JP2004125063A - ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents

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JP2004125063A JP2002290298A JP2002290298A JP2004125063A JP 2004125063 A JP2004125063 A JP 2004125063A JP 2002290298 A JP2002290298 A JP 2002290298A JP 2002290298 A JP2002290298 A JP 2002290298A JP 2004125063 A JP2004125063 A JP 2004125063A
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Makoto Sawada
澤田 真
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Abstract

【課題】極低温始動時のライン圧最小制御中に走行レンジがセレクトされたとき、油圧の応答遅れによるベルト滑りを防止することができるベルト式無段変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】極低温始動時のライン圧最小制御中にDレンジがセレクトされたとき、タイマtが所定時間Tに到達するまで、すなわち、ライン圧Pの実油圧が最大となるまで前進クラッチ締結圧PをPとして立ち上がりを遅らせる。
【選択図】   図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト式無段変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ベルト式無段変速機を備えた車両において、エンジン始動時にはベルト式無段変速機の油圧系がスタータモータにとって駆動負担となり、特に極低温時(−20〜−40℃)には油の粘性が高く油圧系全体の抵抗が大きくなってクランキング回転数を低下させ、エンジンの始動性を悪化させる。
【0003】
この対策として、従来の無段変速機の制御装置では、エンジン始動時に検出油温が低い場合には、ライン圧を一時的に最小とし、オイルポンプの駆動負担を軽減させることにより、エンジンの始動性を向上させるライン圧最小制御(Min圧制御)を行っている。
【0004】
一方、PまたはNレンジからDレンジや後退レンジのセレクト変速が行われたときには、セレクト変速を判断すると同時にライン圧を最大まで高めてプーリに油圧を供給するとともに、プーリの推力が発生後に前進クラッチまたは後退ブレーキに所定のクラッチ圧を供給して締結力を上昇させてベルトの滑りを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のベルト式無段変速機の制御装置にあっては、極低温でエンジン始動を行い、これに伴いライン圧を最小とする制御を行っている状態で、セレクト変速が行われると、油圧の応答遅れに起因してプーリの推力よりもクラッチ締結力の方が大きくなることがあることが判明した。その結果、ベルト滑りが発生し、ベルトの耐久性低下を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、極低温始動時のライン圧最小制御中に走行レンジがセレクトされたとき、油圧の応答遅れによるベルト滑りを防止することができるベルト式無段変速機の制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、請求項1に記載のベルト式無段変速機の制御装置では、前進クラッチまたは後退ブレーキを介してエンジンに連結されたベルト式無段変速機と、このベルト式無段変速機の油温を検出する油温検出手段と、エンジンの始動時を検出するエンジン始動検出手段と、検出された油温が予め設定された設定温度以下であるかどうかを判断する極低温判断手段と、エンジンの始動時、かつ検出油温が予め設定された設定温度以下であると判断されたとき、ベルト式無段変速機に供給されるライン圧を所定時間、低圧に抑制する極低温始動時ライン圧抑制手段と、を備えたベルト式無段変速機の制御装置において、セレクトスイッチのレンジ信号から走行レンジがセレクトされているかどうかを判断する走行レンジ判断手段と、前記ライン圧の実油圧を検出するライン圧検出手段と、前記ライン圧抑制時に走行レンジがセレクトされたとき、所定時間ライン圧の実油圧が最大となるまで前進クラッチまたは後退ブレーキに供給されるクラッチ圧の上昇を所定圧以下に抑制する極低温始動時クラッチ圧抑制手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、走行レンジがセレクトされたとき、クラッチ圧を一時的に上昇させた後下降させてプリチャージ圧を作るプリチャージ圧調圧手段と、前記プリチャージ圧の下降点からクラッチ圧を徐々に上昇させて容量調整圧を作る容量調整圧調圧手段と、を設け、前記極低温始動時クラッチ圧抑制手段は、クラッチ圧をプリチャージ圧よりも低い一定圧に維持することを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明では、極低温始動時クラッチ圧抑制手段は、ライン圧抑制時に走行レンジがセレクトされたとき、ライン圧の実油圧が最大となるまでクラッチ圧の上昇を抑制する。
