JP2001261324A - クロロシラン類の回収方法 - Google Patents

クロロシラン類の回収方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】冶金級シリコンを塩素化或いは水素化塩素化し
て得られる、塩化アルミニウム等の不純物を含有するク
ロロシラン類から、クロロシラン類を高回収率で回収す
る方法を提供する。 【解決手段】塩化アルミニウムを含有するクロロシラン
類液からクロロシラン類を蒸発せしめて回収する方法に
おいて、上記クロロシラン類の蒸発を薄膜蒸発法により
行い、且つ、塩化アルミニウムの濃縮物を液状で取り出
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冶金級シリコンを
塩素化或いは水素塩素化して得られる、塩化アルミニウ
ム等の不純物を含有するクロロシラン類液から、クロロ
シラン類を高回収率で且つ長期間に亘ってスケーリング
を防止しながら回収する方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】冶金級シリコンを塩素化または水素化塩
素化して得られるクロロシラン類は、冶金級シリコン中
に通常的に0.01〜10重量%程度含有されているア
ルミニウム、鉄、チタン等の成分が同時に塩素化或いは
水素化塩素化されることにより、これらの塩化物であ
る、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化チタン等を不純物
として含有する。
【0003】これらの金属塩化物は、半導体級高純度シ
リコンや太陽光発電級シリコンの製造工程において、好
ましくない不純物となるためにクロロシラン類から分離
除去する必要がある。
【0004】一般的にこれらの金属塩化物は、トリクロ
ロシラン(以下、TCSとする)や四塩化珪素(以下、
STCとする)等の有用なクロロシラン類よりも沸点が
高いため、従来から、蒸留塔を利用してクロロシラン類
を蒸発回収することにより、残渣として分離する方法が
提案されている。
【0005】しかしながら、上記蒸留塔を使用するクロ
ロシラン類の回収方法においては、工業的実施において
解決すべき問題点を有する。
【0006】即ち、上記金属塩化物のうち、塩化アルミ
ニウムは、これを含有するクロロシラン類液をある程度
以上に濃縮すると、蒸発加熱面へのスケーリングが発生
し、蒸発効率が低下するだけでなく、場合によっては蒸
留塔の加熱面や配管が閉塞するという現象を招くことで
ある。
【0007】そして、上記閉塞が起こると、開放洗浄の
ために製造工程が停止して生産性が低下するだけでな
く、該閉塞物は水分と激しく反応するため、洗浄作業を
非常に危険なものとしていた。
【0008】蒸留塔における加熱面へのスケーリングが
起こり始める塩化アルミニウムの濃度は、クロロシラン
類を蒸発させる通常の温度領域(50〜180℃)にお
いて経験的に約2重量%程度であることが知られてい
る。
【0009】そのため、従来は、塩化アルミニウム濃度
がこの濃度を超えないように、蒸留塔下部液を適宜抜き
出して廃棄処理していた。
【0010】ところが、かかる廃棄処理される蒸留塔下
部液の中には、有用なTCSやSTCなどのクロロシラ
ン類が95重量%前後も含有されており、廃棄処理液か
ら有用なクロロシラン類を回収する有効な方法の開発が
望まれていた。
【0011】上記課題に対して、塩化アルミニウムを含
有するクロロシラン類をさらに高濃度に濃縮する方法の
一つとして、蒸発面をスクレーパーによって掻き取りな
がら蒸発濃縮を行う機構の蒸発装置が提案されている。
【0012】しかし、この方法によっても、スケーリン
グの防止は完全に行うことができず、加熱面でのスケー
リングにより、蒸発能力が経時的に低下するという問題
を有していた。
【0013】一方、蒸留塔のリボイラーよりも下部に沈
降槽を設けて、クロロシラン類の蒸発により塩化アルミ
ニウム濃度が約2重量%を超えた液を該沈降槽に導き、
過飽和分の塩化アルミニウムをここで析出、沈降させて
分離し、蒸発器へのスケーリングを低減する方法が示さ
れている。この方法により、伝熱面におけるスケーリン
グ防止について、若干の改善が図られたものの、十分に
解消するには至っていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、上述したよう
な、塩化アルミニウムを含有するクロロシラン類液から
クロロシラン類を蒸発によって回収する方法において、
