JP2001262139A - 希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及びその製造方法並びに放射線像変換パネル - Google Patents

希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体及びその製造方法並びに放射線像変換パネル

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JP2001262139A
JP2001262139A JP2000374652A JP2000374652A JP2001262139A JP 2001262139 A JP2001262139 A JP 2001262139A JP 2000374652 A JP2000374652 A JP 2000374652A JP 2000374652 A JP2000374652 A JP 2000374652A JP 2001262139 A JP2001262139 A JP 2001262139A
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alkaline earth
earth metal
activated alkaline
rare earth
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JP2000374652A
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Hiroto Ito
博人 伊藤
Isao Kobayashi
功 小林
Sadatoshi Nishibuchi
貞敏 西渕
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高輝度かつ微粒子化された粒度分布の揃った希
土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍
光体及びその製造方法並びに放射線像変換パネルを提供
する。 【解決手段】特定の構造式で表わされる酸素導入希土類
付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体
の製造方法であり、輝尽性蛍光体の製造原料のうち少な
くとも1種類が以下の一般式(2)にて表される化合物
である事を特徴とする酸素導入希土類付活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法であ
る。 一般式(2) Almn A:H及び周期律表1、2族より選ばれる少なくとも1
種の元素 B:周期律表13から17族から選ばれる少なくとも一
種の元素 l、m、n:各々0を越える正の自然数

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸素を導入した希土
類付活アルカリ土類金属弗化ヨウ化物系輝尽性蛍光体、
その輝尽性蛍光体の製造方法、並びにその輝尽性蛍光体
を用いた放射線像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる有効な診断
手段として、特開昭55−12145号などに記載の輝
尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が知られてい
る。
【0003】この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射
線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートとも呼ばれる。)
を利用するもので、被写体を透過した、あるいは被検体
から発せられた放射線を輝尽性蛍光体に吸収させ、可視
光線、紫外線などの電磁波(励起光と言う。)で時系列
的に輝尽性蛍光体を励起して、蓄積されている放射線エ
ネルギーを蛍光(輝尽発光光という。)として放射さ
せ、この蛍光を光電的に読みとって電気信号を得、得ら
れた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線
画像を可視画像として再生するものである。読み取り後
の変換パネルは、残存画像の消去が行なわれ、次の撮影
に供される。
【0004】この方法によれば、放射線写真フィルムと
増感紙とを組み合わせて用いる放射線写真法に比して、
はるかに少ない被爆線量で情報量の豊富な放射線画像が
得られる利点がある。又、放射線写真法では撮影毎にフ
ィルムを消費するのに対して、放射線変換パネルは繰り
返し使用されるので、資源保護や経済効率の面からも有
利である。
【0005】放射線変換パネルは、支持体とその表面に
設けられた輝尽性蛍光体層、又は自己支持性の輝尽性蛍
光体層のみからなり、輝尽性蛍光体層は通常輝尽性蛍光
体とこれを分散支持する結合材からなるものと、蒸着法
や焼結法によって形成される輝尽性蛍光体の凝集体のみ
から構成されるものがある。又、該凝集体の間隙に高分
子物質が含浸されているものも知られている。更に、輝
尽性蛍光体層の支持体側とは反対側の表面には通常、ポ
リマーフィルムや無機物の蒸着膜からなる保護膜が設け
られる。
【0006】輝尽性蛍光体としては、通常400〜90
0nmの範囲にある励起光によって波長300〜500
nmの範囲にある輝尽発光を示すものが一般的に利用さ
れ、特開昭55−12145号、同55−160078
号、同56−74175号、同56−116777号、
同57−23673号、同57−23675号、同58
−206678号、同59−27289号、同59−2
7980号、同59−56479号、同59−5648
0号等に記載の希土類元素附活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系蛍光体;特開昭59−75200号、同6
0−84381号、同60−106752号、同60−
166379号、同60−221483号、同60−2
28592号、同60−228593号、同61−23
679号、同61−120882号、同61−1208
83号、同61−120885号、同61−23548
6号、同61−235487号等に記載の2価のユーロ
ピウム附活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光
体;特開昭55−12144号に記載の希土類元素附活
オキシハライド蛍光体;特開昭58−69281号に記
載のセリウム附活3価金属オキシハライド蛍光体;特開