【0010】
よって、十分なプーリクランプ圧が得られた後にクラッチ圧が上昇して前進クラッチまたは後退ブレーキの締結が行われるので、油圧の応答遅れがあってもクラッチ締結力がプーリの推力よりも高くなることがなく、確実にベルト滑りを防止するベルト滑りを防止することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、走行レンジがセレクトされたとき、極低温始動時クラッチ圧抑制手段により、クラッチ圧がプリチャージ圧よりも低い一定圧で維持される。次に、プリチャージ圧調圧手段により、前進クラッチまたは後退ブレーキのクラッチ締結準備に必要なプリチャージ部分が迅速に充填される。
【0012】
よって、クラッチ圧の上昇を抑えてベルト滑りを防止しつつ、クラッチ圧抑制時に作られる油圧がプリチャージ圧を作るための棚圧として作用するため、クラッチ締結時間の短縮を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のベルト式無段変速機を実現する実施の形態を、請求項1に係る発明に対応する第1実施例と、請求項2に係る発明に対応する第2実施例とに基づいて説明する。
【0014】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1はVベルト式無段変速機の概略構成図、図2は油圧コントロールユニットおよびCVTコントロールユニットの概念図である。
【0015】
図1において、無段変速機5はロックアップクラッチを備えたトルクコンバータ2、前後進切り換え機構4を介してエンジン1に連結され、一対の可変プーリとして入力軸側のプライマリプーリ10、出力軸13に連結されたセカンダリプーリ11を備えている。これら一対の可変プーリ10,11は、Vベルト12によって連結されている。なお、出力軸13はアイドラギア14およびアイドラシャフトを介してディファレンシャル6に連結されている。
【0016】
無段変速機5の変速比やVベルトの接触摩擦力は、CVTコントロールユニット(CVTCU)20からの指令に応動する油圧コントロールユニット(油圧CU)100によって制御されている。CVTCU20は、エンジン1を制御するエンジンコントロールユニット(ECU)21から入力トルク情報や後述するセンサ等からの出力に基づいて変速比や接触摩擦力を決定し、制御する。
【0017】
無段変速機5のプライマリプーリ10は、入力軸と一体となって回転する固定円錐板10bと、この固定円錐板10bに対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、プライマリプーリシリンダ室10cへ作用する油圧(プライマリ圧)によって軸方向へ変位可能な可動円錐板10aから構成されている。
【0018】
一方、セカンダリプーリ11は、出力軸13と一体となって回転する固定円錐板11bと、この固定円錐板11bに対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するとともに、セカンダリプーリシリンダ室11cへ作用する油圧(セカンダリ圧)に応じて軸方向へ変位可能な可動円錐板11aから構成されている。
【0019】
ここで、プライマリプーリシリンダ室10cとセカンダリプーリシリンダ室11cは、等しい受圧面積に設定されている。
【0020】
エンジン1から入力された駆動トルクは、トルクコンバータ2と、前後進切り換え機構4を介して無段変速機5へ入力され、プライマリプーリ10からVベルト12を介してセカンダリプーリ11へ伝達される。このとき、プライマリプーリ10の可動円錐板10aおよびセカンダリプーリ11の可動円錐板11aを軸方向変位させ、Vベルト12との接触半径を変更することにより、プライマリプーリ10とセカンダリプーリ11との変速比を連続的に変更することができる。
【0021】
無段変速機5の変速比およびVベルト12の接触摩擦力は、油圧CU100によって制御される。
【0022】
図2に示すように、油圧CU100は、オイルポンプ22から吐出されたライン圧Pを制御するプレッシャレギュレータバルブ60と、プライマリプーリシリンダ室10cの油圧(以下、プライマリ圧)を制御する変速制御弁30と、セカンダリプーリシリンダ室11cへの供給圧(以下、セカンダリ圧)を制御する減圧弁61を主要な構成としている。
