JP2001262370A - フィルムラミネートツーピース缶 - Google Patents

フィルムラミネートツーピース缶

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JP2001262370A JP2000079582A JP2000079582A JP2001262370A JP 2001262370 A JP2001262370 A JP 2001262370A JP 2000079582 A JP2000079582 A JP 2000079582A JP 2000079582 A JP2000079582 A JP 2000079582A JP 2001262370 A JP2001262370 A JP 2001262370A
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Kazuhiro Tsujimoto
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Hiroichi Yokoya
博一 横矢
Shigeru Hirano
茂 平野
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質なフィルム被覆スチールツーピース缶
を生産性よく提供する。 【解決手段】 鋼板の両面に片面付着量としてNi20
〜2000mg/m2 、その上層にC量として1〜10
0mg/m2 の有機樹脂主体の化成処理皮膜を有し、更
にその上層にポリエステル樹脂フィルムを有するラミネ
ート鋼板を絞り−しごき加工して得られるフィルムラミ
ネートツーピース缶。缶内面に当たる側のポリエステル
樹脂フィルムは厚み15〜50μm、融点が225〜2
60℃、極限粘度が0.60以上で、非晶質化されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチールを素材と
したポリエステル樹脂被覆シームレス缶に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】スチールやアルミニウムを素材とした金
属缶・容器は、その形状からスリーピース缶とツーピー
ス缶とに大別される。スリーピース缶は、地蓋、缶胴、
天蓋から成るためスリーピース缶と呼ばれており、製胴
方法が現在はシーム溶接や接着が主であることから、価
格の安いスチールが使用されている。一方、ツーピース
缶は、地蓋と缶胴とが一体となったもので、それに天蓋
とから成るためツーピース缶、又は、缶胴部に接合部が
ないことからシームレス缶とも呼ばれ、スチールとアル
ミニウムが使用されている。金属缶の場合、缶内面側に
は耐食性を確保するために塗装が施されたものが使用さ
れているが、近年、熱可塑性樹脂フィルムを積層した、
ラミネート缶が開発され市場に出回っている。ラミネー
ト缶は、金属板に熱可塑性樹脂フィルムを被覆させたも
のから、缶体成形加工を行うものが主であり、特にツー
ピース缶を得るには高度な成形加工技術を必要とする。
【0003】かかる意味においても、ツーピースのラミ
ネート缶に関わる技術は、例えば特開平7−2241号
公報、特開平7−195619号公報、特開平8−24
4750号公報等、数多く提案され開示されている。ラ
ミネート缶のメリットは、消費者側から見た場合、適用
する熱可塑性樹脂フィルムにもよるが、耐内容物性、特
に内容物の味、風味と言ったフレーバー性に優れている
点が第一に上げられている。一方、デメリットとして
は、今度は製缶メーカー側からであるが、前述したよう
にツーピース缶の場合、熱可塑性樹脂フィルム被覆金属
板の加工度(又は変形度合)が大きいので、成形時に缶
内面側の樹脂フィルムに傷が入ったりした場合、缶内面
の品質確保ができなくなるため、缶体の品質検査を厳重
に行う必要があることと、製品歩留まりが現行の塗装缶
に比べて劣るといった点が上げられる。
【0004】特に、スチール素材を用いたツーピースラ
ミネート缶の場合、上記の傾向が大きい。こうしたラミ
ネート缶の内面側の樹脂フィルムの皮膜欠陥は、前述し
たように缶成形加工時に入るものであり、この欠陥を最
小限に抑えることは、品質、製品歩留まりの点から重要
な技術課題であることは言うまでもない。一方、トータ
ル缶コストの低減化の観点から、使用金属板の板厚の低
減化や缶蓋である開口容易缶蓋(イージーオープンエン
ド、通称EOE)の径を小さくすることが進められてい
る。開口容易缶蓋について言えば、例えば、缶胴が35
0mlのビール缶の場合、通称211と呼ばれ、缶胴内
径は約65.9mmであり、当然巻締める缶蓋も211
用のものであるが、現在この缶胴に使用する缶蓋は20
6用のものや204用のものとなっており、更に202
用のものを使用する試みが進められている。
【0005】このことは、必然的に缶胴の開口部をより
小さい径に絞る、いわゆる縮径化となり、従って缶胴に
用いられている金属は勿論、その表面に被覆されている
樹脂フィルムにとっても厳しい加工を受けることにな
る。しかし、しごき加工を伴うツーピース缶成形加工
の、特に高加工率の場合の内面側の熱可塑性樹脂フィル
ムの剥離や傷その他の欠陥が入り難く、また高縮径化の
ためのネック加工やフランジ加工で樹脂フィルムを剥離
することなく、また傷その他の欠陥を入れることなく成
形加工できる、適切なフィルムラミネート材が見い出さ
れていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした実
状に鑑みなされたもので、皮膜欠陥のない高耐食性、高
品質な樹脂フィルム被覆スチールツーピース缶を歩留ま
りよく提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも缶
の内面に当たる鋼板の表面に厚みが15〜50μm、融
点(Tm)が225〜260℃、極限粘度(IV)が
0.60以上の非晶質化された熱可塑性ポリエステル樹
脂フィルム層で被覆されている、フィルムラミネートツ
ーピース缶に関するものである。更に詳しく述べると、
前記ポリエステル樹脂フィルムを被覆する前の前記鋼板
の表面には、片面付着量として20〜2000mg/m
2 のNiめっき層、その上層に片面の付着C量として1
〜100mg/m2 の有機樹脂を主体とする化成処理皮
膜層を形成しておく必要がある。特に、缶外面側となる
鋼板の表面上に被覆されているポリエステル樹脂フィル
ム層が、厚み12〜20μmで融点が235℃以上で平
均粒子径0.1〜3.0μmの酸化チタン顔料を重量%
として5〜20%含有しており、加工度とし50〜70
%であるフィルムラミネートツーピース缶とするのが好
ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のツーピース缶の実
