JP2001263473A - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents
無段変速機の油圧制御装置Info
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Abstract
招かず、ストール発進時のベルトのすべりを防止する。 【解決手段】 ステップ103で通常ライン圧特性に基
づいてライン圧を算出したあと、ステップ104のチェ
ックで車速が設定車速以下のときは、ステップ105で
クリープトルク値以降は高いライン圧を示す低速時ライ
ン圧特性によりライン圧を算出する。ステップ106で
大きい方のライン圧を選択して油圧指令値とする。ステ
ップ107、108で前回と今回の油圧指令値の差が大
きいときはPdずつに減少度合いを抑えたうえでステッ
プ109で出力するとともに、ステップ110で内部メ
モリに保存する。車速が設定車速を越えると通常ライン
圧特性に基づくライン圧を指令値とするが、プーリへの
油圧が不安定となる低車速時にライン圧が増大するの
で、ストール発進でもすべりが防止される。
Description
トを用いた無段変速機、とくにその油圧制御装置におけ
る改良に関する。
ば特開平11−82725号公報に開示されたようなV
ベルトを用いた無段変速機がある。これは、トルクコン
バータを介してエンジン側に連結されたプライマリプー
リと車軸側に連結されたセカンダリプーリの間にVベル
トを掛け渡し、プライマリプーリの溝幅を油圧により可
変制御するものである。すなわち、プライマリプーリと
セカンダリプーリにはそれぞれ第1、第2シリンダ室が
付設され、セカンダリプーリの第2シリンダ室にはライ
ン圧が常時供給され、プライマリプーリの第1シリンダ
室へはライン圧を元圧としてこれを変速制御弁で調圧し
た油圧が供給される。そして、走行中は、第1シリンダ
室への油圧によりプライマリプーリの溝幅が変更される
ことにより、変速比が変化する。この間、ライン圧は入
力トルクに対応して所定の範囲で変化され、Vベルトに
対する推力(挟持圧力)を制御するようになっている。
ような無段変速機を搭載した車両が、例えば上り坂など
でストール発進したような場合、エンジン回転が吹き上
がる現象が発生し、その後大きなショックが生じるとい
う不具合がある。
入力トルクに対応して制御され、ベルトのすべりが生じ
ない値に設定されているにもかかわらず、ストール発進
時にはベルトのすべりが発生しており、ショックはその
すべっているベルトがプーリと締結した瞬間の衝撃によ
るものである。さらにそのすべりの原因は、低速時は入
出力回転数の検出が困難であるために変速制御弁がオー
プン制御とされる結果、ライン圧が常時供給されるセカ
ンダリプーリはともかくとして、変速制御弁を介して供
給されるプライマリプーリへの油圧の不安定にあると考
えられる。
の入力トルクに対応する必要値よりも一律に高い値に設
定することが考えられるが、これでは、負荷が小さいと
きはライン圧も低くて済むにもかかわらず、プーリとベ
ルト間の摩擦損失を常時増大させることとなる。その結
果また、ポンプ負荷も常時大きくなってしまうという問
題がある。したがって本発明は、通常走行時の摩擦損失
やポンプ負荷の増大を招くことなく、ストール発進の際
にもベルトのすべりが発生しないようにした無段変速機
の油圧制御装置を提供することを目的とする。
発明は、油圧を供給されて溝幅を変更可能の1対の可変
プーリと該可変プーリ間に掛け渡されたベルトからなる
変速機構部と、油圧を供給する油圧ポンプと、該油圧ポ
ンプからの油圧を所定のライン圧に調圧するライン圧制
御手段と、運転状態に基づいて変速指令を出力する変速
制御手段と、変速指令に基づいてライン圧を元圧とした
油圧を変速機構部の可変プーリへ供給する変速制御弁と
を備える無段変速機の油圧制御装置において、変速制御
手段は、所定のライン圧として、所定の低車速領域にお
いては通常走行時のライン圧特性に対して高い値を設定
する低速時ライン圧特性に基づくライン圧をライン圧制
御手段へ指令するものとした。低車速においてライン圧
を増大させるので、ベルトに対する挟持圧力が確保さ
れ、上り坂でストール発進を行ってもベルトのすべりが
発生しない。
入力トルクに対する一次関数で表わされるものとしたも
のである。一次関数により、入力トルクが小さいときの
ライン圧は入力トルクが大きいときよりも相対的に低
く、必要量に対応した適正な値とされるので油圧ポンプ
の負荷が小さい。
直線の始点をクリープトルク値に対応する点としたもの
である。クリープトルク値以上でのみライン圧を通常よ
り増大させるので、それより低い極低速時には油圧ポン