【0023】
変速制御弁30は、メカニカルフィードバック機構を構成するサーボリンク50に連結され、サーボリンク50の一端に連結されたステッピングモータ40によって駆動されるとともに、サーボリンク50の他端に連結したプライマリプーリ10の可動円錐板10aから溝幅、つまり実変速比のフィードバックを受ける。
【0024】
ライン圧制御は、オイルポンプ22からの圧油を調圧するソレノイドを備えたプレッシャレギュレータバルブ60で構成され、CVTCU20からの指令(例えば、デューティ信号など)に基づいて運転状態に応じた所定のライン圧Pに調圧する。
【0025】
ライン圧Pは、プライマリ圧を制御する変速制御弁30と、セカンダリ圧を制御するソレノイドを備えた減圧弁61にそれぞれ供給される。
【0026】
プライマリプーリ10とセカンダリプーリ11の変速比は、CVTCU20からの変速指令信号に応じて駆動されるステッピングモータ40によって制御され、ステッピングモータ40に応動するサーボリンク50の変位に応じて変速制御弁30のスプール31が駆動され、変速制御弁30に供給されたライン圧Pが調圧されてプライマリ圧をプライマリプーリ10へ供給し、溝幅が可変制御されて所定の変速比に設定される。
【0027】
なお、変速制御弁30は、スプール31の変位によってプライマリプーリシリンダ室10cへの油圧の吸排を行って、ステッピングモータ40の駆動位置で指令された目標変速比となるようにプライマリ圧を調圧し、実際に変速が終了するとサーボリンク50からの変位を受けてスプール31を閉弁する。
【0028】
ここで、図1において、CVTCU20は、無段変速機5のプライマリプーリ10の回転速度を検出するプライマリプーリ速度センサ26、セカンダリプーリ11の回転速度を検出するセカンダリプーリ速度センサ27、セカンダリプーリ11のシリンダ室11cにかかるセカンダリ圧を検出する油圧センサ28からの信号と、インヒビタスイッチ23からのセレクト位置と、運転者が操作するアクセルペダルの操作量に応じた操作量センサ24からのストローク(またはアクセルペダルの開度)、油温センサ25から無段変速機5の油温を読み込んで変速比やVベルト12の接触摩擦力を可変制御する。また、CVTCU20には、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ29と、スロットル開度センサ32からの信号がECU21を介して入力される。
【0029】
CVTCU20では、車速やアクセルペダルのストロークに応じて目標変速比を決定し、ステッピングモータ40を駆動して実変速比を目標変速比へ向けて制御する変速制御部201と、入力トルクや変速比、油温、変速速度などに応じて、プライマリプーリ10とセカンダリプーリ11の推力(接触摩擦力)を制御するプーリ圧(油圧)制御部202から構成される。
【0030】
プーリ圧制御部202は、入力トルク情報、プライマリプーリ回転速度とセカンダリプーリ回転速度に基づく変速比、油温からライン圧Pの目標値を決定し、プレッシャレギュレータバルブ60のソレノイドを駆動することでライン圧Pを制御する。また、セカンダリ圧の目標値を決定して、油圧センサ28の検出値と目標値に応じて減圧弁61のソレノイドを駆動し、フィードバック制御(閉ループ制御)によりセカンダリ圧を制御する。
【0031】
次に、前後進切り換え機構4の構造について説明する。
前後進切り換え機構4の前進クラッチ8と後退ブレーキ9を締結圧のON/OFFにより締結、解放制御する油圧回路を、ライン圧Pの制御回路とともに図3に示す。
【0032】
プレッシャレギュレータバルブ60によるライン圧P制御中に余った余剰油は、プレッシャレギュレータバルブ60から回路71に送出され、クラッチレギュレータバルブ70はこの余剰油を媒体として回路71内の余剰油を所定のクラッチ元圧Pcoに調圧する。
【0033】
プレッシャレギュレータバルブ60およびクラッチレギュレータバルブ70は、図外のパイロットバルブからの一定のパイロット圧を元に2ウェイリニアソレノイド80がデューティDに応じて作り出した制御圧P、つまり2ウェイリニアソレノイド駆動デューティDに応動し、ライン圧Pおよびクラッチ元圧Pcoを制御圧P、つまり2ウェイリニアソレノイド80駆動デューティDに応じ、例えば、図4に示すマップに基づいて制御する。
【0034】
ちなみに、ライン圧Pは2ウェイリニアソレノイド駆動デューティDに応じ最低値PLMINおよび最高値PLMAXとの間で図示のように変化し、クラッチ元圧PCOは2ウェイリニアソレノイド駆動デューティDに応じ最低値PCMINおよび最高値PCMAXとの間で図示のように変化する。
【0035】
