JP2001261812A - ポリカーボネート樹脂の精製方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂の精製方法

Info

Publication number
JP2001261812A
JP2001261812A JP2000080074A JP2000080074A JP2001261812A JP 2001261812 A JP2001261812 A JP 2001261812A JP 2000080074 A JP2000080074 A JP 2000080074A JP 2000080074 A JP2000080074 A JP 2000080074A JP 2001261812 A JP2001261812 A JP 2001261812A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate resin
solution
organic solvent
polycarbonate
ppm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000080074A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Shudo
弘 首藤
Toshimasa Tokuda
俊正 徳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
Priority to JP2000080074A priority Critical patent/JP2001261812A/ja
Publication of JP2001261812A publication Critical patent/JP2001261812A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色相の著しく良好な、且つ色相の経時劣化が
実質的に起こらないポリカーボネート樹脂を、効率的に
簡便な方法で得られるポリカーボネート樹脂の精製方法
を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂を精製する方法で
あって、(i)ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液、
ポリカーボネート樹脂中に混入する金属類を除去するに
十分な量のキレート化剤および水を混合し、(ii)次
いで、有機溶媒溶液相と水相とを分離し、(iii)得
られた有機溶媒溶液相からポリカーボネート樹脂を回収
することを特徴とするポリカーボネート樹脂の精製方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂の精製方法に関する。さらに詳しくは、色相および
色相の劣化が著しく改善されたポリカーボネート樹脂の
精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビスフェノールAにカーボネート
前駆物質を反応させて得られるポリカーボネート樹脂は
透明性、耐熱性、機械的特性、寸法安定性が優れている
がゆえにエンジニアリングプラスチックとして多くの分
野に広く使用されている。特に透明性に優れることから
光学材料として多量に使用されている。しかしながら、
ポリカーボネート樹脂は溶融温度が高く、成形により着
色を生じ易く、そのため熱安定剤の使用が一般的に行わ
れている。
【0003】一方、ポリカーボネート樹脂は、ニッケ
ル、銅、鉄などの金属汚染物の量が0.2ppmを超え
ると、加熱成形条件下において、ポリカーボネート樹脂
の色相等に悪影響を及ぼすことが示されている(特開昭
51−2797号公報)。また、鉄、ナトリウム等の金
属残留量が1ppm以下であるポリカーボネート樹脂
は、加水分解性に優れることが示されている(特開平2
−276037号公報)。また、鉄、クロム、モリブデ
ンの合計量が10ppm以下、ニッケル、銅の合計量が
50ppm以下である溶融重合法から得られたポリカー
ボネートが色調に優れることが示されている(特開平6
−32885号公報)。
【0004】また、上記のような金属成分含有量の少な
いポリカーボネート樹脂の製造方法としては、特開昭5
1−2797号公報では、グルコン酸又はそのナトリウ
ム塩存在下、ホスゲン化反応を行いポリカーボネート樹
脂を製造する方法が報告されている。しかしながら、こ
の方法ではポリカーボネート樹脂の精製段階で混入する
金属成分の除去が不十分であり、更なる改善が求められ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色相
の著しく良好な、且つ色相の経時劣化が実質的に起こら
ないポリカーボネート樹脂を、効率的に簡便な方法で得
られるポリカーボネート樹脂の精製方法を提供すること
にある。
【0006】本発明者はこの目的を達成せんとして鋭意
研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂有機溶剤溶液
とキレート化剤の水溶液とを混合、攪拌し、次いで有機
溶媒溶液相を分離し、この有機溶媒溶液相からポリカー
ボネート樹脂を回収することにより、驚くべきことにポ
リカーボネート樹脂中の金属不純物量が著しく低減され
ることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、ポリカーボネート樹脂を精製する方法であって、
(i)ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液、ポリカー
ボネート樹脂中に混入する金属類を除去するに十分な量
のキレート化剤および水を混合し、(ii)次いで、有
機溶媒溶液相と水相とを分離し、(iii)得られた有
機溶媒溶液相からポリカーボネート樹脂を回収すること
を特徴とするポリカーボネート樹脂の精製方法が提供さ
れる。
【0008】本発明で使用される芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界
面縮重合法または溶融法で反応させて得られるものであ
る。ここで使用される二価フェノールの代表的な例とし
ては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4′−ビ
フェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン(ビスフェノールE)、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロ
パン(ビスフェノールC)、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノール
Z)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4′−(p−フ
ェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、α,α′
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピ
ルベンゼン(ビスフェノールM)、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフ
ェニル)フルオレンなどが挙げられる。また、これらの
二価フェノールは1種のみを用いても2種以上用いて共
重合体としてもよい。なかでも9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のフルオレ
ン構造を有する二価フェノールを用いたポリカーボネー
ト樹脂において色相が著しく改善され、色相の経時劣化
の実質的に起こらないポリカーボネート樹脂が提供され
る。特に好ましいポリカーボネート樹脂としては、全二
価フェノール成分の5〜95モル%が9,9−ビス(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、95
〜5モル%が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンから得られるポリカーボネート共重合体であ
る。
【0009】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。
【0010】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカ
ーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触
媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用
してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の
多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネー
ト樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カル
ボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であ
ってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2
種以上を混合した混合物であってもよい。
【0011】界面重縮合法による反応は、通常二価フェ
ノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機
溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水
酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。
有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロルベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促
進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホ
ニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウ
ム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いる
こともできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反
応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に
保つのが好ましい。
【0012】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
又は低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式
(1)で表される単官能フェノール類を示すことができ
る。
【0013】
【化1】
【0014】[式中、Aは水素原子、炭素数1〜9の直
鎖または分岐のアルキル基あるいはアリールアルキル基
であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数であ
る。]上記単官能フェノール類の具体例としては、例え
ばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−
クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げ
られる。
【0015】これらの末端停止剤は、得られたポリカー
ボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ま
しくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ま
しく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合し
て使用してもよい。
【0016】溶融法による反応は、通常二価フェノール
とカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、
不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエ
ステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコール
またはフェノールを留出させる方法により行われる。反
応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等
により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。
反応後期には系を1.3〜0.013kPa程度に減圧
して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易
にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0017】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜15のアリール基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジナ
フチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネー
ト、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
ブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニ
ルカーボネートが好ましい。
【0018】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩
基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコ
キシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩
類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合
物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ
化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモ
ン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコ
ニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交
換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は
単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせ使用して
もよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェ
ノール1モルに対し、好ましくは1×10-9〜1×10
-3当量、より好ましくは1×10-8〜5×10-4当量の
範囲で選ばれる。
【0019】本発明においては、前記重合方法により製
造されたポリカーボネート樹脂を精製する。
【0020】本発明の精製方法は、まず、(i)ポリカ
ーボネート樹脂の有機溶媒溶液、ポリカーボネート樹脂
中に混入する金属類を除去するに十分な量のキレート化
剤および水を混合する。
【0021】前記界面重縮合法による反応により得られ
たポリカーボネート樹脂溶液は、通常水洗浄が施され
る。この水洗工程は、好ましくはイオン交換水等の電気
伝導度10μS/cm以下、より好ましくは1μS/c
m以下の水により行われ、前記有機溶媒溶液と水とを混
合、攪拌した後、静置してあるいは遠心分離機等を用い
て、有機溶媒溶液相と水相とを分液させ、有機溶媒溶液
相を取り出すことを繰り返し行い、水溶性不純物を除去
する。水洗浄を行うことによりナトリウム塩類など水溶
性不純物が除去される。
【0022】また、かかるポリカーボネート樹脂の有機
溶媒溶液は、アミン触媒等の不純物を除去するために酸
洗浄を行うことも好ましい。酸洗浄に用いる酸としては
りん酸、塩酸、硫酸等の水溶液が好ましく用いられ、好
ましくは0.0004〜40g/リットル濃度(または
pH5以下)の水溶液が使用される。酸洗浄に用いる水
溶液と有機溶媒溶液との割合は、水溶液/有機溶媒溶液
(容量比)で表して0.2〜1.5の範囲で用いるの
が、洗浄が効率的に行われ好ましい。
【0023】前記界面重縮合法による反応により得られ
たポリカーボネート樹脂溶液は、そのままキレート化剤
および水と混合してもよいが、ポリカーボネート樹脂溶
液を水洗および酸洗浄処理したものをキレート化剤およ
び水と混合することが好ましい。これは、塩酸処理時に
反応装置等の腐食により混入する金属成分の除去が可能
であり、また、キレート化剤水溶液中にナトリウム塩、
アミン触媒等の不純物の混入が無く、キレート化剤水溶
液を繰り返し利用することが可能であり、経済的に有利
である。
【0024】また、界面重縮合法による反応により得ら
れたポリカーボネート樹脂溶液から、ポリカーボネート
樹脂固体(粉粒体など)を取り出し、この固体を有機溶
媒に溶解したポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液を用
いることもできる。
【0025】また、前記溶融法による反応により得られ
たポリカーボネート樹脂は、固体であり、この固体を有
機溶媒に溶解してポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液
として用いられる。
【0026】キレート化剤および水と混合されるポリカ
ーボネート樹脂の有機溶媒溶液の濃度は、3〜15重量
%が好ましい。
【0027】有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロ
ホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエ
タン、ブロモエタン、ブチルクロライド、クロロプロパ
ンおよびクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が挙げ
られ、特に塩化メチレンが好ましく用いられる。これら
の溶媒は単独もしくは2種以上混合して使用される。
【0028】前記キレート化剤としては、例えばジメチ
ルグリオキシム、ジチゾン、オキシン、アセチルアセト
ン、グリシン、EDTA、NTA、グルコン酸あるいは
そのアルカリ金属塩、キレート樹脂等があるが、ポリカ
ーボネート樹脂に影響しないEDTA、NTA、グルコ
ン酸あるいはそのアルカリ金属塩が好ましい。
【0029】また、キレート化剤の使用量は、ポリカー
ボネート樹脂中に混入する金属類を除去するに十分な量
であり、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して
0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部
がより好ましい。この使用量は、混入する金属量の約2
0〜2000倍に相当する。
【0030】水としては、イオン交換水等の電気伝導度
10μS/cm以下、好ましくは1μS/cm以下の水
が使用され、その使用量は、ポリカーボネート樹脂の有
機溶剤溶液とキレート化剤の水溶液との容積比で、1:
2〜1:0.1の範囲が好ましく、1:1〜1:0.2
5の範囲がより好ましい。
【0031】前記ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶
液、キレート化剤および水は、十分に混合、攪拌され、
ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液中の金属成分はキ
レート化剤水溶液中に抽出される。
【0032】本発明の精製方法において、かかる混合さ
れたポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液、キレート化
剤および水は、(ii)次いで、有機溶媒溶液相と水相