施形態について詳細に説明する。まず、本発明における
鋼板について述べる。本発明における鋼板は、両面に片
面の付着量として20〜2000mg/m2のNiめっ
き層、その上層に片面付着C量として1〜100mg/
2 の有機樹脂を主体とする化成処理皮膜層を有するも
のである。Niめっきおよび化成処理前の鋼板は特に限
定されるものではなく、通常製缶用鋼板として使用され
ているものが適用される。しかし、選定する際には缶体
の強度、特にボトム耐圧強度には留意する必要があり、
ビール缶においてはボトム耐圧は最大で618kPa以
上、コーラ等の炭酸飲料缶においてはボトム耐圧686
kPa以上でないと缶底部のドームが缶外方へ突出する
といった現象が起こる。この現象を回避するには、使用
鋼板の硬度やボトム形状との関係もあるが、現状では鋼
板板厚が0.15mm以下では難しい。一方、鋼板板厚
が0.22mmあれば使用鋼板の硬度が低くても缶底部
のドームが缶外方へ突出するといった現象は起こらな
い。従って、鋼板の板厚は0.15〜0.22mmとす
るのが好ましい。
【0009】次に、鋼板の表面に施されているNiめっ
きや化成処理皮膜の表面処理について述べる。本発明に
おいて、鋼板表面にまずNiを付着させる理由について
述べる。本発明のような樹脂フィルムを被覆した鋼板を
絞り−しごき加工して得るツーピース缶の場合、鋼板表
面に形成させた金属めっき皮膜や化成処理皮膜は、その
加工程度に応じて破壊され、加工前の特性は減じるもの
である。本発明のように樹脂フィルムを積層させた鋼板
から成形加工する場合の鋼板の表面処理として、鋼板に
金属クロム、その上層に水和酸化クロムを形成させる電
解クロム酸処理が施されたTFS−CT(ティンフリー
スチールクロミウムタイプ)が良く知られているが、こ
うした表面処理皮膜での例外でなく、絞り−しごき成形
加工後には表面処理皮膜の一部が破壊される。その結
果、缶の開口部といった鉄が露出している箇所を起点と
して糸状腐食が起こる場合がある。糸状腐食が起こった
缶は当然商品としての価値は消失してしまい、問題であ
る。
【0010】糸状腐食は、腐食箇所が糸状に成長するこ
とから名付けられたが、鉄やアルミニウムで起こりその
腐食の成長は酸素の還元反応を駆動力としている。前述
した鋼板に施される電解クロム酸処理皮膜はこの酸素の
還元反応が起こり難い皮膜であるため、皮膜が健全な場
合は糸状腐食は極めて起こり難い。しかし、絞り−しご
き成形加工後には、表面処理皮膜は破壊されるため、糸
状腐食は起こってしまう。Niは糸状腐食が起こらない
金属として知られており、こうした金属で鉄素地を被覆
することは、鋼板の糸状腐食の防止に有効であるが、前
述した電解クロム酸処理皮膜同様、絞り−しごき成形加
工後には皮膜の健全性は確保されなくなるため、本発明
ではNiめっきの付着量は、片面の付着量として20〜
2000mg/m2 とする。
【0011】下限値の20mg/m2 未満では、本発明
の缶の板厚減少率の最小値である50%でも、糸状腐食
が発生するため好ましくない。また、前述した204
(内径約54.9mm)や202(内径約52.4m
m)等の高縮径ネック加工において、めっき皮膜が破壊
して鉄面が露出することに起因して被覆ポリエステル樹
脂フィルムが剥離する場合があり、好ましくない。更
に、Ni付着量が下限値の20mg/m2 未満では、万
が一缶内面側の被覆フィルムに欠陥が発生した場合、内
容物によっては素地の鉄が溶解し穿孔缶となる危険性も
あり好ましくない。従って、Ni付着量は20mg/m
2 以上は必要で、Niの効果を十分に発揮させるには片
面の付着量として100mg/m2 以上のNiめっきを
施すことが望ましい。
【0012】一方、上限値である2000mg/m2
では本発明の缶の板厚減少率の最大値である70%でも
糸状腐食の発生や密着性の確保等の効果は飽和する。な
お、Niが缶外面の鋼板面に存在することで、白さが若
干向上し、缶外面となる面を被覆するポリエステル樹脂
への白色顔料の混入量や印刷・塗装時に行われる白色塗
装や白インキの塗布量を低減出来るといった経済的効果
もある。こうしたことを総合的に勘案すると、Ni付着
量は20〜2000mg/m2が適当な範囲であり、好
ましくは100〜2000mg/m2 が最適である。鋼
板へのNi付着方法としては周知の電気めっきや無電解
めっき方法が適用できる。
【0013】次に、化成処理皮膜について述べる。本発
明の鋼板は、Niめっきの上層に有機樹脂を主体とする
化成処理皮膜を有するものである。有機樹脂を主体とす
る化成処理皮膜は乾燥時に高分子化が起こり、Niめっ
き面を一様に覆うため、第一にその上層に積層させるポ
リエステル樹脂皮膜との密着性を強固にすることができ
る。第二に前述した糸状腐食の駆動力となる酸素の還元
反応を抑制することができるため、糸状腐食が防止され
る等の優れた性能を示す。また、有機樹脂を主体とする
化成処理皮膜層は、特にポリエステル樹脂フィルムとの
密着性が良好であるため、高加工度の絞り−しごき加工
を受けても、密着性不十分によって起こるフィルム剥離
(通称デラミ)や、激しいデラミを起因とする破胴とい
ったことはなく、良好な缶体が得られる。
【0014】化成処理皮膜の付着量は、C量として例え
ば、(株)島津製作所製のTOTAL ORGANIC
CARBON ANALYZER TOC−5000
で測定した値で、1〜100mg/m2 である。下限値
である1mg/m2 未満では被覆性が劣り、腐食作用お
よび密着性が共に不十分となる。また、本発明の缶の板
厚減少率の最小値である50%でも成形加工後に樹脂フ
ィルムが局部的に剥離する、いわゆるデラミが起こった
り成形加工後の缶体には開口部から糸状腐食が発生し、
好ましくない。しかし、有機樹脂を主体とする化成処理
皮膜をC量として1mg/m2 以上施すことにより密着
性は向上し、5mg/m2 以上で十分な密着性が確保さ
れる。
【0015】一方、上限値の100mg/m2 を超える
と、糸状腐食の発生はないが、本発明の缶の板厚減少率
の最大値である70%の成形加工で化成処理皮膜自身の
凝集破壊と思われる密着性低下がやはり起こる場合があ
り、好ましくない。有機樹脂を主体とする化成処理皮膜
量をC量として100mg/m2 以下にすることで成形
加工での密着性低下を防止することが可能となる。従っ
て、有機樹脂を主体とする化成処理皮膜厚は、C量とし
て1〜100mg/m2 の範囲であるが、工業製品とし
ての安定生産性を考慮すると、C量として5〜50mg
/m2 の範囲が好ましく最適である。
【0016】鋼板への処理方法としては、例えばリン酸
及びその塩、縮合リン酸及びその塩、リン酸ジルコニウ
ム、リン酸チタニウムのようなリン酸系化合物や、例え
ばビニルエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシ
