JP2001261949A - 生分解性樹脂組成物および成型品 - Google Patents

生分解性樹脂組成物および成型品

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JP2001261949A JP2000074768A JP2000074768A JP2001261949A JP 2001261949 A JP2001261949 A JP 2001261949A JP 2000074768 A JP2000074768 A JP 2000074768A JP 2000074768 A JP2000074768 A JP 2000074768A JP 2001261949 A JP2001261949 A JP 2001261949A
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aliphatic polyester
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acid
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Kyohei Takakuwa
恭平 高桑
Kunitoshi Mimura
邦年 三村
Atsushi Hirashima
敦 平島
Maki Ito
真樹 伊藤
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い機械的強度、実用上十分な耐熱温度、成形
性、耐溶剤性を有し、水中において高い生分解性を有す
る、生分解性樹脂組成物およびその成形品を提供するこ
と。 【解決手段】脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂と、
ポリカプロラクトン樹脂からなる生分解性樹脂組成物お
よびその成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ルカーボネート樹脂とポリカプロラクトン樹脂からなる
生分解性樹脂組成物およびその成型品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、成形材料としてポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン
等プラスチックス材料が大量に使用され消費されてき
た。これらのプラスチックス材料の一部はリサイクルさ
れる物もあるが、一般に回収された後、消却処理や土中
埋設処理等の処理を受ける。しかし回収に多大な労力及
び費用を要するため、あるいは回収が困難なため回収さ
れずに放置される場合がある。近年、これらの環境問題
に対して、自然環境の中で分解する高分子素材の開発が
要望されるようになり、その中でも特に微生物によって
分解されるプラスチックは、環境適合性材料や新しいタ
イプの機能性材料として大きな期待が寄せられている。
【0003】微生物によって分解されるプラスチックと
しては、脂肪族エステル構造を持つ重合体がよく知られ
ており、微生物によって生産されるポリ−3−ヒドロキ
シ酪酸エステル(PHB)、合成高分子であるポリカプ
ロラクトン(PCL)、コハク酸およびブタンジオール
を主成分とするポリブチレンサクシネート(PBS)お
よび発酵により生産されるL乳酸を原料としたポリ乳酸
(PLLA)、脂肪族ポリエステルカーボネート(PE
C)等が代表的なものである。しかし、ポリ−3−ヒド
ロキシ酪酸エステル(PHB)及びポリ乳酸(PLL
A)は硬くて脆く、ポリカプロラクトン(PCL)は融
点が60℃と低く実用的ではない。また成型性を改良す
るために高分子量化したポリブチレンサクシネート(P
BS)は成型品の生分解速度が低下するという問題があ
った。先に、本願発明者らは、上記の問題を解決するた
めに、特定の脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂が、
高い熱安定生を有し、流動性、成型性に優れ、十分な機
械的強度を有することを見いだし、特許出願を行った
(特開平7−53693号、特開平7−53695
号)。しかし、この脂肪族ポリエステルカーボネート樹
脂においても、水中での生分解速度が十分満足できるも
のでなく、更に、改良の余地が残されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い機械的
強度、実用上十分な耐熱温度、成型性、耐溶剤性を有
し、水中において高い生分解性を有する、生分解性樹脂
組成物およびその成型品を提供することを課題とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記し
た問題に鑑み、前記課題を解決するために、鋭意検討し
た結果、生分解性樹脂として公知の脂肪族ポリエステル
カーボネート樹脂に、ポリカプロラクトン樹脂を混合す
ることにより得られる組成物が、前記の目的に合致した
