JP2010100133A - 車両の横転判定装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の車両の故障を診断する装置においては、車両の衝突ないし横転時に、車両の衝突ないし横転に伴って乗員が投げ出されたり飛び出したりすることを防止するための乗員の拘束性を高めることができない。
【解決手段】車両のロール角速度を検出するロール角速度センサ15と、ロール角速度センサ15にて検出したロール角速度の値からロール角を算出するロール角算出部22と、一方の座標軸をロール角、他方の座標軸をロール角速度とする関数のマップと、マップ上に横転限界線を設定し、ロール角算出部22にて算出したロール角及びロール角速度センサ15により検出したロール角速度の値がマップの原点から見て横転限界線を越えるときに車両が横転する可能性があると判定する判定部12とを有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両が横転するのを判定する車両の横転判定装置及び方法に関し、特に、判定結果から、例えば、エアバッグ等の安全装置を作動させる、車両の横転判定装置及び方法に関する。
従来、車両が衝突等により外部から衝撃を受けたことを検知し、その結果、車両に不具合が発生したことを診断して、乗員の安全性を向上させるものとして、「自動車の故障診断装置」(特許文献1参照)が知られている。この「自動車の故障診断装置」によれば、エアバッグセンサ、加速度センサ、傾斜センサ等の衝突検知部により、車両の衝突ないし横転を検知すると、車両に搭載された診断装置が車両の損傷状態を判断し、判断結果から、予め記憶格納されている制御プログラムに基づいて車両の損傷に対処する各種制御が実行処理される。
特開2001-350516号公報
しかしながら、従来の「自動車の故障診断装置」においては、車両の損傷や故障を判断しても、車両を減速ないし静止させたり、衝突を周囲に通知したりする制御を行うのみで、エアバッグの展開制御やシートベルトプリテンショナーの作動制御は行わない。従って、車両横転直前のサスペンション装置の故障を検知しても、エアバッグを従来よりも早期に展開したり、シートベルトプリテンショナーを早期に作動させたりすることができない。
つまり、従来の「自動車の故障診断装置」においては、車両の衝突ないし横転時に、車両の衝突ないし横転に伴って乗員が投げ出されたり飛び出したりすることを防止するための乗員の拘束性を高めることができない。
この発明の車両の横転判定装置は、車両のロール角及びロール角速度に基づいて該車両が横転する可能性の有無を判定する際に、車両のサスペンション装置における変形状態を検出し、検出されたサスペンション装置の変形状態に応じて、車両の横転する可能性の有無の判定基準を調整することを特徴とするものである。
この発明によれば、車両の衝突ないし横転時に、エアバッグやシートベルトプリテンショナー等の安全装置を早期に作動させて、車両の衝突ないし横転に伴って乗員が投げ出されたり飛び出したりすることを防止するための乗員の拘束性を高めることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、この発明の第1実施の形態に係る車両の横転判定装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、車両の横転判定装置10は、検出部(変形検出手段)11と判定部12を有しており、車両の走行状態に関する各種情報に基づいて車両の横転を判定し、判定結果を判定情報としてエアバック作動部13に出力する。
検出部11は、横加速度センサ14、ロール角速度センサ(ロール角速度検出手段)15、キャンバ角検出部(キャンバ角検出手段)16を有しており、車両のサスペンション装置における変形状態に関する各種情報、及び車両の走行状態に関する各種情報を検出する。つまり、検出部11は、車両のサスペンション装置における変形状態を検出する変形検出手段として機能する。
横加速度センサ14は、走行中の車両にかかる横加速度を検出し、ロール角速度センサ15は、走行中の車両にかかるロール角速度を検出する。キャンバ角検出部16は、左前輪センサ17、右前輪センサ18、左後輪センサ19、及び右後輪センサ20を有しており、走行中の左右前後各車輪の車体に対するキャンバ角を検出する。
判定部12は、ロール角基準値設定部21、ロール角算出部(ロール角算出手段)22、各輪ロール角変化演算部23、ロール角変化量演算部24、ロール角速度変化量演算部25、及び判定調整部(判定基準調整手段)26を有している。
ロール角基準値設定部21は、横加速度センサ14が検出した横加速度Gに基づき、車体のロール角基準値θを設定し、ロール角算出部22は、ロール角速度センサ15が検出したロール角速度ωの値から、車両のロール角θを算出する。
各輪ロール角変化演算部23は、左前輪演算部27、右前輪演算部28、左後輪演算部29、右後輪演算部30を有しており、これら左右前後各車輪の演算部27〜30により、左右前後各車輪のセンサ17〜20が検出した左右前後各車輪の車体に対するキャンバ角α〜αに基づき、車両のロール角変化量Δθ〜Δθ及びロール角速度変化量Δω〜Δωを演算する。
ロール角変化量演算部24は、各輪ロール角変化演算部23の演算結果である左右前後各車輪に対するロール角変化量Δθ〜Δθに基づき、車両のロール角変化量Δθを演算し、ロール角速度変化量演算部25は、各輪ロール角変化演算部23の演算結果である左右前後各車輪に対するロール角速度変化量Δω〜Δωに基づき、車両のロール角速度変化量Δωを演算する。
判定調整部26は、ロール角変化量演算部24及びロール角速度変化量演算部25の演算結果である、車両のロール角変化量Δθ及びロール角速度変化量Δωに基づき、車両の横転判定時の判定調整を行う。つまり、判定調整部26は、車両の横転する可能性の有無を判定する際に、検出部11により検出されたサスペンション装置の変形状態に応じて、車両の横転する可能性の有無を判定する判定基準を調整する。判定調整部26によって得られた調整結果は、判定調整部26からエアバック作動部13へと出力される。
エアバック作動部13は、点火トランジスタ31、インフレータ32、及びバッテリ33を有しており、点火トランジスタ31に通電することによりインフレータ32が点火されて作動し、エアバッグ(図示しない)を膨らませる。
図2は、図1のロール角基準値設定部とロール角検出部についての説明図である。図2に示すように、ロール角基準値設定部21は、ロール角基準値θを、
θ=sin−1Gy
により求め、ロール角算出部22は、ロール角θを、
θ=θ+∫ωdt
により求める。
図3は、図1のロール角変化量演算部、ロール角変化量演算部及びロール角速度変化量演算部の説明図である。図3に示すように、各輪ロール角変化演算部23は、左右前後各車輪の演算部27a〜30aにおいて、左右前後各車輪の車体に対するキャンバ角α〜αに基づき、各車輪のキャンバ角α〜αの変化量に対する車両のロール角変化量Δθ〜Δθを演算すると共に、左右前後各車輪の演算部27b〜30bにおいて、左右前後各車輪の車体に対するキャンバ角α〜αに基づき、各車輪のキャンバ角α〜αの変化量に対する車両のロール角速度変化量Δω〜Δωを演算する。
また、ロール角変化量演算部16は、ロール角変化量Δθ〜Δθに基づき、ロール角変化量f(Δθ,Δθ,Δθ,Δθ)に対する車両のロール角変化量Δθを求める。変化量演算部17は、ロール角速度変化量Δω〜Δωに基づき、ロール角速度変化量g(Δω,Δω,Δω,Δω)に対する車両のロール角速度変化量Δωを求める。
図4は、図1の判定調整部の説明図である。図4に示すように、判定調整部18は、ロール角算出部22が算出したロール角θ、ロール角速度センサ20が検出したロール角速度ω、ロール角変化量演算部16が演算した車両のロール角変化量Δθ、及び変化量演算部17が演算した車両のロール角速度変化量Δωに基づき、車両の横転する可能性の有無を判定する際に、車両の横転する可能性の有無を判定する判定基準を調整する。
つまり、判定調整部18は、車両の横転する可能性の有無を判定する際に、サスペンション装置の変形状態に応じて、判定基準を調整する判定基準調整手段として機能する。
車両の横転判定装置10による判定は、車両が、横転限界線R(図4参照)に基づく横転領域に入っているか否かにより行われるが、横転領域を決定する横転限界線Rは、判定調整部18により、入力したロール角θ、ロール角速度ω、ロール角変化量Δθ、及びロール角速度変化量Δωの各情報に基づいて更新され、初期の横転限界線Rから更新された横転限界線Rになることで、判定対象の横転領域は変化する。
次に、この発明の第1実施の形態に係る車両の横転判定装置10による横転判定方法を説明する。
