JP2001259507A - 意匠性に優れた塗装金属板の製造方法 - Google Patents
意匠性に優れた塗装金属板の製造方法Info
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Abstract
いずれかの場所において、塗料を塗布もしくは散布する
コーターを追加的に設置して、当該ローラーカーテンコ
ーターにより同時多層塗装を行なう。このローラーカー
テンコーターを含む複数のコーターを併用し、その間に
乾燥工程を挿入しないことにより、実に多数の塗装を1
回の乾燥、焼付工程で行なうことができる。
Description
車用等に用いられる意匠性に優れた塗装金属板の製造方
法に関するものである。
る、例えば鋼板、アルミ板、銅板等の金属板において、
従来から、防錆性、電気絶縁性、意匠性等を付与するこ
とを目的にして、その表面にめっき皮膜や塗装による有
機皮膜の形成が行われているが、近年、金属板の用途拡
大に伴い、この金属板に求められる特性は多く、また従
来以上の意匠性が要求されるようになってきた。樹脂板
においても同様に意匠性に対する要求は高まってきてお
り、この要求に応えるために金属板や樹脂板等の上に各
種の有機皮膜を形成させることが多い。
行って来た塗装製品は、作業環境の改善、公害問題の発
生防止、低生産効率の工程省略等のニーズからプレコー
トされた金属板(以下、塗装金属板)への転換が進行
し、塗装金属板の使用量が増加してきている。塗装装置
としては、複数のロールを組み合わせたロールコーター
方式が多く採用されている。このロールコーターの一般
的なものとしては3ロールコーター方式がある。従来、
金属板の上に塗料を塗布した後は、塗膜の機能を発揮さ
せるために熱風焼付け炉、誘導加熱、電子線や近赤外炉
等のエネルギー線を照射、或いはこれらの組み合わせに
よって塗膜を乾燥硬化させている。
れる場合には、1層目の塗膜を塗装した後、その塗膜を
乾燥硬化させた後、次の塗膜を塗布し乾燥硬化させると
いうように、複数回塗料の塗布と乾燥硬化を繰り返す必
要があり、生産性の低下、生産コストの増加になってい
た。特に意匠性を引き出すためには多くの層数が必要な
場合が多く、そのため複数回の塗布・焼付が可能な専用
ラインを作るか、複数回ラインを通す必要があり大幅な
コストアップとなる。また複数回ラインを通す場合はロ
ールなどの接触による疵の発生の問題等も生ずる。
されたもので、高生産性で意匠性に優れた塗装金属板を
提供することを目的とする。
めに、本発明によれば、ローラーカーテンコーター上に
一基若しくは複数基のコーターを追加的に用いて同時多
層塗布を行い、層数よりも少ない回数の塗布・焼付工程
で多層の塗装金属板を安価に製造することができる。ま
た複数回通板させる必要がないためにライン通板時の塗
装面の欠陥の発生が抑えられる。
上のいずれかの場所において、塗料を塗布若しくは散布
するコーターを追加的に設置して、前記ローラーカーテ
ンコーターにより同時多層塗装を行うことを特徴とする
塗装金属板の製造方法。 (2)ローラーカーテンコーターのアプリケーターロー
ル上または/及びドクターロール上に、一基もしくは複
数基のダイコーター及び/若しくはスロットダイコータ
ーを設置して、前記ローラーカーテンコーターにより同
時多層塗装を行うことを特徴とする塗装金属板の製造方
法。
び/若しくは通常のローラーカーテンコーターを複数基
同時に併用し、前コーター塗布後に乾燥工程を経ずに次
コーターで塗布を行い、然る後同時に乾燥するウエット
オンウエット方式による塗装を行うことを特徴とする塗
装金属板の製造方法。 (4)通常のロールコーターによる塗布を行った後、乾
燥工程を経ることなく(1)〜(3)記載の塗装を行う
ことを特徴とする塗装金属板の製造方法。
付装置を用いて意匠性を付与させた塗装金属板を効率よ
く、しかも低コストで製造することができる。
ーの構成例を示す。通常は図1に示すローラーカーテン
コーターを用いた場合、一層の被覆を施すことができ
る。図1において、アプリケータロール1に供給された
塗料2はドクターロール3によって塗工量を調整された
後、かきとりブレード4でカーテン状5に流下させられ
て金属帯6の表面に塗工される。図1のアプリケータロ
ール1への塗料の供給は、例えば、ピックアップロール
(図示せず)などを用いて行なうことができる。それに
対して図2に示す通りアプリケーターロール1上にダイ
コーター7を設置すると、同時に2層5,8の被覆を行
うことが可能になる。図2において、ダイコーター7は
ドクターロール3の後に設置されている。また図3に示
すようにドクターロール3前にダイコーター9を設置し
ても塗布は可能であり、同時に2層噴出型のスロットダ
イコーター12を図の位置に設置すれば合計4層を同時
被覆可能となる。図3において、ダイコーター9からア
プリケータロール1上に適用された第1の塗料10上
