JP2001259473A - 気体の清浄化ユニット装置及び清浄化方法 - Google Patents

気体の清浄化ユニット装置及び清浄化方法

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JP2001259473A JP2000081606A JP2000081606A JP2001259473A JP 2001259473 A JP2001259473 A JP 2001259473A JP 2000081606 A JP2000081606 A JP 2000081606A JP 2000081606 A JP2000081606 A JP 2000081606A JP 2001259473 A JP2001259473 A JP 2001259473A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 局所空間を簡易にクリーン化できる清浄化ユ
ニット装置とそれを用いた清浄化方法を提供する。 【解決手段】 光電子13及び/又は光触媒12を用い
る気体の清浄化ユニット装置Aにおいて、該ユニット装
置の外壁9を合成樹脂製とし、該合成樹脂製壁面を遮光
性としたものであり、前記合成樹脂製壁面の遮光性は、
合成樹脂に光吸収材を混合するか、合成樹脂壁面を遮光
性材料で被覆して行うことができ、該遮光性材料は、光
触媒とすることができ、また、気体の存在する空間に、
前記気体の清浄化ユニット装置を配備して気体を清浄化
する気体の清浄化方法としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体の清浄化に係
り、特に、光電子及び/又は光触媒を用いて局所空間の
微粒子及び/又はガス状有害成分を除去する気体の清浄
化におけるユニット装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術であるクリーンルームにおけ
る空気清浄を、半導体製造工場における空気清浄を例
に、図5を用いて説明する。図5において、外気1は先
ずプレフィルタ2で粗粒子が除去され、次いで空調機3
で空調され、中性能フィルタ4で除塵される。次に、ク
リーンルーム5の天井部に設置されているHEPAフィ
ルタ(高性能フィルタ)6で微細な粒子が除去され、ク
リーンルーム5はクラス100〜1,000が維持され
る(「洗浄設計」p.11〜24、Summer1988)。
7-1、7-2はファン、矢印は空気の流れを示す。従来の
クリーンルームにおける空気清浄は、微粒子除去を目的
としているので、図5のように構成されていた。このよ
うな構成では、微粒子除去には効果的であるが、ガス状
有害成分の除去には効果がない。
【0003】一方、図5のような大部屋方式のクリーン
ルームでは超クリーン化に対してコストがかかり過ぎる
という課題がある(BREAK THROUGH、5
号、p.38〜41、1993)。ところで、今後半導
体産業では製品の高品質化、精密化が増々進み、これに
伴い、微粒子(粒子状物質)は当然のこと、微粒子に加
えてガス状物質が汚染物として関与する。即ち、従来は
微粒子除去のみで十分であったのが、今後は、ガス状物
質(ガス状有害成分)の制御も重要となってくる。これ
は、前記図5に示した、従来のクリーンルームのフィル
タでは、微粒子のみしか除去されず、外気からのガス状
有害成分は、除去されずにクリーンルームに導入されて
しまうので問題になるためである。
【0004】即ち、クリーンルームにおいては、微粒子
(粒子状物質)や、今までの除塵フィルタ(例、HEP
A、ULPAフィルタ)では捕集、除去されず、クリー
ンルーム内に導入されてしまう自動車の排気ガス、民生
品として広く使用されている高分子樹脂製品からの脱ガ
スなどに起因する炭化水素(H.C.)と呼ばれる有機
性ガスやNH3 、アミンのような塩基性(アルカリ性)
ガスなどのガス状物質が、ガス状有害成分として問題と
なる。この内、H.C.はガス状有害成分として通常の
空気(室内空気及び外気)中の極低濃度のものが汚染を
もたらすので、除去する必要がある。また、最近ではク
リーンルームの構成材や使用器具(例、ウエハ収納ボッ
クス)の高分子樹脂類からの脱ガスがH.C.発生源と
して問題となっている((社)日本機械工業連合会、平
成6年度報告書、平成7年3月、p.41〜49、19
95)。
【0005】これらのガス状物質は、クリーンルーム内
における作業で発生したものも問題となる。即ち、該ガ
ス状物質の起因として通常のクリーンルームでは、外気
から導入されたガス状物質(クリーンルームでのフィル
タでは、ガス状物質は除去できないので、外気中のガス
状物質は導入されてしまう)に、前記のクリーンルーム
内で発生したガス状物質が加わるので、外気に比べてク
リーンルーム中のガス状物質は高濃度となり、ウエハ基
材や基板を汚染する。即ち、上記の汚染物質(微粒子、
ガス状有害成分)がウエハ、半製品、製品の基板表面に
付着すれば、微粒子は、基板表面の回路(パターン)の
断線や短絡を引き起こし欠陥を生じさせる。また、ガス
状物質として、 H.C.は、ウエハ(基板)表面に
付着すると、接触角の増加をもたらし、H.C.は基板