プの回転上昇もなく、騒音が抑えられる。
を変速制御弁のオープン制御領域に対応させたものであ
る。可変プーリへの油圧が不安定になりやすいオープン
制御時にライン圧が増大されるので、最適な領域で確実
にベルトのすべりが防止される。
が所定の低車速領域を越えて通常走行時のライン圧特性
に基づく低いライン圧へ移行する際、減少度合いを制限
したライン圧を指令するようにしたものである。ライン
圧が急激に低下することによって発生し得るベルトのす
べりも防止される。
例により説明する。まず、図1は実施例における無段変
速機の概略構成を示し、図2はその油圧制御回路を示
す。プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26の間
にVベルト24を掛け渡した変速機構部10が、ロック
アップクラッチ11を備えるトルクコンバータ12を介
して図示しないエンジンに連結されている。プライマリ
プーリ16は、トルクコンバータ12の出力軸と一体に
回転する固定円錐板18と、これに対向する可動円錐板
22とでV字状のプーリ溝を形成し、可動円錐板22の
背面に油圧を及ぼし可動円錐板を軸方向に変位させる第
1シリンダ室20を備えている。
軸と一体に回転する固定円錐板30と、これに対向する
可動円錐板34とでV字状のプーリ溝を形成している。
可動円錐板34は図示しないリターンスプリングでプー
リ溝の溝幅を狭める方向に付勢されるとともに、その背
面に油圧を及ぼし可動円錐板34を軸方向に変位させる
第2シリンダ室32を備えている。
ット1からの信号に基づいて油圧コントロールバルブ3
により制御される。第2シリンダ室32には油圧コント
ロールバルブ3からライン圧が常時供給される。油圧コ
ントロールバルブはさらに変速制御弁63を備え、ライ
ン圧を元圧として調圧された油圧を第1シリンダ室20
に供給するようになっている。なお、第1シリンダ室2
0の受圧面積は第2シリンダ室32の受圧面積よりも大
きく設定されている。
御弁63により制御されてプライマリプーリ16の溝幅
を変える一方、第2シリンダ室32へはライン圧が供給
されて、Vベルト24に対する挟持圧力を制御して変速
が行なわれ、Vベルト24と各プーリ16、26との接
触摩擦力に応じて、駆動力の伝達がなされる。これを回
転数でみれば、プライマリプーリ16の溝幅を広げて、
Vベルト24の接触半径が小でセカンダリプーリ26側
の接触半径が大のプーリ比Lowのときには、変速比が
大きくなってエンジン側回転数が減速されて車軸側へ出
力されることとなる。逆のプーリ比Hiでは小さな変速
比で出力される。この間、プライマリプーリ16とセカ
ンダリプーリ26の接触半径比に対応して変速比が連続
的に変化する。
タ81で駆動される油圧ポンプ80からの油圧をライン
圧レギュレータ60で調圧したライン圧が、上述のよう
に、第2シリンダ室32へ常時供給されるとともに、変
速制御弁63へ供給される。第1シリンダ室20への油
圧はライン圧を元圧として変速制御弁63がステップモ
ータ64で駆動されることにより制御される。油圧コン
トロールバルブ3は、さらにライン圧ソレノイド4、プ
レッシャモディファイヤ62、パイロット弁61を備え
る。
行中、通常ライン圧特性に基づいてライン圧をフィード
バック制御する。すなわち、インヒビタスイッチ8から
のセレクト位置信号に加え、走行中のスロットル開度セ
ンサ5からのスロットル開度(アクセルペダル開度)T
V0およびエンジン回転数Neに基づいて算出されるエ
ンジントルクをもとに、トルクコンバータ12を経て変
速機構部10に入力する入力トルクを求め、この入力ト
ルクに対応して通常ライン圧特性により必要なライン圧
を求める。そして、これに対応したデューティ比信号を
油圧指令としてライン圧ソレノイド4へ出力するととも
に、変速指令をステップモータ64へ出力する。ステッ
プモータ64は例えば200ステップの範囲内で目標の
変速比に対応して20〜170ステップの位置が選択さ
れるようになっている。
からの油圧をCVTコントロールユニット1からのデュ
ーティ比信号に応じてプレッシャモディファイヤ62側
へ供給し、ライン圧レギュレータ60は油圧ポンプ80
からの油圧をプレッシャモディファイヤ62から出力さ
れる油圧に応じたライン圧に設定する。ライン圧はこう
して必要な伝達駆動力の大きさに応じて所定の範囲で変
化されて出力される。なお、必要なライン圧の生成を可
能とするため、電動モータの回転もCVTコントロール
ユニット1により制御され、油圧ポンプの出力も可変と
なっている。ここでは、CVTコントロールユニット1
が変速制御手段を構成し、ライン圧ソレノイド4、プレ
ッシャモディファイヤ62、パイロット弁61およびラ
