JP2001260835A - 車両の横転判定方法 - Google Patents

車両の横転判定方法

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JP2001260835A JP2000077278A JP2000077278A JP2001260835A JP 2001260835 A JP2001260835 A JP 2001260835A JP 2000077278 A JP2000077278 A JP 2000077278A JP 2000077278 A JP2000077278 A JP 2000077278A JP 2001260835 A JP2001260835 A JP 2001260835A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両のロール角およびロール角速度に基づい
て該車両が横転する可能性の有無を判定する際に、ロー
ル共振現象による横転に的確に対応できるようにする。 【解決手段】 車両のロール角θおよびロール角速度ω
をパラメータとする二次元マップ上に敷居値ラインSを
設定し、車両の実際のロール角θおよびロール角速度ω
の履歴ラインが前記敷居値ラインSを原点側の非横転領
域から反原点側の横転領域に横切ったときに車両が横転
する可能性が有ると判定する。車両のロール角速度ωが
減少しながらロール角θがフルバンプロール角θFBに
達した後に前記ロール角速度ωが急激に増加する場合に
は、ロール共振現象による横転が発生し易い状態にある
と判定して敷居値ラインSを原点側に移動させるので、
横転可能性有りの判定を早めに行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のロール角お
よびロール角速度に基づいて該車両が横転する可能性の
有無を判定するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のロール角およびロール角速度をパ
ラメータとする二次元マップ上で、ロール角およびロー
ル角速度が大きいところ(原点から離れた領域)に横転
領域を設定するとともに、ロール角およびロール角速度
が小さいところ(原点を含む領域)に非横転領域を設定
し、センサで検出した実際のロール角およびロール角速
度をマップ上にプロットした履歴ラインが前記非横転領
域から前記横転領域に入ったとき、車両が横転する可能
性が有ると判定してアクティブロールバーを起立させる
ものが、特開平7−164985号公報により公知であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばダブ
ルレーンチェンジのような運転操作の過程でステアリン
グホイールを左に急激に操作したために車両が大きく左
にロールしてフルバンプロール角に達すると、左車輪の
懸架ばねが限界まで縮み、右車輪の懸架ばねが限界まで
伸びる場合がある。このように左右の車輪の懸架ばねが
限界まで伸縮すると、懸架ばねの弾性によるロールモー
メントの緩衝作用が失われるため、左ロール角速度急激
に増加して車両が横転に至る可能性がある。このような
ロール共振現象による横転は急激に発生するため、通常
の二次元マップ上に設定した横転領域および非横転領域
による判定では遅れを生じてしまい、的確なタイミング
でエアカーテン等の乗員拘束装置を作動させられなくな
る可能性がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、車両のロール角およびロール角速度に基づいて該車
両が横転する可能性の有無を判定する際に、ロール共振
現象による横転に的確に対応できるようにすることを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、車両のロール
角およびロール角速度をパラメータとする二次元マップ
上に敷居値ラインを設定し、車両の実際のロール角およ
びロール角速度の履歴ラインが前記敷居値ラインの原点
側の非横転領域から反原点側の横転領域に横切ったとき
に車両が横転する可能性が有ると判定する車両の横転判
定方法において、ロール角速度が減少しながらロール角
がフルバンプロール角に達した後に前記ロール角速度が
増加した場合に、前記敷居値ラインを原点側に移動させ
ることを特徴とする車両の横転判定方法が提案される。
【0006】上記構成によれば、車両のロール角速度が
減少しながらロール角がフルバンプロール角に達した後
に前記ロール角速度が増加する場合には、ロール共振現