とレジストとの親和性(なじみ)に影響を与える。そし
て、親和性が悪くなるとレジストの膜厚に悪影響を与え
たり、基板とレジストとの密着性に悪影響を与える(空
気清浄、第33巻、第1号、p.16〜21、199
5)。また、H.C.はウエハの酸化膜の耐圧劣化(信
頼性の低下)を引き起こす(第39回応用物理学関係連
合講演会予稿集、p.686、1992)。
【0006】 NH3 は、アンモニウム塩の生成など
をもたらし、ウエハにくもり(解像不良)を引き起こす
(リアライス社、最新技術講座、資料集、半導体プロセ
スセミナー、1996年10月29日、p.15〜2
5、1996)。このような原因により、微粒子はもと
よりこれらのガス状汚染物質は、半導体製品の生産性
(歩留り)を低下させる。特に、ガス状有害成分として
の上記のガス状物質は上述の発生起因により、また最近
では省エネの観点でクリーンルーム空気の循環を多くし
て用いるので、クリーンルーム中のガス状物質の濃度は
濃縮され、外気に比べかなりの高濃度となっており、基
材や基板に付着し、該表面を汚染する。この汚染の程度
は、基材や基板の接触角で表わすことができ、汚染が激
しいと接触角が大きい。接触角が大きい基材や基板は、
その表面に成膜しても膜の付着強度が弱く(なじみが悪
い)、歩留りの低下をまねく。
【0007】ここで、接触角とは水によるぬれの接触角
のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものであ
る。即ち、基板表面に疎水性(油性)の汚染物質が付着
すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくなる。
すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従って
接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さいと
汚染度が低い。特に、最近省エネの点でクリーンルーム
の空気を循環使用するため、クリーンルーム内のガス状
有害成分は徐々に高まってしまい、基材や基板を汚染す
ることになる。このような汚染物質から基板を汚染防止
する対策として、今後の空間のクリーン化は清浄空間を
限定(局所化)する局所クリーン化(ミニエンバイロメ
ント)が効果的であると提案されている( NIKKEI MI
CRODEVICES、7月号、p.136〜141、1995、
Proceedings of IES,p.373〜378、199
4)。
【0008】このような中にあって、本発明者らは、局
所クリーン化技術として光電子や光触媒を用いる空間の
クリーン化方式を提案してきた。例えば 1) 光電子に
よる清浄方式(粒子状物質の除去):特公平3−585
9号、特公平6−74909号、特公平8−211号、
特公平7−121367号公報、 2) 光触媒による清浄
方式(ガス状有害成分の除去):特開平9−16872
2号、特開平9−205046号公報、 3) 光電子と光
触媒の併用方式(粒子とガスの同時除去):特開平1−
266864号公報がある。これらの清浄方式は適用先
(装置の種類)や要求性能によっては、前記の清浄方式
で効果的であるが、適用先や要求性能によっては、使用
法を適宜改善する必要があった。この改善においては、
実用上一層効果的になるように改善するという問題があ
った。その問題の1つとして、前記の本発明者らが提案
した空間のクリーン化方式を簡易に特定の空間の清浄化
に適用できるように改善するという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記従来技術に鑑み、微粒子又はガス状有害成分を除去す
る局所空間の光電子及び/又は光触媒を用いるクリーン
化において、局所空間を簡単にクリーン化できる清浄化
ユニット装置及びその装置を用いた清浄化方法を提供す
ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、光電子及び/又は光触媒を用いる気体
の清浄化ユニット装置において、該ユニット装置の外壁
を合成樹脂製とし、該合成樹脂製壁面を遮光性としたも
のである。前記清浄化ユニット装置において、合成樹脂
製壁面の遮光性は、合成樹脂に光吸収材を混合するか、
合成樹脂壁面を遮光性材料で被覆して行うことができ、
前記遮光性材料として、光触媒を用いることができる。
また、本発明では、気体の存在する空間に、上記の気体
の清浄化ユニット装置を配備して気体を清浄化すること
を特徴とする気体の清浄化方法としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を半導体製造工場における
クリーンルームを例に説明する。本発明は、次の5つの
知見に基づいて発明されたものである。即ち、(1)通
常の空気(外気)中には、ガス状汚染物質として、NO
x、SOx、HClのような酸性ガス、アンモニア、ア
ミンのようなアルカリ性ガス及び炭化水素(H.C)と
呼ばれるような有機性ガスが存在し、クリーンルームに
おけるフィルタでは、これらの有害ガスの捕集はできな
いので、これらの有害ガスはクリーンルームに導入され