クラッチ元圧PCOは、セレクトスイッチングバルブ90に供給される。このセレクトスイッチングバルブ90は、前進レンジでクラッチ元圧PCOを前進クラッチ8に供給してその締結圧Pを発生させるとともに、後退ブレーキ9の締結圧Pをドレンする。また、後進レンジでは、クラッチ元圧Pcoを後退ブレーキ9に供給してその締結圧Pを発生させるとともに、前進クラッチ8の締結圧Pをドレンする。さらに、駐停車レンジでは、クラッチ元圧Pcoを遮断した状態で、前進クラッチ8の締結圧Pおよび後退ブレーキ9の締結圧Pを共にドレンする。
【0036】
次に、作用を説明する。
[通常走行時のライン圧制御処理]
CVTCU20による通常走行時のライン圧制御処理について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0037】
まず、ステップS1では、変速比演算と入力トルク演算プライマリプーリ速度センサ26が検出したプライマリプーリ回転速度と、セカンダリプーリ速度センサ27が検出したセカンダリプーリ回転速度の比から、実変速比を算出する。
【0038】
ステップS2では、ECU21からの入力トルク情報から、無段変速機5への入力トルクを算出する。
【0039】
次に、ステップS3では、上記実変速比と入力トルクに基づいて、図6のマップを参照して必要とするセカンダリ圧(必要セカンダリ圧)を演算する。
なお、このマップは、変速比が小さい(Od側)ほど油圧が低く、変速比が大きい(Lo側)ほど油圧が高く設定され、かつ、入力トルクが大きければ油圧を高く、入力トルクが小さければ油圧を低く設定するもので、予め設定したものである。
【0040】
ステップS4では、上記実変速比と入力トルクに基づいて、図7のマップを参照して必要とするプライマリ圧(必要プライマリ圧)を演算する。
なお、このマップは、変速比が小さいほど油圧が低く、大きいほど油圧が高く設定され、かつ、入力トルクが大きければ油圧を高く、小さければ油圧を低く設定するもので、上記必要セカンダリ圧に対して、変速比の小側では相対的に高く、変速比の大側では相対的に低くなるように設定されたものである。ただし、入力トルクによっては、必要プライマリ圧と必要セカンダリ圧の大小関係が逆になる場合もある。
【0041】
次に、ステップS5では、プライマリ圧の目標値であるプライマリ圧操作量を下式により演算する。
プライマリ圧操作量=必要プライマリ圧+オフセット量
ここで、オフセット量は、変速制御弁30の特性に応じて設定される値(油圧の加算値)であり、圧力損失の特性は、完全に油圧に比例するわけではないので、これを補償する値である。
【0042】
ステップS6では、プライマリ圧操作量と上記ステップS3で求めた必要セカンダリ圧との大小関係を比較判定する。プライマリ圧操作量の方が大きい場合にはステップS7へ進み、必要セカンダリ圧がプライマリ圧操作量以上である場合にはステップS8へ進む。
【0043】
ステップS7では、ライン圧Pの目標値であるライン圧操作量をプライマリ圧操作量として本制御を終了する。
【0044】
ステップS8では、ライン圧操作量を必要セカンダリ圧として本制御を終了する。
【0045】
このように、プライマリ圧操作量と必要セカンダリ圧のいずれか大きい方をライン圧操作量(目標油圧)として求めた後、プレッシャレギュレータバルブ60のソレノイドを駆動するための制御量(デューティ信号など)へ変換してプレッシャレギュレータバルブ60を駆動する。
【0046】
[極低温始動時のクラッチ圧抑制制御処理]
次に、CVTCU20による極低温始動時のクラッチ圧抑制制御処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
ステップS21では、油温センサ25とエンジン回転数センサ29の検出値から、油温Tfとエンジン回転数Neを読み込む。
【0048】
ステップS22では、油温Tfが予め設定された設定温度、例えば、−20℃以下かどうかを判断する。油温Tfが−20℃以下の場合にはステップS23へ進み、−20℃よりも大きい場合には本制御を終了する。
【0049】
ステップS23では、ライン圧Pを最小とする指令を油圧CU100へ出力する。
【0050】
ステップS24では、インヒビタスイッチ23のレンジ信号からNレンジかどうかを判断し、Nレンジである場合には本制御を終了し、Nレンジではない場合にはステップS25およびステップS26へ進む。
【0051】
ステップS25では、前進クラッチ締結圧Pに対し予め設定された設定圧Pとする指令を油圧CU100へ出力する。この設定圧Pは、後述するステップS29でのN→Dセレクト制御における設定圧Pよりも低い油圧であり、例えば、0MPaである。
【0052】
ステップS26では、タイマtをカウントアップする。
【0053】
ステップS27では、タイマtが予め設定された設定時間Tに到達したかどうかを判断し、設定時間Tに到達している場合にはステップS28へ進み、設定時間Tに到達していない場合にはステップS26へ戻る。この設定時間Tは、例えば−20℃といった極低温状態においてライン圧が最低圧(Min圧)から最大圧(Max圧)まで上昇する時間を予め実験などで求めて設定している。
