JP2001259364A - 高温域における排ガス処理剤とその再生方法 - Google Patents

高温域における排ガス処理剤とその再生方法

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JP2001259364A
JP2001259364A JP2000082339A JP2000082339A JP2001259364A JP 2001259364 A JP2001259364 A JP 2001259364A JP 2000082339 A JP2000082339 A JP 2000082339A JP 2000082339 A JP2000082339 A JP 2000082339A JP 2001259364 A JP2001259364 A JP 2001259364A
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gas
sodium
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hydrogen chloride
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JP2000082339A
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Tsunenori Koga
恒範 上賀
Satoshi Kamigasa
諭 神笠
Yasuhiko Noguchi
泰彦 野口
Tomoko Higashiya
智子 東谷
Takashi Motomatsu
崇 本松
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Showa Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Showa Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物処理工程や一般産業工程から発生する
ガス中に含まれる有害酸性ガスである塩化水素ガスを高
温において除去するとともに、炭酸ガスの存在下におい
ても同等の性能を有する排ガス処理剤とその再生方法。 【解決手段】 排ガス処理剤は、300℃以上の高温域
において存在させ、さらに1パーセント以上炭酸ガスが
存在する場所においても、排ガス中に含まれる有害酸性
ガスである塩化水素ガスを塩化ナトリウムとして固定化
する。その構成成分は、排ガス処理剤としてナトリウム
化合物が10乃至70重量%含有されている。また、ケ
イソウ土、パーライト及びシラスバルーン等の吸収性の
高い無機鉱物から選択された少なくとも1種の物質がナ
トリウム化合物の担持体として30乃至90重量%含有
される粉体もしくは粒体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ゴミ廃棄物や産
業廃棄物等の焼却施設,農薬の製造工程,製紙工業にお
ける漂白工程等から発生する有害酸性ガスを効率的に処
理する排ガス処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、廃棄物処理工程や一般産業工程か
ら発生する有害物質は、大気汚染防止法によりその排出
基準が定められている。この排出ガス中の塩化水素を低
減するために、反応剤として消石灰(Ca(OH)
2)、生石灰(CaO)、炭酸カルシウム(CaCO
3)等が粉体あるいはスラリー状で添加され、塩化水素
ガスと反応して塩化カルシウム(CaCl2)となり、
これをバグフィルターや電気集塵機等により回収する方
法が一般に知られている。
【0003】しかしながら、バグフィルターにおける一
般的な濾布の耐熱温度は、高いもので250℃程度しか
なく、また、電気集塵機においてはガス温度が300℃
前後での使用が集塵効率が一番良く、それ以上の温度で
は熱膨張など装置上の問題があるため使用しづらい。し
たがって,これらの集塵装置を300℃を越える雰囲気
中で使用することは難しい。そのため、現在問題となっ
ているダイオキシン類の生成温度が300〜350℃と
言われており、それ以上の温度領域でダイオキシン類の
もととなる塩化水素ガスを予め除去することは困難であ
る。
【0004】また,現在ダイオキシン類を除去するため
に、反応剤と共に活性炭を用いてこれにダイオキシン類
を吸着させることで大気中への排出を防止する方法がと
られているが、飛灰や反応剤とともに回収された活性炭
には高濃度のダイオキシン類が残留しておりそのままで