シラン等のシランカップリング剤のような有機ケイ素化
合物と、例えば水溶性フェノール樹脂、水溶性アクリル
樹脂のような水溶性有機樹脂を主体とする水溶液を、前
記処理液をNiめっき鋼板にスプレー塗布し絞りロール
で付着量を調整した後、乾燥し硬化させる方法、処理液
にNiめっき鋼板を浸漬し絞りロールで付着量を調整し
た後、乾燥し硬化させる方法等が適宜適用できる。乾燥
硬化方法としては熱風での乾燥、電気炉での乾燥等の方
法が適用でき、温度は150〜250℃で乾燥時間は1
0秒〜2分程度である。
【0017】次に、本発明の方法に適用される缶内面側
のポリエステル樹脂フィルムについて説明する。本発明
ではポリエステル樹脂フィルムは、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂フィルムが適用される。本発明において、被覆す
る樹脂フィルムを熱可塑性ポリエステル樹脂フィルムに
限定した理由は、耐熱性が良い、缶内面用としては
内容物のフレーバーが確保される、と言った、例えばポ
リエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹
脂フィルムにない、缶用途に適した特性を有しているか
らである。
【0018】被覆されたポリエステル樹脂フィルムとし
ては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸等の酸成分と、エチレングリコー
ル、ブチレングリコール等のアルコール成分からなるポ
リエステル樹脂で、例えばポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエチレンイソフタレート(PEI)のようなホモポ
リマーや、例えばエチレンテレフタレートとエチレンイ
ソフタレートとの共重合樹脂であるコーポリマーや、ま
たこうしたホモポリマー同士のブレンド、ホモポリマー
とコーポリマーのブレンド、コーポリマー同士のブレン
ドといったブレンド樹脂等から得られるフィルムが適用
される。樹脂フィルムの融点(Tm)や冷結晶化熱(H
c)は、こうした酸成分とアルコール成分の選定、コー
ポリマーの程度、ブレンドする樹脂の選定とそのブレン
ド比等適宜選定することで得ることができる。樹脂フィ
ルムの厚みは、15〜50μmである。
【0019】缶の内面に当たる鋼板面に被覆されるフィ
ルム厚みは、缶内面の耐食性の点から限定されるもので
あり、15μm未満では缶の成形加工後で充填する内容
物にもよるが、十分な耐食性を確保するのは難しい場合
がある。一方、50μmを超えると、ほとんど内容物に
対し耐食性は十分確保されるが、実質的に過剰品質とな
り、経済的でない。フィルム厚みとしては、18〜40
μmが品質および経済性からは好ましい範囲である。ま
た、本発明を実施する際のフィルム厚の選定は、後述す
る缶壁部の薄肉化の加工度との関係があることも選定の
際の重要な要素である。
【0020】即ち、加工度が高い場合は、当然その加工
度に応じてフィルムの厚みも薄くなるため、その結果と
して、缶内面の防食性能は低下する。従って、加工度が
高い場合は予め厚手のフィルムを適用することが望まし
いし、一方、加工度が低い場合はそれに応じて予め薄手
のフィルムを適用することが可能となる。本発明ではポ
リエステル樹脂フィルムは、融点(Tm)が225〜2
60℃の樹脂フィルムである。
【0021】成形加工時には、金属の加工熱が発生し、
缶体はかなりの温度となる。特にしごき加工の際に発生
する金属の加工熱は、樹脂フィルムの特性を大きく変化
させる。この熱による樹脂フィルムの特性変化の一つに
樹脂フィルムの軟化があり、樹脂フィルムが軟化する
と、しごき加工時に缶内面側の樹脂フィルムがパンチに
付着してしまい、パンチが缶体から抜け難くなる、いわ
ゆる離型性不良が起こり、内面の樹脂フィルムを傷つけ
る原因となる。また、離型性不良がひどい場合は、缶体
の開口部近傍が座屈し、正規の缶体高さが得られない事
態が起こる場合もある。
【0022】樹脂フィルムの融点(Tm)が225℃未
満の場合はこの離型性不良が起こり、内面フィルムを傷
付け耐食性低下に繋がり、激しい場合は成形加工ができ
ないことがあり、好ましくない。一方、上限値の260
℃超では、高融点化に伴う離型性の更なる効果は期待で
きず飽和する。缶内面側のポリエステル樹脂フィルムの
融点(Tm)は、上記の離型性から限定したものである
が、しごき加工時の発熱量は後述する加工度との関係も
あり、樹脂フィルムの融点だけで離型性の良否を決めら
れものではないが、基本的には融点は高い方が有利であ
り、好ましくは230〜255℃、更に好ましくは23
5〜255℃が好適である。
【0023】更に、本発明においては、少なくとも缶内
面側のポリエステル樹脂フィルムの極限粘度(通称I
V)は0.60以上である。極限粘度(IV)は、樹脂
の平均分子量を示す指標であるが、極限粘度が0.60
未満では樹脂フィルムの衝撃強度が小さく、内容物が充
填された缶体を落とした場合、その部位に衝撃が加わり
材料が変形するばかりでなく、同時にその衝撃と変形で
樹脂フィルムにクラックが入り、激しい場合はそこが缶
体金属の腐食起点となる。
【0024】こうした状況に対する特性を耐デント性と
呼ぶが、腐食の激しい内容物の場合穿孔缶となることも
あり、耐デント性が劣ることは、重大な問題となる要因
を有しており好ましくない。耐デント性は極限粘度が高
い程良好であり、0.60以上であれば多くの場合実用
上問題のない品質が確保されるが、腐食性の強い内容物
に対しては高い方が安心であり、好ましくは0.65以
上、更に好ましくは0.70以上が良い。本発明に適用
されるポリエステル樹脂フィルムの結晶状態は非晶質で
あり、密度としては、1.36g/cm3 未満が好適で
ある。
【0025】ラミネート板における樹脂フィルムを非晶
質とする理由は、その後行うカップの絞り加工、カップ
の再絞り加工、更にしごき加工において、樹脂フィルム
の加工性を十分に確保することを目的にしたもので、密
度が1.36g/cm3 を超えると、結晶性の低いポリ
エステル樹脂フィルムでも、成形加工にフィルムが耐え
られずフィルムに亀裂欠陥が激しく起こる場合があり好
ましくないからである。特に、加工度が大きい時は、し
ごき加工時の発熱と併せて引き延ばし加工により、樹脂
フィルムの配向結晶化が一層進み、その結果、加工に追
随し難くなり、上記の挙動が顕著に現れ、缶体の耐食性
が十分に確保できない場合がしばしば起こる。従って、
密度が大きい、結晶化した状態からの成形加工は、特に
高加工度の場合には極めて難しく不適である。
【0026】更に、本発明では、カップの絞り加工、カ
ップの再絞り加工、更にしごき加工の缶成形加工を施し
た後、得られた缶体を加熱・冷却し再度樹脂フィルムを
非晶質にした後、ネック加工およびフランジ加工を行