てしまう。この内、通常の空気中濃度レベルではウェハ
などの基板表面に付着し接触角の増加への関与は非メタ
ンH.Cが大きい(空気清浄、第33巻、第1号、p1
6−21、1995)。 (2)H.Cは、紫外線照射された光触媒によリ分解、
除去される。
【0012】(3)少なくとも、1部が有機物(高分子
樹脂)で構成されるクリーンルーム環境では、該有機物
から極微量の有機性ガス(H.C)が発生し、クリーン
ルーム空間中の収容物(ウエハやガラス基板などの原
料、半製品)を汚染する。すなわち、クリーンルーム空
間では、少なくともその一部に有機物(例プラスチック
容器、パッキン材、シール材、接着材、壁面の材料等)
を使用しており、該有機物から極微量の有機性ガスが発
生する。例えば、シール材からはシロキサン、収納容器
の材料であるプラスチック材からはフタル酸エステルな
どが発生し、これらの有機性ガスは、発生濃度は極く低
濃度であるが、クリーンルームは閉鎖系であり、閉じ込
められ、さらに、最近クリーンルームは省エネの点で空
気の循環使用の比率が高いので、該濃度は徐々に高くな
り、クリーンルーム内の収容物の上に付着し悪い影響を
与えてしまう。例えば収納物のウエハ表面上の接触角が
増加すると、該基板上に成膜してもその付着力は弱い。
このように、クリーンルーム中のH.Cは外気からの導
入H.Cにクリーンルーム内部からの発生ガスが加わる
ので、多成分、かつ高濃度となっており、最近ではクリ
ーンルームはH.Cに関しては、ダーティルームと言わ
れており、効果的なH.C処理法が必要になっている。
【0013】(4)本発明の対象分野である先端産業で
は、従来粒子除去のみで十分であったものが、製品の高
品質化、高精密化により、今後、ガス状汚染物質、特に
H.Cの影響を受けるようになる。即ち、今後は用途に
よっては、ガスと粒子の同時制御が重要になる。 (5)前記に対して、光電子及び/又は光触媒を用いる
気体の清浄化ユニット装置において、合成樹脂製の壁面
が遮光性である該ユニットを、被清浄空間の一部に取り
付けると簡単に局所空間が清浄化される。また、該ユニ
ット(容器)は、材料が合成樹脂のため、軽量であるこ
とから実用性が高い。また、前記の壁面の遮光性に光触
媒を用いると、光触媒によりガス状汚染物質(有害成
分)が除去されるので、用途・要求性能によっては好ま
しい。
【0014】次に、本発明の清浄化ユニット装置の構成
について説明する。先ず、光電子による清浄化につい
て、次にその構成を説明する。光電子による清浄化は、
光電子放出材、紫外線ランプ、光電子放出のための電場
用電極材、荷電微粒子捕集材より構成され、微粒子(粒
子状物質)の除去を行うものである。光電子放出材は、
紫外線の照射により光電子を放出するものであれば何れ
でも良く、光電的な仕事関数が小さなもの程好ましい。
効果や経済性の面から、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,
La,Ce,Nd,Th,Pr,Be,Zr,Fe,N
i,Zn,Cu,Ag,Pt,Cd,Pb,Al,C,
Mg,Au,In,Bi,Nb,Si,Ti,Ta,
U,B,Eu,Sn,P,Wのいずれか、又はこれらの
化合物、又は合金、又は混合物が好ましく、これらは単
独で、又は二種以上を複合して用いられる。複合材とし
ては、アマルガムの如く物理的な複合材も用いうる。
【0015】例えば、化合物としては酸化物、ほう化
物、炭化物があり、酸化物にはBaO,SrO,Ca
O,Y25 ,Gd23 ,Nd23 ,ThO2 ,Z
rO2 ,Fe23 ,ZnO,CuO,Ag2 O,La
23 ,PtO,PbO,Al23 ,MgO,In2
3 ,BiO,NbO,BeOなどがあり、またほう化
物にはYB6 ,GdB6 ,LaB5 ,NdB6 ,CeB
6 ,EuB6 ,PrB6 ,ZrB2 などがあり、さらに
炭化物としてはUC,ZrC,TaC,TiC,Nb
C,WCなどがある。また、合金としては、黄銅、青
銅、リン青銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20w
t%)、CuとBeとの合金(Beが1〜10wt%)
及びBaとAlとの合金を用いることができ、上記Ag
とMgとの合金、CuとBeとの合金及びBaとAlと
の合金が好ましい。酸化物は金属表面のみを空気中で加
熱したり、或いは薬品で酸化することによっても得るこ
とができる。
【0016】さらに他の方法としては、使用前に加熱
し、表面に酸化層を形成して長期にわたって安定な酸化
層を得ることもできる。この例としては、MgとAgと
の合金を水蒸気中で300〜400℃の温度の条件下
で、その表面に酸化膜を形成させることができ、この酸
化薄膜は長期間にわたって安定なものである。また、光
電子を放出する物質を、別の物質に付加して使用するこ
とができる。この例として、紫外線透過性物質に光電子
を放出し得る物質を付加したものがある(特公平7−9
3098号、特開平4−243540号各公報)。ま
た、後述の紫外線源との一体化、例えば紫外線ランプ表
面への光電子放出材の付加がある(特開平4−2435
40号公報)。一体化によりコンパクトになるので適用