図5は、この発明の第1実施の形態に係る車両の横転判定装置による横転判定方法の処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、先ず、車両のエンジンが始動されたか否かを判定する(ステップS101)。判定の結果、エンジンが始動された(Yes)場合、横加速度センサ19が検出した横加速度Gから車両のロール角基準値θを算出し(ステップS102)、その後、車両のロール角速度ω及び左右前後各車輪のキャンバ角α(i=1,2,3,4)を算出する(ステップS103)。一方、判定の結果、エンジンが始動されていない(No)場合、車両のロール角速度ω及び左右前後各車輪のキャンバ角α(i=1,2,3,4)を検出する(ステップS103)。
次に、車両のロール角基準値θとロール角速度ωから、車両のロール角θを算出する(ステップS104)。ロール角θの算出後、左右前後各車輪のキャンバ角αから、ロール角変化量Δθ(i=1,2,3,4)を算出し(ステップS105)、続けて、左右前後各車輪のキャンバ角αから、ロール角速度変化量Δω(i=1,2,3,4)を算出する(ステップS106)。その後、ロール角変化量Δθ(i=1,2,3,4)から、車両のロール角変化量Δθを算出し(ステップS107)、続けて、ロール角速度変化量Δω(i=1,2,3,4)から、車両のロール角速度変化量Δωを算出する(ステップS108)。
次に、車両のロール角変化量Δθ及びロール角速度変化量Δωから、車両の横転限界線Rを移動し(ステップS109)、車両のロール角θに対する、横転限界線R上のロール角速度ωであるωREFを算出する(ステップS110)。その後、ロール角速度ωの絶対値|ω|が、横転限界線R上のロール角速度ωREFの絶対値|ωREF|より小さくないか(|ω|≧|ωREF|)否かを判定する(ステップS111)。
ステップS111における判定の結果、絶対値|ω|が絶対値|ωREF|より小さくない(Yes)場合、車両が横転領域にあるとして点火トランジスタ31に通電し、インフレータ32に着火する(ステップS112)。その後、処理を終了する。一方、判定の結果、絶対値|ω|が絶対値|ωREF|より小さい(No)場合、ステップS103へ戻り、車両のロール角速度ω及び左右前後各車輪のキャンバ角α(i=1,2,3,4)を算出する。
次に、車両の横転の判定に用いられる、一方の座標軸を車両のロール角θ、他方の座標軸をロール角速度ωとする関数の二次元マップ上に設定された横転限界線Rについて説明する。
図6は、車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上に設定された横転限界線Rを示す説明図である。図6に示すように、車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上には、横転限界線Rが設定されており、この横転限界線Rに基づいて車両が横転するか否かの判定を行う。つまり、図6において、車両にロール運動が生じると、原点付近を出発点とする、ロール角θとロール角速度ωによって規定される車両のロール運動の軌跡が得られる。この車両のロール運動の軌跡が、横転領域に入らなければ横転しないと判定されるが、横転限界線Rを跨いで横転領域に入れば横転すると判定される。
従って、判定部12は、マップ上に横転限界線を設定し、ロール角算出部22にて算出したロール角及びロール角速度センサ15により検出したロール角速度の値がマップの原点から見て横転限界線を越えるときに車両が横転する可能性があると判定する。
図7は、車両が横転する際にサスペンション装置が故障する様子を概略的に示す前方側から見た説明図である。図8は、車両が横転する際にサスペンション装置が故障する様子を概略的に示す底面側から見た説明図である。
図7及び図8に示すように、車両40の通常走行時、車輪41を懸架するサスペンション装置42のリンク部品43は正常状態にある(図7、図8参照)が、例えば、走行路R上の縁石や路面の突起物による凹凸S等に車輪41の側面が干渉した場合、その衝撃でサスペンション装置42のリンク部品43が屈曲変形(図7、図8参照)してしまうことがある。
リンク部品43が屈曲変形すると、車輪41のキャンバ角αの変化(図7参照)、トー角βの変化(図8参照)、及び車体中心からタイヤ踏面中心までの距離であるトレッドDの変化(図7参照)を生じさせる。
図9は、この発明の第1実施の形態に係る二次元マップ上に設定された横転限界線を示す説明図である。図10は、キャンバ角の変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。
図9に示すように、車体に対する車輪41のキャンバ角α(図7参照)を計測し、予め設定した、ロール角が0°のときの車輪41の車体に対するキャンバ角αに対する、キャンバ角α1の変化量に基づき、判定調整部18は、横転限界線Rのロール角軸の切片値であるΔθ、ロール角速度軸の切片値であるΔωにより、横転限界線Rを初期の横転限界線Rから更新された横転限界線Rへと移動させる。
例えば、車輪41の車体に対するキャンバ角αの変化量が正の値であると、変化量Δθ,Δωは、予め設定したキャンバ角αとの関係によって共に負の値となり(図10参照)、車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップの、第1象限にある横転限界線R(図9、破線参照)、第3象限にある横転限界線R(図9、破線参照)を、共に原点方向に移動させて更新された横転限界線Rとする(図9、実線参照)。
横転限界線Rが、初期の位置(図9、破線参照)からキャンバ角αの変化量に基づく位置(図9、実線参照)に移動すると、ロール角が0°、ロール角速度が0°/sec付近から始まる車両40の横転運動で、横転限界線Rに達するのに要する時間が短くなる。これにより、車両40の横転が早期に検知できるようになる。
このように、横転判定装置10により車両41の横転が早期に検知できるようになり、横転検知の信頼性を更に高めることができる。
図11は、閾値Rαを設けた場合のキャンバ角の変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。
図11に示すように、車輪41の車体に対するキャンバ角αの変化量に対し、横転限界線Rの各切片値の変化量Δθ,Δωを予め設定する際、キャンバ角αの絶対値が閾値Rαより大きい場合は、変化量Δθが値を持つように((a)参照)、また、変化量Δωが値を持つように((b)参照)したものである。
つまり、オフロード走行時等でサスペンションが大きく上下にストロークする等により、サスペンション装置の故障が発生しないにも拘わらず、キャンバ角αが頻繁に変動する場合に、閾値Rαをサスペンション装置に故障が生じるキャンバ角α以上とすることで、横転限界線Rが移動するのをサスペンション装置が故障して安定走行を持続できない場合に限定している。これによって、車両40の横転判定の信頼性を高めることができる。
図12は、車体に対するキャンバ角αを計測する車輪を限定する例(その1)について示し、(a)は左ロールの場合の前方側から見た説明図、(b)は右ロールの場合の前方側から見た説明図である。図13は、車体に対するキャンバ角αを計測する車輪を限定する例(その2)について示し、(a)は右減速の場合の前方側から見た説明図、(b)は左減速の場合の前方側から見た説明図である。
図12及び図13に示すように、車輪の車体に対するキャンバ角αを計測する車輪を、横転のきっかけとなる車両40の横滑り方向にある車輪41aに限定する。
車両40の車輪側面が、走行路R上の縁石や路面の突起物による凹凸S等に干渉して横転する場合は、
・左右の車輪の内の横滑り方向にある車輪
・ロール回転方向にある車輪
・車両の横加速度の作用する方向と逆方向にある車輪
となる。
例えば、車両40が右方向に横滑りするのであれば、右車輪側面が走行路Rの凹凸S等と干渉する場合に横転する可能性がある。このときのロールの回転方向は右方向、横加速度方向は凹凸S等との干渉により左方向であり、上記によって、右車輪側面が走行路Rの凹凸S等に干渉する場合に横転する可能性がある。
このとき、車両左右方向の反対側にある左車輪のサスペンション装置に故障が生じて、左車輪の車体に対するキャンバ角αが大きく変化し、図9,10に示した、変化量Δθ,Δωによって、横転限界線Rが大きく移動し得る場合でも、左車輪は走行路Rから浮き上がってしまうので車両40を横転させるロールモーメントを発生させない。
従って、横滑り方向と逆方向にある左車輪のキャンバ角αの変化量により移動させた横転限界線Rは、車両40の横転限界の特性を現さない。
そのため、車輪の車体に対するキャンバ角αを計測する車輪を、車両40の横滑り方向ないしロール方向、または横加速度方向と逆方向の車輪に限定することで、判定調整部18により、横転限界線Rを初期の横転限界線Rから更新された横転限界線Rへと移動させて車両40の横転を早期に判定する場合に、横転判定の信頼性が高まる。
