JP2001261894A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JP2001261894A JP2000076116A JP2000076116A JP2001261894A JP 2001261894 A JP2001261894 A JP 2001261894A JP 2000076116 A JP2000076116 A JP 2000076116A JP 2000076116 A JP2000076116 A JP 2000076116A JP 2001261894 A JP2001261894 A JP 2001261894A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はゴム組成物を加工、加硫する際に、
ゴム組成物に付与される温度に応じて内包物が拡散し加
硫を促進し加硫速度を短縮してゴム製品を得ることので
きるゴム組成物およびその製造方法を提供することを目
的とする。 【解決手段】 本発明は下記一般式(1)で表わされる
アミン化合物を吸着または含浸させた無機多孔質粒子を
芯材とし、該芯材を融点が140℃以上の樹脂に金属磁
性粉末を混合した樹脂組成物で、コーティングしてなる
粒状物を含有することを特徴とするゴム組成物。 【化1】 (上記式(1)中のR1、R2、R3は各々水素または炭
素数1〜22のアルキル基である。また分子中のR1
2およびR3は相互に同じでも異なっていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ等のゴム製
品に用いられるゴム組成物に関し、加工性を低下させる
ことなく加硫時間を短縮し得るゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にゴム製品は、天然ゴム、スチレン
−ブタジエンゴム等のゴム成分に補強剤、軟化剤、老化
防止剤等および加硫反応をさせるための加硫剤、加硫促
進剤、加硫助剤等をバンバリーで混練りしてゴム組成物
となし、それを熱プレス等で圧力を加えて加熱して加硫
を行なう。これらのゴム製品の製造工程においては、加
硫工程のサイクルタイムがその前後の工程に比べて長
く、ゴム製品の生産性の向上には加硫工程のサイクルタ
イムを短くする、すなわち加硫時間を短縮することが不
可欠となっている。
【0003】従来よりこの加硫時間を短縮するために、
種々の検討が行なわれてきた。たとえば、ゴム組成物の
配合処方においては、加硫促進剤に加硫速度の速いもの
を選択すること、あるいはチウラム系の加硫促進剤を併
用することにより、加硫時間を短くすることが試みられ
ている。一方、加工方法の面からは、ゴム組成物をでき
るだけ高温でモールド内に注入するインジェクションに
よる加硫を採用することで、初期加熱時間を短くするこ
とが行なわれている。
【0004】しかしながら、上記のように加硫促進剤の
選択によりゴム組成物の加硫速度を速くして加硫時間短
縮を行なった場合、同時に加硫温度以下の比較的低温領
域でも加硫反応が進行して、スコーチしやすい不安定な
ゴム組成物になり、加工性および作業性が悪化するとい
う問題があった。
【0005】このような問題を解決する手段として特開
平9−296075号公報、特開平10−17706号
公報に示されるように、加硫反応をさせるための加硫
剤、加硫促進剤、加硫助剤等の表面を高分子材料の樹脂
や、樹脂と無機材料、金属の混合物で被覆する技術が開
示されている。そしてこれらの技術は各材料の融点を利
用して被覆材を融解させ、内容物を放出する手法であ
る。これらの技術は、各樹脂材料の融点が問題となる。
たとえば、特開平9−296075号公報記載の技術の
場合、融点が60℃以上のもの、好ましくは80℃以上
の樹脂材料を用いている。しかし、実際のゴム加工工程
では密閉式混練り機(BR型バンバリー)では、低くて
も90〜100℃、押出し機による押出し工程では10
0℃〜130℃となり、これらの樹脂の溶融温度よりか
なり高くなっているのが現状である。そのため、これら
の工程で内容物が放出されてしまい、加工工程時にゴム
焼けが起こるという問題が生じる。またゴム焼けが起こ
らないような樹脂温度以下たとえば60℃、あるいは8
0℃以下では加工した場合ゴム組成物の流動性が悪くな
り、加工時間の延長や押出し物の形状が悪くなる。
【0006】一方、特開平10−17706号公報記載
の技術に示されているように用いる樹脂の融点を加工温
度より高く140℃以上に設定した場合、確かに加工時
では前述のような問題がないためにゴム焼けの問題は生
じない。しかし、樹脂の溶融温度をできるだけ高くすれ
ばゴム焼けの問題は解消するが、加硫時の加硫剤等の放
出に問題が生じる。これらのカプセル化の手法は加工温
度と加硫温度が近い場合に有効であるが、肉厚の大きい
ゴム組成物の加硫には必ずしも有効ではない。たとえ
ば、タイヤのような積層構造の製品の場合、加硫時ゴム