イン圧レギュレータ60がライン圧制御手段を構成して
いる。
可動円錐板22とステップモータ64間に掛け渡された
変速リンク67の変位に応じてスプール63aが駆動さ
れ、ライン圧レギュレータ60からのライン圧を調整し
て第1シリンダ室20へ供給する。溝幅がステップモー
タ64の位置に対応した幅になると、可動円錐板22と
連動した変速リンク67の変位により第1シリンダ室2
0への油圧供給が停止する。これにより、プライマリプ
ーリ16の溝幅が可変制御されて所定の変速比が得られ
る。
イマリプーリ16およびセカンダリプーリ26の入力、
出力回転数Npri、Nsecを検出する第1回転数セ
ンサ6および第2回転数センサ7が接続され、通常走行
時、これらの検出信号に基づいて変速機構部10におけ
る実変速比を求め、フィードバック制御を行なう。
るライン圧特性が車速によって切替え制御されるように
なっている。すなわち、CVTコントロールユニット1
は、前述の通常のフィードバック制御に適用する走行状
態に対応する通常ライン圧特性に加えて、低速時ライン
圧特性を備えている。図3は、これらのライン圧特性を
示す。低速時ライン圧特性Bは通常ライン圧特性Aに対
して傾斜の大きい一次関数の直線となっており、基本的
には通常ライン圧特性によるよりも高いライン圧を設定
するようになっており、その始点Xはクリープトルク値
としてある。
よるライン圧制御の流れを示すフローチャートである。
まずステップ101で、CVTコントロールユニット1
では後述する前回値を保存する内部メモリをクリアして
から、ステップ102において入力トルクを算出する。
ステップ103では、通常ライン圧特性に基づいて必要
ライン圧を算出する。
速が設定車速V以下であるかどうかをチェックする。設
定車速Vは、変速制御のオープン制御領域に属する5k
m/h程度の低車速としてある。設定車速V以下である
ときは、ステップ105で、低速時ライン圧特性を選択
し、入力トルクに対応するライン圧を算出する。そし
て、ステップ106において、低速時ライン圧特性によ
るライン圧と先のステップ103で求めた通常ライン圧
特性によるライン圧とを比較して、大きい方の算出値を
選択し、これを油圧指令値とする。
が設定車速を越えているときは、ステップ107に進ん
で、内部メモリに保存されている前回値とステップ10
3または106で求めたライン圧の差が所定値ΔP以内
であるかどうかをチェックする。差が所定値以内である
ときはステップ109へ進む。差が所定値を越えている
ときは、ステップ107からステップ108へ進み、油
圧指令値=前回値−Pdに補正してから、ステップ10
9へ進む。ステップ109では、ステップ107を経た
ライン圧またはステップ108で補正された値を油圧指
令値として出力する。ステップ110では内部メモリの
前回値を上記出力された油圧指令値で更新する。
通常ライン圧特性に対して傾斜の大きい一次関数の低速
時ライン圧特性に基づくライン圧が設定され、低車速領
域を抜けたあと通常ライン圧特性によるライン圧が設定
されるようになる。また、通常ライン圧特性に移行する
際には、ステップ107、108によってライン圧の減
少率が制限され、設定されるライン圧が極端に低くなる
場合でも急減しない。
含む低車速のときに入力トルクに対するライン圧を増大
させるようにしたので、変速制御弁のオープン制御状態
でプライマリプーリへの油圧が不安定になってもVベル
トに対する挟持圧力が確保されるので、ストール発進を
行ってもベルトのすべりが発生しない。また、低速時ラ
イン圧特性を一次関数としたので、入力トルクが小さい
ときのライン圧は入力トルクが大きいときに比較してそ
の増大量が低く、必要量に対応した適正な値とされるの
で、油圧ポンプの負荷も小さい。
トルク値となっているので、それ以下ではライン圧増大
のため油圧ポンプの回転を上昇させることもなく、騒音
が抑えられる。また、車速が上昇後設定される通常ライ
ン圧特性によるライン圧への落差が大きいときはその減
少度合いを制限するようにしたので、ライン圧が急激に
低下することによって懸念されるベルトのすべりも防止
される。
ルクをCVTコントロールユニット1において算出する
ようにしているが、例えばパワトレーンにエンジンと駆
動モータを備えたハイブリッド車両などにおいて、エン
ジンや駆動モータ、ならびに無段変速機が統合制御ユニ
ットに接続されているときは、入力トルクは統合制御ユ
ニットからの入力トルク指令としてCVTコントロール
ユニットに受けることができる。
れて溝幅を変更可能の可変プーリにベルトを掛け渡した
変速機構部を備え、変速制御弁でライン圧を元圧とした
油圧を可変プーリへ供給するようにした無段変速機の油