(第2実施の形態)
図14は、この発明の第2実施の形態に係る横転限界線が設定された二次元マップを示す説明図である。図15は、キャンバ角の変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。
この第2実施の形態において、判定調整部18は、車輪41下端から車両40中心線までのトレッドD(図7参照)を計測し、予め設定した、ロール角が0°のときの車輪41の車体に対するトレッドDの変化量に対応して、図14の破線で示した横転限界線Rのロール角軸の切片値であるΔθ、ロール角速度軸の切片値であるΔωにより、横転限界線Rを初期の横転限界線R0から更新された横転限界線R1へと移動させる。
例えば、図15に示すように、車輪41の車体に対するトレッドDの変化量が正値であると、Δθ,Δωは、予め設定したトレッドDとの関係によって共に負値となり((a),(b)参照)、判定調整部18は、図14に示すように、車両40のロール角θとロール角速度ωの二次元マップの第1象限にある初期の横転限界線R(破線参照)、第3象限にある初期の横転限界線R(破線参照)を、共に原点方向に移動して、更新された横転限界線R(実線参照)とする。
横転限界線Rが、図14に示すように、初期の横転限界線R(破線参照)から原点側の更新された横転限界線R(実線参照)に移動すると、ロール角が0°、ロール角速度が0°/sec付近から始まる車両40の横転運動において、横転限界線Rに達するのに要する時間が短くなる。これによって、車両40の横転を早期に検知できるようになる。
図16は、閾値Rdを設けた場合のトレッドDの変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。
図16に示すように、車輪41の車体に対するトレッドDの変化量に対し、横転限界線Rの各切片値の変化量Δθ,Δωを予め設定する際、トレッドDの絶対値が閾値Rより大きい場合は、変化量Δθが値を持つように((a)参照)、また、変化量Δωが値を持つように((b)参照)したものである。
つまり、オフロード走行時等でサスペンションが大きく上下にストロークする等により、サスペンション装置の故障が発生しないにも拘わらず、トレッドDが頻繁に変動する場合に、閾値Rをサスペンション装置に故障が生じるトレッドD以上として横転限界線Rが移動するのをサスペンション装置が故障して安定走行を持続できない場合に限定している。これにより、車両40の横転判定の信頼性を高めることができる。
図17は、車体に対するトレッドDを計測する車輪を限定する例(その1)について示し、(a)は左ロールの場合の前方側から見た説明図、(b)は右ロールの場合の前方側から見た説明図である。図18は、車体に対するトレッドDを計測する車輪を限定する例(その2)について示し、(a)は右減速の場合の前方側から見た説明図、(b)は左減速の場合の前方側から見た説明図である。
図17及び図18に示すように、車輪の車体に対するトレッドDを計測する車輪を、横転のきっかけとなる車両40の横滑り方向にある車輪41aに限定する。
車両40の車輪側面が、走行路R上の縁石や路面の突起物による凹凸S等に干渉して横転する場合は、
・左右の車輪の内の横滑り方向にある車輪
・ロール回転方向にある車輪
・車両の横加速度の作用する方向と逆方向にある車輪
となる。
例えば、車両40が右方向に横滑りするのであれば、右車輪側面が走行路Rの凹凸S等と干渉する場合に横転する可能性がある。このときのロールの回転方向は右方向、横加速度方向は凹凸S等との干渉により左方向であり、上記によって、右車輪側面が走行路Rの凹凸S等に干渉する場合に横転する可能性がある。
このとき、車両左右方向の反対側にある左車輪のサスペンション装置に故障が生じて、左車輪の車体に対するトレッドDが大きく変化し、図14,15に示した、変化量Δθ,Δωによって、横転限界線Rが大きく移動し得る場合でも、左車輪は走行路Rから浮き上がってしまうので車両40を横転させるロールモーメントを発生させない。
従って、横滑り方向と逆方向にある左車輪のトレッドDの変化量により移動させた横転限界線Rは、車両40の横転限界の特性を現さない。
そのため、車輪の車体に対するトレッドDを計測する車輪を、車両40の横滑り方向ないしロール方向、または横加速度方向と逆方向の車輪に限定することで、判定調整部18により、横転限界線Rを初期の横転限界線Rから更新された横転限界線Rへと移動させて車両40の横転を早期に判定する場合に、横転判定の信頼性が高まる。
(第3実施の形態)
図19は、この発明の第3実施の形態に係る横転限界線が設定された二次元マップを示す説明図である。図20は、トー角の変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。
この第3実施の形態において、判定調整部18は、車体に対する車輪41のトー角β(図8参照)を計測し、予め設定した、ロール角が0°のときの車輪41の車体に対するトー角βの変化量に対応して、図19の破線で示した横転限界線Rのロール角軸の切片値であるΔθ、ロール角速度軸の切片値であるΔωにより、横転限界線Rを初期の横転限界線Rから更新された横転限界線Rへと移動させる。
第3実施の形態では、トー角βの変化方向がプラス(車輪41の進行方向が車両40の中心線から遠ざかる方向)、マイナス(車輪41の進行方向が車両40の中心線に近づく方向)何れの場合も、トー角βの変化が走行路Rの凹凸S等からの衝撃等によるサスペンション装置の故障である場合は、車両運動のヨー方向の安定性が低下してスピンする可能性が高まる。車両40のスピンによって車両40の進行方向が車両横方向になると、車輪41の側面が走行路Rの凹凸S等と干渉し、横転に至る大きなロールモーメントが車両に生じる可能性が高まると共に、サスペンション装置の故障によるトー角βの変化量が車両40のスピン運動からの回復が困難な大きさであれば、車両40が横転する前でも車両走行を正常、且つ、安定して継続することが困難であると判定することができる。
そこで、判定調整部18は、トー角βの変化量に応じて、横転限界線Rを、初期の横転限界線R(図19、破線参照)から原点側の更新された横転限界線R(図19、実線参照)へと移動させると、ロール角が0°、ロール角速度が0°/sec付近から始まる車両40の横転運動で、横転限界線Rに達するのに要する時間が短くなる。これにより、車両40の横転を早期に判定できるようになる。
図21は、閾値Rβを設けた場合のトー角βの変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。
図21に示すように、車輪41の車体に対するトー角βの変化量に対し、横転限界線Rの各切片値の変化量Δθ,Δωを予め設定する際、トー角βの絶対値が閾値Rβより大きい場合は、変化量Δθが値を持つように((a)参照)、また、変化量Δωが値を持つように((b)参照)したものである。
つまり、オフロード走行時等でサスペンションが大きく上下にストロークする等により、サスペンション装置の故障が発生しないにも拘わらず、トー角βが頻繁に変動する場合に、閾値Rβをサスペンション装置に故障が生じるトー角β以上とすることで、横転限界線Rが移動するのをサスペンション装置が故障して安定走行を持続できない場合に限定している。これによって、車両40の横転判定の信頼性を高めることができる。
図22は、車体に対するトー角を計測する車輪を限定する例(その1)について示し、(a)は左ロールの場合の底面側から見た説明図、(b)は右ロールの場合の底面側から見た説明図である。図23は、車体に対するトー角βを計測する車輪を限定する例(その2)について示し、(a)は右減速の場合の底面側から見た説明図、(b)は左減速の場合の底面側から見た説明図である。
図22及び図23に示すように、車輪の車体に対するトー角βを計測する車輪を、横転のきっかけとなる車両40の横滑り方向にある車輪41aに限定する。
車両40の車輪側面が、走行路R上の縁石や路面の突起物による凹凸S等に干渉して横転する場合は、
・左右の車輪の内の横滑り方向にある車輪
・ロール回転方向にある車輪
・車両の横加速度の作用する方向と逆方向にある車輪
となる。
例えば、車両40が右方向に横滑りするのであれば、右車輪側面が走行路Rの凹凸S等と干渉する場合に横転する可能性がある。このときのロールの回転方向は右方向、横加速度方向は凹凸S等との干渉により左方向であり、上記によって、右車輪側面が走行路Rの凹凸S等に干渉する場合に横転する可能性がある。