に、ドクターロール3の位置で第2の塗料11が適用さ
れ、さらに2層噴出型のスロットダイコーター12から
第3及び第4の塗料13,14が適用されることによ
り、合計4層の塗料がかきとりブレード4を経て金属帯
6上に適用される。さらには図4に示す通りドクターロ
ール3上にダイコーター15を設置しても同時被覆の総
数を増やすことが可能となる。
例を示す。図5に示すように複数基のコーターを併用す
ることにより必要に応じて総数を増やすことが可能とな
る。すなわち、図5では、金属帯31に対し、第1のコ
ーター32、及び第2のコーター33から塗料を連続し
て適用し、その間に乾燥、焼付工程を配置しない。第1
のコーター32及び/又は第2のコーター33は、図2
〜4で説明したような本発明による多層コーターである
ことができる。図5では、アプリケーションロール3
4、ドクターロール35、かきとりブレード36を持つ
第1のコーター32には、アプリケーションロール34
に対しダイコーター37が設置され、同様の第2のコー
ター33には、アプリケーションロール33に対してダ
イコーター38が設置されると共に、ドクターロール3
5に対してもダイコーター39が設置されている。従っ
て、第1コーター32で2層、第2コーター33で3
層、合計5層の連続塗工が行なわれる。図6に示すよう
に最初に限定されるがロールコーター39を併用するこ
とも可能である。図6において、ロールコーター39
が、2つのコーター31,32の前に配置されている点
以外は、図5とほぼ同様である。ロールコーターのアプ
リケーションロール40は金属帯31と接触して塗工す
るため、以降の塗工に先立って1層のみ可能である。そ
の他の塗装方法も、同様に、適当に本発明の塗装方法に
組合せすることができることが明らかである。
説明する。金属板として、例えば鋼板、アルミ板、ステ
ンレス板、チタン板、銅板等が挙げられる。このうち、
鋼板の例として、冷延鋼板、熱延鋼板、溶融亜鉛めっき
鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼
板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−アルミ合金めっき
鋼板、亜鉛−マグネシウム合金めっき鋼板、亜鉛−アル
ミ−マグネシウム合金めっき鋼板、アルミめっき鋼板、
アルミ−マグネシウムめっき鋼板、クロムめっき鋼板、
ニッケルめっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、
錫めっき鋼板等が挙げられる。さらに金属板には必要に
応じて前処理を施すことができる。前処理としては、水
洗、湯洗、酸洗、アルカリ脱脂、研削、研磨、クロメー
ト処理、リン酸亜鉛処理、複合酸化皮膜処理、陽極酸化
処理等の塗装前処理を行う。前処理の条件は適宜選択し
てよい。
に塗布する。下塗り塗料としては特に指定はないが、例
えばポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系等があ
り、これを必要な膜厚になるように塗装する。特にコー
ター種類は限定しない。また、下塗り塗装は必要に応じ
て硬化触媒や、用途によって耐湿顔料、防錆顔料、着色
顔料、骨材、消泡材やレベリング剤、カップリング剤等
を添加してよい。また下塗りの意匠性を重視させるため
に下塗り塗料中に酸化チタンの他、弁柄、硫酸バリウ
ム、シリカ、シアニンブルー等の着色顔料や耐湿顔料、
樹脂ビーズ、アルミフレーク、マイカ等の添加物を含有
させてもよい。膜厚は任意であるが性能とコストから1
〜30μm程度が好ましい。なお、本発明では形成され
る塗膜の層数は何等制限されず、必要に応じて何層かの
塗膜を形成した後、上塗り塗装を行う。
に指定はなく、ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン
系塗料を用いてもよい。但し、上塗り塗料中には酸化チ
タンの他、弁柄、硫酸バリウム、シリカ、シアニンブル
ー等の着色顔料や耐湿顔料、樹脂ビーズ、アルミフレー
ク、マイカ等の添加物、塗装性を向上させるため消泡
剤、レベリング剤等の添加物を必要に応じて含有させる
ことができる。また下塗りの意匠性を出すために透明性
のあるクリアー層を塗布してもよい。
する塗料と、ダイコーター、スロットダイコーター等で
コーターロール上に付加する塗料は同じ物である必要は
無い。同時に図7に示すようにダイコーターやスロット
コーターの塗出ノズル31を幅方向に区分32〜34し
て、塗料の組成や添加剤濃度を幅方向で変えることや、
塗布量を幅方向で変えることは何ら差し支えない。また
コーターの向きを変えることにより、元の塗膜と付加し
た塗膜の上下位置を異動させることができる。さらには
ローラーカーテンコーターが基材に非接触である点を利
用して複数基のコーターを併用し、ウエットオンウエッ