とを分離する。
【0033】有機溶媒溶液相と水相とを分離する方法
は、静置してあるいは遠心分離機等を用いて、有機溶媒
溶液相と水相とを分液させる方法が好ましく用いられ
る。遠心分離機による方法においては遠心効果500〜
15000Gの範囲が好ましい。
【0034】そして、(iii)分離して得られた有機
溶媒溶液相からポリカーボネート樹脂が回収される。ポ
リカーボネート樹脂を回収する方法としては、溶媒を除
去してポリカーボネート樹脂のフィルムあるいは粉粒体
を得る方法が好ましい。
【0035】ポリカーボネート樹脂フィルムを得る方法
としては、溶液からのキャスティング法が好ましく採用
される。キャスティング法は、一般にはダイから溶液を
押し出すキャスティング法、ドクターナイフ法等が好ま
しく用いられる。この方法は厚みの均一性に優れ、ゲ
ル、ブツ、フィッシュアイ、スクラッチ等の光学欠点の
生じない方法であり、本発明の精製方法で得られる金属
成分の低減されたポリカーボネート樹脂フィルムが好適
に使用される位相差フィルム等の光学用途において好ま
しく採用される。
【0036】ポリカーボネート樹脂粉粒体を得る方法と
しては、かかる有機溶媒溶液を熱水または水蒸気と接触
させてフレーク化または粒状化する方法、濃縮、冷却ま
たはポリカーボネート粉末を添加してゲル化させ、これ
を粉砕する方法、非溶媒あるいは貧溶媒を添加してゲル
化させ、これを粉砕または細粒化する方法などがある。
なかでも操作や後処理が簡便なことから、ポリカーボネ
ート粉粒体と温水(50〜90℃程度)との混合物が存
在する容器中に、攪拌状態で、ポリカーボネートの有機
溶媒溶液を連続的に供給して、該溶媒を蒸発させること
により、ポリカーボネートの有機溶媒溶液からポリカー
ボネート粉粒体を製造する方法が好ましく採用される。
容器としては水平軸回転形の混合機が好ましく採用され
る。
【0037】かかる方法により、生成されたポリカーボ
ネート樹脂粉粒体と温水は、好ましくは容器の上部また
は下部から連続的に排出され、次いで、ポリカーボネー
ト樹脂粉粒体中の有機溶媒および水を乾燥することなど
により除去する。
【0038】本発明において、殊にステンレス系の反応
槽、輸送配管、タンク等を用いるプラント生産では、得
られたポリカーボネート樹脂を最終的に精製して金属不
純物を除去することが重要である。これは反応槽、輸送
配管、タンク等から微量の金属が溶出し、ポリカーボネ
ート樹脂中にコンタミする場合があり、この金属のコン
タミの除去が重要であることを意味する。
【0039】本発明の精製方法によって得られたポリカ
ーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂中に含有され
る鉄分が鉄原子として0.1ppm以下が好ましく、
0.08ppm以下がより好ましい。また、鉄、クロ
ム、ニッケル、銅およびモリブデンの金属分の金属原子
としての合計量が2ppm以下が好ましく、1ppm以
下がより好ましい。かかる範囲内の金属不純物を含有し
ても、ポリカーボネート樹脂溶液に黄色の着色が生じず
好ましい。また、ポリカーボネート樹脂溶液から形成さ
れるキャスティングフィルムも黄色味が弱く、液晶ディ
スプレー用途においては、白色表示の障害となる等の不
都合を生じず好ましい。
【0040】また、本発明の精製方法によって得られた
ポリカーボネート樹脂は、そのポリマーを塩化メチレン
に溶解した溶液での20℃における極限粘度が0.35
〜1.0が好ましく、0.50〜0.80がより好まし
く、0.55〜0.80がさらに好ましい。極限粘度が
かかる範囲では、ポリカーボネート樹脂をフィルムに用
いた場合、その強度が十分であり、溶液粘度も適当で、
取り扱いが容易であり好ましい。
【0041】本発明の精製方法によって得られたポリカ
ーボネート樹脂には必要に応じて、リン酸、亜リン酸、
ホスホン酸、亜ホスホン酸およびこれらのエステルより
なる群から選択された少なくとも1種のリン化合物を配
合することができる。かかるリン化合物の配合量は、該
ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.000
1〜0.05重量部が好ましく、0.0005〜0.02
重量部がより好ましく、0.001〜0.01重量部が特
に好ましい。このリン化合物を配合することにより、か
かるポリカーボネート樹脂の熱安定性が向上し、成形時
における分子量の低下や色相の悪化が防止される。
【0042】かかるリン化合物としては、例えばトリフ
ェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチル
ホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシ
ルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニル
ホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイ
ト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジ
フェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスフ
ァイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトー
ルジホスファイト、
【0043】トリブチルホスフェート、トリメチルホス
フェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルホス
フェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェー
ト、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、
ジイソプロピルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ
−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレン
ホスホナイト、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼン
ホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピルな
どが挙げられる。なかでも、トリスノニルフェニルホス
ファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ホスファイト、トリメチルホスフェート、テトラ
キス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4
−ジフェニレンホスホナイトが好ましく使用される。
【0044】本発明の精製方法によって得られたポリカ
