JP2001258288A - アクチュエータの駆動制御回路 - Google Patents

アクチュエータの駆動制御回路

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JP2001258288A JP2000068782A JP2000068782A JP2001258288A JP 2001258288 A JP2001258288 A JP 2001258288A JP 2000068782 A JP2000068782 A JP 2000068782A JP 2000068782 A JP2000068782 A JP 2000068782A JP 2001258288 A JP2001258288 A JP 2001258288A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィードバック形の電流制御回路によりアクチ
ュエータを駆動する装置において、ハードウエアを付加
することなく、アクチュエータの不良状態を検出し、す
みやかにフェイルセーフなどの動作に移行させる。 【構成】制御回路のプログラム演算回路は、目標電流値
が新たに設定されたときに、アクチュエータの制御電流
をこの目標電流値に等しくするように制御出力を発生す
るが、この制御出力を発生してからアクチュエータに供
給されている電流と目標電流値との差分が予定されたよ
うに小さくならないときに、自律的にアクチュエータの
故障警報出力を発生する付加的なソフトウエアをプログ
ラム演算回路に追加することにより実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流により機械系
の制御を行うアクチュエータの駆動制御に利用する。本
発明は、プログラム制御回路により行う電気的な制御を
機械的な制御に変換するアクチュエータの駆動回路に関
する。本発明は、アクチュエータに何らかの故障が発生
して、アクチュエータがプログラム制御回路の制御に適
正に応動しなくなったことをプログラム制御回路が認識
するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ソフトウエアが組み込まれたプログラム
制御回路の出力により機械系を制御するためにはアクチ
ュエータが利用される。プログラム制御回路の出力その
ものは微弱な電流(または電圧)信号であるから、この
微弱な信号を半導体スイッチ素子のゲート電極に供給
し、この半導体スイッチ素子のアノード電極から出力さ
れる増幅された駆動電流によりアクチュエータを駆動す
る。このアクチュエータは駆動電流により生じる電気子
の機械的な運動により、機械装置に目的の機械的な変移
を与え、あるいはさらに油圧制御弁を開閉制御して別の
機械制御系へ制御動力を伝達させる。プログラム制御回
路の出力電流に対して、アクチュエータの駆動電流が相
応に大きい場合には、半導体スイッチ素子による電流増
幅回路が複数段用いられる構成のものも知られている。
【0003】その機械系が油圧制御弁の開閉のような単
純な往復運動であるときには、アクチュエータとしてソ
レノイド形のものが利用されるが、その機械系が回転運
動を行う操舵装置のような場合には、アクチュエータを
回転モータにより構成し、この回転モータの動力により
機械系を制御することも行われる。
【0004】従来から、このように電気制御信号により
機械系を制御する制御駆動回路ではアクチュエータの駆
動電流通路に抵抗値の小さい抵抗器を挿入しておき、駆
動電流によりこの抵抗器に発生する電圧を入出力変換回
路(I/O)を介してプログラム制御回路に取込み、こ
の電圧が設定された目標値になるように駆動電流のフィ
ードバック制御を行う装置が広く普及している。
【0005】そして、このような装置では装置の性質に
より、アクチュエータ側に何らかの異常が発生して、ア
クチュエータが駆動電流に応動しなくなったときには、
警報信号をプログラム制御回路にフィードバックするこ
とを必要とする場合がある。たとえばアクチュエータが
操舵装置のアクチュエータであるときには、それが適正
に応答しないとき、これをプログラム制御回路がただち
に認識して、フェイル・セーフ制御を実行するなどの対
応措置が必要になる。このためには電流検出回路の抵抗
器のほかに、アクチュエータの端子電圧を検出する、あ
るいはアクチュエータの機械的な変位を検出するなどの
装置が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】アクチュエータの端子
電圧を検出することにより、アクチュエータの両端子間
の短絡、アクチュエータの両端子間の断線、アクチュエ
ータの過負荷による過大電流の発生などを検出すること