このとき、車両左右方向の反対側にある左車輪のサスペンション装置に故障が生じて、左車輪の車体に対するトー角βが大きく変化し、図19,20に示した、変化量Δθ,Δωによって、横転限界線Rが大きく移動し得る場合でも、左車輪は走行路Rから浮き上がってしまうので車両40を横転させるロールモーメントを発生させない。
従って、横滑り方向と逆方向にある左車輪のトー角βの変化量により移動させた横転限界線Rは、車両40の横転限界の特性を現さない。
そのため、車輪の車体に対するトー角βを計測する車輪を、車両40の横滑り方向ないしロール方向、または横加速度方向と逆方向の車輪に限定することで、判定調整部18により、横転限界線Rを初期の横転限界線Rから更新された横転限界線Rへと移動させて車両40の横転を早期に判定する場合に、横転判定の信頼性が高まる。
(第4実施の形態)
図24は、この発明の第4実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための計測手段を示す説明図である。図24に示すように、サスペンション装置42のハブ部分(例えば、ハブキャリア)42aに、傾斜角度計或いは傾斜角速度計からなる計測手段44aを設置すると共に、同様の計測手段44bを、車体45(又はサスペンションメンバ)にも設置している。
この計測手段44a,44bにより、車両40のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上に設定する横転限界線Rを、サスペンション装置42の故障によって移動させる際に、サスペンション装置42の故障を代表する車輪の車体に対するキャンバ角α、車輪の車体に対するトー角βを、傾斜角度計或いは傾斜角速度計からなる計測手段44により計測する。
即ち、サスペンション装置42のハブ部分42aに取り付けた計測手段44によって計測される、車両前後方向のハブ回転角(ω)と車両上下方向のハブ回転角(ω)から、車体に取り付けた計測手段44によって計測される、車両前後方向の車体回転角と車両上下方向の車体回転角を差し引く。
この差し引いて得られた角度を車体に対する車輪のキャンバ角α及びトー角βとして、判定調整部18は、計測されたキャンバ角α、トー角βから車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上に設定する横転限界線Rの、マップ上での移動量を決める。
(第5実施の形態)
図25は、この発明の第5実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するためのピボット距離を示す説明図である。図26は、車体に対する車輪の各要素の変化をグラフで示し、(a)はキャンバ角の説明図、(b)はトー角の説明図、(c)はトレッドの説明図である。
図25に示すように、サスペンション装置42中にあるリンク部品(サスペンションリンク)43の両端間の距離であるピボット間距離(L)を計測する。そして、図26に示すように、サスペンション装置42により懸架される車輪が路面上の突起物等と衝突した際に生じる、計測したピボット間距離(L)の変化量、即ち、初期のピボット間距離(L)に対する変化量ΔLから、車体に対する車輪のキャンバ角α((a)参照)、車体に対する車輪のトー角β((b)参照)、車体に対する車輪のトレッドD((c)参照)を算出する。
この算出結果に基づき、判定調整部18は、車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決める。
(第6実施の形態)
図27は、この発明の第6実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための加速度計を示す説明図である。図27に示すように、この実施の形態では、ロードホイール46に、車両横方向の加速度を計測することができる加速度計(横加速度計)47aを設置すると共に、同様の加速度計(横加速度計)47bを、車体45(又はサスペンションメンバ)にも設置している。なお、ロードホイール46においては、アッパーリンク(UPR LINK)やボールジョイント(BJT)等により、キャンバ角変化、トー角変化の回転中心位置を仮定する(図中、A参照)。
この加速度計47a,47bにより、車輪が路面の突起物等に干渉してサスペンション装置に衝撃力が作用しサスペンション装置が故障する際に、サスペンション装置の故障におけるサスペンション装置の横変形の変形加速度を、車輪の横加速度と車体の横加速度の差としてサスペンション装置の横変形加速度から算出されるサスペンション装置の横変形量から、車輪の車体に対するキャンバ角α、トー角β、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドDを求める。
そして、判定調整部18は、求めたこれらの値に基づき、車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決める。
なお、上記例においては、車輪に加速度計(横加速度計)47を設置したが(図27参照)、サスペンション装置のハブに車両横方向の加速度を計測する加速度計を設置しても、同様の作用を得ることができる。
(第7実施の形態)
図28は、この発明の第7実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための回転角計を示す説明図である。図29は、車体に対する車輪の各要素の変化をグラフで示し、(a)はキャンバ角の説明図、(b)はトー角の説明図である。
図28に示すように、この実施の形態では、サスペンション装置42のジョイント部42b(或いはサスペンションブッシュ部)に回転角計(回転角センサ、図示しない)を設置する。そして、判定調整部18は、図29に示すように、回転角計が計測する回転角(γ)から、車体に対する車輪のキャンバ角α((a)参照)、計測したピボット間距離(L)の変化量、即ち、初期のピボット間距離(L)に対する変化量ΔLから、車体に対する車輪のトー角β((b)参照)、及びキャンバ角αないしトー角βから計算される車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドDを求め、車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決める。
(第8実施の形態)
図30は、この発明の第8実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための説明図である。図31は、サスペンションリンクの屈曲変形における屈曲角に対する、サスペンションリンクの両端の距離の変化量をグラフで示す説明図である。
図30に示すように、この実施の形態では、サスペンション装置42のリンク部品(サスペンションリンク)43の両端に回転角計(回転角センサ、図示しない)を設置し、路面の突起物等による衝撃で生じるサスペンションリンク43の屈曲変形における屈曲角(φinr+φotr)を、サスペンションリンク43の両端に設置した回転角計(回転角センサ)から求める。
そして、図31に示すように、その屈曲角(φinr+φotr)に対する、サスペンションリンク43の両端の距離(L)の変化量(ΔL)を求め、第5実施の形態(図25参照)と同様に、判定調整部18は、車輪の車体に対するキャンバ角α、トー角β、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドDを算出し、車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決める。
(第9実施の形態)
図32は、この発明の第9実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための説明図である。図33は、サスペンションリンクの屈曲変形を示し、(a)は屈曲部による変形(その1)の説明図、(b)は屈曲部による変形(その2)の説明図である。
図32に示すように、この実施の形態では、サスペンション装置42のサスペンションリンク43の両端の距離(L)を、第8実施の形態(図30参照)において、サスペンションリンク43の両端に設置した回転角計で計測する回転角から算出する際に、予めサスペンションリンク43に、僅かに屈曲(弱屈曲)させた屈曲部43aを形成しておき、路面からの衝撃力でサスペンションリンク43が屈曲変形する場合の変形モード(サスペンションリンク43の屈曲位置と屈曲方向)を規定する。
つまり、図33に示すように、予め、サスペンションリンク43に屈曲部43aを一箇所設けておき、この屈曲部43aでサスペンションリンク43が坐屈変形することにより、変形モードが規定される((a)参照)。また、予め、サスペンションリンク43に屈曲部43aを二箇所設けておき、これら二箇所の屈曲部43aでサスペンションリンク43が坐屈変形することにより、変形モードが規定される((b)参照)。
