方法
Scheibel et al. Mechanical Properties in GTD-111 Alloy in Heavy Frame Gas Turbines
Loto et al. Failure analysis of metallic materials: morphological characteristics, mechanisms and laboratory investigation
JP2801741B2 (ja) ガスタービン高温部品の損傷診断法
JP3202838B2 (ja) クロム−モリブデン鋼のクリープ損傷計測法
JP2001215176A (ja) コーティング部材の保守管理支援システム