う。カップの絞り加工、カップの再絞り加工、更にしご
き加工を経て得られる缶体は、この時の加工により、樹
脂フィルムの密着性は著しく低下しており、この状態で
ネック加工およびフランジ加工を行うと、樹脂フィルム
は剥離し易い。そこで、本発明では、缶体を加熱・冷却
し再度樹脂フィルムを非晶質にした後、ネック加工およ
びフランジ加工に供するものである。
【0027】ポリエステル樹脂フィルムの結晶状態を非
晶質化することで、樹脂フィルムは剥離やクラックが発
生することなく高縮径のネック加工およびフランジ加工
を行うことができる。特に、ネック加工率が高い、高縮
径化への対応については、樹脂フィルムの高加工密着性
が一層必要となり、この場合樹脂フィルムの密度は低い
方が非晶質化度が高いため、良好となる。ポリエステル
樹脂フィルムの結晶状態を非晶質と限定した理由は上記
の理由からで、特に、第1工程の絞り加工前のラミネー
ト板の状態やネック加工およびフランジ加工前の状態と
して、好ましくは密度としては1.35g/cm3 未満
が好適である。
【0028】次に、本発明の方法に適用される缶外面の
ポリエステル樹脂フィルムについて説明する。缶外面
は、しごき加工の際、缶内面と異なりカップの側壁はし
ごきダイスを通過しながら板厚が薄くなるため、缶外面
のポリエステル樹脂フィルムは缶高さ方向に削られたよ
うな傷が入り易くなる。こうした現象は「かじり」と言
われ、樹脂フィルム表面の擦過傷程度の軽微なものか
ら、激しいものでは缶高さ方向に直線的にえぐれたよう
な傷が入る場合がある。缶外面側の「かじり」による傷
が入った場合は、その後施される印刷の仕上がり外観を
損ねることになるだけでなく、こうした「かじり」は、
缶胴の破胴の原因にもなり、単なる製品のロスだけでな
く、生産上のトラブルになり、好ましくない。
【0029】缶外面側に適用されるポリエステル樹脂フ
ィルムは、樹脂としては缶内面用のものと基本的には同
じで、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸等の酸成分と、エチレングリコー
ル、ブチレングリコール等のアルコール成分からなるポ
リエステル樹脂で、例えばポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエチレンイソフタレート(PEI)のようなホモポ
リマーや、例えばエチレンテレフタレートとエチレンイ
ソフタレートとの共重合樹脂であるコーポリマーや、ま
たこうしたホモポリマー同士のブレンド、ホモポリマー
とコーポリマーのブレンド、コーポリマー同士のブレン
ドといったブレンド樹脂等が適用される。樹脂フィルム
の融点(Tm)は、こうした酸成分とアルコール成分の
選定、コーポリマーの程度、ブレンドする樹脂の選定と
そのブレンド比等適宜選定することができる。
【0030】「かじり」はフィルム厚みが厚いほどは起
こり易く、かかる意味において、缶外面側の樹脂フィル
ムの厚みは12〜20μmが最適である。また、ポリエ
ステル樹脂フィルムの融点(Tm)は235℃以上が良
く、235℃未満ではしごき加工時の加工熱でフィルム
が軟化し「かじり」が起こり易くなる。また、缶外面側
のポリエステル樹脂フィルムは、白色顔料を含有するフ
ィルムを適用することも可能で、この場合は平均粒子径
が0.1〜3.0μmの酸化チタン顔料を重量%として
5〜20%含有するフィルムが適用される。
【0031】ポリエステル樹脂フィルムに酸化チタン顔
料を添加して白色化する理由は、現行の鋼板のツーピー
ス缶は外面の缶胴部に対しては印刷の色調や鮮明にする
ために白色塗装もしくは白色インキ、またはその併用を
行っており、また、缶底部には耐錆性の点からスプレー
でボトム塗装を行っており、その工程省略を狙いとする
ものである。しかし、特に酸化チタン顔料を含有するフ
ィルムは缶胴部はしごき加工時の「かじり」が起こり易
い傾向にあり、この傾向は基本的には含有する酸化チタ
ンの平均粒子径が大きい程、また添加量が多いほど「か
じり」が起こり易い傾向にある。
【0032】本発明では、酸化チタン顔料の粒子径は
0.1〜3.0μmである。酸化チタン顔料の粒子径は
理想的には小さい方が好ましいことは前述したが、粒子
径が0.1μmより小さい場合には、むしろ粒子が凝集
して大きな固まりとなってしまうことがあり、激しい
「かじり」や時には破胴となる危険性があり、好ましく
ない。また分散性を厳密に管理する必要があり、工程が
増え経済的ではない。また、酸化チタン顔料の粒子径が
3.0μmを超えると、最初は擦過傷のような軽微な
「かじり」であるが、「かじり」かすがダイスに蓄積
し、突然大きな激しい「かじり」になることが度々あ
り、好ましくない。酸化チタン顔料の粒子径は、性能面
および経済面から、0.3〜2.0μmが好適である。
【0033】酸化チタン顔料の含有量は、重量%として
5〜20%である。酸化チタン顔料の含有量は前述した
「かじり」と前述した外面の印刷・塗装工程の省略化の
兼ね合いから限定されるもので、含有量が5重量%未満
では、「かじり」は問題ないが白さが不十分過ぎて、結
局現行の工程通り行う必要があり不経済である。一方、
含有量が20重量%を超えると、現行の工程の内、白さ
を確保するための工程が軽減され、生産効率は上がる
が、「かじり」が激しくなり、製品価値が低下し、問題
となる。こうした「かじり」や白さの確保は、前述した
加工度と直接関わっており、加工度が小さいほど「かじ
り」は発生し難くなり、また白さも確保される方向にな
るが、本発明の加工度である50〜70の範囲では、白
さの確保と「かじり」の回避の兼備からは、酸化チタン
顔料の含有量としては重量%として8〜18%が好まし
い。
【0034】なお、ポリエステル樹脂フィルム被覆ラミ
ネート鋼板の製造方法としては、加熱された鋼板の表面
に樹脂フィルムを供給してロール間で熱圧着し被覆させ
た後、直ちに急冷して、非晶質にする方法や、溶融した
樹脂を押し出し、鋼板に供給し被覆させ、直ちに急冷し
て、非晶質にする方法や、例えば二軸延伸されたフィル
ムを適用する場合は、一度被覆したポリエステル樹脂
を、必要に応じ更に樹脂の融点以上に加熱した後、直ち
に急冷して非晶質にする方法等が適用できる。鋼板の加
熱方法としては、電気炉中で加熱する方法、熱風による
加熱方法、加熱ロールに接触させて加熱する方法、高周
波で誘導加熱する方法等の加熱方法が採用できる。
【0035】次に、本発明の缶体の加工度、即ち缶壁部
の板厚減少率について述べる。本発明の缶体の加工度
は、下記に示した式(1)から求められる値として、5
0〜70%である。 加工度(%)={(Tb−Tw)/Tb}×100 …… (1) Tb:缶底部の鋼板の板厚 Tw:缶壁部の鋼板の最
も薄い部位の板厚 加工度としては、現在スチール素材やアルミニウム素材
から製造されているDI缶の範疇のもので特別なもので
