JP2001263975A - 内面溝付伝熱管 - Google Patents

内面溝付伝熱管

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JP2001263975A
JP2001263975A JP2000073153A JP2000073153A JP2001263975A JP 2001263975 A JP2001263975 A JP 2001263975A JP 2000073153 A JP2000073153 A JP 2000073153A JP 2000073153 A JP2000073153 A JP 2000073153A JP 2001263975 A JP2001263975 A JP 2001263975A
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heat transfer
fins
side wall
transfer tube
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JP2000073153A
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Tetsuya Kouchi
哲哉 古内
Takao Fukatami
崇夫 深民
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィン転造圧力を極端に高めることなく、従
来品よりも尖ったフィンが形成可能で、それにより、高
い凝縮性能が得られる内面溝付伝熱管を提供する。 【解決手段】 この内面溝付伝熱管1は、金属管の内周
面に、この内周面から突出したフィン2が多数形成さ
れ、フィン2の側壁面の下部2Cは急斜面とされる一
方、フィン2の側壁面の上部2Bは、急斜面である前記
フィン側壁面下部2Cよりも傾斜角度の緩い緩斜面とさ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換効率を高め
るためのフィンを金属管の内面に形成した内面溝付伝熱
管に関し、特にフィンの転造を容易にするための技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の内面溝付伝熱管は、空調装置や
冷蔵庫等の熱交換器において蒸発管または凝縮管として
主に使用されるものである。従来は、伝熱管として内周
面の平滑な金属管が主に使用されていたが、最近では、
金属管の内面のほぼ全面に亙って螺旋状等のフィン(突
条)を転造加工等により形成し、これらフィンにより熱
交換性能を高めた伝熱管が製品化されている。このよう
な内面溝付伝熱管のフィンの断面形状は、一般に丸みを
帯びた三角形状や半円状とされている。
【0003】なお、内面溝付伝熱管の製造方法は大別し
て2通りある。第1の方法は、シームレスの金属管の内
部にフローティングプラグを配置して引き抜き加工を行
い、金属管の内周面にフィンを転造する方法であり、第
2の方法は、帯状の板条材の表面を転造ロールで圧して
フィンを転造加工した後、この板条材を管状に丸めて電
縫加工する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のフ
ィンを有する内面溝付伝熱管では、フィンの先端を尖ら
せるほど、凝縮管として使用した場合の凝縮性能が高め
られることが知られている。フィンの先端が尖っている
と、この先端部での排液性が良好となり、先端部が熱媒
液体の膜に包まれることが少なくなり、内面溝付伝熱管
内を流れる熱媒基体とフィン先端部の金属面との直接接
触および熱交換が促進できるからである。
【0005】フィンの先端を尖らせるには、断面形状が
鋭いV字状をなす転造溝を、フローティングプラグの外
周面または転造ロールの外周面に形成し、このようなフ
ローティングプラグまたは転造ロールを用いてフィンを
転造すればよいと思われるが、実際には、転造されたフ
ィンの断面形状は、転造溝の断面形状と完全に一致する
ものではない。フローティングプラグまたは転造ロール
によって転造を行う場合、材料の流れは、通常、転造溝
の奥底まで到達することなく、転造溝の途中で止まって
しまうため、転造溝の断面形状をいくら鋭くしても、先
端がある程度丸くなったフィンしか製造できないのであ
る。
【0006】フローティングプラグまたは転造ロールに
よる押圧力、すなわち転造圧力を高めれば、材料の流れ
を転造溝のさらに奥まで到達させることもできるが、そ