昭60−70484号に記載のビスマス附活アルカリ金
属ハロゲン化物蛍光体;特開昭60−141783号、
同60−157100号に記載の2価のユーロピウム附
活アルカリ土類金属ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−1
57099号に記載の2価のユーロピウム附活アルカリ
土類金属ハロほう酸塩蛍光体;特開昭60−21735
4号に記載の2価のユーロピウム附活アルカリ土類金属
水素化ハロゲン化物蛍光体;特開昭61−21173
号、同21182号に記載のセリウム附活希土類複合ハ
ロゲン化物蛍光体;特開昭61−40390号に記載の
セリウム附活希土類ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−7
8151号に記載の2価のユーロピウム附活ハロゲン化
セリウム・ルビジウム蛍光体;特開昭60−78151
号に記載の2価のユーロピウム附活複合ハロゲン化物蛍
光体、等が挙げられ、中でも、沃素を含有する2価のユ
ーロピウム附活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍
光体、沃素を含有する希土類元素附活オキシハロゲン化
物蛍光体及び沃素を含有するビスマス附活アルカリ金属
ハロゲン化物蛍光体系蛍光体等の輝尽性蛍光体が知られ
ているが、依然、高輝度の輝尽性蛍光体が求められてい
る。
【0007】また、輝尽性蛍光体を利用する放射線像変
換方法の利用が進むにつれて、得られる放射線像の画質
の向上、たとえば、鮮鋭度の向上や粒状性の向上が更に
求められるようになってきた。
【0008】先に記した、輝尽性蛍光体の製造方法は、
固相法、あるいは焼結法と呼ばれる方法であり、焼成後
の粉砕が必須であり、感度、画像性能に影響する粒子形
状の制御が困難であるという問題を有する。
【0009】放射線画像の画質の向上の手段の中で、輝
尽性蛍光体の微粒子化と微粒子化された輝尽性蛍光体の
粒径を揃えること、即ち、粒径分布を狭くすることは有
効である。
【0010】特開平9−291278号、同7−233
369号等で開示されている液相からの輝尽性蛍光体の
製造法は、蛍光体原料溶液の濃度を調整して微粒子状の
輝尽性蛍光体前駆体を得る方法であり、粒径分布の揃っ
た輝尽性蛍光体粉末の製造法として有効である。この方
法で得られる輝尽性蛍光体前駆体は、高温での焼成によ
り初めて輝尽発光性を獲得し、前駆体から輝尽性蛍光体
が製造されるが、従来知られていた焼成方法で発現する
輝尽発光強度は十分なものでは無かった。低い輝尽発光
強度は、輝尽性蛍光体から放射線像変換プレートを製造
したときに放射線像変換プレートが低感度となってしま
うため、同じ画質の放射線像を得るための放射線量がよ
り多く必要となる点で不利となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ま
ず、高輝度の希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン
化物系輝尽性蛍光体を得ることであり、更に微粒子化さ
れ粒径分布の揃った希土類付活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系輝尽性蛍光体において高い輝尽発光強度を
得ることであり、前記希土類付活アルカリ土類金属弗化
ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を用いた高感度高画質の放
射線像変換プレートを提供することである。
【0012】
【課題を解決する手段】上記本発明の課題は、下記構成
によって達成される。 1.一般式(1) (Ba1-x2 x)FBry1-y:a
1、bLn、cO M1:Li、Na、K、Rb、Csからなる群より選ば
れる少なくとも一種のアルカリ金属 M2:Be、Mg、Sr及びCaからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のアルカリ土類金属 Ln:Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、D
y、Ho、Nd、 Er及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の
希土類元素 x、y、a、b及びcは、それぞれ0≦x≦0.3、0
≦y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2、0
<c≦0.1 で表わされる酸素導入希土類付活アルカリ土類金属弗化
ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法であり、輝尽性
蛍光体の製造原料のうち少なくとも1種類が以下の一般
式(2)にて表される化合物である事を特徴とする酸素
導入希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝
尽性蛍光体の製造方法。一般式(2) Almn A:H及び周期律表1、2族より選ばれる少なくとも1
種の元素 B:周期律表13から17族より選ばれる少なくとも一
種の元素 l、m、n:各々0を越える正の自然数
【0013】2.上記1に記載の酸素導入希土類付活ア
ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体が液相
にて製造されていることを特徴とする希土類付活アルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体。
【0014】3.上記2に記載の液相にて製造されてい
る酸素導入希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化
物系輝尽性蛍光体の前駆体が下記一般式(3)で表され
る化合物を5mg/kg前駆体以上含んでいることを特
徴とする酸素導入希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系輝尽性蛍光体。 一般式(3) Bmn-z B:周期律表13から17族より選ばれる少なくとも一
種の元素 m、n、z:各々0を越える正の自然数
【0015】4.上記1に記載の製造方法によって得ら
れた希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝
尽性蛍光体。
【0016】5.輝尽性蛍光体を含む蛍光体層を有する
放射線像変換パネルにおいて、該蛍光体層が上記2、3