【0054】
ステップS28では、タイマtを初期化する。
【0055】
ステップS29では、後述するN→Dセレクト制御を行って本制御を終了する。
【0056】
ステップS30では、ライン圧Pを最大とする指令を油圧CU100へ出力し、本制御を終了する。
【0057】
[極低温始動時のクラッチ圧抑制制御作用]
図9は、第1実施例の極低温始動時のクラッチ圧抑制制御作用を示すタイムチャートである。
【0058】
t0では、イグニッションキーがONされ、エンジンが始動する。このとき、図8のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24へと進む流れとなる。
【0059】
すなわち、ステップS22により油温Tfが−20℃以下であると判断され、ステップS23によりライン圧Pが最小とされ、ステップS24によりNレンジであると判断される。
【0060】
t1では、Dレンジがセレクトされることにより、図8のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25およびステップS30へと進み、タイマtが設定時間Tに到達するまでステップS25→ステップS27→ステップS26の処理が繰り返される。
【0061】
すなわち、ステップS24によりNレンジではないと判断され、ステップS25により前進クラッチ締結圧の指令値P’がPとされるが、クラッチ圧は上昇せず、同時に、ステップS30により最大ライン圧Pが指令されライン圧が上昇する。
【0062】
t2では、タイマtが設定時間Tに到達したため、図8のフローチャートにいて、ステップS27→ステップS28→ステップS29へと進む流れとなる。
【0063】
すなわち、ステップS27によりタイマtが設定時間Tに到達したと判断され、ステップS28によりタイマtが初期化され、ステップS29によりセレクト制御が行われる。このとき、ライン圧Pの実油圧はすでに最大値となっており、プライマリプーリシリンダ室10cおよびセカンダリプーリシリンダ室11cには十分な油圧が供給されているため、プーリの推力よりも前進クラッチの締結力が大きくなることはなく、この時点でクラッチ圧を大きくしてもベルト滑りは発生しない。しかしながら、締結によるショックの発生を防止するためにセレクト制御を行う。
【0064】
ここで、ステップS29のセレクト制御について、図9を用いて説明する。
t2で前進クラッチ締結圧の指令値P’をPからPまで上昇させた後、所定時間が経過した後にエンジン回転数Neに応じたPまで下降させる。これにより前進クラッチ8の締結準備に必要なピストンストロークなどが迅速に行われる。続いて、エンジン回転数Neに応じた上昇速度でもって前進クラッチ締結圧Pを徐々に上昇させ、最終的に締結圧Pまで上昇させることにより、クラッチの滑りとショックの発生を抑えつつ締結時間を短縮することができる。
【0065】
次に、効果を説明する。
第1実施例のVベルト式無段変速機の制御装置にあっては、極低温始動時のライン圧最小制御中にDレンジがセレクトされたとき、タイマtが所定時間Tに到達するまで、すなわち、ライン圧Pの実油圧が最大となるまで前進クラッチ締結圧Pの上昇を抑えることとしたため、油圧の応答遅れによるベルト滑りを防止することができる。
【0066】
(第2実施例)
第2実施例を説明する。
第2実施例は、設定圧Pが第1実施例では0MPaであったのに対し、ピストンのストロークを完了しない程度の低圧の油圧を所定時間t1〜t2の間与え、ピストンストロークを行わないまでもクラッチ回路中に油の充填を行う点で、第1実施例と異なる。
【0067】
よって、図10の極低温始動時のクラッチ圧抑制制御作用を示すタイムチャートにおいて、時間t1〜t2の間に、前進クラッチ締結圧Pが僅かに上昇し、回路中に油が充填されるが、ピストンストロークは行われない。
【0068】
次に、効果を説明する。
第2実施例のVベルト式無段変速機の制御装置にあっては、前進クラッチ締結圧Pを、セレクト制御におけるプリチャージ棚圧Pよりも低く、ピストンストロークを行わない程度の油圧Pとしたため、クラッチ圧制御中であってもクラッチ回路中に油を充填することができて、時間t1〜t2の間クラッチ圧Pを0にする第1実施例と比べて、クラッチ締結時間の短縮を図ることができる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態を第1実施例と第2実施例とに基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0070】