の場合、転造溝の入口エッジや内壁面に過大な負担がか
かり、転造溝の損耗が激しくなり、フローティングプラ
グまたは転造ロールの寿命を著しく短縮してしまうとい
う問題があった。フローティングプラグまたは転造ロー
ルは高価な精密部品であるから、その寿命が短くなるこ
とは内面溝付伝熱管の製造コストを高める原因となる。
したがって、転造圧力を高めてフィンの先端を鋭くする
ことには自ずと限界があった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、フィン転造圧力を極端に高めることなく、従来品よ
りも尖ったフィンが形成可能で、それにより、高い凝縮
性能が得られる内面溝付伝熱管を提供することを課題と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る第1の内面溝付伝熱管は、金属管の内
周面に、この内周面から突出したフィンが多数形成さ
れ、これらフィンの側壁面の下部は急斜面とされる一
方、前記フィンの前記側壁面の上部は、前記急斜面より
も傾斜角度の緩い緩斜面とされていることを特徴とす
る。
【0009】また、本発明に係る第2の内面溝付伝熱管
は、金属管の内周面に、この内周面から突出したフィン
が多数形成され、これらフィンの側壁面の下部は緩斜面
とされる一方、前記フィンの前記側壁面の上部は、前記
緩斜面よりも傾斜角度の急な急斜面とされていることを
特徴とする。
【0010】一方、本発明に係る第3の内面溝付伝熱管
は、金属管の内周面に、この内周面から突出したフィン
が多数形成され、これらフィンは、先端へ向けて2段階
以上の段階を以て細幅化されていることを特徴としてい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施形態を説明する。 [第1実施形態]図1は本発明の第1実施形態に係る内
面溝付伝熱管の部分展開図である。この内面溝付伝熱管
1は、限定はされないが一般に銅、銅合金、アルミニウ
ム、アルミニウム合金等の金属で形成され、この実施形
態では、その内周面に、周方向にジグザグに延びるフィ
ン2が互いに平行に多数形成され、これらフィン2同士
の間は溝4とされている。
【0012】この実施形態のフィン2は、管軸回りの周
方向90゜毎に屈折しているため、図1のように展開し
た状態において、個々のフィン2は「W」形状をなして
いる。このようなジグザグパターンのフィン2を形成し
た場合には、単純な螺旋フィンなどに比して内面溝付伝
熱管の熱交換性能を高めることが可能であるが、フロー
ティングプラグによるフィン転造は行えなくなる。そこ
で、板条材にまずフィン転造ロールを用いてフィンを転
造加工した後、この板条材を丸めて電縫加工する製造方
法が採られる。図1に示す符号6は、板条材の両側縁部
に形成されるフィン無し部分6であり、これは電縫加工
における溶接時電流密度を均一にする効果を奏する。ま
た、符号8は溶接線を示し、この溶接線8の管内面側に
は突条状のビード(図示略)が生じるが、ビードの管内
周面からの突出量はフィン2の突出量よりも小さいこと
が必要である。
【0013】ただし、本発明は図1のフィンパターンに
限定されず、後述する第4実施形態のようにフィン2は
管内面を周回する単純な螺旋状であってもよいし、周方
向180゜毎に屈折する「V」形状としてもよいし、周
方向60゜毎に屈折する「VVV」形状としてもよい
し、周方向45゜、36゜または30゜毎に屈折する各
形状としてもよい。管内周面を一周する間のフィン屈折
回数は偶数の方が好ましいが、場合によっては奇数であ
ってもよい。さらには、フィン2の屈折間隔は周方向に
おいて不均等であってもよい。
【0014】第1実施形態における特徴は、図2および
図3に示すように、フィン2の側壁面の下部2Cは急斜
面とされる一方、フィン2の側壁面の上部2Bは、急斜
面である前記フィン側壁面下部2Cよりも傾斜角度の緩
い緩斜面とされていることにある。なお、この明細書で
いう急斜面および緩斜面は、管体内周面に対する傾斜角
度の大小を相対的に区別するための用語であり、それ自
体が特定の角度範囲を指すものではない。また、この実
施形態のフィン2の断面形状は、フィン2の中心を通る
金属管内周面の法線に対してほぼ線対称である。
【0015】フィン2の急斜面(フィン側壁面下部)2
Cの角度および緩斜面(フィン側壁面上部)2Bの角度
は本発明では限定されないが、金属管の軸線に対して垂
直な断面において、フィン側壁面上部2B同士がなす角
度γは、フィン側壁面下部2C同士がなす角度βの1.