又は4に記載の希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲ
ン化物系輝尽性蛍光体を含むことを特徴とする放射線像
変換パネル。
【0017】上記の製造方法によって得られる希土類付
活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体
は、微粒子でありながら高い輝尽発光強度を持ち、この
輝尽性蛍光体から高感度高画質の放射線像変換プレート
が製造できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。本発明の酸素導入希土類付活アルカリ土類金属弗
化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法の代表的な態
様を以下に詳しく説明する。
【0019】液相法による輝尽性蛍光体前駆体製造につ
いては、特願平8−265525号に記載された前駆体
製造方法、特願平8−266718号に記載された前駆
体製造装置が好ましく利用できる。本発明において輝尽
性蛍光体前駆体とは、一般式(1)の物質が600℃以
上の高温を経ていない状態を示し、輝尽性蛍光体前駆体
は、輝尽発光性や瞬時発光性をほとんど示さない。
【0020】本発明では以下の液相合成法により前駆体
を得ることが好ましい。上記一般式(1)からなる希土
類付活アルカリ土類金属弗化ヨウ化物系輝尽性蛍光体の
製造は、粒子形状の制御が難しい固相法ではなく、粒径
の制御が容易である液相法により行なった。特に、下記
の二つの液相合成法により輝尽性蛍光体を得ることが好
ましい
【0021】製造法1:BaI2とLnのハロゲン化物
を含み、一般式(1)のxが0でない場合には更に、M
2のハロゲン化物を、そしてyが0でない場合には更に
1のハロゲン化物を含み、それらが溶解したのち、B
aI2濃度が2mol/L以上、好ましくは3.5mo
l/L以上の水溶液を調製する工程;上記の水溶液を5
0℃以上、好ましくは80℃以上の温度に維持しなが
ら、これに濃度5mol/L以上、好ましくは8mol
/L以上の無機弗化物(弗化アンモニウムもしくはアル
カリ金属の弗化物)の水溶液を添加して希土類付活アル
カリ土類金属弗化ヨウ化物系輝尽性蛍光体前駆体結晶の
沈澱物を得る工程;上記の前駆体結晶沈澱物を水溶液か
ら分離する工程;そして、分離した前駆体結晶沈澱物を
焼結を避けながら焼成する工程を含む製造方法である。
【0022】製造法2:母液がハロゲン化アンモニウム
とLnのハロゲン化物を含み、一般式(1)のxが0で
ない場合には更に、M2のハロゲン化物を、そしてyが
0でない場合には更にM1のハロゲン化物を含み、それ
らが溶解したのち、ハロゲン化アンモニウム濃度が3m
ol/L以上、好ましくは4mol/L以上の水溶液を
調製する工程;上記の水溶液を50℃以上溶解度未満、
好ましくは80℃以上の温度に維持しながら、これに濃
度5mol/L以上、好ましくは8mol/L以上の無
機弗化物(弗化アンモニウムもしくはアルカリ金属の弗
化物)の水溶液とBaI2の水溶液とを前者の弗素と後
者のBaとの比率を一定に維持しながら連続的もしくは
間欠的に添加して希土類付活アルカリ土類金属弗化ヨウ
化物系輝尽性蛍光体前駆体結晶の沈澱物を得る工程;上
記の前駆体結晶沈澱物を水溶液から分離する工程;そし
て、分離した前駆体結晶沈澱物を焼結を避けながら焼成
する工程を含む製造方法である。
【0023】尚、Lnのハロゲン化物および一般式
(2)で表される化合物の添加時期は問わず、添加開始
時にあらかじめ反応母液等の中にあってもよく、また無
機弗化物(弗化アンモニウムもしくはアルカリ金属の弗
化物)の水溶液の添加時、及び無機弗化物(弗化アンモ
ニウムもしくはアルカリ金属の弗化物)の水溶液とBa
2の水溶液の添加時に同時又は後で添加してもよい。
更に一般式(2)で表される化合物については、前駆体
結晶の沈澱後、反応母液に添加してもよく、更に該前駆
体結晶の沈殿物を水溶液から分離した後に添加しても良
い。いずれにせよ、一般式(2)で表される化合物は焼
成工程以前に添加されていれば良い。
【0024】尚、本発明に係る粒子(結晶)は平均粒径
が1〜10μmで、かつ単分散性のものが好ましく、平
均粒径が1〜5μm、平均粒径の分布(%)が20%以
下のものが好ましく、特に平均粒径が1〜3μm、平均
粒径の分布が15%以下のものが良い。本発明における
平均粒径とは、粒子(結晶)の電子顕微鏡写真より無作
為に粒子200個を選び、球換算の体積粒子径で平均を
求めたものである。
【0025】以下に輝尽性蛍光体の製造法の詳細につい
て説明する。 (前駆体結晶の沈澱物の作成、輝尽性蛍光体作成)最初
に、水系媒体中を用いて弗素化合物以外の原料化合物を
溶解させる。すなわち、BaI2とLnのハロゲン化
物、そして必要により更にM2のハロゲン化物、そして
更にM1のハロゲン化物、そして一般式(2)で表され
る化合物を水系媒体中に入れ充分に混合し、溶解させ
て、それらが溶解した水溶液を調製する。ただし、Ba
2濃度が2mol/L以上となるように、BaI2濃度
と水系溶媒との量比を調整しておく。このとき、所望に
より、一般式(2)で表される化合物以外の少量の酸、
アンモニア、アルコール、水溶性高分子ポリマー、水不
溶性金属酸化物微粒子粉体などを添加してもよい。この
水溶液(反応母液)は50℃に維持される。
【0026】次に、この50℃に維持され、撹拌されて
いる水溶液に、無機弗化物(弗化アンモニウム、アルカ
リ金属の弗化物など)の水溶液をポンプ付きのパイプな
どを用いて注入する。この注入は、撹拌が特に激しく実
施されている領域部分に行なうのが好ましい。この無機
弗化物水溶液の反応母液への注入によって、前記の一般
式(1)に該当する希土類付活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系蛍光体前駆体結晶が沈澱する。
【0027】次に、上記の蛍光体前駆体結晶を、濾過、
遠心分離などによって溶液から分離し、メタノールなど
によって充分に洗浄し、乾燥する。この乾燥蛍光体前駆
体結晶に、アルミナ微粉末、シリカ微粉末などの焼結防
止剤を添加、混合し、結晶表面に焼結防止剤微粉末を均
一に付着させる。なお、焼成条件を選ぶことによって焼
結防止剤の添加を省略することも可能である。
【0028】次に、蛍光体前駆体の結晶を、石英ポー
ト、アルミナルツボ、石英ルツボなどの耐熱性容器に充
填し、電気炉の炉心に入れて焼結を避けながら焼成を行
なう。焼成温度は400〜1300℃の範囲が適当であ
って、500〜1000℃の範囲が好ましい。焼成時間