ボックスの種類によっては好ましい。
【0017】光電子放出材の形状や構造は後述のごと
く、装置(ユニット)の形状、構造あるいは希望する効
果等により異なり、適宜決めることができる。光電子放
出材からの光電子放出のための照射源は、照射により光
電子を放出するものであれば何れでも良く、紫外線が通
常好ましい。紫外線の種類は、光電子放出材がその照射
により、光電子を放出するものであれば何れでも良い。
該紫外線源は紫外線を発するものであれば、何れでも使
用できるが、コンパクト化の点で水銀灯、例えば殺菌ラ
ンプが好ましい。次に、本発明の特徴である紫外線源、
光電子放出材、電極、荷電微粒子捕集材、の位置や形状
について述べる。これらは、要求性能により適宜後述の
光触媒と共に、紫外線源を囲み設置され、有害ガス及び
微粒子を含む気体の清浄化装置(合成樹脂製のユニッ
ト)として一体化していることに特徴がある。
【0018】光電子放出材の位置や形状は、紫外線源か
ら放出される紫外線を囲むように(照射面積が広くでき
るように)設置できるものであればいずれでも良い。通
常、紫外線源からの紫外線は円周方向に放射状に放出さ
れるため、この紫外線を囲むように円周方向に設置でき
るものであれば良い。光電子放出材からの光電子の放出
は、電場下での紫外線照射で効果的である。そのための
電極の位置や形状は、光電子放出材との間に電場(電
界)が形成できるものであれば何れも使用できる。電極
材料とその構造は、周知の荷電装置において使用されて
いるもので良い。電極材料は導体であれば何れも使用で
き、この例としてタングステン、SUSあるいはCu−
Znの線、棒状、網状、板状がある。これらを1種類又
は2種類以上組合わせて、光電子放出材の近傍に電場が
形成できるように設置する(特開平2−303557号
公報)。
【0019】荷電微粒子の捕集材(集塵材)は、通常の
荷電装置における集塵板、集塵電極等各種電極材や静電
フィルター方式が一般的であるが、スチールウール電
極、タングステンウール電極のようなウール状構造のも
のも有効である。エレクトレック材も好適に使用でき
る。光電子放出材、電極材、荷電微粒子の捕集材の好適
な組合わせ方は、清浄化すべき局所空間(被清浄空間)
の形状、構造、要求性能、経済性などにより適宜決める
ことができ、該空間部へのユニット装置の設置により後
述の被清浄化空間部に存在する微粒子などの汚染物質
が、本ユニット内に迅速に移動できるものであれば良
い。光電子放出材と電極の位置と形状は、紫外線源を囲
み、紫外線源、光電子放出材、電極、荷電微粒子捕集材
が一体化でき、紫外線源から放出された紫外線が有効利
用され、かつ光電子の放出と該光電子による微粒子の荷
電・捕集が、効果的に行えるようにボックスの形状、効
果、経済性等を考慮して予備試験等により、決めること
ができる。例えば、棒(円筒)状の紫外線ランプを用い
る場合は、紫外線が円周方向に放射状に放出されるた
め、この円周方向の放射状の紫外線を、光電子放出材に
出来るだけ多く照射するほど、光電子放出量が多くな
る。
【0020】次に、光触媒による清浄化を説明する。光
触媒は、ガス状有害成分の除去を行うものであり、光源
からの光照射により励起され、接触角増加に関与する有
機性ガス(非メタン炭化水素、H.C)を接触角の増加
に関与しない形態に分解あるいは、付着しても影響を及
ぼさない安定な形態に変換するものであればいずれでも
よい。通常、半導体材料が効果的であり、容易に入手出
来、加工性も良いことから好ましい。効果や経済性の面
から、Se,Ge,Si,Ti,Zn,Cu,Al,S
n,Ga,In,P,As,Sb,C,Cd,S,T
e,Ni,Fe,Co,Ag,Mo,Sr,W,Cr,
Ba,Pbのいずれか、又はこれらの化合物、又は合
金、又は酸化物が好ましく、これらは単独で、また2種
類以上を複合して用いる。
【0021】例えば、元素としてはSi,Ge,Se、
化合物としてはAlP,AlAs,GaP,AlSb,
GaAs,InP,GaSb,InAs,InSb,C
dS,CdSe,ZnS,MoS2 ,WTe2 ,Cr2
Te3 ,MoTe,Cu2 S,WS2 、酸化物としては
TiO2 ,Bi23 ,CuO,Cu2 O,ZnO,M
oO3 ,InO3 ,Ag2 O,PbO,SrTiO3
BaTiO3 ,Co34 ,Fe23 ,NiOなどが
ある。適用先によっては、金属材を焼成し、金属表面に
光触媒の形成を行うことができる。この例として、Ti
材を焼成し、その表面にTiO2 の形成を行う光触媒が
ある。光触媒は、前記光電子放出材と同様に光源を囲
み、あるいは、その近傍に設置され、気体の清浄化装置
(ユニット)として一体化していることに特徴がある。
また、要求性能によっては、前記の光電子を用いる清浄
化装置に一体化して用いることができ、本発明の特徴で
ある。
【0022】即ち、光触媒の清浄化ユニット装置におけ
る設置位置は、例えば、(1)紫外線ランプへの直接の
付加、(2)紫外線源をガラス状物質あるいはガラス材
で囲み、該ガラス状物質の表面への付加、(3)紫外線
源に対向する円周方向の壁面への付加、(4)あるいは
光触媒を板状、綿状、網状、ハニカム状、膜、円筒状あ
