JP2001261448A - セラミックグリーンシートの製造方法 - Google Patents

セラミックグリーンシートの製造方法

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JP2001261448A JP2000076206A JP2000076206A JP2001261448A JP 2001261448 A JP2001261448 A JP 2001261448A JP 2000076206 A JP2000076206 A JP 2000076206A JP 2000076206 A JP2000076206 A JP 2000076206A JP 2001261448 A JP2001261448 A JP 2001261448A
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訓 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層セラミックコンデンサ等の積層セラミッ
ク電子部品の高性能化に対応した薄膜、高性能のセラミ
ックグリーンシートの製造方法を提供することを目的と
するものである。 【解決手段】 セラミック原料粉末、樹脂バインダー、
可塑剤及び有機溶剤等を混合分散したスラリー32をフ
ィルター36,39,42で濾過を行いスラリー32に
含まれる異物、凝集物を取り除いた後、このスラリー4
4を用いてシート成形を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層セラミックコン
デンサ等のセラミック電子部品に用いるセラミックグリ
ーンシートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、積層セラミックコンデンサの小形
大容量化に伴い、セラミックグリーンシートの薄膜化が
進み、これに対応しセラミックグリーンシートの品質を
向上させるために、粒径の小さいセラミック原料粉末が
使用されるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粒径の
小さいセラミック原料粉末を用いるセラミックグリーン
シートの製造方法によると、セラミック原料粉末の凝集
性が高くなり、スラリー製造工程で十分にセラミック原
料粉末を分散させることが困難となると共に、分散に長
時間を要する。
【0004】セラミック原料粉末の分散が不十分で異
物、凝集物を含むスラリーで作製したセラミックグリー
ンシートを用いた積層セラミックコンデンサ等のセラミ
ック電子部品は、焼結体内にピンホール、ボイド等が生
じる。このため得られたセラミック電子部品は耐電圧の
低下、内部電極間のショート不良、または長期間の使用
において特性劣化等が発生し信頼性が低下するという問
題点を有していた。
【0005】本発明は前記従来の問題点を解決するもの
で、品質の優れたセラミックグリーンシートの製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、セラミック粉末、樹脂バインダー、可塑剤
及び有機溶剤等を混合分散してスラリー化し、次にこの
スラリーをフィルターで濾過してスラリーに含まれる異
物、凝集物を取り除いた後、このスラリーを用いてシー
ト成形を行うことにより所期の目的を達成するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、セラミック粉末、樹脂バインダー、可塑剤及び有機
溶剤等を混合分散したスラリーをフィルターで濾過を行
いスラリーに含まれる異物、凝集物を取り除いた後、こ
のスラリーを用いてシート成形を行うセラミックグリー
ンシートの製造方法であり、この方法で成形したセラミ
ックグリーンシートには異物、凝集物による欠陥が少な
く、このセラミックグリーンシートを用いて作製したセ
ラミック電子部品は耐電圧の低下、ショート不良の発生
と、長期間の使用における特性劣化が防止され信頼性の
高いものとなる。
【0008】請求項2に記載の発明は、フィルターで濾
過する異物、凝集物の大きさを、このスラリーを用いて
成形するセラミックグリーンシートの厚みと同等又はそ
れより大きいものを少なくとも除去する請求項1に記載
のセラミックグリーンシートの製造方法であり、これは
除去する異物、凝集物の大きさを規定したもので、この
スラリーで作製したセラミックグリーンシートは表面が
平坦で、しかもセラミックグリーンシートの厚さ以上の
異物、凝集物が存在しないため、このセラミックグリー
ンシートは積層性に優れていると共に、作製したセラミ
ック電子部品にはピンホール、ボイドの発生が少なく、