は蛍光体原料混合物の充填量、焼成温度および炉からの
取出し温度などによっても異なるが、一般には0.5〜
12時間が適当である。
【0029】焼成雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、ア
ルゴンガス雰囲気等の中性雰囲気、あるいは少量の水素
ガスを含有する窒素ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する
二酸化炭素雰囲気などの弱還元性雰囲気、あるいは微量
酸素導入雰囲気が利用される。
【0030】上記の焼成によって目的の希土類付活アル
カリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体が得られ
る。
【0031】本発明の一般式(1)で表される希土類付
活アルカリ土類金属弗化ヨウ化物系輝尽性蛍光体は、前
記のように、ハロゲン化アンモニウム(NH4Brまた
はNH4ClまたはNH4I)とLnのハロゲン化物とを
含み、そして上記一般式(1)のxが0でない場合には
更にM2のハロゲン化物を、そしてyが0でない場合に
は更にM1のハロゲン化物を含み、それらが溶解した後
のハロゲン化アンモニウム濃度が3mol/L以上の水
溶液を調製する工程;この水溶液を50℃の温度に維持
しながら、これに無機弗化物の水溶液とBaI2の水溶
液とを前者の弗素と後者のBaとの比率を一定に維持し
ながら連続的もしくは間欠的に添加して希土類付活アル
カリ土類金属弗化ヨウ化物系蛍光体前駆体結晶の沈澱物
を得る工程;この前駆体結晶沈澱物を水溶液から分離す
る工程;そして分離した前駆体結晶沈澱物を焼結を避け
ながら焼成する工程からなる製造法(製造法2)を利用
しても製造することができる。
【0032】次に、この製造法を詳しく説明する。ま
ず、水系媒体中を用いてBaI2と弗素化合物とを除く
原料化合物、そしてハロゲン化アンモニウム(NH4
rまたはNH4ClまたはNH4I)を溶解させる。すな
わち、ハロゲン化アンモニウムとLnのハロゲン化物、
そして必要により更にM2のハロゲン化物、そして更に
1のハロゲン化物、そして一般式(2)で表される化
合物を水系媒体中に入れ充分に混合し、溶解させて、そ
れらが溶解した水溶液を調製する。ただし、ハロゲン化
アンモニウムの濃度が3mol/L以上の範囲に入るよ
うに、ハロゲン化アンモニウムと水との量比を調整して
おく。このとき、所望により、一般式(2)で表される
化合物以外の少量の酸、アンモニウム、アルコール、水
溶性高分子ポリマー、水不溶性の金属酸化物微粒子粉体
などを添加してもよい。この水溶液(反応母液)は50
℃に維持される。
【0033】次に、この50℃に維持され、撹拌されて
いる水溶液に、無機弗化物(弗化アンモニウム、アルカ
リ金属の弗化物など)の水溶液とBaI2の水溶液とを
同時に、無機弗化物の弗素と後者のBaI2との比率を
一定に維持するように調節しながら連続的もしくは間欠
的に、ポンプ付きのパイプなどを用いて注入する。この
注入は、撹拌が特に激しく実施されている領域部分に行
なうのが好ましい。このように、蛍光体結晶生成中にB
aイオンが過剰にならないように配慮して反応を進行さ
せることによって、前記一般式(1)に該当する希土類
付活アルカリ土類金属弗化ヨウ化物系蛍光体前駆体結晶
が沈澱する。
【0034】次に、蛍光体前駆体結晶を、製造法1の場
合と同様に、溶媒から分離し、乾燥し、次いで焼成を行
なうことによって、目的の希土類付活アルカリ土類金属
弗化ヨウ化物系輝尽性蛍光体が得られる。
【0035】次に本発明における一般式(2)で表され
る化合物について説明する。 一般式(2) Almn A:H及び周期律表1、2族より選ばれる少なくとも一
種の元素 B:周期律表13から17族より選ばれる少なくとも一
種の元素 l:0を越える正の自然数 m:0を越える正の自然数 n:0を越える正の自然数 一般式(2)で表される化合物のうち、代表的なものは
周期律表1、2族に属する元素の酸素酸陰イオンと、水
素あるいはアルカリ金属、およびアルカリ土類金属から
なる化合部である。
【0036】即ち、Aは好ましくはH、Li、Na、
K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Baのうち
少なくとも1種の元素を示す。この中でもH、Na、
K、Ca、Sr、Baが好ましい。
【0037】より好ましくはH、Na、Kである。Bは
好ましくはB、Al、C、Si、N、P、S、Se、B
r、Iである。より好ましくはC、N、Sである。一般
式(2)で表される化合物のうち好ましいものは、H2
CO3、Na2CO3、K2CO3、CaCO3、BaC
3、HNO3、NaNO3、KNO3、Ca(NO32
Ba(NO32、H2SO4、Na2SO4、K2SO4、C
aSO4、BaSO4、HBrO3、NaBrO3、KBr
3、HIO3、NaIO3、KIO3、HIO4、NaI
4であり、より好ましくは、Na2CO3、K2CO3
HNO3、NaNO3、KNO3、Ba(NO32であ
る。一般式(2)で表される化合物の添加方法は、例え
ば個相による製造の場合、焼成による反応を進行させる
前にその他の原料と共に粉砕混合してもよい。また、液
相による製造の場合、予め反応前に反応母液中に添加し
てもよく、あるいは反応時に添加してもよく、さらには
反応終了後に添加してもよい。
【0038】一般式(2)で表される化合物の好ましい
添加範囲は一般式(1)で示されるアルカリ土類金属弗
化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体に含まれるアルカリ土類
金属1モルあたり、0.00001モル以上、0.3モ
ル以下である。より好ましくは0.00005モル以
上、0.2モル以下である。一般式(2)で表される化
合物の添加量がこの範囲にあれば輝度の向上に好まし
い。これ未満であると本発明の課題である、輝度の向上
の効果が少ない場合もある。
【0039】本発明において、これら一般式(2)で示
される化合物を添加することの効果は、これらの化合物
に由来する酸素を含む陰イオンの存在により、前駆体合
成工程に続く焼成工程における酸素導入の制御の簡便さ
に帰することができる。
【0040】また、本発明において液相にて蛍光体前駆
体を合成する場合、一般式(3)で示される化合物の前
駆体中の存在量が5mg/kg前駆体以上2g/Kg前
駆体以下であることが好ましい。 一般式(3) Bmn-z B:周期律表13から17族から選ばれる少なくとも一
種の元素 m、n、z:各々0を越える正の自然数 一般式(3)中において、Bおよびmは一般式(2)に