るいは繊維状などの適宜の材料にコーティングしたり、
あるいは包み、又は挟み込んで装置内に固定して用いて
もよい。例として、ゾルゲル法によるガラス板への二酸
化チタンのコーティングがある。光触媒は、粉体状のま
までも用いることが出来るが、焼結、蒸着、スパッタリ
ング、塗布、焼付け塗装などの周知の方法で適宜の形状
にして用いることが出来る。
【0023】これらは、清浄化すべき局所空間(被清浄
空間)の種類、用途、光源の種類や形状、光触媒の種
類、希望する効果、経済性などにより適宜選択すること
ができる。また、光触媒作用の向上のために、上記光触
媒にPt,Ag,Pd,RuO 2 ,CO34 の様な物
質を加えて使用することも出来る。該物質の添加は、光
触媒作用が加速されるので好ましい。これらは、一種類
又は複数組合せて用いることができる。添加の方法は、
含浸法、光還元法、スパッタ蒸着法、混練法など周知手
段を適宜用いることができる。光照射のための光源とし
ては、光触媒材が吸収する波長を発するものであれば何
れでも良く、可視及び/又は紫外線領域の光が効果的で
あり、周知の光源を適宜用いることが出来る。例とし
て、水銀灯として、殺菌ランプ、ブラックライト、蛍光
ケミカルランプ、UV−B紫外線ランプがある。
【0024】汚染物質の除去として、ガス状有害成分の
みを除去する場合は、可視光の光源が使用でき、また、
前記紫外線ランプ、例えば殺菌ランプが効果的である。
殺菌ランプは、光触媒への有効照射光量(光触媒が吸収
して光触媒作用を発揮する照射)を強くでき、光触媒作
用が加速されるので、好ましい。光触媒によるガス状有
害成分の除去機構に関して、接触角を増加させる有機性
ガスの除去について説明すると、収容物(ウエハ、ガラ
ス材など)や収容物上の薄膜の種類、性状によって異な
るが、本発明者らの研究によると次のように考えられ
る。すなわち、通常クリーンルーム装置における収容物
表面の接触角を増加させる有機性ガス(H.C)で共通
して言えることは、高分子量のH.Cが主であり、その
構造として−CO、−COO結合(親水性を有する)を
持つことである。このH.Cは、親水部(−CO、−C
OO結合部)を有する疎水性物質(H.Cの基本構造の
−C−C−の部分)と考えることができる。
【0025】具体例で説明すると、通常のクリーンルー
ムにおけるガラス基板などの収容物表面の接触角を増加
させる有機性ガスは、C16〜C20の高分子量H.
C、例えばフタル酸エステル、高級脂肪酸フェノール誘
導体であり、これらの成分に共通することは化学的構造
として、−CO、−COO結合(親水性を有する)を持
つ(空気清浄、第33巻、第1号、p16〜21、19
95)ことである。これらの汚染有機性ガスの起因は、
高分子製品の可塑剤、離型剤、酸化防止剤などであり、
高分子製品の存在する個所が発生源である(「空気清
浄」第33巻、第1号、p16〜21、1995)。光
触媒によるこれらの有機性ガスの処理メカニズムの詳細
は不明であるが、次のように推定できる。すなわち、こ
れらの有機性ガスは−CO、−COO結合の部分がウエ
ハやガラス表面のOH基と水素結合し、その上部は疎水
面となり、結果としてウエハやガラス表面は疎水性にな
り、接触角が大きくなり、その表面に成膜すると膜の付
着力は弱い。
【0026】即ち、有機性ガスが存在する雰囲気に光触
媒を設置すると、光触媒は吸着作用を有するので、H.
Cはその活性部である−CO、−COO結合部が、光触
媒表面へ吸着し、光触媒作用を受け別の安定な形態に変
換される。その結果として、有機性ガスは安定な形態と
なり(低分子の物質まで変換され)、ウエハやガラス基
板上には付着しないか、又は付着しても疎水性を示さな
いと考えられる。光触媒は、前記H.Cの分解・除去の
他に、アンモニアやアミンのような塩基性ガス(ガス状
有害成分)の除去にも効果的である。本清浄化ユニット
装置における気体の清浄化は、光電子によるもの、光触
媒によるものを要求性能、経済性等により夫々単独で用
いることができ、本発明の特徴である。即ち、微粒子
(粒子状物質)のみが問題となる場合は、光電子による
清浄化ユニット装置を、H.CやNH3 、アミンのよう
なガス状有害成分のみが問題となる場合は光触媒による
清浄化ユニット装置を用いることができる。
【0027】次に、本発明の特徴である壁面が遮光性で
ある合成樹脂製の容器(ユニット)について説明する。
これは前記の光電子及び/又は光触媒による清浄化のた
めの構成材を、壁面が遮光性である容器(ユニット)内
に設置したものである。即ち、本発明の清浄化ユニット
装置の容器は、合成樹脂製であり、加工性、剛性、耐久
性、耐光性に優れ、発ガスが少ない材料が好ましく、光
遮断性のものであれば更に好ましい。例えば、ABS、
アクリル等の汎用プラスチック及ぴポリカーボネイト
(P.C)等のエンジニアリングプラスチック、更にポ
リエーテルイミド等のスーパーエンジニアリングプラス
チックが好適である。これらの材料を用いる容器は、前
記のように内部に光源を有することから、外部に該光源
からの光がもれないように、その壁面を遮光性(光遮断
性)とする。また、該光源からの光照射により、容器が
劣化しないように(劣化するとガス状物質が発生するこ