はないが、加工度が50%未満では、被覆された内外面
のポリエステル樹脂フィルムの加工による損傷は全くな
く、良好な缶体が得られるが、特に、鋼板の元板厚(缶
底部の鋼板厚みに相当)が厚い場合は、缶重量が重くな
り経済的でない。
【0036】一方、加工度が70%を超えると、内面は
ポリエステル樹脂フィルムとパンチの離型性が劣り、樹
脂フィルムの傷付きにより耐食性を確保するのが難しく
なる場合が多々起こり易くなる。また、外面のポリエス
テル樹脂フィルムも「かじり」易くなり、好ましくな
い。更に、特に、鋼板の元板厚(缶底部の鋼板厚みに相
当)が薄い場合は、後述するネック加工でしわが入った
り、フランジ加工で缶体の開口部が割れる、いわゆるフ
ランジ割れが起こったりして好ましくない。加工度の限
定は上記の理由によるもので、50〜70%が最適であ
る。
【0037】次に、本発明の缶体の成形加工方法につい
て述べる。本発明の缶体は、ポリエステル樹脂フィルム
で被覆されたラミネート鋼板を、絞り加工にてカップ状
に成形する第1工程と、次いで第1工程で得たカップを
更に再絞り加工し、第1工程で得たカップより缶径が小
さく、缶高さの高いカップを成形する第2工程と、次い
でこのカップの缶壁部(缶胴側壁部)をパンチとしごき
ダイスの間に通し、缶壁を薄く伸ばすいわゆるしごき加
工を行う第3工程と、次いで缶底部のドーム成形を行う
第4工程、次いで第4工程で得た缶体を正規な缶高さに
切断するトリミングを行った後、缶開口部を縮径するネ
ック加工と天蓋を巻き締めるのに必要なフランジ加工を
行う第5工程から成っている。
【0038】前記の成形加工方法における、第1工程の
絞り加工、第2工程の再絞り加工、第3工程のしごき加
工は、いずれも缶壁部の板厚の増減を伴った加工である
が、第4工程の缶底部のドーム成形加工および第5工程
のネック加工・フランジ加工は、事実上板厚の増減は伴
わない加工である。従って、シームレス缶として成形加
工されたものは、第3工程後の缶体が最終缶体となる。
本発明の缶体を得る加工方法としては、現在スチール素
材やアルミニウム素材から製造されているDI缶の加工
方法と特別大きく変わるものではないが、本発明の缶体
の性能を十分に確保するためには、次の手段を採用する
ことが望ましい。
【0039】即ち、第1工程の絞り加工および第2工程
の再絞り加工は、ラミネート鋼板やカップの温度または
金型の温度を被覆樹脂フィルムのガラス転移温度(T
g)から冷結晶化温度(Tc)の範囲で行うのが、カッ
プ底部コーナーの樹脂フィルムの健全性を確保するため
には望ましい。更に、第1工程の絞り加工および第2工
程の再絞り加工では、第3工程で行うしごき加工での被
覆された樹脂フィルムの負荷を軽減するために、ストレ
ッチ加工や軽度なしごき加工を付加して絞り加工や再絞
り加工するのが望ましい。
【0040】第3工程のしごき加工は、第2工程の再絞
り加工で得たカップの温度を50℃以下にした後、加工
金型の温度を100℃以下、できることなら缶内面に被
覆されている樹脂フィルムのガラス転移温度(Tg)以
下に保持して行うのが、樹脂フィルムの結晶化による欠
陥発生を抑制し、またパンチとの離型性もよいことから
望ましい。なお、しごき加工はしごきダイスを1枚で行
う1段しごき加工や、2枚乃至は3枚で行う多段しごき
加工などが適用出来るが、加工時の熱の蓄積を考慮する
としごきダイスは少ない方が良く、しごきダイスを1枚
で行う1段しごき加工が望ましい。
【0041】
【実施例】以下、実施例にて、本発明の方法の効果を具
体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定される
ものではない。なお、本実施例で行った評価法は以下の
通りである。 (1)樹脂フィルムの密度は、密度勾配管法にて測定し
た。 (2)樹脂フィルムの冷結晶化熱(Hc)、融点(T
m)は示差走査熱量計(DSC)で、10℃/分の昇温
速度で測定し、冷結晶化熱(Tc)ピークの面積を冷結
晶化熱、また融点(Tm)は、ピーク温度を融点とし
た。 (3)樹脂フィルムの極限粘度(IV)は、ウベローデ
粘度計でフェノールとテトラクロロエタンの重量比6:
4の溶液に樹脂フィルムを0.100±0.003g溶
解し、30.0±0.1℃で測定した。
【0042】(4)カップの絞り加工後の缶底部コーナ
ーのマイクロクラックについては、光学顕微鏡で観察し
その程度を評価した。評価は次のように評価基準を設定
し行った。 ○:クラックなく良好 □:軽微なクラック発生 △:明確なクラック発生 ×:激しいクラック発生
【0043】(5)フィルムと加工パンチの離型性は、
成形缶上部に起こる缶体の座屈程度を観察し評価した。
離型性の評価は、次のように評価基準を設定し行った。 ○:缶開口部の座屈なく良好 □:軽微な缶開口部の座屈あり △:開口部円周の1/3程度座屈 ×:開口部円周の1/3以上座屈
【0044】(6)ネック加工およびフランジ加工での
樹脂フィルムの状態については、剥離状況やクラック発
生状況を肉眼観察や光学顕微鏡で観察し評価した。剥離
状況やクラック発生状況の評価は、次のように評価基準
を設定し行った。 ○:剥離やクラックなく良好 □:軽微な剥離および微細なクラック発生 △:一部剥離やクラック発生 ×:剥離発生 (7)缶内面の樹脂フィルムの傷付き程度については、
1.0%食塩水に界面活性剤を0.1%添加した電解液
で、缶体を陽極、陰極を銅線とし印加電圧6Vで3秒後
の電流値を測定し、樹脂フィルムの皮膜の健全性を評価
とした。(以降、この評価法をQTV試験と称する)
【0045】(8)缶外面の耐かじり性は、成形した缶
体胴壁部外面のかじり発生程度を観察して評価した。 ○:かじりなく良好 □:軽微なかじり発生 △:外面の1/3未満にかじり発生 ×:外面の1/3以上に激しいかじり発生
【0046】(9)耐デント性の評価については、35
0ml缶に水を充填し、125℃で30分レトルト処理
を行った後、5℃で1日冷やし、高さ80cmの位置か
ら角度60°で缶底部を下に落下させ、開缶乾燥した
後、衝撃変形部以外を絶縁塗料でシールし、衝撃変形部
の樹脂フィルムの欠陥発生程度をQTV試験に用いる電
解液で、サンプルを陽極、陰極を銅線とし印加電圧6V
で3秒後の電流値を測定し、樹脂フィルムの皮膜の健全
性の評価とした。(以降、耐デント性はこの手法による
評価結果を示す)
【0047】(10)糸状腐食 糸状腐食性の評価については、缶体の缶胴部にカッター
で素地鋼板に達するクロスカットを入れた後、塩水噴霧
試験を1時間行った後、30℃、85%RHの環境で2
週間暴露し、糸状腐食の発生状況を観察して評価した。 ○:糸状腐食の発生なく良好 □:糸状腐食僅かに発生 △:糸状腐食の発生中程度 ×:糸状腐食の発生大
【0048】(実施例1)板厚0.20mmの鋼板の両
面に、片面のNi付着量として10mg/m2 (No.