組成物表面から加わる熱源で内部まで加熱し加硫する必
要がある。そして、これらの積層構造製品の加硫時間を
決めるのはこれらの内部のコンポーネントの加硫速度で
ある。これら内部のコンポーネントはゴム組成物が厚け
れば厚いほど、内部温度が上がりにくく、そのためゴム
組成物の内部の温度が外部温度よりも低くなる。したが
って肉厚のゴム組成物では加工温度で溶融しない樹脂を
用いても加硫温度でも樹脂外壁が溶融せず、所定の加硫
時間内で内容物を拡散し、加硫反応が十分進まない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゴム組成物
を加工、加硫する際にゴム組成物に付与される温度に応
じて、内包物が拡散し加硫を促進し加硫速度を短縮して
ゴム製品を得ることのできるゴム組成物およびその製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、加硫反応を促
進し得るアミン化合物を充填あるいは含浸したいわゆる
マイクロカプセル化した無機多孔質粒子を芯材とし、該
芯材を融点が140℃以上の樹脂に金属磁性粉末を混合
した樹脂組成物で、コーティングしてなる粒状物を含有
することを特徴とするゴム組成物である。そして電磁誘
導加熱方法を用いて前記粒状物の表面を融解させ内容物
を放出、拡散させた後、前記ゴム組成物を加硫してなる
ことを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
【0009】本発明による製造方法では加硫反応を促進
し得るアミン化合物を充填あるいは含浸したいわゆるマ
イクロカプセル化した無機多孔質粒子を芯材とし、融点
が140℃以上の樹脂で被覆しており、したがって14
0℃より低い加工条件では樹脂が溶解せず、ゴム成分中
にアミン化合物が拡散しないため加硫促進反応を抑制す
ることができる。また無機多孔質粒子を用いることでゴ
ム加工工程でのマイクロカプセルの破壊が少ない。そし
て、加硫前に誘導加熱装置を用いて樹脂に配合されてい
る金属磁性粉末を誘導加熱して加温し、まわりの樹脂を
融解させ、マイクロカプセルの内容物を放出させてお
く。これにより加硫時の十分な加硫促進効果が生じる。
つまり芯材の外壁の樹脂に予め金属磁性粉末を含有させ
ておき、これを電磁誘導加熱方式で加熱しマイクロカプ
セル中の加硫促進剤であるアミン化合物を放出させるも
のである。
【0010】本発明の芯材に用いられる無機多孔質粒子
はケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネ
シウム等のアルカリ土類金属のケイ酸塩、シリカ、アル
ミナ、酸化チタン等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩が挙げら
れる。
【0011】無機多孔質粒子の粒径は加硫ゴムの物性の
影響を抑えるために、粒子径範囲が0.5〜100μ
m、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは0.
5〜30μmである。そして無機多孔質粒子は好適には
内部が中空の球形微粒子である。
【0012】次に本発明で芯材に用いられるアミン化合
物は下記式(1)で表わされる化合物である。
【0013】
【化2】
【0014】式中R1、R2、R3は各々水素または炭素
数1〜22のアルキル基である。1分子中でR1、R2
3は相互に同じでも異なっていてもよい。
【0015】式(1)で表わされる化合物は具体的には
プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、
アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オク
チルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシル
アミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミ
ン、トリアミルアミン等が挙げられ、加硫促進効果およ
びカプセル化効果の点からブチルアミン、アミルアミ
ン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルア
ミン等が好ましい。アミン化合物の沸点は150℃以下
であることが好ましい。沸点が150℃を超えると、ア
ミン化合物が無機多孔質粒子から放出されるのが遅くな
り、加硫促進の効果は低下する傾向にある。さらに、第
1級アミン、第2級アミンがより好ましい。これらのア
ミンは加硫時の加熱により、無機多孔質粒子から効果的
に放出され、加硫促進効果に優れるからである。
【0016】本発明において、無機多孔質粒子にアミン
化合物を吸着あるいは含浸させる方法、すなわちマイク
ロカプセルの製法としては、一般に知られるマイクロカ
プセル化する方法が採択される。たとえば、メカノケミ