圧制御装置において、所定の低車速領域ではライン圧の
設定を通常走行時のライン圧特性に対して高い値を設定
する低速時ライン圧特性に基づくものとしたので、ベル
トに対する挟持圧力が確保され、上り坂でストール発進
を行ってもベルトのすべりが発生せず、したがってその
後の急激なベルト締結によるショックも防止されるとい
う効果を有する。
に対する一次関数で表わされるものとすることにより、
入力トルクにしたがって適正量だけライン圧が増大さ
れ、油圧ポンプの負荷が小さいという利点が得られる。
をクリープトルク値に対応する点とすることにより、ク
リープトルク値より低い極低速時には油圧ポンプの回転
上昇もなく、騒音が抑えられる。
の低車速領域を変速制御弁のオープン制御領域に対応さ
せることにより、可変プーリへの油圧が不安定になりや
すいオープン制御時にライン圧が増大され、最適な領域
で確実にベルトのすべりが防止される。
えて通常走行時のライン圧特性に基づく低いライン圧へ
移行する際のライン圧の減少度合いを制限することによ
り、ライン圧が急激に低下することによって発生し得る
ベルトのすべりも防止される。
る。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 油圧を供給されて溝幅を変更可能の1対
の可変プーリと該可変プーリ間に掛け渡されたベルトか
らなる変速機構部と、油圧を供給する油圧ポンプと、該
油圧ポンプからの油圧を所定のライン圧に調圧するライ
ン圧制御手段と、運転状態に基づいて変速指令を出力す
る変速制御手段と前記変速指令に基づいてライン圧を元
圧とした油圧を前記変速機構部の可変プーリへ供給する
変速制御弁とを備える無段変速機の油圧制御装置におい
て、前記変速制御手段は、前記所定のライン圧として、
所定の低車速領域においては通常走行時のライン圧特性
に対して高い値を設定する低速時ライン圧特性に基づく
ライン圧を前記ライン圧制御手段へ指令することを特徴
とする無段変速機の油圧制御装置。 - 【請求項2】 前記低速時ライン圧特性が、入力トルク
に対する一次関数で表わされることを特徴とする請求項
1記載の無段変速機の油圧制御装置。 - 【請求項3】 前記一次関数で表わされる直線の始点が
クリープトルク値に対応する点であることを特徴とする
請求項2記載の無段変速機の油圧制御装置。 - 【請求項4】 前記所定の低車速領域が、前記変速制御
弁のオープン制御領域に対応するものであることを特徴
とする請求項1、2または3記載の無段変速機の油圧制
御装置。 - 【請求項5】 前記変速制御手段は、車速が前記所定の
低車速領域を越えて通常走行時のライン圧特性に基づく
低いライン圧へ移行する際、減少度合いを制限したライ
ン圧を指令することを特徴とする請求項1、2、3また
は4記載の無段変速機の油圧制御装置。
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---|---|---|---|
JP2000078651A JP3718405B2 (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | 無段変速機の油圧制御装置 |
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Publications (2)
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JP3718405B2 JP3718405B2 (ja) | 2005-11-24 |
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Family Applications (1)
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Cited By (4)
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2000
- 2000-03-21 JP JP2000078651A patent/JP3718405B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US11059471B2 (en) | 2017-05-22 | 2021-07-13 | Aisin Aw Co., Ltd. | Power transmission device and method for controlling same |
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