ものであることを見いだした。即ち、前記組成物を成型
して得られる成型品を、水中に廃棄した場合に、脂肪族
ポリエステルカーボネート樹脂に微分散状態で存在して
いるポリカプロラクトンを基点として、生分解が起こる
ことにより成型品の分解速度を早くすることができるこ
とを見いだし、本発明の生分解性樹脂組成物を完成する
に至った。
【0006】即ち、本発明は、脂肪族ポリエステルカー
ボネート樹脂5〜95重量%、ポリカプロラクトン樹脂
95〜5重量%からなる生分解性樹脂組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における脂肪族ポリエステルカーボネートとは、
脂肪族2塩基酸および/またはその誘導体、脂肪族ジヒ
ドロキシ化合物及び/またはヒドロキシカルボン酸化合
物を反応させて得られる数平均分子量10,000以下
の脂肪族ポリエステルオリゴマーと、カーボネート化合
物とを反応させて得られるカーボネート単位含有量が少
なくとも3モル%以上であり、重量平均分子量が少なく
とも100,000で、温度190℃、荷重60kgに
おける溶融粘度が2,000〜50,000ポイズで、
融点が70〜180℃であることを特徴とする。
【0008】本発明による脂肪族ポリエステルカーボネ
ートの製造法は、脂肪族2塩基酸および/またはその誘
導体と脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/またはヒドロキ
シカルボン酸化合物とから脂肪族ポリエステルオリゴマ
ーを得る第1工程、および脂肪族ポリエステルオリゴマ
ーとカーボネート化合物を反応させ脂肪族ポリエステル
カーボネートを得る第2工程より構成される。
【0009】第1工程は、触媒の存在下、温度100〜
250℃で、反応に伴って副生する水及び過剰のジヒド
ロキシ化合物を除去しながら、数平均分子量10,00
0以下のポリエステルオリゴマーを製造する工程であ
る。反応を促進する目的で300mmHg以下の減圧と
することが好ましい。
【0010】第2工程は、第1工程で得られたポリエス
テルオリゴマーとカーボネート化合物を反応させて高分
子量体とする工程であり、触媒の存在下、通常150〜
250℃で行われ、反応に伴って副成するヒドロキシ化
合物が除去される。カーボネート化合物の沸点によって
は反応初期には加圧とする。減圧度を調節して最終的に
は3mmHg以下の減圧とすることが好ましい。
【0011】脂肪族ポリエステルカーボネート中のカー
ボネート単位含有量は、脂肪族ポリエステルオリゴマー
の末端水酸基量を制御することにより所望の割合とする
ことができる。カーボネート単位含有量が多すぎると、
得られる脂肪族ポリエステルカーボネートの融点が低く
なり、実用的耐熱性を有するポリマーが得られない。一
方、カーボネート単位含有量が多くなると微生物による
分解性が高くなる。従って、カーボネート単位含有量
は、適度の生分解性を有し、かつ実用的な耐熱性を実現
し得る量とすることが好ましく、本発明においては脂肪
族ポリエステルカーボネート中のカーボネート単位含有
量を、少なくとも3モル%以上、通常5〜30モル%と
することが好ましい。
【0012】本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート
の製造に用いられる脂肪族2塩基酸としては、コハク酸
が必須成分として使用され、それ以外に例えば、シュウ
酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、
セバシン酸、ドデカン酸、アゼライン酸等を適宜併用す
るこてができる。なお上記の脂肪族2塩基酸はそれらの
エステルあるいは酸無水物であってもよい。
【0013】本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート
の製造に用いられる脂肪族ジヒドロキシ化合物は、1,
4−ブタンジオールが必須成分として使用され、それ以
外に例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオ
ール、シクロヘキサンジメタノール等を適宜併用するこ
とができる。
【0014】本発明で使用されるヒドロキシカルボン酸
化合物としては、乳酸、グリコール酸、β−ヒドロキシ
酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシ吉草酸等が例
示され、これらはエステル、環状エステル等の誘導体で
も使用できる。
【0015】これらの脂肪族2塩基酸、脂肪族ジヒドロ
キシ化合物およびヒドロキシカルボン酸化合物は、それ
ぞれ単独であるいは混合物として用いることができ所望
の組合せが可能であるが、本発明においては適度の生分
解性を有し、かつ実用的な耐熱性を実現し得る程度の高
い融点のものが好ましい。従って、本発明においては、
脂肪族ジヒドロキシ化合物として1,4−ブタンジオー
ル、脂肪族2塩基酸としてコハク酸を、それぞれ50モ