象による横転が発生し易い状態にあると判定して敷居値
ラインを原点側に移動させるので、ロール角およびロー
ル角速度の履歴ラインが敷居値ラインの非横転領域から
横転領域に横切り易くして横転可能性有りの判定を早め
に行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0008】図1〜図9は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は車両の横転の種類を示す図、図2はロール角
θおよびロール角速度ωと車両の横転可能性との関係を
説明する図、図3は車両の横転可能性の有無を判定する
ためのマップ、図4はエアカーテンの制御系のブロック
図、図5は横加速度Gyからロール角θの初期値θiを
算出する手法の説明図、図6は履歴ラインが横転領域に
あるか非横転領域にあるかを判定する手法を示す図、図
7は作用を説明するフローチャート、図8は車両がフル
バンプした状態を示す図、図9はロール共振が発生した
ときの敷居値ラインの移動を示す図である。
【0009】図1は車両の横転の種類を原因別に分類し
て示すものである。車両の横転の種類は、横転に至る過
程における車両挙動に応じて「単純回転」、「単純回転
+横滑り速度」および「発散」に分類され、「単純回
転」型の横転は、更に「フリップオーバー」、「クライ
ムオーバー」および「フォールオーバー」に細分類され
る。「単純回転+横滑り速度」型の横転の代表的なもの
は「トリップオーバー」と呼ばれ、また「発散」型の横
転の代表的なものは「ターンオーバー」と呼ばれる。
【0010】「フリップオーバー」は、車両の左右一方
の車輪が障害物に乗り上げて発生する横転である。「ク
ライムオーバー」は、底部を障害物に乗り上げてタイヤ
が路面から浮き上がった車両が側方に倒れて発生する横
転である。「フォールオーバー」は、車両の左右一方の
車輪が路肩を踏み外して落下する横転である。「トリッ
プオーバー」は、車両が横滑りして左右一方のタイヤが
縁石等に衝突したときに、この縁石を支点とするロール
モーメントにより発生する横転である。「ターンオーバ
ー」は、ダブルレーンチェンジやトリプルレーンチェン
ジを行うべく、あるいはS字路を通過すべくステアリン
グホイールを左右に交互に操作したような場合に、その
ステアリングホイールの操作の周波数が車両のサスペン
ションの固有振動の周波数に接近していると、車両のロ
ール角が共振により発散して発生する横転である。
【0011】図2は車両の横転可能性を判定するための
二次元マップの一部(第1象限)を示すもので、縦軸の
ロール角θは正値(原点の上側)が右ロール角に対応
し、横軸のロール角速度ωは正値(原点の右側)が右ロ
ール角速度に対応する。この二次元マップには右下がり
の直線よりなる敷居値ラインSが設定されており、敷居
値ラインSの原点側、つまりロール角θおよびロール角
速度ωが小さい領域が非横転領域とされ、敷居値ライン
Sの反原点側、つまりロール角θおよびロール角速度ω
が大きい領域が横転領域とされる。そして車両の実際の
ロール角θおよびロール角速度ωの履歴ラインH1〜H
3が敷居値ラインSを原点側の非横転領域から反原点側
の横転領域に横切ると、車両の横転可能性が有ると判定
される。
【0012】履歴ラインH1は、ロール角θおよびロー
ル角速度ωが共に0の状態(原点)から、ロール角速度
ωをほぼ0に保持したままロール角θだけをゆっくりと
増加させた場合であり、敷居値ラインSが縦軸と交わる
切片であるa点においてロール角θが臨界ロール角θC
RTに達したときに車両の横転可能性が有ると判定され
る。このときローリングの支点となるロール方向外側の
タイヤを通る鉛直線上に車両の重心位置CGがあり、こ
の状態が車両の横転についての静的な安定限界となる。
臨界ロール角θCRTの値は車両の形状や積載状態によ
って異なるが、一般的に50°程度である。
【0013】尚、ロール角θが0であっても、大きいロ
ール角速度ωが作用していれば車両が横転する可能性が
ある。このときのロール角速度ωを臨界ロール角速度ω
CRTとする。
【0014】車両がロール角θの方向と同方向のロール
角速度ωを持つ場合には、このロール角速度ωによって
横転が助長されるため、ロール角θが臨界ロール角θC
RTより小さい状態であっても横転が発生することにな
る。例えば、ロール角θおよびロール角速度ωの履歴ラ
インがH2で示される場合、履歴ラインH2が敷居値ラ
インSを原点側から反原点側に横切るb点において車両