とから、実用上好ましくない)、内壁面表面を金属等の
光遮断性材料等で被覆することができる。
【0028】壁面を遮光性とするには、次のような方法
がある。 (1)容器を製造する合成樹脂へのフィラ(つめもの)
による方法;透明性樹脂材料を用いた容器(ユニット)
の製造において、光吸収材等を混合することより、光遮
断性とすることができる。混合する材料として、例え
ば、カーボン炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸
化鉄、色素等がある。この内、カーボンは、基板の電位
の除電(中和)に有効であることから、用途によっては
その採用が好ましい。 (2)容器内壁面への光遮断性材料の被覆(付加)による
方法;容器内壁面に、光遮断性材料を被膜することによ
り、光遮断性の容器とすることができる。例えば、A
l、Ag、Si、Ti、Ni、W、Co、等の金属材料
のスパッタリング法、又は蒸着法により被覆することが
できる。被覆の厚さは10〜500nmであり、好適な
厚さは、プラスチックの種類、金属材料の要求性能など
により、適宜予備試験を行い決めることができる。内壁
面への該光遮断性材料の被覆は、壁面(材料)からの光
照射による発ガスを防止(抑制)できる作用を有するこ
とから好ましい。
【0029】(3)容器内壁面への光触媒の被覆(付
加)による方法;容器内壁面に前記光触媒を付加するこ
とにより、ガス状有害成分を除去できる装置とすること
ができる。例えば、光触媒材料をゾルーゲル法、焼結、
蒸着、スパッタリング法、塗布、焼付け塗布など周知の
方法で付加することができる。また、使用する合成樹脂
の種類によっては、金属あるいは金属化合物などを予め
被覆後に、付加することができる。例えば、酸化インジ
ウム(In23)系、あるいは酸化スズ(SnO2)系
の透明導電性薄膜がある。例としてはSnをドープした
In23膜(ITO)、SbをドープしたSnO2膜が
ある。また、SnO2膜も好適に使用できる。該物質の
容器への被覆は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法
等周知の付加法を適宜に用いることができる。このよう
な金属などの予め被覆では、光触媒の付加がより強固と
なるので、用途、要求性能等によっては好ましい。光触
媒の光遮断材料としての利用は、本発明の大きな特徴で
ある。
【0030】これらの方法のどの方法を選択するかは、
局所空間の種類又は容器の構成材料の種類や要求性能、
経済性等により、適宜予備検討(試験)を行い、前記の
適宜の手段を選択できる。本発明では、清浄化すべき局
所空間(被清浄空間)に前記の清浄化ユニット装置を設
置することにより、局所空間で発塵や発ガスがあっても
除去される。即ち、本局所空間は、セルフクリーニング
機能を有する局所空間となる。本発明のユニット装置
は、任意に取り付け、あるいは取り外しが容易な光電子
又は光触媒を用いる合成樹脂製のユニット状の気体清浄
化装置であり、これを局所空間に気体清浄化ユニット装
置として取り付けることで、該空間は清浄化される。容
器壁面を、上記のように遮光性とすることで、容器内に
設置された清浄化用の紫外線ランプからの紫外線が外部
へもれない(光遮断性)ので、実用性が向上した清浄化ユ
ニット装置となる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。 実施例1 半導体工場におけるクリーンボックス(ウェハの汚染防
止用ボックス)を、図1に示す構成図を用いて説明す
る。半導体工場では、クラス1,000のクリーンルー
ムで高品質な製品が製造されている。ここでウエハは、
高品質(微細化、精密化)な製品に加工(成膜等)され
るので、クリーンルーム空間への暴露により、ガス状物
質や微細な粒子状物質(微粒子)の影響を受ける。即
ち、クラス1,000のクリーンルームにはガス状有害
成分として、外気からの導入H.Cに加えて、クリーン
ルーム構成材、器具類からの脱ガス起因の非メタン炭化
水素が1.1〜1.5ppm存在する。一方、作業者か
らも汚染物質(ガス状物質、微粒子)の発生があるた
め、人の近傍はウエハ22にとって、ダーティな環境で
ある。
【0032】このため、例えばウェハは工程(例、洗浄
後、成膜前)で待ち時間が生じる場合は、図1のクリー
ンボックス(局所空間)10へ収納、保管され、前記汚
染物質からの汚染を防止し、順次各工程に搬送し、高品
質製品へと加工される。クリーンボックス10には、紫
外線ランプ11、光触媒12、光電子放出材13、該光
電子放出材13からの光電子放出用電極14、荷電微粒
子捕集材15が配置された壁面が遮光性材料よりなる合
成樹脂製の容器9の空気清浄化ユニット装置(ユニッ
ト)Aが設置されている。図1において、(a)は断面
図、(b)は平面図である。図1のボックス10には、
キャリア16に収納されたウェハ17がクリーンルーム
空気中の汚染物質からの汚染を防止するために収納され
ている。
【0033】次に、ボックス10内の汚染物質の本ユニ
ットAによる除去について説明する。ボックス10に
は、ウエハ17に付着するとウエハの接触角を増加させ
るガス状有害成分(有害ガス)としての炭化水素(H.