ーボネート樹脂には、酸化防止の目的で通常知られた酸
化防止剤を添加することができる。その例としてはフェ
ノール系酸化防止剤を示すことができ、具体的には例え
ばトリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−
3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメ
チレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジ
エチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,
9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
これら酸化防止剤の好ましい添加量の範囲はポリカーボ
ネート樹脂100重量部に対して0.0001〜0.0
5重量部である。
【0045】さらに本発明の精製方法によって得られた
ポリカーボネート樹脂には、必要に応じて一価または多
価アルコールの高級脂肪酸エステルを加えることもでき
る。
【0046】かかる高級脂肪酸エステルとしては、炭素
原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子
数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エ
ステルであるのが好ましい。また、かかる一価または多
価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エ
ステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステア
リン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、
ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリス
リトールテトラステアレート、プロピレングリコールモ
ノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチル
パルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレー
ト、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルス
テアレートなどが挙げられ、なかでも、ステアリン酸モ
ノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレー
トが好ましく用いられる。
【0047】かかるアルコールと高級脂肪酸とのエステ
ルの配合量は、該ポリカーボネート樹脂100重量部に
対して0.01〜2重量部であり、0.015〜0.5
重量部が好ましく、0.02〜0.2重量部がより好ま
しい。配合量がこの範囲内であれば離型性に優れ、また
離型剤がマイグレートし金属表面に付着することもなく
好ましい。
【0048】本発明の精製方法によって得られたポリカ
ーボネート樹脂には、さらに光安定剤、着色剤、帯電防
止剤、滑剤、充填剤などの添加剤、他の熱可塑性樹脂を
本発明の目的を損なわない範囲で少割合添加することも
できる。
【0049】本発明において、好ましく用いられる全二
価フェノール成分の5〜95モル%が9,9−ビス(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、95
〜5モル%が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンから得られるポリカーボネート共重合体から得
られたフィルムは、色相、耐熱性に優れ、このフィルム
の両面にガスバリヤー膜、耐溶剤膜を付けたり、透明導
電膜や偏光板と共に液晶基板用フィルム(プラセル基
板)または位相差フィルム等の液晶ディスプレー用フィ
ルムとして好適に用いられ、具体的には、ポケベル、携
帯電話、ハンディーターミナル、種々の表示素子等に有
利に使用することができる。
【0050】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお実施例中の部は重量部であり、%は重量%であ
る。なお、評価は下記の方法によった。 (1)ポリマー溶液のb値:試料10gを50mlの塩
化メチレンに溶解し光路長30mmの試料管にて日本電
色(株)色差計300Aを用いて測定した。 (2)極限粘度:ポリマー0.7gを塩化メチレン10
0mlに溶解し20℃の温度で測定した比粘度(ηsp
を次式に挿入し、ビスフェノールAより得られるポリカ
ーボネート樹脂の極限粘度に換算して求めた。 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) c=0.7
【0051】(3)ガラス転移点(Tg):デュポン社
製910型DSCにより測定した。 (4)フィルムのb値:実施例で得られた厚み0.2m
mのフィルムを、C光源により日立U−3000分光光
度計を用いて測定した。 (5)全光線透過率:ASTM D−1003に準拠し
て日本電色(株)シグマ80により測定した。 (6)金属含有量:試料10gを精秤し、この試料を3
00℃で4時間、さらに800℃で4時間処理し、灰化
させた後、残留物を塩酸水溶液としてICP分析した。
【0052】[実施例1]温度計、撹拌機、還流冷却器
付き反応器にイオン交換水19698部、48%水酸化
ナトリウム水溶液3322部を入れ、9,9−ビス(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下
“ビスクレゾールフルオレン”と略称することがある)
1549.5部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(以下“ビスフェノールA”と略称するこ
とがある)2180.8部およびハイドロサルファイト
6部を溶解した後、塩化メチレン14550部を加え
て、撹拌下15〜25℃でホスゲン1595部を60分
を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−t
ert−ブチルフェノール30.7部を塩化メチレン2
64部に溶解した溶液および48%水酸化ナトリウム水
溶液553.7部を加え、乳化後、トリエチルアミン
4.6部を加えて28〜33℃で1時間撹拌して反応を
終了した。
【0053】反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈
して(5.0重量%濃度のポリカーボネートの塩化メチ
レン溶液)、この塩化メチレン溶液を水洗したのち、塩
酸酸性にして水洗し、次いで、グルコン酸ナトリウム
6.4部(ポリカーボネート100重量部に対して0.