耐電圧の低下、長期信頼性の優れたものとなる。特に積
層セラミックコンデンサ等のようにセラミックグリーン
シートと内部電極層とを交互に積層する製品において
は、内部電極間のショート不良の発生を大幅に低減する
ことができる。
【0009】請求項3に記載の発明は、異物、凝集物を
多段フィルターを用い粒径の大きいものから小さいもの
へと順次濾過を行う請求項1に記載のセラミックグリー
ンシートの製造方法であり、これは濾過に用いるフィル
ターの目詰まりを低減して効率よく、効果的に異物、凝
集物を除去する方法を示したもので、最終段でのフィル
ターメッシュを調節することによりセラミックグリーン
シート成形体の厚さより大きい異物、凝集物を容易に除
去することが可能となる。
【0010】請求項4に記載の発明は、セラミック粉末
を予め有機溶剤を用い湿潤分散を行った後、これに有機
バインダー等を混合し、分散を行う請求項1に記載のセ
ラミックグリーンシートの製造方法であり、この方法を
用いることにより分散性に優れ凝集物の少ないスラリー
が容易に得られ、スラリーの濾過をより効率的に行うこ
とができると共に、成形体内に凝集物の少ない一層高品
質のセラミックグリーンシートを得ることができる。
【0011】本発明の請求項5に記載の発明は、濾過す
るスラリーは、セラミック粉末に対し有機溶剤65〜8
5重量部の混合分散体で、かつそのスラリー粘度が10
0〜1000cpsである請求項1に記載のセラミック
グリーンシートの製造方法であり、これはセラミック粉
末を比較的短時間で凝集物が少なく、十分に分散を行う
ことができる組成と、濾過が容易にできる適正粘度を規
定すると共に、成形性に優れた適正粘度のスラリーを規
定したものであり、このスラリーを用いて作製したセラ
ミックグリーンシートは成形体内に凝集物が少なく一層
高品質のセラミックグリーンシートを得ることができ
る。
【0012】以下、本発明の実施の形態を積層セラミッ
クコンデンサを用い説明する。
【0013】(実施の形態1)図1は本発明のセラミッ
クグリーンシートの製造工程図、図2は製造工程中の濾
過工程を示す詳細図、図3は積層セラミックコンデンサ
の部分切り欠き斜視図である。
【0014】積層セラミックコンデンサは公知の製造方
法に従って作製され、得られた積層セラミックコンデン
サは図3に示すように誘電体セラミック層1と内部電極
2とを交互に複数層積層すると共に、相対向する両端面
に内部電極2の一方の端部を露出させ、これと電気的に
接続するように両端部に外部電極3を形成したものであ
る。この外部電極3間で静電容量が発生し、内部電極2
間で高い絶縁性が要求される。
【0015】以下、本発明のセラミックグリーンシート
の製造方法を説明する。
【0016】先ず、図1に従って主原料のチタン酸バリ
ウムに所定量の各種酸化物を加えボールミルで所定時間
湿式混合11した後、混合物を脱水乾燥12する。
【0017】次に、乾燥済み材料を所定温度で仮焼13
を行う。次いで、仮焼材料をボールミルで平均粒径(D
50)が0.75μmとなるまで湿式粉砕14した後、脱
水乾燥15しチタン酸バリウムを主成分とするセラミッ
ク原料粉末を作製する。
【0018】その後、有機溶剤として酢酸ブチルとブチ
ルセロソルブを重量比80:20に配合したものと、可
塑剤としてブチルベンジルフタレートをセラミック原料
粉末に対し(表1)に示す量加え、媒体攪拌ミルで2時
間湿潤分散16を行った後、更にバインダーとしてポリ
ビニルブチラールを(表1)に示す量加え1時間分散1
7を行いスラリー化した。
【0019】
【表1】
【0020】次に、分散17を終えたスラリー32の濾
過18を行う。濾過18は、図2に示すように容器31
に収納したスラリー32を、管33を通じて日本ポール
(株)製カートリッジグレード300のフィルター材3
6を装着した第一段目の濾過器37にポンプ34で圧送
し、スラリー32に含まれる17μm以上の異物、凝集
物の除去に続いて、同社製のカートリッジグレード20
0のフィルター材39を装着した第二段目の濾過器40
へ圧送し、スラリー32に含まれる10μm以上の異
物、凝集物を、更に同社製のカートリッジグレード10
0のフィルター材42を装着した第三段目の濾過器43
に圧送し、スラリー32に含まれる4μm以上の異物、
凝集物の除去を行い容器45に濾過18後のスラリー4
4を収納する。
【0021】尚35,38,41は圧力ゲージでスラリ
ー32の送られる圧力をチェックしフィルター材36,
39,42の目詰まり、濾過18の状況を把握するため
のものである。またフィルター材36,39,42は不
織製のフェルト状のものを用いた。尚、フィルター材3
6,39,42は日本ポール(株)製カートリッジグレ