の横転可能性が有ると判定される。このときのロール角
θは前記臨界ロール角θCRTよりも小さい値となる。
【0015】またロール角θおよびロール角速度ωの履
歴ラインがH3で示される場合には、正値のロール角速
度ωが速やかに増加から減少に転じ、更に負値へと移行
するために履歴ラインH3が敷居値ラインSを横切るこ
とがなく、従って車両の横転可能性が無いと判定され
る。
【0016】図3は車両の横転可能性を判定するための
二次元マップの全体を示すものである。2本の敷居値ラ
インS,Sは第1象限および第3象限に設定されてお
り、それらの敷居値ラインS,Sは初期設定状態におい
て原点を中心とする点対称である。ロール角θが正でロ
ール角速度ωが負である第2象限と、ロール角θが負で
ロール角速度ωが正である第4象限とに横転領域が設定
されていないのは、ロール角θの方向と逆方向のロール
角速度ωが発生している状態では車両の横転が発生しな
いからである。
【0017】図3には、図1で説明した種々の横転の種
類に対応するロール角θおよびロール角速度ωの履歴ラ
インH4〜H8が示される。
【0018】履歴ラインH4は、「フリップオーバ
ー」、「クライムオーバー」、「フォールオーバー」等
の「単純回転」型の横転に対応するもので、ロール角θ
の絶対値およびロール角速度ωの絶対値が単純に増加し
て横転に至っている。
【0019】履歴ラインH5は、「トリップオーバー」
と呼ばれる「単純回転+横滑り速度」型の横転に対応す
るもので、車両が横滑りする過程でタイヤが縁石等に衝
突して発生するロールモーメントによりロール角速度ω
が急激に増加して横転に至っている。
【0020】履歴ラインH6,H7は、「ターンオーバ
ー」と呼ばれる「発散」型の横転に対応するものであ
る。履歴ラインH6はダブルレーンチェンジでの横転を
示すもので、最初のレーンチェンジで右にロールした車
両が次のレーンチェンジで左にロールする過程でロール
角θの絶対値が発散し、第3象限の敷居値ラインSを越
えて横転に至っている。履歴ラインH7はトリプルレー
ンチェンジでの横転を示すもので、最初のレーンチェン
ジで右にロールした車両が次のレーンチェンジで左にロ
ールし、続くレーンチェンジで再度右にロールする過程
でロール角θの絶対値が発散し、第1象限の敷居値ライ
ンSを越えて横転に至っている。
【0021】履歴ラインH8は、敷居値ラインSを越え
る前にロール角θが原点に向かって収束するので、この
場合には車両が横転に至ることはない。
【0022】図4は、車両の横転時に乗員の頭部を保護
するエアカーテンを車室の内側面に沿って展開するため
の制御系の一例を示すものである。
【0023】バッテリ11および接地部12間に、エア
カーテンを展開するための高圧ガスを発生するインフレ
ータ13と、点火トランジスタ14とが直列に接続され
る。電子制御ユニットUからの指令で点火トランジスタ
14がONするとインフレータ13が点火して高圧ガス
が発生し、この高圧ガスの供給を受けたエアカーテンが
車室の内側面に沿って展開する。車両の横転可能性の有
無を判定すべく、電子制御ユニットUには、車体左右方
向の加速度である横加速度Gyを検出する横加速度セン
サ15からの信号と、車両のロール角速度ωを検出する
ロール角速度センサ16とからの信号とが入力される。
【0024】図4および図5に示すように、車体に固定
した横加速度センサ15はイグニッションスイッチをO
Nしたときの横加速度Gyを出力する。イグニッション
スイッチをONしたとき車両は停止状態にあるため、車
両の旋回に伴う遠心力に起因する横加速度を検出するこ
となく、重力加速度G=1の車体左右方向の成分だけを
横加速度Gyとして検出する。従って、前記横加速度G
yを用いて、車両のロール角θの初期値θiを、θi=
sin -1Gyにより算出することができる。
【0025】以上のようにしてイグニッションスイッチ
をONしたときの横加速度センサ15の出力に基づいて
車両のロール角θの初期値θiが算出されると、この初
期値θiにロール角θの変動分を加算することにより車
両のロール角θが算出される。即ち、イグニッションス
イッチをONした時点から、ロール角速度センサ16が
出力するロール角速度ωの積分値∫ωdtをロール角θ
の変動分として前記初期値θiに加算することにより、
車両のロール角θが算出される。
【0026】横加速度センサ15は、車両の自由落下時
には横加速度Gyを検出できず、また車両の旋回に伴う
遠心力に起因する横加速度を、重力加速度Gの車体左右
方向の成分である横加速度Gyと識別できずに誤検出し