これにより、サスペンションリンク43の両端で計測される回転角から、サスペンションリンク43の両端の長さであるピボット間距離(L)の変化量(ΔL)を算出する。そして、判定調整部18は、算出した、ピボット間距離(L)の変化量(ΔL)から、車輪の車体に対するキャンバ角α、トー角β、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドDを算出し、車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決める。
(第10実施の形態)
図34は、この発明の第10実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための説明図である。図35は、サスペンションリンクの屈曲変形を示し、(a)は不連続部による変形(その1)の説明図、(b)は不連続部による変形(その2)の説明図である。
図34に示すように、この実施の形態では、第9実施の形態(図33参照)における、サスペンション装置42のサスペンションリンク43の両端の長さ(L)の変化量(ΔL)を、サスペンションリンク43の両端に設置した回転角計で計測される回転角から算出する場合に、第9実施の形態では、路面の突起物からの衝撃によるサスペンションリンク43の変形モードを予め規定するのに、このサスペンションリンク43を弱屈曲させていたのに対し、図35に示すように、屈曲変形させる部分でサスペンションリンク43の外径及び内径をそれ以外の部分と異ならせた不連続部43bを一箇所((a)参照)、或いは二箇所((b)参照)形成して、サスペンションリンク43の軸方向の作用力、曲げ方向の作用力に対する強度の不連続部分を設定することにより変形モードを規定する。
この不連続部43bを設定し、屈曲変形させたい部分(不連続部43b)の強度をそれ以外の部分に比べて高くすることで、第9実施の形態における場合に比べて、サスペンションリンク43の強度を低下させることなくサスペンションリンク43の変形モードを規定することができ、当該サスペンションリンク43の両端で計測される回転角から、このサスペンションリンク43の両端の長さ(L)の変化量(ΔL)を算出することができる。この算出結果に基づき、判定調整部18は、車輪の車体に対するキャンバ角α、トー角β、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドDを算出し、車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決める。
上述したように、車両の横転判定装置10は、車両の横転を判定する手段と、車両のサスペンション装置における変形状態を検出する変形検出手段とを有し、車両の横転する可能性の有無を判定する際に、変形検出手段により検出されたサスペンション装置の変形状態に応じて、車両の横転する可能性の有無を判定する判定基準を補正する。
これにより、車両の横転を判定する手段に加えて、サスペンション装置に大きな衝撃が加わったときのサスペンション装置の故障となる変形を検出する手段を持つことで、サスペンション装置の変形による車両の横転に対する安定性の変化が分かり、横転に対する安定性が低下したことを検知することで車両の横転の判定を補正できるので、サスペンション装置の変形を検知しない場合に比べて早期に横転を判定することができる。
また、車両の横転判定に際し、車両のロール角及びロール角速度をパラメータとする二次元マップ上に横転限界線を設定し、車両の実際のロール角及びロール角速度の履歴線が二次元マップの原点から見て横転限界線を越えるときに車両が横転する可能性があると判定するが、この横転限界線を車輪の車体に対するキャンバ角の大きさで変化させる。
これにより、サスペンション装置の変形を車輪の車体に対するキャンバ角の変化量で検知すると、車両の横転に対する安定性の因子となる当該車輪の車体に対するトレッド幅の縮小量にキャンバ角の変化量が相関するので、車体に対する車輪のキャンバ角の変化量を検知することによって車両の横転に対する安定性を補正することができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線を、キャンバ角の変化方向が、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドが狭くなる方向であるとき、原点側に移動させ、キャンバ角の変化方向がトレッドが広くなる方向であるとき、原点から遠ざかる方向に移動させる。
これにより、車体に対するキャンバ角がトレッドが狭くなる方向に変化する場合に、車体に対するキャンバ角を検知することで、トレッドの減少量を検知することができ、トレッドの減少によって横転に対する安定性が低下することが分かるので、車両のロール角とロール角速度をパラメータとする二次元マップ上に設定した横転限界線を、原点側に移動させることができる。よって、横転中の車両は横転限界線を早期に越えることになって横転を早期に検知することができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線を、車輪の車体に対するキャンバ角の変化量の絶対値がキャンバ角に設定する閾値を越えるとき移動させる。
これにより、車輪の車体に対するキャンバ角の変化量の絶対値がキャンバ角に設定する閾値を越えるときのみ、横転限界線を移動させるので、車輪の車体に対するキャンバ角に設定する閾値を、サスペンション装置が外部からの衝撃で故障しないキャンバ角の範囲に設定することにより、例えば、オフロード走行等でサスペンションが故障することなく大きく上下に伸縮する場合に横転限界線を移動させることがなくなって、サスペンション装置に故障が生じない場合に車両の横転を誤検知することがなくなるので、車両横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線の移動は、車両の横滑り方向が右方向であるときは右車輪の車体に対するキャンバ角が変化する場合に行い、車両の横滑り方向が左方向であるときは左車輪の車体に対するキャンバ角が変化する場合に行う。
これにより、車両の左右の横滑り方向にあって横転を開始する際に、地面に躓いて車両を横転させるロールモーメントを発生させる車輪、例えば、右方向に横滑りするのであれば右車輪、の車体に対するキャンバ角により車両の横転を検知することによって、車両の横転開始に大きく影響しない横滑り方向と逆方向の車輪の車体に対するキャンバ角が大きく変化しても、横滑り方向にある車輪のサスペンション装置に故障が生じず、車輪の車体に対するキャンバ角の変化量がトレッドを狭くする方向に大きくない場合に、横転限界線を移動することがなくなるので、車両横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線の移動は、車両のロール角速度が右横転方向であるときは右車輪の車体に対するキャンバ角が変化する場合に行い、車両のロール角速度が左横転方向であるときは左車輪の車体に対するキャンバ角が変化する場合に行う。
これにより、車両のロール角速度方向にあって、横転を開始する際に地面に躓いて車両を横転させるロールモーメントを発生させる車輪、例えば、右方向にロールするロール角速度であれば、右車輪の車体に対するキャンバ角により車両の横転を検知することにより、車両の横転開始に大きく影響しな車両のロール角速度方向と逆方向の車輪の車体に対するキャンバ角が大きく変化しても、横滑り方向にある車輪のサスペンション装置に故障が生じず、車輪の車体に対するキャンバ角の変化量がトレッドを狭くする方向に大きくない場合に横転限界線を移動することがなくなるので、車両横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線の移動は、車両の横加速度が右方向であるときは左車輪の車体に対するキャンバ角が変化する場合に行い、車両の横加速度が左方向であるときは右車輪の車体に対するキャンバ角が変化する場合に行う。
これにより、車両の横加速度方向の逆方向にあって、横転を開始する際に地面に躓いて車両を横転させるロールモーメントを発生させる車輪、例えば、車両の横加速度が右方向であれば、左車輪の車体に対するキャンバ角により車両の横転を検知することにより、車両の横転開始に大きく影響しない車両の横加速度方向にある車輪の車体に対するキャンバ角が大きく変化しても、横滑り方向にある車輪のサスペンション装置に故障が生じず、車輪の車体に対するキャンバ角の変化量がトレッドを狭くする方向に大きくない場合に横転限界線を移動することがなくなるので、車両横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、判定基準調整手段は、横転限界線を車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドの大きさで変化させることにより、車両の横転する可能性の有無を判定する判定基準を調整する。
