JP2001260785A - 車両の横転判定方法 - Google Patents

車両の横転判定方法

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JP2001260785A JP2000077187A JP2000077187A JP2001260785A JP 2001260785 A JP2001260785 A JP 2001260785A JP 2000077187 A JP2000077187 A JP 2000077187A JP 2000077187 A JP2000077187 A JP 2000077187A JP 2001260785 A JP2001260785 A JP 2001260785A
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浩行 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両のロール角およびロール角速度に基づい
て該車両が横転する可能性の有無を判定する際に、安価
な加速度センサを用いてロール角速度を検出できるよう
にする。 【解決手段】 車両のロール角θおよびロール角速度ω
をパラメータとする二次元マップ上に敷居値ラインを設
定し、車両の実際のロール角θおよびロール角速度ωの
履歴ラインが前記敷居値ラインを原点側の非横転領域か
ら反原点側の横転領域に横切ったときに車両が横転する
可能性が有ると判定する。車体左右方向に離間して一対
の上下加速度センサ16L,16Rを配置し、車両のロ
ーリングに応じてそれぞれの上下加速度センサ16L,
16Rが出力する左右の上下加速度GzL2,GzR2
の差分(GzL2−GzR2)と、ローリングの支点p
および上下加速度センサ16L,16Rの幾何学的位置
関係とに基づいて、前記ロール角速度ωを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のロール角お
よびロール角速度に基づいて該車両が横転する可能性の
有無を判定するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のロール角およびロール角速度をパ
ラメータとする二次元マップ上で、ロール角およびロー
ル角速度が大きいところ(原点から離れた領域)に横転
領域を設定するとともに、ロール角およびロール角速度
が小さいところ(原点を含む領域)に非横転領域を設定
し、センサで検出した実際のロール角およびロール角速
度をマップ上にプロットした履歴ラインが前記非横転領
域から前記横転領域に入ったとき、車両が横転する可能
性が有ると判定してアクティブロールバーを起立させる
ものが、特開平7−164985号公報により公知であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の横転
可能性を判定するためのパラメータであるロール角速度
は、一般にロール角速度センサによって検出される。し
かしながらロール角速度センサは加速度センサに比べて
高価であるため、安価な加速度センサを用いてロール角
速度を検出することができればコストダウンに寄与する
ことができる。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、車両のロール角およびロール角速度に基づいて該車
両が横転する可能性の有無を判定する際に、安価な加速
度センサを用いてロール角速度を検出できるようにする
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、車両のロール
角およびロール角速度をパラメータとする二次元マップ
上に敷居値ラインを設定し、車両の実際のロール角およ
びロール角速度の履歴ラインが前記敷居値ラインの原点
側の非横転領域から反原点側の横転領域に横切ったとき
に車両が横転する可能性が有ると判定する車両の横転判
定方法において、車体左右方向に離間して一対の上下加
速度センサを配置し、それぞれの上下加速度センサが出
力する左右の上下加速度の差分に基づいて前記ロール角
速度を検出することを特徴とする車両の横転判定方法が
提案される。
【0006】上記構成によれば、車体左右方向に離間し
て配置した一対の上下加速度センサを用いてロール角速
度を検出するので、高価な角速度センサが不要になって
コストダウンが可能になる。しかも車体の左右位置での
上下加速度の差分に基づいてロール角速度を検出するの
で、重力加速度の車体上下方向成分や旋回に伴う遠心加
速度の車体上下方向成分の影響を相殺して正確なロール