ル%以上含むことが必要である。
【0016】本発明の脂肪族ポリエステルカーボネート
の製造に用いられるカーボネート化合物の具体的な例と
しては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネ
ート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレ
ジルカーボネートなどのジアリールカーボネートを、ま
た、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
イソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジ
アミルカーボネート、ジオクチルカーボネート等の脂肪
族カーボネート化合物を挙げることができるがこれらに
限定されるものではない。また、フェノール、アルコー
ル類の様なヒドロキシ化合物から誘導される、同種、又
は異種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物
や環状カーボネート化合物も使用できる。さらに上記カ
ーボネート化合物と脂肪族ジヒドロキ化合物との共重合
体も、カーボネート化合物として使用が可能である。
【0017】脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂の分
子量はスチレン換算のGPCによる重量平均分子量で1
0万以上が望ましい。10万以下では所望の強度が達成
されない。
【0018】本発明で使用するポリカプロラクトンは、
アルコール等の活性水素を開始剤として主にε−カプロ
ラクトンを通常の開環重合で得た重合体である。特に前
記開始剤の官能数は特に制限はなく、2官能、3官能の
ものが好ましく使用できる。重合時の反応温度として
は、80〜230℃、好ましくは100〜200℃であ
り、金属触媒を0.1〜200ppm添加する方法が望
ましい。金属触媒としては、スズ系触媒、チタン系触媒
の他、アルミニウム、亜鉛、モリブデン、ジルコニウ
ム、さらにはアルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタ
ノイドなどの化合物が使用される。ポリカプロラクトン
のスチレン換算のGPCによる数平均分子量は、好まし
くは1,000以上であり、特に好ましくは5,000
以上である。また使用するポリカプロラクトンは、ε-
カプロラクトンの単重合体以外にバレロラクトン、グリ
コリド、ラクチド等のコモノマーを使用した共重合体も
使用する事ができる。
【0019】本発明の生分解性樹脂組成物は、脂肪族ポ
リエステルカーボネート樹脂とポリカプロラクトン樹脂
を任意の比率で混合できるが、好ましくは脂肪族ポリエ
ステルカーボネート樹脂5〜95重量%に対しポリカプ
ロラクトン樹脂95〜5重量%である。ポリカプロラク
トン樹脂の添加量が5重量%未満だと海水中での生分解
性の改善は小さく、ポリカプロラクトン樹脂の添加量が
95重量%以上では成形体の耐熱性が低く実用的ではな
い。より好ましくは脂肪族ポリエステルカーボネート樹
脂30〜90重量%に対しポリカプロラクトン樹脂70
〜10重量%である。
【0020】本発明の樹脂組成物は、主として上記の脂
肪族ポリエステルカーボネート樹脂とポリカプロラクト
ン樹脂からなるが、充填剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、安定剤、顔料、着色剤、各種フィラー、静電気
防止剤、離型剤、可塑剤、香料、抗菌剤、等の各種添加
剤、及び熱可塑性樹脂、木粉、でんぷん等も同様に加え
ることができる。これらの添加剤等は、脂肪族ポリエス
テルカーボネート樹脂とポリカプロラクトン樹脂の混合
物の有する物性を大きく損なわれない範囲で、単独又は
二種以上を任意の割合で混合できる。
【0021】本発明の生分解性樹脂の製造に際しては、
少なくとも一方の樹脂の溶融する温度以上で機械的に混
合することにより得ることができる。混合装置に関して
は特に制限はなく、単軸、二軸押出機等の常法を用いて
混合する方法が短時間で連続的に処理できる点で工業的
に推奨される。また脂肪族ポリエステルカーボネート樹
脂とポリカプロラクトン樹脂以外の成分を配合する際に
も、同様の混合方法にて製造できる。
【0022】混合時の温度は、100℃以下では樹脂の
溶融粘度が高いかまたは溶融しないため、具体的には1
00℃から300℃の範囲が好適である。300℃以上
では樹脂の熱分解が起こるため好ましくない。300℃
以下であっても高温下での着色や劣化、熱分解等を防止
するために窒素雰囲気下で短時間に混合することが好ま
しい。具体的な混合時間としては、20分以内が推奨さ
れる。また、樹脂中のオリゴマー、残存モノマー、発生
ガス等の除去のためにベント口を設置し減圧下に混合す
ることもできる。
【0023】本発明の成型品は、本発明の樹脂組成物を
用いて成型された物品であり、具体的な成型形態、成型