ト方式による同時多層塗装を行うこともできる。この
際、通常のロールコーターによる塗布の後に焼付工程を
経ないまま、ローラーカーテンコーター等を用いてウエ
ットオンウエット塗装を行っても何ら差し支えない。
いが、熱風加熱炉、誘導加熱炉、近赤外炉等で最高到達
板温が150〜300℃、到達時間が10〜200秒程
度の条件が一般的である。膜厚は任意であるが、カーテ
ンの安定性や塗料のワキなどから15〜100μmの乾
燥膜厚が好ましい。
m2 )を脱脂後、塗布型クロメート処理(日本パーカラ
イジング社製、ZM1300)をし、50g/m2 のク
ロメート皮膜をつけた鋼板にポリエステル−メラミン系
の下塗り塗料をロールコーターで塗布後、誘導加熱炉を
用い最高到達板温が210℃、到達時間が40秒で焼付
けた。
%含まれるポリエステル−メラミン塗料をローラーカー
テンコーターで塗布、そのアプリケーターロール上にス
ロットダイコーターでパール顔料を20%含むポリエス
テル−メラミン塗料と、顔料を含まないポリエステル−
メラミンのクリアー層をそれぞれ同時塗布し、計3層を
基材にカーテン塗装した。その後、誘導加熱炉を用い最
高到達板温が230℃、到達時間が60秒で焼付け、4
層塗膜を形成させた。
2機のロールコーターと2機の焼付け炉のあるラインを
用いて、それぞれの塗料を塗布後は乾燥、硬化させて、
かつラインを2回通すことで、4層塗膜を施した材料を
製造した。比較品と本発明品との性能の比較は、塗膜硬
度を鉛筆硬度で疵がつかない、そして破壊が起こらない
硬さを調べた。また加工性は20℃の2T折り曲げ試
験、また耐食性はサンプルにクロスカットを入れて塩水
噴霧試験を120時間行った後、平面部とクロスカット
部の錆、膨れの観察を行った。
所要時間を対象とし、従来例を100として比較した。
外観は目視で判定した。塗膜密着性は、カッターナイフ
で1mm角の碁盤目を入れ、エリクセンで7mm押し出
した後テープ剥離して調べた。
加工性、表面硬度、耐食性に遜色はなく、外観もロール
による表面模様はなく美麗であった。比較品の外観はロ
ールによる模様、2回ラインを通したことによる塗膜キ
ズがあり、外観を損ねている。また生産性も従来の2回
ラインを通したものに比べて、大幅な向上ができた。以
上説明したとおり、本発明により、2台の焼付装置と1
台のロールコーター、1台のローラーカーテンコーター
とスロットダイコーターを用いて、比較品より優れた外
観を有し、しかも他の加工性、耐食性、密着性等の性能
に遜色ない塗装金属板を高い生産性で製造することがで
きた。
りも少ない回数の塗布、焼付工程で行ない経済的であり
かつライン通板時の塗装面の欠陥の発生を防止する効果
も奏される。
法を示す。
塗装方法の例を示す。
塗装方法の例を示す。
塗装方法の例を示す。
を用いる例を示す。
を用いる例を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 ローラーカーテンコーターのロール上の
いずれかの場所において、塗料を塗布若しくは散布する
コーターを追加的に設置して、前記ローラーカーテンコ
ーターにより同時多層塗装を行うことを特徴とする塗装
金属板の製造方法。 - 【請求項2】 ローラーカーテンコーターのアプリケー
ターロール上または/及びドクターロール上に、一基も
しくは複数基のダイコーター及び/若しくはスロットダ
イコーターを設置して、前記ローラーカーテンコーター
により同時多層塗装を行うことを特徴とする塗装金属板
の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のコーター及び/
若しくは通常のローラーカーテンコーターを複数基同時
に併用し、前コーター塗布後に乾燥工程を経ずに次コー
ターで塗布を行い、然る後同時に乾燥するウエットオン
ウエット方式による塗装を行うことを特徴とする塗装金
属板の製造方法。 - 【請求項4】 通常のロールコーターによる塗布を行っ
た後、乾燥工程を経ることなく請求項1〜3のいずれか
に記載の塗装を行うことを特徴とする塗装金属板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000078696A JP4499866B2 (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | 意匠性に優れた塗装金属板の製造方法 |
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2000
- 2000-03-21 JP JP2000078696A patent/JP4499866B2/ja not_active Expired - Fee Related
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