示される元素および数である。また、zも0を超える正
の自然数である。一般式(3)で表される化合物の代表
的なものは、一般式(2)で表される化合物の酸素酸陰
イオンである。これらの陰イオンのうち好ましいもの
は、CO3 2 -、NO3 -、SO4 2 -、BrO3 -、BrO4 -
IO3 -、IO4 -である。これら陰イオンが前駆体に存在
することにより、焼成時の酸素導入の制御が容易にな
る。
【0041】これらの陰イオンの前駆体中の存在量は、
前駆体1kgあたり5mg〜2gが好ましい。特に好ま
しいのは前駆体1kgあたり50mg〜1gである。こ
れらの陰イオンの存在量は、イオンクロマトグラフ法に
より測定する事が可能である。イオンクロマトグラフ法
を行う場合、以下のような条件が好ましい。
【0042】 測定装置:DIONEX社製DX500グラジェントイオンクロマトグラフ 測定条件: ・カラム:DIONEX社製ガードカラム IonPac AG11 分離カラム IonPac AS11 ・溶離液条件:A:100mM NaOH B:超純水 A/B=1/99(分析開始時) 30/70(分析終了時) のグラジェント ・サプレッサー:DIONEX社製ASRS−II エクスターナルモード SRS電流300mA ・再生液:超純水(高純度窒素10psiで送液) ・検出:電気伝導度
【0043】(試料作成)前駆体一定量を採取し、これ
を超純水で溶解、一定量に仕上げる。これを下記前処理
カートリッジで処理した後、イオンクロマトグラフで測
定する。 前処理カートリッジ:DIONEX社製OnGuard
−Ag この方法によれば、例えば保持時間12分に硝酸イオ
ン、保持時間18分に硫酸イオンのピークが観察され
る。
【0044】(パネル作成、蛍光体層、塗布工程、支持
体、保護層)本発明の放射線画像変換パネルにおいて用
いられる支持体としては各種高分子材料、ガラス、金属
等が用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上
可撓性のあるシートあるいはウェブに加工できるものが
好適であり、この点からいえばセルロースアセテートフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィ
ルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、
銅、クロム等の金属シートあるいは該金属酸化物の被覆
層を有する金属シートが好ましい。
【0045】また、これら支持体の層厚は用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜10
00μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましく
は80μm〜500μmである。これらの支持体の表面
は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を
向上させる目的でマット面としてもよい。さらに、これ
ら支持体は、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目
的で輝尽性蛍光体層が設けられる面に下引層を設けても
よい。
【0046】本発明において輝尽性蛍光体層に用いられ
る結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキスト
ラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのよう
な天然高分子物質;および、ポリビニルブチラール、ポ
リ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、
塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル
(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリ
マー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレー
ト、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのよ
うな合成高分子物質などにより代表される結合剤を挙げ
ることができる。このような結合剤の中で特に好ましい
ものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリア
ルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状
ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアル
キル(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタ
ンとポリビニルブチラールとの混合物である。なお、こ
れらの結合剤は架橋剤によって架橋されたものであって
もよい。
【0047】輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方
法により下引層上に形成することができる。まず、ヨウ
素含有輝尽性蛍光体、上記黄変防止のための亜燐酸エス
テル等の化合物および結合剤を適当な溶剤に添加し、こ
れらを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒子および
該化合物の粒子が均一に分散した塗布液を調製する。
【0048】一般に結合剤は輝尽性蛍光体1重量部に対
して0.01乃至1重量部の範囲で使用される。しかし
ながら得られる放射線画像変換パネルの感度と鮮鋭性の
点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの
兼合いから0.03乃至0.2重量部の範囲がより好ま
しい。
【0049】塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との
混合比(ただし、結合剤全部がエポキシ基含有化合物で
ある場合には該化合物と蛍光体との比率に等しい)は、
目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、
エポキシ基含有化合物の添加量などによって異なる。
【0050】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられ
る溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールと
のエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化
合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの
ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げら
れる。
【0051】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍
光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後
の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結
合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混
合されていてもよい。
【0052】そのような目的に用いられる分散剤の例と
しては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性
界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の
例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐
酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、
フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル;グリ
コール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフ
タリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、ト
リエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、
ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなど
のポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエ
ステルなどを挙げることができる。
【0053】上記のようにして調製された塗布液を、次
に下引層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗
膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例え
ば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどを用いることにより行なうことができる。
【0054】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、下引層上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。
【0055】輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放射
線像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と
蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20μ
m乃至1mmとする。ただし、この層厚は50乃至50
0μmとするのが好ましい。
【0056】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高
速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散
機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布
液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥するこ
とにより輝尽性蛍光体層が形成される。前記塗布液を保
護層上に塗布し、乾燥した後に輝尽性蛍光体層と支持体
とを接着してもよい。
【0057】以上、ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウ
ム等の輝尽性蛍光体の例について主に説明したが、ユー
ロピウム付活弗化臭化バリウムその他の一般式(1)で
表される輝尽性蛍光体の製造についても、上記を参照す
ればよい。
【0058】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を例証する。 実施例1 ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前
駆体を合成するために、BaI2水溶液(4mol/
L)2500mlとEuI3水溶液(0.2mol/
L)26.5mlを反応器に入れた。更に、水溶液中に
6mol/LのHNO 3を72.9mlを添加した。こ
の反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温し
た。弗化アンモニウム水溶液(13mol/L)198
mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈
澱物を生成させた。注入終了後も保温焼結により粒子形
状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防
止するために、アルミナの超微粒子粉体を1重量%添加
し、ミキサーで充分撹拌して、結晶表面にアルミナの超
微粒子粉体を均一に付着させた。前記輝尽性蛍光体前駆
体を10Lの炉芯容積をもつバッチ式ロータリーキルン
の石英製炉芯管に充填し、93%窒素/5%水素/2%
酸素の混合ガスを10L/minの流量で20分間流通
させて雰囲気を置換した。十分に炉芯内雰囲気を置換し
た後、93%窒素/5%水素/2%酸素の混合ガスの流
量を2L/minに減じ、2rpmの速度で炉芯管を回
転させながら10℃/minの昇温速度で830℃まで
加熱した。試料温度が830℃に到達した後、試料温度
が830℃に保ちながら93%窒素/5%水素の混合ガ
スを10L/minの流量で20分間流通させ、雰囲気
を置換した。その後93%窒素/5%水素の混合ガスの
流量を2L/minに減じ、90分間保持した。93%
窒素/5%水素の混合ガスの流量を2L/minに保持