1)、35mg/m2 (No.2)、235mg/m2
(No.3)、420mg/m2 (No.4)、780
mg/m2 (No.5)、1670mg/m2 (No.
6)のNiめっき鋼板をワット浴にて電気めっき法で作
成した後、フェノール樹脂と縮合リン酸を含有する化成
処理液を塗布・乾燥し、片面のC付着量として10mg
/m2 となるようにNo.1からNo.6のNiめっき
鋼板に化成処理を施し、表面処理鋼板を作成した。
【0049】次いで、上記No.1〜No.6の表面処
理鋼板をジャッケトロールで加熱し板温が255℃の状
態で、缶の内面に相当する鋼板表面には融点が241
℃、極限粘度0.65の厚み25μmのポリエステル樹
脂フィルムを、また、缶の外面に当たる鋼板表面には、
融点が248℃で平均顔料粒子径が1.2μmの酸化チ
タンを15重量%含有する16μmのポリエステル樹脂
フィルムをそれぞれ熱圧着法で被覆した後、更に鋼板を
255〜260℃に加熱後直ちに急冷し、非晶質化ポリ
エステル樹脂フィルムラミネート鋼板を作成した。こう
して得たラミネート鋼板に成形用潤滑剤を塗油した後加
熱し、板温75℃でストレッチ加工を付加した絞り加工
を行った。
【0050】この時得たカップの、缶底コーナー部の樹
脂フィルムのマイクロクラック発生状況について調べ
た。次いで、得たカップの温度を75℃にし、しごき加
工を付加した再絞り加工を行った後、金型温度50℃に
保持し最終加工度が68%のしごき加工を行い、350
mlビール缶サイズのツーピース缶を作成した。こうし
て得た缶体について、樹脂フィルムの金型離型性および
外面樹脂フィルムの耐かじり性を調べた。更に、前記の
缶体を正規の350mlビール缶サイズに開口部をトリ
ミングし、255℃に加熱後直ちに急冷し、ポリエステ
ル樹脂フィルムを非晶質にした後、204のネック加工
およびフランジ加工を行った。こうして得た、正規の缶
体について、耐デント性、ネック・フランジ加工部のフ
ィルム剥離状況、缶体の糸状腐食性、また缶内面品質に
ついてはQTV試験で調べた。
【0051】実施例1に用いたラミネート鋼板の内容お
よびその評価結果は表1に示した。表1から分かるよう
に、本発明例の1〜5(No.2〜No.6)は、糸状
腐食の発生も殆どまたは全くなく、また、内外面フィル
ムの密着性も良好でネック加工やフランジ加工でのフィ
ルム剥離は殆ど見られない。更に内面フィルムのデント
性や他の性能についても良好であり、バランスのとれた
良好な性能を示す。それに対し、比較例1(No.1)
は糸状腐食の発生、内外面フィルムのネック加工やフラ
ンジ加工でのフィルム剥離、耐デント性等が本発明例に
比べ劣る。
【0052】
【表1】
【0053】(実施例2)板厚0.18mmの鋼板の両
面に、片面のNi付着量として530mg/m2のNi
めっき鋼板をワット浴にて電気めっき法で作成した後、
フェノール樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを
含有する化成処理液を塗布・乾燥し、片面のC付着量と
して0.3mg/m2 (No.7)、2mg/m2 (N
o.8)、8mg/m2 (No.9)、38mg/m2
(No.10)、87mg/m2 (No.11)、12
0mg/m2 (No.12)の表面処理鋼板を作成し
た。次いで、上記テNo.7〜No.12の表面処理鋼
板に対し、実施例1で用いた内面用および外面用のポリ
エステル樹脂フィルムを、実施例1と同じ条件で鋼板に
被覆し、ラミネート鋼板を作成した。こうして得たラミ
ネート鋼板に成形用潤滑剤を塗油した後加熱し、板温7
5℃でストレッチ加工を付加した絞り加工を行った。
【0054】この時得たカップの、缶底コーナー部の樹
脂フィルムのマイクロクラック発生状況について調べ
た。次いで、得たカップの温度を75℃にし、しごき加
工を付加した再絞り加工を行った後、金型温度50℃に
保持し最終加工度が68%のしごき加工を行い、350
mlビール缶サイズの缶を作成した。こうして得た缶体
について、樹脂フィルムの金型離型性および外面樹脂フ
ィルムの耐かじり程度を調べた。更に、前記の缶体を正
規の350mlビール缶サイズに開口部をトリミング
し、255℃に加熱後直ちに急冷しポリエステル樹脂フ
ィルムを非晶質にした後、204のネック加工およびフ
ランジ加工を行った。こうして得た、正規の缶体につい
て、耐かじり性、ネック/フランジ加工部のフィルム剥
離状況、缶体の糸状腐食性、また缶内面品質については
QTV試験で調べた。
【0055】実施例2に用いたラミネート鋼板の内容お
よびその評価結果は表2に示した。表2から、本発明例
の6〜9(No.8〜No.11)は、糸状腐食の発生
も殆どまたは全くなく、良好である。また、内外面フィ
ルムの密着性も良好でネック加工やフランジ加工でのフ
ィルム剥離は殆ど見られず、更にその他の特性も良く、
バランスのとれた良好な性能を有していることが分か
る。それに対し、比較例2(No.7)は糸状腐食の発
生が起こり、比較例3(No.12)は内外面フィルム
のネック加工やフランジ加工でのフィルムが剥離するな
ど、比較例は本発明例に劣ることが分かる。
【0056】
【表2】
【0057】(実施例3)板厚0.19mmの鋼板の両
面に、片面のNi付着量として470mg/m2のNi
めっき鋼板をワット浴にて電気めっき法で作成した後、
フェノール樹脂と縮合リン酸を含有する化成処理液を塗
布・乾燥し、片面のC付着量として15mg/m2 の表
面処理鋼板を作成した。次いで、上記の表面処理鋼板を
ジャッケトロールで加熱し板温が250℃で、缶の内面
用フィルムとして融点が242℃で極限粘度が0.67
のポリエステル樹脂の厚みとして12μmのフィルム
(No.13)、16μmのフィルム(No.14)、
25μmのフィルム(No.15)、35μmのフィル
ム(No.16)、40μmのフィルム(No.1
7)、48μmのフィルム(No.18)、55μmの
フィルム(No.19)を、外面用としては実施例1
で用いたポリエステル樹脂フィルムを用いて表面処理鋼
板の両面を被覆した後、更に板温を255〜260℃に
加熱後直ちに急冷し、非晶質化ポリエステル樹脂フィル
ムラミネート鋼板を作成した。こうして得たラミネート
鋼板に成形用潤滑剤を塗油した後加熱し、板温75℃で
ストレッチ加工を付加した絞り加工を行った。
【0058】この時得たカップの、缶底コーナー部の樹
脂フィルムのマイクロクラック発生状況について調べ
た。次いで、得たカップの温度を75℃にし、しごき加
工を付加した再絞り加工を行った後、金型温度50℃に
保持し最終加工度が60%のしごき加工を行い、350
mlビール缶サイズのツーピース缶を作成した。こうし
て得た缶体について、樹脂フィルムの金型離型性および
外面樹脂フィルムの耐かじり性を調べた。
【0059】更に、前記の缶体を正規の350mlビー
ル缶サイズに開口部をトリミングした後、255〜26