角速度を検出することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0008】図1〜図9は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は車両の横転の種類を示す図、図2はロール角
θおよびロール角速度ωと車両の横転可能性との関係を
説明する図、図3は車両の横転可能性の有無を判定する
ためのマップ、図4はエアカーテンの制御系のブロック
図、図5は横加速度Gyからロール角θの初期値θiを
算出する手法の説明図、図6は履歴ラインが横転領域に
あるか非横転領域にあるかを判定する手法を示す図、図
7は作用を説明するフローチャート、図8は車両のロー
ル角θが0であり、かつロール角速度ωおよび旋回角速
度を持たない場合の上下加速度センサの出力を説明する
図、図9は車両がロール角θ、ロール角速度ωおよび旋
回角速度を持つ場合の上下加速度センサの出力を説明す
る図である。
【0009】図1は車両の横転の種類を原因別に分類し
て示すものである。車両の横転の種類は、横転に至る過
程における車両挙動に応じて「単純回転」、「単純回転
+横滑り速度」および「発散」に分類され、「単純回
転」型の横転は、更に「フリップオーバー」、「クライ
ムオーバー」および「フォールオーバー」に細分類され
る。「単純回転+横滑り速度」型の横転の代表的なもの
は「トリップオーバー」と呼ばれ、また「発散」型の横
転の代表的なものは「ターンオーバー」と呼ばれる。
【0010】「フリップオーバー」は、車両の左右一方
の車輪が障害物に乗り上げて発生する横転である。「ク
ライムオーバー」は、底部を障害物に乗り上げてタイヤ
が路面から浮き上がった車両が側方に倒れて発生する横
転である。「フォールオーバー」は、車両の左右一方の
車輪が路肩を踏み外して落下する横転である。「トリッ
プオーバー」は、車両が横滑りして左右一方のタイヤが
縁石等に衝突したときに、この縁石を支点とするロール
モーメントにより発生する横転である。「ターンオーバ
ー」は、ダブルレーンチェンジやトリプルレーンチェン
ジを行うべく、あるいはS字路を通過すべくステアリン
グホイールを左右に交互に操作したような場合に、その
ステアリングホイールの操作の周波数が車両のサスペン
ションの固有振動の周波数に接近していると、車両のロ
ール角が共振により発散して発生する横転である。
【0011】図2は車両の横転可能性を判定するための
二次元マップの一部(第1象限)を示すもので、縦軸の
ロール角θは正値(原点の上側)が右ロール角に対応
し、横軸のロール角速度ωは正値(原点の右側)が右ロ
ール角速度に対応する。この二次元マップには右下がり
の直線よりなる敷居値ラインSが設定されており、敷居
値ラインSの原点側、つまりロール角θおよびロール角
速度ωが小さい領域が非横転領域とされ、敷居値ライン
Sの反原点側、つまりロール角θおよびロール角速度ω
が大きい領域が横転領域とされる。そして車両の実際の
ロール角θおよびロール角速度ωの履歴ラインH1〜H
3が敷居値ラインSを原点側の非横転領域から反原点側
の横転領域に横切ると、車両の横転可能性が有ると判定
される。
【0012】履歴ラインH1は、ロール角θおよびロー
ル角速度ωが共に0の状態(原点)から、ロール角速度
ωをほぼ0に保持したままロール角θだけをゆっくりと
増加させた場合であり、敷居値ラインSが縦軸と交わる
切片であるa点においてロール角θが臨界ロール角θC
RTに達したときに車両の横転可能性が有ると判定され
る。このときローリングの支点となるロール方向外側の
タイヤを通る鉛直線上に車両の重心位置CGがあり、こ
の状態が車両の横転についての静的な安定限界となる。
臨界ロール角θCRTの値は車両の形状や積載状態によ
って異なるが、一般的に50°程度である。
【0013】尚、ロール角θが0であっても、大きいロ
ール角速度ωが作用していれば車両が横転する可能性が
ある。このときのロール角速度ωを臨界ロール角速度ω
CRTとする。
【0014】車両がロール角θの方向と同方向のロール
角速度ωを持つ場合には、このロール角速度ωによって
横転が助長されるため、ロール角θが臨界ロール角θC
RTより小さい状態であっても横転が発生することにな
る。例えば、ロール角θおよびロール角速度ωの履歴ラ
インがH2で示される場合、履歴ラインH2が敷居値ラ
インSを原点側から反原点側に横切るb点において車両
の横転可能性が有ると判定される。このときのロール角
θは前記臨界ロール角θCRTよりも小さい値となる。
【0015】またロール角θおよびロール角速度ωの履
歴ラインがH3で示される場合には、正値のロール角速
度ωが速やかに増加から減少に転じ、更に負値へと移行
するために履歴ラインH3が敷居値ラインSを横切るこ
とがなく、従って車両の横転可能性が無いと判定され