2倍以上であることが望ましい。同時に、フィン側壁面
下部2C同士がなす角度βは5〜50゜であることが好
ましく、より好ましくは10〜45゜、さらに好ましく
は15〜30゜である。また、フィン側壁面上部2B同
士がなす角度γは20〜120゜であることが好まし
く、より好ましくは30〜90゜、さらに好ましくは4
0〜60゜である。上記のような範囲を満たした場合、
本発明の効果が顕著となり、高い凝縮性能が得られる。
【0016】個々のフィン2の左右のフィン側壁面上部
2B同士、並びにフィン2の左右のフィン側壁面下部2
C同士は、金属管内周面に対する角度が互いに異なって
いてもよい。例えば、上述した条件を満たす範囲内にお
いて、金属管一端側の側壁面での金属管内周面に対する
角度が、金属管他端側の側壁面での金属管内周面に対す
る角度よりも3〜10゜程度大きくてもよい。すなわ
ち、フィン2が管内周面の法線に対して傾いて形成され
ていてもよい。この場合は、フィン2を転造する際に、
転造進行方向の後方側を前方側よりも相対的に緩い斜面
にすることにより、転造ロールのフィン形成溝からフィ
ン2が抜けやすくなり、フィン形成溝の損耗が減り、そ
の分、転造速度を大きくできるため、生産性が向上でき
るという利点が得られる。
【0017】金属管内周面からフィン側壁面下部2Cと
フィン側壁面上部2Bとの交差線3までの高さH1は、
本発明では限定されないが、フィン高さHの20〜90
%であることが好ましく、より好ましくは30〜80%
とされ、さらに好ましくは50〜80%とされる。この
ような範囲内であると、本発明の効果が顕著となる。
【0018】フィン2の先端部2Aは本発明を適用した
場合にも、ある程度の曲率半径を有する曲面となる。フ
ィン先端部2Aの断面の曲率半径は限定されないが、一
般に0.02〜0.1mm程度であることが好ましく、
より好ましくは0.02〜0.06mmとされる。この
範囲であれば、本発明により形成が容易であり、しかも
高い凝縮性能が得られる。
【0019】フィン2の直線部分と管軸とがなすリード
角度α(図1参照)は限定されないが、一般には5〜2
0゜であることが望ましい。リード角度αが20゜を越
えるとフィン2が流れを遮る効果が大きくなり、内面溝
付伝熱管を通過する熱媒の圧力損失が大きくなる。ま
た、リード角度αが5゜未満であると、フィン2が流れ
に対して平行に近くなり、フィン2によって熱媒液体を
攪拌する効果が低減する。ただし、内面溝付伝熱管の外
径が7mm以下である場合には、リード角度αは5〜1
5゜と小さいことが望ましい。内面溝付伝熱管の外径が
7mm以下の場合には、リード角度αが小さくないと圧
力損失が大きくなるからである。
【0020】フィン2の高さHの具体例としては、一般
的な外径10mm以下の内面溝付伝熱管の場合、好まし
くは0.10〜0.50mm、さらに好ましくは0.1
5〜0.25mmが挙げられる。フィン2が低すぎると
熱媒液体をかき上げる効果が小さくなり、フィン2が高
すぎると圧力損失が増大するからである。
【0021】フィン2の底幅W2(管軸と直交する方向
での幅/図2参照)も限定されないが、好ましくは0.
05〜0.50mm、さらに好ましくは0.10〜0.