これにより、サスペンション装置の変形による、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドの変化量を検知することによって、トレッドが大きく影響する車両の横転に対する安定性の変化が分かるので、車両の横転に対する安定性を表す横転限界線を補正することができる。
また、車両の横転判定に際し、判定基準調整手段は、横転限界線を、前記トレッドが狭くなるときは原点側に移動させ、トレッドが広くなるときは原点から遠ざかる方向に移動させる。
これにより、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドが狭くなる方向に変化する場合に、トレッドの減少量を検知することができ、トレッドの減少によって横転に対する安定性が低下することが分かるので、車両のロール角とロール角速度をパラメータとする二次元マップ上に設定した横転限界線を、原点側に移動させることができる。よって、横転中の車両は横転限界線を早期に越えることになって、横転を早期に判定することができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線は、トレッドの変化量の絶対値がトレッドに設定する閾値を越えるときに移動させる。
これにより、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドの変化量の絶対値が、トレッドに設定する閾値を越えるときのみ、横転限界線を移動させるので、車輪の車体に対するトレッドに設定する閾値を、サスペンション装置が外部からの衝撃で故障しないトレッドの範囲に設定することにより、例えば、オフロード走行等でサスペンションが故障することなく大きく上下に伸縮する場合に、横転限界線を移動させることがなくなって、サスペンション装置に故障が生じない場合に車両の横転を誤検知することがなくなるので、車両の横転時における早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線は、車両の横滑り方向が右方向であるときは右車輪を基準としたトレッドが変化する場合に移動させ、車両の横滑り方向が左方向であるときは左車輪を基準としたトレッドが変化する場合に移動させる。
これにより、車両の左右の横滑り方向にあって、横転を開始する際に地面に躓いて車両を横転させるロールモーメントを発生させる車輪、例えば、右方向に横滑りするのであれば右車輪の車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドDにより、車両の横転を検知することにより、車両の横転開始に大きく影響しない横滑り方向と逆方向の車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドDが大きく変化しても、横滑り方向にある車輪のサスペンション装置に故障が生じず車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドDの変化量がトレッドDを狭くする方向に大きくない場合に横転限界線を移動することがなくなるので、車両の横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線は、車両のロール角速度が右横転方向であるときは右車輪を基準としたトレッドが変化する場合に移動させ、車両のロール角速度が左横転方向であるときは左車輪を基準としたトレッドが変化する場合に移動させる。
これにより、車両のロール角速度方向にあって、横転を開始する際に地面に躓いて車両を横転させるロールモーメントを発生させる車輪、例えば、右方向にロールするロール角速度であれば右車輪のトレッドにより車両の横転を検知することによって、車両の横転開始に大きく影響しない車両のロール角速度方向と逆方向の車輪のトレッドが大きく変化しても、横滑り方向にある車輪のサスペンション装置に故障が生じず、トレッドの変化量がトレッドDを狭くする方向に大きくない場合に、横転限界線を移動することがなくなるので、車両横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線は、車両の横加速度が右方向であるときは左車輪を基準としたトレッドが変化する場合に移動させ、車両の横加速度が左方向であるときは右車輪を基準としたトレッドが変化する場合に移動させる。
これにより、車両の横加速度方向の逆方向にあって、横転を開始する際に地面に躓いて車両を横転させるロールモーメントを発生させる車輪、例えば、車両の横加速度が右方向であれば左車輪のトレッドにより車両の横転を検知することによって、車両の横転開始に大きく影響しない車両の横加速度方向にある車輪の車体に対するトレッドが大きく変化しても、横滑り方向にある車輪のサスペンション装置に故障が生じず、トレッドの変化量がトレッドを狭くする方向に大きくない場合に、横転限界線を移動することがなくなるので、車両横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、判定基準調整手段は、横転限界線を車輪の車体に対するトー角の大きさで変化させることにより、車両の横転する可能性の有無を判定する判定基準を調整する。
これにより、サスペンション装置の変形を車輪の車体に対するトー角の変化量が大きいことによって、車両運動のヨー方向の安定性が低下する状態を検知できるので、車両の横転に至る大きな原因であるスピンが起き易くなることを検出でき、更に、スピン運動から回復し難くなる状態を検出できるので、車輪の車体に対するトー角の変化量から車両の横転限界線を補正して車両のロール角とロール角速度をパラメータとする二次元マップ上で横転限界線を原点側に移動する等して、横転を早期に判定することができる。
また、車両の横転判定に際し、判定基準調整手段は、横転限界線を、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値が大きくなるに連れて原点側に移動させる。
これにより、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値を計測することにより、トー角の変化量の絶対値が大きくなるに連れて、トー角の変化方向がマイナス方向(車輪の進行方向が車両の中心線に近づく方向)でもプラス方向(車輪の進行方向が車両の中心線から遠ざかる方向)でも車両運動のヨー方向の安定性が失われてスピンし易くなり、また、スピン運動から回復し難くなる状態を検出して車両が横転し易くなることを予知できるので、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値により横転限界線を車両のロール角とロール角速度をパラメータとする二次元マップ上で原点側に移動することによって、横転を早期に判定することができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線を、車輪の車体に対するトー角の大きさで変化させる。横転限界線は、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値が大きくなるに連れて原点側に移動させ、横転限界線は、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値がトー角に設定する閾値を越えるときに移動させる。
これにより、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値がトー角に設定する閾値を越えるときのみ、横転限界線を移動させるので、車輪の車体に対するトー角に設定する閾値をサスペンション装置が外部からの衝撃で故障しないトー角の範囲に設定することにより、例えば、オフロード走行等でサスペンションが故障することなく大きく上下に伸縮する場合に横転限界線を移動させることがなくなって、サスペンション装置に故障が生じない場合に車両の横転を誤検知することがなくなるので、車両の横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線は、車両の横滑り方向が右方向であるときは右車輪のトー角が変化する場合に移動させ、車両の横滑り方向が左方向であるときは左車輪のトー角が変化する場合に移動させる。