16部)を水に溶解した溶液を塩化メチレン溶液に加え
て(塩化メチレン溶液とキレート化剤の水溶液との容積
比は、1:0.5)、混合、攪拌し、その後静置分離し
て、塩化メチレン相を分離し、さらに水洗を繰り返し、
水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところ
で、塩化メチレン相を濃縮、脱水してポリカーボネート
濃度が20重量%の溶液を得た。
【0054】この溶液から溶媒を除去して得たポリカー
ボネートはビスクレゾールフルオレンとビスフェノール
Aとの構成単位の比がモル比で30:70であった(ポ
リマー収率97%)。またこのポリマーの極限粘度は
0.720、Tgは190℃であった。また、このポリ
カーボネート中に含まれる金属不純物をICP分析によ
り測定したところ、鉄0.05ppm、ニッケル0.0
8ppm、クロム0.1ppm、銅0.1ppmおよび
モリブデン0.12ppmであり、その合計量は0.4
5ppmであった。このポリマー10gを50mlの塩
化メチレンに溶解した溶液の光路長30mmでの色相は
b値が5.2で20℃、35℃でそれぞれ5日間放置し
てもb値の変化はなかった。このポリカーボネート溶液
を20℃でTダイより移動しているステンレス板上に流
延し、徐々に温度を上げながら塩化メチレンを蒸発し、
ステンレス板より剥離して更に加熱して塩化メチレンを
除去して200μmの厚みのフィルムを得た。このフィ
ルムのb値は0.55、全光線透過率は90%であっ
た。
【0055】[実施例2]実施例1のビスクレゾールフ
ルオレンの使用量を2537部、ビスフェノールAの使
用量を1530部とする以外は実施例1と同様にして、
ビスクレゾールフルオレンとビスフェノールAとの構成
単位の比がモル比で50:50であるポリマー20%溶
液を得た(ポリマー収率96%)。このポリマーの極限
粘度は0.680、Tgは204℃であった。また、こ
のポリカーボネート中に含まれる金属不純物をICP分
析により測定したところ、鉄0.04ppm、ニッケル
0.21ppm、クロム0.1ppm、銅0.2ppm
およびモリブデン0.2ppmであり、その合計量は
0.75ppmであった。このポリカーボネートの塩化
メチレン溶液の色相を実施例1と同様にして評価したと
ころ、表1に示すとおり初期値、経時変化ともに良好で
あった。このポリカーボネート溶液を実施例1と同様の
方法により200μmの厚みのフィルムを得た。このフ
ィルムのb値は0.61、全光線透過率は90%であっ
た。
【0056】[実施例3]実施例1のビスクレゾールフ
ルオレンの使用量を3553.2部、ビスフェノールA
の使用量を917.4部とし、グルコン酸ナトリウムの
代わりにEDTAを用いる以外は実施例1と同様にし
て、ビスクレゾールフルオレンとビスフェノールAとの
構成単位のモル比が70:30であるポリマー20%溶
液を得た(ポリマー収率95%)。このポリマーの極限
粘度は0.651、Tgは230℃であった。また、こ
のポリカーボネート中に含まれる金属不純物をICP分
析により測定したところ、鉄0.05ppm、ニッケル
0.2ppm、クロム0.2ppm、銅0.2ppm、
およびモリブデン0.3ppmであり、その合計量は
0.95ppmであった。このポリカーボネートの塩化
メチレン溶液の色相を実施例1と同様にして評価したと
ころ、表1に示すとおり初期値、経時変化ともに良好で
あった。このポリカーボネート溶液を実施例1と同様の
方法により200μmの厚みのフィルムを得た。このフ
ィルムのb値は0.73、全光線透過率は90%であっ
た。
【0057】[比較例1]EDTAを用いない以外は実
施例3と同様にして20%のポリカーボネート溶液(ポ
リマー収率98%)を得た。このポリマーの極限粘度は
0.649、Tgは229℃であった。このポリカーボ
ネート中に含まれる金属不純物をICP分析により測定
したところ、鉄2.15ppm、ニッケル1.0pp
m、クロム0.5ppm、銅0.5ppm、およびモリ
ブデン1.0ppmであり、その合計量は5.15pp
mであった。このポリカーボネートの塩化メチレン溶液
の色相を実施例3と同様に評価したところ、表1に示し
たとおり初期値、経時変化ともに大きく、色相劣化が起
こった。このポリカーボネート溶液を実施例3と同様の
方法により200μmの厚みのフィルムを得た。このフ
ィルムのb値は0.95、全光線透過率は90%であっ
た。
【0058】[比較例2]グルコン酸ナトリウムを用い
ない以外は実施例2と同様にして20%のポリカーボネ
ート溶液(ポリマー収率99%)を得た。このポリマー
の極限粘度は0.675、Tgは206℃であった。こ
のポリカーボネート中に含まれる金属不純物をICP分
析により測定したところ、鉄1.85ppm、ニッケル
0.7ppm、クロム0.8ppm、銅1.0ppm、
およびモリブデン1.0ppmであり、その合計量は
5.35ppmであった。このポリカーボネートの塩化
メチレン溶液の色相を実施例2と同様に評価したとこ
ろ、表1に示したとおり初期値、経時変化ともに大き
く、色相劣化が起こった。このポリカーボネート溶液を
実施例2と同様の方法により200μmの厚みのフィル
ムを得た。このフィルムのb値は0.88、全光線透過
率は90%であった。