カル法、含浸法、懸濁法、複合エマルジョン法等が採用
される。
【0017】たとえば、より具体的には無機多孔質マイ
クロカプセルの製法は無機多孔質粒子を密封容器内で真
空排気した後、アミン化合物を単独もしくはアミン化合
物の水溶液あるいは有機溶媒で希釈して前記容器に注入
する。アミン化合物は孔を通して中空の粒子の内部に浸
透する。その後必要により水洗し、乾燥させて芯材とし
ての無機多孔質マイクロカプセルが得られる。なおアミ
ン化合物は無機多孔質粒子の中空内部あるいは粒子の表
面に物理吸着された状態となっている。したがって本発
明ではマイクロカプセルの意味はアミン化合物が無機多
孔質粒子の中空部分にのみ充填ないし含浸しているもの
の他、中空部分と粒子表面にもアミン化合物が吸着され
ているものも含む。
【0018】無機多孔質マイクロカプセルはそれ自体ゴ
ム組成物に配合して加硫すると、所定温度で徐々にアミ
ン化合物が放出拡散され加硫を促進するため、従来の加
硫速度の速い加硫促進剤を用いた場合におけるスコーチ
の問題もなく加硫条件の調整が可能となる。
【0019】次に本発明では、アミン化合物を吸着また
は含浸させた無機多孔質粒子の芯材に、融点が140℃
以上の樹脂に金属磁性粉末を混合した樹脂組成物でコー
ティングする。
【0020】本発明で使用される樹脂は、加硫温度以下
では溶融、破壊等しないで塗膜構造を維持でき、加硫温
度以上では樹脂が溶融または軟化等物性低下により破壊
する樹脂が好ましく、溶融または軟化等により破壊する
温度が140〜200℃、好ましくは140〜180
℃、さらに好ましくは150〜170℃である。
【0021】このような樹脂としては具体的には、熱可
塑性樹脂、特にメタクリル樹脂、ポリウレタン、ポリア
セタール、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリサル
ホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリプロピレンが好適である。
【0022】次に、金属磁性粉末に用いる金属として
は、鉄、ステンレス、ニッケルなどが挙げられるが、発
熱効率の面から考えると鉄が好ましい。特にフェライト
と呼ばれる酸化鉄は発熱効果が非常に良いので好適であ
る。
【0023】また、コーティングする樹脂組成物中に含
まれる金属磁性粉末の量は5重量%以上が好ましい。5
重量%より少ないと電磁誘導加熱により発熱してもまわ
りの樹脂を溶融させるには少なすぎる。一方、金属磁性
粉末は加硫後もゴム組成物に残存するのでゴム物性に影
響を与えるため50重量%以下である。また用いる金属
磁性粉末の大きさはできるだけ細かいほど良く、10μ
m以下好ましくは1μm以下である。
【0024】コーティングする樹脂と金属磁性粉末で形
成される樹脂組成物の膜厚はコーティングした粒径があ
まり大きくない程度に厚くすることが好ましく、コーテ
ィングした芯材の粒状物に対して樹脂組成物は10重量
%以上、望ましくは15重量%以上さらに望ましくは2
0重量%以上にする。10重量%未満では膜厚が薄すぎ
るため、芯材が比較的低温でも樹脂中を移行してしまう
ため、コーティング効果が少なくなってしまう。一方、
樹脂組成物は60重量%以下で通常用いられる。
【0025】前記芯材を樹脂組成物でコーティングする
方法はコアセルベーション法、液中乾燥法、気中懸濁
法、噴霧乾燥法等が採用される。たとえば、噴霧乾燥法
は樹脂をトルエン、キシレン等の有機溶剤に溶解した
後、この溶液に金属磁性粉末を所定量と、マイクロカプ
セル化した芯材を懸濁させた後、この懸濁溶液をスプレ
ードライヤーで60℃〜90℃の雰囲気中に噴霧し、乾
燥してコーティング粒状物が得られる。
【0026】本発明に使用されるゴム成分は、天然ゴム
(NR)および/またはジエン系合成ゴムである。本発
明において用いるジエン系合成ゴムは、スチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、
ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−
ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げ
られ、本発明に使用されるゴム成分中に1種類または2
種類以上含まれていてもよい。
【0027】次に本発明のゴム組成物は充填剤として、
カーボンブラックを配合できる。本発明のゴム組成物の
カーボンブラックの配合量は、上記ゴム成分100重量
部に対し10〜150重量部であることが好ましい。カ
ーボンブラックの配合量が10重量部未満では補強効果
が十分に得られず、150重量部を超えると低発熱性が
増大し好ましくない。補強性および低発熱性の面から1
5〜100重量部、さらに25〜80重量部が好まし
い。カーボンブラックの例としては、HAF、ISA
F、SAF等が挙げられるが、特に制限されるものでは
ない。