25mmとされる。フィン2の高さHと底幅W2との比
H/W2は0.5〜2.5程度であると好ましい。この
範囲であれば、熱媒液体をかき上げる効果と圧力損失と
のバランスが良好になる。
【0022】溝4の幅W1(管軸と直交する方向での幅
/図2参照)も限定されないが、好ましくは0.1〜
0.3mm、さらに好ましくは0.15〜0.25mm
とされる。この範囲であると、熱媒液体をかき上げる効
果と圧力損失とのバランスが良好になる。
【0023】上記内面溝付伝熱管1を製造する方法とし
ては、図4に示すように、平坦な板条材Tの上面にフィ
ン転造ロールBによりフィン2を転造した後、この板条
材Tを電縫加工して管体とする方法が可能である。フィ
ン転造ロールBの外周面には、フィン転造溝Cがフィン
2のパターンに対応したパターンで形成されている。フ
ィン転造溝Cの断面形状は、フィン2の断面形状とほぼ
相補形状をなしているが、フィン転造溝Cの最深部CA
の断面形状は、フィン先端部2Aの断面形状よりも尖っ
た(曲率半径の小さい)状態とされている。フィン転造
溝最深部CAまで材料を充填して転造を行うと、転造圧
力が過大となってフィン転造ロールBの寿命を短縮する
ことにつながるため、フィン転造溝最深部CAの内壁面
とフィン先端部2Aとの間にはわずかな空隙が生じるよ
うに、フィン転造溝Cの形状および転造条件を設定する
べきである。
【0024】このような製造方法によれば、フィン転造
溝Cの下部CCの内壁面は急斜面であり、フィン転造溝
Cの上部CBの内壁面はそれよりも傾斜が緩やかな緩斜
面をなしているから、フィン転造溝Cの下部CCでの開
口幅が広くテーパが緩い。このため、転造加工時には、
フィン転造溝Cの最深部CA近くまで材料が流れ込みや
すく、転造圧力を極端に高めなくてもフィン転造溝Cへ
の材料の充填率を増すことができ、最深部CAの断面形
状に近い、尖った断面形状のフィン2を形成することが
容易である。したがって、フィン先端部2Aにおける排
液性を高めることができ、凝縮管として使用した場合の
凝縮性能を高めることが可能である。
【0025】また、蒸発管として使用した場合には、溝
4の底幅が狭くなるため、毛細管力によって熱媒液体が
溝4に沿って広がりやすく、その分、水平に配置された
内面溝付伝熱管の天井面まで熱媒液体が広がりやすく、
蒸発面積が増大する。したがって、蒸発性能も高めるこ
とができる。
【0026】これに対し、従来の三角形状の断面を有す
るフィンの場合、図5に示すようにフィン転造溝Dの開
口幅が相対的に小さく、テーパが一定なので、フィン転
造溝Dに侵入していくときの材料が受ける抵抗が大き
く、材料流れは最深部から比較的離れた位置で止まって
しまう。これにより、フィン20の先端部20Aの曲率
半径は本発明(図4)の場合よりも大きくなり、その
分、凝縮性能が低くなるのである。三角形状の断面を有
するフィンにおいて、フィンの頂角を大きくすることに
よりフィン転造溝への材料の流れ込みを促進することも
考えられるが、その場合には、フィンの底幅が大きくな
りすぎ、フィン形成ピッチを大きくしなければならなく
なるので、その分、凝縮性能が相殺される。よって、本
発明のような効果は得られない。
【0027】[第2実施形態]次に、図6および図7
は、本発明の第2実施形態の内面溝付伝熱管を示してい
る。この実施形態では、金属管1の内周面に、この内周
面から突出したフィン10が多数形成され、これらフィ
ン10は、フィン先端部10Aへ向けて2段階に細幅化
されていることを特徴とする。すなわち、フィン下部1
0Cは太く、フィン上部10Bは相対的に細く形成さ
れ、フィン上部10Bの側壁面は、フィン下部10Cの
側壁面を延長した仮想面よりも内側に位置している。フ
ィン上部10Bとフィン下部10Cとの境界部分は例え
ば断面S字状をなす曲線でなめらかにつながれている。
【0028】フィン上部10Bの側壁面がフィン下部1
0Cの側壁面を延長した仮想面よりもどの程度内側に位
置しているかは限定されないが、好ましくは、図7に示
すように、フィン上部10Bの側壁面の上端と、フィン
下部10Cの側壁面を延長した仮想面との離間量Eが、
フィン高さHの3〜50%程度とされ、より好ましくは
3〜40%程度とされ、さらに好ましくは5〜20%程
度とされる。このような範囲内であると本発明の効果が