C)、及びウエハに付着すると断線や短絡を起こすこと
から欠陥を生じ、歩留まりの低下をもたらす微粒子が存
在する。これらの汚染物質は、ウエハ17のボックス1
0への収納や取り出しのためのボックス10の開閉毎
に、クリーンルームからボックス10内に侵入する。こ
こで、該H.Cは、紫外線ランプ11からの紫外線が照
射された光触媒12による光触媒作用により分解され、
接触角を増加させない形態に変換される。また、微粒子
(粒子状物質)は、紫外線ランプ11が照射された光電
子放出材13から放出される光電子18により荷電さ
れ、荷電微粒子となり、該荷電微粒子は荷電微粒子の捕
集材としての電極15に捕集され、ウエハ17の存在す
る被清浄空間部Bは超清浄化される。ボックス中のH.
C及び微粒子のユニットAへの移動は、該ユニット1中
の紫外線ランプ11の照射により生ずるユニット内の上
下のわずかな温度差で引き起こされる空気の流れ19-1
〜19-3によっている。
【0034】ここで、容器9の材質はP.C上にSiO
2を被覆し、その上にTiO2を付加したものであり、こ
れにより容器9の内壁面は、紫外線ランプ11の照射を
受けて光触媒作用を有する。すなわち、気流19-3によ
り導入された空気中のH.Cは、前記のようにユニット
内部の光触媒による分解の前に、容器9の入口部の壁面
で大まかに分解される。また、光触媒による分解におい
て、1部リークするH.Cあるいは分解生成物(中間
物)は容器9の出口部(電極15出口近傍)の壁面で分
解され、これらによりH.Cの分解がより確実になる
(ユニットA入口より導入されたH.Cは壁面の光触媒
の作用により、一層効果的に分解される)。
【0035】紫外線ランプ11は、殺菌ランプ(254
nm)、光触媒12は、Al材にTiO2 を付加、光電
子放出材13は、Al材にAuを付加、光電子放出用の
電極14は、網状SUS(10V/cm)、荷電微粒子
捕集材15は、SUS材(500V/cm)である。こ
のようにして、ボックス10内の空気中の有害ガス及び
微粒子は処理され、ボックス10内の空気は、ウエハな
ど基板を収納しておくと、接触角が増加しない、かつ、
クラス1よりも超清浄な空間が保持される。ウエハなど
の基板は、接触角が増加しないので、該基板表面に成膜
した場合、付着力が強く成膜できる効果がある(H.C
濃度:0.1ppm以下、NH3 濃度:1ppb以
下)。ユニットAは、ウエハが収納されたボックスの被
清浄空間部Bと、切り離しが可能であり、それらはパッ
キン材を介して接合されている。
【0036】実施例2 図2と図3は、図1の変形である。図2と図3におい
て、図1と同一符号は同じ意味を示す。図2は、図1の
ユニット中の光触媒12をはずしたものである。この形
態は、H.CはユニットAの容器9の壁面の光触媒(遮
光材としてのTiO2)により分解される。この形態
は、ガス状有害成分の影響が少ない場合に好適に使用で
きる。図3は、図1のユニット中の光電子放出材13、
電極14、荷電微粒子捕集材15を外したものである。
この形態は、微粒子の影響が無視でき、ガス状有害成分
の影響が大きい場合に好適に使用できる。
【0037】実施例3 図1に示した有害ガス及び微粒子除去のための清浄化ユ
ニット装置(ユニット)を一体化した構成のクリーンボ
ックスを、クラス1,000の半導体工場に設置し、下
記試料ガスを入れ、紫外線照射を行い、クリーンボック
ス内に収納したウエハ上の接触角及び該ボックス内の微
粒子濃度、非メタン炭化水素濃度を測定した。 1)クリーンボックスの大きさと材質;100リット
ル。 2)ユニット(容器) (1)容器の材質;P.C上にSiO2を被覆し、その
上にTiO2を1μm付加したもの(透明性のP.Cが
これ(1μmTiO2)により遮光性を有する) (2)紫外線源;殺菌ランプ8W。 (3)光触媒材 ; Al板上に、TiO2をゾルゲル
法で付加。 (4)光電子放出材 ; Al板上にAuを付加。 (5)光電子放出用の電極 ; 格子状SUS材、20
V/cm。 (6)荷電微粒子の捕集材(電極板) ; SUS板、
800V/cm。
【0038】3)試料ガス(入口) 媒体ガス : 空気、 微粒子濃度 : クラス1,000、 非メタン炭化水素濃度 : 1.5ppm 4)ウエハ ; 8インチ 5)測定器 接触角の測定 ; 水滴式接触角計 微粒子濃度の測定 ; 光散乱式パーティクルカウンタ
ー(>0.1μm) 非メタン炭化水素濃度の測定 ; ガスクロマトグラフ 尚、微粒子濃度(クラス)は、1ft3 中に含まれる
0.1μm以上の微粒子の総個数を示す。
【0039】結果 (1)ウエハ上の接触角 ボックスに収納したウエハ上の接触角について、収納時
間との関係を図4に示す。図4において、清浄化を、光
触媒と光電子の両方で行ったものを−〇−印、本発明の
光触媒のみで行ったものを−△−印、光電子のみで行っ
たものを−□−印、清浄化なしのもの(紫外線を点灯し
ないもの)を−●−印で示す。 (2)ボックス内の微粒子濃度(クラス) 1時間後、2時間後、1日後、1週間後のボックス内の
微粒子濃度(クラス)を表1に示す。比較として、清浄
化を光電子と触媒の両方で行ったもの、清浄化なしのも
のを表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】(3)ボックス内の非メタン炭化水素濃度
(ppm) 上記と同時間、また同じ比較で評価を行い、表2に示