【0059】[比較例3]実施例1のビスクレゾールフ
ルオレンの使用量を3553.2部、ビスフェノールA
の使用量を917.4部とし、グルコン酸ナトリウムを
ホスゲン吹き込み前に添加し、重合反応終了後、グルコ
ン酸ナトリウムを加えないこと以外は、実施例1と同様
にして20%のポリカーボネート溶液(ポリマー収率9
9%)を得た。このポリマーの極限粘度は0.653、
Tgは230℃であった。このポリカーボネート中に含
まれる金属不純物をICP分析により測定したところ、
鉄0.85ppm、ニッケル0.5ppm、クロム0.
4ppm、銅0.6ppmおよびモリブデン0.5pp
mであり、その合計量は2.85ppmであった。この
ポリカーボネートの塩化メチレン溶液の色相を実施例1
と同様に評価したところ、表1に示したとおり初期値、
経時変化ともに大きく、色相劣化が起こった。このポリ
カーボネート溶液を実施例1と同様の方法により200
μmの厚みのフィルムを得た。このフィルムのb値は
0.80、全光線透過率は90%であった。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明の精製方法は、簡便な方法で、効
率的に金属性不純物量が低減されたポリカーボネート樹
脂が得られ、かかるポリカーボネート樹脂は、殊に溶液
での色相の経時劣化が極めて少ない、色相および透明性
の良好なフィルムを付与するポリカーボネート樹脂であ
り、プラセル基板、位相差フィルム等の液晶ディスプレ
ー用フィルム材料として好適に用いられる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA10 AB04 AB05 AC01 AD10 BB05A BB05B BB10A BB12A BB12C BB13A BB13B BB16A BD09A BD09B BD09C FA07 HA01 HC01 HC02 HC04A HC05A JA091 JA301 JB131 JB171 JC031 JC091 JC631 JC711 JC731 JC751 JF031 JF041 JF131 JF141 JF161 JF181 JF221 JF321 JF331 JF361 JF371 JF471 JF541 KE02 KE03 KE05 KE11 KH04 KH05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂を精製する方法で
    あって、(i)ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液、
    ポリカーボネート樹脂中に混入する金属類を除去するに
    十分な量のキレート化剤および水を混合し、(ii)次
    いで、有機溶媒溶液相と水相とを分離し、(iii)得
    られた有機溶媒溶液相からポリカーボネート樹脂を回収
    することを特徴とするポリカーボネート樹脂の精製方
    法。
  2. 【請求項2】 キレート化剤の使用量が、ポリカーボネ
    ート樹脂100重量部に対して0.01〜1重量部であ
    る請求項1記載のポリカーボネート樹脂の精製方法。
  3. 【請求項3】 キレート化剤が、EDTA、NTA、グ
    ルコン酸あるいはそのアルカリ金属塩またはキレート樹
    脂である請求項1記載のポリカーボネート樹脂の精製方
    法。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液
    が、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液とカーボネ
    ート前駆体とを界面縮重合法で反応させて得られるポリ
    カーボネート樹脂の有機溶媒溶液を水洗および酸処理し
    た後に分離したポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液で
    ある請求項1記載のポリカーボネート樹脂の精製方法。
JP2000080074A 2000-03-22 2000-03-22 ポリカーボネート樹脂の精製方法 Pending JP2001261812A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000080074A JP2001261812A (ja) 2000-03-22 2000-03-22 ポリカーボネート樹脂の精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000080074A JP2001261812A (ja) 2000-03-22 2000-03-22 ポリカーボネート樹脂の精製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001261812A true JP2001261812A (ja) 2001-09-26

Family