ードと等価のものであればこれに限定されるものではな
く、また三段階の濾過18に限定されるものでもない。
【0022】次いで、異物、凝集物を除去したスラリー
44を公知のセラミックグリーンシートの製造方法を用
い走行するキャリアフィルム(図示せず)上に塗工して
シート成形19した後、乾燥20し厚さ5μmの誘電体
セラミック層1用のセラミックグリーンシートを作製し
た。
【0023】その後、公知の積層セラミックコンデンサ
の製造方法に従って、それぞれのセラミックグリーンシ
ート面に内部電極2用の電極ペーストを印刷し、内部電
極2を印刷したセラミックグリーンシートを350層積
層し積層体グリーンブロック(図示せず)を作製した
後、これを所定のグリーンチップ(図示せず)形状に切
断を行った。またこれとは別に比較例として分散17後
にスラリー32を濾過しない従来製造方法のセラミック
グリーンシートを用い同条件でグリーンチップの作製も
行った。
【0024】次に、それぞれのグリーンチップを所定温
度で焼成した後、焼結体の両端面に外部電極3を形成し
図3に示す積層セラミックコンデンサを完成させた。得
られたそれぞれの積層セラミックコンデンサについて昇
電圧破壊試験を行い、その結果を(表2)に示す。
【0025】
【表2】
【0026】(表2)に示すように、本発明のセラミッ
クグリーンシートの製造方法によるセラミックグリーン
シートを用いた積層セラミックコンデンサは250V以
下で破壊するものが無く、また破壊電圧のバラツキが少
ないのに対し、従来品は250V以下で40%以上が破
壊することが分かる。本発明の製造方法はスラリー32
内に含まれる4μm以上の異物、凝集物を取り除くこと
により、得られたセラミックグリーンシートは異物によ
る筋状の窪みやピンホールが無く表面が平坦であるた
め、その表面に形成した内部電極2は平面的で積層性に
優れている。
【0027】またこれを用い作製した積層セラミックコ
ンデンサは焼結過程でセラミックグリーンシートに含ま
れる異物とチタン酸バリウムとの反応によるピンホール
の発生、またセラミックグリーンシートのセラミック原
料粉末の凝集粒間に捕捉されている気体によるピンホー
ル、ボイドの発生が少なくないためチタン酸バリウムセ
ラミック本来の単位厚み当たりの限界耐電圧破壊特性と
ほぼ同レベルに近くなっていることを示している。この
ことはセラミック原料粉末を分散17したスラリーを、
本発明の製造方法のように所定のフィルターで濾過18
し、異物、凝集物を除去することで得られた積層セラミ
ックコンデンサの信頼性を高めることができることを示
している。
【0028】(実施の形態2)実施の形態1の分散17
の工程でスラリー32を、(A)カートリッジグレード
300のフィルター材36を装着した第一段目の濾過器
37のみで17μm以上の異物、凝集物の濾過18除去
したもの、(B)カートリッジグレード200のフィル
ター材39を装着した第二段目の濾過器40までで10
μm以上の異物、凝集物を濾過18除去したもの、
(C)カートリッジグレード100のフィルター材42
を装着した第三段目の濾過器43までで4μm以上の異
物、凝集物を濾過18除去したもの、これら三種類のス
ラリー44を用い乾燥後の厚みが5μm、10μmのセ
ラミックグリーンシート成形19、乾燥20を行った。
【0029】次に、作製したそれぞれのセラミックグリ
ーンシート面に実施の形態1と同様に公知の積層セラミ
ックコンデンサの製造方法に従って、それぞれのセラミ
ックグリーンシート面に内部電極2用の電極ペーストを
印刷し、内部電極2を印刷した5μmのセラミックグリ
ーンシートは350層、10μmのセラミックグリーン
シートは200層積層し、それぞれの積層体グリーンブ
ロックとした後、実施の形態1と同条件で積層セラミッ
クコンデンサを作製した。
【0030】得られた積層セラミックコンデンサの昇電
圧破壊試験を行いその結果を(表3)に示した。
【0031】
【表3】
【0032】(表3)に示すように、第三段階までのフ
ィルター42で異物、凝集物を濾過18除去した試料
(C)はグリーンシートの厚みが5μmでは250V以
上、10μmでは350V以上まで破壊が発生しない。
第二段階までのフィルター39で異物、凝集物を濾過1
8除去した試料(B)はグリーンシートの厚みが5μm
では200V以下でも破壊するものが発生し、10μm
では250Vまで破壊が発生しない。また第一段階まで
のフィルター36で異物、凝集物を濾過18除去した試
料(A)はグリーンシートの厚みが5μm、10μmと
も200V以下での破壊が多発する。
【0033】何れの場合においても成形するセラミック
グリーンシートの厚さより大きい異物、凝集物を濾過1