0℃に加熱後直ちに急冷し、ポリエステル樹脂フィルム
を非晶質にした後、204のネック加工およびフランジ
加工を行った。こうして得た、正規の缶体について、耐
デント性、ネック/フランジ加工部のフィルム剥離状
況、缶体の糸状腐食性、また缶内面品質についてはQT
V試験を調べた。実施例3に用いたラミネート鋼板の内
容およびその評価結果は表3に示した。
【0060】表3から分かるように、本発明例の10〜
14(No.14〜No.18)は、内面フィルムのカ
ップ缶底部のクラック発生はなく、また金型離型性や外
面の耐かじり性も良好であり、更には得られた缶体のQ
TV値や耐デント性その他の性能も良好で、バランスの
とれた良好な性能を有している。それに対し、比較例4
(No.13)は内面フィルムのカップ缶底部にクラッ
ク発生が見られ、また得られた缶体のQTV値や耐デン
ト性も劣る。そして、比較例5(No.19)は、内面
フィルムのカップ缶底部にクラック発生は見られなく、
また得られた缶体のQTV値や耐デント性は良好である
が、内面フィルムの金型離型性や外面フィルムの耐かじ
り性が劣る。
【0061】
【表3】
【0062】(実施例4)板厚0.18mmの鋼板の両
面に、片面のNi付着量として470mg/m2のNi
めっき鋼板をワット浴にて電気めっき法で作成した後、
フェノール樹脂と縮合リン酸を含有する化成処理液を塗
布・乾燥し、片面のC付着量として12mg/m2 の表
面処理鋼板を作成した。次いで、上記の表面処理鋼板を
ジャッケトロールで加熱し板温が225〜275℃で、
缶内面用のフィルム厚みが30μmと各例ともに一定に
した、そのポリエステル樹脂の融点が218℃のフィル
ムと、缶外面用のフィルム厚みが20μm、平均顔料粒
子径が2.0μmの酸化チタン含有量が18重量%と各
例ともに一定にし、その融点が218℃のポリエステル
樹脂のフィルム同士の組み合わせ(No.20)、同じ
く融点が227℃のポリエステル樹脂フィルム同士の組
み合わせ(No.21)、同じく融点が248℃のポリ
エステル樹脂フィルム同士の組み合わせ(No.2
2)、同じく融点が255℃のポリエステル樹脂フィル
ム同士の組み合わせ(No.23)、同じく融点が26
2℃ののポリエステル樹脂フィルム同士の組み合わせ
(No.24)とし、それぞれの組合せのポリエステル
樹脂フィルムを用いて熱圧着法により表面処理鋼板を被
覆した後、更にこれら鋼板を230〜275℃に加熱後
直ちに急冷し、非晶質ポリエステル樹脂フィルムラミネ
ート鋼板を作成した。こうして得たラミネート鋼板に成
形用潤滑剤を塗油した後加熱し、板温75℃でストレッ
チ加工を付加した絞り加工を行った。
【0063】この時得たカップの、缶底コーナー部の樹
脂フィルムのマイクロクラック発生状況について調べ
た。次いで、得たカップの温度を75℃にし、しごき加
工を付加した再絞り加工を行った後、金型温度35℃に
保持し最終加工度が66%のしごき加工を行い、350
mlビール缶サイズのツーピース缶を作成した。こうし
て得た缶体について、樹脂フィルムの金型離型性および
外面樹脂フィルムの耐かじり性を調べた。更に、前記の
缶体を正規の350mlビール缶サイズに開口部をトリ
ミングし、255℃に加熱後直ちに急冷し、ポリエステ
ル樹脂フィルムを非晶質にした後、204のネック加工
およびフランジ加工を行った。こうして得た、正規の缶
体について、耐デント性、ネック/フランジ加工部のフ
ィルム剥離状況、缶体の糸状腐食性、また缶内面品質に
ついてはQTV試験で調べた。
【0064】実施例4に用いたラミネート鋼板の内容お
よびその評価結果は表4に示した。表4から、本発明例
の15〜18(No.21〜No.24)は、内面フィ
ルムの金型離型性や外面フィルムの耐かじり性は良好で
あり、また得られた缶体のQTV値やその他も良好で、
バランスのとれた良好な性能を有していることが分か
る。 それに対し、比較例6(No.20)は内面フィ
ルムの金型離型性が劣り、その結果得られた缶体のQT
V値も高い値を示す。また、外面フィルムの耐かじり性
も劣ることが分かる。
【0065】
【表4】
【0066】(実施例5)板厚0.16mmの鋼板の両
面に、片面のNi付着量として470mg/m2のNi
めっき鋼板をワット浴にて電気めっき法で作成した後、
フェノール樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを
含有する化成処理液を塗布・乾燥し、片面のC付着量と
して12mg/m2 の表面処理鋼板を作成した。次い
で、上記の表面処理鋼板をジャッケトロールで加熱し板
温が245℃で、缶の内面用フィルムとして融点が23
6℃でフィルム厚みが25μmで、極限粘度のみを、そ
れぞれ0.53(No.25)、0.63(No.2
6)、0.72(No.27)、0.84(No.2
8)、1.03(No.29)と変えたポリエステル樹
脂フィルムと、缶外面用フィルムは、フィルム厚みが1
5μmと、一定にした融点が238℃で平均顔料粒子径
が0.7μmの酸化チタンを8重量%含有するポリエス
テル樹脂フィルムとを用いて、前記表面処理鋼板を熱圧
着法で被覆した後、更に鋼板を250℃に加熱後直ちに
急冷し、非晶質化ポリエステル樹脂フィルムラミネート
鋼板を作成した。こうして得たラミネート鋼板に成形用
潤滑剤を塗油した後加熱し、板温80℃でストレッチ加
工を付加した絞り加工を行った。
【0067】この時得たカップの、缶底コーナー部の樹
脂フィルムのマイクロクラック発生状況について調べ
た。次いで、得たカップの温度を80℃にし、しごき加
工を付加した再絞り加工を行った後、金型温度50℃に
保持し最終加工度が53%のしごき加工を行い、350
mlビール缶サイズのツーピース缶を作成した。こうし
て得た缶体について、樹脂フィルムの金型離型性および
外面樹脂フィルムの耐かじり性を調べた。更に、前記の
缶体を正規の350mlビール缶サイズに開口部をトリ
ミングした後、250〜255℃に加熱後直ちに急冷
し、ポリエステル樹脂フィルムを非晶質にした後、20
4のネック加工およびフランジ加工を行った。こうして
得た、正規の缶体について、耐デント性、ネック/フラ
ンジ加工部のフィルム剥離状況、缶体の糸状腐食性、ま
た缶内面品質についてはQTV試験で調べた。
【0068】実施例5に用いたラミネート鋼板の内容お
よびその評価結果は表5に示した。表5から、本発明例
の19〜22(No.26〜No.29)は、内面フィ
ルムのカップ缶底部のクラックはなく、耐デント性や他
の性能も良く、バランスのとれた良好な性能を示してい
ることが分かる。それに対し、比較例7(No.25)
は、内面フィルムのカップ缶底部にクラックが発生し、
耐デント性も劣ることが分かる。
【0069】
【表5】
【0070】(実施例6)板厚0.21mmの鋼板の両
面に、片面のNi付着量として470mg/m2のNi