これにより、車両の左右の横滑り方向にあって横転を開始する際に、地面に躓いて車両を横転させるロールモーメントを発生させる車輪、例えば、右方向に横滑りするのであれば右車輪、の車体に対するトー角の変化量により車両の横転を検知することによって、車両の横転開始に大きく影響しない横滑り方向と逆方向の車輪の車体に対するトー角が大きく変化しても、横滑り方向にある車輪のサスペンション装置に故障が生じず、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値が車両のヨー運動の安定性を低下させるこほど大きくない場合に、横転限界線を移動することがなくなるので、車両の横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線は、車両のロール角速度が右横転方向であるときは右車輪のトー角が変化する場合に移動させ、車両のロール角速度が左横転方向であるときは左車輪のトー角が変化する場合に移動させる。
これにより、車両のロール角速度方向にあって、横転を開始する際に地面に躓いて車両を横転させるロールモーメントを発生させる車輪、例えば、右方向にロールするロール角速度であれば右車輪、の車体に対するトー角により車両の横転を検知することによって、車両の横転開始に大きく影響しない車両のロール角速度方向と逆方向の車輪の車体に対するトー角が大きく変化しても、横滑り方向にある車輪のサスペンション装置に故障が生じず、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値が車両のヨー運動の安定性を低下させるほど大きくない場合に、横転限界線を移動することがなくなるので、車両の横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線は、車両の横加速度が右方向であるときは左車輪のトー角が変化する場合に移動させ、車両の横加速度が左方向であるときは右車輪のトー角が変化する場合に移動させる。
これにより、車両の横加速度方向の逆方向にあって、横転を開始する際に地面に躓いて車両を横転させるロールモーメントを発生させる車輪、例えば、車両の横加速度が右方向であれば左車輪、の車体に対するトー角により車両の横転を検知することによって、車両の横転開始に大きく影響しない車両の横加速度方向にある車輪の車体に対するトー角が大きく変化しても、横滑り方向にある車輪のサスペンション装置に故障が生じず、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値が車両のヨー運動の安定性を低下させるこほど大きくない場合に、横転限界線を移動することがなくなるので、車両の横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線を、車輪の車体に対するトー角の大きさで移動させる際に、車輪の車体に対するキャンバ角の変化量の大きさに対応させて更に移動させる。
これにより、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値によって車両運動のヨー方向の安定性の低下を検出し横転限界線を移動させて、車両の横転を早期に判定させる場合に、車輪の車体に対するキャンバ角を計測してキャンバ角に相関し車両の横転運動の安定性に関わるトレッドの変化量を計測することにより、車両の横転運動に対する安定性には相関しない車輪の車体に対するトー角によって補正した横転限界線を、横転運動の安定性に相関するキャンバ角で更に補正することができるので、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値で横転限界線を補正する場合に比べて、車両の横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
また、車両の横転判定に際し、横転限界線を、車輪の車体に対するトー角の大きさで移動させる際に、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドの大きさに対応させて更に移動させる。
これにより、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値によって車両運動のヨー方向の安定性の低下を検出し横転限界線を移動させて、車両の横転を早期に判定させる場合に、車両の横転運動の安定性に関わるトレッドの変化量を計測することにより、車両の横転運動に対する安定性には相関しない車輪の車体に対するトー角によって補正した横転限界線を、横転運動の安定性に相関するトレッドで更に補正することができるので、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値で横転限界線を補正する場合に比べて、車両の横転の早期判定の信頼性を高めることができる。
このように、この発明に係る車両の横転判定装置及び方法は、横転を判定するためにサスペンション装置が外部からの衝撃力で故障するのを検知して、サスペンション装置の故障の状態から車両の横転に対する安定性を求め、横転の判定に用いるものであり、車両の横転を判定した結果、横転する場合に、エアバッグ等の安全装置を作動させる。
つまり、車両の横転を検知する際に、傾斜センサに加えてサスペンションの故障診断装置を用いて、横転の直前に発生するサスペンション装置の故障を検知することで、横転の判定を、傾斜センサで判定する場合に比べて早めることができる。この結果、車両が横転するのを早期に判定して、エアバッグやシートベルトプリテンショナー等の安全装置を従来よりも早期に作動させることができるので、安全装置による乗員の拘束性を一層高めることができる。
この発明に係る車両の横転判定装置10は、装置全体を統括的に制御する、プログラムされた主制御部(CPU)に記憶装置が接続されて構成されており、CPUは、制御プログラムや上述した各種処理手順を規定したプログラム、及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらプログラム等により上述した各種手段を実現している。
この発明の第1実施の形態に係る車両の横転判定装置の概略構成を示すブロック図である。 図1のロール角基準値設定部とロール角検出部についての説明図である。 図1のロール角変化量演算部、ロール角変化量演算部及びロール角速度変化量演算部の説明図である。 図1の横転判定部の説明図である。 この発明の第1実施の形態に係る車両の横転判定装置による横転判定方法の処理の流れを示すフローチャートである。 車両のロール角θとロール角速度ωの二次元マップ上に設定された横転限界線Rを示す説明図である。 車両が横転する際にサスペンション装置が故障する様子を概略的に示す前方側から見た説明図である。 車両が横転する際にサスペンション装置が故障する様子を概略的に示す底面側から見た説明図である。 この発明の第1実施の形態に係る二次元マップ上に設定された横転限界線を示す説明図である。 キャンバ角の変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。 閾値Rαを設けた場合のキャンバ角の変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。 車体に対するキャンバ角αを計測する車輪を限定する例(その1)について示し、(a)は左ロールの場合の前方側から見た説明図、(b)は右ロールの場合の前方側から見た説明図である。 車体に対するキャンバ角αを計測する車輪を限定する例(その2)について示し、(a)は右減速の場合の前方側から見た説明図、(b)は左減速の場合の前方側から見た説明図である。 この発明の第2実施の形態に係る横転限界線が設定された二次元マップを示す説明図である。 キャンバ角の変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。 閾値Rを設けた場合のトレッドDの変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。 車体に対するトレッドDを計測する車輪を限定する例(その1)について示し、(a)は左ロールの場合の前方側から見た説明図、(b)は右ロールの場合の前方側から見た説明図である。 車体に対するトレッドDを計測する車輪を限定する例(その2)について示し、(a)は右減速の場合の前方側から見た説明図、(b)は左減速の場合の前方側から見た説明図である。 この発明の第3実施の形態に係る横転限界線が設定された二次元マップを示す説明図である。 トー角の変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。 閾値Rβを設けた場合のトー角βの変化量に対する横転限界線Rの変化をグラフで示し、(a)はロール角軸の切片値Δθについての説明図、(b)はロール角速度軸の切片値Δωについての説明図である。 車体に対するトー角を計測する車輪を限定する例(その1)について示し、(a)は左ロールの場合の底面側から見た説明図、(b)は右ロールの場合の底面側から見た説明図である。 