る。
【0016】図3は車両の横転可能性を判定するための
二次元マップの全体を示すものである。2本の敷居値ラ
インS,Sは第1象限および第3象限に設定されてお
り、それらの敷居値ラインS,Sは初期設定状態におい
て原点を中心とする点対称である。ロール角θが正でロ
ール角速度ωが負である第2象限と、ロール角θが負で
ロール角速度ωが正である第4象限とに横転領域が設定
されていないのは、ロール角θの方向と逆方向のロール
角速度ωが発生している状態では車両の横転が発生しな
いからである。 図3には、図1で説明した種々の横転
の種類に対応するロール角θおよびロール角速度ωの履
歴ラインH4〜H8が示される。
【0017】履歴ラインH4は、「フリップオーバ
ー」、「クライムオーバー」、「フォールオーバー」等
の「単純回転」型の横転に対応するもので、ロール角θ
の絶対値およびロール角速度ωの絶対値が単純に増加し
て横転に至っている。
【0018】履歴ラインH5は、「トリップオーバー」
と呼ばれる「単純回転+横滑り速度」型の横転に対応す
るもので、車両が横滑りする過程でタイヤが縁石等に衝
突して発生するロールモーメントによりロール角速度ω
が急激に増加して横転に至っている。
【0019】履歴ラインH6,H7は、「ターンオーバ
ー」と呼ばれる「発散」型の横転に対応するものであ
る。履歴ラインH6はダブルレーンチェンジでの横転を
示すもので、最初のレーンチェンジで右にロールした車
両が次のレーンチェンジで左にロールする過程でロール
角θの絶対値が発散し、第3象限の敷居値ラインSを越
えて横転に至っている。履歴ラインH7はトリプルレー
ンチェンジでの横転を示すもので、最初のレーンチェン
ジで右にロールした車両が次のレーンチェンジで左にロ
ールし、続くレーンチェンジで再度右にロールする過程
でロール角θの絶対値が発散し、第1象限の敷居値ライ
ンSを越えて横転に至っている。
【0020】履歴ラインH8は、敷居値ラインSを越え
る前にロール角θが原点に向かって収束するので、この
場合には車両が横転に至ることはない。
【0021】図4は、車両の横転時に乗員の頭部を保護
するエアカーテンを車室の内側面に沿って展開するため
の制御系の一例を示すものである。
【0022】バッテリ11および接地部12間に、エア
カーテンを展開するための高圧ガスを発生するインフレ
ータ13と、点火トランジスタ14とが直列に接続され
る。電子制御ユニットUからの指令で点火トランジスタ
14がONするとインフレータ13が点火して高圧ガス
が発生し、この高圧ガスの供給を受けたエアカーテンが
車室の内側面に沿って展開する。車両の横転可能性の有
無を判定すべく、電子制御ユニットUには、車体左右方
向の加速度である横加速度Gyを検出する横加速度セン
サ15からの信号と、車両のロール角速度ωを算出すべ
く、車体上下方向の加速度である上下加速度GzL,G
zRを検出する一対の上下加速度センサ16L,16R
からの信号とが入力される。上下加速度センサ16L,
16Rは車体左右方向に離間した位置にそれぞれ設けら
れる(図8参照)。
【0023】図4および図5に示すように、車体に固定
した横加速度センサ15はイグニッションスイッチをO
Nしたときの横加速度Gyを出力する。イグニッション
スイッチをONしたとき車両は停止状態にあるため、車
両の旋回に伴う遠心力に起因する横加速度(遠心加速
度)を検出することなく、重力加速度G=1の車体左右
方向の成分だけを横加速度Gyとして検出する。従っ
て、前記横加速度Gyを用いて、車両のロール角θの初
期値θiを、θi=sin -1Gyにより算出することがで
きる。
【0024】以上のようにしてイグニッションスイッチ
をONしたときの横加速度センサ15の出力に基づいて
車両のロール角θの初期値θiが算出されると、この初
期値θiにロール角θの変動分を加算することにより車
両のロール角θが算出される。即ち、イグニッションス
イッチをONした時点から、ロール角速度ωの積分値∫
ωdtをロール角θの変動分として前記初期値θiに加
算することにより、車両のロール角θが算出される。
【0025】次に、上下加速度GzL,GzRからロー
ル角速度ωを算出する手法を、図8および図9に基づい
て説明する。
【0026】図8(a)は車両が水平状態(θ=0)に
あってロール角速度ωを持たない場合を示している。こ
の場合、左右の上下加速度センサ16L,16Rが検出
する上下加速度GzL,GzRは共に重力加速度そのも
のとなる。
【0027】図9(a),(b)は、例えば車両が急激
な右旋回を行ったために旋回外輪である左車輪が浮き上
がり、右車輪の接地点pを支点として右方向に傾いた状
態を示している。このとき、車両の右向きのロール角は