例えば、第1実施例では、タイマtを所定時間Tまでカウントすることにより、ライン圧Pが最大となるまでクラッチ締結圧Pの立ち上がりを抑制する構成を示したが、タイマtが所定時間T経過したとき、油圧センサ28によりセカンダリ圧を検出し、十分なライン圧Pが得られていないと判断された場合には、さらにクラッチ締結圧Pの立ち上がりを遅らせる構成としても良い。
【0071】
また、本実施の形態では、NレンジからDレンジへセレクトされる場合について説明したが、本発明は、NレンジからRレンジへセレクトされる場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vベルト式無段変速機の概略構成図である。
【図2】油圧コントロールユニットおよびCVTコントロールユニットの概念図である。
【図3】前進クラッチと後退ブレーキを締結圧のON/OFFにより締結、解放制御する油圧回路を、ライン圧の制御回路とともに示した図である。
【図4】ソレノイド駆動デューティとライン圧およびクラッチ元圧との関係を示す線図である。
【図5】CVTコントロールユニットのプーリ圧制御部で行われる通常走行時の油圧制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】変速比と入力トルクに応じた必要セカンダリ圧のマップである。
【図7】変速比と入力トルクに応じた必要プライマリ圧のマップである。
【図8】極低温始動時クラッチ圧抑制制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第1実施例の極低温始動時クラッチ圧抑制制御処理作用を示すタイムチャートである。
【図10】第2実施例の極低温始動時クラッチ圧抑制制御処理作用を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 トルクコンバータ
4 前後進切り換え機構
5 無段変速機
6 ディファレンシャルギア
8 前進クラッチ
9 後退ブレーキ
10 プライマリプーリ
10a 可動円錐板
10b 固定円錐板
10c プライマリプーリシリンダ室
11 セカンダリプーリ
11a 可動円錐板
11b 固定円錐板
11c セカンダリプーリシリンダ室
12 Vベルト
13 出力軸
14 アイドラギア
20 CVTコントロールユニット(CVTCU)
21 エンジンコントロールユニット(ECU)
22 オイルポンプ
23 インヒビタスイッチ
24 操作量センサ
25 油温センサ
26 プライマリプーリ速度センサ
27 セカンダリプーリ速度センサ
28 油圧センサ
29 エンジン回転数センサ
30 変速制御弁
31 スプール
32 スロットル開度センサ
40 ステッピングモータ
50 サーボリンク
60 プレッシャレギュレータバルブ
61 減圧弁
70 クラッチレギュレータバルブ
71 回路
80 2ウェイリニアソレノイド
90 セレクトスイッチングバルブ90
100 油圧コントロールユニット(油圧CU)
201 変速制御部
202 プーリ圧制御部

Claims (2)

  1. 前進クラッチまたは後退ブレーキを介してエンジンに連結されたベルト式無段変速機と、
    このベルト式無段変速機の油温を検出する油温検出手段と、
    エンジンの始動時を検出するエンジン始動検出手段と、
    検出された油温が予め設定された設定温度以下であるかどうかを判断する極低温判断手段と、
    エンジンの始動時、かつ検出油温が予め設定された設定温度以下であると判断されたとき、ベルト式無段変速機に供給されるライン圧を所定時間、低圧に抑制する極低温始動時ライン圧抑制手段と、
    を備えたベルト式無段変速機の制御装置において、
    セレクトスイッチのレンジ信号から走行レンジがセレクトされているかどうかを判断する走行レンジ判断手段と、
    前記ライン圧の実油圧を検出するライン圧検出手段と、
    前記ライン圧抑制時に走行レンジがセレクトされたとき、所定時間ライン圧の実油圧が最大となるまで前進クラッチまたは後退ブレーキに供給されるクラッチ圧の上昇を所定圧以下に抑制する極低温始動時クラッチ圧抑制手段と、
    を備えることを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の無段変速機の制御装置において、
    走行レンジがセレクトされたとき、クラッチ圧を一時的に上昇させた後下降させてプリチャージ圧を作るプリチャージ圧調圧手段と、
    前記プリチャージ圧の下降点からクラッチ圧を徐々に上昇させて容量調整圧を作る容量調整圧調圧手段と、
    を設け、
    前記極低温始動時クラッチ圧抑制手段は、クラッチ圧をプリチャージ圧よりも低い一定圧に維持することを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
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