方法としては、射出成型品、押し出し成型品、インフレ
ーション成型法、真空圧空成型品、ブロー成型品、繊
維、マルチフィラメント、モノフィラメント、ロープ、
網、織物、編み物、不織布、フィルム、シート、ラミネ
ート、容器、発泡体、各種部品その他の成型品が例示さ
れるがそれらに限定されるものではない。特に、本発明
の樹脂組成物はフィルム成型性が良く、場合によっては
脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂とポリカプロラク
トン樹脂及び各種添加剤等も同時に混合し直接成型機に
投入し成型品を得ることもできる。また、本発明の組成
物の層を主層とする積層体としても使用することができ
る。
【0024】本発明の樹脂組成物および成形品は高い機
械的強度と実用上充分な軟化温度を有すると共に、淡水
中、海水中、土中、さらには、活性汚泥中、コンポスト
中でも容易に微生物により分解される。特に、水中で、
従来の生分解性樹脂より、分解速度を早くすることがで
きることにより、例えば、釣り餌容器、つり糸等に使用
された後に廃棄された場合でも、環境に悪影響を与える
ことなく自然に順化させることができる。従って、本発
明の樹脂組成物により、水中廃棄可能な成型品を製造す
ることができる。
【0025】次に実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。本実施例において、融点は、DSC(セイコー
電子(株)製SSC 5000)を用いて測定した。ま
た、分子量はクロロホルムを溶媒としてGPC(昭和電
工(株)製GPC System−11使用)によりス
チレン換算のMw、Mnとして測定した。また、カーボ
ネート単位含有量はNMR(日本電子(株)製NMR
EXー270)を使用し、13CNMRによりジカルボン
酸エステル単位およびカーボネート単位の合計に対する
カーボネート単位の割合(モル%)として測定した。
【0026】溶融粘度はフローテスター(島津製作所製
CFT−500C)を用いて温度190℃、荷重60k
gにて測定した。脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂
のオリゴマーの水酸基価、酸価はJIS K−1557
に準じて測定した。
【0027】脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂の製
造例1攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管
を付けた50リットルの反応容器に、コハク酸18,7
40g(158.7モル)、1,4−ブタンジオール2
1,430g(237.8モル)、ジルコニウムアセチ
ルアセトネート745mgおよび酢酸亜鉛1.40gを
仕込み、窒素雰囲気下で温度150〜220℃で2時間
反応し水を留出させた。つづいて、減圧度150〜80
mmHgの減圧度で3時間熟成し脱水反応を進行させ、
更に最終的に減圧度2mmHg以下となるよう徐々に減
圧度を増してさらに水と1、4−ブタンジオールを留出
させ、総留出量が10,460gになったところで反応
を停止した。得られたオリゴマー(A−1)の数平均分
子量は1,780、末端水酸基価は102KOHmg/
gであり、酸価は0.51KOHmg/gであった。
【0028】次に得られたオリゴマー(A−1)24,
000gを攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導
入管を付けた50リットルの反応容器に仕込み、ジフェ
ニルカーボネート4,680gを添加した。温度210
〜220℃で最終的に1mmHgの減圧とし5時間反応
した。得られた高分子量体(A−2)は、融点が104
℃で、GPCの測定による重量平均分子量(Mw)が1
88,000であり、13CNMR測定により、ポリカー
ボネート成分として14.3%のカーボネート単位を有
していた。溶融粘度は10,000ポイズであり、クロ
ロホルムには完全に溶解し、ゲル分はなかった。
【0029】ポリカプロラクトンとしてはダイセル工業
製、セルグリーンPH−7を使用した。セルグリーンP
H−7の流動性はJIS−K7210の試験法(190℃,
2.16kg)において、MFR=1.7であった。
【0030】実施例1 製造例1で得られた脂肪族ポリエステルカーボネート
(A−2)のペレットを真空乾燥機により温度90℃で
10時間乾燥及びポリカプロラクトン(PH−7)のペ
レットを真空乾燥機により温度50℃で10時間乾燥
し、脂肪族ポリエステルカーボネート(A−2)とポリ
カプロラクトン(セルグリーンPH−7)の混合比が重
量比で90/10となるようにV型ブレンダーにて混合
し、2軸押出機(スクリュー径25mmφ、L/D=3
0)に供給し連続的にストランド化、ペレタイズし樹脂
混合物を得た。この混合したペレットを90℃の温度で
5時間以上乾燥した後、熱プレス成形装置を使用し、生