ができるが、この端子電圧を検出するためには相応のハ
ードウエア付加回路を必要とする。とくにアクチュエー
タの駆動電流に上限値を設定して制御を行う駆動回路で
は、アクチュエータの巻線の接地に対する短絡を検出す
るには、アクチュエータの両端子間またはそれに相応す
る回路の電圧を検出するハードウエアが必要である。
【0007】またアクチュエータの機械的な変位を検出
するためには、光センサその他の機械電気変換素子を設
けることが必要である。このようなハードウエア付加回
路を設けると、このために部品点数が増加する。さら
に、部品構造が複雑になるとともに、組み立て工数も大
きくなる欠点がある。さらに付加するハードウエアの故
障についても新たに配慮することが必要になる。
【0008】本発明はこのような背景に行われたもので
あって、いっさいのハードウエア付加回路を必要とする
ことなく、制御用アクチュエータの動作状態を検出する
ことができる装置を提供することを目的とする。本発明
は、制御用アクチュエータの動作不良を検出するための
安価な装置を提供することを目的とする。本発明は、信
頼性の高い制御用アクチュエータの動作異常検出手段を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、プログラム制
御回路に駆動電流検出回路からフィードバックされる駆
動電流の電流値が制御目標に追従していないとき、その
追従させようとする状態を制御回路で自己認識し、これ
によりアクチュエータの動作不良を検出する警報出力を
発生することを特徴とするものである。本発明は、ソフ
トウエアを一部追加変更するだけで、いっさいハードウ
エア部品を追加することなく実現することができる。
【0010】すなわち本発明は、アクチュエータ(1)
に供給する駆動電流の通路に設けられた電流検出回路
(2)と、この駆動電流の目標値を設定する目標値設定
回路(3)と、前記電流検出回路の検出出力を取込み前
記目標値との差分を演算する演算手段(4)と、この差
分を小さくするための制御出力を発生するプログラム演
算回路(5)と、この制御出力にしたがって前記駆動電
流を供給する電流供給回路(7、8)とを備えたフィード
バック形のアクチュエータの駆動回路において、このプ
ログラム演算回路(5)には、前記差分を小さくするた
めの制御出力を発生しつづけても前記差分が所定範囲に
ならないことを自己判定する手段と、この自己判定する
手段の判定にしたがって故障警報出力を発生する手段と
を含むことを特徴とする。
【0011】上記括弧内の数字は、あとから説明する実
施例図面の参照数字である。これは発明の構成を理解し
やすいように付記するものであって、本発明を実施例に
限定して理解するためのものではない(以下同じ)。
【0012】たとえば、アクチュエータ(1)に供給す
る駆動電流が周期的な断続電流であり、前記制御出力は
その断続電流のデューティ比(d/T)の情報を含むと
き、前記自己判定する手段は、差分が所定範囲にならな
いことをその断続電流のデューティ比が所定範囲になら
ないことにより判定することができる。
【0013】たとえば、前記アクチュエータに供給する
駆動電流が連続的な電流であり、前記制御出力はその駆
動電流の電流値の情報を含むとき、前記自己判定する手
段は、前記差分が所定範囲にならないことをその駆動電
流の電流値が設定された時間内に所定範囲にならないこ
とにより判定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(第一実施例)図1は本発明第一
実施例装置のブロック構成図である。アクチュエータ1
はソレノイド形であり、そのアマチュア(図外)は油圧
制御弁を駆動する。その巻線に供給される駆動電流は電
流検出回路(抵抗器)2により検出されプログラム制御
回路12にフィードバックされる。これはローパスフィ
ルタ14を介して、差分を演算する演算手段4に与えら
れ、目標値設定回路3に設定された目標値と差分を演算
する演算手段4により比較される。この図では差分を演
算する演算手段4はアナログ演算を行うように描かれて
いるが、これは実際にはプログラム制御回路12の内部
でディジタル演算される演算手段である。そしてこの差
分が小さくなるようにプログラム演算回路5で演算され
た制御出力が入出力インタフェース(I/O)を介し
て、ゲート駆動回路6に与えられる。
【0015】このゲート駆動回路6の入力信号は、論理
「1」および論理「0」を繰り返すパルス幅信号(PW
M信号)である。その周期はTであり、一周期内で論理
「1」になっている時間はdである。そのデューティ比
はd/Tとなる。このパルス幅信号は増幅されてスイッ
チ回路7に供給され、このスイッチ回路7の開閉動作に
したがってアクチュエータ1に駆動電流を供給する。ダ