廃棄することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、300℃以下の温度で反応剤と塩化水素ガスを反応
させるため、ダイオキシン類の発生を抑制することはで
きず、排ガス中にダイオキシン類が存在する可能性が高
かった。
【0006】また、300℃以上の温度域で反応剤を使
用したならば、塩化水素ガスと反応して塩化カルシウム
を生成するが、この塩化カルシウムは潮解性のある物質
であり、排ガス温度が下がったならばガス中の水分を吸
収して水和物となり、焼却炉設備中に付着し排ガス処理
部の目詰まりや偏流を発生させることが考えられる。
【0007】本発明は、上記のような状況に鑑みて鋭意
研究を進めた結果、廃棄物焼却時等に発生する塩化水素
ガスを、ダイオキシン類が生成する300〜350℃を
越える温度域で、排ガス温度が下がる前にダイオキシン
類の合成原料の1つである塩化水素ガスと反応させ除去
すると共に、塩化水素ガスと反応し生成した塩化カルシ
ウムの潮解性による溶解及び破壊等での排ガス処理部の
目詰まりや偏流を防止することを目的とする。また、7
00℃以上の高温域で腐食性の高い塩素ガスを除去しク
リーンなガスにすることでの熱回収の有効利用,例えば
発電に利用した場合の発電量の増加等も考えられる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するため、
本発明は、廃棄物処理工程や一般産業工程から排出され
る排ガスが冷却される前の300℃以上の高温域で排ガ
ス処理剤を存在させ、排ガス中の塩化水素ガスを塩化ナ
トリウムとして固定化するように構成されている。固定
化された塩化ナトリウムは、排ガス温度が下がりガス中
の水分を吸収して潮解しても処理剤中に吸収され、外部
に漏出することはない。一般に発生した塩化水素ガス
は、煙道を通ってガス冷却塔に運ばれバグフィルターや
電気集塵機等の集塵設備の許容温度に下げられた後、集
塵設備において固体としての反応剤や飛灰等を回収して
煙突から屋外に排出される。本発明においては、排ガス
処理剤を存在させる温度域は、ダイオキシンが生成する
といわれる300〜350℃より高く,生成する塩化ナ
トリウムの融点である749℃よりも低い温度領域、と
くに効率よく塩化水素ガスと反応させるならば、望まし
くは400〜600℃である。また、工程中どの場所に
おいても処理を行うことができ,接触場所を二カ所以上
に設置しても差し支えない。
【0009】排ガス処理剤としては、ナトリウム化合物
が10乃至70重量%含有されている。また、ケイソウ
土、パーライト及びシラスバルーン等の吸収性の高い無
機鉱物から選択された少なくとも1種の材料がナトリウ
ム化合物の担持体として30乃至90重量%含有される
粉体もしくは粒体であり、排ガス中に存在しても生成し
た塩化ナトリウムを固定化し処理剤が溶解固化してしま
うことがなく容易に交換ができる。
【0010】本発明では、塩化水素ガスとの接触は、固
定層、流動層、気流層の形態で使用することが可能であ
る。この場合、接触場所を組み合わせて二カ所以上に設
置しても差し支えなく、これにより塩化水素ガスの除去
率の向上が期待できる。
【0011】さらに、使用後の排ガス処理剤は回収して
洗浄することにより固定化した塩化ナトリウムを溶解さ
せ、再度ナトリウム化合物を担持させることにより繰り
返し使用することが可能となる。ここで使用する洗浄水
は、一般的な水道水もしくは工業用水でかまわない。こ
れにより、ランニングコストの低減を図ることができ、
さらに、従来焼却灰として飛灰と共に廃棄されていた消
石灰等の反応剤の使用量も減少し、ゴミの減量化を図る
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが、本発明は下記に実施の形態に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施できるものである。本発
明者らは、ダイオキシンが生成するといわれる300〜
350℃より高く,生成する塩化ナトリウムの融点であ
る749℃よりも低い温度領域の一般産業工程中に配置
した排ガス処理剤により、排ガスの塩化水素ガスを効率
よく除去することによりダイオキシン類の発生を抑制す
る方法を開発すべく鋭意研究を行った。その結果、ナト
リウム化合物が10乃至70重量%含有されており,ま
た、ケイソウ土、パーライト及びシラスバルーン等の吸
収性の高い無機鉱物から選択された少なくとも1種の材
料がナトリウム化合物の担持体として30乃至90重量
%含有される、粉体もしくは粒体を使用することによ
り、前記課題を解決することができることを見いだし