分解性試験用の厚さ100ミクロンのフィルムを成形し
た。生分解性の評価として、茨城県・鹿島港にて水深5
m(満潮時)の海水中での試験を行った。各試料は20
×90mmに切り出して試料ホルダーに装てんし90日
間海中に沈めた。90日の間にこれらの樹脂試料は分解
により裂け目が入り、穴があくなどの変化が観察され
た。表−1に生分解性評価結果を示す。
【0031】実施例2〜4 実施例1と全く同様の操作で、脂肪族ポリエステルカー
ボネート(A−2)とポリカプロラクトン(セルグリー
ンPH−7)の混合比を重量比で70/30、50/5
0、30/70の比率で変えた場合の生分解性試験結果
をそれぞれ実施例2〜4とし結果を表−1に示す。90
日の間にこれらの樹脂試料は分解により破断したり、分
解により穴があくなどの変化が観察された。表−1に生
分解性評価結果を示す。これによりポリカプロラクトン
の含有量が増加すると生分解性が向上し、生分解速度の
調節が容易である事がわかった。
【0032】比較例1 製造例1で得られた脂肪族ポリエステルカーボネート
(A−2)のペレットを真空乾燥機により温度90℃で
10時間乾燥後、熱プレス成形装置を使用し、生分解性
試験用の厚さ100ミクロンのフィルムを成形した。生
分解性試験は実施例1と同様の方法で行った。表−1に
生分解性評価結果を示す。
【0033】比較例2 ポリカプロラクトンのペレットを真空乾燥機により温度
50℃で10時間乾燥後、熱プレス成形装置を使用し、
生分解性試験用の厚さ100ミクロンのフィルムを成形
した。生分解性試験は実施例1と同様の方法で行った。
表−1に生分解性評価結果を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【本発明の効果】本発明の樹脂組成物は、流動性、成形
性に優れ、射出成型品、押し出し成型品、真空圧空成型
品、ブロー成型品、繊維、マルチフィラメント、モノフ
ィラメント、ロープ、網、織物、編み物、不織布、フィ
ルム、シート、ラミネート、容器、発泡体、各種部品そ
の他の成型品を得るのに好適である。樹脂組成物を用い
て得られる成形品は十分な機械的強度と耐熱性を有する
と共に、淡水中、海水中、土中、活性汚泥中、コンポス
ト中で容易に微生物により分解される。このため、包装
材料、漁業、農業、食品分野その他のリサイクルが困難
な用途に広く利用でき、特に、水中で、従来の生分解性
樹脂より、分解速度を早くすることができることによ
り、例えば、釣り餌容器等に使用された後に廃棄された
場合でも、環境に悪影響を与えることなく自然に順化さ
せることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 真樹 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA50 AA81 AA84 AA88 AF02 AF13 AF45 AF52 AH05 BA01 BB05 BB06 BC01 BC07 4J002 CF19X CG04W

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂5〜
    95重量%、ポリカプロラクトン樹脂95〜5重量%か
    らなる請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】脂肪族ポリエステルカーボネートが、脂肪
    族2塩基酸および/またはその誘導体と脂肪族ジヒドロ
    キシ化合物及び/またはヒドロキシカルボン酸化合物を
    反応させて得られる数平均分子量10,000以下の脂
    肪族ポリエステルオリゴマーと、カーボネート化合物と
    を反応させて得られるものであり、カーボネート単位含
    有量が少なくとも3モル%以上であり、重量平均分子量
    が少なくとも100,000で、温度190℃、荷重6
    0kgにおける溶融粘度が2,000〜50,000ポ
    イズで、融点が70〜180℃であることを特徴とする
    請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載の組成物からなる成型品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004022056A1 (ja) * 2002-09-06 2004-03-18 D. Western Therapeutics Institute 悪性腫瘍を処置するための医薬組成物、方法および使用

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WO2004022056A1 (ja) * 2002-09-06 2004-03-18 D. Western Therapeutics Institute 悪性腫瘍を処置するための医薬組成物、方法および使用

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