加熱面での塩化アルミニウムによるスケーリングや閉塞
トラブルをほぼ完全に解消し、しかも、高い収率でクロ
ロシラン類を回収し得る技術の開発が望まれていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、塩化アルミニウムを含有
するクロロシラン類液よりクロロシラン類を蒸発回収す
る場合、濃縮物中の塩化アルミニウム濃度が従来知られ
ている析出限界の2重量%を超えても、それから約10
分間は塩化アルミニウムが固形物として析出し難い状態
が存在するという知見を得た。
【0016】尚、従来の蒸留塔を使用した場合は、塩化
アルミニウム濃度が2重量%を超えた濃縮物が塔底液と
して滞留し、リボイラー等を循環するうちに過飽和部分
の塩化アルミニウムのほぼ全量が塔内で析出し、前記ス
ケーリングによる装置の閉塞等の問題を引き起こすもの
と思われる。
【0017】本発明者らは、上記知見に基づいて更に研
究を重ねた。その結果、被処理液の滞在時間が短くで
き、且つ、蒸発効率の良い薄膜蒸発器を使用する、薄膜
蒸発法により、且つ、濃縮物が液状で取り出される条件
下に塩化アルミニウムを含有するクロロシラン類液から
のクロロシラン類の蒸発による回収を行えば、加熱面に
おけるスケーリングの発生が極めて効果的に防止されな
がら長期間安定した回収を実施でき、しかも、従来では
考えられない位いの極めて高いクロロシラン類の回収率
を達成し得ることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0018】即ち、本発明は、塩化アルミニウムを含有
するクロロシラン類液からクロロシラン類を蒸発せしめ
て回収する方法において、上記クロロシラン類の蒸発を
薄膜蒸発法により行い、且つ、塩化アルミニウムの濃縮
物を液状で取り出すことを特徴とするクロロシラン類の
回収方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明において、薄膜蒸発法に供
するクロロシラン類液は、冶金級シリコンを原料として
塩素化或いは水素化塩素化により得られたクロロシラン
類の凝縮液、該凝縮液からクロロシラン類を他の蒸留方
法によって一部回収した後の液状の濃縮物が挙げられ
る。
【0020】また、上記クロロシラン類液は、含有され
る塩化アルミニウムの全部が溶解状態で含有されていて
もよいし、その一部が析出して固形物を含有する状態で
あってもよい。かかる固形物を含有する状態のクロロシ
ラン類液としては、上記クロロシラン類を他の蒸留方法
によって一部回収した後の液状の濃縮物である態様が代
表的である。上記濃縮物をクロロシラン類液として薄膜
蒸発法に供給する場合、蒸留により液中に過飽和で存在
する塩化アルミニウムを十分析出せしめた後、その析出
物である固形物を含む状態で薄膜蒸発法を適用すること
が好ましい。
【0021】尚、前記クロロシラン類の製造工程におい
て凝縮液として得られるクロロシラン類液中の塩化アル
ミニウム含有量は、使用した冶金級シリコン中のアルミ
ニウム含有率、およびクロロシラン類生成の反応条件、
および他の蒸留装置等での濃縮度により変化する。
【0022】本発明において、薄膜蒸発法に供されるク
ロロシラン類液中の塩化アルミニウム濃度は、後述する
濃縮物における好ましい上限値である80重量%以下で
あることが望ましいが、薄膜蒸発器の効率を考慮する
と、その上限値は、50重量%、好ましくは30重量
%、さらに好ましくは10重量%、最も好ましいのは2
重量%である。また、上記塩化アルミニウム含有率の下
限値は、0.01重量%である。
【0023】本発明に供するクロロシラン類液の製造方
法をより具体的に説明すれば、下記の方法が挙げられ
る。例えば、冶金級シリコン粉末と塩素含有ガスを10
0℃以上、一般には、100〜500℃で塩素化反応さ
せる方法、冶金級シリコン粉末と塩化水素含有ガスを2
50℃以上、一般には、250〜450℃で塩素化反応
させる方法、或いは、冶金級シリコン粉末と、STCと
水素の混合ガスを400℃以上、一般には、400〜6
00℃の温度で水素化塩素化反応させる方法等が一般的
に知られている。
【0024】これらの反応において、冶金級シリコンと
反応させるガスについては、相互に混合して反応させる
ことも可能であるし、また、水素や窒素等の反応不活性
ガスと混合させて反応することも可能である。
【0025】このようにして得られたクロロシラン類ガ
スを凝縮して得られるクロロシラン類液には、通常0.