た。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例により更に具体的に説
明する。
【0014】実施例1 下記表1は排ガス処理剤における配合条件を示す。様々
な条件で水酸化ナトリウムをナトリウム原料として排ガ
ス処理剤を作製し、それぞれについて600℃に保持し
た電気炉7に作製した排ガス処理剤50gを充填した石
英管8を設置し、その石英管の両端に塩化水素ガスおよ
びコンプレッサーエアーを供給する出入り口を装着した
後、塩化水素ガス濃度が約1,000ppmになるよう
に調整し、さらに炭酸ガスの濃度が8%になるように調
整したガスを1L/minで流した。そして、排ガス処
理剤と接触する前後のガスをサンプリング口5,6にて
サンプリングし、塩化水素ガスの除去効率が95%以下
となるまでの時間を測定し排ガス処理剤の評価を行っ
た。また、同時に炭酸ガス濃度を測定し、排ガス処理剤
の炭酸ガスに対する反応性を調べた。この評価結果を下
記表1に示す。
【0015】下記第1図には、高温域での塩化水素ガス
除去試験を行った試験装置の模式図を示す。第1図にお
いて、1は塩化水素ガスボンベ、2はガス濃度を調整す
るためのコンプレッサーエアー、3は塩化水素ガスの流
量計、4はコンプレッサーエアーの流量計、5は炭酸ガ
スの流量計、6は炭酸ガスボンベ、7,8はサンプリン
グ口、9は試料充填用の石英管、10は電気炉である。
【0016】また、電気炉の保持温度を400,800
℃とし、その他の試験条件を全て同条件で第1図の試験
装置を用いて試験を行った。
【0017】さらに、第1図の試験装置に試料を充填せ
ず電気炉の温度を400,600,800℃に保持し、
塩化水素ガス濃度が約1,000ppmになるように調
整し、さらに炭酸ガスの濃度が8%になるように調整し
たガスを1L/minで流し、試験装置自体の塩化水素
ガス吸着量を測定し装置ブランクとした。
【0018】実施例2 実施例1で使用した粒体の排ガス処理剤を水で水洗し、
粒体に固定化された塩化ナトリウムを粒体から除去した
後、再度水酸化ナトリウムを担持させた排ガス処理剤を
実施例1で使用した第1図の試験装置に同じように充填
し、実施例1と同条件で試験を行い排ガス処理剤と接触
する前後のガスをサンプリングし、塩化水素ガス濃度及
び炭酸ガス濃度を測定した。
【0019】一方、比較例としてNo.1乃至3は、生
石灰をカルシウム源として調整を行った試料を用い、比
較例4乃至6に於いては、ナトリウム化合物を用い、比
較例7,8では反応温度800℃で塩化水素ガス除去試
験を行った結果を示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表1,2に示すように、実施例1乃至5
は、水酸化ナトリウムをナトリウム化合物とし、担持体
として珪藻土が本発明の規定している範囲内であり、塩
化水素ガスとの反応温度が600℃以下であるため、塩
化水素ガス除去率が95%以下となるまで30時間以上
維持でき、試験終了後排ガス処理剤を取り出したところ
全く固化していなかった。
【0023】一方、比較例No.1乃至3は本発明の規
定外で調整を行った試料を用いており、比較例No.1
乃至3はナトリウムの代わりに消石灰を用いているた
め、炭酸ガスが存在すると塩化水素ガスを除去できる時
間がナトリウムに比べて大幅に低下しており、塩化水素
ガスを除去できる時間が実施例と比較して短いため実用
的でない。
【0024】それに対して、比較例4,5は炭酸ナトリ
ウムが100重量%であり、塩化水素ガス除去率は確か
に排ガス処理剤よりも高かったが、試験終了後取り出し
た試料は固化していた。
【0025】比較例6乃至8は試験を行う反応温度を8
00℃と塩化ナトリウムが融解する温度より高い温度で
行ったところ、炭酸ナトリウム100重量%のサンプル
が数時間で塩化水素ガス除去率が95%以下となり、ケ
イソウ土にナトリウムを添加したサンプルは、十数時間
で塩化水素ガス除去率が95%以下となった。
【0026】600℃で塩化水素ガスと接触させた排ガ
ス処理剤(水酸化ナトリウム:50重量%,珪藻土:5
0重量%)について、水で水洗後100℃前後の乾燥器
にて乾燥させた後、再度水酸化ナトリウムを添加して乾
燥させたサンプルを第1図に示す試験装置を用い再度実
施例と同じ条件(反応温度:600℃,塩化水素ガス濃
度:約1,000ppm、炭酸ガス濃度:約8%)で試
験を行い評価した。その評価結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】上記表3に示すように、水洗を行ったサン