てしまうというデメリットを持つが、この横加速度セン
サ15が出力する横加速度Gyをイグニッションスイッ
チをONした時点での車両のロール角θの初期値θiの
算出にだけ使用し、その後の車両のロール角θの算出に
はロール角速度センサ16が出力するロール角速度ωの
積分値∫ωdtを使用することにより、上記デメリット
を解消して正確なロール角θを算出することができる。
【0027】而して、上述のようにして算出した車両の
ロール角θと、ロール角速度センサ16が出力するロー
ル角速度ωとが成す座標点の軌跡である履歴ラインを図
6に示すマップ上に描き、その履歴ラインが敷居値ライ
ンS,Sを原点側から反原点側に横切ったときに、車両
が横転する可能性が有ると判定し、点火トランジスタ1
4をONしてエアカーテンのインフレータ13を点火す
る。
【0028】上記作用を、図6および図7に基づいて更
に説明する。
【0029】先ず、ステップS1で横加速度Gyおよび
ロール角速度ωを読み込み、ステップS2で横加速度G
yに応じてマップ上の敷居値ラインS,Sを確定する。
敷居値ラインS,Sは、マップの縦軸の切片である臨界
ロール角θCRTと横軸の切片である臨界ロール角速度
ωCRTとが決まれば確定する。本実施例では横加速度
Gyによって車両の横転が助長されるときには、臨界ロ
ール角θCRTおよび臨界ロール角速度ωCRTが共に
減少して敷居値ラインS,Sが原点に近づく方向に移動
し、横加速度Gyによって車両の横転が抑制されるとき
には、臨界ロール角θCRTおよび臨界ロール角速度ω
CRTが共に増加して敷居値ラインS,Sが原点から遠
ざかる方向に移動する。これにより、車両の横加速度G
yに応じた適切な横転領域および非横転領域を設定する
ことができる。
【0030】尚、第1象限の敷居値ラインSが原点から
遠ざかる方向に移動するときには第3象限の敷居値ライ
ンSは原点に近づく方向に移動し、第1象限の敷居値ラ
インSが原点に近づく方向に移動するときには第3象限
の敷居値ラインSは原点から遠ざかる方向に移動する。
【0031】臨界ロール角θCRTおよび臨界ロール角
速度ωCRTが決まると、敷居値ラインS,Sの方程式
は、 θ=−(θCRT/ωCRT)ω±θCRT で与えられる(図3参照)。
【0032】続いて、現在のロール角θ1およびロール
角速度ω1の成す座標点Pが横転領域にあるか非横転領
域にあるかを判定する。即ち、ステップS3で、上記敷
居値ラインSの方程式のωに現在のロール角速度ω1の
値を代入して判定値θ2を算出する。判定値θ2は直線
ω=ω1と敷居値ラインSとの交点Qのθ座標である。
続くステップS4で、判定値θ2と現在のロール角θ1
とを比較し、|θ2|<|θ1|が成立していれば、ス
テップS5で現在のロール角θ1およびロール角速度ω
1の成す座標点Pが横転領域にあると判定され、|θ2
|<|θ1|が成立しなければ、ステップS6で現在の
ロール角θ1およびロール角速度ω1の成す座標点Pが
非横転領域にあると判定される。図6には、座標点Pが
横転領域にある場合(|θ2|<|θ1|)が示されて
いる。
【0033】ところで、車両が急激なダブルレーンチェ
ンジ等を行う際に、車両のロール角がフルバンプロール
角(左右一方の車輪の懸架ばねが限界まで収縮し、左右
他方の車輪の懸架ばねが限界まで伸長するロール角であ
り、一般的に8°±2°程度)に達すると、ロール共振
による急激な横転が発生する場合がある。
【0034】図9の実線は、車両がダブルレーンチェン
ジを行った際にロール共振により横転に至る履歴ライン
を示している。
【0035】先ず、マップ上のa点(原点)から左にレ
ーンチェンジを行うべくステアリングホイールを左に切
ると、車体は左にロールしながら左に方向を変え、左側
のレーン上に移動する。続いて左側のレーン上から元の
右側のレーン上に復帰すべくステアリングホイールを右
に切ると、それまで左方向にロールしていた車両は右方
向にロールし、右方向のロール角速度ωを次第に減少さ
せながら右方向のロール角θがフルバンプロール角θF
Bに接近する。そして右方向のロール角θがフルバンプ
ロール角θFBに達し(b点参照)、図8に示すように
車体右側の懸架ばね17Rが完全に収縮し、車体左側の
懸架ばね17Lが完全に伸長すると、両懸架ばね17
L,17Rの弾性によるロールモーメントの緩衝作用が
失われるため、右ロール角速度ωがc点に向けて急激に
増加し、その過程で敷居値ラインSを越えて車両が横転
に至ることになる。
【0036】図9の破線は、車両が単純なレーンチェン
ジを行った際にロール共振により横転に至る履歴ライン