θであり、車両の右向きのロール角速度はωであるとす
る。この状態で左右の上下加速度センサ16L,16R
が検出する上下加速度GzL,GzRには、重力加速度
の車体上下方向成分と、旋回に伴う水平方向の旋回加速
度の車体上下方向成分との和であるGzL1,GzR1
(図9(a)参照)に加えて、車両のローリングに伴う
遠心加速度の車体上下方向成分GzL2,GzR2(図
9(b)参照)が含まれる。
【0028】重力加速度の車体上下方向成分と、旋回に
伴う水平方向の旋回加速度の車体上下方向成分との和で
ある上下加速度GzL1,GzR1(図9(a)参照)
の値は、左側の上下加速度センサ16Lが検出する値G
zL1および右側の上下加速度センサ16Rが検出する
値GzR1が一致する。
【0029】それに対して、車両のローリングに伴う遠
心加速度の車体上下方向成分GzL2,GzR2(図9
(b)参照)は、ローリングの支点となる右車輪の接地
点pから左右の上下加速度センサ16L,16Rまでの
距離ra,rbが異なっており、かつ右車輪の接地点p
および左右の上下加速度センサ16L,16Rを結ぶ直
線の方向と車体左右方向とが成す角度αa,αbが異な
っているため、左側の上下加速度センサ16Lが検出す
る値(つまりGzL2)および右側の上下加速度センサ
16Rが検出する値(つまりGzR2)は一致しない。
【0030】従って、上下加速度センサ16L,16R
が検出する上下加速度GzL,GzRの差分を算出する
と、重力加速度の車体上下方向成分と、旋回に伴う水平
方向の遠心加速度の車体上下方向成分との和であるGz
L1,GzR1は相殺されて0になるため、車両のロー
リングに伴う遠心加速度の車体上下方向成分GzL2,
GzR2の差分(つまり、GzL2−GzR2)が得ら
れることになる。
【0031】このとき、車両のローリングの支点となる
右車輪の接地点pと左右の上下加速度センサ16L,1
6Rとの幾何学的な位置関係が既知であることから、車
両のローリングに伴う遠心加速度の車体上下方向成分G
zL2,GzR2の差分に基づいて車両のロール角速度
ωを算出することができる。
【0032】以上のように、高価な角速度センサを必要
とせずに、安価な上下加速度センサ16L,16Rを用
いてロール角速度ωを検出することが可能になる。しか
も車体の左右位置に離間して配置した一対の上下加速度
センサ16L,16Rの出力の差分に基づいてロール角
速度ωを検出するので、車両の旋回運動により発生する
上下加速度成分の影響を相殺し、必要とされるロール角
速度ωだけを検出することができる。
【0033】また、横加速度センサ15は、車両の自由
落下時には横加速度Gyを検出できず、また車両の旋回
に伴う遠心加速度を、重力加速度の車体左右方向の成分
である横加速度Gyと識別できずに誤検出してしまうと
いうデメリットを持つが、この横加速度センサ15が出
力する横加速度GyをイグニッションスイッチをONし
た時点での車両のロール角θの初期値θiの算出にだけ
使用し、その後の車両のロール角θの算出にはロール角
速度ωの積分値∫ωdtを使用することにより、上記デ
メリットを解消して正確なロール角θを算出することが
できる。
【0034】而して、上述のようにして算出した車両の
ロール角θとロール角速度ωとが成す座標点の軌跡であ
る履歴ラインを図6に示すマップ上に描き、その履歴ラ
インが敷居値ラインS,Sを原点側から反原点側に横切
ったときに、車両が横転する可能性が有ると判定し、点
火トランジスタ14をONしてエアカーテンのインフレ
ータ13を点火する。
【0035】上記作用を、図6および図7に基づいて更
に説明する。
【0036】先ず、ステップS1で横加速度Gyおよび
左右の上下加速度GzL,GzRを読み込み、ステップ
S2で上下加速度GzL,GzRの差分GzL−GzR
に基づいて車両のロール角速度ωを算出する。続くステ
ップS3で横加速度Gyに応じてマップ上の敷居値ライ
ンS,Sを確定する。敷居値ラインS,Sは、マップの
縦軸の切片である臨界ロール角θCRTと横軸の切片で
ある臨界ロール角速度ωCRTとが決まれば確定する。
本実施例では横加速度Gyによって車両の横転が助長さ
れるときには、臨界ロール角θCRTおよび臨界ロール
角速度ωCRTが共に減少して敷居値ラインS,Sが原
点に近づく方向に移動し、横加速度Gyによって車両の
横転が抑制されるときには、臨界ロール角θCRTおよ
び臨界ロール角速度ωCRTが共に増加して敷居値ライ
ンS,Sが原点から遠ざかる方向に移動する。これによ
り、車両の横加速度Gyに応じた適切な横転領域および
非横転領域を設定することができる。
【0037】尚、第1象限の敷居値ラインSが原点から
遠ざかる方向に移動するときには第3象限の敷居値ライ