顕著となる。
【0029】フィン上部10Bの側壁面の角度、および
フィン下部10Cの側壁面の角度は、本発明では限定さ
れないが、フィン上部10Bの側壁面同士がなす角度P
は5〜30゜であることが好ましく、より好ましくは1
0〜25゜、さらに好ましくは10〜20゜である。ま
た、フィン下部10Cの側壁面同士がなす角度Qは5〜
30゜であることが好ましく、より好ましくは10〜2
5゜、さらに好ましくは10〜20゜である。上記のよ
うな範囲を満たした場合、本発明の効果が顕著となり、
高い凝縮性能が得られる。
【0030】また、フィン上部10Bの左右の側壁面同
士、並びにフィン下部10Cの左右の側壁面同士は、金
属管内周面に対する角度が互いに異なっていてもよい。
例えば、上述した条件を満たす範囲内において、金属管
一端側の側壁面での金属管内周面に対する角度が、金属
管他端側の側壁面での金属管内周面に対する角度よりも
3〜10゜程度大きくてもよい。この場合は、フィン1
0を転造する際に、転造ロールのフィン形成溝からフィ
ン10が抜けやすくなり、フィン形成溝の損耗が減り、
その分、転造速度を大きくできるため、生産性が向上で
きるという利点が得られる。
【0031】なお、この実施形態においても、フィン1
0のパターンは任意でよく、図1に示すように管軸回り
の周方向90゜毎に屈折した「W」形状であってもよい
し、後述する第4実施形態のようにフィン2は管内面を
周回する単純な螺旋状であってもよいし、周方向180
゜毎に屈折する「V」形状としてもよいし、周方向60
゜毎に屈折する「VVV」形状としてもよいし、周方向
45゜、36゜または30゜毎に屈折する各形状として
もよい。管内周面を一周する間のフィン屈折回数は偶数
の方が好ましいが、場合によっては奇数であってもよ
い。さらには、フィン10の屈折間隔は周方向において
不均等であってもよい。他の構成は第1実施形態と同様
でよい。
【0032】このような第2実施形態の内面溝付伝熱管
によっても、フィン10の転造を行う際に、個々のフィ
ン転造溝の下部での開口幅が広くテーパが緩いため、フ
ィン転造溝の最深部近くまで材料が流れ込みやすく、転
造圧力を極端に高めなくてもフィン転造溝への材料の充
填率を増すことができ、尖った断面形状のフィン10を
形成することが容易である。したがって、フィン先端部
10Aにおける排液性を高めることができ、凝縮管とし
て使用した場合の凝縮性能を高めることが可能である。
【0033】[第3実施形態]図8および図9は、本発
明の第3実施形態の内面溝付伝熱管を示している。この
実施形態では、金属管1の内周面に、この内周面から突
出したフィン12が多数形成され、これらフィン12
は、先端へ向けて3段階に細幅化されていることを特徴
とする。すなわち、フィン下部12D、フィン中部12
C、フィン上部12Bの順で相対的に細く形成されてお
り、フィン中部12Cの側壁面は、フィン下部12Dの
側壁面を延長した仮想面よりも内側に位置し、フィン上
部12Bの側壁面は、フィン中部12Cの側壁面を延長
した仮想面よりも内側に位置している。フィン下部12
D、フィン中部12C、フィン上部12Bの相互の境界
部分は曲線でなめらかにつながれている。
【0034】フィン中部12Cの側壁面がフィン下部1
2Dの側壁面を延長した仮想面よりもどの程度内側に位
置しているかは限定されないが、好ましくは、フィン中
部12Cの側壁面の上端と、フィン下部12Dの側壁面
を延長した仮想面との離間量がフィン高さHの3〜40
%程度とされ、より好ましくは3〜20%程度とされ
る。
【0035】また、フィン上部12Bの側壁面がフィン
中部12Cの側壁面を延長した仮想面よりもどの程度内
側に位置しているかは限定されないが、好ましくは、フ
ィン上部12Bの側壁面の上端と、フィン中部12Cの
側壁面を延長した仮想面との離間量がフィン高さHの3
〜40%程度とされ、より好ましくは3〜20%程度と
される。これらのような範囲内であると本発明の効果が
顕著となる。他の構成は第1実施形態または第2実施形
態と同様でよい。
【0036】このような第3実施形態の内面溝付伝熱管
によっても、フィン12の転造を行う際に、個々のフィ
ン転造溝の下部での開口幅が広くテーパが緩いため、フ
ィン転造溝の最深部近くまで材料が流れ込みやすく、転