を示している。
【0037】マップ上のa点(原点)から右にレーンチ
ェンジを行うべくステアリングホイールを右に切ると、
右方向のロール角θが単調に増加するとともに、右方向
のロール角速度ωが一旦増加してから減少に転じ、やが
て右方向のロール角θがフルバンプロール角θFBに達
する(b点参照)。その結果、前述したダブルレーンチ
ェンジの場合と同様に、両懸架ばね17L,17Rの弾
性によるロールモーメントの緩衝作用が失われるため、
右ロール角速度ωがd点に向けて急激に増加し車両が横
転に至ることになる。
【0038】このようなロール共振による横転が発生す
る場合の履歴ラインには、図9に楕円で囲った領域Aに
示される特徴、即ち、ロール角速度ωが減少しながらロ
ール角θがフルバンプロール角θFBに達した後に前記
ロール角速度ωが急激に増加するという特徴がある。従
って、このような特徴を持つ履歴ラインが検出された場
合には、短時間の内にロール共振による横転が発生する
可能性が高いと判定し、図9に示すように敷居値ライン
Sを原点に接近する方向に移動させる。これにより、車
両の横転に先立ってエアカーテンを早期に展開して乗員
を確実に拘束することができる。
【0039】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0040】例えば、実施例では車両の横転可能性の有
無の判定をエアカーテンの展開制御に適用しているが、
それをサイドエアバッグの展開制御や格納式ロールバー
の展開制御等の他の用途に適用することができる。また
車両のロール角θの初期値θiを、重力加速度Gの車体
上下方向の成分である上下加速度Gzを用いて、θi=
cos -1Gzにより算出することができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、車両のロール角速度が減少しながらロール角
がフルバンプロール角に達した後に前記ロール角速度が
増加する場合には、ロール共振現象による横転が発生し
易い状態にあると判定して敷居値ラインを原点側に移動
させるので、ロール角およびロール角速度の履歴ライン
が敷居値ラインの非横転領域から横転領域に横切り易く
して横転可能性有りの判定を早めに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の横転の種類を示す図
【図2】ロール角θおよびロール角速度ωと車両の横転
可能性との関係を説明する図
【図3】車両の横転可能性の有無を判定するためのマッ
【図4】エアカーテンの制御系のブロック図
【図5】横加速度度Gyからロール角θの初期値θiを
算出する手法の説明図
【図6】履歴ラインが横転領域にあるか非横転領域にあ
るかを判定する手法を示す図
【図7】作用を説明するフローチャート
【図8】車両がフルバンプした状態を示す図
【図9】ロール共振が発生したときの敷居値ラインの移
動を示す図
【符号の説明】
S 敷居値ライン θ ロール角 θFB フルバンプロール角 ω ロール角速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高畠 理 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D045 BB01 BB37 GG30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のロール角(θ)およびロール角速
    度(ω)をパラメータとする二次元マップ上に敷居値ラ
    イン(S)を設定し、車両の実際のロール角(θ)およ
    びロール角速度(ω)の履歴ラインが前記敷居値ライン
    (S)の原点側の非横転領域から反原点側の横転領域に
    横切ったときに車両が横転する可能性が有ると判定する
    車両の横転判定方法において、 ロール角速度(ω)が減少しながらロール角(θ)がフ
    ルバンプロール角(θFB)に達した後に前記ロール角
    速度(ω)が増加した場合に、前記敷居値ライン(S)
    を原点側に移動させることを特徴とする車両の横転判定
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101081797B1 (ko) 2007-03-23 2011-11-10 주식회사 만도 차량 안정성 제어 시스템에서의 차량 전복 상태 감지방법

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