したまま、10℃/minの降温速度で25℃まで冷却
した後、雰囲気を大気に戻し、生成した酸素導入ユーロ
ピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体を取り出した。次
に上記蛍光体粒子を分級することにより平均粒径5μm
の粒子を得た。
【0059】次に放射線像変換パネルの製造例を示す。
蛍光体層形成材料として、上記で得たユーロピウム付活
弗化ヨウ化バリウム蛍光体427g、ポリウレタン樹脂
(住友バイエルウレタン社製、デスモラック4125)
15.8g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.0g
をメチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に
添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜
30PSの塗布液を調製した。この塗布液をドクターブ
レードを用いて下塗付きポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に塗布したのち、100℃で15分間乾燥させ
て、種々の厚さの蛍光体層を形成した。
【0060】次に、保護膜形成材料として、フッ素系樹
脂:フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体(旭
硝子社製ルミフロンLF100)70g、架橋剤:イソ
シアネート(住友バイエルウレタン社製デスモジュール
Z4370)25g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
5g、およびシリコーン樹脂微粉末(KMP−590、
信越化学工業社製、粒子径1〜2μm)10gをトルエ
ン−イソプロピルアルコール(1:1)混合溶媒に添加
し、塗布液を作った。この塗布液を上記のようにして予
め形成しておいた蛍光体層上にドクターブレードを用い
て塗布し、次に120℃で30分間熱処理して熱硬化さ
せるとともに乾燥し、厚さ10μmの保護膜を設けた。
以上の方法により、種々の厚さの輝尽性蛍光体層を有す
る放射線像変換パネルを得た。
【0061】実施例2 反応母液に6mol/Lの硝酸を添加することの代わり
に、KNO3を44.19g添加する事以外は実施例1
と同様にしてユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの結
晶を得た。上記の結晶を用いて、実施例1に記載の方法
によりパネルを作成した。
【0062】実施例3 BaF2の粉体175.3g、BaI2の粉体391.1
g、EuF3の粉体0.418g、Ba(NO32の粉
体9.97gを秤量し、自動乳鉢で10分間粉砕混合し
た。前記輝尽性蛍光体前駆体を10Lの炉芯容積をもつ
バッチ式ロータリーキルンの石英製炉芯管に充填し、9
3%窒素/5%水素/2%酸素の混合ガスを10L/m
inの流量で20分間流通させて雰囲気を置換した。十
分に炉芯内雰囲気を置換した後、93%窒素/5%水素
/2%酸素の混合ガスの流量を2L/minに減じ、2
rpmの速度で炉芯管を回転させながら10℃/min
の昇温速度で830℃まで加熱した。試料温度が830
℃に到達した後、試料温度が830℃に保ちながら93
%窒素/5%水素の混合ガスを10L/minの流量で
20分間流通させ、雰囲気を置換した。その後93%窒
素/5%水素の混合ガスの流量を2L/minに減じ、
90分間保持した。93%窒素/5%水素の混合ガスの
流量を2L/minに保持したまま、10℃/minの
降温速度で25℃まで冷却した後、雰囲気を大気に戻
し、生成した酸素導入ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリ
ウム蛍光体を取り出した。次に上記蛍光体粒子を分級す
ることにより平均粒径5μmの粒子を得た。実施例1に
記載の方法によりパネルを作成した。
【0063】比較例1 HNO3を添加しないこと以外は実施例1に記載のユー
ロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。これを
平均粒径5μmに分級した後、実施例1に記載の方法に
よりパネルを作成した。
【0064】比較例2 Ba(NO32を添加しないこと以外は実施例3と同様
にして記載のユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの結
晶を得た。これを平均粒径5μmに分級した後、実施例
1に記載の方法によりパネルを作成した。
【0065】(放射線像変換パネルの評価)感度につい
ては、放射線像変換パネルに管電圧80KVpのX線を
照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633n
m)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発
光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光し
てその強度を測定した。下記の表において感度は比較例
1の感度を100とする相対値で示されている。
【0066】鮮鋭度については、放射線像変換パネルに
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80KVpのX線
を照射した後パネルHe−Neレーザー光で操作して励
起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を上記と同じ受
光器で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デ
ジタル変換して磁気テープに記録し、磁気テープをコン
ピューターで分析して磁気テープに記録されているX線
像の変調伝達関数(MTF)を調べた。下記の表には空
間周波数2サイクル/mmにおけるMTF値(%)が示
されている。
【0067】また粒状性については、放射線像変換パネ
ルに管電圧80KVpのX線を照射した後パネルをHe
−Neレーザー光で操作して励起し、蛍光体層から放射
される輝尽発光を上記と同じ受光器で受光して電気信号
に変換し、これをフィルムスキャナーによって通常の写
真フィルムに記録し、得られた画像の粒状性を目視で評
価した。なお下記の表において粒状性は増感紙(コニカ
社製SRO−250)とX線写真フィルム(コニカ社製
SR−G)を使用した従来実用のX線写真撮影によって