8除去することにより耐昇電圧破壊性能を上昇させるこ
とができることが分かる。即ちシート成形19する厚み
が薄くなるほど、シート成形19の厚さより少なくとも
小さな異物、凝集物を十分に濾過18除去することが耐
昇電圧破壊性能を向上させるには必要条件であることが
明らかとなる。
【0034】(実施の形態3)実施の形態1の分散17
工程で作製したスラリー32の50Lを、(D)第一段
目、第二段目の濾過18を省略し第三段目のカートリッ
ジグレード100のフィルター42のみで4μm以上の
異物、凝集物の濾過18除去と、(E)実施の形態1と
同様に第一段目のフィルター36、第二段目のフィルタ
ー39、第三段目のフィルター42と全てのフィルター
を用い大きい方から小さいものと段階的に通過させ4μ
m以上の異物、凝集物の濾過18除去を行った。前記2
種類のスラリー44の濾過18に要した時間と、圧力ゲ
ージ41の圧力及び濾過18後のスラリー44に含まれ
る異物、凝集物の状態の検査を行った。
【0035】その結果、前記試料(E)の全てのフィル
ター36,39,42を用いた場合、スラリー32の濾
過18の時間は100分で、圧力ゲージ41の圧力には
異常がなく(1kg/cm2以下)、しかも濾過18後
のスラリー44には4μm以上の異物、凝集物が検出す
ることができなかったのに対し、試料(D)はスラリー
32の15Lを濾過18した段階で圧力ゲージ41の圧
力が急激に上昇し(2.5kg/cm2以上)濾過18
が困難となると共に、スラリー50Lを濾過するのに2
50分を要し、濾過18後のスラリー44には4μm以
上の異物、凝集物が検出された。
【0036】これは第三段目のカートリッジグレード1
00のフィルター42が粗い異物、凝集物で目詰まりが
発生し濾過18の効率を低下させたことが圧力ゲージ4
1の圧力上昇で分かる。またフィルター42がスラリー
32の圧力で破壊され大きな異物、凝集物が濾過18後
のスラリー44の混入したものである。このことから分
散17後のスラリー44は大きい方から小さいものへと
順次、多段のフィルター36,39,42を用いると濾
過18の効率を良くし、かつシート成形性に優れたスラ
リー44が得られることが明らかとなる。
【0037】(実施の形態4)実施の形態1の脱水乾燥
15工程で作製したチタン酸バリウム粉末に対し(表
1)に示す量の有機溶剤、可塑剤、樹脂バインダーを同
時に加え、湿潤分散16工程を省略し、3時間分散17
を行ったスラリー32の試料(F)50Lと、実施の形
態1と同条件で正規に有機溶剤、可塑剤を加え2時間媒
体攪拌ミルでの湿潤分散16に続いて、樹脂バインダー
を加えて1時間の分散17を行ったスラリー32の試料
(E)50Lについて、それぞれ3段階のフィルター3
6,39,42を用い濾過18を行い、濾過18に要し
た時間と、濾過18後のスラリー44に含まれる4μm
以上の凝集物を検査した。
【0038】その結果、前記の正規工程の試料(E)は
100分で濾過18が終了するのに対し、試料(F)は
300分を要し、しかも濾過18後のスラリー44に4
μm以上の凝集物が検出された。このことからセラミッ
ク原料粉末に有機溶剤、可塑剤を加え予め2時間の湿潤
分散16をした後、樹脂バインダーを加えて1時間の分
散17を行うことによりセラミック原料粉末のスラリー
32内での分散性が向上し、凝集物が少ないため濾過1
8の時間が短くなることが分かる。これに対し試料
(F)の場合、樹脂バインダーを同時に加えるためスラ
リー32の粘度が高くなると共に、凝集したセラミック
原料粉末の周囲を樹脂バインダーが覆ってしまうため更
に分散性を低下させるものと思われる。
【0039】(実施の形態5)実施の形態1の脱水乾燥
15工程で作製したチタン酸バリウム原料粉末に対し
(表4)に示すように有機バインダー、可塑剤、有機溶
剤の量を変化させて3−1〜3−5のスラリー32を作
製した。尚、可塑剤、有機溶剤は何れもセラミック原料
粉末に加え、予め媒体攪拌ミルで2時間の湿潤分散16
した後に有機バインダーを加え1時間の分散17を行っ
た。
【0040】得られたスラリー32の濾過性及び粘度
と、濾過18後のそれぞれのスラリー44を用い厚さ5
μmのセラミックグリーンシート成形19での成形性を
評価しその結果を併せて(表4)に示した。
【0041】
【表4】
【0042】(表4)に示すように、有機溶剤の量が多
くなるに従ってスラリー32の粘度が低くなり濾過性が
良くなるが、一方、有機溶剤の量が85重量部より多く
なると、セラミックグリーンシート成形19の際に、離
型処理を施してあるキャリアフィルムからの“はじき”
が生じ得られたセラミックグリーンシートのピンホール