造圧力を極端に高めなくてもフィン転造溝への材料の充
填率を増すことができ、尖った断面形状のフィン12を
形成することが容易である。したがって、フィン先端部
12Aにおける排液性を高めることができ、凝縮管とし
て使用した場合の凝縮性能を高めることが可能である。
【0037】[第4実施形態]次に、図10は、本発明
に係る内面溝付伝熱管の第4実施形態を示している。こ
の実施形態では、フィン2(または10、12、14)
が螺旋状に形成されている点のみが図1の実施形態と異
なり、他の構成は第1〜第5実施形態と同様でよい。
【0038】この実施形態では、フィン2が螺旋状に形
成されているために、先に述べたフィン転造および電縫
加工からなる製造方法の他に、金属管の内部にフローテ
ィングプラグを通す製造方法によっても製造することが
できる。フローティングプラグによりフィンを転造する
場合にも、フィン転造溝の下部での開口幅が広くテーパ
が緩いことにより、フィン転造溝の最深部近くまで材料
が流れ込みやすくなり、転造圧力を極端に高めなくても
フィン転造溝への材料の充填率を増すことができ、尖っ
た断面形状のフィン2を形成することが容易である。し
たがって、フィン先端部2Aにおける排液性を高めるこ
とができ、凝縮管として使用した場合の凝縮性能を高め
ることが可能である。
【0039】[第5実施形態]図11および図12は、
本発明の第5実施形態におけるフィン14の断面形状を
示している。第5実施形態における特徴は、フィン14
の側壁面の下部14Cは緩斜面とされる一方、フィン1
4の側壁面の上部14Bは、前記フィン側壁面下部14
Cよりも傾斜角度の大きい急斜面とされていることにあ
る。すなわち、第1実施形態と逆である。この実施形態
のフィン14の断面形状は、フィン14の中心を通る金
属管内周面の法線に対してほぼ線対称である。
【0040】フィン14の緩斜面(フィン側壁面下部)
14Cの角度および急斜面(フィン側壁面上部)14B
の角度は本発明では限定されないが、金属管の軸線に対
して垂直な断面において、フィン側壁面下部14C同士
がなす角度βは、フィン側壁面上部14B同士がなす角
度γの1.2倍以上であることが望ましい。同時に、フ
ィン側壁面上部14B同士がなす角度γは5〜50゜で
あることが好ましく、より好ましくは10〜45゜、さ
らに好ましくは15〜30゜である。また、フィン側壁
面下部14C同士がなす角度βは20〜120゜である
ことが好ましく、より好ましくは30〜90゜、さらに
好ましくは40〜60゜である。上記のような範囲を満
たした場合、本発明の効果が顕著となり、高い凝縮性能
が得られる。
【0041】個々のフィン14の左右のフィン側壁面上
部14B同士、並びにフィン14の左右のフィン側壁面
下部14C同士は、金属管内周面に対する角度が互いに
異なっていてもよい。例えば、上述した条件を満たす範
囲内において、金属管一端側の側壁面での金属管内周面
に対する角度が、金属管他端側の側壁面での金属管内周
面に対する角度よりも3〜10゜程度大きく、フィン1
4が管内周面の法線に対して傾いて形成されていてもよ
い。この場合は、フィン14を転造する際に、転造ロー
ルのフィン形成溝からフィン14が抜けやすくなり、フ
ィン形成溝の損耗が減り、その分、転造速度を大きくで
きるため、生産性が向上できるという利点が得られる。
【0042】金属管内周面からフィン側壁面下部14C
とフィン側壁面上部14Bとの交差線15までの高さH
1は、本発明では限定されないが、フィン高さHの20
〜90%であることが好ましく、より好ましくは30〜
80%とされ、さらに好ましくは50〜80%とされ
る。このような範囲内であると、本発明の効果が顕著と
なる。
【0043】フィン14の先端部14Aは本発明を適用
した場合にも、ある程度の曲率半径を有する曲面とな
る。フィン先端部14Aの断面の曲率半径は限定されな
いが、一般に0.02〜0.1mm程度であることが好
ましく、より好ましくは0.02〜0.06mmとされ
る。この範囲であれば、本発明により形成が容易であ
り、しかも高い凝縮性能が得られる。
【0044】フィン14の高さHの具体例としては、一
般的な外径10mm以下の内面溝付伝熱管の場合、好ま
しくは0.10〜0.50mm、さらに好ましくは0.