車体に対するトー角βを計測する車輪を限定する例(その2)について示し、(a)は右減速の場合の底面側から見た説明図、(b)は左減速の場合の底面側から見た説明図である。 この発明の第4実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための計測手段を示す説明図である。 この発明の第5実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するためのピボット距離を示す説明図である。 車体に対する車輪の各要素の変化をグラフで示し、(a)はキャンバ角の説明図、(b)はトー角の説明図、(c)はトレッドの説明図である。 この発明の第6実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための加速度計を示す説明図である。 この発明の第7実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための回転角計を示す説明図である。 車体に対する車輪の各要素の変化をグラフで示し、(a)はキャンバ角の説明図、(b)はトー角の説明図である。 この発明の第8実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための説明図である。 サスペンションリンクの屈曲変形における屈曲角に対する、サスペンションリンクの両端の距離の変化量をグラフで示す説明図である。 この発明の第9実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための説明図である。 サスペンションリンクの屈曲変形を示し、(a)は屈曲部による変形(その1)の説明図、(b)は屈曲部による変形(その2)の説明図である。 この発明の第10実施の形態に係る、二次元マップ上に設定する横転限界線Rの移動量を決定するための説明図である。 サスペンションリンクの屈曲変形を示し、(a)は不連続部による変形(その1)の説明図、(b)は不連続部による変形(その2)の説明図である。
符号の説明
10 横転判定装置
11 検出部
12 判定部
13 エアバック作動部
14 横加速度センサ
15 ロール角速度センサ
16 キャンバ角検出部
17 左前輪センサ
18 右前輪センサ
19 左後輪センサ
20 右後輪センサ
21 ロール角基準値設定部
22 ロール角算出部
23 各輪ロール角変化演算部
24 ロール角変化量演算部
25 ロール角速度変化量演算部
26 判定調整部
27 左前輪演算部
28 右前輪演算部
29 左後輪演算部
30 右後輪演算部
31 点火トランジスタ
32 インフレータ
33 バッテリ
40 車両
41,41a 車輪
42 サスペンション装置
42a ハブ部分
42b ジョイント部
43 リンク部品
43a 屈曲部
43b 不連続部
44a,44b 計測手段
45 車体
46 ロードホイール
47a,47b 加速度計

Claims (12)

  1. 車両のロール角速度を検出するロール角速度検出手段と、
    前記ロール角速度検出手段にて検出したロール角速度の値からロール角を算出するロール角算出手段と、
    一方の座標軸を前記ロール角、他方の座標軸を前記ロール角速度とする関数のマップと、
    前記マップ上に横転限界線を設定し、前記ロール角算出手段にて算出したロール角及び前記ロール角速度検出手段により検出したロール角速度の値が前記マップの原点から見て横転限界線を越えるときに前記車両が横転する可能性があると判定する判定部と、
    を有することを特徴とする車両の横転判定装置。
  2. 走行中の左右前後各車輪の車体に対するキャンバ角を検出するキャンバ角検出手段をさらに有し、
    前記判定部は、
    前記横転限界線を、前記キャンバ角検出手段にて検出したキャンバ角の変化方向が、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドが狭くなる方向であるとき、原点側に補正し、前記キャンバ角の変化方向が前記トレッドが広くなる方向であるとき、原点から遠ざかる方向に補正することを特徴とする請求項1に記載の車両の横転判定装置。
  3. 前記判定部は、
    前記横転限界線を、前記キャンバ角検出手段にて検出したキャンバ角の変化量の絶対値が前記キャンバ角に設定する閾値を越えるとき、補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の横転判定装置。
  4. 前記判定部は、
    前記横転限界線を、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドが狭くなるときは原点側に、前記トレッドが広くなるときは原点から遠ざかる方向に、補正することを特徴とする請求項3に記載の車両の横転判定装置。
  5. 前記判定部は、
    前記横転限界線を、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値が大きくなるに連れて原点側に、補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の横転判定装置。
  6. 走行中の車両にかかる横加速度を検出する横加速度検出手段をさらに有し
    前記判定部は、
    前記横加速度検出手段が検出した横加速度に基づき、車体のロール角基準値を設定するロール角基準値設定部と、
    前記ロール角速度検出手段が検出したロール角速度に基づき、車両のロール角を算出するロール角算出手段と、
    前記キャンバ角検出手段が検出した左右前後各車輪の車体に対するキャンバ角に基づき、車両のロール角変化量及びロール角速度変化量を演算するロール角変化量演算部と、
    前記ロール角変化量演算部の演算結果である左右前後各車輪に対するロール角変化量に基づき、車両のロール角変化量を演算するロール角変化量演算部と、
    前記ロール角変化量演算部の演算結果である左右前後各車輪に対するロール角速度変化量に基づき、車両のロール角速度変化量を演算するロール角速度変化量演算部と
    を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両の横転判定装置。
  7. 車両のロール角速度を検出し、
    検出したロール角速度の値からロール角を算出し、
    一方の座標軸を前記ロール角、他方の座標軸を前記ロール角速度とする関数のマップ上に横転限界線を設定し、
    算出したロール角及び検出したロール角速度の値が前記マップの原点から見て横転限界線を越えるときに前記車両が横転する可能性があると判定する
    ことを特徴とする車両の横転判定方法。
  8. 走行中の左右前後各車輪の車体に対するキャンバ角をさらに検出し、
    前記横転限界線を、検出したキャンバ角の変化方向が、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドが狭くなる方向であるとき、原点側に補正し、前記キャンバ角の変化方向が前記トレッドが広くなる方向であるとき、原点から遠ざかる方向に補正することを特徴とする請求項7に記載の車両の横転判定方法。
  9. 前記横転限界線を、検出したキャンバ角の変化量の絶対値が前記キャンバ角に設定する閾値を越えるとき、補正することを特徴とする請求項7又は8に記載の車両の横転判定方法。
  10. 前記横転限界線を、車輪下端から車両中心線までの距離であるトレッドが狭くなるときは原点側に、前記トレッドが広くなるときは原点から遠ざかる方向に、補正することを特徴とする請求項9に記載の車両の横転判定方法。
  11. 前記横転限界線を、車輪の車体に対するトー角の変化量の絶対値が大きくなるに連れて原点側に、補正することを特徴とする請求項7又は8に記載の車両の横転判定方法。
  12. 判定に際し、
    走行中の車両にかかる横加速度を検出し、検出した横加速度に基づき、車体のロール角基準値を設定し、
    検出したロール角速度に基づき、車両のロール角を算出し、
    検出した左右前後各車輪の車体に対するキャンバ角に基づき、車両のロール角変化量及びロール角速度変化量を演算し、
    演算結果である左右前後各車輪に対するロール角変化量に基づき、車両のロール角変化量を演算し、
    演算結果である左右前後各車輪に対するロール角速度変化量に基づき、車両のロール角速度変化量を演算する
    ことを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の車両の横転判定方法。
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