01〜2重量%の塩化アルミニウムが含有される。
【0026】勿論、本発明において、クロロシラン類液
中には、塩化アルミニウム以外の前記他の塩化物や珪素
微粉を含んでいても良い。
【0027】本発明において、薄膜蒸発法は、加熱面上
に被処理液の薄膜を形成して液成分を蒸発せしめること
のできる公知の薄膜蒸発器を特に制限なく使用すること
ができる。
【0028】代表的な薄膜蒸発器としては、固定された
加熱面(蒸発面)に対して内部の羽根が回転して薄膜を
形成する攪拌式薄膜蒸発器と、加熱面が回転する遠心式
薄膜蒸発器が挙げられる。
【0029】また、上記薄膜蒸発器は、回転軸方向によ
り縦型と横型に、また、回転軸への羽根の取付形式によ
り固定羽根式と可動羽根式に、さらに、羽根が蒸発面に
接触するかしないかにより接触羽根式と非接触羽根式と
に分類されるが、これらの方式を適宜組み合わせて使用
することができる。
【0030】この中でより好ましい形式としては、縦型
接触可動羽根形式と、縦型非接触羽根形式が例示でき、
これらの薄膜蒸発器は、スケーリングを抑制する効果が
比較的優れている。特に、縦型接触可動羽根形式は、羽
根が蒸発面に接触するためにスケーリングを抑制する効
果が最も高い。
【0031】上記薄膜蒸発器において、その運転条件に
より蒸発ガス成分に飛沫が同伴する場合、塩化アルミニ
ウムの除去率を低下させることがある。このような場
合、凝縮器への飛沫同伴を防ぐ手段として、薄膜蒸発器
の蒸気出口に飛沫補集器を設置する事は有効な手段であ
る。上記飛沫補集器としては、飛沫を補集し除去できる
装置であれば、如何なる形式でも良い。例えば、邪魔板
形式、遠心分離形式が挙げられる。
【0032】また、薄膜蒸発器が接触可動羽根を有する
形式の場合、羽根先端の周速は0.1m/s以上、好ま
しくは0.5m/s以上、さらに好ましくは1m/s以
上が好適である。また、蒸発面のある1点での羽根の回
遊頻度は、1秒に1回以上、好ましくは0.5秒に1回以
上、さらに好ましくは0.3秒に1回以上であること
が、十分なスケール抑制効果を発揮する上で好ましい。
【0033】一方、縦型非接触羽根形式の場合、羽根が
蒸発面に接触しないために、羽根が接触するタイプのも
のよりも高速回転させる必要があり、羽根先端の周速は
1m/s以上、好ましくは3m/s以上、さらに好まし
くは5m/s以上である。また、蒸発面のある1点での
羽根の回遊頻度は、0.5秒に1回以上、好ましくは
0.3秒に1回以上、さらに好ましくは0.1秒に1回
以上が好ましく、伝熱面積、羽根形式等の応じて、好適
な条件を適宜採用すればよい。
【0034】本発明における塩化アルミニウムのスケー
リング防止効果は、薄膜蒸発器を使用することによる装
置内での滞在時間の短縮に起因するものが大であるが、
これと共に上記した薄膜蒸発器の構造或いは運転条件の
選定によるスケーリング防止効果とが相乗的に働き、ス
ケーリングをより一層良好に防止できる。
【0035】本発明において、クロロシラン類液を薄膜
蒸発器に供給すると、該液は蒸発面に液膜を形成しなが
ら加熱され、クロロシラン類が蒸発し、一方、液側は濃
縮が起こる。
【0036】このようにして蒸発器の出口からは濃縮物
が取り出され、ガス出口から回収されるクロロシラン類
がガス状で取り出される。
【0037】この場合、該クロロシラン類液が供給され
てその濃縮物が取り出されるまでの蒸発器内における液
の滞在時間は、縦型の薄膜蒸発器で、通常、およそ1分
以内、長くとも数分以内であるため、濃縮物中の塩化ア
ルミニウム濃度が前記2重量%を超えても新規な塩化ア
ルミニウムの析出は殆ど防止され、蒸発面へのスケーリ
ングを効果的に防止することができる。
【0038】尚、横型の場合、滞在時間をある程度調整
できるが、前記10分以内、好ましくは5分以内に調整
することが好ましい。
【0039】上記薄膜蒸発における操作条件としては、
熱媒温度、操作圧力等が挙げられるが、これらは常法の
蒸発操作と同様に、処理されるクロロシラン類液の組