15〜0.25mmが挙げられる。フィン14が低すぎ
ると熱媒液体をかき上げる効果が小さくなり、フィン1
4が高すぎると圧力損失が増大するからである。
【0045】フィン14の底幅W2(管軸と直交する方
向での幅/図11参照)も限定されないが、好ましくは
0.05〜0.50mm、さらに好ましくは0.10〜
0.25mmとされる。フィン14の高さHと底幅W2
との比H/W2は0.5〜2.5程度であると好まし
い。この範囲であれば、熱媒液体をかき上げる効果と圧
力損失とのバランスが良好になる。
【0046】溝16の幅W1(管軸と直交する方向での
幅/図11参照)も限定されないが、好ましくは0.1
〜0.3mm、さらに好ましくは0.15〜0.25m
mとされる。この範囲であると、熱媒液体をかき上げる
効果と圧力損失とのバランスが良好になる。
【0047】上記内面溝付伝熱管1を製造する方法とし
ては、図13に示すように、平坦な板条材Tの上面にフ
ィン転造ロールBによりフィン14を転造した後、この
板条材Tを電縫加工して管体とする方法が可能である。
フィン転造ロールBの外周面には、フィン転造溝Cがフ
ィン14のパターンに対応したパターンで形成されてい
る。フィン転造溝Cの断面形状は、フィン14の断面形
状とほぼ相補形状をなしているが、フィン転造溝Cの最
深部CAの断面形状は、フィン先端部14Aの断面形状
よりも尖った(曲率半径の小さい)状態とされている。
フィン転造溝最深部CAまで材料を充填して転造を行う
と、転造圧力が過大となってフィン転造ロールBの寿命
を短縮することにつながるため、フィン転造溝最深部C
Aの内壁面とフィン先端部14Aとの間にはわずかな空
隙が生じるように、フィン転造溝Cの形状および転造条
件を設定するべきである。
【0048】このような製造方法によれば、フィン転造
溝Cの下部CCの内壁面は緩斜面であるから、フィン転
造溝Cの中へ金属材料が滑らかに進入しやすく、転造加
工時には、フィン転造溝Cの最深部CA近くまで材料が
流れ込みやすく、転造圧力を極端に高めなくてもフィン
転造溝Cへの材料の充填率を増すことができ、最深部C
Aの断面形状に近い、尖った断面形状のフィン14を形
成することが容易である。したがって、フィン先端部1
4Aにおける排液性を高めることができ、凝縮管として
使用した場合の凝縮性能を高めることが可能である。
【0049】また、蒸発管として使用した場合には、溝
4の底幅が狭くなるため、毛細管力によって熱媒液体が
溝4に沿って広がりやすく、その分、水平に配置された
内面溝付伝熱管の天井面まで熱媒液体が広がりやすく、
蒸発面積が増大する。したがって、蒸発性能も高めるこ
とができる。
【0050】なお、本発明は上記実施形態のみに限定さ
れるものではなく、前記実施形態の各構成を適宜組み合
わせてもよいし、あるいは、周知の構成を組み合わせて
もよい。また、特に記載のない事項については、各実施
形態で共通であってもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に係る内面
溝付伝熱管によれば、フィンの断面形状を工夫したこと
により、転造加工時にフィン転造溝の最深部近くまで材
料が流れ込みやすく、転造圧力を極端に高めなくてもフ
ィン転造溝への材料の充填率を増すことができ、先端が
尖った断面形状のフィンを形成することが容易である。
したがって、フィン先端部における排液性を高めること
ができ、凝縮管として使用した場合の凝縮性能を高める
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内面溝付伝熱管の第1実施形態
を示す一部展開した平面図である。
【図2】 第1実施形態の管軸に対して垂直な断面の拡
大図である。