イオード10はフライバック電流吸収用である。
【0016】このような回路では、スイッチ回路7の一
端はほぼ一定電圧の電源に接続されているから、デュー
ティ比(d/T)にしたがってアクチュエータ1の実効
的な駆動電流が制御される。ローパスフィルタ14は、
現実にはソフトウエアにより設定された演算回路であ
り、周期Tに対して十分に大きい時定数を有し、差分を
演算する演算手段4の入力には周期Tに対して平均化さ
れた値となる。
【0017】ここで本発明の特徴とするところは、プロ
グラム演算回路5が、このデューティ比が正常範囲を越
えたときに入出力インタフェースを介して警報出力Aを
送出するプログラム手段を備えたところにある。
【0018】図2は警報の判定領域を説明する図であ
る。横軸に電源(+B)の電圧をとり、縦軸にデューテ
ィ比(d/T)をとると、電源電圧の変動(24V±Δ
V)にしたがって、斜線を施した部分は警報領域であ
る。すなわち、アクチュエータ1の巻線に断線がある
と、制御信号のdで示すタイミングでも電流検出回路2
に検出される駆動電流がきわめて小さいから、プログラ
ム演算回路は供給する平均電流を大きくしようとして制
御信号のdで示す時間を長くするように、つまりデュー
ティ比を大きくするように制御する。このときデューテ
ィ比が0.9を越えたら断線と判定して警報出力Aを送
出する。
【0019】一方、アクチュエータ1の巻線に層間短絡
が発生しているとすると、制御信号のdで示すタイミン
グで大きい電流が流れ、これが電流検出回路2により検
出される。プログラム演算回路5はこの電流を小さく制
御しようとしてデューティ比を小さく制御する。このデ
ューティ比が図2に示すように電源電圧に対応して、
0.5〜0.6を下回ると短絡として警報出力Aを送出
する。
【0020】この警報出力Aは、図2に示す正常な領域
を上に越えたか、あるいは下に越えたかにより、断線ま
たは短絡の区別をするように構成することができる。
【0021】この警報出力Aを発生するための動作は、
すべてプログラム演算回路のソフトウエアにより行われ
るから、アクチュエータ1の周辺その他にいっさいのハ
ードウエア付加回路を必要としない。
【0022】(第二実施例)図3は本発明第二実施例装
置のブロック構成図である。この装置は、運転席に設け
られた操舵輪に機械的に連結された操舵センサ11の出
力をプログラム制御回路12に取込み、このプログラム
制御回路12の演算出力を駆動回路13の制御入力に与
え、駆動回路13はその制御入力にしたがってアクチュ
エータ1に電源+Bから駆動電流を供給するように構成
されている。この駆動電流を制御する回路8は、抵抗器
および半導体スイッチ素子により構成され、プログラム
制御回路12により制御され、アクチュエータ1の回転
トルク調節を行う可変抵抗回路およびアクチュエータ1
の回転方向切換を行う極性反転回路を含む。
【0023】この駆動電流の通路に電流検出回路2、具
体的には電流検出用の値の小さい抵抗器が挿入され、こ
の抵抗器の両端に生じる電圧がプログラム制御回路12
にフィードバックされる。そしてプログラム制御回路1
2は、この電流検出回路2からフィードバックされた信
号と操舵センサ11の出力から演算された電流目標値と
の差分が小さくなるように演算制御を行う。
【0024】この装置は、操舵センサ11に与えられた
操舵トルクの関数倍のトルクがアクチュエータ1から操
舵系機械装置に発生するように制御する装置であり、ア
クチュエータ1に供給される駆動電流が、センサ出力に
対応して目標値設定回路3により演算された目標値に等
しくなるようにフィードバック自動制御が行われる。
【0025】図3に示す本発明第二実施例装置は、入出
力インタフェース(I/O)を経由して警報出力Aを設
けたところに特徴がある。図4はこの第二実施例装置の
警報出力発生に係る部分の制御フローチャートを示す。
これはプログラム演算回路5の制御フローチャートであ
る。本発明は、ソフトウエアの変更により実現されるも
のであり、この制御フローチャートにその特徴がある。
【0026】この動作を図4に示すフ制御フローチャー
トにしたがって説明すると、操舵センサ11から入力す
る操舵トルクに応じて、新しい目標値の設定が行われ
る。この新しい目標値と電流検出回路2が検出する電流
値との差分を演算し、この差分が小さくなるようにプロ
グラム演算回路5が制御出力を発生する。この出力によ
り駆動回路8がアクチュエータ1に駆動電流を供給す
る。
【0027】この制御出力が発生した時点で、プログラ
ム演算回路5の内部にソフトウエアにより設定されたタ
イマが起動される。そしてこのタイマは、上記目標値と
電流検出回路2が検出する電流値との差分が零になる、
すなわち駆動電流が目標値に達したときに停止する。し
かしこのタイマが計時を実行している過程で、その計測