成、供給量、伝熱面積及び濃縮倍率等に応じて、適宜適
切な操作条件を採用することができる。
【0040】このとき、塩化アルミニウムは約180℃
で昇華するため、回収されるクロロシラン類中の塩化ア
ルミニウム含有量を効果的に低減させるためには、薄膜
蒸発器出口の濃縮物温度が180℃以下、好ましくは1
50℃以下になるように蒸発条件を設定することが好ま
しい。
【0041】本発明において、上記クロロシラン類液に
対する塩化アルミニウムの特殊な挙動を利用することに
より、蒸発後に得られる濃縮物は極めて高濃度まで塩化
アルミニウムを含むことが許容されるが、濃縮物が乾固
してしまうと、一部スケーリングしたもの、或いは始め
から含有する固形分を洗い流す機能が無くなり、スケー
リングが激しくなり、たとえ前記掻取式の薄膜蒸発器を
使用したとしても、連続処理が困難となる。
【0042】従って、本発明において、得られる濃縮物
が液状を維持する条件下で薄膜蒸発を実施することが必
要である。特に、該濃縮物中の塩化アルミニウム濃度の
好適な上限は80重量%、好ましくは50重量%、より
好ましくは40重量%である。
【0043】また、下限は、従来技術によっては濃縮が
困難であった3重量%、更に10重量%とすることが、
本発明の効果を十分発揮することができるため好まし
い。
【0044】本発明の方法によって回収されるクロロシ
ラン類は、必要に応じて、公知の蒸留方法、公知の精留
方法により精製し、シリコン製造用の原料として使用す
ることができる。
【0045】上記蒸留或いは製留を実施するための装置
としては、別途設けても良いし、既存の設備において同
種のクロロシラン類の処理を行う設備があれば、これを
利用しても良い。
【0046】一方、濃縮物は、公知の除害方法、例え
ば、アルカリによる中和、水による加水分解等を施して
処理すればよい。
【0047】また、上記処理に先立ち、析出した塩化ア
ルミニウムを濾過、遠心分離等の公知の分離手段により
分離することにより、更に、クロロシラン類を回収して
も良い。
【0048】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明によれば、塩化アルミニウムを含有するクロロシラン
類液から、高い回収率でのクロロシランの蒸発回収を、
スケーリングによる加熱面での伝熱性の低下や、装置の
閉塞を起こすことなく実施することが可能であり、工業
的に極めて有利な方法である。
【0049】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するために実施例
をあげて説明するが、本発明は、これらの実施例に限定
されるものではない。
【0050】なお、回収率、塩化アルミニウム除去率は
次のようにして求めた。
【0051】1.回収率 クロロシラン類液供給量および蒸発成分回収量(kg/
H)から下記式により算出した。
【0052】回収率(%)=[蒸発成分回収量/クロロ
シラン類液供給量]×100 2.塩化アルミニウム除去率 クロロシラン類供給液中と蒸発成分回収液中の塩化アル
ミニウム濃度を測定し、クロロシラン類供給液中の塩化
アルミニウム量と、蒸発成分回収液中の塩化アルミニウ
ム量(kg/H)求め、下記式により算出した。
【0053】
【数1】
【0054】3.塩化アルミニウム濃度測定 濃度測定するクロロシラン類を容器に正確に量り取り、
50℃以下で、該クロロシラン類液の上部空間部を十分
乾燥した不活性ガスで流通しながら該クロロシラン類を
十分に蒸発除去する。蒸発残さに希塩酸を加えて塩化ア
ルミニウムを溶解させた後ろ過し、該ろ液をICP(高
周波誘導結合プラズマ)発光分光分析装置等で塩化アル
ミニウムを定量し、蒸発前の液量で除して求めた。
【0055】実施例1 伝熱面積が0.15m2、内径が0.15mの接触可動
羽根形式縦型薄膜蒸発器の熱媒ジャケットを予めスチー
ムにより102℃に昇温した。次に、周速3m/sにな
るように回転数を設定した後、定量ポンプを用いて、温
度55℃のクロロシラン類液(TCS19重量%、ST