す。
【表2】
【0042】非メタン炭化水素の空間中、及びボックス
壁面における除去を、ウエハ上でも確認するために、前
記の条件におけるボックスにウエハを収納し、ウエハ上
のフタル酸エステル(DOP、DBP)を調べた。 測定法:前記の条件の空気に16時間暴露したウエハ上
の付着物を脱離させ、GC/MS法によりフタル酸エス
テルを測定。 その結果、紫外線ランプを照射しないものは、いずれも
フタル酸エステルを検出した。これに対し、本発明の光
触媒を設定したものは、フタル酸エステルは不検出であ
った。 (4)ユニットの遮光性 TiO21μm被覆のP.C材に前記の紫外線ランプを
照射し、その透過性について調べたところ透過率は1%
以下であった。また、比較としてTiO2を被覆しない
P.Cを同様に調べたところ透過率は88%であった。 測定法:分光光度計(光透過率測定器)
【0043】実施例4 実施例3におけるP.C材にAl、Ag、Cr、Wを薄
膜状にスパッタリング法により被覆し、実施例3と同様
に光の遮光性について調べた。 結果 表3に、光の透過率を示す。
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏す
ることができた。 1)局所空間の清浄化において、合成樹脂製の壁面を遮
光性とした光電子及び/又は光触媒を用いた気体の清浄
化ユニット装置を、局所空間に設置することによって、 (1)局所空間中の微粒子、ガス状有害成分、例えば炭
化水素が効果的に除去された。即ち、微粒子除去ではク
ラス1よりも清浄な空間、ガス状有害成分除去では、接
触角が増加しない清浄な空間が簡便に創出できた。 (2)(1)の清浄化ユニット装置は、内部の紫外線ラ
ンプの光が外部にもれないため、また、合成樹脂製で軽
量なため、実用性が向上した清浄化ユニット装置となっ
た。 2)前記ユニット装置の設置においては、適用局所空間
の種類、要求性能、経済性等により、光電子による清浄
方式(微粒子の除去のみ)、光触媒による清浄方式(ガ
ス状有害成分の除去のみ)を適宜に選択できた。即ち、
実用上効果的な清浄方式となり、適用範囲が広がった。
【0045】3)前記により、半導体や液晶などの先端
産業では、 (1)基板の収納や搬出に伴う局所空間内への侵入汚染
物質は当然のこと、基板表面からの発ガスや発塵、局所
空間材料からの発ガスや発塵も除去され、局所空間内は
セルフクリーニング的に超清浄化された。 (2)容器材料として、発ガスが懸念されるプラスチッ
ク材料が使用でき、プラスチックは軽いので実用上有効
となった。 4)前記より、 (1)実用上効果的な清浄化装置となったので、広い分
野における局所空間の清浄化に使用できるようになっ
た。 (2)適用範囲が広がり、実用性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の清浄化ユニット装置の一例を設置した
クリーンボックスの構成図で(a)断面図、(b)平面
図。
【図2】本発明の清浄化ユニット装置の他の例を設置し
たクリーンボックスの構成図で(a)断面図、(b)平
面図。
【図3】本発明の清浄化ユニット装置の他の例を設置し
たクリーンボックスの構成図で(a)断面図、(b)平
面図。
【図4】収納時間(日)と接触角(度)との関係を示す
グラフ。
【図5】従来の半導体製造工業における空気清浄の概略
構成図。
【符号の説明】
9:合成樹脂製容器、10:クリーンボックス、11:
紫外線ランプ、12:光触媒、13:光電子放出材、1
4:光電子放出用電極、15:荷電微粒子捕集材、1
6:キャリア、17:ウエハ、18:光電子、19-1
19-3:空気の流れ
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 作 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 4D048 AA17 AA21 AB03 BA06X BA07X BA13X BA39X BA41X BB03 BB18 CC38 CC41 CC57 CC63 CD03 EA01 EA03 4D054 AA14 BA01 BA17 BB05 BC02 BC13 BC16 EA27 EA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光電子及び/又は光触媒を用いる気体の
    清浄化ユニット装置において、該ユニット装置の外壁を
    合成樹脂製とし、該合成樹脂製壁面を遮光性としたこと
    を特徴とする清浄化ユニット装置。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂製壁面の遮光性は、合成樹
    脂に光吸収材を混合するか、合成樹脂壁面を遮光性材料
    で被覆して行うことを特徴とする請求項1記載の気体の
    清浄化ユニット装置。
  3. 【請求項3】 前記遮光性材料が、光触媒であることを
    特徴とする請求項2記載の気体の清浄化ユニット装置。
  4. 【請求項4】 気体の存在する空間に、請求項1、2又
    は3記載の気体の清浄化ユニット装置を配備して気体を
    清浄化することを特徴とする気体の清浄化方法。
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