ンSは原点に近づく方向に移動し、第1象限の敷居値ラ
インSが原点に近づく方向に移動するときには第3象限
の敷居値ラインSは原点から遠ざかる方向に移動する。
【0038】臨界ロール角θCRTおよび臨界ロール角
速度ωCRTが決まると、敷居値ラインS,Sの方程式
は、 θ=−(θCRT/ωCRT)ω±θCRT で与えられる(図3参照)。
【0039】続いて、現在のロール角θ1およびロール
角速度ω1の成す座標点Pが横転領域にあるか非横転領
域にあるかを判定する。即ち、ステップS4で、上記敷
居値ラインSの方程式のωに現在のロール角速度ω1の
値を代入して判定値θ2を算出する。判定値θ2は直線
ω=ω1と敷居値ラインSとの交点Qのθ座標である。
続くステップS5で、判定値θ2と現在のロール角θ1
とを比較し、|θ2|<|θ1|が成立していれば、ス
テップS6で現在のロール角θ1およびロール角速度ω
1の成す座標点Pが横転領域にあると判定され、|θ2
|<|θ1|が成立しなければ、ステップS7で現在の
ロール角θ1およびロール角速度ω1の成す座標点Pが
非横転領域にあると判定される。図6には、座標点Pが
横転領域にある場合(|θ2|<|θ1|)が示されて
いる。
【0040】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0041】例えば、実施例では車両の横転可能性の有
無の判定をエアカーテンの展開制御に適用しているが、
それをサイドエアバッグの展開制御や格納式ロールバー
の展開制御等の他の用途に適用することができる。また
車両のロール角θの初期値θiを、重力加速度Gの車体
上下方向の成分である上下加速度Gzを用いて、θi=
cos -1Gzにより算出することができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、車体左右方向に離間して配置した一対の上下
加速度センサを用いてロール角速度を検出するので、高
価な角速度センサが不要になってコストダウンが可能に
なる。しかも車体の左右位置での上下加速度の差分に基
づいてロール角速度を検出するので、重力加速度の車体
上下方向成分や旋回に伴う遠心加速度の車体上下方向成
分の影響を相殺して正確なロール角速度を検出すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の横転の種類を示す図
【図2】ロール角θおよびロール角速度ωと車両の横転
可能性との関係を説明する図
【図3】車両の横転可能性の有無を判定するためのマッ
【図4】エアカーテンの制御系のブロック図
【図5】横加速度度Gyからロール角θの初期値θiを
算出する手法の説明図
【図6】履歴ラインが横転領域にあるか非横転領域にあ
るかを判定する手法を示す図
【図7】作用を説明するフローチャート
【図8】車両のロール角θが0であり、かつロール角速
度ωおよび旋回角速度を持たない場合の上下加速度セン
サの出力を説明する図
【図9】車両がロール角θ、ロール角速度ωおよび旋回
角速度を持つ場合の上下加速度センサの出力を説明する
【符号の説明】
GzL 上下加速度 GzR 上下加速度 S 敷居値ライン θ ロール角 ω ロール角速度 16L 上下加速度センサ 16R 上下加速度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60R 21/32 B60R 21/32 G01P 15/00 G01P 15/00 J (72)発明者 高畠 理 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D037 FA21 3D054 AA06 AA07 AA16 DD28 EE09 EE14 EE18 EE20 EE27

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のロール角(θ)およびロール角速
    度(ω)をパラメータとする二次元マップ上に敷居値ラ
    イン(S)を設定し、車両の実際のロール角(θ)およ
    びロール角速度(ω)の履歴ラインが前記敷居値ライン
    (S)の原点側の非横転領域から反原点側の横転領域に
    横切ったときに車両が横転する可能性が有ると判定する
    車両の横転判定方法において、 車体左右方向に離間して一対の上下加速度センサ(16
    L,16R)を配置し、それぞれの上下加速度センサ
    (16L,16R)が出力する左右の上下加速度(Gz
    L,GzR)の差分に基づいて前記ロール角速度(ω)
    を検出することを特徴とする車両の横転判定方法。
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