の要因となる。また、有機溶剤の量が65重量部より少
なくなるとスラリー粘度が急激に上昇し濾過性が悪化す
るため好ましくない。従って濾過性、セラミックグリー
ンシート成形性が良好な、粘度0.1〜1000cps
のスラリー44を得るためには有機溶剤量をセラミック
原料粉末に対し65〜85重量部に制御する必要がある
ことが分かる。尚、樹脂バインダーをセラミック原料粉
末に対し7.5重量部、可塑剤を3.2重量部と一定に
したのは、これらはスラリー32の濾過性、シート成形
性に対する寄与度が低いためである。
【0043】しかしながら樹脂バインダー量が7重量部
より少なくなると、作製したセラミックグリーンシート
を積層する際のセラミックグリーンシートどうしの接着
性が低下する。また85重量部より多くなるとシート成
形19したセラミックグリーンシートの乾燥性が低下し
長時間の乾燥20を要するため、樹脂バインダーはセラ
ミック原料粉末に対し7〜8.5重量部に制御すること
が望ましい。
【0044】一方、可塑剤は3重量部より少なくなると
乾燥20したセラミックグリーンシートの堅さが増し、
セラミックグリーンシートの柔軟性が低下し積層する際
のセラミックグリーンシートどうしの接着性が悪くなる
と共に、保管時の温度に対する柔軟性の依存度が強くな
る。また3.6重量部より多くなるとセラミックグリー
ンシートが柔らかくなりすぎ積層する際のセラミックグ
リーンシートの伸びが大きくなりセラミックグリーンシ
ート面に形成した内部電極2の位置ずれが生じ易くなる
ために、可塑剤はセラミック原料粉末に対し3〜3.6
重量部に制御することが望ましい。
【0045】
【発明の効果】以上本発明のようにスラリーを濾過し、
スラリー内に含まれる異物、凝集物を除去したスラリー
を用いて製造されるセラミックグリーンシートはポア
ー、ボイド等が少なく、セラミックグリーンシートの成
形性と、積層性が向上する。またこれを用いて作製した
セラミック積層電子部品は耐電圧の低下、ショート不
良、長期間の使用において信頼性の劣化等の発生を防ぎ
信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のセラミックグリーンシ
ートの製造工程図
【図2】同製造工程中の濾過工程を示す詳細図
【図3】積層セラミックコンデンサの部分切り欠き斜視
【符号の説明】
1 誘電体セラミック層 2 内部電極 3 外部電極 11 湿式混合 12 脱水乾燥 13 仮焼 14 湿式粉砕 15 脱水乾燥 16 湿潤分散 17 分散 18 濾過 19 シート成形 20 乾燥 31,45 容器 32 濾過前のスラリー 33 パイプ 34 ポンプ 35,38,41 圧力ゲージ 36 第一段目のフィルター 37 第一段目の濾過器 39 第二段目のフィルター 40 第二段目の濾過器 42 第三段目のフィルター 43 第三段目の濾過器 44 濾過後のスラリー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック粉末、樹脂バインダー、可塑
    剤及び有機溶剤等を混合分散したスラリーをフィルター
    で濾過を行いスラリーに含まれる異物、凝集物を取り除
    いた後、このスラリーを用いてシート成形を行うセラミ
    ックグリーンシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 フィルターで濾過する異物、凝集物の大
    きさを、このスラリーを用いて成形するセラミックグリ
    ーンシートの厚みと同等又はそれより大きいものを少な
    くとも除去する請求項1に記載のセラミックグリーンシ
    ートの製造方法。
  3. 【請求項3】 異物、凝集物を多段フィルターを用い粒
    径の大きいものから小さいものへと順次濾過を行う請求
    項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  4. 【請求項4】 セラミック粉末を予め有機溶剤を用い湿
    潤分散を行った後、これに有機バインダー等を混合し、
    分散を行う請求項1に記載のセラミックグリーンシート
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 濾過するスラリーは、セラミック粉末に
    対し有機溶剤65〜85重量部の混合分散体で、かつそ
    のスラリー粘度が100〜1000cpsである請求項
    1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
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