【0028】本発明のゴム組成物はシリカ等の白色充填
剤を含んでいてもよい。白色充填剤としては具体的に
は、シリカ、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げら
れ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いること
ができる。特に好ましい白色充填剤としてはシリカ、ク
レー、水酸化アルミニウム、アルミナである。本発明の
ゴム組成物中に含まれる白色充填剤の配合量は、本発明
に使用されるゴム成分100重量部に対して0〜100
重量部、好ましくは0〜85重量部、さらに好ましくは
0〜65重量部である。白色充填剤の配合量が5重量部
未満では、補強効果が小さく、100重量部を超えると
作業性が悪化するために好ましくない。低発熱性、作業
性の面から、白色充填剤の配合量は65重量部以下が好
ましい。
【0029】また、白色充填剤を使用する場合、充填剤
とゴム成分の結合を強め、耐摩耗性を向上させるため
に、カップリング剤、特にシランカップリング剤を用い
ることが好ましい。シランカップリング剤の配合量は分
散効果、カップリング効果の面から、前記白色充填剤の
重量に対して1〜20重量%が好ましい。
【0030】なお、本発明のゴム組成物には、上記ゴム
成分、カーボンブラック、白色充填剤、カップリング
剤、マイクロカプセル以外に、必要に応じて軟化剤、老
化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等の通常
のゴム工業で使用される配合剤を適宜配合することがで
きる。
【0031】本発明のゴム組成物は、ロール、インター
ナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによ
って得られ、成形加工後、電磁誘導加熱および加硫を行
なってタイヤ、防振ゴム、ベルト、ホースその他の工業
製品等の用途に用いられる。
【0032】本発明で電磁誘導加熱で粒状物の樹脂を融
解させ、アミン化合物をゴム組成物に分散させるには、
プラスチックへの金属部品の埋込や、プラスチック成形
品への溶着接合を行なう装置で、一般に電磁誘導ウェル
ダーとして知られているものが使用される。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0034】(1) マイクロカプセル(無機多孔質粒
子にアミン化合物の吸着または含浸)の調製 粒子径範囲が0.5〜6.0μmの中空多孔質シリカ球
形粒子(鈴木油脂工業(株)製のゴッドボールB−6
C)50gを三角フラスコにとり、ガラス容器中にセッ
トして1時間真空排気した後、1mol/Lのアミン水
溶液500mlを浸透させる。常圧にして24時間放置
した後、ろ別、水洗、乾燥させてアミン化合物を内包し
た無機多孔質マイクロカプセルを得た。
【0035】(2) 粒状物(芯材の樹脂組成物による
コーティング)の調製 ポリプロピレン樹脂(融点164℃)をキシレンに溶解
し20%溶液とする。この溶液に金属磁性粉末である平
均粒径(0.1μmまたは0.2μm)のマグネタイト
粉を樹脂に対する重量比で(20%)、前述の無機多孔
質カプセルを懸濁させた後、この懸濁溶液をスプレード
ライヤーで80℃の雰囲気中に噴霧し乾燥させて、これ
らの加硫剤または加硫促進剤を芯材としたコーティング
粒状物を得た。各種のコーティング粒状物をサンプル1
〜5として組成を表1に示す。
【0036】(3) ゴム組成物の調製 ゴム組成物の配合処方を表2に示す。上記のようにして
得られたサンプル1〜5および加硫剤以外の配合剤をバ
ンバリーミキサーで混練りしてマスターバッチを作製し
た後、8インチロールにてマスターバッチと加硫剤およ
びサンプル1〜5の粒状物をそれぞれ混練りして調製し
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表2の配合に用いた各種薬品は次のとおり
である。 注1) ジエン系ゴム;ジェイエスアール(株)製のS
BR1502(スチレン−ブタジエン共重合体) 注2) カーボンブラック;昭和キャボット社製のショ
ウブラックN220 注3) ステアリン酸;日本油脂(株)製のステアリン
酸 注4) 酸化亜鉛;三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号 注5) 硫黄;鶴見化学(株)製の粉末硫黄 注6) 加硫促進剤 TBBS;ノクセラー NS(大
内新興化学)(化学名:N−第三−ブチル−2−ベンゾ
チアジル・スルフェンアミド) (4) ゴム組成物の電磁誘導加熱および加硫 電磁誘導加熱は精電舎工業(株)のUH−2.5Kを用
いて周波数900kHzで出力Max2.5kWの条件
下で行なった。
【0040】しかる後、ゴム組成物を170℃で20分
間プレス加硫して加硫物を得た。ゴム組成物の評価方法
は次のとおりである。
【0041】(1) 加工性 ムーニー試験機を用いて、JIS K6300に基づ