ID=18597232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000080074A Pending JP2001261812A (ja) 2000-03-22 2000-03-22 ポリカーボネート樹脂の精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001261812A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008029746A1 (fr) * 2006-09-01 2008-03-13 Teijin Limited Polycarbonate ayant un composant d'origine végétale et procédé de fabrication de celui-ci
CN101397366B (zh) * 2007-09-28 2012-04-11 吉林金源北方科技发展有限公司 一种二氧化碳—环氧化物共聚物的规模化精制方法
KR20170027273A (ko) * 2015-09-01 2017-03-09 주식회사 엘지화학 금속 불순물이 적은 폴리카보네이트 수지의 제조 방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008029746A1 (fr) * 2006-09-01 2008-03-13 Teijin Limited Polycarbonate ayant un composant d'origine végétale et procédé de fabrication de celui-ci
US7906612B2 (en) 2006-09-01 2011-03-15 Teijin Limited Plant-derived component-containing polycarbonates and process for their production
CN101397366B (zh) * 2007-09-28 2012-04-11 吉林金源北方科技发展有限公司 一种二氧化碳—环氧化物共聚物的规模化精制方法
KR20170027273A (ko) * 2015-09-01 2017-03-09 주식회사 엘지화학 금속 불순물이 적은 폴리카보네이트 수지의 제조 방법
KR102173027B1 (ko) * 2015-09-01 2020-11-02 주식회사 엘지화학 금속 불순물이 적은 폴리카보네이트 수지의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5618991B2 (ja) 分子量調整のためのアルキルフェノールおよび改良された特性を有するコポリカーボネート
JP5682516B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物および成形品
JP3830983B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート組成物
JPH0662752B2 (ja) 光情報材料
JPH0794546B2 (ja) 芳香族ポリカーボネートの製造方法及びそれによって得られた結晶性芳香族ポリカーボネート粉体
JP2011511869A (ja) 分子量調節用アルキルフェノールおよび特性が改良されたポリカーボネート組成物
JP5355330B2 (ja) 射出成形用ポリアリレート樹脂、およびポリアリレート樹脂組成物
JP4694502B2 (ja) 低含量の揮発性化合物を有するポリカーボネートのトランスエステル化法による製造方法
JP2000351844A (ja) ポリカーボネートの製造方法
JPH0543670A (ja) ポリアリレートおよびその製造方法
JP2003531926A (ja) 加水分解安定性に優れたポリカーボネート
JP2001261812A (ja) ポリカーボネート樹脂の精製方法
JP6176066B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP3365444B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート及びその製造法
JPH08277236A (ja) ジヒドロキシ化合物混合物および重合体
KR100707332B1 (ko) 폴리카르보네이트의 제조 방법
JP2015160942A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
US20030125504A1 (en) Product from melt of wholly aromatic polyester and aromatic polycarbonate and process for producing the same
JP4933704B2 (ja) ポリカーボネート樹脂溶液の製造方法
JP4326660B2 (ja) 芳香族ポリカーボネートの製造方法、及び該方法により分子量変換された芳香族ポリカーボネート
JP3681604B2 (ja) ポリカーボネート共重合体
JP2012067312A (ja) 芳香族ポリカーボネートの製造方法
JP3296030B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造法
JP5092182B2 (ja) ポリカーボネートの製造法
JP2000136239A (ja) ポリカーボネートの製造方法