C77重量%、高沸点シラン類3重量%、塩化アルミニ
ウム1重量%)を109kg/Hで供給した。
【0056】蒸発ガスが凝縮器により液化した回収液
と、薄膜蒸発器下部より排出された濃縮液の重量、およ
び塩化アルミニウム濃度を測定した。
【0057】その結果、蒸発成分回収液量95kg/
H、濃縮物量14kg/H、蒸発成分回収液中の塩化ア
ルミニウム濃度0.06重量%、濃縮物中の塩化アルミ
ニウム濃度7.4重量%、回収率87%、塩化アルミニ
ウム除去率95%であった。
【0058】また、50時間経過後の回収率、塩化アル
ミニウム除去率に変化はなく、薄膜蒸発器内部を点検し
たところスケーリングはほとんど認められなかった。
【0059】比較例1 内径1.2mで下部が円錐状であり、伝熱面積3.5m
2、液体保有容積0.8m3の蒸発缶を用いた。伝熱面部
分をスクレーパーにより最大周速3m/sで掻き取り、
蒸発面ジャケットは105℃のスチームで加熱した。温
度55℃のクロロシラン類(TCS19重量%、STC
77重量%、高沸点シラン類3重量%、塩化アルミニウ
ム1重量%)を液保有量が一定になるように供給する一
方、該蒸発缶下部から100kg/Hの流量で内容物を
抜出した。蒸発ガスは凝縮器により液化して回収液とし
た。
【0060】その結果、当初の供給量は約1,300k
g/Hであったが、50時間後には約800kg/Hに
低下していた。この間の平均的な蒸発成分回収液中の塩
化アルミニウム濃度0.04重量%、濃縮物中の塩化ア
ルミニウム濃度10.1重量%、回収率90%、塩化ア
ルミニウム除去率96%であった。
【0061】その後、蒸発缶を点検したところ蒸発面に
スケーリングが多量に発生しており洗浄が必要であっ
た。
【0062】上記のように、液が長時間滞在する形式の
蒸発缶においては、たとえ蒸発面をスクレーパーにより
掻き取ってもスケーリングの防止は完全でなく、蒸発面
へのスケーリングにより処理能力が経時的に低下して行
くことが解る。
【0063】実施例2〜6 実施例1において、クロロシラン類供給量、ジャケット
温度を表1に示す条件に変更する以外は、実施例1と同
様にした蒸発操作を行った。得られた結果を表1に示し
た。
【0064】
【表1】
【0065】実施例7〜9 実施例1において、クロロシラン類組成を表2に示す条
件に変更する以外は、実施例1と同様にして蒸発操作を
行った。得られた結果を表2に示した。
【0066】
【表2】
【0067】実施例10 実施例1において、蒸発器を非接触可動羽根形式縦型薄
膜蒸発器とし、周速を10m/sに変更する以外は、実
施例1と同様にして蒸発操作を行った。
【0068】その結果、蒸発成分回収液量93kg/
H、濃縮物量16kg/H、蒸発成分回収液中の塩化ア
ルミニウム濃度0.06重量%、濃縮物中の塩化アルミ
ニウム濃度6.4重量%、回収率85%、塩化アルミニ
ウム除去率94%であった。
【0069】また、50時間経過後の回収率、塩化アル
ミニウム除去率に変化はなく、薄膜蒸発器内部を点検し
たところスケーリングは認められなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化アルミニウムを含有するクロロシラ
    ン類液からクロロシラン類を蒸発せしめて回収する方法
    において、上記クロロシラン類の蒸発を薄膜蒸発法によ
    り行い、且つ、塩化アルミニウムの濃縮物を液状で取り
    出すことを特徴とするクロロシラン類の回収方法。
  2. 【請求項2】 クロロシラン類が、塩素または塩化水素
    または四塩化珪素と水素を含有するガスを冶金級シリコ
    ンと反応させる際に生成する塩化アルミニウムを含有す
    る請求項1記載の回収方法。
  3. 【請求項3】 濃縮物中の塩化アルミニウムの含有率
    を、3〜80重量%に調整する請求項1記載の回収方
    法。
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