時間があらかじめ設定された上限時間を越えると警報出
力を発生する。これはあらかじめ設定された上限時間内
に制御電流が目標値にならなかったことであり、これは
たとえばアクチュエータ1の断線時などの発生する現象
である。このときには、通常の制御出力を停止するとと
もにフェイルセーフの動作を実行するなど、故障に対応
する動作に移行する。
【0028】一方、タイマがこの上限時間を越えること
なく、駆動電流の値が目標値に達することにより停止し
たが、この停止したタイマの計測時間値があらかじめ設
定された下限時間をさらに下回る短すぎる時間であると
きにも警報を発生する。これは、たとえばアクチュエー
タ1の巻線に短絡があり、実際にはアクチュエータ1の
アマチュア(図外)が機械的に移動していないにもかか
わらず、アクチュエータ1の駆動電流が目標値に達した
ことになる。このときにも故障に対応する動作に移行す
る。
【0029】上限値を越えたことによる警報と下限値に
達しなかったことによる警報とを区別することにより、
異常原因のいくつかを区分することができる。これは上
で説明したとおりである。
【0030】
【発明の効果】本発明は、プログラム制御回路のソフト
ウエアを変更することにより、アクチュエータの故障検
出を実施することができるから、アクチュエータの故障
を検出するためのハードウエア付加回路をいっさい必要
としない利点がある。これにより、アクチュエータの故
障検出のための装置が安価に構成できるとともに、付加
回路により予期されるあらたな故障に対する配慮を必要
としない。本発明により信頼性の高いアクチュエータの
故障警報回路が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例装置のブロック構成図。
【図2】本発明第一実施例装置の警報限界を説明するた
めの図。
【図3】本発明第二実施例装置のブロック構成図。
【図4】本発明第二実施例装置の要部制御フローチャー
ト。
【符号の説明】
1 アクチュエータ 2 電流検出回路(抵抗器) 3 目標値設定回路 4 差分を演算する演算手段 5 プログラム演算回路 6 ゲート駆動回路 7 スイッチ回路 8 駆動回路 11 操舵センサ 12 プログラム制御回路 13 駆動回路 14 ローパスフィルタ
フロントページの続き Fターム(参考) 2G014 AA02 AA03 AA25 AB28 AB62 AC18 5H570 AA21 AA30 BB10 DD01 DD10 EE01 FF05 GG01 HA15 HB02 JJ03 JJ18 JJ26 LL02 LL33 LL40 MM07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクチュエータ(1)に供給する駆動電流
    の通路に設けられた電流検出回路(2)と、この駆動電
    流の目標値を設定する目標値設定回路(3)と、前記電
    流検出回路の検出出力を取込み前記目標値との差分を演
    算する演算手段(4)と、この差分を小さくするための
    制御出力を発生するプログラム演算回路(5)と、この
    制御出力にしたがって前記駆動電流を供給する電流供給
    回路(7、8)とを備えたフィードバック形のアクチュエ
    ータの駆動回路において、 前記プログラム演算回路(5)には、前記差分を小さく
    するための制御出力を発生しつづけても前記差分が所定
    範囲にならないことを自己判定する手段と、この自己判
    定する手段の判定にしたがって故障警報出力を発生する
    手段とを含むことを特徴とするアクチュエータの駆動制
    御回路。
  2. 【請求項2】前記アクチュエータに供給する駆動電流が
    周期的な断続電流であり、前記制御出力はその断続電流
    のデューティ比の情報を含むとき、前記自己判定する手
    段は、前記差分が所定範囲にならないことをその断続電
    流のデューティ比が所定範囲にならないことにより判定
    する手段を含む請求項1記載のアクチュエータの駆動制
    御回路。
  3. 【請求項3】前記アクチュエータに供給する駆動電流が
    連続的な電流であり、前記制御出力はその駆動電流の電
    流値の情報を含むとき、前記自己判定する手段は、前記
    差分が所定範囲にならないことをその駆動電流の電流値
    が設定された時間内に所定範囲にならないことにより判
    定する手段を含む請求項1記載のアクチュエータの駆動
    制御回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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