き、ゴム焼けの指標としてT10を測定した。T10は
(i)未加硫ゴム初期状態(初期)、(ii)未加硫ゴム
を120℃で1時間オーブンに入れた後(オーブン処
理)、(iii)未加硫ゴムを120℃に設定したBR型
小型バンバリーで30分間混合した(バンバリー処理)
後、それぞれ測定を行なった。また、上記(iii)のゴ
ム表面の肌の状態を外観で次のように評価した。
【0042】○:表面肌が良好(ゴム焼けなし) △:表面肌が少しざらざら(ゴム焼け少し発生) ×:表面肌がざらざら(ゴム焼け発生) (2) 加硫速度 キュラストメーターを用いて評価した。すなわち、キュ
ラストメーターによるねじりトルクの最大値と最小値と
の差の10%+最小値に達するまでの時間をT10、9
0%+最小値に達するまでの時間をT90とした。測定
温度130℃、150℃、170℃の各温度で測定を行
なった。加硫速度はT10およびT90の値が小さいほ
ど速いことを示す。
【0043】(3) 厚物加硫テスト サンドイッチ構造の未加硫ゴムサンプルを作製し、これ
に電磁誘導加熱処理を施す。その後、このサンプルを1
70℃で15、20、25、30分間加硫をしてゴム層
中央の加硫状態をポーラス(気泡)の有無で確認する。
【0044】ここで電磁誘導加熱の条件は次のとおりで
ある。 テスト装置;精電舎電子工業(株) UH−2.5K 周波数 900kHz 出力 Max 2.5KW 試験条件;渦巻き状のコイル上に4mmのタイルをひ
き、その上にゴムサンプルを置く。
【0045】出力 0.8A(2.6KW)で3分間処
理する。 (4) 引張強度 JIS 6301に準拠して測定を行なった。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】表3から実施例1、2および3は150
℃、および170℃におけるT10、T90の時間が本
発明のサンプルを配合していない比較例1より短く、加
硫時間が短縮していることがわかる。さらに、表面肌も
良く、ゴム焼けも生じていない。さらに表4から電磁誘
導加熱を施したゴム組成物は実施例3を除き気泡は全く
生成しておらず、均一加硫していることが認められる。
【0049】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0050】
【発明の効果】上述のごとく本発明は、アミン化合物を
吸着ないし含浸した無機多孔質粒子を、金属磁性粉末を
配合した樹脂組成物でコーティングした粒状物を含むゴ
ム組成物であり、電磁誘導加熱で容易に樹脂が融解し、
しかる後アミン化合物がゴム組成物中に分散するため加
硫反応が促進され、その後加硫時間が大幅に短縮でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/04 C08K 9/04 Fターム(参考) 4F070 AA05 AA06 AA07 AA08 AA09 AA15 AA16 AA32 AA42 AA47 AA50 AA52 AA53 AA58 AC13 AC15 AC46 AD03 AD05 AD06 AE08 GA06 GB01 GB09 GC01 HA01 4J002 AC011 AC061 AC071 AC081 AC091 BB151 DE136 DE146 DE236 DJ006 DJ016 EN027 FA096 FB086 FB266 FB287 FB297 FD147 GN01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で表わされるアミン
    化合物を吸着または含浸させた無機多孔質粒子を芯材と
    し、該芯材を融点が140℃以上の樹脂に金属磁性粉末
    を混合した樹脂組成物で、コーティングしてなる粒状物
    を含有することを特徴とするゴム組成物。 【化1】 (上記式(1)の中のR1、R2、R3は各々水素または
    炭素数1〜22のアルキル基である。また、上記式
    (1)中R1、R2およびR3は相互に同じでも異なって
    いてもよい。)
  2. 【請求項2】 樹脂の融点は140〜180℃である請
    求項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 アミン化合物の沸点は150℃以下であ
    る請求項1記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1のゴム組成物を電磁誘導加熱方
    法で粒状物の表面樹脂を融解させ、アミン化合物を芯材
    から放出させた後、加硫することを特徴とするゴム組成
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1のゴム組成物をトレッド部に用
    いたタイヤ。
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