プルは反応前のサンプルに比べるとカルシウムの含有率
は低下しているが、ほとんど反応前の性能を有してお
り、塩化水素ガス除去率が95%以下となるまで30時
間以上維持できた。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、排ガス処理剤を350
℃以上の温度で存在させても処理工程中から発生する塩
化水素ガスを除去することが可能であり、さらに排ガス
処理剤に固定化された塩化ナトリウムを吸収するため固
化を防ぎ、排ガス処理部の目詰まりや偏流を防止でき
る。また、炭酸ガスが1パーセント以上存在する状況下
に於いても、塩化水素ガスを除去する能力が低下しない
ため、廃棄物焼却工程や化石燃料燃焼工程等炭酸ガスが
多量に存在する工程に於いても、その能力を十分発揮す
ることができる。さらに、洗浄により再生利用も可能で
あるため、従来の反応剤や活性炭等の使用量を著しく低
減することが可能となる。また、高温域で塩化水素ガス
等の酸性ガスを除去するため、ボイラー等による熱利用
が高温域で可能となり熱効率の向上が期待できることか
ら経済的にもきわめて有効な手段である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図面は本発明を得るのにいたった実験装置の
系統図である。
【符号の説明】
1.塩化水素ガスボンベ 2.コンプレッサーエアー 3,4,5.流量計 6.炭酸ガスボンベ 8,7.サンプリング口 9.試料充填用石英管 10.電気炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 泰彦 鳥取県倉吉市西倉吉町19 昭和化学工業株 式会社研究所内 (72)発明者 東谷 智子 鳥取県倉吉市西倉吉町19 昭和化学工業株 式会社研究所内 (72)発明者 本松 崇 鳥取県倉吉市西倉吉町19 昭和化学工業株 式会社研究所内 Fターム(参考) 4D002 AA19 BA03 DA02 DA12 DA16 DA47 EA09 FA04 GA01 GB03 4D020 AA10 BA01 BA08 BA09 BB01 BC10 CA05 CA06 CA07 CA08 DA03 DB02 4G066 AA13B AA43B AA66C AA67C AA70C BA09 CA31 DA02 FA37 GA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排ガス温度が300℃以上の高温域で排ガ
    ス中に存在する有害酸性ガスである塩化水素ガスを、塩
    化ナトリウムとして固定化することを特徴とする排ガス
    処理剤。
  2. 【請求項2】排ガス温度が300℃以上の高温域で、さ
    らに1パーセント以上の炭酸ガスの存在下において、排
    ガス中に存在する有害酸性ガスである塩化水素ガスを塩
    化ナトリウムとして固定化することを特徴とする排ガス
    処理剤。
  3. 【請求項3】ナトリウム化合物が10乃至70重量%含
    有されることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガ
    ス処理剤。
  4. 【請求項4】ケイソウ土、パーライト及びシラスバルー
    ン等の吸収性の高い無機鉱物から選択された少なくとも
    1種の材料がナトリウム化合物の担持体として30乃至
    90重量%含有される,粉体もしくは粒体であることを
    特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の排ガス処理
    剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載の排ガス処理剤と水酸化
    ナトリウム、炭酸ナトリウム等のナトリウム化合物から
    選択された少なくとも1種からなる化合物とを混合する
    ことを特徴とする請求項1〜4記載の排ガス処理剤。
  6. 【請求項6】使用済みの処理剤を洗浄することにより塩
    化ナトリウムを除去した後、再度ナトリウム化合物を担
    持させ反復使用することを特徴とする請求項1〜4いず
    れか1項記載の排ガス処理剤の再生方法。
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CN103830996A (zh) * 2014-02-18 2014-06-04 东南大学 脱除HCl气体的中高温脱氯剂及其制备方法
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