得た画像の粒状性と比較して示されている。○印は前記
の増感紙とフィルムを使用したX線写真撮影によって得
た画像と同等の粒状性を意味し、◎印はそれよりも良好
な粒状性を意味する。また△印はX線写真撮影によって
得た画像よりもやや荒い粒状性を意味し、×印はそれよ
りも著しく荒い粒状性を意味する。
【0068】
【表1】 また、輝尽性蛍光体の平均粒径は走査型電子顕微鏡写真
より計測した。
【0069】実施例4 実施例2と同様に平均粒径5μmのユーロピウム付活弗
化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体を作成し、実施例1に
記載の方法によりパネルを作成した。また、焼成工程前
の前駆体中に含まれる硝酸イオンの量を測定した。測定
にはDIONEX社製DX500グラジェントイオンク
ロマトグラフを用い、サプレッサー方式で行った。サプ
レッサーにはDIONEX社製ASRS−IIを用い、S
RS電流300mA、エスターナルモードで使用した。
再生液には超純水を使用し高純度窒素10psiで送液
した。ガードカラムにはDIONEX社製ガードカラム
IonPac AG11を、分離カラムにはIonPa
c AS11を用いた。溶離液条件は100mMのNa
OH溶液(これをA液とする)および超純水(これをB
液とする)を用い、分析開始時はA液対B液の体積比を
A/B=1/99にした。分析時間とともにこの割合を
変化させた。15分後には、A/B=12/88、25
分後にはA/B=30/70になるようにした。なお、
検出には電気伝導度検出器を用いた。測定においては、
前駆体一定量を採取し、これを超純水で溶解し、一定量
に仕上げた。これをDIONEX社製OnGuard−
Ag前処理カートリッジに通した後、イオンクロマトグ
ラフにて測定を行った。硝酸イオンのピークは12.8
分に観測された。なお、定量のための検量線は硝酸ナト
リウムにて作成した。
【0070】比較例3 添加するKNO3の量を1.10gとすること以外は実
施例4と同様にして平均粒径5μmのユーロピウム付活
弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体を作成し、実施例1
に記載の方法によりパネルを作成した。また、実施例4
と同様にして焼成工程前の前駆体中に含まれる硝酸イオ
ンの量を測定した。
【0071】比較例4 添加するKNO3の量を132.57gとすること以外
は実施例4と同様にして平均粒径5μmのユーロピウム
付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体を作成し、実施
例1に記載の方法によりパネルを作成した。また、実施
例4と同様にして焼成工程前の前駆体中に含まれる硝酸
イオンの量を測定した。
【0072】上記3試料について感度の評価を行った。
蛍光体前駆体に含まれる硝酸イオンの量とあわせ、表2
に結果を示す。
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、感度、鮮鋭度及び粒状
性で表される画像特性が全て優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) (Ba1-x2 x)FBry1-y:aM1、bLn、cO M1:Li、Na、K、Rb、Csからなる群より選ば
    れる少なくとも一種のアルカリ金属 M2:Be、Mg、Sr及びCaからなる群より選ばれ
    る少なくとも一種のアルカリ土類金属 Ln:Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、D
    y、Ho、Nd、 Er及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の
    希土類元素x、y、a、b及びcは、それぞれ0≦x≦
    0.3、0≦y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦
    0.2、0<c≦0.1で表わされる酸素導入希土類付
    活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の
    製造方法であり、輝尽性蛍光体の製造原料のうち少なく
    とも1種類が以下の一般式(2)にて表される化合物で
    ある事を特徴とする酸素導入希土類付活アルカリ土類金
    属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造方法。 一般式(2) Almn A:H及び周期律表1、2族より選ばれる少なくとも一
    種の元素 B:周期律表13から17族より選ばれる少なくとも一
    種の元素 l、m、n:各々0を越える正の自然数
  2. 【請求項2】請求項1に記載の酸素導入希土類付活アル
    カリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体が液相に
    て製造されていることを特徴とする希土類付活アルカリ
    土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の液相にて製造されている
    酸素導入希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物
    系輝尽性蛍光体の前駆体が下記一般式(3)で表される
    化合物を5mg/kg前駆体以上2g/Kg前駆体以下
    含んでいることを特徴とする酸素導入希土類付活アルカ
    リ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体。 一般式(3) Bmn-z B:周期律表13から17族より選ばれる少なくとも一
    種の元素 m、n、z:各々0を越える正の自然数
  4. 【請求項4】請求項1に記載の製造方法によって得られ
    た希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽
    性蛍光体。
  5. 【請求項5】輝尽性蛍光体を含む蛍光体層を有する放射
    線像変換パネルにおいて、該蛍光体層が請求項2、3又
    は4に記載の希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン
    化物系輝尽性蛍光体を含むことを特徴とする放射線像変
    換パネル。
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