めっき鋼板をワット浴にて電気めっき法で作成した後、
フェノール樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを
含有する化成処理液を塗布・乾燥し、片面のC付着量と
して12mg/m2 の表面処理鋼板を作成した。次い
で、上記の表面処理鋼板をジャッケトロールで加熱し板
温が260℃で、缶の外面用フィルムとして融点が24
8℃で、フィルム厚みが16μmで、平均顔料粒子径が
2.0μmの酸化チタンを重量%としてそれぞれ8%
(No.30)、15%(No.31)、18%(N
o.32)、25%(No.33)の割合で含有するポ
リエステル樹脂フィルムと、また缶の内面用フィルムと
しては厚み30μmで融点が252℃のポリエステル樹
脂フィルムとを用いて表面処理鋼板を熱圧着法で被覆し
た後、更に鋼板を265〜270℃に加熱後直ちに急冷
し、非晶質化ポリエステル樹脂フィルムラミネート鋼板
を作成した。
【0071】また、上記の缶の外面用ポリエステル樹脂
に、平均顔料粒子径が2.0μmの酸化チタンを重量%
として15%含有する、厚みが10μmのフィルム(N
o.34)、厚みが14μmのフィルム(No.3
5)、厚みが18μmのフィルム(No.36)、厚み
が22μmのフィルム(No.37)とを、それぞれ上
記の缶の内面用フィルムと共に上記の条件で上記表面処
理鋼板に対して熱圧着法で被覆した後、更に鋼板を26
5〜270℃に加熱後直ちに急冷し、非晶質化ポリエス
テル樹脂フィルムラミネート鋼板を作成した。こうして
得たラミネート鋼板に成形用潤滑剤を塗油した後加熱
し、板温90℃でストレッチ加工を付加した絞り加工を
行った後、カップの温度を90℃にし、しごき加工を付
加した再絞り加工を行った後、金型温度60℃に保持し
最終加工度が68%のしごき加工を行い、350mlビ
ール缶サイズのツーピース缶を作成した。こうして得た
缶体について、外面樹脂フィルムの耐かじり性及びネッ
ク・フランジ加工部のフィルム剥離状況を調べた。
【0072】実施例6に用いたラミネート鋼板の内容お
よびその評価結果は表6に示した。表6から、本発明例
の23〜25(No.30〜No.32)および本発明
例の26〜28(No.34〜No.36)は、外面フ
ィルムのかじりはなく、またネック加工やフランジ加工
でのフィルム剥離は見られず、良好な性能を有している
ことが分かる。それに対し、比較例8(No.33)
は、外面フィルムの耐かじり性やネック加工やフランジ
加工でのフィルム密着性が劣ることが分かる。また、比
較例9(No.37)は、外面フィルムの耐かじり性が
劣ることが分かる。
【0073】
【表6】
【0074】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明を実施す
ることで、得られる缶体内面のポリエステル樹脂フィル
ムは優れた皮膜健全性を有していることから、高耐食性
のフィルムラミネートツーピース缶が得られる。従っ
て、種々の内容物を充填することが可能であることか
ら、品種の統一化に安心して対応出来ることから、経済
的に有利となり、その社会的意義は大きいものがある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 1/12 B65D 1/00 B (72)発明者 宇都宮 秀紀 神奈川県相模原市西橋本5丁目5番1号 大和製罐株式会社総合研究所内 (72)発明者 辻本 和弘 神奈川県相模原市西橋本5丁目5番1号 大和製罐株式会社技術開発センター内 (72)発明者 横矢 博一 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 平野 茂 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 3E033 BA08 BA17 BB08 CA14 EA12 FA10 4F100 AA21E AA21H AB03A AB16B AK01C AK33 AK41D AK41E AK42 BA05 BA06 BA07 BA10C BA10D BA10E BA13 CA13E DA01 DE01E EH71B EJ42 EJ50 EJ68C GB16 GB23 JA04E JA06D JA06E JA12D JA12E JA20A JA20D JA20E JB02 JK14 JL01 YY00A YY00B YY00C YY00D YY00E 4K044 AA02 AB02 BA06 BA17 BA21 BB04 BC02 BC05 CA15 CA16 CA18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムラミネート金属板を絞り−しご
    き加工して得るツーピース缶において、鋼板の両面に、
    片面付着量として20〜2000mg/m2のNiめっ
    き層、その上層に片面の付着C量として1〜100mg
    /m2 の有機樹脂を主体とする化成処理皮膜層、少なく
    とも缶内面に当たる面には更にその上層に厚みが15〜
    50μm、融点(Tm)が225〜260℃、極限粘度
    (IV)が0.60以上の非晶質化されたポリエステル
    樹脂フィルム層を有するラミネート鋼板から絞り−しご
    き加工され、更に成形加工後の缶体を前記ポリエステル
    樹脂フィルムの融点以上に加熱・急冷し、ポリエステル
    樹脂フィルムが非晶質化されていることを特徴とするフ
    ィルムラミネートツーピース缶。
  2. 【請求項2】 缶外面に当たる鋼板上に被覆されている
    ポリエステル樹脂フィルム層が、厚み12〜20μmで
    融点が235℃以上で平均粒子径0.1〜3.0μmの
    酸化チタン顔料を重量%として5〜20%含有している
    ことを特徴とする、請求項1に記載のラミネートツーピ
    ース缶。
  3. 【請求項3】 缶壁部鋼板の最も薄い部位の板厚(T
    w)が、缶底部の鋼板板厚(Tb)との関係における板
    厚減少率(加工度)として、下記式(1)の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のラミネート
    ツーピース缶。 {(Tb−Tw)/Tb}×100=50〜70% …… (1)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015037074A1 (ja) * 2013-09-11 2015-03-19 大和製罐株式会社 食品用2ピース缶の製造方法
JPWO2017098818A1 (ja) * 2015-12-09 2017-12-07 Jfeスチール株式会社 両面樹脂被覆容器用ラミネート鋼板

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