【図3】 第1実施形態のフィンの断面拡大図である。
【図4】 第1実施形態のフィンの転造方法を示す断面
拡大図である。
【図5】 従来のフィン転造方法の問題点を示す断面拡
大図である。
【図6】 本発明の第2実施形態におけるフィンの断面
拡大図である。
【図7】 第2実施形態におけるフィンの断面拡大図で
ある。
【図8】 本発明の第3実施形態におけるフィンの断面
拡大図である。
【図9】 第3実施形態におけるフィンの断面拡大図で
ある。
【図10】 本発明の第4実施形態を示す一部展開した
平面図である。
【図11】 本発明の第5実施形態におけるフィンの断
面拡大図である。
【図12】 第5実施形態におけるフィンの断面拡大図
である。
【図13】 第5実施形態のフィンの転造方法を示す断
面拡大図である。
【符号の説明】
1 内面溝付伝熱管 2、10、12、14 フィン 2A、10A、12A、14A フィン先端部 2B、10B、12B、14B フィン側壁面上部 2C、10C、12D、14C フィン側壁面下部 3、15 フィン側壁面下部とフィン側壁面上部との交
差線 B フィン転造ロール C フィン転造溝 T 板条材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の内周面に、この内周面から突出
    したフィンが多数形成され、これらフィンの側壁面の下
    部は急斜面とされる一方、前記フィンの前記側壁面の上
    部は、前記急斜面よりも傾斜角度の緩い緩斜面とされて
    いることを特徴とする内面溝付伝熱管。
  2. 【請求項2】 金属管の内周面に、この内周面から突出
    したフィンが多数形成され、これらフィンの側壁面の下
    部は緩斜面とされる一方、前記フィンの前記側壁面の上
    部は、前記緩斜面よりも傾斜角度の急な急斜面とされて
    いることを特徴とする内面溝付伝熱管。
  3. 【請求項3】 前記金属管の軸線に対して垂直な断面に
    おいて、前記フィンの両側の前記急斜面同士がなす角度
    は5〜50゜であり、前記フィンの両側の前記緩斜面同
    士がなす角度は20〜120゜であり、前記緩斜面同士
    がなす角度は前記急斜面同士がなす角度の1.2倍以上
    であることを特徴とする請求項1または2記載の内面溝
    付伝熱管。
  4. 【請求項4】 前記金属管内周面から前記急斜面と前記
    緩斜面との交差線までの高さは、前記フィンの高さの2
    0〜90%であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の内面溝付伝熱管。
  5. 【請求項5】 金属管の内周面に、この内周面から突出
    したフィンが多数形成され、これらフィンは、先端へ向
    けて2段階以上の段階を以て細幅化されていることを特
    徴とする内面溝付伝熱管。
JP2000073153A 2000-03-15 2000-03-15 内面溝付伝熱管 Withdrawn JP2001263975A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008241180A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Kobelco & Materials Copper Tube Inc ヒートパイプ用伝熱管およびヒートパイプ
CN103968699A (zh) * 2014-05-21 2014-08-06 合肥华凌股份有限公司 换热管、蒸发器组件、冷凝器组件和制冷设备

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